>>26
チョイとそのシーンを書き出してみようか

「鬼千代ちゃん・・・・・・」 
 濡れた眼で見あげた。
 声がかすれていた。
 自分の声ではないようであった。
 握った。
「これを、わたしに頂だい・・・・・・」
 唇をかぶせた。
 舌をあてるよりも、這わせるよりも、何よりも先に、まずそれで口の中をいっぱいにしてみたかった。
 呑み込んだ。
 まだ残っていた。
 もっと呑み込んだ。
 まだ残っていた。 
 そのもどかしさに、和美は声をあげた。
 たまらずに、舌をからめていた。