制服姿の女子中学生達が、僕を怪訝な目で見てる。
無職だからって差別するなんて最低だ。
やる気も何も無い自宅警備員と一緒にするなよ。

物陰からそっと妹を見守るだけだ。
小学校の集団登校の時とかでも、地域の大人が見守ってたりするじゃない?
あれと同じだよ。

妹が無事に学校に着いたら、ちゃんとハロワ行くんだから。

中学校に近付くに連れて、制服姿の女子生徒が増えて来る。
加奈より可愛い子は居ないけどね。

同じ服の子がこんなに多いと、妹を見失ってしまわないようにしないと。
妹に見付からないように、注意を払いながら、少し距離を詰める。

「おはよ、由衣♪」「おはよー、加奈ちん♪」

――僕には向けてくれなくなった、笑顔と挨拶。

妹可愛いよ、可愛いよ妹。
何か作戦考えないとな。明日こそは加奈に笑顔でおはようって言って貰うんだ。