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一年の間、落胆した父をずっと見てきた…そんな父が、母の帰宅を喜んでいる姿も見た。
そして、さっき見た現実、条件を受け入れてでも母とともにありたいと願った父の決断を
悟り、暁人もまた受け入れたのじゃないかと解釈している。さらに、

「どんなに父を想っていても…三好に抱かれれば母の心はすぐに三好へと傾倒してしまう」

もはやこれを信じるしかないのだが、満司の牝と暁年の妻、どちらの唯子も真実であり、
唯子はどんな堕ちようとも家族への想いを失ってはいなかったこともあるのでは?

ちなみにこの暁人の独白は「という…」と伝聞になっており、さらに「管理人に口止め」と
記述されていることから、ステージ後にも管理人と話しをしており、その際に聞かされた
唯子の今の状態であることがわかる。つまり、倶楽部の管理人もそのように理解している。