素直クールでエロパロPART15
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0001名無しさん@ピンキー2011/06/07(火) 03:53:28.93ID:V3BcBp1k
ふたば☆ちゃんねる落書き板の天才によりツンデレに対抗すべく、
新たに"素直クール"なる言葉が誕生した。
ツン→素直 デレ→クール
ガチで愛してくれるが、人前であれ、好意に関してはストレートかつ
クールな表現をするため、男にとっては嬉し恥ずかし暴露羞恥プレイ。
しかし、どこか天然。言葉萌えのツンデレ、シチュ萌えの素直クール。

ここはそんな素直クールのエロパロスレです。
荒らし、煽りはスルーでお願いします。
・職人に対し注意予告の依頼は止めましょう。スルーは自力で。
・職人の投下しやすい雰囲気づくりを心がけましょう。
・ネガティブな意見はなるべく控えましょう。
 理由もなく「嫌い」などの意見はスレには必要ありません。

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素直クールでエロパロPART12
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1249978294/

保管庫(エロパロ板)
http://derheiligekrieg.h.fc2.com/cool.html

保管庫ミラー(現在のエロパロ板最新保管庫はこちら)
http://red.ribbon.to/~hachiwords/scool/

素直クール保管所(全体)
http://sucool.s171.xrea.com/

素直クール保管所(ほの板・最新VIP)
http://www16.atwiki.jp/sucool/
0285無題2012/09/06(木) 20:36:24.10ID:u8tGARU5
自分の事なのに、どこか他人事のような口調。
厳しく、冷たい口調で話したかと思えば、すぐいつもの、少し高く優しい声色に戻る。
成る程、そう言う事か。
どこかで世間に諦めを感じ、他人に、自分に愛想を尽かしているのか。
死ぬ事を恐怖せず、不老不死の人間を不幸だと感じるだろう。
孤独を好み、馴れ合いを嫌い、一人で全てこなそうとする。

そこに、細かい気遣いと、譲ると言う事を理解した彼も居る。
誰も彼を見習わずとも、自分一人でも忠実に行う彼が居る。
理性を保ち、感情を抑え、人には迷惑をかけないように気遣っている。
・・・そんな所かな?

私の暗さとは違う。
私は、他人に対し呆れ以外の感情が沸かないだけ。
私は、笑えないのではなく、笑いかける相手が居ないだけ。
とは言え、他人に愛想を尽かし、孤独を好む所は一緒か。
だが、彼にどうしてやればいいか分からない。どうにもしてやれない。
ただ、私には生きる希望が、目の前に居る。

「私は君の敵ではない。誤解はあるかもしれんが、嫌ったりはしない。」
「そりゃあ、どうも。」

彼の、思わぬ一面を除いた。
それに、彼の家を知ることが出来た。彼の部屋に入ることが出来た。
やって良かったと、心から思っている。

そんな感じで、一年なんてあっと言う間だった。私の学校は5年制らしいが、途中で止めていく人も多いとか。



そして、二年生になった。
クラス替え、今年からは混合学級をやめ、学科別クラスになるらしい。
私はとても嬉しく思った。彼とクラスが一緒になるのだ。
朝早く登校する。それでも、彼はもう来ていて、自分の机に突っ伏している。
肩を叩き、挨拶をする。

「おはよう。君と一緒のクラスになれて、嬉しい限りだ。」
「物好きですな、こんなヤツに朝から絡む女子なんて。」
「君の傍に居たい。」
「どぞ。」

彼は、本から目を逸らしていない。だが、本は全く進んでいない。
気を使ってくれていると思うと、嬉しかった。
自分の読みたい本より、と思うと、彼が愛おしくなった。
だが、本を読む邪魔をしてしまっているのではないだろうか?

「迷惑だったか?」
「いや、別に〜。」

彼は、それだけ言う。
肯定されなくて良かった、と安心してしまう。

結局、ホームルームが始まるまで、そこに居た。
休憩時間も足繁く彼の机に通う。それでも彼は私を追い返さない。
少し、顔が赤くなっているように見えた。
彼も、人と関わる事に慣れていないのだろうか?
0286無題2012/09/06(木) 20:36:59.25ID:u8tGARU5
授業が終わり、昼休みが来る。私は、校舎外の別館へ向かう。缶コーヒーを二本買い、彼の机に行く。
椅子を持って行き、机を借りようとするが、乗り気ではない。そこで缶コーヒーを一本渡す。
渋々、机を半分貸してくれる。こう言う優しさ一つ一つが心をしめつけ、とても苦しい。
彼を抱きしめたくて仕方が無い。だが、相手は食事中だ。
・・・またの機会に狙うとしよう。
普通の人なら、こう思うだろう。
こちらは缶コーヒーを奢ってやったのに、態度がムカつく、と。

でも、私達にとって、少なくとも私にとっての解釈は違う。
あちらからすれば、缶コーヒーを渡されているのに、受け取らない訳には行かない。
受け取ったのだから、机の半分を貸さなくては行けない。
借りてる側も、無理を言ってるのだから、文句を言うなんてもってのほかである。

私は、食事をしながら彼との会話を楽しんだ。
彼も、ロボット類や銃器類が好きらしい。私は女だからか、周りに誰もそんな物を好きなヤツは居なかった。
それが、今はこうして一番好きな人と、趣味を共有している。
彼は私の話を、一心に聞いてくれた。彼は、幅広い知識を持っていた。
そして、彼をより好きになった。
何故だろうか、他の男子達が彼を見ている。
まぁ関係無いことだろう、と高校生なりのオタクトークを続けた。
いつもは無表情だと言われる私も、少々熱くなってしまったようだ。

勇さんにも報告する。

「彼とクラスが一緒になった。嬉しくない筈が無い。」と。

珍しく、返事が遅かった。何か考えていたのであろうが、祝福してくれた。
しかし、勇さんが何を考えているかは分からない物だ。
あの口調で喋られると、年齢すら想像がつかない。
ある時は青年の様で、おじさんの様であり、またある時はおばさんの様だったり、高齢者の様な言い回しをしたり。
中世的な言い回しをしたり、アニメやゲームの台詞を引用したりする。
どんな人なのか、気になるな。
0287無題2012/09/06(木) 20:38:21.58ID:u8tGARU5
新学年になって、一週間ぐらいしただろうか。休日が終わり、登校する。
彼に会える、と考えると、今まで感じたことが無いほど登校が楽しみだった。
学校に行き、彼と会い、彼と話し、彼を振り向かせようと努力する。
そんな風に過ごしていると、ある噂が耳に入る。
「あいつ等って、付き合ってるの?」と。多分、私達のことだろう。
彼にはそのつもりも無いだろうし、はっきりさせよう、と明日に備える。

