【嘘】嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん【だけど】
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0001名無しさん@ピンキー2009/09/27(日) 01:51:57ID:I0IcGI8l
無いから立てた。

これで落ちたら需要無しと諦める。

基本的にsage進行で

0647名無しさん@ピンキー2013/06/21(金) 01:47:11.54ID:mLjvS5qu
みーまーにセックス強要?
あの誘拐犯、そんなゆとり持ってくれるかなぁ…。
0658名無しさん@ピンキー2014/06/05(木) 11:05:48.56ID:EROdTvEF
ほっしゅっしゅ

いまいちエロパロなりなんなりできそうなキャラや流れがないんかね今
↑に挙がった瀬川と左門みたく前の小説のでもいいと思うんだがなぁ
0660名無しさん@ピンキー2014/10/29(水) 16:28:16.79ID:zANZIFvG
じゃあ自分は永藤×日野の書きやすそうな感じを推す
飲酒マジックで容易く一線越えそう
0662名無しさん@ピンキー2015/02/28(土) 22:53:24.45ID:GLhIVw0o
今書いてる喜助と桃が完成したら需要無視して投下しようと思う
ほぼマルチになるが転載禁止の風潮も気に入らないしここ初出にしないためにもぜひ許してくれ
もしあんま反対されるようならやめるけど退路を断つためにも書き込ませてもらっとく
0663名無しさん@ピンキー2015/03/10(火) 22:25:58.41ID:HCLeOn2A
桃の節句には全然間に合わなかったが桃と喜助のやつ投下します
エロというよりただの下ネタっぽいのと人間嫌いな割に比内が経験済みな辺りが注意必要かな
NGする場合は『7秒以上見つめながら会話できる人とは心理的にセックス可能』で
06647秒以上見つめながら会話できる人とは心理的にセックス可能(1/11)2015/03/10(火) 22:27:53.03ID:HCLeOn2A
「りーん……りーん……」
 俺は控えめに、外の連中の鳴き真似をする。
 控えめなのは、起こしたら面倒だからだ。今目の前で服も着ないですぅすぅ寝入っている比内を。
 やっぱり俺軽いのかなぁと、鈴虫に飽き足らず自省の真似事までして今日の出来事を振り返る。
 ………………そんなに変な一日でもなかった。比内の挙動が相変わらず不審だったくらいだ。
 つまりあれも、特にとっかかりなく傾れ込んでしまえる程度のものだったということだ。

 だけど、風情に溢れ溢れて壁が薄いこのアパートでいともたやすく行われた行為は、
きっと誰かにとってえげつなかった。
06657秒以上見つめながら会話できる人とは心理的にセックス可能(2/11)2015/03/10(火) 22:28:29.14ID:HCLeOn2A
 


 俺と比内は結局、付き合っているようなそうでもないような状態に落ち着きかけていた。
 だからというか、暑さがぶり返した今日、俺は大学から帰ってきた足で涼を求めて比内の部屋を訪れた。
 しかし誰も居ない。俺は比内というより冷房に会えないことに落胆して階下の自室へと向かった。
 そしたら扇風機を占拠した比内が居た。
 比内ときたらビーズクッションまで持ち込んでまるで自室のようにくつろいでいた。
着ている服もラフなTシャツにショートパンツと完全に部屋着だ。
 ここで比内の来訪を察知した木鳥まで居たらそれはきっと本編で、西園がちょっかい出してきても
それはきっと本編。板違いになってしまう。……自分でも何を言っているやら。
 それはともかく彼女は俺の家に勝手にストックしていたあずきバーを囓りながらふてぶてしく言ったのだ。
「冷房壊れたから扇風機借りてるわ」
 当然俺は涼しい顔しやがっているそいつに反抗するわけだ。いつも通りの応戦があり、
あずきバーを奪い合い、涼しくなってきた気温に逆らって汗を流すアホだった。
 争い疲れた比内は扇風機前のクッションでぐえーっと伸びていて、俺も少しでも涼を取ろうと
クッションに手をつき扇風機前に乗り出す。
 ふと見ると比内の顔にはまた邪悪な感じで髪が張り付いている。邪魔だったので払って、
喉元を見据えてくる視線を無視して眺める。目の大きさも表情も偏りがひどい。
 思うところがあったのか比内も少し上体を起こして俺の前髪を掴痛い痛い痛い……
「痛いわ!」
「痛くしたのよ。冴えない顔ね」
 ストレートに貶されて反骨心は芽生えるものの、綺麗だからと眺めていた俺にその顔を貶す嘘はつけない。
 そして、近いなぁと思ったときには唇が触れ合っていた。あずきバーのせいでかすかにべとつき、
冷えた唇はそれでも弾力があり、引力がある。
 とはいえ、こちらから攻め入るほどの覚悟もまだ満ちてないし向こうからされたわけでもない。
多分手が滑ったとか足が滑ったとかそんなもんだ。その証拠に今すごく手首攣りそう。
 そんな事故の接触は一秒に満ちないうちに、どちらからともなく離れていく。
 ただ、うっかり慌て忘れて故意のキスと同じ作法で短く距離を取ったせいで、それ以上離れられなくなった。
ああこれ続くなぁと他人事のように思う。
 前の彼女はキスマークをつけるくらいならキスの感触を口に刻む方が残ると言って笑っていた。
当時ぱっぱらぱーだった俺はそうして満身創痍になることを歓迎していたし、
一生お互いの傷を増やしていく予想図にロマンチシズムすら感じていた。死にたい。
 体が覚えていた首の角度で、唇の力の抜き方で、舌先の力の入れ方で比内の唇に浅く割り込みながら、
傷跡の深さを思い知る。
 そういえば、キスというのはこんな風にするもんだったか。
 この間手にしたときはまったく思い出せなかったというのに、急に出てくるものだ。
 だけど記憶に頼りきりの所作は続かない。やはり相手が違えば感触も顔形歯並び骨格舌の厚さも
動作も何もかも違う。何より比内の匂いがずっとしている。
 俺は比内の冷たい鼻先が火照った頬に当たるのが楽しくて、頬ずりしようと頑張るみたいに角度を変える。
触れ合った部分からぐだぐだに溶けて、それが唾液になっているような錯覚が心地良い。
絡ませた舌は、表面が摩擦を、裏面が弱さを司るように、痺れを爪先まで巡らせている。
 いくらヘタレ野郎でも犬猫と同じ。一度覚えた人肉の味わい方を忘れるのは難しい。
 顔を離せば比内の瞳は相変わらず痛いくらい射貫いて俺を試す。俺も逸らさず視線を注いで、
まるでバトル前の野良猫だ。見つめ合うというより、睨み合っている。
 さて、比内は飛びかかってくるか、逃げるか……どっちでもいいな。
 サンドバッグやめた俺になんぞもう興味なかったとしても、今更逃がす気にはなれなかった。
 取っ組み合って引っ張り合ってよく知っている。比内の肌は俺にとって、とても心地良いのだ。
 先手を打って利き手を頂戴してからもう一度、今度は潜る覚悟で口に口をつける。
舌から出血大サービスでもそれはそれで気持ちがいいんじゃないかと思えるから今の俺は頭おかしい。
 対して比内の抵抗は曖昧でやる気ないものだ。体のよじられ方はお役所仕事で、
口元に余計な力はなく、歯は甘噛みしかしてこない。
 調子に乗って抱きすくめても、口を吸われただけだった。
06667秒以上見つめながら会話できる人とは心理的にセックス可能(2/11)2015/03/10(火) 22:30:33.25ID:HCLeOn2A
 


