男装少女萌え【11】
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0001名無しさん@ピンキー2011/01/29(土) 11:02:41ID:RxRFT+//
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男装少女萌え【10】
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男装少女萌え倉庫
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2chエロパロ板SS保管庫
ttp://green.ribbon.to/~eroparo/
0414名無しさん@ピンキー2015/02/22(日) 14:19:06.51ID:Tg7lJ4J0
幸村って普通に女の子の格好してるからな……
ジェンダーがよくわからんことになってるキャラとしては面白いけど
男装少女って感じはしない
0415名無しさん@ピンキー2015/03/23(月) 20:27:36.79ID:HGV/Sv1T
平坂読といえば前作のホーンテッドの主人公も、複雑な生い立ちからか
2巻まで男装してたからな。
3巻から普通に女子の服装で、夏休み明けの4巻ではカミングアウトして
女子生徒として通い始めたけど。
0416名無しさん@ピンキー2015/04/06(月) 19:17:35.30ID:7BjwGe2x
>>411
あらすじだけ読むと昔の少女小説みたいだけど割りと最近のラノベなんだね
とりあえずポチってみた
0417夢が現の恋 ◆4tZQDZ6Jk.Zt 2015/04/10(金) 23:44:57.86ID:McxX9RL0
投下します。

「夢が現の恋」

 本郷湊(みなと)は当年とって十八歳である。
 湊は界隈でもそれなりの商店に生まれた。上に兄が一人居り、下には妹がいた。
 兄は湊が十六になるころに祝言を上げ、湊の生家には曽祖父、祖父母、両親と兄夫婦、そして湊と妹の都合九人が暮らしていた。
 兄は家督を継ぐことが判りきっていて、尋常小学校を卒業してからは早くから奉公に出、帰ってきてからは店の商いを父に習っていた。湊も兄が嫁を貰う前から店の手伝いをしている。
 しかし湊の場合は店を継ぐわけではないから、割合好きにさせてもらっているというのが実だった。
 湊は剣術が好きだ。尋常小学校で剣道をやっていた兄の影響か、はたまた度々父に連れて行ってもらった活動写真の時代劇のせいか、湊は人間同士が剣で戦うのが何より美しいと考える子供になった。
 だが湊は剣を習わせては貰えない。ひとえに、湊が女子だったからである。
 何度頼んでも父はうんと言わなかった。それで、湊は「頼むから髪だけは切らせてくれ」と畳に額を擦り付けた。将来職業婦人になるつもりでいるから、長い髪など邪魔なだけだと言って。
 父は不承不承それを許すしたが、「本当は然るべき時期が来たら他家に嫁いでもらいたい、そのためには手に職など」と考えているのが湊にも判った。
 そこで湊は実家から離れた剣道場に、男として密かに通い始めた。まだ女学校に通っている頃のことだから、もう五年にもなる。嫁ぐ前に、どうしても剣道をやりたかったのだ。
 月賦は店に手伝いで稼いだ小遣いから出した。
 湊は女子にしてはすらりと背が高く、骨も太い。その代わりにあまり肉付きが良くなかったが、本人はそれを好都合と見ていた。剣道場の師範や修練生には自身が女であることを明かしていないのだから、男のようななりで居られたほうがずっといいのだ。
 それでも切れ長の涼やかな目許や女の如き――事実女であるが――細身、紅を刷いたような唇は剣道場の近隣の女学生に人気で、湊はそれを内心自慢に思っていた。

