「俺の台詞だ。お前は順番を待つということができんのか」
「び、VIPだから! トイレの!」
 VIPでHIP。俺はもう死んだほうがいいな。
「用が済んだら出て行きなさい」
「言われなくてもそうしますよーだ」
 そう言うと妹はトイレットペーパーで尿道口を拭きそのままドアに手をかけた。こいつ
トイレにはいる前に下全部脱ぎやがったのか……。
「あれ? 開かない」
 なんだと?
 ドアノブを左右に回してみるが開く様子がない。どうやらさっき勢いよく閉めたせいで
壊れたらしい。
「大声出せば誰か気づいてくれるんじゃないか?」
 とてつもない誤解をうけそうだが。
「お父さんはゴルフ。お母さんはパートで夕方までいないよ……」
 なにその都合のいい展開。
 半畳のトイレで下半身丸出しの妹と勃起した兄。なんという構図でしょう。

 朝起きたら妹とトイレに閉じ込められた。

 妹がくるりと振り返り眼で訴える。どうしよう?
 俺の眼は当然、下半身に釘付けに。おお、見事に無毛。
「ちょ、変態! 絶対今エッチなこと考えてたでしょ!」
「当然だ」
「ヤられちゃう! あたし、LOみたいにヤられちゃうんだー!」
「俺のエロ本勝手にもって言っていくのはお前か」
「お兄ちゃんのロリコン! 二次性徴も迎えてないあたしの身体にあんなことやこんなこ
とする気なんだー!」
 バカだ、こいつ絶対バカだ。
「しないから。生理現象で勃ってるだけだから」
「口では抵抗してても身体は正直なんだ、うわぁん」
「使い方間違ってるからソレ」
「じゃあそれ小さくしてよ……」