あ……そういえば…………そうだったね……
(自身が男子トイレに入って彩文の世話をすることもあったが、それよりも彩文がこの場にいても違和感がないような容姿や体つきをしていたために言及するのを忘れていたという方が正しかったが、それについては口を噤み同意する)
時間も……うん、そろそろ…………授業も始まるから…………皆に心配かけないようにしないと…………
出るときは…………私が周辺……確認しておくから…………
(彩文が手をつなぐと、その感触を確かめるように握り返して周囲を伺う)
うん……大丈夫そう…………だね……
(慎重に廊下へ出ると何事もなかったかのように歩き、彩文と休日の約束について話し始める)
……そうだね、また同じくらいに…………同じ場所で……待ち合わせしよっか…………
同じ場所の方が……迷ったり…………しないだろうし…………
(彩文の女性化は順調に進んでおり、休日に当初の予定では紗枝の服を身に行くという予定だったが今では新たに女性化が進行しタイトな男物の服が多少体に合わなくなってきた彩文へ新しい洋服を工面する目的が生まれていた)
それじゃあ…………その日は……よろしくね…………
彩くんの……私服も…………好きだから……楽しみにしてるよ…………
(彩文にそう伝えると紗枝は彩文手をもう一度しっかりと握り教室へと向かう)