 竹刀が相手を打ちのめす小気味良い音が道場に響く。打突の度に発せられる掛け声は、明瞭に技を叫んでいる。
 湊は手ぬぐいで汗を拭きながら、井戸端で水を飲んでいた。
「本郷、おれにも水をくれ」
 声を掛けたのは真田樹(たつる)と言い、湊の親友とも言える十九の青年だった。真田は湊から冷たい井戸水を受け取ると、喉を鳴らしてそれを飲んだ。
 よく日に焼けた肌、眉は太く、伸びた丸刈りが精悍さを余計に際立たせていた。それに加えて長身巨躯、女学生人気も湊に負けていない。
「天覧試合の結果を見たか」
 よく通る低い声で真田は尋ねた。今朝の新聞のことを言っているのだと湊には解った。
「ああ。優勝された横山三段は学生らしいな。おれは無理かもしれんが、真田は次を目指せよ」
 真田はこのさほど大きくない剣道場で一番のつわものだった。真田が頭を振る。
「莫迦を言うな。おれなど到底敵わんよ」
 小さな田舎道場で一番になってお山の大将のようなものだ、と真田は言う。
「今日は山本師範が居られないせいか全体的に雰囲気がたるんでいる気がするな」
「うむ」
「そういうときこそ真田、お前の気迫が必要だろうよ。付き合ってくれ」
「ああ」
 短く答える真田の目がどこか迷いを持っているようで湊は不思議に思ったが、別段気にもせず道場への階段を上がっていった。
0418夢が現の恋 ◆4tZQDZ6Jk.Zt 2015/04/10(金) 23:46:12.18ID:McxX9RL0
 修練後、湊と真田は最後まで残って道場を掃除していた。
 さわさわと春風が庭草を撫で、開け通しにした道場内を吹き抜ける。
「山本先生だが」
 雑巾を絞っていた真田が不意に口を開いた。
「だいぶお加減が良くないようだ」
「……そうか……」
 一人の門下生もいない道場は静まり返り、夕方の西日を誘い込んでいた。
「道場も今年限りかもしれん」
 真田はこの剣道場に子供の頃から十年通っているという。真田が過ごした十年の半分を湊も知っている。道場内では決して最年長ではないが、鬼のような気迫と体躯で門下生たちの士気を上げてきた。
 その青春の日々の幻影を板張りの道場に見ているのだろうか。
「おれも家業を継ぐことが決まった。親父が死んでもう二年になるし、丁度学校も卒業する」
「……剣は辞めるのか」
 湊の問いかけに真田は答えなかった。答えられるはずがないか――そう、湊が思ったとき、ふと目の前が暗くなった。
 唇に柔らかいものが当たる。それが真田の唇だと気付いたときには、真田は湊から離れていた。
「……なっ、な」
 何をする、と言いたかったが、声が続かなかった。
 真田はいつもの朴訥な青年に戻っていた。
「さっ、さな、だ、いつから気付いて……」
「だいぶ前だな」
 至極真面目に真田が答える。
「ちょっと待て……」
 湊の声が凄みを帯びた。
「まさか皆知ってるんじゃあないだろうな!?」
「安心しろ。おれだけだ」
 ほっ、と湊は胸を撫で下ろす。
「そ、そうか、よかっ……。いや、よくない! よくないぞ! お前さっきのはなんだ!」
 慌てて取り繕う。
 真田は僅かに顔をしかめた。
「厭だったか」
「え」
「いやだったか、と訊いている」
 突然湊の体温は上がったようだった。血が頭に上って耳が熱くなる。顔が真っ赤になる。
「え、あの、その、い、」
 女であることを知られていたのだ、と思うと急に恥ずかしくなった。
「厭だったかというと、その、よく……判らない」
 汗をかいた後の火照りに恥じらいが加わって、風が実に心地よかった。
「そうか」
 ぶっきらぼうに答えた真田は湊の手首を掴んだ。
「だったら、厭かどうか試してやる」
「へ……んんっ」
 ぽかんと間抜け面をした湊の口を真田の唇が塞いだ。
0419夢が現の恋 ◆4tZQDZ6Jk.Zt 2015/04/10(金) 23:47:28.69ID:McxX9RL0
「ん、んむう」
「舌を出せ、本郷」
「んっ、し、した……?」
 言われるがまま、湊はおずおずと小さな舌を差し出す。真田はそれに自分の舌を絡め、ねぶり、吸い付いた。
「あ、あ」
 真田に支えられた湊の身体が小さく震えた。「ん、ふ、んあ」
 唇と舌がとろけるように重なり合う。唾液が二人の間に伝った。
 ちゅ、と音がして真田の顔が離れる。
「厭か」
 今まで考えても見なかったことに、湊は震えている。両手で湊の肩を掴んでいた真田はそっと離し、一言「すまん」と言った。はっと湊の顔が跳ね上がる。真田は身を翻し、バケツと雑巾を掴んで外に向かった。
「もうしない。お前が女だということも誰にも話さない。だから、許して――いや、忘れてくれ」
「あ……」
 茫然とそれを見送るはずの湊の身体が知らず動いた。思わず真田の道着の後身頃を掴む。
「おっ、と」
 真田がバケツを取り落とし、側溝に流されるはずだった水が庭に撒き散らされた。「本郷、……?」
「い……」
「どうした?」
 もじもじと湊が視線を彷徨わせる。
「い、厭じゃ、なかった」
 道着を掴んだままの湊は頬を紅潮させて俯いている。しまった、と真田は思った。返事も聞かずに、女の口から言わせるとは、野暮なことをしたものだ。
「本郷……っ」
 真田は雑巾を放り出すと、湊を掻き抱いた。いつもは竹刀を振る逞しい腕に抱きすくめられ、港の背筋をぞくぞくと何かが這い上がる。上背のある湊よりも尚長身の真田に、湊も縋る。
 道着越しに真田の体温が伝わり、湊の鼓動を速くした。真田が湊の唇にむしゃぶりつく。今度は湊も応えた。女にしてはやや薄い唇で真田の舌を食み、舌先を合わせる。それが真田の雄を煽るとも知らずに。
「……っ、本郷っ」
「あっ!」
 真田の大きな手が、袴越しに湊の尻を掴んだ。びくんと湊の身体が跳ねる。若さと日々の鍛錬のおかげで湊の尻たぶは引き締まっていたが、やはり女、柔らかな感触が真田の手に伝わった。
「ば、莫迦、誰かに見られでもしたら」
 言い終わる前に、真田が湊を抱え上げた。「わっ!?」
「見られなければ、いいのだな」
 身体同士がさっきまで以上に密着し、湊の心臓は一層速く走り出す。真田はそのまま歩みを進め、用具庫に入ると、湊を降ろし中から引き戸を閉めた。
「本郷……すまん」
 言うや否や。真田は湊の両手首を左手で拘束すると、空いたほうの手で書生結びにきつく締められた湊の前紐を器用に解きだす。
「えっ、え」
 湊には何が起こっているのか分からない。
0420夢が現の恋 ◆4tZQDZ6Jk.Zt 2015/04/10(金) 23:48:50.96ID:McxX9RL0
 後紐もすっかり解かれてしまうと、抵抗をなくした袴がすとんと床に落ちた。
「ひゃっ!? さ、真田……っ」
 脚を露わにされた恥ずかしさに、湊は身を捩る。引き上げようにも両手は真田に掴まれたままである。
 上着の裾からちらちらと見える白い下穿きに、真田は身体中の熱が一箇所に集まるのを感じた。
 湊の両手を封じたまま、真田は荒くなる息を必死で押し殺しながら、湊の内腿に触れる。湊がぴくりと腰を引いた。「あっ……」
 真田はそのまま右手を上げると、道着の紐を一気に引き解いた。はらりと前がはだけ、乳帯を着けていない胸が露出する。小ぶりな乳房の小さな突起に指を当てると、湊は微かに呻いた。
「本郷……綺麗だ」
 真田が湊の両手を離す。腰を抱き寄せ、喉元から乳房にかけ口付けていく。触れたところから、湊の体はどんどん桜色に染まっていった。
「真田……ば、莫迦」
「厭か?」
「ち、ちが、そうじゃない。おればかり肌蹴て不公平だと言うのだ」
「そうか」
 いつものように平然と短く応えた真田は、あっという間に自分の道着も脱いでしまった。湊は目を見張る。夏場、稽古の後に道着を脱いだところを見たことはある。しかし、そのときとは何かが違う。
 男の胸とはこんなにも頑強なものだったろうか。逞しい腕も、引き締まった腹も腿も、自分の陽に当たらぬ白いそれとは随分と違う。真田の鋼のような肉体を、湊はどうしても直視できなかった。
 真田がもう一度湊を抱きしめる。互いの汗の匂いが混じり合う。……それよりも。
「あの……真田……?」
 真田の褌を隔て、腹に当たっているものがあるのだ。
「治まりそうもない」
 事も無げに真田が言う。


