>>876
……ああ、知ってる…。
(千歳の言葉に、苦虫をかみつぶしたような表情を浮かべてしまう)
(大切な息子が犯されている映像が世界中に配信され、今では消されているものの)
(それでも全てを消すことができず、裏の世界では無修正のものが出回っているようだ)
(そして目の前の千歳も、仕草や表情もどことなく女の子のようになっていて…)
(妻の生き写しのような、そんな千歳の姿に言葉が詰まって何も言えなくなってしまっていた)
……あ、ああ…それが、不思議なことにお父さんも力が目覚めたみたいなんだ。
こんな歳で目覚めてどうするんだって感じなんだけどな…。
千歳よりも、早く目覚めてれば…お前を助けられたのに…。
(父親は言いながら後悔するように俯き、そして両手で千歳をぎゅっと抱き寄せる)
これからは、千歳…お前を守らせてもらえないか?
家に帰って来て、お父さんと一緒に暮らそう。
もう、お父さんも自分の事は自分で守れる…千歳のことも、守れる…。
守らせて、くれないか?
(千歳を優しく抱きしめたまま、頭をそっと撫でつつ視線を合わせるようにしゃがむと)
(千歳の返答を待つように、瞳を見つめる)

『おいおい、先客か?』
(不意に後ろから声が聞こえ、父親は千歳の守る様に立ち上がる)
千歳、下がっていなさい。
お父さんが追い払ってくるから。
(しかし、父親はまだ力を使いこなせていないようだ)
(千歳がともに戦わないと、どうなってしまうかはわからない…)
……。
(胸に手を当てたと同時に、父親は黒い霧に包まれ全身が真っ黒な怪人のような姿に変わる)
(しかし黒い翼に悪魔のような姿は、ヒーローには見えないが…)
(千歳を守る、ただそれだけの為に怪人の意識に乗っ取られずにいるかのようだった)


【じゃあ、どっちにもいつでもなれるような設定にしちゃおう!】
【ダークヒーロー的な感じで、千歳ちゃんといったん共闘してみよう!】