一瞬、何が起こったか信じられなかった。
美春が俺の左腕を取ると、美春の右腕を絡めてきたのだ。
カップルがよくやる「腕組み」というヤツである。

「おい、一体どういう……?」

「おにーちゃん、私の好きにしていいって言ったじゃん……」

「いや、言ってないし」

「私疲れてるから、こっちの方が歩きやすいの」

「ったく……」

これがやりたかったから、俺に傘を持たせようと躍起になってたってわけか。
美春が傘持ってたらできないもんな……。
素直じゃねーんだから。

次回:おにーちゃんに彼女ができた!その時、美春はどーなってしまうのかっ!の巻