 俺と比内は結局、付き合っているようなそうでもないような状態に落ち着きかけていた。
 だからというか、暑さがぶり返した今日、俺は大学から帰ってきた足で涼を求めて比内の部屋を訪れた。
 しかし誰も居ない。俺は比内というより冷房に会えないことに落胆して階下の自室へと向かった。
 そしたら扇風機を占拠した比内が居た。
 比内ときたらビーズクッションまで持ち込んでまるで自室のようにくつろいでいた。
着ている服もラフなTシャツにショートパンツと完全に部屋着だ。
 ここで比内の来訪を察知した木鳥まで居たらそれはきっと本編で、西園がちょっかい出してきても
それはきっと本編。板違いになってしまう。……自分でも何を言っているやら。
 それはともかく彼女は俺の家に勝手にストックしていたあずきバーを囓りながらふてぶてしく言ったのだ。
「冷房壊れたから扇風機借りてるわ」
 当然俺は涼しい顔しやがっているそいつに反抗するわけだ。いつも通りの応戦があり、
あずきバーを奪い合い、涼しくなってきた気温に逆らって汗を流すアホだった。
 争い疲れた比内は扇風機前のクッションでぐえーっと伸びていて、俺も少しでも涼を取ろうと
クッションに手をつき扇風機前に乗り出す。
 ふと見ると比内の顔にはまた邪悪な感じで髪が張り付いている。邪魔だったので払って、
喉元を見据えてくる視線を無視して眺める。目の大きさも表情も偏りがひどい。
 思うところがあったのか比内も少し上体を起こして俺の前髪を掴痛い痛い痛い……
「痛いわ!」
「痛くしたのよ。冴えない顔ね」
 ストレートに貶されて反骨心は芽生えるものの、綺麗だからと眺めていた俺にその顔を貶す嘘はつけない。
 そして、近いなぁと思ったときには唇が触れ合っていた。あずきバーのせいでかすかにべとつき、
冷えた唇はそれでも弾力があり、引力がある。
 とはいえ、こちらから攻め入るほどの覚悟もまだ満ちてないし向こうからされたわけでもない。
多分手が滑ったとか足が滑ったとかそんなもんだ。その証拠に今すごく手首攣りそう。
 そんな事故の接触は一秒に満ちないうちに、どちらからともなく離れていく。
 ただ、うっかり慌て忘れて故意のキスと同じ作法で短く距離を取ったせいで、それ以上離れられなくなった。
ああこれ続くなぁと他人事のように思う。
 前の彼女はキスマークをつけるくらいならキスの感触を口に刻む方が残ると言って笑っていた。
当時ぱっぱらぱーだった俺はそうして満身創痍になることを歓迎していたし、
一生お互いの傷を増やしていく予想図にロマンチシズムすら感じていた。死にたい。
 体が覚えていた首の角度で、唇の力の抜き方で、舌先の力の入れ方で比内の唇に浅く割り込みながら、
傷跡の深さを思い知る。
 そういえば、キスというのはこんな風にするもんだったか。
 この間手にしたときはまったく思い出せなかったというのに、急に出てくるものだ。
 だけど記憶に頼りきりの所作は続かない。やはり相手が違えば感触も顔形歯並び骨格舌の厚さも
動作も何もかも違う。何より比内の匂いがずっとしている。
 俺は比内の冷たい鼻先が火照った頬に当たるのが楽しくて、頬ずりしようと頑張るみたいに角度を変える。
触れ合った部分からぐだぐだに溶けて、それが唾液になっているような錯覚が心地良い。
絡ませた舌は、表面が摩擦を、裏面が弱さを司るように、痺れを爪先まで巡らせている。
 いくらヘタレ野郎でも犬猫と同じ。一度覚えた人肉の味わい方を忘れるのは難しい。
 顔を離せば比内の瞳は相変わらず痛いくらい射貫いて俺を試す。俺も逸らさず視線を注いで、
まるでバトル前の野良猫だ。見つめ合うというより、睨み合っている。
 さて、比内は飛びかかってくるか、逃げるか……どっちでもいいな。
 サンドバッグやめた俺になんぞもう興味なかったとしても、今更逃がす気にはなれなかった。
 取っ組み合って引っ張り合ってよく知っている。比内の肌は俺にとって、とても心地良いのだ。
 先手を打って利き手を頂戴してからもう一度、今度は潜る覚悟で口に口をつける。
舌から出血大サービスでもそれはそれで気持ちがいいんじゃないかと思えるから今の俺は頭おかしい。
 対して比内の抵抗は曖昧でやる気ないものだ。体のよじられ方はお役所仕事で、
口元に余計な力はなく、歯は甘噛みしかしてこない。
 調子に乗って抱きすくめても、口を吸われただけだった。
06677秒以上見つめながら会話できる人とは心理的にセックス可能(2/11)2015/03/10(火) 22:32:48.53ID:HCLeOn2A
 


