布切れのように曲げた。
曲げる、筈だった。
式は血をこぼす左腕はそのまま、右手で持ったナイフを振るっただけで藤乃の“歪曲”を無効化した。
いや、完全に殺し切った。
「・・・・・・カタチのないものは見えにくいんだけどな。おまえ、乱発しすぎだよ。おかげでやっと視れた。おまえの視線は
緑色と赤色の螺旋でさ。ほんとうに―――すごく、綺麗だ」
藤乃には式の言う意味がわからない。
理解できるのは、自分は間違いなく式に殺されるという事実だけ。
藤乃は繰り返し念じた。
凶れ、凶れ、凶れ、凶れ。繰り返す凝視を式は悉く切り払う。
「貴女――何者」
「万物には全て綻びがある。大気にも意思にも時間にだってもだ。始まりがあるなら終りがあるのも当然。オレの
目はね、モノの死が見えるんだ。だから―――生きてるのなら神 様 だ っ て 殺 し て み せ る」
走った。
歩くような優雅さだった。
この後腹膜炎を起こしかけてる盲腸まで殺すよお楽しみに!!
男塾の絵柄なら楽しめたのになー(錯乱)