「そ、そ、それで? どうしたんですか本郷先輩?」
 興味津々に身を乗り出したのは門倉昭子、十七歳で女学校での湊の一年後輩にあたる。
 まさか実家から剣道着で通うことはできないし、女物の下着を着けて剣道場で着替えるわけにもいかないので、湊は仕方なく後輩の昭子の家で着替えを済ませ、竹刀を持って家と剣道場を行き来していたのだ。
 いつになくへとへとで帰ってきた湊から、昭子は顛末を根掘り葉掘り聞き出していた。
 あの堅物剣士・真田と、男装の麗人・湊の間に何かあったと聞きつければ、これは平気の平左でいられるほうが多感な女学生としてどうかしているというものである。
「い、いや、その……」
 話していいものか、しかし自分一人で悶々としているのも憚られるような、奇妙な心持で湊は口ごもる。
 真田との間にあったことは、まだ学校に席を置く生徒にどこまで話してもよいものやら……。
0421夢が現の恋 ◆4tZQDZ6Jk.Zt 2015/04/10(金) 23:50:07.30ID:McxX9RL0
 真田の無骨な手が湊の身体中をまさぐる。互いの身体が熱を帯びていくのが判った。
 いくら男女離れての教育を受けてきた湊にも、これがどういうことかは解る。そして普通はそれなりの教育を受けた男女が、輿入れも前に無闇に行うものではないということも。
 太い指が湊の股の間に触れた。その向こうにあるものを確かめるように二度、三度と下穿きを擦る。
「んっ、ん……」
 まだ粗野とも言える指の動きに、知らず知らず吐息が漏れる。そこを触られていると変な感じになる――。逃げるように湊は腰をくねらせた。
 真田が湊の下穿きをずり下ろす。僅かに生えた陰毛の向こうにそっと指を差し入れた。真田がごくりと喉を鳴らす。柔らかい。こんなところに入ったら、ここから身体が破れてしまうのではないか。そろりそろり指を侵入させると、ぬるりとした粘膜が迎えた。
「あ……っ、や、ああ……っ」湊が喘ぐ。だが逃げない。指という小さな杭に貫かれて身動きが出来ないからだ。くちゅ、くちゅと音を立てて指が出し入れされる。真田は濡れた指が外気に触れると冷たく、湊の中に入ると温かく感じるのを自分の一物に見立てていた。
 ぐぐ、とひと際奥深くまで探る。湊は真田にしがみついた。指一本までは難なく入る。しかし二本にすると引っかかって止まってしまう。
「あっ、あ、」
「いかん、限界だ」
 真田は褌を解き、既に屹立した己自身を晒した。湊がぎくりと強張る。指だけでも入りきらなかったのに、本当にこれは自分の中に納まるのだろうか――。
「飾り棚のほうを向け、本郷。尻を突き出すように」
「こ……こう?」
 用具庫には使っていない飾り棚が放置されている。湊は言われたとおりに棚を向き、手を突いて体重をかけた。
「力を抜け」
 陰唇にはち切れそうな男根の先端が擦り付けられる。ぞくりと湊の肌が粟立った。つぷ、と押し進める。先ほど指が入った場所に、それよりももっとずっと獰猛な肉の茎が入り込む。
 少し奥まで挿入すると、湊が慌てて腰を引いた。
「いっ、痛い……っ」
「……っく、我慢、しろ」
 勝手なことだが、何しろ真田のほうはもう我慢が利かないのである。
「う、う〜〜っ、うう」
「すまん、本郷」みたび、彼は謝った。しかし身体は止まらない。肉の剣はゆっくりと湊の中に進み、もう入らないというところまで体内を味わうと、湊の腿を伝う粘液に赤いものが混じった。真田は大きく息を吐く。
「ぬ、いて。おねが……っ」
 湊の懇願を真田は無視した。しかし自制心を持ち、最大限湊の身体を気遣う。可能な限り時間をかけ、ゆったりとした抽送を始める。
「ん……んう……あああ、はあ……」
 泣きそうな声で、動きに合わせて湊が悲鳴を上げる。二人の荒い息が用具庫にこだました。
0422夢が現の恋 ◆4tZQDZ6Jk.Zt 2015/04/10(金) 23:51:45.36ID:McxX9RL0
 徐々に真田の動きが速くなる。湊は繋がった部分が痛いのか、そうでないのかもう判らずにいた。ただ、耳たぶが熱に痺れている。それは真田も同じではないかと思えた。
「あっ、あっ、あ、ああ」
 突き上げられる度に喉元までせり上がるような圧迫感に、湊は為す術もない。
「う、くっ」
 湊の中はうねりを上げて真田の陰茎を包み込む。異物のためにびちゃびちゃと溢れ出るみだらな液体が、真田の先走りと混ざり合った。
「あんっ、あ、ああっ、はああっ、ああ、あ」
 湊の声に艶が混じった。汗をかいた肌がぶつかり合う度湊の尻たぶが揺れ、湿った音がした。
「大丈夫か、本郷」
 今になって漸く真田が尋ねた。肩越しに振り返った港の目は涙を湛えていた。ぎょっとした真田は思わず自身を湊の身体から引き抜いた。「あっ!」
「い、いや、す……」
 珍しく動揺しながら詫びようとすると、湊が首を振った。
「やめないで……」
 また言わせてしまった。真田は床に散らかした道着と袴を集め、臨時の閨にして湊を横たえさせる。脚を開かせようとすると、湊は恥らっていやいやをした。
「開かねば入らんぞ」
 そう耳元で囁くと、覚悟を決めたのか睫毛を震わせながら湊は脚を開いた。用具庫の小さな明り取りから差し込んだ光が、ぐっしょりと濡れたそこを浮かび上がらせる。
 真田は今度は遠慮なく腰を進めた。
「うあっ、痛、あ、ああ、は、ああッ」
「はあっ、はあっ、はあっ」
 律動は加速度的に速さを増す。肉の襞が蠢いて真田を捕らえる。仄かに赤みを帯びた湊がのけぞった。好いところに亀頭が当たったらしい。
 執拗に同じ場所を攻め立てる。肉芽を摘まみ、こねくり回すと、電気が走るように湊が跳ねた。
「あああッ!」
 ぐんと締め付けがきつくなる。それに合わせ、真田は腰を動かした。
「ひあっ、ああっ、あっ、あああっ!」
 真田は吸い付くような蜜の壷を何度も突き、まだ乙女の血を散らしたばかりのそこに、己の証を刻み付けるように捩じ込んだ。「ああっ! あ、真田、さな……っ」
 いじらしいほどに真田を呼び、湊は絶頂を迎えたようだった。
「く……っ、本、郷……!」
 きゅうと収縮した肉壁に、真田も搾り取られるような思いがした。頭が真っ白になる。
 そして、真田は湊の胎に精を吐き出した。
0423夢が現の恋 ◆4tZQDZ6Jk.Zt 2015/04/10(金) 23:53:39.83ID:McxX9RL0
「その……男は、……」
 言いにくそうに、横たわったままの湊が口を開いた。隣には真田が寝転がっている。太陽は沈み、夕焼けの残滓が消えようとしていた。
「『女は肉付きが良いほうがいい』のじゃないか……?」
「確かにそうも言うが」
 自分の腕を枕にして向かい合った湊の太腿に、真田は手を滑らせた。
「どんなに痩せていてもここだけは肉が付くのだそうだ。おれはそれでいい」
 真田は暗に湊が痩せていることを否定しなかったが、それでもいい、と湊は思った。
「父親の代わりは母方の叔父に頼もうと思っている」
 何の話だろう、と湊が首を傾げると、薄暗がりにも明らかに緊張した真田が続きを言った。
「おれは、お前を嫁に貰おうと思う」
「さ……」
「婿も決まらん娘にこんなことをしてしまったし、責任は取る」
 一度は冷めた身体がまた熱くなるのを湊は感じた。
「おれは自分が情けない。道場で鍛錬を積んで、心身ともに鍛えてきたつもりだったが、今日に限ってお前を抱きたいという気持ちが抑えられなかった」
 真田は独白する。
「住む街も違う、お前に会えるのは道場だけだ。道場がなくなるかもしれんと思ったら、我慢できなかった」
「真田……」
 湊は真田の顔に近付き、唇にそっと口付けた。驚いた真田が目を剥く。
「本郷……?」
「……、さっ、サーヴィスだ。黙って受け取っておけ」
 そのままぷいと顔を背けてしまった湊を、真田は後ろから抱きしめた。
「お前、いい匂いがするな」
「莫迦っ。それよりいい加減寒くなってきた。道着を着るからそこをどけ」
「……お前、まさか余所でもその言葉遣いじゃあないだろうな」
 真田の質問に今度は湊が目を見開いた。
「そんなわけあるか」
「じゃあおれにも女の言葉で話せよ。今は誰もいないからいいだろう。お前の夫になるんだぞ」
「…………、……、おっ、夫になってから考えてやる」
「減らず口め。そんなでは嫁の貰い手がなくなるぞ」
 真田の冗談に、湊もぷっと吹き出した。湊を抱く真田の腕に力がこもった。
「せめて、子が出来たら言葉は直してくれよ」