 俺と比内は結局、付き合っているようなそうでもないような状態に落ち着きかけていた。
 だからというか、暑さがぶり返した今日、俺は大学から帰ってきた足で涼を求めて比内の部屋を訪れた。
 しかし誰も居ない。俺は比内というより冷房に会えないことに落胆して階下の自室へと向かった。
 そしたら扇風機を占拠した比内が居た。
 比内ときたらビーズクッションまで持ち込んでまるで自室のようにくつろいでいた。
着ている服もラフなTシャツにショートパンツと完全に部屋着だ。
 ここで比内の来訪を察知した木鳥まで居たらそれはきっと本編で、西園がちょっかい出してきても
それはきっと本編。板違いになってしまう。……自分でも何を言っているやら。
 それはともかく彼女は俺の家に勝手にストックしていたあずきバーを囓りながらふてぶてしく言ったのだ。
「冷房壊れたから扇風機借りてるわ」
 当然俺は涼しい顔しやがっているそいつに反抗するわけだ。いつも通りの応戦があり、
あずきバーを奪い合い、涼しくなってきた気温に逆らって汗を流すアホだった。
 争い疲れた比内は扇風機前のクッションでぐえーっと伸びていて、俺も少しでも涼を取ろうと
クッションに手をつき扇風機前に乗り出す。
 ふと見ると比内の顔にはまた邪悪な感じで髪が張り付いている。邪魔だったので払って、
喉元を見据えてくる視線を無視して眺める。目の大きさも表情も偏りがひどい。
 思うところがあったのか比内も少し上体を起こして俺の前髪を掴痛い痛い痛い……
「痛いわ!」
「痛くしたのよ。冴えない顔ね」
 ストレートに貶されて反骨心は芽生えるものの、綺麗だからと眺めていた俺にその顔を貶す嘘はつけない。
 そして、近いなぁと思ったときには唇が触れ合っていた。あずきバーのせいでかすかにべとつき、
冷えた唇はそれでも弾力があり、引力がある。
 とはいえ、こちらから攻め入るほどの覚悟もまだ満ちてないし向こうからされたわけでもない。
多分手が滑ったとか足が滑ったとかそんなもんだ。その証拠に今すごく手首攣りそう。
 そんな事故の接触は一秒に満ちないうちに、どちらからともなく離れていく。
 ただ、うっかり慌て忘れて故意のキスと同じ作法で短く距離を取ったせいで、それ以上離れられなくなった。
ああこれ続くなぁと他人事のように思う。
 前の彼女はキスマークをつけるくらいならキスの感触を口に刻む方が残ると言って笑っていた。
当時ぱっぱらぱーだった俺はそうして満身創痍になることを歓迎していたし、
一生お互いの傷を増やしていく予想図にロマンチシズムすら感じていた。死にたい。
 体が覚えていた首の角度で、唇の力の抜き方で、舌先の力の入れ方で比内の唇に浅く割り込みながら、
傷跡の深さを思い知る。
 そういえば、キスというのはこんな風にするもんだったか。
 この間手にしたときはまったく思い出せなかったというのに、急に出てくるものだ。
 だけど記憶に頼りきりの所作は続かない。やはり相手が違えば感触も顔形歯並び骨格舌の厚さも
動作も何もかも違う。何より比内の匂いがずっとしている。
 俺は比内の冷たい鼻先が火照った頬に当たるのが楽しくて、頬ずりしようと頑張るみたいに角度を変える。
触れ合った部分からぐだぐだに溶けて、それが唾液になっているような錯覚が心地良い。
絡ませた舌は、表面が摩擦を、裏面が弱さを司るように、痺れを爪先まで巡らせている。
 いくらヘタレ野郎でも犬猫と同じ。一度覚えた人肉の味わい方を忘れるのは難しい。
 顔を離せば比内の瞳は相変わらず痛いくらい射貫いて俺を試す。俺も逸らさず視線を注いで、
まるでバトル前の野良猫だ。見つめ合うというより、睨み合っている。
 さて、比内は飛びかかってくるか、逃げるか……どっちでもいいな。
 サンドバッグやめた俺になんぞもう興味なかったとしても、今更逃がす気にはなれなかった。
 取っ組み合って引っ張り合ってよく知っている。比内の肌は俺にとって、とても心地良いのだ。
 先手を打って利き手を頂戴してからもう一度、今度は潜る覚悟で口に口をつける。
舌から出血大サービスでもそれはそれで気持ちがいいんじゃないかと思えるから今の俺は頭おかしい。
06687秒以上見つめながら会話できる人とは心理的にセックス可能(3/11)2015/03/10(火) 22:36:13.47ID:HCLeOn2A
 キスから浮上して、さっきよりは潤んだ瞳を覗き込む。
「私は別に嫌ではないけど?」
 ビーズクッションにふんぞり返って比内が嘲る。恐らく俺も、今は似たようなツラをしている。
「残念ながら俺もなんだよ」
 俺は彼女の手に口づけをしたあの日のように膝をついて、足首に手を添えて手の甲に口づける。
 さあどうぞ捕食してくれないか。
 乞うように脛を啄み、膝小僧に額で服従する。
「不気味ね喜助」
 罵倒されても特に気にはならない。名前を呼ばれた方が重要だ。
 俺はまだ許されている。
 比内桃は俺をまだ許している。
 それがいつまで続くかはともかく下手に支配するより征服されている現状に裏側まで満足させられて、
今の俺は負けを喜んでいる。
 それはそうとしても顔を上げる。かち合った視線では相変わらず敵対しながら腕を引いて、
俺は比内を床に引き倒す。王座から引き摺り降ろすようなイメージだ。思わず笑う。
 抵抗はされない。彼女は観察するような目を俺に向けながら流されるままに倒れ込んできて
床に手をつく。
 以前の俺が上に乗るのと下になって乗られるのどっちが好きだったかは忘れたが、今は
今相手にしている比内桃って奴とはどっちだって何度だってしたい気分だった。
 俺はそのまま比内の腰に手を回して、後ろ側からシャツをめくる。
少々上機嫌すぎることを自覚しながらも適正な気分を考える間なんか置かない。
指先で背骨を軽く撫で上げて、肩甲骨を渡る布地の中心、引っかかっているホックを外す。
 比内は嫌がる素振りも恥じらう気配も見せずに、俺の腰の横でついた膝の位置を気にしている。いっそ座ってくれてもいいのに比内は手を床についたままでいて、両腕の自由がきかない状態だ。
 俺はそんな比内のシャツとかブラとか片手で大きくめくり上げ、もう片方の手で強引に
抱きよせて、普段の質量を裏切って重力に従順な乳房に顔を埋める。比内の匂いが濃くなって、
思わず大きく息を吸い込む。
「ちょっと、この変態」
 そこで黙ってられなくなった比内のツッコミが入った。
 しかし知ったこっちゃないので俺は返事の代わりに肌を舐める。なめらかな感触を堪能しながら
口で這いずって、吸われるためにある器官まで辿り着く。
 汗の味も比内にしては若干甘めになった匂いも踏み越えて表面の柔らかさとしっくり感が
強く主張してくる。
 なんとか食べ尽くせないものかと模索するように手で寄せて口にしてみても、
予想通り柳に風といった具合に変形しかしない。とはいえここで空回る努力は愉悦でしかない。
 比内は時々ぴくりと反応する以外何もしない。声一つ上げない。それでも拒絶はしてこない。
歯を立てても強く吸っても現状を維持している。
 一通り味わってから、手のひらで比内の肩を押して起き上がらせる。どんな顔してるのか見たかったのだ。
 比内の頬は上気していて、瞳は完全に潤んでいて、でも眉間には不機嫌そうにしわが寄っている。
締まりのない顔をしているであろう俺とは真反対だ。
 今の俺と比内は、多少の息切れと、(恐らく)顔色だけ共通していた。
「すげーしわ寄ってるな」
 指摘して指で伸ばしながら、何故か穏やかな笑いがこみ上げてくる。
「そう」
 比内は当人のくせに意外そうにまばたきをして、仕方なさそうに言葉での評価を追加してくる。
「まあ、悪くないわ」
 言わなきゃわかんねーんだろごら、とでも言いたげな目をしている。確かにわかりにくい。
協力的とはいえマグロを捌くのは初めてだ。
 でもわからないわけじゃない。
「何をいつまでも笑っているのよ」
 比内は呆れて、折角伸ばした眉間にまた深いしわを刻んだかと思えばそのまま下がって
俺の太腿の上に腰を下ろす。めくれたままのシャツと留める物のないブラがゆらゆら揺れた。
