▼朝起きたら妹が右手を鎮めるのに必死になっていた take03 3/3

「ちょっと妹さん……」
 なんて笑えない状態だ。
「ご、ごめんなさい……自分ではどうしようもなくてっ……ああ、手が勝手に動いちゃうっ」
 羞恥で泣きそうな表情で謝りつつも、左手までもが俺のお尻をナデナデしてくる。
 自分の意思ではどうすることも出来ない悔しさと、俺に迷惑をかけているという申し訳なさが感じられるような感じられないような……。
「仕方ないヤツだな……」
 俺は優奈の右手をそっと掴んだ。そして、恋人同士がよくやるように、指同士を絡ませて握りしめる。
「こうすれば悪戯出来ないだろ?」
 人前で妹と手を繋ぐなんて恥ずかしさもあったが、これ以上優奈に人前で恥ずかしい行為をさせるのは見るに耐えなかった。
 俺が手を握った瞬間、優奈の普段は色白の顔が、トマトが熟したように真っ赤になる。
「兄さん……♪」
 優奈は蕩けてしまいそうな笑みを浮かべながら、黙って俺の手を強く握り返す。
 それから、電車を下りるまで優奈の右手が暴走することは無かった。 <終了>



自分の意思に反して悪戯しまくる優奈とその兄の災難はまだまだ続く。(笑)
優奈、いいなぁ……。セクハラじゃない、いじめでもない。だけど行く先々でエロいことをしちゃう。
書いてて楽しいですコレ。色んなシチュエーションが想像できますよね。全部お兄ちゃんが悪戯されるワケなんですが。

>>419さん
感想はあるともちろん嬉しいですが、
例え読んでなくても『乙』と一言あるだけで、投下して良かったと思えます。
一時期、本当に乙すら書く人がいなくて辛かったですから。