ゃねぇか。まぁ明らかに不釣り合いなツマンナイ野郎だったらぶん殴る可能性もなきにし
もあらずだが、それは俺にだって義弟を選ぶ権利くらいはあるからであって、別に妹の色
恋沙汰に興味なんかないけどな!
「……兄さん、早く召し上がらないとケーキはともかく、飲み物の方が冷めてしまいま
すけど……」
「わ、わーってるって!」
そうだ、こんな下らない用事はサッサと終わらせて寝よう。というわけで俺はハート形
の一番端っこを一口大に丁寧に切り落とし、何やらガン見してくる妹の目の前で恐る恐る
食べてみた。
「………………どうですか?」
「なんつーか、思ったより甘くない……みたいな?」
「それはに……男の方に食べて頂く物ですから当然ながら甘さは抑えてあります。それ
よりも他に感想はないんですか? まぁ語彙に乏しい兄さんに参考になるような感想なん
て期待していませんけど、もう少し何か言い様はないんですか? はっきり言って、それ
では最しょ……味見して頂いた意味がありませんから、もっと食べて少しくらいは役に立
ちそうなコメントを頂かないと困ります」
「わかったわかった、わーったから捲し立てるな!」
てな調子で最終的に半分ほど食べ必死に感想を捻りだしたで妹はようやく満足してくれ
俺は寝床に戻ることが出来た。