 それから、比内は俺の腹筋を雑に撫で上げるようにシャツをめくった。
 なんとなくされるがままにしておくと頭が下がってきて前髪で伏せた睫毛が隠れ、
あーもしかしてと思ったときには乳首を舐められていた。いや、舐めるなんて生易しい表現で
いいのかどうか……最初から急ピッチで攻められて変な声が出る。
「ぅあっ、ちょ……お前っ」
 反射的に制止すると、顔を上げた比内がにたーっと勝ち誇る。どうでもいいけど前髪が張りついて不気味だ。
 反応に乏しいから油断していた。何がマグロだよ俺。
くっそ、ふざけんなと反撃を開始しようとしたとき、控えめなノック音が響いた。
06707秒以上見つめながら会話できる人とは心理的にセックス可能(4/11)2015/03/10(火) 22:41:31.84ID:HCLeOn2A
「神さん……いますか?」
 木鳥の声だ。横っ面を殴られたような気分になる。小さく可愛らしい声だというのに
特大の鈍器のようだ。
 鍵を掛けていない部屋の前に訪れたのが常識ある女子中学生の木鳥でよかったのか悪かったのか。
大家だったら……ああいや誰も来ないのが一番だった。
 とにかく追い返さなければと俺が言葉を探してくるより先に比内が涼しい顔で声を掛ける。
「居るけど手が離せないわ」
 なんでお前が答えてるんだよ。
 ドアの向こうの空気がどうなっているのか知るのが、妙に怖い。
 今気づいたがさっきからずっと耳の後ろの血流がうるさかった。
「……な、なん、で、あなたが……じ、じんさんは……っ」
 つんのめりながらも立ち向かうように木鳥は言葉を発し、発しながらドアを開けようとする。
 お行儀が悪いぞ木鳥、じゃなかった、ドアノブが半回転するくらいの音を立てたとき、
俺はやっと焦って声を上げる。
「待て待て木鳥、開けるな! 今ちょっと開けられると困る!」
 ドアは、数ミリの隙間になんの影も差さずに閉じる。
「……す、すみません。わたし、その……つい……」
 緊張の糸が緩み、俺はなるべく優しい声を掛けようとする。
 が、比内に阻まれた。
 ドアを向いていた顔を両手で掴まれ向き直らされ、唇を奪われる。
そのせいでぴたりと重ねられた口は言語を奪われ、舌には吸い込まれ嬲られる痺れが与えられる。
その上細い指先が耳をくすぐってきて上手く振り払えない。耳鳴りまでしてきた。
「あの……」
 申し訳なさそうな木鳥の声で、なんとか我に返る。
 俺は癖のように一度だけ吸い返してから比内を退かせて木鳥に言う。
「また説明するから。その、明日とかにっ」
 するとドア越しに苦笑するような声が返ってくる。
「……はい。じゃあ」
 離れていく足音にほっとしたのも束の間、比内がぽつりとこぼす。
「泣かせたわね」
 いつも通りのその横顔からは、感情を読み取ることはできない。
 嘘ではない、気がする。同時に、今から追いかけても何も言えないことも理解して、
俺は木鳥に向いた意識を手放す。悩むなら多分、明日以降だ。
「女子中学生泣かせて結構なご身分ね」
「……お前が言うな」
 比内の右目がすっと細くなる。俺は一度ため息と共に脱力して、すぐ立て直して
自分のシャツを脱いでおくことにした。
 そういう雰囲気じゃなくなってはい解散、というのも御免だったのだ。
 半分起き上がった俺がシャツを部屋の端に投げると、それを見ていた比内がぺとぺとと
俺の体に触れてくる。体の芯で浮き沈みしているぞくぞく感が増殖するような心地だ。
「いい体してるわね」
 比内は感心したように評価してきた。
 言われっぱなしも悔しいので俺も比内のシャツ(とブラ)を半ば無理矢理脱がせて一言
言わせていただく。
「筋肉ねえな」
 そしてそのまま背中側に倒れると、さっきまで顔があった辺りを張り手が通り過ぎていく
ところだった。おっかねえ。
 比内は、思った通り脱がせてみても綺麗だった。これからもっと見れるんだろうと思うと正直心が躍る。
「筋肉以外にコメントするとしたら……月並みだけど、綺麗だな」
 伝えるというより納得するように口に出す。
 すると比内はふんと鼻を鳴らしてふてぶてしく唇を尖らせた。
「当たり前でしょう。あなたと違って顔も心もその他も綺麗なのよ」
 ここ……ろ……?
 というのはともかく、比内はポエムを面と向かって褒めたときと同じ顔をしている。
 その顔、照れたときの癖なのか? と聞いたら多分今度は喉を潰されるだろう。
 だから俺は黙って、空振った手を奪って口元まで寄せ、しつこいくらいにキスをする。
 舌で触れてもその手はちょっと跳ねるだけで退いたり叩いたりはしてこない。
こっちから引っ張り込んだことを忘れさせるほど、静かに差し出されていた。
06717秒以上見つめながら会話できる人とは心理的にセックス可能(5/11)2015/03/10(火) 22:44:05.72ID:HCLeOn2A
 俺は比内のわかりづらい変化を読むよりなんとなくで潮時を決めて手を離し、
今度は下半身に手を伸ばした。
 無遠慮に手を突っ込んで、蒸れ気味の毛を掻き分けてぬかるんだ湿地帯(比喩表現)をこねまわす。
受け入れ体制は万全(比喩表現)であり、指を押し進めれば容易く飲み込まれていく。
あとパンツがひどいことになっている。
 力加減さえできていれば多少乱暴なくらいの方がいいだろう。多少狭く感じつつも
指で中の方を突いていく。がっつり締めてくる恥骨辺りを過ぎた少し自由が利く空間で指を曲げて、
腹の側を押すように抜き差しすると、段々抜く動きを妨害されるように締めつけが強くなる。
 耳に届く呼吸はどちらのものも荒々しく、動物的だ。というか汗、汗目に入った痛てぇ。
 俺は名残惜しむような体の反応をぶっちぎって指を抜いて、無意識に肘をついていた方の手で目をこする。
「……汗すごいわね」
 久しく自分から動いてないにも関わらず息切れがひどい比内にそう評される。
 扇風機の風はちゃんと届いているというのに、あまり涼しくならない。
昨日少し涼しかったからと窓を閉め切ったままにしたからだろうか。開いてたら開いてたで色々困るが。
「これからもっと悪化するぜ」
 俺は最早言葉選びもめんどくさくなってきていて、妙な言い回しをそのまま口に出す。
 それから比内を上に乗せたままずりずりと移動して、棚の隙間を探る。記憶通り
落としてそのままだったコンドームが埃を被って出てくる。結構前のだけど、
まあぶつかったり陽に当たったりしてないし大丈夫だろ。
 ただし、
「あー……二個かぁ」
 数が微妙すぎた。一個だったら逆に諦めがついたような気もする。実際は違うんだろうけど。
 何を思っているのかわからないが比内も同じ隙間を漁る。
てっきり「そんなにするの?」とか言われるかと思った。
「……それだけみたいね」
「だな」
 無駄な悪あがきはそこで打ち切って、もぎって片方開けズボンとかいい加減にずらして装着する。
我ながら手際の良さに感心した。
 比内の方も履いてた物両方を片足から抜く。その仕種からなんとなく経験を感じた。
ちゃんと布団の中とかでやると何故かパンツとか見つからなくなるんだよな。
 合図も特に要らないほど静かに、比内は俺の上に腰を落としていく。
 ちょっとおっかなびっくりなところを見るに、比内も少なくとも最近は
こういうことをしていないらしい。俺は俺でラテックス越しのキツめの圧に新鮮味を感じていた。
ご無沙汰すぎてちょっと保たないかもしれない。
 つい、比内が腰を下ろしきる前に突き上げてしまう。
「ちょっ……」
 驚いて制そうとする腕を引いて今一度突き上げると、比内も観念したようで流れに乗ってくる。
 粘っこい水音と共に入りきっては僅かに抜けてまた繰り返す。
その動きを主に生み出す比内は俺の胸に手をついてまるで踊っているかのようだった。
 比内のそこは、本人が腰を引くときに限って手放すことを拒絶するように締めつけを増してくる。
逆にこっちから急に強く突き上げるときは、とろけた肉が弛緩して降ってくるように抱き込んでくる。
 比内は声こそ上げないものの、表情は何かを堪えるような切なげなものに変わっていた。
 脳から背骨の方向に向けてどばどば浴びせられる快感に従っていると、
