バトル・ロワイアル 【今度は本気】 第8部
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※ルート分岐のお知らせ
前スレ>>238「生きてこそ」以降、3ルートに分岐することとなりました。
ルートAは従来通りのリレー形式に、
ルートB、Cは其々の書き手個人による独自ルートになります。
経緯につきましては、新・総合検討会議スレの886以降をご参照ください。
(これは良くない。己の体に当てては成らぬ。直ちに排出せねば!)
直感に従い、ザドゥは得体の知れぬ気が駆け上る左腕を、
治療の為に押し当てていた右腿から外し、地面へと押し付けた。
親指の付け根には、地面ならぬ野草の柔らかく、瑞々しき感触。
その生命を感じさせる感触が気の放出と共に、失われた。
かさりと乾いた感触に、取って変わられた。
腕を上げたザドゥがそこに見たものは、枯れ、萎れた野草であった。
(なんだ…… この顕れは?)
知らぬ気の、知らぬ効能に、ザドゥの脳髄は揺さぶられる。
揺さぶられつつも、当代一流のグラップラーの嗅覚は反応した。
この変質の、効能が意味するところの本質を嗅ぎ分けた。
(草を枯らし、血の巡りを止める気……
この気こそ、【死の気】の名に相応しい有り様ではないのか?)
死光掌、狂昇拳を始めとする、【死の気】を込めた攻撃。
それらの顕れは、単純に表現するならば、爆発である。
放出を強烈な衝撃と変ずるのである。
相手に破壊を、突き詰めれば死を与えるエネルギー。
故にザドゥは、その師匠は、数多の拳法家は、それを【死の気】と断じた。
仮に、この気を雑草に放出したならば。
葉が千切れ飛び、吹き飛ぶという顕れとなる。
決して、草を枯らすことは無い。
気を用いた格闘術で闇世界の頂点に立った程の男である。
それほどの男ですら、知らぬ事象であった。
彼の知る【気】の常識ではありえぬ状況であった。
(知るべきだ。突き詰めるべきだ。この気を。新たな可能性を)
ザドゥはトレースする。
今の異様な気の流れ、そのプロセスを。
深呼吸。肺。酸素。心臓。血流。廻りて、神闕。
リンパ。気の練磨。発生。増幅。落して、丹田。
回転。螺旋。揚力。増幅。一呼吸。気の完成。
経絡。上昇。再び、神闕。
神闕。経絡。檀中。胸。
檀中。経絡。天突。鎖骨。
(うむ、ここまでは常と変わらぬ。
この先だ…… この先のどこかで、変質したのだ)
天突。経絡。大椎。肩。
大椎。経絡。臑会。二の腕。
臑会。死点。変質。天井。肘。
(!?)
変質の際を、ザドゥは捉えた。
始点は、死点と化した経絡であった。
ザドゥが治療を見送っていた、二の腕の重度の火傷。
そこに隣接する血流が滞り、死点が拡大。
経絡の一部にまで侵食を開始していた。
それに気付かずに気を流した故に変質が生じたのである。
(死点と化した経絡だと!?)
その驚愕に、ザドゥは流している気のコントロールを失った。
気が、死点と化した経路で膨らみ、停滞する。
渋滞となった【変質した気】―――【死の気】に、後続の【生の気】が衝突する。
そこに産まれたものは、均衡であった。
均衡であり、鮮烈な輝きを発する更なる【未知の気】の発生でもあった。
その均衡の中には、正も負も存在しなかった。
それら全てを飲み込んで余り有る混沌が、確かにあった。
(ぬ!?)
次の瞬間、刹那の混沌は弾けて消えた。
生の気も死の気も、腕の死点から消え失せた。
それは常の治療の結果である、生の死に対する勝利ではなかった。
治療の失敗を示す、死の生に対する勝利でもなかった。
生と死が、陽と陰が。
完璧に均衡した上での、対消滅であった。
(見た…… 俺は、知った! 【気】の最果てを!)