 門倉昭子が目を輝かせていた。
「く、口付けされて、それで、結婚の申し込みをされたと! すごい! あの真田さんと! 本郷先輩が!」
「ちょっ、声が大きい。まだ正式に決まったわけじゃ……」
「でも、真田さんが卒業したらご結婚されるんでしょう? わあ、これって、着替え場所を提供したわたしが橋渡しをしたようなものですよね!」
「う……うん? うん……」
 昭子は少女雑誌の世界に入り込んでしまったようだ。
「先輩っ、お披露目にはわたしも呼んでくださいね! ああ、どうしよう、なんて素敵! そうだ、母に頼んでお赤飯を――」
「わ、わ、それはやめて! 父にも話していないんだから!」
「そうでした。でも先輩、今日はうちで晩ご飯召し上がっていって下さるんでしょう?」
「うん。有り難くそうする」
 今日は鯵か何からしい。香ばしい匂いが階下から漂ってきた。
「昭子さん、湊さん、お夕飯ですよ」
「はぁーい!」
 昭子の母が呼ぶ声が聞こえ、少女たちは階段を降りていった。
0424 ◆4tZQDZ6Jk.Zt 2015/04/10(金) 23:57:44.14ID:McxX9RL0
っていう夢を見た(最初のキスまで)ので、エロを追加して投下じゃコノヤロー
一応時代は天覧試合のあった昭和4年のつもり。
失礼しましたー
0426名無しさん@ピンキー2015/04/29(水) 23:45:10.80ID:YTyz73+a
>>417-424
いい話だったなー、乙でした。
両者のその後も気になるが、女言葉で女学生姿の湊さんが
どんな感じなのかも気になるな。
0427名無しさん@ピンキー2015/05/17(日) 01:11:47.84ID:15UMgH3b
月刊少女野崎くんの「王子さま」な鹿島さんは
ちと違うか?
0429名無しさん@ピンキー2015/06/28(日) 13:35:06.62ID:8mc02pz4
ラノベの男装少女ものって最初から女の子にしか見えないキャラが多いのが不満だなー
もっと女か男かわからない外見の子が女らしさと男らしさの間でさまよってるのが好き

鹿島は男装少女というよりボーイッシュ……マニッシュ?
0430名無しさん@ピンキー2015/07/20(月) 12:51:37.85ID:oWrEztaF
10年くらい前くらいに、まんがタイムきららで連載していた
岬下部せすな『悪魔様へるぷ☆』の登場人物に
領主の娘でお嬢様なシスター・シェラに仕えるユンという幼馴染の
女執事がいたな。見た目は金髪ショートにシックな執事服の凛々しい外見。
やや内気な性格ながら、家事、交渉、戦闘、教育係などの役目を
ソツなくこなす万能型で。何気に読者の人気を集めてるキャラだったな。
0431名無しさん@ピンキー2015/07/25(土) 22:35:47.12ID:YOYDMaEE
乱歩奇譚のコバヤシ少年はどうなんだろ?
第3話の「女装」があまりに違和感なさすぎだけど。
0433名無しさん@ピンキー2015/07/27(月) 09:14:58.16ID:0yrIBBto
男装したズボンのチャックを下げてやると、ギャップの激しい可愛いショーツが出てきて欲しい。
0434名無しさん@ピンキー2015/08/23(日) 23:29:44.14ID:z3mvNHde
アルスラーン戦記に登場したエトワール(エステル・デ・ラ・ファーノ)
今日の20話は俺得の回だった。
0436名無しさん@ピンキー2015/08/24(月) 12:39:04.81ID:zffVY1ph
ちょいまて
小説版ではアルスラーンの嫁候補に名が挙がったエステルが女装少年だって?

時代は変わったんかな…。
0437名無しさん@ピンキー2015/09/03(木) 11:28:41.33ID:LESt5zg7
>>430
ここで悪魔様へるぷ☆の名前を見るとは思わんかったw
テナがアニメ化されてたら今頃有名漫画家だったかなぁ、せすな様・・・
0438名無しさん@ピンキー2015/11/08(日) 22:13:17.71ID:bHzTLWLj
無責任艦長タイラーの最終シリーズ「無責任三国志」の3人の主人公のうちの1人で
タイラーの玄孫が男装キャラだったな。その理由がえらく重たいものだったけど。
0439名無しさん@ピンキー2015/11/10(火) 18:20:54.10ID:V9rYBtTt
男装がバレてゲスい奴らに犯されそうになったところで友人が登場して助ける
かーらーのー
即エッチもいいが徐々に信頼関係と恋愛感情が入り交じってきてもだもだする感じもいいなぁと今更ながら王道路線を妄想している
0441名無しさん@ピンキー2016/01/13(水) 11:01:57.81ID:36EHFESJ
このスレあったんだー!!感涙
男装女子は女バレ警戒して気をはってていじらしいのがいいなあ
健気ってかいたいけというか(年齢ではなく)
0443名無しさん@ピンキー2016/02/12(金) 20:27:31.10ID:7cl/A5B6
真崎総子の「俺の執事(♀)がイケている」が面白そう 
0444名無しさん@ピンキー2016/05/12(木) 23:21:18.43ID:7415Eu03
メタルギアソリッド ピースウォーカーの登場人物ストレンジラブは
男装キャラでいいの?
0445名無しさん@ピンキー2016/05/29(日) 22:16:35.53ID:T2TOaq0u
あのキャラは最初みたとき龍虎の拳のキングのパクリとしか思えなかった。
0446名無しさん@ピンキー2016/07/09(土) 01:02:16.06ID:DjllEo3i
今週刊サンデーでやってる『初恋ゾンビ』のヒロイン?指宿くんが男装少女だ
男装理由は主人公のせいらしい、直に触られても女バレしなかったレベルの貧乳
指宿→イブが昔の愛称で下の名が「りりす」(男子としての偽名は「りりと」)
ってとこまではいいとしても字が「凛々澄」なのはちょっと当て字センスが残念な…いや脱線だけど
絵はかわいい
0448名無しさん@ピンキー2016/07/18(月) 07:52:46.58ID:ke3nOUs+
まだ2巻までしか読んでないけど、
スコット・ウェスターフェルドの『リヴァイアサン三部作』のデリンが男装少女だ
鈍感少年に恋してしまうのがべたべたすぎて萌えた。
話や世界観も面白いから続きが楽しみ
挿絵がかっこいいのも好き
0449名無しさん@ピンキー2016/07/18(月) 09:53:59.08ID:E8Ty19zW
>>448
あれはいいな
デリンが地の文でも女の子らしくなくて新鮮

主人公が男装女子だったので乙女ゲーの喧嘩番長やったら意外と良かった
0451名無しさん@ピンキー2016/07/18(月) 14:01:05.90ID:oBgYF264
あげ
0452名無しさん@ピンキー2016/07/22(金) 18:57:49.41ID:ikZq9Sfi
行方不明のお父さんを探しに旅に出た女の子がある銭湯によく来ると情報を聞き
野球少年風に短髪にして男湯に潜入するもチンチンが付いてなかった為、周りの男たちに・・・
0454名無しさん@ピンキー2016/08/13(土) 21:38:15.85ID:XXjv4DE3
烈風の騎士姫の主人公は、あの格好で男装と言われても
全然説得力がないと思うんだけどな。
髪型ポニテ−ルで、きゃしゃな体躯にピッチリしたフリル付きシャツとショートパンツに
黒ニーハイとショートブーツという服装。
周囲はこれで本当に男だと思ってたんだろか?
0456名無しさん@ピンキー2016/09/04(日) 22:38:20.98ID:dqnINaxo
夢枕獏の陰陽師シリーズに露子姫という
いつも男子用の服装である水干を着て。外出を好み、
近所の子供たちに虫集めをさせて生態を研究するのが趣味という
当時の女性の常識から大きくかけ離れた人物像のキャラがいるけど
これも男装キャラの分類で良いんだろか?
0457名無しさん@ピンキー2016/09/13(火) 13:17:49.29ID:D4UDUUGJ
言動がもろに女じゃなくて、男ことば使ってるとかなら良いだろうね
0458名無しさん@ピンキー2016/09/22(木) 16:21:07.70ID:aIFBas0W
>言動がもろに女じゃなくて、男ことば使ってるとかなら