いつも通りに登校し、いつも通りに授業を受ける。

そして、いつも通りにやってくる、昼休み。
まだ、教室にほとんどの人が居る。
私は、彼にはっきりと聞こえるように言う。

「私は君が好きだ。もし君が良ければ、私と付き合って欲しい。」

周りはそれを聞き、彼の返事を煽る。彼はこう言った。

「・・・何の罰ゲームだ?」
「違う、罰ゲーム等ではない。私は本気だ。心の底から愛している。」
「俺なんかで良いのか?他にもっと良い奴が居るんじゃないの?」

彼はあまり自分を評価していないらしい。
だが、私の気持ちに変わりは無い。

「君が好きだ。と言うか、君でなければ嫌だ。誰が何と言おうと、君を愛している。付き合って欲しい。」
「・・・こちらこそ、喜んで。」

こう言う時は、都合良く、皆は盛り上がる。隣の部屋には怖い先生が居るのに。
案の定、こちらを見に来た。私は、彼に言う。

「これからは、君の望みとあらば、何でもしよう。」

すると、誰かが言う。

「毎朝起こしに来るとか、弁当作るとかも?」
「朝から彼の顔が見れるなら、喜んで。料理は苦手ではない。私のと一緒に作ろう。」
「それじゃあそれじゃあ・・・。」
「私は君達と話したいのではない。悪いが、失礼する。」

怖いと評判の先生も、もう居なかった。そして当事者である彼自身も教室から逃げていたらしい。
結果、二人が話していた。

「何をやっているんだ?騒がしい。」
「罰ゲームですよ、もはやあれは。大変でしょうね、被害食ってる方。」

彼は教室の外に居た。近づいていく。

「何だ、ここに居たのか。」
「逃げてきたの?被害者その1。」
「君の居ない所に居続ける意味など無い。だから来た。」

彼は溜め息をつくと同時に、足早に去っていく。
私は、彼を追いかけた。

「追っかけて来たのね・・・。」
「私達はもう、恋人なんだよな?」
「まぁ、そうなるね。」
「ならば、好きなだけ君を愛することが出来るな。・・・おや、君の顔が真っ赤だ。可愛い。」
0288無題2012/09/06(木) 20:39:38.69ID:u8tGARU5
次の日から毎朝、弁当を持って彼の家を訪ねた。母親とも、会話をした。更に、彼に驚かされた。

「いや〜、勇が彼女連れてくるなんてねぇ。」
「呼んだ覚え無いのに、本気で来るとは・・・。」
「君も勇と呼ばれているのか。知り合いに勇と呼ばれている奴が居てな。」
「感付いてはいたが・・・ジナさん?」
「まさか、君が勇さんだとはな。ならば、私の想いは事前に伝わっているだろう。
 成る程、道理で。あんなに優しく親切で、胡散臭い言い回しをする訳だ。
 あ、御母さん、彼のお弁当を、私の方で用意させてもらえませんか?」
「食費大丈夫かい?」
「胡散臭いってねぇ・・・。」
「何ともありません、少し多く使うだけです。彼のためなら、痛くも無い。」
「じゃ、お願いします。良い彼女持ったねぇ。美人だし。」
「無表情な割に、言う事は素直。且つ、割に合わないほど美人。ホント、勿体無い位。」
「勿体無い事は無い。私は君でないと嫌だ。君が君だから、愛しているんだ。」
「おや、熱いねぇ。」



私はよく彼の家に遊びに行くようになった。
勇の身内さんにも会った。彼の妹だった。
私は彼の妹に、そして彼や、彼の母に言った。

「君には悪いが、彼は私が貰う。」

全員が硬直していた。何故だったのだろうか。

違う日に、彼に約束せず彼の家に押しかけると、彼の中学時代の親友に会った。
私が彼の腕に、腕を絡めた状態。
その人曰く、「お前、良くそんな可愛い彼女と付き合えたな!」との事。
彼は、笑いながら言った。

「全くだ。実はもっと嫌な奴だって事、ばれてないのかな?」
「嫌な奴?君が暗い事なら、知っているぞ。君は人前では笑っているが、本質は根暗の様だ。」
「はっきり言うねぇ。」
「あぁ、そんな君が好きだからな。」
「よくそんな事、恥ずかしがらず言えますな・・・。」
「へぇ〜、お前にも彼女かぁ。」
「まぁ、愛想尽かされないよう頑張るさ。」

また、ある日には彼の父親に会った。
見た目は若かったが、35歳分、彼より歳を取っているらしい。
明るい性格だったが、味方に居て欲しくないタイプだと思った。
その事を彼に聞くと、彼も父親をあまり好いていないらしい。
彼の事だ、いつからか親すら信用していないであろうが。
酔っ払って絡んでくる、図体のでかい幼稚園児は嫌いだ、と言っていたな。



学校生活にも、徐々に変化があった。
椅子に二人で腰掛けるようになってくれた事、抱きついても抵抗されなくなった事等か。
学校生活ではないが、デートもしてみた。
だが、やはり彼の家で二人でゲーム等をするほうが楽しく、落ち着くのだ。
そしてもう、私の中には新たな一つの心が生まれていた。


昼休み。肩を寄せ合いながら弁当を食べ、気分が良くなり彼を抱きしめる。
二人とも食事を終えた後、彼にキスをする。
彼は罰が悪そうに、本を読んでいる。
周りも少し、ざわついていた。そして、私は彼に言う。
0289無題2012/09/06(木) 20:40:36.07ID:u8tGARU5
「君の全てが欲しい。君と二人きりで、セックスがしたい。」

それを聞いた彼は、いつもより大きな声で言う。クラス中に聞こえるように。

「・・・毎度の事、何の罰ゲームだ?」

そして私に耳打ちする。

「付いて来い。話すことがある。」

つかつかと、教室を出て行く彼を、慌てて追う。
連れて来られたのは、階段下のゴミ捨て場である。

「で、何考えてるの?」
「だから、私は君とセックスをしたい。出来るだけ早い内に。」
「何故急に?」
「急ではない、前からずっとだ。今日は駄目か・・・?」
「そんな年齢じゃない。」
「妊娠しなければ良いのだろう?私は、君が欲しくてたまらない。」
「俺なんか止めておけ。後戻りできない事だ。」
「君になら、私の初めてを捧げても良い。今日、駄目なのか?」
「その様子じゃ、どうせ断っても来るのだろう?」
「君が、どうしても嫌だと言うなら、行かないが。」
「嫌じゃないから、断るのにも苦労するんだが・・・。」
「では、今日の帰りも、一緒に帰ろうか。」
「全く、反則だろ・・・綺麗な顔と、無表情からのギャップが。」

彼等がいない教室は、話題はそれで持ちきりだった。



授業にも、身が入らない。何か考えれば、すぐ彼のことが頭に浮かぶ。
黒板を見て、ペンを動かすのがやっとだ。
今後の勉強会、彼に上手く教えられるだろうか・・・。



結局、二人で帰ってきてしまった。
酷く汗をかいたのか、彼は私に断りをいれた後、シャワーを浴びている。
勿論、理由が汗をかいた事でない事ぐらい分かっている。
彼が愛おしくて仕方ない。彼が好きでたまらない。
とても、待ち遠しい。まだ出てこない。
焦らしてるのか、と思うと、彼がいじらしく、また可愛く思えてくる。

