そうだよ、酷いんだよ、人のこと目茶苦茶にしといて……葉っぱで逮捕なんて
んー。それくらいは何度もやってきてるから……
見える?これ?あいつのよりデカいやつ……
(駅の公衆トイレの個室。シャツを捲り、ショートパンツを太ももまで下ろして、短い動画を撮る)
(顔は一応黒いマスクで誤魔化しながら、その上であまり画角に入らないように)
(バーベル型のピアスが貫く乳首には、ウズラの卵と同じような形と大きさのピンクローターが、サージカルテープで固定されて)
(ショートパンツにショーツ、さらに吸水するナプキンが重ねられた上に、350mlペットボトルほどあるバイブレーター)
(先っぽは既に潤んだ中に突っ込まれて、片手でスマホを構えたまま、もう片手でパンツを引っ張り上げ、ねじ込みながら履いていく)
(……ある程度引っ張り上げたところで動画を止めた。これ以上は両手でないと入り切らないし、チャックとかボタンとかが留められない)
……ん、イク分には、何度もイケそうなんだけど……っふ……
(常にブゥン……と小さく振動音がする。不用意な動きをすると、奥をえぐったり、予期しない動きをするから小股に歩く)
(リュックを前に抱え、胸に浮き出るローターを隠して……それをギュッと押し付けながら)
(エスカレーターは歩いて昇らず、大人しく……それでも一歩ごとに、甘い刺激にアクセントが加わり)
(ホームに着くまでに体は出来上がり、マスクの下では、誰とも知らない相手の言いなりになる興奮で、だらしない笑顔になっていた)
……う゛あ゛あああ……
(環状線のシートに座り、振動に浸る。胸の先、腹の奥の振動に飽き足らず、BTイヤホンで自分の声を聞く。)
(変身ヒロイン完全敗北 無惨!触手凌辱刑)
(そんなタイトルの、以前自分が読み上げたアダルトボイスドラマだ)
(負けちゃったスーパーヒロインが、許しを乞いながら、触手の牢獄でやられたい放題する作品だ。粘っこい水音のSEと、苦しげな私の声)
(演技だとわかっていても、自分の上げる悲鳴が、嬌声が、自分自身を追い詰めて昂らせ、耽溺する)
(電車の一人分のシートの上が、触手ひしめく魔牢になっていた)
(力が抜けていく。ミニスカだったら丸出しになるくらい脚が開いていく)
(ショートデニムの生地が突っ張って、電車の振動とは言えないほど不自然に震えて、上にリュックが乗ってるとはいえ、角度によっては見えそうだった)
(漏れ出ていく液は夜も安心なナプキンが吸ってくれるけど、発情の熱、それによる蒸れが、全身を包む)
(マスクの中は涎でべっとり、顎が痒くなって来ちゃうほど。繕っていられない有り様を、無理やりマスクが隠している)
お゛っ、ぉ…………ふぅ……ぅ
(すーっと、意識が遠のいて浮かんでいく絶頂感。)
(体が勝手にピクピクする。誰も見ちゃいないと思うけど、見つかったら終わる、というスリルが頭を焼く)
(微睡んではハッとするように、絶頂感の中と行ったり来たり、揺さぶられて)
(ボイスドラマの、触手に屈して媚びた声を上げる私に脳を染められる)
(口へ入ってくる触手をフェラする私に、シンクロするようにマスクの下で口を開き、舌をれろれろさせて、声は我慢)
(1人分のシートの上の淫獄に囚われ、人前で繰り返し絶頂している私を……周囲はどうやら気づかないでくれている)
(頭ぐちゃぐちゃの私が、気づかれてるのに気づかなかっただけかもしれないけど)
(環状線が1周するころ。頭のくらくら具合から、15回くらいいったかな。)
(ナプキンが保水の限界を迎え、太ももに生暖かさが触れた。これ以上は電車のシートを汚しそうで、切り上げる)
(胸のローターを止めて、車内のポールに掴まりながら、産まれたての馬みたいにプルプル立ち上がって……最初に乗ったのと同じ駅で降りると、よろよろとトイレに転がり込む)
(パンツを下ろすとネットリと糸を引き、ベトベトのナプキンを捨てると、ショーツも染みていて、これも脱いで…………ビニールに包もうと思ったけど)
(マスクをずりおろし、大口を開ける。一瞬あたしヴァンパイア)
(マゾ液漬けの下着を口に詰め、またマスクで隠して。換えの下着とナプキンをつけ直して。)
(あは。ローターをまたONにして、ずっと弱で動かしてたバイブを強に切り替え、ショートパンツで隠す。ちょうどボイスドラマは、三穴姦でモゴモゴ言うだけの、今にふさわしいところ)
(もう帰るだけだから、最後にもう1ギア上げて、改札に向かい……酔っ払いより覚束無い足取りで帰って、帰路でもう5回イキました)