ザドゥは興奮に打ち震える。
大発見であった。
気を用いた格闘術で頂点とされていた到達点のさらに上がある事への、
その手段を偶発的ではあれ、己が独自に見出したことへの、興奮であった。
気の発祥。
易の宇宙生成論、周易繋辞上伝に曰く。
『易有太極。 ―――易に太極あり
是生兩儀。 ―――これ両儀を生じ
兩儀生四象。 ――両儀は四象を生じ
四象生八卦。 ――四象は八卦を生ず
八卦定吉凶。 ――八卦は吉凶を定め
吉凶生大業。 ――吉凶は大業を生ず 』
分裂に分裂を重ね、あらゆる存在が生じているが。
源流を遡上すれば、全ては究極の一に辿り着く。
世界の成り立ちを簡潔に示す啓示である。
ザドゥは、死光掌こそ、太極であると思っていた。
気の極みであるのだから、唯一絶対なのであると盲信していた。
その勘違いに、今、ザドゥは気付いたのである。
(そして、はっきりと判った。
死光掌とは【太極】に位置する奥義などではない。
陰陽二極の一、【太陽】の極みに過ぎぬ!)
生の気――― 両儀の陽。正。□。
死の気――― 両儀の陰。負。■。
根元の太極から万物を象徴する八卦に至る中間の過程として表れる、根源の嫡子たち。
ザドゥを始めとする気功師たちの長きに渡る不明の根源は、ここにあった。
その両儀の陽を、□を、親たる太極であると誤解していた。
一段下の存在を、最上位であると妄信していた。
故に、彼らの思う陰陽二極もまた、一段下がる。
両儀ではなく、四象。
□より生ずる□□と□■。
■より生ずる■□と■■。
その、□□を【生の気】と呼び。
その、□■を【死の気】と呼んでいた。
そこが根本的に違った。
(そもそも、健勝なる【生の体】から【死の気】を生み出せる訳が無かったのだ。
生命から生じる気は全て生。両義の陽。
両義の陽から分け出ずる【再生】と【破壊】の顕れに過ぎぬ)
ザドゥは、壊死の始まった瀕死の経絡から生ずる真の陰の気、■。
或いは、陰から生ずる陰の陰、■■の存在を知って、
己の、先人たちの思い違いに、気付いたのである。
死にかけた体であったからこそ産まれた偶然によって、
数多の先人が到達し得なかった気功の更なる深遠に、足を踏み入れたのである。
(……つまりは死光掌など、通過点ということか)
死光掌―――
この究極奥義はその名とは裏腹に、生の極みであった。
□□と□■を交錯させる、□でしかなかった。
(で、あるならば、だ)
理論で言えば、死光掌に対を成す陰の奥義も為せるはずである。
陰の極みも、またある筈である。
しかし、ザドゥはそこに想いを寄せなかった。
さらなる向こうを見据えていた。
死光掌を超える究極の一。
ザドゥが目指すべきは、そこであった。
(両儀の更なる根―――【太極】)
ザドゥは、探る。
気の流れを丹念にトレースする。
陰の気を生む為ではない。
陰の気を生んだ上でそこに陽の気を衝突させ、極の気を生む為にである。
試行、幾十度。
錯誤、幾十度。
そしてついに。
ザドゥは再び腕の経絡にて、混沌を生じさせることに成功する。
(やはり、均衡するのだ。
陰と陽は。
生と死は。
単に反目しあうのみではないのだ。
エネルギーが等しい時、均衡して。
そして―――)
ザドゥは確かに見た。
偶発的に起きた初回とは違い、始まりから終わりまでを内観できた。
故に直視できた。
生と死が入り混じり、食み合い、溶け合った混沌の気を。
始原の気を。
そして、その気の色とは。
(―――蒼い)
それは、蒼の光。
忌々しき鯨神と同じ光。
ルドラサウムが、何で出来た、どんな存在の神であるのか。
ザドゥは身震いと共に気付く。
しかしその震えは、恐怖から来るものでは、ない。
(この力は…… 届く)
震えとは、武者震いであった。
この力は、決して届かぬ筈の鯨神に届く力であると。
蚊の一刺しなどではなく、鼻血の一つも吹かせることの出来る力であると。
一筋の光明を見出した故の振戦であった。
(いや、これを極めれば。
人の身にありながら、神を殴り倒すことすら……)