彼のお母さんと、少し話をしてみる。その事には触れないように。

「こんにちは、御母さん。」
「どうした?ってシャワー浴びてんのね、彼女ほったらかして。勇だって、判ってるだろうに。」
「何を、ですか?」
「今の彼女に逃げられたら、もう次が無い事ぐらい。」
「大丈夫です、逃げるつもりはありません。私も今までは、一人が良いと考えていました。彼に出会うまでは。」
「何で勇が、こんな良い子を引っ掛けれたんだか・・・。」
「彼は優しく、細かい所で気が利きます。」
「へぇ。」
「それに、私以上に世間を、人間を知っていて、自分を誇らず、下心も持ち合わせていない。惚れてしまいました。」
「母親から言わせれば、まだまだあの子も子供よ。・・・面倒見てあげてね。」
「勿論です。」
0290無題2012/09/06(木) 20:43:14.06ID:u8tGARU5
彼が戻ってきた。
こちとら、ずっと待たされていたのだ。甘えても良いだろう。
すぐに、彼に抱きつく。
彼は慌てていた。そんな所も可愛い。
私は、彼を部屋に引っ張って行く。

そして、今に至る。



彼は動かず、窓から目を逸らさない。
近くの窓のカーテンを閉める。
それでも動かない。
私は、服を脱いだ。そしてお気に入りの、彼の布団に包まる。
ガーゼの布団で、使い古すとこの触り心地が出るらしい。
ふわふわで暖かく、気持ち良い触り心地。私のお気に入りだ。

「窓とカーテンを閉めてもらえないか?」

彼は、それまで眺めていた窓を、何のためらいも無く閉める。

「少し、喋っても良いか?」
「君の話なら、君の声ならいくらでも聞こう。」

「ここまで俺を想い、愛してくれる人はアンタぐらいだ。・・・ありがとう、そして愛してる。
 でも、俺なんかで良かったのか?アンタが思っている以上に、俺は根暗だ。
 劣等感の塊で、人を信用できなくて、そのくせ他人の目ばかり気にする。
 感情も表現できないし、素直に「好きだ」と言うのも苦労する。
 俺と言う一個人なんて、宇宙から見ればゴミも同然だ。それなのに自信過剰で、負けず嫌い。
 卑怯で、考え方が自分の独自論に偏っている。
 そんな俺でも・・・アンタは愛してくれるのか?」

「君は負けず嫌いではないし、自信も過剰ではない。確かにゴミとしては過剰だ。
 しかし、人間としては違う。君が生きている事には変わり無いんだ。
 まずはそれを知れ。君が思う程、君は馬鹿じゃない。
 顔も整い過ぎている訳ではないが、私は君の顔も好きだ。
 何より、自分の人生を捨ててでも君は愛してくれるだろう。
 君こそ、こんな女で良かったのか?無愛想で、嫌われ者な私で。」

「嫌われ者だなんて関係無い。無愛想も、いや、だからこそ可愛い。
 こんな美人がいつも擦り寄ってきたら、惚れない訳が無いだろう?」
「ならば、美人であれば私以外でも良いのか?」
「まさか、どうせどいつも人間だ。増してや女子学生、碌な奴が居ない。
 どいつもこいつも、自己中心的で贅沢な奴だ。俺は、アンタじゃないと駄目らしい。」
「そうか、肯定されなくて良かった。私も君でないと駄目だ。
 いや、君が私をそう簡単に捨てる筈も無い。少々無礼だったか。」

彼が、隣に座る。

「しっかし、その布団気に入ってますなぁ。いつもそうやって包まって、頭だけ出してる。」
「駄目だったか・・・?すまない、君もこの布団が大切だろう。」
「いや、むしろ可愛すぎて困る。何だったらあげようか?」
「私はこの布団より、君が欲しい。」
0291無題2012/09/06(木) 20:44:27.03ID:u8tGARU5
そう言い、布団を除け、彼に私の裸を晒す。
彼は目を逸らし、固まっていた。そして、一言だけ言う。

「正気か・・・?」
「あぁ、私は本気だ。君が欲しくてたまらない。
 聞いた話では、男の前に裸で立てば、男は喜ぶそうだが、君にはあまり効果が無いみたいだ。
 喜ぶと言うより、戸惑っている。」

彼は、一つ小さな溜め息をつき、立ち上がり、出て行こうとする。

「何処に行くんだ?」
「ドラッグストア。本気じゃないと思って、準備してなかった。」

私は、彼の腕を掴む。

「君は生でしたくないのか?」
「妊娠、性行為感染症を防ぐためには要るだろ。」
「君は私の初めてを、ゴムで貫くのか。肉体を使わず。」
「・・・。」
「君は遠慮しすぎだ。普通の男は、生でしたがるケモノなのだと聞いたが。」
「アンタが快楽を得られりゃ、それで良い。普通なんかじゃない、別に俺なんぞ・・・」
「・・・濡れた。君の所為だぞ。」
「はぁ?今、何て・・・」

私は、彼を押し倒す。四つん這いになって、彼を見つめる。
無言の時間、お互いに混乱しつつも愛を感じる。いや、私は愛を感じている。
彼は、やろうと思えば抵抗できたはずだ。

「・・・反則だ。抵抗できる訳が無い。」
「緊張してるか?可愛いやつめ。」
「童貞なんで緊張してます。」
「私も処女だが・・・?」

と、言いながら彼のTシャツを脱がせ、胸に耳を当てる。

「聞こえるな、君の心臓の鼓動が。とても速いな。そんなに緊張しているのか?」
「まだ年齢的にタb・・・」

彼の口を、唇で塞ぐ。彼は戸惑ったような表情をしている。
一旦離し、断りを入れる。



「私も初めてで下手だが、許して欲しい。」
「だから反則だと、何度言えば・・・。」

もう一度、唇を重ねる。
彼の口に舌を捻じ込むと、戸惑った様に彼の柔らかい舌が後ずさる。
私は、彼に微笑む。きっと伝わったはずだ。
お互いに、舌を絡めあう。
初めてで、二人とも上手くはできないが、それでも気持ち良かった。
出来るだけ音を立てないようにはしたが、体の中に水音が響く。
体が火照ってくる。媚薬でも飲んだかの様だ。・・・飲んだ事は無かったが。
0292無題2012/09/06(木) 20:45:18.98ID:u8tGARU5
唇を離す。一筋の銀色の線を、彼の口へと落とす。
こくり、と彼は二人分の唾を飲み込む。
彼は耳まで真っ赤で、目が泳いでいた。

「らしくない。劣等感と自信と言う、矛盾した要素を併せ持つ君はどうした?」
「そう言われたってなぁ・・・。」

私は、彼の首筋に舌を這わせ、そして耳を愛撫する。
映画等でよく見られるが、実際に効力はあるらしい。
可愛らしい声を出してくれる。

「いつもの君の冷静さはどうした?」
「それを奪っているのは貴方でしょう・・・。」
「まぁ、そうだな。」

私は、彼のズボンに触れる。確かに、そこにある。
彼はいつも家では部屋着を着ている。
お洒落さもあるが、何より動きやすい服装だ。
ベルト等を外す手間も無く、するりと脱がせられる。
彼の顔を見て、下着を脱がせて良いか訪ねる。