やはりちょっと早めに限界が見えてくる。
「……すまん、もうイきそう……」
 情けなくも宣言すると、比内はこくこくと頷いて返事する。
「……ん、わかっ……た」
 喉をひっかくような喋り声に、咄嗟に比内の骨盤辺りを掴んで深くまで打ちつけ、
勝手な動きで数回打ち込む。自分でも完全にはコントロールがきかなかった。
 すぐに快楽の風船がぱちんと弾けたように一気に訪れ、今回一番深い位置で留まる。
 お互い息も荒く、暫くは肩だけ上下させていた。
 二度目三度目にはちょっと間がほしい。
 それは比内も同じ……いや、彼女の方が俺よりへばっているようで、
一旦離れようとして尻を浮かせかけても戻ってきてしまっていた。
 半端に動くと外れてしまいそうで怖いので俺が比内を持ち上げて退かし、ちゃっちゃとゴムを
ティッシュにくるんでしまう。
 それはそうと比内の状態は見ていて意地悪心が働く。持ち上げるために触れただけで
ぴくりと僅かに反応していた。
06727秒以上見つめながら会話できる人とは心理的にセックス可能(5/11)2015/03/10(火) 22:54:29.89ID:HCLeOn2A
 俺は比内のわかりづらい変化を読むよりなんとなくで潮時を決めて手を離し、
今度は下半身に手を伸ばした。
 無遠慮に手を突っ込んで、蒸れ気味の毛を掻き分けてぬかるんだ湿地帯(比喩表現)をこねまわす。
受け入れ体制は万全(比喩表現)であり、指を押し進めれば容易く飲み込まれていく。
あとパンツがひどいことになっている。
 力加減さえできていれば多少乱暴なくらいの方がいいだろう。多少狭く感じつつも
指で中の方を突いていく。がっつり締めてくる恥骨辺りを過ぎた少し自由が利く空間で指を曲げて、
腹の側を押すように抜き差しすると、段々抜く動きを妨害されるように締めつけが強くなる。
 耳に届く呼吸はどちらのものも荒々しく、動物的だ。というか汗、汗目に入った痛てぇ。
 俺は名残惜しむような体の反応をぶっちぎって指を抜いて、無意識に肘をついていた方の手で目をこする。
「……汗すごいわね」
 久しく自分から動いてないにも関わらず息切れがひどい比内にそう評される。
 扇風機の風はちゃんと届いているというのに、あまり涼しくならない。
昨日少し涼しかったからと窓を閉め切ったままにしたからだろうか。開いてたら開いてたで色々困るが。
「これからもっと悪化するぜ」
 俺は最早言葉選びもめんどくさくなってきていて、妙な言い回しをそのまま口に出す。
 それから比内を上に乗せたままずりずりと移動して、棚の隙間を探る。記憶通り
落としてそのままだったコンドームが埃を被って出てくる。結構前のだけど、
まあぶつかったり陽に当たったりしてないし大丈夫だろ。
 ただし、
「あー……二個かぁ」
 数が微妙すぎた。一個だったら逆に諦めがついたような気もする。実際は違うんだろうけど。
 何を思っているのかわからないが比内も同じ隙間を漁る。
てっきり「そんなにするの?」とか言われるかと思った。
「……それだけみたいね」
「だな」
 無駄な悪あがきはそこで打ち切って、もぎって片方開けズボンとかいい加減にずらして装着する。
我ながら手際の良さに感心した。
 比内の方も履いてた物両方を片足から抜く。その仕種からなんとなく経験を感じた。
ちゃんと布団の中とかでやると何故かパンツとか見つからなくなるんだよな。
 合図も特に要らないほど静かに、比内は俺の上に腰を落としていく。
 ちょっとおっかなびっくりなところを見るに、比内も少なくとも最近は
こういうことをしていないらしい。俺は俺でラテックス越しのキツめの圧に新鮮味を感じていた。
ご無沙汰すぎてちょっと保たないかもしれない。
 つい、比内が腰を下ろしきる前に突き上げてしまう。
「ちょっ……」
 驚いて制そうとする腕を引いて今一度突き上げると、比内も観念したようで流れに乗ってくる。
 粘っこい水音と共に入りきっては僅かに抜けてまた繰り返す。
その動きを主に生み出す比内は俺の胸に手をついてまるで踊っているかのようだった。
 比内のそこは、本人が腰を引くときに限って手放すことを拒絶するように締めつけを増してくる。
逆にこっちから急に強く突き上げるときは、とろけた肉が弛緩して降ってくるように抱き込んでくる。
 比内は声こそ上げないものの、表情は何かを堪えるような切なげなものに変わっていた。
 脳から背骨の方向に向けてどばどば浴びせられる快感に従っていると、
やはりちょっと早めに限界が見えてくる。
「……すまん、もうイきそう……」
 情けなくも宣言すると、比内はこくこくと頷いて返事する。
「……ん、わかっ……た」
 喉をひっかくような喋り声に、咄嗟に比内の骨盤辺りを掴んで深くまで打ちつけ、
勝手な動きで数回打ち込む。自分でも完全にはコントロールがきかなかった。
 すぐに快楽の風船がぱちんと弾けたように一気に訪れ、今回一番深い位置で留まる。
 お互い息も荒く、暫くは肩だけ上下させていた。
 二度目三度目にはちょっと間がほしい。
 それは比内も同じ……いや、彼女の方が俺よりへばっているようで、
一旦離れようとして尻を浮かせかけても戻ってきてしまっていた。
 半端に動くと外れてしまいそうで怖いので俺が比内を持ち上げて退かし、ちゃっちゃとゴムを
ティッシュにくるんでしまう。
 それはそうと比内の状態は見ていて意地悪心が働く。持ち上げるために触れただけで
ぴくりと僅かに反応していた。
06737秒以上見つめながら会話できる人とは心理的にセックス可能(6/11)2015/03/10(火) 23:50:07.72ID:HCLeOn2A
 だから俺は座り込んでいるそいつ胸を、さっきまで俺と噛みあっていた箇所を強めに愛撫する。
「あんっ、やめ……」
「る気はない」
 やっと小さく上がった甘い声に続く言葉を勝手に引き継いで攻めながら、お互い閉じる気のない唇も合わせることで塞ぐ。まったく聞けないのも嫌だがあまり声を出されると困るのだ、
この壁うっすいアパートは。
 声なんか聞こえなくとも揺れやきしみで充分察しがついてしまうものでもあるが、
気まずさ度合いが大分違う。
 弱いところがわかってきた頃、比内のそこが激しく波打って胸板をがんがん叩かれる。
俺は仕方がないので愛撫もキスも一度止めた。
「も、もうだめ。イったからっ。休ませて」
 弱々しく吐かれた言葉に従い、ちょっと警戒しつつ距離を取る。
 しかし地獄突きに見舞われない。流石にやりすぎたかもしれない。
 などと呑気に心配していたら鎖骨下の隙間に苛烈な一撃が入った。う、わあ案外痛い。
 俺が痛みに身悶えするうちに比内はするりと服を着て、人んちの冷蔵庫を勝手に開けて
あずきバーを出す。
「暑い死ぬ」
 比内は言葉通り、暑くて死にそうになっている奴の見た目だ。
「俺にもくれ」
 俺も暑くて死にそうなのでズボンだけでも履きながら頭を垂れる(暑さにうなだれただけだが)。
「嫌」
 やはりというか即答されるので、俺はそのまま床のひんやりした辺りに倒れ伏した。
比内が遮り切らなかった扇風機の風が気持ちいい。
 かと思いきや、ふいに風が遮られる。抗議しようにもめんどくさい。
「ほら」
「うぎゃっ」
 強い刺激に目をやれば、未開封のあずきバーが頬に当てられていた。
どうやら比内が近づいてきたせいで風が遮られていたらしい。
「おう、サンキュ」
 素直に受け取って並んで同じアイスを齧る。
「ということでからあげクンを奢るのよ」
 すごくスルーしたい発言もついてきた。仕方がないので俺も大人の返事をする。
「そうだな、Lチキセールやってたもんな」
「アイス返しなさい」
 折角俺が折れても無駄だったようで結局あずきバーをくわえたまま頬をつねり合う羽目になる。
食ってるのがホームランバーだったら溶け落ちていた。さすがあずきバーさん、固いぜ。
 結局すぐお互いの汗が嫌になって黄金チキンを買わされることに落ち着き、
溶ける前に残りを食べ尽くす。
 俺はちょっと考えてから、アイスの棒を何故かへし折っている比内に提案する。
「……あー、どうする。とりあえず先コンビニ行く?」