ザドゥの興奮が気の均衡を崩し、蒼の気は霧消した。
太極は元通りの両儀に分かたれ、さらには四象にまで分かたれた。
実勢は陽の陽、四象の□□に軍配が上がり、経穴の死点は消滅。
気の流れが正常なものとなってしまう。
エネルギー量。ベクトル。出力。
根源の気とは、その全てが完璧に陰陽一対と成らねば保てぬ、繊細な力であった。
繊細にして絶大な力であった。
(ち、なんとも気難しいじゃじゃ馬よ)
ザドゥは、内観する。
死点と化した経穴・経絡を四肢の隅々まで探す。
しかし、無かった。
表皮に近い部分に、アウターマッスルに、死点はいくらでもあるが、
気を巡らせるべき経穴・経絡周辺は元々生命活動が活発であることも手伝って、
あきれるほどに健常であった。
「ふん、無ければ作るしかなかろう」
ザドゥはそう呟くと、全く無造作に。
ストローでも折るかの如く、無頓着に。
己の左薬指を、折った。
折った上で、捏ね繰り回した。
骨折箇所を中心に死点はすぐさま広がり、
ザドゥの口許には笑みが浮かんだ。
(よし。
これでコントロールしやすい位置に死点を確保できた。
あとは訓練あるのみだ)
武器もなく、防具もなく、魔術もなく、神秘も無く。
ただ己の肉体にて戦う者として。
拳者として。
人の肉体の極みに。
生命の神秘の根源に。
ザドゥの手は、届かんとしている。
↓
【グループ:ザドゥ・芹沢・透子】
【スタンス:待機潜伏、回復専念
@プレイヤーとの果たし合いに臨む】
【主催者:ザドゥ】
【スタンス:ステルス対黒幕
@陰陽合一を為す訓練を行う
Aプレイヤーを叩き伏せ、優勝者をでっちあげる
B芹沢の願いを叶えさせる
C願望の授与式にてルドラサウムを殴る】
【所持品:なし】
【能力:我流の格闘術と気を操る】
【備考:体力消耗(大)、全身火傷(中)、左薬指骨折】
(ルートC・三日目 PM4:00 A−6 海底)
仁村知佳去りし後も、しおりは浮かび上がらぬ。
肺と言わず、胃と言わず。
臓器に余すところ無く海水を溜め込んでしまった彼女は、
その比重により、浮かび上がることは無い。
仮に、浮かんでくる機会があるとするならば。
体内で腐敗によるガスが発生するまで待たねばならぬ。
即ち、死なねば、浮かぬ。
その、しおりが沈む海域に、突然。
爆弾でも投下したかの如き波飛沫が巻き起こった。
波濤の中心には、大きく揺れる一艘の小型船舶。
キャビンに茫と佇むは、かつてN−21と呼ばれていた椎名智機の分機。
思惟簒奪者・御陵透子。
今や透子とは船であり、船とは透子であり。
二つの機械に個の別は無く、透子の論理集積回路を元に
完全に一つの機械生命体として機能していた。
Dパーツ―――
あらゆる機構と智機ボディとを融合させる、
神の前報酬の最後の一つを、使用しているのである。
「ん、実験成功」
御陵透子が行った実験とは。
Dパーツで融合した上でのテレポートが可能か否か、であった。
自身と、自身の手で持ち運べるもの。
それが、これまでの能力の限界であった。
その壁を、Dパーツにて打ち破れるのではないか。
融合したものが、【自身】と判断されるのであれば、可能であるはず。
透子は一体化している漁船ごとのテレポートを、
しおりの沈む海域の上空2メートルの位置に設定し、
見事これを成し遂げたのである。
そして、もう一つの実験もまた。
船上で年甲斐も無く無邪気にはしゃぐ仲間の存在が、成功を証していた。
「おぉ!? これがトーコちんの瞬間移動か〜、すごいねぇ〜ふしぎだねぇ〜」
両手に投網を握った、カモミール芹沢である。
透子のテレポート能力では、人は運べぬ。
自身の手に余る荷物も運べぬ。
しかし、Dパーツで融合した機構が自身だと認識されたのであれば、
その機構に乗り込んでいる人や物資もまた、
自身の力にて持ち運べているのだと認識される筈である。
透子はそう推論し、そしてその推論は正しかった。
(これで、果し合いに於ける私の戦法の幅が広がった。
そして、私たちの勝利の確率も大幅に上昇するはず)
二つの実験の成功に、魂を振るわせることはなく。
