3年A組柊先生からお前らへの授業


「お前らが浴びせた言葉の暴力が彼女の心を壊したんだよ!お前たちが景山の命を奪ったんだ。
お前も!お前も!今まで散々正義感を振りかざしてきたくせに、分が悪くなった途端に子どものように責任転嫁を始める。
自分を正当化するのに必死だな、つまんねえ生き方するなよ、見苦しいんだよ、ふざけてるのはお前だよ、
お前ら一度だって真剣になったことあるのか?逃げてんじゃねえぞ!

自分の親や友だちに面と向かって言えないことを見ず知らずの他人にぶつけるなよ。
お前のストレスの発散で他人の心をえぐるなよ、分かるだろ、俺の言いたいこと、お前らそこまで馬鹿じゃないだろ!

良いか、マインドボイスは誰もが気軽に繋がれる便利なツールだ。
気の合う友だちを見つけていつでもどこでもコミュニケーションがとれる、人によっては心の拠り所になるだろう、それも大切だ、否定はしない。
けど、その一方で、恐ろしい暴力装置にもなり得る。だから刻んでほしいんだよ!右に習って吐いた何気ない一言が、相手を深く傷つけるかもしれない、
1人よがりに偏った正義感が束になることでいとも簡単に人の命を奪えるかもしれないってことを。
そこにいる君に、これを見ているあなたに!一人ひとりの胸に刻んで欲しいんだよ。
他人に同調するより、他人をけなすより、まずは自分を律して磨いて作っていくことの方が大切なんじゃないのか?てかそっちの方が楽しいだろ!?

その目も口も手も!誰かを傷つけるためにあるわけじゃない!誰かと喜びを分かち合うために、誰かと幸せを噛みしめるためにあるんじゃないのか!?
そうだろ!もっと人に優しくなろうぜ!もっと自分を大事にしようぜ!

俺の言葉がどれだけ届いているか、きっとほとんどの人間には痛くも痒くもないだろう、でも誰か一人に、君一人でいい、
感情に任せた言葉が、景山澪奈のような犠牲者を作るかもしれない、そう思って踏みとどまってくれたら今俺がここに立っている意味がある。
そしていつかきっと、その1人が10になって100になって1000人になっていく。
俺はそう信じてる!だからどうか、だからどうか、あなたに届いて欲しい。聞いてくれて、ありがとう。」