 それぞれ着替えて訪れたのは目の前にあるロ○ソンだ。
 飲み物と比内がついでに買ったポテチを適当に見繕ってカゴに入れ、他に買うものがないことと
知り合いの気配がないことを確認してから日用品とかが置いてあるコーナーに行く。
 そして0.02ミリにちょっと心魅かれつつ値段に腰が引けて結局一番安いのをカゴの底に突っ込んだ。
 ふと百均なんかでたまに見かける蛍光コンドームって買ったことがないなぁと思い出す。
一度ネタとして買ってみようとして当時の彼女の猛反対に遭ったのだ。
その帰りに寄った薬局では結局彼女が選んだリ○ックマのを買った。
そんなとこでまでゆるキャラを選ぶことに、当時は呆れもしなかった。
 前の客がカードを作っているせいで待たされる間、俺と比内の間には特に会話がなかった。
そのせいか、やたらと有線が耳につく。
 俺は、ラジオパーソナリティが、さっきまで流れていたラブソングの歌手と話している内容を
聞いていた。その会話に耳を澄ませていた。
06747秒以上見つめながら会話できる人とは心理的にセックス可能(7/11)2015/03/11(水) 00:24:28.01ID:1H889FGa
 


 二本も買わされた黄金チキンが灰色の骨になって、少し傾いた陽がほんのりと明るさを減らす。
鍵の閉まった部屋でぼんやりと、密室の無駄遣いをしている。
 結局このままだらだら同じ空間に居てそのまま解散するのもいいんじゃないかと思えてきた頃、
ふいに比内が口を開いた。
「するときの感覚って味に例えるとすっぱいに近いしょっぱいよね。
あれを気持ちいいと解釈するなんて、人間も変な生き物だわ」
 クッションにうつ伏せでぶすっとしながら何を突然。
 素面で話す内容かどうかはともかく、特に他に話すこともない。俺も乗っかる。
「味で例えるなら甘さだろ。喉に詰まる類の甘ったるさ」
「え? 甘さにしては鋭利じゃない?」
「いやもっとまろみがあるキツさじゃないか?」
 そこまで会話が続いた辺りで比内がクッションから滑り落ちながら鋭く俺を見る。
「あなたが鈍いだけじゃなくて?」
 ひでえ。
「あんたこそ」
 視線が絡む。何の思惑も感じさせない単純な眼光のに、それでも蠱惑を感じる。
 誘ってるのか、どうなのか。
 まるで犬だが、目が合っただけでその気に戻る単純さを嫌う理由が今はなかった。
 俺は噛みつく代わりに比内に口づけて、食べ進めるように刺激を舐め取る。
痛みすら欲しがるように邁進して、ざらつきに与えられる快感での窒息を渇望する。
 いがっとした甘みが気管支をつついてそのまま逃げ場を失った。
「やっぱり甘くね?」
 名残惜しさも感じつつ本題のために口を離すと、今度は比内の方から
魂まで吸われそうなキスが返ってくる。俺の肩に乗せられた両手には境界を感じられず、
シャツに吸われた汗をのりにして癒着したようにすら思える。
 吸いつかれるのに従って大人しく舌を出せば、ずりずりと奥から先へ解放されていく。
唇でもって舌をなぞられた。
「キスだけで言えばね」
 比内は余剰な唾液を舐めて、負けず嫌いに賛同してくる。
 なら試そうじゃないか、なんてことはどちらも言わないまま俺は比内を押し倒して首筋を齧る。
そしてそのまま舌を固く押し付け舐め上げ耳を舐りながらシャツに手を入れて胸を揉む。
 囁く言葉は特に持っていないので無言で、ブラの上から手を差し入れて今度は直接揉みしだいた。
手のひらに固くなった乳首が当たる。そこを重点的にこすると一度だけ「んっ」と声が上がった。
 そのままシャツとブラを上下に分けて胸を露出させ、片手で触りながら見下ろす。
限定的に外気に曝された状態というのは全部剥くよりエロい。
 比内も黙ってされてはいずに俺のシャツに手を突っ込んで弄ってくる。妙に上手いというか、
こっちが弱いのか、さっき味に例えていたような感覚がピリピリ来る。
俺も負けじと刺激を与えて、比内の息が詰まる音に悦を見出す。
 まさに『乳繰り合い』の様相を見せるが、内実相手を先にダウンさせようと必死なだけだった。
 負けられない戦いが、ここにはある。
 とはいえいつものくだらない争いと同じく段々飽きてきて、俺は倒れこむように
激しく比内に口づけて、ステージを進める。
「どっこいしょ」
 さっきはそのままにしてしまったが、敷き布団なしはちと厳しいだろう。
いい加減に足で広げて、比内を上に乗せる。膝裏に手を回して気づいたけど膝が赤かった。
文句くらい言えばいいのに。
 環境が整ったところで汗ばんでいてもわかるくらいすべすべした腹を撫で下ろすように手を掛け、
下の着衣を一気に脱がせる。過不足なく浮かされた腰の高さにはやはり、いい意味での慣れが見える。
布切れなどあっても邪魔なので今度は全部脱がせてついでに脱いで部屋の隅に転がした。
 それから比内の脚を片方抱えて内股に口づける。ついでに強く吸っておく。
汗の味のち肌の味なのはどこの皮膚も同じだ。
「痛っ」
 意図と今後に気づいたのか比内は恨めしげな顔をする。……実はちょっと後が怖い。
 でも今は今だ。扇風機に煽られる比内の前髪をどかして、
俺はあの日世話になった彼女の腹にもキスをする。
 そのまま下り落ちて邪魔な毛を手で押さえ、局部を舐めた。
06757秒以上見つめながら会話できる人とは心理的にセックス可能(8/11)2015/03/11(水) 00:25:21.85ID:1H889FGa
「っ!」
 嫌がっているようなそうでもないような身のよじり方をされて、俺は迷わず都合よく、
そうでもない方に全チップを賭けた。
 蒸されたにおいや粘膜と粘液のどろっとした触感は普段の感覚で言えばノーセンキューなのだが、
今は癖になってしまえと思える。感じさせることで負け越しを避ける気持ちもある。
 核になってるところを吸ってぐりぐりいじめて溢れ出す液を下唇で感じる。
ひくつくポイントはじらして引けてく腰は引き留めながら、結局主従は逆転しないし
本当は勝つ気もないことには気づいていた。
 俺は感触の類似から唇がほしくなって顔を上げた。
 酩酊した目と視線が合ってにやりと笑っても、こっちから近づいていく首根っこは捕まえられて
逆らえない。比内の細指が髪の隙間を往くだけで安らぎが脳を緩めていく。
 今更逃げようがないのはやはりこちらの方で、
舌の長さも歯並びも、これしか有り得ないとさえ思えている。
舌先でじゃれ合うときの繊細さも、これしか知らない気になっている。
 名残惜しくもキスは一旦やめにして、その辺に置いておいたゴムの封を破る。
 比内の脚をまた抱え込んで、不可欠の距離を道具任せにして繋がった。
 さっきしたとき感じたちょっとキツい感じがない代わりにさっきしたときより
ずっと激しく絡みつかれて、じっくり楽しもうとかそういう気概が一気になくなる。後でいいや。
「もう最高」
 思わず呟いて、細い肩を背をかき抱く。
二人揃ってシェイカーに閉じこめられたような勢いで熱量をぶつける。
 比内は相変わらず喘ぎ声は上げないし姿勢からして顔も見えない。わかるのは
俺の背中にしがみついてついてくることと、時折首筋に熱い唇を這わせてくることだけだ。
 もう何をどう感じているかもどうでもよかった。食虫植物の中で溶けるとしたら
これくらい全部うっちゃった気分なのだろう。
「……イきそう」
 情けない声にならないように食いしばって告げる。
 こくこく必死に頷く感覚が首もとをくすぐって返事は短く返ってきた。
「んっ」
 それと同時くらいに積み上げていた快感がピークで墜ちる。
 本日二回目だというのに早かった。実は自分は早漏だったのではないかと思えてくる。
または浮かれすぎているのか。
 束の間怠い体で比内に倒れ込んで、その肌も、汗を冷やす扇風機の風も等しく心地よく感じる。
でもいつまでもそのままではいられないので俺は起き上がってゴムの処理まで済ませて座り込んだ。
 荒い息を飲み込んで一度噎せた比内が風による涼を取っている間に俺は自分のコップに
水道水を汲んで飲み干す。生ぬるい。
 そういえば飲み物買ったんだったと思い出して、冷えたペットボトルを二人分取り出した。
俺も多分そうなんだろうが、比内はごくごく美味そうに飲み干し、ぷはぁと息を吐く。
そして続けるように言う。
「もう甘辛いとかでいいんじゃないかしら」
 何の話だ? と思って、すぐ思い直す。直前まで話してた、快感を味に例えるあれだ。
「確かに。珍しく意見が合うな。頭大丈夫になったとか?」
 言いながら身を引くと引いた先に地獄突きがやってきた。
「ぅぐっ」
 俺は当然悶絶する。ああでもあんまり威力ないな流石に。
 服を着るのもめんどくさがったままぼんやりと、締め切ったカーテンの向こう、
燃え残りの夕べに目を凝らす。
 横を見れば、うつ伏せに寝そべった比内が指先を残り陽に透かしながら
ぽつりぽつりと口ずさみ始めた。
「軽率に零れ落ちる毎日、今もいつかも、穴あきsand glass、いつだって残りかs…………」
「ん?」
 中断されたかと思ったら睨み上げられる。途中で俺の存在を思い出したらしい。
「聞かせてくれないのか?」
 身構えながらも素直に問う。どんな当て字が含まれるのかも気になるところだし。
 すると比内は地団駄で床をぶち抜きそうな形相(ご想像にお任せします)で手を出してくる。
「紙! ペン!」
 一瞬意味がわからなかったがすぐに察した。マジか。
俺は立ち上がるとき若干よろめきながらも、最近買っておいたメモ帳とペンを持ってきて渡す。
06767秒以上見つめながら会話できる人とは心理的にセックス可能(9/11)2015/03/11(水) 00:33:39.46ID:1H889FGa
 比内はそれを俺の手から毟り取ると、がっすがっすと荒く書きつけて、
紙を乱暴に小さく折り畳んだ。
「私が帰ってから見なさい」
「おう」
 唇を尖らせてぶっきらぼうに渡してくれた比内を無駄にからかうこともないだろう。
俺は素直に受け取って、ポエムとメモ帳とペンをテーブルの上に乗せておく。
 本人から直接見せてもらえるようにはなっていたが、こうして彼女がその場で書いたものを