十数度にまで傾く甲板にも次々と押し寄せる高波にも顔色一つ変えず。
透子は実験の先にある戦術に、思いをシフトさせてゆく。
その黙考は、数秒で遮られた。
手に持つ投網をぐるんぐるんと振り回す芹沢の言葉によって。
「トーコちーん、ぼーっとしてないでしおりちゃんの居場所を特定してよー。
早くしないと死んじゃうかもなんでしょ?」
そう。テレポートに関する実験とは透子個人の目的でしかなく。
主催者としての彼女たちの目的とは、瀕死のしおりの救助と確保なのである。
「んー……」
透子は芹沢の要請に従い、漁船との融合を解除。
変わりに無線室にある魚群探知機と融合し、周辺海域にソナーを放った。
反応は、漁船の直下であった。
「網すろー」
「はいはーい♪」
「うえいと10秒」
「おぅけぇー♪」
軽いノリで投網を楽しむ芹沢を尻目に、透子は再び漁船と融合。
ディーゼルエンジンを起動し、ぽんぽんと数メートル前進した。
「お、手応えあった。揚げるね、トーコちん」
《あー、そもそも、水揚げとは芸妓遊女が初めて客と寝所を共にすることを……》
「いやらしいのは、のー」
暇を持て余して付いて来たカオスの懲りない猥談を尻目に、
芹沢はえっさーほいさーと掛け声高らかに投網を地蔵背負いに引き上げる。
はたして彼女の手応え通り、網の底には身を丸めたしおりが掛かっていた。
引き上げた網を開き、しおりは甲板に鮪の如く水揚げされる。
「息してないねぇ…… ひょっとして、間に合わなかった?」
「のー、弱いけど心拍はある。仮死状態」
「じゃあ人工呼吸かな?」
《行けいカモちゃん! 波間に百合の花を咲かせてみせい!》
なにやら考え事をしつつ呆けている透子を尻目に、
芹沢はしおりを仰向かせ、蘇生行動を開始した。
幕末動乱の時代に血で血を洗う抗争に明け暮れていた芹沢にとって、
心臓マッサージも人工呼吸も、手馴れたものであった。
しかし。
心圧迫の一押し目で、しおりは、口から海水を吹き出した。
十度押して、十度吹き出した。
人工呼吸の為に口をつけても、同じであった。
しおりが飲み込んでしまった海水とは、比喩的表現などではなく、
字義通りの意味で、五臓六腑に染み渡っていた。
常人であれば紛れもない土左衛門状態。
もはや心肺蘇生法でどうこうできる段階では無かったのである。
「……どーしよートーコちん?」
そのことを悟った芹沢が、不安を隠さぬ揺れる眼差しで透子に次なる手を問うた。
それを受けて、透子は。
まるで変わらぬ飄々とした口調で、選手交替を宣言した。
「わたしに任せる」
短くも力強い断言に、芹沢が安堵を憶えたのは束の間に過ぎなかった。
言葉と共に透子が懐から取り出したのが、銃器であった故に。
その筒先が、動かぬしおりに定められた故に。
「ちょ、何するのトーコちん!」
ぱん、
ぱん、
ぱん。
グロック17の軽快な銃声、三連発。
穿たれのは、しおりの両の肺腑と胃袋であった。
吹き出した鮮血がカモミールの頬を赤く染めた。
透子の表情は、変わらずの無表情であった。
「助けにきたんでしょお!?」
芹沢は、びくんびくんと小刻みに痙攣するしおりと、
波に揺られるに任せゆらゆらと体を揺らしている透子の間に飛び込んで、
しおりをその身で庇うかのごとく、仁王立った。
威嚇の表情で透子を睨み付ける。
透子は少し困ったように眉根を寄せると、短く二言だけ語った。
同時に、カチューシャから伸びる触覚の先が一度だけ点滅した。
「解説員」
「かもん」
自らが装着していたインカムを取り外し、うーうー唸る芹沢に手渡す。
警戒しつつも芹沢はこれを受け取る。
それから数秒。
通信は、遠方の夢見られぬ機械・椎名智機からのものであった。
『Wait、Wait、Wait。
そう短絡的に物事を捉えてはいけないな、カモミール芹沢。
透子様はなにもしおりを害する意図で撃ったのではないのだよ。
むしろこれは救急救命行為であるのだから』
「えぇ〜〜〜〜?」
胡乱げな表情で芹沢は痙攣するしおりを見やる。
