>>154
ちょっと予想以上だったよ。本当に疲れた……。
(肉体的にではなく、精神的な疲れではあったが、げっそりした顔に苦笑を浮かべて)
(母親の手作り弁当をちょっとずつ口に運ぶと、一息ついて徐々にいつもの明るさと快活さが戻りつつあった)
診てくれたお医者さんの説明だって推論で確かじゃないのに、ボクに全部分かる訳ないよ。
それに想定内だたけど、胸触らせろとかいう友達もいたし……。
(二人きりということで完全に安心して愚痴をぼやき、仲の良い男子の一人に胸を触らせろと言われたことに眉を顰めるが)
(いじめではなく、純粋に好奇と確かめたいという衝動だとは分かっていても良い気はしていなかった)
うん、まぁ、お父さんは俄かには信じられないみたいだったけどね。
お母さんは予想通り、変わったことには気にしてないと言うより、どちらかと言うと喜んでる感じ。
ボクは「彩」でも良かったんだけど、お母さんが「さあやちゃん」って名前可愛いよねとか、ボクに似合うとか、お母さん「さあやちゃん」が良いなとか言われたら、その方が良いかなって気になって……。
そもそもお母さんは女の子が欲しかったらしいし、どちらかに拘りがあったわけじゃないから「さあや」にすることにしたんだ。
……紗枝ちゃんも良いと思うなら……きっと間違いないね。
(父親も休暇を取り慌てて帰って来て、友人の医者へ診察してもらうのに付き合ってくれたりして)
(ようやく信じてくれたものの少し複雑そうで、それでも受け入れてくれたことは嬉しくて)
(母親は女の子になったと言った瞬間だけは驚き、あとは悦びギュッと抱き締めてくれて)
(あとはとても機嫌がよく、女の子の服を揃えなきゃと彩文以上に積極的であり)
(名前についても、「さあや」押しで断れる雰囲気もなく、どちらかに拘りが無い分受け入れたとしゃべって苦笑を浮かべて)
(紗枝も良いと言ってくれれば、嬉しそうに柔らかな完全に美少女と言って良い笑みを浮かべた)
あっ……うん、これからもよろしくね。
でも、まだ「さあや」ちゃんも、「彩ちゃん」も慣れないね。
(ちゃん付けの呼び方を受け入れたもののまだ慣れていなくて、さらにさあやちゃんに至っては恥ずかしさもあり頬を紅くして)
(徐々に慣れて行かなくてはと自分に言い聞かせていた)
昨日、親と校長先生や担任と話して理解してもらったあと、制服も作りには行ったんだ。
来週には出来るらしよ。
スカートも作ったけど、この学校は女子もスラックスが認められているから、しばらくスカートはお預けかな。
制服のスカート作る時に採寸で穿いてたけど、なんかスースーして心もとないし、何となく寒いし、脚を出す自信もないしね。
(女子の制服を作ったことを話し、医学的にも女子として認められた以上女子の制服を着ることに異論は無かったが)
(店の試着の短い時間や家、頼まれて男の娘モデルの撮影の時に穿くだけならまだしも)
(脚を晒したまま長時間生活することには抵抗があって、しばらく制服のスカートは穿かないと紗枝に告げる)
あっ、あとしばらくは医師ですらよく分からないし女子への影響も考えないといけないから、しばらく体育は見学することになった。
ただ、スカートにもボタンが逆なブラウスにも慣れないとね。
(しばらく体育は身体を動かすのが好きな彩文としては、見学になるのを残念そうな表情を浮かべて)
(すでに制服用のブラウスと、母親がフリルの付いた可愛いブラウスやスカートを買って来ていて)
(家ではボタンを嵌める練習をしたが、慣れなくて面倒と言って笑う)