タンクトップにトレーニングパンツが、若い身体を包んでいる。
「なしておめさ、オレに抱きついちょる?」
「夏ば、暑いけぇ布団なんぞかぶけるか?」
「暑苦しかよ、離れぇ」
兄は最近大人の魅力も持ち始めてきた妹の顔に手を当て、頬を押しつぶして遠ざけようとする。
「やーだぁ、もちっとこーさせぇ。男だべ、がまっこだぁ」
弾力ある頬は、少し角度をつけただけでするりと兄の手を受け流し、妹の顔が兄の胸の中へと吸い込まれる。
「なして……なしてウチらは兄妹なんけ?」
小さく呟く妹の声。幼い頃、兄の嫁になると宣言し、その心を持ち続けている妹。
「ウチはにぃの嫁さなりてぇよ」
しかし現実というものも分かってきている年齢でもある。
「こんままじゃウチは嘘つきになってまうな」
「人間、誰でも嘘ついちょるぞ。気にせんでええ。それに幼い頃の話、もう時効や」
「じゃあ、これからの過ちも……いつか時効になるかのう?」
「えっ……?」
ドキリとするほど、妹は色っぽい表情を浮かべ、せんべい布団に寝そべる兄を見下ろす。
肩紐のずれて、胸元の膨らみが大きく目に入ってくる。少し動かせば桃色の乳輪が見えるだろう。
「にぃは……今年、神解きの儀式なんやろ? ちょぅ予行練習せん?」
『神解き』とは、元服を迎える男子が8月12日に村の神社へ行き、一晩過ごす行事だ。
そこで男子は女を知り、男となる。
「ウチがにぃの初めてなりてぇんだ、ええやろ。ウチ、にぃの身体にくっついてるだけでもう準備ええんよ」
妹のすり合わせてくる股間が熱く、じっとりと湿っている。
ショートパンツとパンツの底をズラし、下半身の切れ込みを露にすると、反り返ってしまっている亀竿を押し付けた。
「にぃ、妹で興奮してるん? 変態さんやな」
「お、おい、やめや……こんなん、おとん達に見つかったら大目玉やぞ。やめ……やめぇーーっ!」
そこで目が覚めた。
「にぃ〜♪ おはよう」
朝起きたら妹に、夏だというのに抱きつかれていた。夢で見た姿と同じ格好で。