(彼からのラインも無く、推しの動画の更新もなく……退屈で仕方がないと言った様子)
(お互いにテストや部活などで時間が噛み合わず、なかなか鷲一君とも会えずもやもやとした日々が続いていた)
ふわぁ〜〜〜……ぁ………もう一回寝ちゃおうかな。
(大あくびをするとぽい、とベッドの隅にスマホを放り投げると布団をかぶり、うとうとし始める)
…………。
(温かい布団の中、どんどん意識が遠くなっていき、そのまま眠りに……と思ったその時)
(ヴィーッ、ヴィーッ、とスマホが着信を知らせる。眠りを邪魔された芹はムスッとした表情でスマホをとり、どこからの着信なのか確認する)
(当選おめでとうございます!とのメッセージになんだ、スパムメールか、と無視しようとしたが、その発信相手は贔屓にしているウェブマガジン)
(がば、と起き上がり、目をこすってもう一度読んでみると、ダメ元で応募してみた抽選に当選していたのだった)
えっ……!?う、嘘ぉ!
(しかもそれは有名温泉地の高級旅館のペア旅行券だった。当たってもステッカーかキーホルダーかな、なんて思っていた芹は目を丸くする)
(ペア、というと両親にでもプレゼントしようか、とも思ったがうちの両親はしょっちゅう芹を置いてラブラブお泊りデートをしているのを思い出す)
たまには………いいよね♪
(芹はにや、と笑ってラインでメッセージを送る。当然その相手は鷲一くんだった)
【おまたせしました、改めてよろしくお願いしますね】