んっ…
(歩きながらおしりも揉まれ、微かに声を漏らす千歳)
(だけど今は我慢しないとならない)
(変に身体を動かすと催眠が解けかけているのがばれてしまう)
(1歩、1歩と歩くごとに身体が動くようになっていくのが分かる)
(もう少しでこのいやらしい怪人に矢を当てることができる)
(緊張が顔に出ないように我慢を続け、また足を1歩進めていく)
(やがて完全に腕が上がるようになったのを感じる)
(いまなら怪人に意表を突いてダメージを与え、隙を作って逃げられる)
…今!
(小さく呟くと、千歳はばっと後ずさって弓を構えると矢を放った)
(千歳の脳裏には矢が突き刺さって驚愕の表情を見せる怪人が見えていた)
……え…?
(でも驚愕の表情を見せたのは、怪人ではなく千歳の方だった)
(突き刺さったと思った矢は、次の瞬間消えてなくなっていた)
え…え…な、んで…?
(呆然とする千歳に向かって、怪人が得意げに説明をしてくる)
あ…う…!
(泣きそうな表情で後ずさる千歳)
(怪人が自分よりも強いと分かってしまい、ため込んだ戦意がどんどん失われていく)
…ひ…ぃい!
(そして後ろを向いて逃げようとした瞬間、千歳のおしりの中をすさまじい衝撃が襲った)
あ゛ひぃいいい!
(おしりに突き刺さった自分が放った矢の勢いで、前のめりに倒れる)
い゛っ…ひっ…いだ、いっ…ぃ
(四つん這いになった千歳のおしりから、突き刺さった矢が尻尾のように突き出ている)
【ありがとぉ!】