一人称「わたくし」で普通に女言葉ですね。
あれは堤中納言物語の虫愛づる姫君が元ネタだから。
0460名無しさん@ピンキー2016/10/10(月) 14:55:48.01ID:58aRrWio
来年の大河ドラマ『 おんな城主 直虎 』が期待できそう。
0461名無しさん@ピンキー2016/11/22(火) 23:35:08.71ID:R5B9K9zC
西尾維新の美少年探偵団シリーズの瞳島眉美
一作目の依頼人で、解決後は何故か男子制服着て探偵団の一員となり
本編の語り手として欠かせない存在に。
0462名無しさん@ピンキー2016/12/12(月) 12:58:57.36ID:V+t08cDp
>>448
それ近所の図書館にあったわ
思ったよりボリュームあって期限に間に合わなくて返却してしまった
スチームパンクに男装少女に亡国の公子に色々と盛りすぎ、だがそれがいい
0463名無しさん@ピンキー2017/01/11(水) 00:05:59.15ID:xSwQT6RQ
なろう小説の『没落予定なので、鍛冶職人を目指す』に
主人公に弟子入り志願の同級生で、剣士を目指すクロッシという男装少女がいたな。
0464名無しさん@ピンキー2017/03/16(木) 16:16:03.71ID:Lin/Hv/K
浅月のりとの「 有栖川煉ってホントは女なんだよね。」って話、すこ。
0465名無しさん@ピンキー2017/06/13(火) 23:04:04.20ID:S3SMJCuO
デレマスの東郷あいは該当しないのかな?
0467名無しさん@ピンキー2017/07/13(木) 15:52:49.93ID:PU9ikO7o
>>411
>男装して新聞記者
>挿絵付きの記事を書きたい
>絵の上手い男とコンビを組む
>貴族の少女

この辺りの設定は田中芳樹の「カルパチア奇想曲」の主人公と共通してるな。
こちらでは最後の部分は長年知らず、物語終盤に実父だと信じてた義父の元議員から
初めて真相を教えられる展開だったけど。
0469名無しさん@ピンキー2017/09/08(金) 20:36:57.43ID:Gnr+Hyhb
「風よ万里を駆けよ」では花木蘭が主人公
「奔流」では祝英台が登場と
田中は中国戦記物でもよく男装キャラ出してるな。
0472名無しさん@ピンキー2017/11/02(木) 20:45:17.06ID:nnAc1t0A
ヴァルキリードライヴマーメイドの柊晶がまだ未出とはな
0473告白12017/11/22(水) 22:13:40.92ID:JpRWHldx
 それはあまりに唐突に訪れた。
 中学の三年間、親友として過ごしたその期間は、思い返せばあっという間だった。いや、厳密にはまだ後数ヶ月が残っているが、別れは間もなくだと、わかっていた。
 何せ二人の学力差は偏差値にして15以上。志望校が同じになることはない。それでも一応、滑り止めの学校で進学科と普通科に別れる、ぐらいならまだ可能性はある。だから何の気なしに、もし同じ学校ならまた一緒にいられるのにと、そう思って聞いただけだったのだ。
「志望校、どこにするんだ?」
 だというのに、普段はハッキリ物を言う親友が、何故か即答せず言葉を濁し、視線を外し、何やらもごもごと口ごもった後。
「あー、うち、寄ってくか?」
 間もなく辿り着くその自宅へと誘われて、妙な空気のまま頷いた。