「駄目だと言ったら?」
「君が本当に嫌なら諦めよう。私は満たされないが、君の為だ。」
「・・・憎いほどに、甘ったるい言葉を掛けてくれるなぁ。」

下着を脱がせると、異様な形をしたそれが現れる。
少し、戸惑ってしまった。

「だから言ったのに・・・。」
「すまないな。初めて見る物で、見入ってしまった。君のは、大きい方なのか?」
「ごめん。」
「いや、嬉しい位だ。君のなら何でも嬉しいが、大きいのも嬉しい。
 むしろ、私の胸が小さくて申し訳ない・・・。」
「こんな事を言ったら贅沢かもしれないが、大きければ良いって訳じゃない。
 それに胸に惚れたんじゃなくて、アンタに惚れたんだ。・・・ロリコンじゃないよ。」
「ありがとう。君は優しいんだな。」

そう言って、彼のそれを少し撫で、咥える。
それは、咥えると更に硬くなった。

「・・・汚いと思わないの?」
「君のなら、汚くても構わない。むしろ綺麗にしてあるではないか。」
「そんな恥ずかしい台詞を、よく言えるもんだ。」
「咥えると、更に硬くなるんだな。」
「我ながら情けない。」
「相手が私だ、一番君を愛している私だ。仕方あるまい。」

あまり、どう舐めたら良いか分からないが、適当にやってみる。

「どうだ、気持ち良いか?」
「聞かないでくれよ、恥ずかしいのに・・・。」
「君の方が私より可愛いな。嫁に貰いたい位だ。」
「アンタが嫁だろ・・・。・・・え!?」
「私はいつか君と結婚したい。そうすれば、ずっと二人で過ごせる。いや、二人ではなくなるかな・・・?」
0293無題2012/09/06(木) 20:46:23.88ID:u8tGARU5

今度は、彼のそれを奥まで咥え込んで見る。
全部咥え込む事も出来ると聞いていたので、やってみた。
喉に当たりながらも、私でも全部咥え込めるらしい。
咥え込む事が出来たので、次は頭を動かしてみる。
最初はゆっくりと動かし、徐々に早くしていく。
頭を動かし、口で擦ると共に舌で舐める。

ふと、彼の手が私の頭を抑え、止める。

「気持ち良く、無かったか・・・?」
「そうじゃない。涙を流しながらまで、して欲しくない。」

何度も喉に入り込む所為で、涙も出る。でも、そんな事は私にとっては、ほとんど関係ない。

「君が気持ち良いなら、別に苦しくも何とも無い。君は感じていれば良い。」
「それでも申し訳ない。ごめん・・・。」

もう一度咥え、また頭を動かす。
先ほどよりも、更にスピードを上げていく。

「ちょ、待って・・・!」
「ぁまわん、わらひのふひにらふろいい。(構わん、私の口に出すと良い。)」
「ちょっ、待てって・・・!!」

彼のがより一層熱くなり、脈打つように、ドロっとした液体を吐き出す。
すかさず奥まで咥え込み、それが喉を通っていく感覚に酔う。

「ご、ごめん・・・。」
「ふむ、これが君の味か。とても熱くて苦く、ドロっとしている。」
「不味いだろう、ごめん。」
「苦いのは嫌いではないし、とても暖かく、喉越しも癖になりそうだ。流石は君のだ、美味かった。」
「そう言われても複雑な気持ち・・・。」
「君は少々謝りすぎだ。そうだな・・・詫びる気持ちがあるなら、私の小さな胸でも揉んで貰おう。」

ほれ、と言わんばかりに胸を張る。
彼は中々動きそうに無い。だが、切り札を用意してある。

「やはり、小さいのは嫌だよな・・・。」
「い、いや、そうじゃないけどさ・・・。」
「そう言ってはいるが、触れようとすらしないではないか・・・。」

彼は、勢い良く右手を伸ばし、私の胸に触れる。
しかしそれだけで、すぐに手を引っ込め、オドオドしている。

「そんなんじゃ、私は気持ち良くないぞ?やはり、嫌か・・・?」
「そんな事は無いけどさ、罪悪感が・・・。」
「素直だな。」
「アンタはいつも素直すぎる位だ。」
「何故、恥ずかしがる?君の欲求のままに揉めば良い。」
「後ろから、でも良いか?」
「君は好きだな、確認する事が。君にしてもらうんだ、どんなでも嬉しいに決まっている。
 それとも、鎖付きの首輪を付けていたほうが良かったか、ご主人様?」
0294無題2012/09/06(木) 20:48:05.64ID:u8tGARU5
「やめて、罪悪感で立ち直れなくなるから。今でも、強い罪悪感と背徳感を感じてる。」
 顔見ない方が緊張しないかな・・・。」
「君はどちらかと言えば<さでずむ>の方ではなかったか?
 君の言い回しで、人を軽く貶めるだろう。」
「貶めるって・・・毒舌とはよく言われるが。」
「君はさでずむが強いからか、咄嗟の戦術の要るゲームが強かったな。」
「世界を見渡せば、弱い方だ。」

「緊張は、ほぐれたか?」
「あぁ、その為に・・・ありがとう。」
「礼を言うなら、気持ち良くして貰いたい。」
「・・・出来る限り。」

後ろから、手を回される。まだその手は怯えているが、ゆっくりと触れる。
彼の手の形に合わせ、形を変えていく。
まだ怯えているのか、手の動きがぎこちない。
私は彼の肩に頭を乗せ、耳に囁く。

「もっと、激しくして欲しい・・・。私は君に触られて、感じているようだ・・・。」
「そんな声で言われると、こっちから抱きしめたくなる。」
「ふふ、君も興奮してきたか?ふぁ・・・」
「無表情で言いますか。でも、それが良い。」
「いや、最初から私より、ぁっ、緊張していたな。あんっ、そこは・・・」

彼は、さりげなく頂点も責めてくる。

「嫌だった、かな・・・?ごめん。」
「君は知識はある方か?」
「多少はあるけど、性欲があるか疑われるくらいですからなぁ。」
「だったら、言わなくても分かるだろう。そこも触れて欲しいんだ・・・・。」

