紅村が描きたかったのは「痛み」
あるいは本人が言っていたように「惨めさ」

奪われる痛み（NTR）
失う痛み(BSS)
見下される痛み
蔑ろにされる痛み
無視される痛み
疎外される痛み
孤立する痛み
反撃できない痛み
終わらない痛み
否定される痛み
拒絶される痛み
偶像が崩れる痛み
報われない痛み
敗北する痛み
逃げ出す痛み

普通の、罪のない主人公があらゆる痛みに苛まれる。
フィクションという逃げを許さないよう、ありふれた現実描写だけで
最大の痛みを与えるよう配慮が行き届いている。
ただひたすら多くの痛みを多くの人に届けたいという紅村の熱い情熱＝趣味を感じる。
まれにみるひどい話だが、若い人みんなに教材として読んで欲しい。
この物語は男女を入れ替えても完璧に成立する。
お前の好きなあの子は、お前が行動を起こさなければ
秒でチャドやステイシーに食われる、変えられる、去っていく。
主人公と同じ目に遭いたくなければ勇気を出してすぐに行動を起こせ！