縛られて吊るされた華子は、沖田の挿入に耐えていた。
天井からのロープの長さは3mほどであろうか。
ギシギシと2秒ほどの等間隔で揺れている。
(振り子の復元力はF = -mgsinθ、周期 T = 2π√g/l ね)
(復元力は私の体重が50キロだからえ〜っと……)
(はっ!!周期はロープの長さだけによって私の体重は関係ないのよね。公式どおりだわ!)
(本当は沖田さんの引きや押しの力を考慮しないといけないのだろうけど、そこまでいくと大学レベルだわ。
工業大学に行けば学べるかしら)
(でもパパは女子大に行けっていうだろうな)
(ファラデーの『ろうそくの科学』によると確か蝋燭の火は青白いところは1500度とかね。絶対に肌に当たらないようにしないと!)
(この蝋の融点は低いのかしら…問題集のパラフィンはいつも50−60度あたりだったけど、やっぱり熱いわ)
(さっきの沖田さんの精子は今頃華子の膣を泳いでるかしら。卵巣から排卵されていなければ大丈夫だけど……)

華子は物理、化学、生物の授業で習った内容を反芻していた。
来年の2月には大学受験だ。こんなところで男たちとしけこんでいるわけにはいかないのだ。ライバルたちは今、必死で別の汗をかいているのだ。
(いまに見てなさい……。パパに言いつけて上級国民の力を思い知らせてやるわ。腎臓1個くらいじゃ済ませないわよ……)