三箇所の銃創からは血液が噴き出していた。
しかし、その色は通常の血液と比して随分と薄かった。
『つまりは、だ。
溺れ、沈んでいたしおりの体内には海水がたっぷりと溜まっており、
これが生命機能を停止させていたのだよ。
ならば、元凶である海水を排水してやるしか方策はなく、
手っ取り早い手段が銃撃だったと言うことだね』
「そうかもだけどぉ〜、ぶ〜ぶ〜!」
智機の解説を、芹沢は理解した。
理解はすれども得心は行かなかった。
故にブーイングとなって表れた。
かわいそう、なのである。
痛そう、なのである。
芹沢とは誠に情緒的な感性を有した、母性溢れる女性なのであり。
効率と確率を理詰めで選択する透子や智機の知性とは、
折り合いがつかないこともままあるのであった。
しかし。
「ううん……」
今回の処方に関しては、透子の判断は正しかった。
芹沢の人工呼吸や心臓マッサージではピクリとも動かなかったしおりが、
呻き声を上げたのである。
顔にもうっすらと赤みが差し、自発呼吸も開始されたのである。
「えふっ…… けふっ……」
「……ね?」
「ね、って、ね、ってさぁ…… 息を吹き返したんだし、いいけどさぁ……」
芹沢はやはり気持ちのどこかが納得行かぬことを態度にて表しているが。
情に惑わず、適切な処置を施せる。
その機械ならではの強みに、軍配は上がっており。
そのことを、己たちの正しさを主張せずにおられぬのが、
椎名智機なるオートマンの浅はかさである。
『カモミール芹沢、君の不満は実に理不尽だね。知性の不足を露呈している。
いいかね良く聞き給え。しおりとはヒトではない。凶という別種の生物なのだよ?
我々オートマンの論理思考回路は、その点を考慮して銃撃を選択したのさ。
そもそも貴女という人間は……』
なおもねちねと芹沢を見下す発言を連ねる智機に対し、
透子が取った行動は、インカムの電源オフであった。
「くどい」
透子の短い感想と同時に。
現れた時と同じく、何の前触れも無く、漁船は掻き消えた。
揺れる波紋のみを置き去りに、しおりをその背に乗せて。
↓
(Cルート)
【現在位置:A−6 海上 → J−5 地下シェルター付近 海上】
【グループ:ザドゥ・芹沢・透子】
【スタンス:待機潜伏、回復専念
@プレイヤーとの果たし合いに臨む
Aしおりの保護】
【監察官:御陵透子(N−21) with 小型船舶】
【スタンス:願望成就の為、ルドラサウムを楽しませる
@しおりの治療
A果たし合いの円満開催の為、参加者にルールを守らせる】
【所持品:契約のロケット(破損)、スタンナックル、カスタムジンシャー、
グロック17(残弾14)、Dパーツ】
【能力:記録/記憶を読む、
世界の読み替え:自身の転移、自身を【透子】だと認識させる(弱)】
【刺客:カモミール・芹沢】
【スタンス:@ザドゥに従う(ステルス対黒幕とは知らない)
Aしおりの治療】
【所持品:虎徹刀身(魔力発動で威力↑、ただし発動中は重量↑体力↓)
魔剣カオス】
【能力:左腕異形化(武器にもなる)】
【備考:体力消耗(大)、腹部損傷、左足首骨折(固定済み)、全身火傷(中)】
【しおり(28)】
【スタンス:優勝マーダー
@ザドゥに会う】
【所持品:なし】
【能力:凶化、紅涙(涙が炎となる)、炎無効、
大幅に低下したが回復能力あり、肉体の重要部位の回復も可能】
【備考:獣相・鼠、意識不明、両拳骨折(中)、水溺(大)、両肺及び胃に銃創(中)
※戦闘可能まで24時間ほどの休息を必要とします(素敵薬品込み)】
【現在位置:J−5 地下シェルター】
【刺客:椎名智機】
【所持品:スタンナックル、カスタムジンシャー、グロック17(残弾17)×2】
【スタンス:@【自己保存】】 超本命が大穴
暇つぶしに覗いて見たけど あり得ない女が・・
見返りをもらって損はしなかったww
dakkアet/c11/0237yuri.jpg
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