毛が立っているのは一番になって興奮しているからなのかな、きつみは
よーしよしよし、それほど喜んでいるのか、俺も嬉しいぞ
だがぼわぼわな毛のままだと傷んでしまいそうだな
俺が懇切丁寧にブラッシングをしてあげよう
この新調したきつみは用特製ブラシで全身くまなくすいてしんぜよう
というわけで、きつみはタッチ!!
うおっ!今、なんかバチッ!と来たぞ、それも青白い火花みたいなのも見えた
これは一体・・・
「俺くん、これ・・・どうにかなる?」
きつみはが心配そうな顔をして俺に助けを求めている
そうか、このきつみはの毛がぶわっ!となっているのは静電気のせいか
なら、うかつには触れない
実は俺、静電気にバチッ!となりやすい体質で、スーパーの冷蔵ケースのふちに触ってもバチッ!とくるんだ
そのたびに痛い思いをしてきたから静電気は苦手だ
だが今、目の前できつみはが静電気に苦しめられている
ならば俺が助けてやらなくては・・・なにかいい方法はないか・・・
「もう・・・毛がまとまらないとはねるしバチバチいうし・・・こんなのやだ・・・」
きつみはが涙目になってきている
これは早くしなくては・・・そうだ、直に触らなければいいわけだ
ということで、早速ゴム手袋を用意してきつみはに触ってみた・・・うん、大丈夫だ
だがこれでは俺だけ静電気から逃れられているだけで、きつみはは全身静電気まみれだ
これをどうするか、だな
まずはブラッシングをしてと・・・駄目だ、静電気が勝っておさまりもしない
なら静電気除去グッズ・・・なんてものは俺んちには無い
水道管に触って逃がすという手もあるが・・・もしくは毛皮に水をつけて・・・
「俺くん早く・・・俺、もう・・・もう・・・耐えられない・・・俺くんばっかり・・・」
恨めしげに言うきつみはがじりじりと俺に近寄って、そして勢い良く俺に抱きついてきた
バチッ!!!
一段と大きな破裂音と共に青白い火花が俺ときつみはの周りで炸裂した
このやろう・・・俺に静電気を押し付けてきやがったか・・・
でもそれで、きつみはが楽になれるのなら本望かな・・・でも痛い・・・みはけて・・・