私がそう言うと、そこも責めてくる。
自分でも、段々硬くなるのが分かる。

「すまない、一旦止めてくれるか?」

彼は、素直に手を離す。
くるりと彼の方に向き直り、彼の後頭部に両手で触れる。
彼の頭に?マークが浮かんでいそうな位、キョトンとした顔をしていた。

「とても君が愛おしい。君を私の物にしてしまいたい。」

そう言った後、彼の顔を胸に押し込む。
小さいとは言え、無い訳ではない年齢だ。
ふにっ、と彼の顔を受け止める。

「すまないな、こんな物しか用意できなくて・・・。」

半ば自虐的にだが、彼に謝る。
彼は私の手を除け、顔を出す。

「あー、さっきも言ったけどさ。胸に惚れたんじゃないからね?」
「ありがとう。それでも、君には申し訳無くて。」
「こう言う時の返事って分からんのだけどさ、とりあえずこれだけは言える。
 ・・・好きだ。」
0295無題2012/09/06(木) 20:49:27.89ID:u8tGARU5
「君の言葉は、安易に慰められるよりも嬉しい物だ。」
「あまり、良い慰め文句が思いつかないので。」
「そろそろ慣れてきたか?」
「そう言うアンタは?」
「私は最初から緊張していない。君が欲しいという欲求と、君がしてくれる事の嬉しさだけだ。」
「言ってくれますなぁ。まだちぃっとばっかし緊張してるかな・・・。」
「そうだな・・・次は、口でして欲しい。」

やはり、彼は躊躇している。
と、思っていたら、体中に電撃のように快楽が走る。

「あっ・・・。」
「あんまり待たせるのも迷惑かな、とね・・・。」

彼が口で、柔らかな丘の頂点を愛撫してくれる。
ベテランから言わせれば、下手糞なのだろうが、私はとても気持ち良かった。
彼は彼で、どうしたら私が喜ぶか、と考えている。それが嬉しくてたまらない。

「君から進んで、んっ、してくれるとは。これほど嬉しいことは、そうそう無い物だ。」
「ど、どうなんよ?」
「心配するな。とても気持ち良い。」
「良かった。」ふぅ、と安堵の吐息を漏らす。それが、唾に濡れた頂点に掛かる。
「ぁん・・・。」

彼は、また再開する。
舌で転がすだけでなく、唇で優しく噛んだりもしてくる。
それだけでも、イキそうだった。
そんな彼の頭を撫でてみる。
目が合う。私は微笑んでいた。
彼は言った。

「最初と言い、珍しい。笑うなんて。」
「君が傍に居て、君とセックスを楽しんで・・・人生、捨てた物ではない。そう思えるのも、君のおかげだ。」
「二人なら、人生も楽しそうかもな。」

私は、彼にM字開脚をする。
彼は言った。

「恥ずかしくないのか?」
「恥ずかしいが、それ以上に君への想いが溢れてきてな。最初に言っただろう、濡れた、と。
 私がしたように、口でして欲しい。」

それでも、やはり彼は躊躇している。

「やはり、汚いよな・・・。臭う、かな・・・?形も気持ち悪・・・ひゃん!」

彼はこう言う言葉に弱いらしい。

「臭いはしない。形は気にならない。汚いかどうかは、アンタなら関係無い。」
「全て受け入れてくれるのか。君と言うやつは・・・だから好きだ。」

足で、彼の頭をホールドする。
彼に舐められる感覚は、自慰では味わえない快楽だ。
最初のうちは、あまりどうしたら良いか判らないようだったが、次第にぎこちなさが無くなってくる。
彼は、肉芽を甘噛みする。
0296無題2012/09/06(木) 20:50:45.96ID:u8tGARU5
「くぅっ!?」
「痛かったか!?」
「そこは、敏感なんだ・・・。凄い快楽が、私の中を駆け巡ったよ。」
「びっくりした・・・。」

そのまま続けてもらう。
彼の舌が花弁を、肉芽を刺激する。
私は、彼に一つ頼む。

「舌で、穴を広げて、ぁっ、くれないか・・・?」
「・・・痛かったらすぐに言ってよ?」

忠実な子だ。彼は恐る恐るながらも、舌を入れる。
私の中に、彼の舌が入る。
彼の舌はとても熱かった。

「激しく動かしても平気だ。私とて人間だ、自慰の経験はある。勿論、おかずは君だ。」
「ふごふ、はうあひいれふ。(凄く、恥ずかしいです。)」
「んあっ、あぁっ・・・。」

彼は、慣れて緊張もほぐれて来たのだろうか、私の為なのか、先程よりも激しく刺激してくる。
それでも、まだ遠慮がちか。
彼の舌が、私の中を動き回る。
壁を擦り、押し広げ、出たり入ったり、と。
彼も出来るだけ音を抑えているだろうが、体を伝わって卑猥な水音が聞こえてくる。
彼にさせていると言う背徳感、秘部から伝わってくる快楽が私の身をよじる。
私もそろそろ、限界だった。

「あ・・・、イク・・・・。」

自慰とは比べ物にならないほど、気持ち良かった。
物理的にではなく、彼がしてくれたから、だろう。
だがしかし、先程からずっと、彼の口に出してしまっていた。
やはり、美味い物ではないだろう。

「・・・すまない、不味いだろうに。」

こくり、こくり・・・
彼は全て飲んでしまった。あぁ、すまない。

「苦いのは嫌いではないし、とても暖かく、喉越しも癖になりそうだ。と、引用。
 トロっとしてて、ほんのり苦くて、とても熱い、が感想。」
「私と同じ、か。」
「そうだね。つまり、そう言うこっちゃ。」

どちらからとも無く、キスをする。
最初のような照れもかなりほぐれ、欲望のままにキスをする。
肩を抱き合い、舌を絡めあう。
互いに身を寄せ合い、互いに密着する。
目が合うと恥ずかしいのか、彼は目を閉じている。
そんな彼も、とても愛おしく感じる。
心がキュンと苦しくなるのを、吐き出すかの様に彼の舌を、彼の口を貪る。
彼は注意を払っているらしいが、私は気付かぬうちに鼻息が荒くなっていたようだ。
しかし、そんな事でとやかく言う彼でもない。
キスに集中する。
0297無題2012/09/06(木) 20:52:25.36ID:u8tGARU5
「ふぅ・・・。」
「ぷはっ・・・。やはり、君以外は考えられないな。」

唇と唇に、光を受け怪しく輝く橋が架かる。
それを舌で掬い、今度はそっと軽くキスをする。
もう、準備は出来ていた。

「次はどうするか、わかるか?」
「意地悪、人に言わせて。」
「準備は出来ている。どんなに痛くても、君と一つになれるなら耐えて見せよう。」

私は再度、彼を押し倒す。
彼は状況が理解できてないようだ。
私は四つん這いになり、右手で彼のそれを掴み、位置を合わせ腰を沈める。
まず最初が大変だ。
先端が入るだけでも、激痛に襲われる。
顔に出さないようにしていたのだが、彼は心配そうな顔をしている。
それでも、ゆっくりと進めて行く。
私の顔が歪んでいたか、彼は私の顔を見ながら首を横に振る。
それでも私は止めない。
そもそも、押し倒して騎乗位にしたのは、彼に気を使わせないためだ。
私が痛そうな顔をすれば、すぐに止めるだろう。
だから、彼には下になって貰った。
半分が入っただろうか。やはり痛い。
こう言う時は、キスをするらしい。

