魔性の彼は愛を知る (ソーニャ文庫)  一部ネタバレします


15ページ、四年前(ヒロインとヒーローが一緒に暮らし始めた時)の時点でヒロインは自分の素性を認識しており、
それを朝市の店主たちに話したので、彼らはヒロインが正真正銘上流階級の娘だと知っている
(つまり没落したバーヴァ子爵の娘だと知っていたはず)
115ページ、ヒロインのジゼラ・バーヴァという名前を聞いた某貴族は瞬時に
彼女がクレメンテ侯爵の亡き娘の子だと分かる
侯爵は行方不明の孫娘を探し続けている事が読者に示される
229ページ、ステッラ婆さんが
「あんたクレメンテ侯爵を知ってるね? 私の旧友でね― つまり、わかるね?孫はジゼラだ」
侯爵はヒロインを迎える準備をしている、とヒーローに言う
278-279ページ、ステッラ婆さんはヒロインに言う
四年前、ヒロインには莫大な借金があり 「あんたは身を売るしか無かった」
「ヒーローはあんたを引き渡さずに、あんたの身代わりになることに決めたんだ(つまり男娼になった)」
「なぜだかわかるかい? あんたがヒーローにとって生きる理由だからさ、あんたが欲しかったんだよ」
「自分を犠牲にしてでも守りたいもの(ヒロイン)ができたんだ」
と、ヒーローの自己犠牲を強調している
315ページ、ステッラ婆さんはヒーローに言う
「なぜジゼラ(ヒロイン)を隠してきたんだい? この子は貴族だ。金が有り余ってるこの子の祖父に
知らせれば簡単に救えただろう? あんたが身を売らなくても、身を削らなくても、この子は救われた。」

ステッラ婆さんは侯爵の旧友で非常な事情通なので最初から
(四年前、ヒーローが子爵邸で大怪我させられたヒロインを医師でもあるステッラ婆さんの所へ診せにきた時から)
ヒロインの祖父の事を知っていた、と考えるのが自然だと自分は思う
315ページからするとヒーローも分かってたはず、その辺の話が破綻しているのでは?
侯爵はまともな人物なので(孫娘を愛している)、婆さんが直ぐに彼に知らせていれば
ヒロインは有力貴族の正当な孫として大事にされ貴族としてのそれなりの幸せがあったはずでは?