 親友は頭は良い方だし、わりとイケメンだし、さっぱりした性格で付き合いやすかった。たまに口が悪いというか、毒を吐いたり空気を読まずに正論を振りかざしたりする欠点も、人によっては受け入れられないだろうが、さほど気にはならなかった。
 唯一気になっていたのは、なにやら病気持ちらしく水泳やら身体測定やらでその姿を見ることがなかったくらいだが、まぁ知られたくないんだろうと触れずにいた。
 そんな親友が、よくわからないことを言っている。
「お前、何言ってんの?」
「……だから、俺、S女子高志望、だから」
「……いやいやいや。偏差値的にはそのへんかもしれんがお前、そもそも性別」
「女だよ」
 かぶせ気味に言う目の前の友人は確かにすこし小柄で線が細くて、なんなら手とか触るとちょっと柔らかいし、拗ねたような今の表情もなんとなく、こう、可愛げがないではない、が。
「……嘘」
「じゃないし、むしろ今までが嘘だった……ていう、意味では、ごめん」
「え、あ、いやいや、うん、それは、そうかもしれないけど、いや、その前に、マジ……で?」
「さっきからそう言ってる」
 怒濤の展開に頭がついていかない。いや、頭以外もついていかない。
 いつもどおりに親友の部屋で、向かい合って座っているだけなのに、変な汗が滲んでくる。ついでに心臓もバクバク鳴りはじめている。
「えっと……」
 口を開いたはいいが、言葉が出てこない。何を言うべきなのだろうか、2年半も男同士と信じて猥談も平気でしてきた、女子に。
「……いや、うん。黙ってて、ごめん」
 先にそう言われてしまうと、とりあえず否定するしかない。
「や、まぁ、そんな気にすんなっていうか、驚いたけど、つか信じらんねーけど、でもまぁ、お前はお前だし、な?」
 目の前で気まずそうにしている親友を気遣った、つもりはないがまぁ、そんなニュアンスの返答に、親友は少し笑った。
「っふふ、やっぱお前と友だちでいられて、良かった」
 その顔は少しだけ、可愛い、と思えてしまった。
 ついさっきまで男だと思っていたし、今だって信じられないけれど、そのはずだけれど、不思議と女に見える。
「言えて、良かった。騙してるの、心苦しいっていうか、そういうの抱えたままなの、辛かったし。でも、女じゃ今までみたいにはいられないよな……」
 あまりの衝撃にぼうっとした頭で聞いていたが、なんだか親友の声色も顔色も、知らない暗さを帯びている。
「いや、だってほら、お前はお前じゃん、かわんねーって、多分」
 何の根拠もないし、言いながら自分でも苦しいと思ったが、言わずにはいられなかった。だよなぁ、と笑ってい返して欲しかった。けれど。
「……無理だよ」
 あっさりと、そう返されて。落胆よりも怒りがわいてきた。
「何でだよ。なんでそんな簡単に諦めるんだよ。さっき俺と友だちで良かったって言ったじゃねーか!」
 親友は目を見開いて、ひゅっと短く息を吸って、止めた。ふう、とその息を吐き出したあと、悲しげに言った。
「……友だちのままは、辛いから」
 返す言葉がない。騙していたのが辛いからだろうか。無理して男のように振る舞うのが辛いのだろうか。色々な理由を考えようとしたけれど、おもいついたのはそこまでだった。
 先に、親友はその理由を教えてくれた。
「好きだから」
 そう動いた唇が、自分の唇に重なった。
0474名無しさん@ピンキー2017/11/22(水) 22:14:57.59ID:JpRWHldx
スマホでちまちま打ってるんで続きは後日……まとめて投下できなくてすいません
0476告白22017/11/24(金) 22:23:30.84ID:4lXB66px
 やわい。柔らかい。気持ちいい。
 頭に浮かんだのはそれだけで、何も言えないまま親友の顔を見る。
 頬が赤い。なんとなく目が潤んでいる気もする。そんな顔で、無理矢理笑ってみせる。
「ほら、無理だろ?」
「無理だ」
 そのまま返してしまった。その瞬間、親友は悲しげに顔を歪めたが、それどころじゃなかった。
 だって目の前にいるのは親友だけれど、それ以上に、今は。
「俺も、嘘ついてた」
「え」
「カノジョ欲しいとか言ってたけど、嘘だ。お前といるのが楽しすぎて、別にカノジョ欲しいとか思ってなかった」
「え、あ」
 親友の顔がますます赤くなって、視線ががちりと絡み合って、外れるのを許さない。しかし次の言葉が、というか、考えがまとまらなくて、続かない。その間に親友は視線を外してしまった。
「ごめん、気持ち悪いよな。男だと思ってた奴となんてーー」
「気持ち悪くない。ていうか、気持ち良かった」
 自嘲気味な台詞に、勢いだけでかぶせてしまって、ついこちらも顔が熱くなった。いや、正直なところ体温自体が上がっている気もする。あからさまな台詞を返された親友も、今度こそ顔を赤くして俯いてしまった。
「ば、かじゃねぇの……」
「知ってのとおり、もともと馬鹿だよ俺は」
「……そうだったな」
「そうだよ。つか否定しろよ一応」 
 しばし妙な空気があたりを支配した。気づけば、慣れたこの部屋も、女子の部屋ということになるわけで。そんな気配はみじんも無いのだが。
 そんな考えも、この状況では現実逃避に近いのかも知れない。いや、現状について考えているのだから現実には違いないのだが、さっきの会話はそんな考え吹き飛ばすくらいのインパクトがあったわけで、そっちのことを考えるべきなのは確かなのだが。
「……」
「……」
 ただひたすら、気まずい。
 いや、思えばその前に親友はさらにものすごいことを言っていたのではなかったか。つまるところ、親友は、親友ではなくて、別の関係を。そこまで気付いて、思わず声が漏れた。
「あ」
「なんだよ?」
「いや、あの、気付いたんだけど」
「何に?」
 俺って天才かも、くらいのドヤ顔だったと思う。
「もう俺、彼女いるようなもんだったんだな!」
「……」
「……あれ?」
 ドヤ顔に反ってくるのは冷たい視線と相場が決まっている。しかし親友の視線は冷たいというよりは、驚きに見開いたといった感じで、普段なら間髪入れずにツッコまれるのだが、半開きの口はまだ音を発しない。
 くち、くちびる。
 思い出すとなんとも気恥ずかしいが、つまりはそういうことなんだろうと理解した。したから言った、それだけなのだが。
「ほんっとーに……馬鹿だな」
 心底呆れたという感じで言われると、流石に少し傷付く。
「おま、馬鹿馬鹿言うな。そこまで馬鹿じゃねぇし、多分」
「いや、馬鹿だ。馬鹿じゃなかったら大馬鹿だ」
「お前なぁ……」
 いつもの調子が戻ってきた。それが少し嬉しい。しかし親友の顔色はほんのり赤く染まったままで、まったくいつもどおりとはいかない。毒舌を吐いた口がもご、と動いて、控えめな音量で続けた。
「……彼女、で、いいの、かよ」
「うん」
0477告白32017/11/24(金) 22:57:23.93ID:4lXB66px
 親友の表情から、緊張が消えていくのがわかる。それなりに意を決して伝えてくれたんだろうと、今頃になって気付いた。それもなんだか、嬉しい。
「……口調とか、格好とか、このままだけど」
 言われて、改めて親友の姿を見る。
 つやつやさらさらの髪は男にしとくのはもったいないくらい綺麗だとは思っていた。顔は前述の通りのイケメンで、ぱっちりした目で上目遣いとかされると、うっかり可愛いとか思ってしまったこともないではない。
 口とか今まで注目したこともないが、その感触を知ってしまった今となっては、もう一度触れたいと思うのは自然だろう。小柄で細身だとは思っていたが、そう言えば胸は少し厚みがあるように感じたから、いちおう胸はつぶしているのだろう。
「んー、口調はむしろ、変わったら変な感じしそうだし。服は、まぁ。……ちょっとくらい、女の格好してんの、見てみたいけど」
「う……善処する……」
「あと胸のサイズは知りたい」
「クソだな」
 冷え冷えとした視線は、ここまでのしおらしさを消し去ってしまった。ついいつもの調子で本音を口にしてしまったが相手は女子だった。いや、見た目親友のままなわけで、女子らしさは……なんとなく、勝手に見出しているけれど。
「……そりゃ、大きくはない、けど。平均くらいだと、思う……」
 予想外に返事があった。
「見せていただくわけには」
「やだよ」
 しかし流石にその先まではいけなかった。
「じゃあ、もっかい。キス」
「なっ……や、やだ、よ」
 即答できない様子はなかなか珍しい。迷いがあると見た。
「なんで。さっきしたじゃん」
「あれはっ……ば、馬鹿なお前にもわかるように、と、思って……それに、次はないと、思ったから……」
 食い下がってみるものだ。頬を染めてオロオロする姿を見ると、何故か口もとが緩んでしまう。
「うん。でも、次、あったほうがいいだろ?ない方が良い?」
「それは……っ、あ、ったほうが、いい、けど……」
 普段は口が達者な親友にやり込められるばかりなので、この展開は予想外だった。そして楽しい。
「じゃあさっそく」
「え、ちょ」
 この気を逃す手はない。小さな頭を抱えて、勢いのままには顔を寄せる。そのまま唇を重ねたつもりだったが、距離感を間違えたようで、互いの唇を押し潰す格好になって、慌てて調整した。
 柔い。その感触を味わうように、唇を食む。この後って舌とか入れるべきなんだろうか。入れてどうすればいいんだろう、と考えていたら。
 ごすっ。
 という音がしたわけではないが、そんな感じの衝撃を受けて、頭を抱えた。というわけで、唇は離れた。
「いってぇ……」
「こ
 思いの外大きな声を出されたので、一瞬、本気で怒られると思ったが。
「俺は、聞いてない……告白、したのに」
 するすると音量が下がって、にらみ付けるようだった目が潤んで、下を向いてしまった。これはそれなりに、胸が痛む。照れ臭いし、茶化して誤魔化したいところだが、流石にそうはいかない。
「ん……ん、じゃあ、その、言う、か」
「……ん」
 目が泳ぐ。泳いだ目を戻す。正面から、わりと近くから、真っ直ぐな視線を受けるのはなかなか居心地が悪い。
 それとなくつばを飲み込んで、口を開いた。
「えー、と……俺、も、好きだ」
 言って、やっと実感した。ふぅ、と息をつきながら親友、もとい彼女の顔を見ると、泣き顔になっていてぎょっとした。
「ちょ、な、泣くなよ!泣くことないだろ!」
「うるせー、勝手に出て来るんだからしょーがないだろ……っ」
 ごしごしと、拳で涙を拭う様は女子らしくはない。しかし、それで目の周りの皮膚まで赤くさせるのはやっぱりちょっと、見ていられない。
「わかったから、んな乱暴にすんなよ」
 止めようと手首を掴んだら、思い切り振り払われた。
「え」
「あ、ごめ……ち、ちょっと驚いた、から」
 なんだか、触れるだけでも一大事になってしまった。これは確かに無理だ。今まで通りなんて。
 