「キス、してくれないか?」

彼は、何も言わず唇を重ねる。
優しく、暖かい感覚。確かにこれは気が紛れる。

また、ゆっくりと進める。
更に強い痛みが走る。

「くぅっ・・・!!」

彼は私の肩を掴む。
私は、彼の手を払い退け、更に沈めていく。
奥に、先端がこつんと当たる。
それを確認し、上体を起こす。
彼の腰の上に、ぴったりと座った状態になる。

「全部、はぁ、はぁ、入った、ぞ・・・。」
「無理するな!!・・・見てて辛い。」
「無理だって、しよう。君に、喜んでもらう、為なら・・・。」
「だからって・・・。」
「それに、これほど満たされた気分になった事は無い。
 愛する人と一体になれた。もう、離さない・・・。」
「・・・俺は男として失格だ。」
「う、動くぞ・・・。」
「無理するな!」
「君に尽くせる事が、私の喜びだ。」
「全く・・・。気を使うのは俺の仕事なんだが。」
「だから、君が好きなんだ。」

ゆっくり、ゆっくりと動かしてみる。
まだ痛い。でも、女性の体は痛みに強い。この位、彼の為なら痛くも無い。
少しずつ、動く。その内、このくらいの速さなら痛くも無くなってくる。
そして、少しスピードを上げる。
彼が驚いたような顔をしているが、止めるつもりは無い。
0298無題2012/09/06(木) 20:53:27.44ID:u8tGARU5
更に、スピードを上げて、彼の手を握り、ピストン運動を繰り返す。
痛みが、快楽へと変わってくる。痛くない訳ではない。
だが、それ以上の快楽が襲ってくる。

「今日は、あぁっ、中にくれないか・・・?」
「馬鹿は休み休みに言えよ。」
「今日は安全日だ。はぁっ、ちゃんと狙って来ている。」

喋りながらも、快楽に喘いでしまう。
出来るだけ、声は抑えているのだが、全く声を出さないほうが無理だ。

「それでもなぁ・・・。」
「初めてだぞ?処女膜を失ったんだぞ?ぁんっ、それ位くれても良いだろう。」
「いや、そうじゃないでしょ・・・。」
「あぁ、ごめん。くぅっ、あたかも君の所為の様な言い方をしてしまった。」
「そっちかい、謝るの・・・。いや、早く止めてって。」
「断る。ぅあ、あぁっ・・・。」
「・・・素直じゃない。」
「快楽に、自分に素直なんだ。君の為なら、んっ、君の頼みを断ってでも。」
「もう、無理だって・・・。早く・・・。」

彼のそれの先端から熱い液体が、勢い良く飛び出す。
私の中に。
あぁ、熱い。気持ち良い。もう彼以外の事はどうでも良い。
が、とりあえず彼の上から避ける。
紅い液体と白い液体が混じって溢れている。

「ごめん。あぁ、もう本当、俺生きてて良いのかな・・・。」
「生きててくれ。君が居ない世界に等、生きる価値が無い。」
「そうやって俺に優しい言葉を掛ける・・・。だからアンタが・・・。」
「だから・・・?私は大好きだぞ、君が。」
「そうだよ、だからアンタが好きなんだ。」
「ほぉ・・・君のここは、まだ元気だな。」
「な、何を・・・!?」
「私は痛かったのもあってか、挿入してからまだイッてないぞ?」
「あぁ、そう・・・。」
「次は正常位が良いな。」
「素直だな。」

今度は、私が下になる。

「好きなだけ、動かしてくれ。」

彼にそう言い、彼が入れるのを待つ。
また、それが私の中に入る。先程よりも全然入りやすく、痛みも無い。
私の顔を見ながら少しづつ、動かす彼。
同じペースで、ゆっくりとピストンする。

私は彼の腰に脚を回し、首に腕を回しながら言う。

「もっと、速くして良いぞ・・・?」
0299無題2012/09/06(木) 20:54:05.65ID:u8tGARU5
それを聞いて、彼は、少しだけペースを上げ腰を振る。
見れば見るほど華奢な体だ。
その体で私に快楽を与え、その顔で私を見つめる。
目の前で、すぐそこで、一体になっている事が嬉しかった。
彼と一生を過ごしたい。そうまで思う。

「君は・・・やはり遠慮しすぎだ。」
「それはどうしてだい?」
「私を気遣って、っ、遅くしてるだろう。
 もっと、速く・・・もっと、あぁん、気持ち良くして・・・。」
「・・・じゃ、速くするね。」

彼は先程の私と同じぐらいまで速くする。
何度も何度も、私の奥を突き上げ、その度に快楽を感じる。
それが外にの方出て行くと、どこか寂しさを感じ、戻ってくると、嬉しくなる。
何度も激しく腰がぶつかり、いやらしい音も聞こえる。

華奢な彼の体なら、疲れてしまいそうだ。
ただ、私もそう長くは持たない。

「そろそろ、あん、私も、限界だ・・・。
 もう一度、中に・・・。」
「責任取れるかな・・・。」
「あ・・・。」

彼のそれから、もう一度白濁色の液体が出る。
それと同時に、私もイッてしまった。



二人で肩を寄せ合って座り、余韻に浸る。
彼を抱きしめる。彼も答えてくれた。
心地良い疲れが体を包む。

「君は、疲れていないか?」
「ヘトヘトですが。」
「少し、君と昼寝がしたい。」

服を着て、濡れてしまったシーツを取替え、彼と二人で布団に入る。
彼の腕を引っ張り、腕枕の状態にする。
そして彼を抱きしめる。
彼の体は暖かく良い匂いがして、すぐに眠りに落ちる。
0300無題2012/09/06(木) 20:55:32.07ID:u8tGARU5
数日後・・・。

「そうだ、君に褒美をやらねばな。」
「何のだ?」
「昨日のだ。私が聞いただろう、君はギャルゲーをやらないのかって。」
「あぁ、言ったね。」
「それで君が言ってくれた言葉が嬉しかった。
 「アンタが居るから、そんな物つまらないだろう」、とな。」

「おやおやぁ〜?お二人さんアツいですなぁ。」

「と、言う訳で、ご褒美だ。このウィンナーを食わせてやろう。ほら、食え・・・。」

箸でウィンナーを掴み、彼の口元へ持っていく。

「誰がやるか。」
「食べたくないのか?君の為に精一杯作って、食べて欲しいのだが・・・。」
「あぁ、いや、その・・・。」

彼は、何か言おうとしたが、私が差し出したウィンナーを食べてくれた。
これはグッと来てしまった。
もう一本、彼の口元に持っていく。

「おまけに、もう一本だ。ほら・・・。」
「アンタは食わないのか?」
「私はこれよりも、君の大きなウィンナーの方が好きだ。」
「いや、アンタが作ってるんだから入ってるのは同じだし、そもそもサイズはどれも一緒だろ・・・。」

そして、彼と近くに居た男子数名の声が揃う。

「「「おい、それって・・・。」」」
0301無題2012/09/06(木) 20:56:13.96ID:u8tGARU5
以上です。
書いてみたら予想以上に長いこと^^;
0302名無しさん@ピンキー2012/09/06(木) 23:59:57.71ID:TXwYBvyD
>>301
GJ!これで一年は戦えるわ