貰い受けるのは初めてだった。俺からしたら、少なからず感激してしまうような出来事だ。
 ただし今のやりとりの間、両者全裸である。
 比内の場合……まあХорошо(ハラショー)と本場の発音で言ってしまって間違いないだけ
なのだが、俺の場合立ち歩くと脚の間にあるものが揺れるからな。間抜けすぎる。
 ともかく、俺は言うべきことを言っておく。
「その……ありがとな……」
 顔も見れずに、珍しく比内相手に照れて、目の周りを熱くする。
 なんだかいたたまれなかった。
 そっと窺うと、比内は……なんというか、無の表情だった。
無表情という言葉に覚える不機嫌な印象すらない。心まで透けてしまいそうなほど無色透明な顔だ。
「…………別に」
 そう、ふんと鼻を鳴らして顔を逸らしたとき、やっと彼女はいつもの顔になった。
 きっと今のような隙間の先に、俺が知らない比内があるんだろう。
 これからの俺たちはどうなっていくんだろうか。また解像度を上げすぎて失敗するんだろうか。
このままなんとなくで、どちらかが引っ越して途切れるんだろうか。
 どうあれ、きっとどこかで離れていく。
 俺はそっぽ向いたままの比内の背中にキスをする。
「ひゃっ」
 比内は存外可愛い驚き方をして体を起こした。
 その背中は肩甲骨の動きが白い皮膚を彩って、その脆さを確かめたい気持ちにさせてくる。
 俺は比内が完全にこちらを向く前に抱きしめる。顔を見られたくないのか、
彼女は俺に背中を向けて座りなおした。
 暑い。身を寄せるごとに感じる暑さを不快感として覚えるのに、何故熱を求めてしまうのか。
 俺は比内のうなじに、また背中に何度も確かめるようなキスをする。
それから丁度触りやすい体勢なのでここぞとばかりに胸を揉む。少し冷たく感じるほどに
じっとり汗ばんで、手のひらが吸いつくようだ。
 抵抗も便乗もしない比内の耳の後ろを舐め上げて、肩口を甘噛みする。もうちょっと噛む。
いっそがぶっと、
「見えるとこに跡つけたら殺す」
 見透かされていた。
 俺は言われもしないのにホールドアップして、こちらを向いた比内に苦笑いしてみせる。
 彼女はしばらく疑わしそうな目で俺を見ていたが、やがて溜息をつくと頭を下げる。
片手で髪を耳に掛けながらその唇が近づいていくのは俺の股間だ。
 俺はというと仕種がツボって思わずその様子を凝視してしまった。
 まだ再戦には少し早いのか元気になりきっていない俺の息子が、口にされる。
 比内は唇で先を少し吸って舐め取って、顔を上げずに俺に言う。
「してあげるから、それで満足しなさい」
 かと思えば熱い口内に含まれて舌の熱烈歓迎を受け、根元の方などは細い指に刺激され、
頭が芯からくらくらする。
 広げられた舌から上あごのごりっとした表面まで上手く密着してきていて、
ちょっと吸いながら上下するのもいい塩梅で、下手したらフェラだけでイかされそうだ。
 吐きだされてもすぐ根元から唇で挟んだまま登られ先を舐め押されて、
中々比内からの責めが止まない。
 流石に制止しようとしたとき、比内はやっと頭を上げた。
さっきまで足りなかった元気が有り余りすぎて困るくらい(比喩表現)にはなっていた。
06777秒以上見つめながら会話できる人とは心理的にセックス可能(10/112015/03/11(水) 00:38:07.52ID:1H889FGa
 ざっとこんなもんでしょうといった態度の比内を俺はたまらず捕まえて、ギリギリの冷静さで
用意だけは先にしておいたゴムをつけ、確かめもしないで攻め込む。
あまり濡れてなかったらそりゃ無理に入れるわけにもいかなかっただろうが、
彼女の体の方にも特に不都合はなかったようだった。
 貫くように押し進み、比内をの肩を抱いて押し下げる。
「っん……!」
 奥の方に行ったとき、比内は小さく声を上げて俺の体にしがみついた。
 ちょっとだけ気が収まって腕を緩めると、比内は俺の胸を押して距離を取らせ、訝しげな顔をする。
「そんなによかったの?」
 頬を上気させ、如何にも『弱そう』な顔をして睨まれたって、俺はその攻撃性を受け取り切れない。
「ああ、とっても」
 口の端を上げて答えると、俺は比内の背に腕を回してそのまま起き上がる。
座って向かい合うと俺から動きにくいし苦手だったような気さえするが、だからこそ、
早く終わらせてしまわないためには丁度いいといえる。
「あんま言いたかないけど、あんたはきっといい女なんだろう」
 俺にとって、最高に。
 石ころを抱き込んで治ってしまった皮膚をかっさばける鋭利なナイフは、比内桃だけなのだから。
 胡坐の上に乗せた比内は僅か上から俺を見下ろして、一度だけ喉を鳴らす。
いつもは逆に喉を見据えられ放題なので新鮮だ。でも、俺が猫背をやめたらきっとまだ
俺の方が高いだろう。
 今更ながら、こんなに小さかったんだなと思い知った。いや、俺が無駄にでかすぎるんだろうが。
 唇を一度吸って、俺は比内の腰を支えながら体を揺するように動きだす。というより少々持ち上げる
ような形で動かす方がメインかもしれない。失念しそうになるが今は昔の俺よりずっと腕力があるのだった。
「あっ。……っ、ん」
 掠れた小さな声を出して、比内が俺の背にしがみつく。中の方も絡まるように締めつけてきて、
肌の触れる感触も深く、広く。心地いい。
 思ったよりも気持ち良くて困る。
 想いばかりは貪欲でも、体の方は弾数が限られているのだ。四回戦は流石に無謀だと
自分でもよくわかっていた。だから本当ならここでペースを落とすべきなんだが、
「……っ……っぁ」
 あれだけ声や顔に出にくかった比内が微かとはいえ声を上げ続けるほど感じているとなると、
途中で一旦止めるという気にもなれない。
 せめて今どんな顔しているかは見ておきたくなって、俺は比内の頭に手を回して、
後ろ側から髪と耳を誘う。
 それだけでもなんとか意思は通じたようで、比内は俺の手に引かれるように体を離した。
ピントが合わない至近距離で目線を合わせようとすると、今度はそれも通じたようで
丁度いい距離が出来上がる。
 普段のちぐはぐさや硬さを払拭された彼女の表情は、完全にとろけていた。
 俺は目じりに浮いた涙を親指で拭って、下から覗き込むように口づけをする。
いちいち体が振れている状態なので、唇を合わせようとするだけで自然と深くキスすることになって、
苦しいくらいの幸福感が脳から与えられてしまう。
 こりゃあ世の中で依存症なんてものも生まれるなぁと納得した。
感覚と感情で意識が混濁して、泣くほどじゃないのに涙が出そうだと誤認している。
 苦しすぎて口をつけていられなくなって離れると、比内はへたるように俺にくっついて耳元で囁く。
「……っ、きすけ……もーっ、私……」
 夢中すぎて逆に意識から外れていたが、気づけばお互い必死にすりつけあっていた。
比内のそこも奥の方から迫るものの方が大きくなっているかと思えば入口側だけが
強く締め上げてくるようにもなる。若干痛いくらいだ。
 ラテックス素材が間に挟まっていることが、どうにももどかしく思える。
直接ならもっと、溶かされあうような錯覚ができそうなのに。
「……ん……わかった」
 俺もまた限界が近いことを悟りながら答えてもう一度奥まで貫くと、また一段と比内が乱れた。
 俺は彼女が好きにしやすいように体を支えて、その動きと快楽を感じることに集中する。
「……んっ」
 やがて小さく堪えた声と共に比内は今日二度目の絶頂を迎えた。
 それ以上声を出さないようにか彼女は唇を俺の肩に押しつけ、細い指は俺の後ろ頭を掴んで
髪を乱していて、脚は少し震えている。
 同時に、比内のそこはたがが外れたような伸縮を何度も起こす。
「くっ……」
 その激しさに呑まれるように俺も果てた。
06787秒以上見つめながら会話できる人とは心理的にセックス可能(11/112015/03/11(水) 00:59:15.87ID:1H889FGa
 そしてくたくたになって色々と面倒になって布団に包まって今に至る。
 ぼんやりしていると、ドアの開閉音と遠ざかっていく足音が聞こえてきた。音からして西園だ。
今日はずっと家に居たのだろう。
 ということは、今日のことにも気づいているだろう。
比内にとっては好都合でしかなかっただろうが。
 上手くすれば明日問いただされるし、下手すれば明日以降何も起きないまま気まずくなる。
どうなっても向きあっていかなければいけなくなった。木鳥のことも含めて。時間は戻らない。
 鈴虫の声も、そろそろ今年は終わりなのだろう。
これから秋が深まって、冬が来てと季節が移り変わっていく。
しつこく熱を振りまく夏の死体も、すぐに覆われていくのだ。
 ふいに、コンビニで流れていた有線を不完全に思い出した。
細部を忘れたはずの会話が適当に補完されて頭を巡る。
ロック気取り歌手とパーソナリティの半笑いの声が聞こえてくるようだ。
「別れた後で“I miss you”が言えない恋はクソだね」
「クソだねって……そこまで言っちゃっていいの?」
「いやまあ正確に言えばモノつくる奴からしたら負けっていうか……だってぶっちゃけ
スッキリ別れたら歌にならねーもん」
「ええー、それはそれで歌に出来そうな気もするけど」
「まあそうなんだけどどっちの方が強力かっつったら自明じゃん? 
それに惜しめない別れはちょっとサミシーねオレは。恋に限らず」
「なるほどねー。引き摺った方が勝ちと」
「そうそう。まあそうは言ってもきちんと引き摺って自分のモノにできた別れ方が
逆に後々スッキリ整理できるしね」
「んー、わからんでもないけどどっちだよ」
「あはは、サーセン」
「サーセンて。さて、皆さんの終わった恋はどうでしたか? お便りの宛て先は……」
 完全に賛成できる意見ではなかったが、思うところはあった。
 俺は元彼女と過ごした日々を思い返し、また、今年の夏のことを思い返す。
前半は霞んで、刺さったままのトゲさえはっきりとは見えなかった。
 今後の俺はどうだろう。今年の夏が、ここで過ごした時間すべてが完全に過去になったとき、
また見失う形で何かを放り出してしまうのだろうか。