0478名無しさん@ピンキー2017/12/01(金) 21:13:59.17ID:1t08SXFy
>>473-477
乙です。すっかり過疎ってるスレで新作SSが投下されてるとは
嬉しい誤算だったw続き期待。
0479告白42017/12/14(木) 19:36:31.75ID:JptQ/ydA
 しかしなんとなく、なんとなーく納得はしたのだが、やっぱりもやもやしているのも事実だ。
 なにせ自己申告だけで女だと信じているわけで、そりゃ言われてみれば女っぽいとこは色々あるけれど、確信とはいかない。涙を拭うなんとも健気な姿を前にこんなこと考えてるのは自分でもどうかと思うが、もやもやを抱えたままというのもすっきりしない。
「そのー……いちおう、確認なんだが」
「え、あ、うん」
 普段は堂々として、というか、飄々としている親友だが、今は気まずそうに受け答えをする彼女である。そう、彼女なんだから、彼氏にはそれなりに色々許されるはずだ。
 そんな言い訳めいたことを考えながら、改まった感じで話を進める。
「いわゆる精神的に女、とかじゃないよな?身体がちゃんと女ってことでいいんだよな?」
「……お前、この流れで何を……っていうか、まさか」
「いやぁ、うん、まさかっていうか、当然じゃん?確かめたいっつーのは、この場合」
 改まった空気とか、わりとすぐに消えた。わかりやすい要求に、また怒られるかと思ったのだが。
「……見る、だけなら……」
「おっ」
 思わず声が出たけどしょうがない。15歳男子としてこれはしょうがない!冷たい視線浴びてるけどしょうがない!
「……見るだけだからな。触ったらマジで許さないからな」
「わかった。わかってる。大丈夫!」
 前のめり気味な返事を聞いて、ちょっと不信感を顔に出したままではあるが、親友もとい恋人が制服に手をかけた。
 自分と同じワイシャツの下にはTシャツを着ている。それは知っている。が、その裾をめくり上げたところは、見たことがない。
「……」
 正面は向きにくいのだろう、斜めに向いた身体の線があらわになる。白い肌、そして白い布。確かに布の下にはかすかな膨らみがあるように見える。
 恋人の手は慣れた様子でサラシの端を引き出して、くるくると身体から巻き取ってゆく。
 腰回りは何重にも巻かれているらしく、肌が見えるようになるとくびれがはっきりわかった。そのまま上に、少しずつ、肌の面積が増えていく。
 思わずつばを飲んだ。
 ちらりと、胸の膨らみが見えたところで手は止まり、微かに残された布地をおさえた。
「これで、一応、わかっただろ……?」
「お、おう……」
 大きくはないが、間違いなくおっぱいだ。もうちょっと上と言っておけば良かったと、後で気が付いた。
「ついでにちょっとさわ」
「本気で殴る」
「ごめんなさい」
 しかしまぁ、大きくはないし下乳がちょっと見えてるだけだし、ラッキースケベとかでも遭遇出来そうな気がしないでもないが、現実に目の当たりにするとこう、流石に。
「こっ……この程度で、起ててんじゃねーよっ」
 そう言われても、自然の摂理はどうしようもない。下ネタにもイヤな顔をしなかった親友が、恋人になった途端にこの程度で狼狽えるのもどうかと思う。
「つってもどーしよーもねーし……ここで抜いてくれとか言ったら本気でした殴るだろ、お前」
「それは……」
 やっぱりな。こういうときは相撲の取り組みを想像することで鎮めるって昔の偉い人が言ってた気がする。
「なんとか、は、してやりたいけど……」
 ちょっと予想外過ぎて真顔で見つめ返してしまった。
0480名無しさん@ピンキー2017/12/14(木) 19:38:39.40ID:JptQ/ydA
>475
>478
人がいない前提で書き始めてしまったので反応もらえて嬉しい
しかし遅筆なのでそこはお許し願いたい……
0481名無しさん@ピンキー2017/12/28(木) 10:22:26.41ID:NcrzGWTO
ここは以前から気になっていたのですが、ストーリーを投稿するとしたらエロに持ち込むのは早いほうが良いのでしょうか?
一応エロ(もしくは微エロ?)ありきで考えてるプロットの作品があるんですが、真面目にこだわって書くとエロはおろか
男装バレにも少し時間が掛かりそうな感じのものなんですが……。
0482名無しさん@ピンキー2017/12/28(木) 23:24:18.67ID:buBGkrM1
>>481
全然問題ない
最盛期なんかはしばらく誰が男装キャラかわかんない作品とかもあったし
個人的には男装バレまでも楽しみたい
0483名無しさん@ピンキー2017/12/29(金) 23:57:09.76ID:nCtn/9aJ
>>482さん、どうも、>>481です。アドバイスありがとうございました。

漠然とプロットはあるので、スレでの投稿には慣れてないけど、その内連投防止のかからないタイミングを見計らって投稿を目指そうと思います。
0484名無しさん@ピンキー2018/02/22(木) 21:49:28.07ID:nQRlAKY1
七尾与史のライトミステリー小説「すずらん通りベルサイユ書房」に
登場する店長・剣崎瑠璃子が普段からオスカルばりの出で立ちの男装の麗人で。
元宝塚女優、フェンシングの達人、大手菓子メーカーの令嬢、閉店後には出待ちの
女性客に取り囲まれる…と設定盛り込みすぎな濃いキャラしてたな。
0485名無しさん@ピンキー2018/04/06(金) 20:23:51.45ID:42rdE3lD
Destiny鎌倉ものがたりに登場した死神も男装キャラになるんだろうか?
0486名無しさん@ピンキー2018/04/29(日) 21:30:18.45ID:B/7bc4wv
シャルル・デュノワ(インフィニットストラトス)
明堂院いつき(ハートキャッチプリキュア!)
天羽 斬々(武装少女マキャヴェリズム:アニメ11〜12話)
柊晶(ヴァルキリードライヴマーメイド)

これら一部例に挙げたような男装キャラが
白学ランっぽい制服着てることが多いのは何でだろな?
0488名無しさん@ピンキー2018/05/15(火) 21:01:51.66ID:jiV8+x2f
リメイク作品だけどよしむらなつきの里見☆八犬伝REBOOTって挙がったことあるか?
主人公の信乃が(巨乳かつピッチリ目の服にも関わらず)設定上男装キャラで、、本人は割と声高に
女主張しまくってるけど周りからはどうあっても男としか思われないっていう不憫な位置づけでもあるという特殊な立ち位置。
勇ましくても心の奥には女らしさを秘めてて、しかし周り(一部除く)は男としか見ないという辺りが男装少女の萌えに近い部分を
感じると思われる?(通常?の男装少女は自分から隠しているからこそのダブスタな苦しみなんだろうけど)
ガンガンで連載してた頃はしょーもない理由の呪いのようなものによる男扱いだったけど、今作は
シリアス風味なのでそこら辺の謎とかちゃんとした理由づけを期待したい(因みに自分は昔と比べて漫画のエログロ分も増えた件加味して
割とえげつない展開妄想をしていたりする(ぉい))
0489名無しさん@ピンキー2018/05/21(月) 18:11:56.24ID:C6IuYVk7
八犬伝懐かしいな!
男装とは違う気がしないでもないが、あれはあれで好きだった