ところで女が貧乳でネトゲのHNのジナだからか某ロボゲーのジナイーダさんが頭をよぎった

ジナイーダさんクールでかわいいまないt (ry
0307くーるぽえま  ◆0W2aXyHsp2 2012/10/02(火) 20:08:02.38ID:VeTb7GSL
経緯はほのぼので

約束を
「俺、大学出たら実家を継ぐんだ」
「だろうね。知ってたよ。あの店が、好きなんだね」
「うん。だから、クーも進学するなら忘れてくれて構わない…んっ!」
「んっ。変なことを言う口だねぇ。私が、女子商に入った理由。知らないかい?」
「えっ? いや、聞いてなかったはず…」
「なら、体で教えてあげるよ」
「うわっ。お前、やめ」
「やめないよ。勝手に解釈して自己陶酔してる愚か者には、体で判らせてあげる」

彼女は彼に強引にくちづけをすると強く彼の口内を舌で蹂躙していく。
はじめは抵抗した彼も、快楽に任せるように、彼女の舌に従う。

「ふふふっ。いい顔だ。私無しで生きていけないように。まだまだ教えないとね」

彼女のくちづけは激しく。彼のズボンの膨らみが大きくなる。

「ふふふっ。抜きたい? お願いしますといえば、抜いてあげるよ」
「んっー!んっー!」

口を離しても、彼女の指を突っ込まれ答えれない彼はすぐにまたくちづけをされる。
くちづけだけで溢れた液が淫らな音になっていく。
その音が彼と彼女が発する音。

「そろそろ、いいかな? 君の初めてと私の初めて、交換しよう」

ふやけるようなくちづけのあとに、彼女は彼を押し倒し跨るとスカートのままパンツをずらし、彼の大きくなったモノを挿入していく。
0308くーるぽえま  ◆0W2aXyHsp2 2012/10/02(火) 20:16:43.18ID:VeTb7GSL
>>307
「んぁ。思ったより、痛くない。それどころか。気持ちいいよ」

雰囲気で準備の整った彼女の秘所は、彼のモノをすんなり受け入れた。
彼女は彼を支配するように、激しく腰を動かす。

「ふふふっ。どうだい、気持ちいいかい? 私も気持ちいいよ」
「きっ、気持ちよすぎる。オナホとかよ…んっ!」
「んっ、んっ。彼女がいるのにオナホールとか。君は最低だねぇ。最低な君にはおしおきをもっとしないとね」

彼の口を封じ、彼女はそう告げると腰をさらに激しく動かす。

「うふふっ。いきそうかい?君のモノがちょっと大きくなってきている感じがするよ」
「クー、でる!」
「いいとも。中に出したまへ!中に!中に! 一緒に行こう」
「うっ!」
……
「はぁ、はぁ…」
「きもち、よかった…」

彼女は彼とほぼ同時に絶頂に達すると彼に倒れ込んだ。
彼は倒れてきた彼女の頭をいつものように優しくなでる。

「私と初めて。どうだった?」
「すごく。よかったよ。クー無しじゃ。もうダメになりそう」
「ふふふっ。よかったよ。私が女子商に行ったのはね。卒業してすぐ君のところに嫁入りできるようになんだ」
「そう、なんだ…。知らなかった」
「だって、好きな人と一緒の仕事したいじゃん」
「お兄ちゃんお兄ちゃん言われてたから、冗談と思ってたよ」
「お兄ちゃん、ひどいなぁ。好きだよ。あなた…、んっ」
「んっ。俺もだよ、クー」

結ばれた二人
婚前交渉は勢いで
しあわせの道を一緒に歩き出して
ろうほうを告げて回るのは近い未来
0313名無しさん@ピンキー2012/11/12(月) 00:38:09.35ID:pkNLKjuB
保守あげー
0314名無しさん@ピンキー2012/11/12(月) 11:29:30.72ID:eKfxX6S4
同級生型敬語系素直クールの続編はいつだろうか
というか中の人生きてるんだろうか
0315名無しさん@ピンキー2012/11/12(月) 14:41:59.50ID:HG4eNbMc
素直○○○ってよく時と場合を無視するシーンがあるよね?
昔、同級生にテンプレな素直クールな女子がいたけど、
誰にもなびかないし空気読まないから完全にハブられてたな
リアルにはこういう人はDQおや誰か(ry
0324 ◆v5fyRxgy3k 2012/12/18(火) 00:34:50.18ID:2R9p98z1
投稿。


小雨が降る夜にノックの音。
時刻は深夜0時になるというところ。
無粋な来客予定はないので部屋の主である男は無視をした。
が、再び玄関の扉を叩く音が聞こえる。
「はい?」
返事をして待ってみたが向うからは返事はない。
少しの間があってからまた叩く音。
開けろという事か。こんな古びたアパートに強盗はあるまい。
そう男は思い扉を開いた。
しかし、そこには誰も居なかった。
周囲を確認したがそれらしき陰もない。
悪戯か?釈然としない気持ちで扉を閉めた。
そして振り返るとそれはいた。



「?!」
先程まで男がいた場所に
黒い袋をすっぽり被ったような姿のものが立っている。
「だ、誰だ?」
それに答えるように黒尽くめは大きなフードを外す。
そこから出たのは白い顔、黒い髪の女と言える者だった。
ただし、その側頭部には小さな角らしき物が見える。
しかも無表情な顔で男を見ているのは黒目ではなく赤目だ。
「私は…そうだな、クーとでも呼んでもらおうか」
抑揚のない声だった。
男は会話が出来る事に幾分落ち着いた。
「どうやって入った?」
「そこの入口からだ」
「玄関?俺の横を通り抜けたのか?いつの間に?」
「許可さえあれば容易い」
「お前、何者だ?」
「悪魔だ」
「悪魔?そんな馬鹿な」
「認めれない様だな…では…」
そう言うと悪魔のクーは再びフードを被り直した。
するとその姿は霞かかり消えた。
「?!」
「納得できたか?」
何処からか声が聞こえる。
男は驚き周囲を見渡すが何処にも見当たらない。
「ここだ」
再び声がすると思った瞬間に目の前にクーの顔があった。
「なっ!!」
間近で見るクーは冷淡な感じはするのだが、
端麗な顔立ちで悪魔とは男には思えなかった。
「お前に貰いたい事がある」
「何を?」
「愛」
「あい?」
「先程そう言っていたではないか」
「さっき?」
男は少し前の事を思い出してみた。
0325 ◆v5fyRxgy3k 2012/12/18(火) 00:43:32.19ID:2R9p98z1