 I miss youを繰り返すだけの手抜きくさいサビを思い出す。
 そして、比内との間にあるものが恋だ愛だと呼べるものかはともかくとして、思う。
 出来れば今度の終わりは、一晩くらいは眠れずに明かしたい。
 叶いますようにと、俺はそっと瞼を下ろした。


Someday Oneday, Mourning


おしまい
06797秒以上見つめながら会話できる人とは心理的にセックス可能2015/03/11(水) 01:01:43.39ID:1H889FGa
ごめんほんと重複投稿(とあと改行ミス)ごめんなさい
>>666>>667>>672は透明あぼ〜んして読んでください
気をつけてても誤字脱字設定ミス起こりがちだし大丈夫かなと思ってたらこんな大ポカまでするとは・・・
無駄に容量食ってすまんかった


文ではないので若干板違いになるがおまけ
ttp://www1.axfc.net/u/3428041.jpg
0680名無しさん@ピンキー2015/05/13(水) 03:13:30.15ID:TXgrt8mH
ということで入間の間の更新に関連してシラサギのエロを所望する
真上で投下して大失敗しているので言い出しっぺの法則は無効とする
0681名無しさん@ピンキー2016/04/04(月) 04:37:24.54ID:CLkQWfdv
上手く書けるかわからないけど、僕の小規模な奇跡でSS書こうと思うんだけど
ここでもいい?
スレ存続のためにも何かしらここでやりたい
0684名無しさん@ピンキー2016/06/20(月) 23:39:14.56ID:KAZmP1zt
思春期真っただ中に同い年くらいの主人公たちの話としてハマってた身としては
なんか友達の娘でエロいこと考えるようでやりづらさハンパじゃないわ
0686名無しさん@ピンキー2016/08/09(火) 01:26:35.48ID:lf/uIWC7
みーくんって段々名前呼ばれた時のダメージでかくなってるよね
まーちゃんっていうトラウマの原因に近い存在が近くにいるから過敏になってるとかそういうこと?
0690名無しさん@ピンキー2024/04/25(木) 18:04:37.59ID:3yucprqM
>>1
>>1
笑ってはいけないもそうやけどガキ使の本編も
ダウタウの松ちゃん浜ちゃんも60歳の還暦を過ぎたから
松ちゃんの性加害問題関係なしに視聴率も低いし
元々遠からず終了の予定やったやろ
あと同じ日テレ系列の読売制作のDXデラックスも
シンプルに視聴率が低いから元々遠からず終了の予定だった
ガキ使とDXと笑ってはいけないの枠の後継番組は全部
千鳥がMCの番組にすればいいと思う
あとフジのジャンクSPORTSは
MCを千鳥ノブにすればいいと思う
ノブは前からスポーツ番組のMCをやりたいと
言うてたし
0691名無しさん@ピンキー2024/04/25(木) 18:05:19.84ID:3yucprqM
>>1
>>1
幽霊の正体見たり枯れ尾花
枯れススキ
ダウタウ
ダウタウ松本
ダウタウ浜田
0692名無しさん@ピンキー2024/04/25(木) 18:21:57.85ID:3yucprqM
>>1
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テレ東視聴率最下位脱出
やっぱりチャンネル番号変更の影響が
じりじりとボディブローのように積み重ねって
ここに結実した感があるよな
個人的にはNHKを含む在京キー局のチャンネル番号は
シンプルに開局日順に

地上波
1ch NHK総合
2ch NHKEテレ
3ch 日本テレビ
4ch TBSテレビ
5ch テレビ朝日
6ch フジテレビ
7ch テレビ東京
8ch 東京MXテレビ
9ch テレビ神奈川/テレビ埼玉/千葉テレビ

BS波(BS2K/BS4K/BS8K共通)
1ch BSNHKメインch
2ch BSNHKサブch
3ch BS日テレ
4ch BSTBS
5ch BS朝日
6ch BSフジ
7ch BSテレ東

こうするべきというか
本来これしかないと思うこれ一択
今からでも遅くないからこう再変更すべき
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