あと白ランはやっぱ特別感の演出なんだろうな。王子様キャラというか……
プリキュアにもいたっけ?
0491名無しさん@ピンキー2018/06/12(火) 22:42:13.35ID:G//N8XIR
異世界居酒屋「げん」の3話から登場する女騎士カミーユが萌え要素満載のキャラだった。
本人は懸命に男っぽく振舞ってるつもりが、料理を口にするたびに出てくる素の表情で周囲にはバレバレで
最後は居酒屋の娘に「あなた男装してたの、それで!?」と止めを刺された場面で、大笑いしたな。
0492名無しさん@ピンキー2018/08/15(水) 23:18:18.36ID:pWqm9vI2
完結したやる夫スレの作品「やる夫は男子校?に通うようです」が面白かったな。
男子校なのに正真正銘の男子はやる夫だけで、クラスメイトはセイバー、白鐘直斗ら
全員、男装女子という予告編の設定だけで大笑いしてしまった。
0493名無しさん@ピンキー2018/11/26(月) 22:09:53.52ID:qyiImaR7
もしも白鐘直斗が白ラン着てたらもっと様になってただろうな
と想像することはある。
0494名無しさん@ピンキー2018/12/02(日) 15:31:05.87ID:mmLjVTUD
ゼノブレ2のメレフが男装キャラだったけど色々残念だった
cv斎賀みつきで軍服といい線行ってたのにストーリーで目立たず
最後まで地味を貫いていてすごく惜しいキャラだった
0496名無しさん@ピンキー2018/12/31(月) 16:14:43.79ID:rSOEWn+5
寄宿学校のジュリエットでジュリエットが変装(男装)したジュリオが登場した第2話が最高だったな。
男子制服の下にガーター含む白下着がそのままなのもインパクト強だったし。
0497名無しさん@ピンキー2019/02/21(木) 18:06:58.06ID:/RzkwWOY
少し前にtwitterで見た男子用水着着てて、男子に「お前太ってないのにふっくらしてるよな」みたいなこと言われてるイラストが見つからない
知ってる人いたら教えてください
0498名無しさん@ピンキー2019/10/06(日) 23:43:28.69ID:uPQukpg9
白学ランといえば暁の護衛の南条薫も忘れてはならないキャラだな
0500名無しさん@ピンキー2019/11/13(水) 00:07:01.26ID:jpo30qEA
ILUSION~禁忌の楽園~ のアースとルッキーもなんか男装キャラっぽい
0502名無しさん@ピンキー2020/03/11(水) 21:12:47.06ID:QJaQOldD
↑そのゲーム、このスレが始まる前から有ったんだよな
これまでなぜ話題に出なかったんだろ?
0503名無しさん@ピンキー2020/03/20(金) 22:34:40.43ID:WIKZECyr
カイニスの金の鳥という漫画がとてもよかった
19世紀のイギリスでお嬢様が作家になる為に男装して一人暮らしする話
0504名無しさん@ピンキー2020/03/29(日) 20:49:03.93ID:a8sg9lYZ
光と影っていう漫画が、ヒロインが途中まで王子として育てられてるっていう設定だった。
課金して読むと額がエゲツなくなるけど…
0505名無しさん@ピンキー2020/03/30(月) 02:33:08.90ID:XtGHtatF
>>504
序盤だけ読んだ
男装してなくてもかっこいい、でも見た目は美しくて可憐で最高だった
0506名無しさん@ピンキー2020/03/30(月) 02:34:12.99ID:XtGHtatF
ていうかツイッターでバズったあれ、誰か文章化頼む
どのタイプも捨てがたい良さがあってもう……
0508名無しさん@ピンキー2020/04/18(土) 16:08:40.23ID:DWx7xnzH
>>507
序盤は読んだ。
ヒロインの容姿や強さは好きだけど、正体がバレないかヒヤヒヤしてる方が好みなんだ。
0509名無しさん@ピンキー2020/05/04(月) 17:36:46.54ID:Iq1faDOq
>>503
たしかフランケンシュタインの作者がモデルなんだっけ?
0510名無しさん@ピンキー2020/07/16(木) 18:37:08.18ID:K+KqD5D+
今日行きつけの書店に行ったら、Mノベルfから出版されたばかりの
「男装王女の悪妻計画〜旦那様がぜんぜん離婚に応じてくれません〜」

を発見したけど、これは、なろうで掲載されてるSSが書籍化されたものだったか。
今まで知らない作品だったけど、こういう話読むの久々だっだから面白かったな。
0511名無しさん@ピンキー2020/08/27(木) 18:56:06.68ID:iR2HotyE
なろうとカクヨムに掲載されてる
「悪役令嬢、セシリア・シルビィは死にたくないので男装することにした。」
既に小説、コミック共に書籍化されてるけど。
0512名無しさん@ピンキー2020/09/25(金) 06:18:27.20ID:yxhrFpcs
ピッコマの一部無料ノベル「男装姫と絶倫王の激しすぎる蜜夜」、エロシーンが濃厚で良かった。
0514冷たいほうが気持ちいい ◆01vjOr0/MPNm 2020/10/25(日) 14:42:46.91ID:wbGaayN6
投下します。このスレの前半くらいで投下したやつを捏ね直したやつです。半端にしてすまんかった。

『冷たいほうが気持ちいい』

いちおう和姦/すこし胸糞表現/エセ近代?
たぶん短編。


 その砦が、終着点だった。
 林道を進むと現れる、四角柱の砦をあおいで、ルークは目を上げた。王族の身代わりとして着させられた上等の詰め襟は、おのれには過分な死装束だといえる。
 もっとも、後ろ手に手枷をされ、雪道に直接膝をついている扱いを鑑みると、おそらく偽の身分は見破られているに違いない。しかし、既にそれは問題ではなかった。
 王子の一人が同行した「本物の密使」は、他国の領土を密かに抜け、目的地に至った頃だろう。

 新雪の表面が、雲母のように朝日にきらめく。首筋に突きつけられた剣は鋭く輝き、その光は顎の線を描き出している。
 さらさらとした雪が、流砂のように木々からこぼれて落ちた。あらゆる光が溶け込んだ空気を肺に吸い込む。睫毛が震え、身の毛がよだつ。雪についた両膝がいまは痛いほど冷え、それが鮮明に生を意識させた。

 すべての輝き、すべての空気が鮮やかだった。

 後悔するような人生など、ありはしない。ルークという名前さえ借り物で、密使を隠すための偽の密使という役割だけが、自分がなしえた全てだった。
 偽の密使のなかで自分だけが生き残り、そしていま死のうとしている。緑褐色のコートを着た兵たちに囲まれ、顎の左右にきっちりと刃を突きつけられていた。
 今日、死ぬ日になって初めて、朝を美しいと思った。いま、初めて、光が、雪が、天上の青色が、心震えるほどに美しいと思った。春のぬかるみが全てを汚す前に、ケリをつけてしまおうと思った。

 雪が枝から落ちるように、ルークはその首筋を自ら刃に押し当てた。

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