国土をソメイヨシノだらけにしてしまったツケ

桜というのは、連作の効かない植物なのです。

「忌地」とか「厭地」(どちらも読みは「いやち」)」と言い、要はトマトやナスなどにも起こる連作障害のことで、例えば枯死したからまた同一場所に桜を植えようと思っても、そのままでは健全に育たないんです。

土中の養分の中で、桜に必要な微量元素が欠乏する説や、桜の根が成長を阻害する物質を出すという説などあるようですが、いずれにしても次代の桜には悪影響を与えるというわけです。

元々は多種を寄せ付けないために身につけた性質だそうですが、長い間土中に蓄積され、同種をもしりぞける働きを持つようになったようです。

よって、桜のあった場所にまた桜を植えようとする場合、一定期間他の植物を植えて土壌の回復を図るか、または土を入れ替えたりして土壌改良を行うということになります。