今日も命がけの仕事をこなし、
風呂も入ってさっぱりしてから
男は缶ビール片手でちゃぶ台の前に座っていた。
眉間に皺を寄せて。
その原因は隣の部屋からたまに漏れ聞こえる声。
「松田〜」
思わず壁向うにいるだろう隣人の名を忌々しく言う。
隣人は大学生の松田といい、一緒に酒を飲むぐらいの仲ではあるのだが
近頃はそれも少なくなった。
理由は松田に彼女が出来たから。
何度か会ったことがあるが綺麗な娘だと男は思った。
何であの松田にとも思ったが。
松田がなんとなく圧され気味ではあるのはいい気味だと思う反面、
独り身の悲しさが襲ってくる。
「俺にもひょっこりと何処からともなく彼女が来ないかねぇ。
 金はねぇけど、愛ならいくらでもやれるぞ!」
0326 ◆v5fyRxgy3k 2012/12/18(火) 00:45:41.20ID:2R9p98z1


男は思い出した。
年下の隣人に嫉妬し愚痴っていたさっきの自分を。
「どこで聞いてた?」
「外で」
「耳が良いな」
「あれ程の念の篭もった声なら誰でも聞こえる」
クーの言葉に男はさっきの自分を殴ってやりたいと思った。
「では納得したようなので愛を頂きたいのだが?」
「悪魔なのに魂じゃないのか?」
「我が種族に人間の魂を集める習慣はない」
「そうですか」
そう言って男はすたすたとちゃぶ台の前へ移動し座った。
クーは音も無く男とちゃぶ台を挟んで対面した。
男はそれを見つつ白湯をすする。そして湯のみを置いて口を開く。
「やらん」
「何故だ?対価が必要なのか?」
クーは眉を少し上げて言う。
「対価もなにも彼女でもないのにやりようがないぜ?
 まぁどっかにいるだろう博愛主義者でも探してくんろ」
「彼女なら良いのか?」
「彼女ならな」
「ならば彼女になろう」
「…」
じっと男はクーを見る。クーも男を見ている。
少しの間の後、男は湯のみを流しに持って行き、ちゃぶ台を畳んで定位置へ収め、
蒲団を押入れから出して敷いてその上に座った。
「じゃあ、俺寝るんで。帰ってくれ」
「彼女は一緒に住むものではないのか?」
「知らん、知らん。それにお前さんは彼女じゃない」
「どうすれば彼女として認めてくれる?」
「どうすればって…そもそもな…」
男は呆れつつ手を伸ばしクーの頭についている角に触れた。
「あ!」
触れた途端、今まで無表情だったクーが驚愕した。
「おっと、悪い。まぁその角だと彼女は無理だ。電撃出す嫁募集の人の所へ…」
男は言い終る前に口を封じられた。
クーは男に押し倒すかのように口付けをし、今度は男が驚愕する番だった。
「お、お前…」
「不快ではないものだな」
男との間に引いていた唾液の糸をそっとクーは指で唇をなぞって取り言った。
「本来ならこのままそこで一緒に寝るのが筋だが今日はこのまま帰るとしよう」
すっと立ってクーは玄関へ向った。
「じゃあ、正史、また来る」
クーは振り向いて、正史と呼ばれた男に微笑んでからフードを被って消えていった。
「玄関行く意味ないじゃねぇか…」
正史は玄関を呆然と見つめていた。
0328名無しさん@ピンキー2012/12/18(火) 01:02:03.75ID:59JPyrH3
       /j^i
      ./  ;!
     /  /__,,..
    /  `(_t_,__〕
    /    '(_t_,__〕  GoodJob!!!
   /    {_i_,__〕
  /    ノ  {_i__〉
/      _,..-'"
      /
0329名無しさん@ピンキー2012/12/18(火) 01:02:31.52ID:59JPyrH3
     ...| ̄ ̄ | < エロパートはまだかね?
   /:::|  ___|       ∧∧    ∧∧
  /::::_|___|_    ( 。_。).  ( 。_。)
  ||:::::::( ・∀・)     /<▽>  /<▽>
  ||::/ <ヽ∞/>\   |::::::;;;;::/  |::::::;;;;::/
  ||::|   <ヽ/>.- |  |:と),__」   |:と),__」
_..||::|   o  o ...|_ξ|:::::::::|    .|::::::::|
\  \__(久)__/_\::::::|    |:::::::|
.||.i\        、__ノフ \|    |:::::::|
.||ヽ .i\ _ __ ____ __ _.\   |::::::|
.|| ゙ヽ i    ハ i ハ i ハ i ハ |  し'_つ
.||   ゙|i〜^~^〜^~^〜^~^〜
0330名無しさん@ピンキー2012/12/18(火) 09:42:48.16ID:B4Qfg4NY
ふふ……もうここをこんなに固くして。そんなに期待していたのかい?
君は足でされるのが好きだからな……。先走りですごいことになっているぞ。
私のおまんこを見ながら足コキされて、とてもかわいい顔になっているな……。
そんな顔をされると、私も我慢できなくなる……もう、挿れてもいいよな……?



は、あぁ……!すごい……奥まで届いてるっ……。やはり君のものが一番相性がいいな……んんっ!
……いや、今のは言葉の綾だ……君以外とセックスなんてしたことはないよ……。
心配になったのか?……安心したまえ。私のおまんこも胸も、全て君のものだ……。
だから君の精液も、私の膣に全部吐き出してくれ……!



すごい量を出したな……気持ち良かったかい? 私もだよ。まだ足腰が震えて立てそうにない……。
見ろ、君の白濁が私の中から零れ落ちてきてる。こんな濃いものを出されたら、妊娠するしかなくなるな……。
では、子供ができてしまう前に、もう一回戦するとしようか。
今度は君が上になるんだ。そして獣のように腰を使うといい。
私のおまんこが擦りきれてしまうほどに、一杯愛してくれ……。
0331名無しさん@ピンキー2012/12/23(日) 19:12:34.33ID:E6UlTZ4F
>>320 >>330 GJです!
クリスマス前に一つ投稿したいのですが・・・

陵辱・グロ・鬱有りは大丈夫ですか?
0332名無しさん@ピンキー2012/12/23(日) 21:18:59.52ID:2Dr2wKGC
警告ありならアリじゃねえの
俺はハッピーエンドのほうが好きだけど
0333無題、題名等無い方が良い2012/12/23(日) 21:23:47.77ID:E6UlTZ4F
では、投稿させてもらいます。
陵辱物、グロ・鬱有りなので注意!

すっかり冷え込み、外は一面銀世界。
街は夜になるとイルミネーションが輝き、クリスマスも近づいて来ている。
そんな今日この頃、清々しく晴れ渡った空を眺めながら彼女は考えていた。彼にクリスマスプレゼントを買って帰ろう、と。
彼は再試験があるので、今日は一人で帰る予定だった。
しかし直ぐに、それは叶わないであろうと考え直す。

「今日の放課後、教員室の方に来なさい。」

担任のその一言の所為である。
プレゼントは今度にすれば良い、まだ時間はある。
恋人の有無で温度差が出来始めるこの季節、それは彼女にも例外ではなかった。
どの様な物を買えば、彼は喜んでくれるだろうか・・・彼女の頭は、恋人の事で一杯だった。
石橋を叩き割る癖に、わざわざ吊橋を揺らす様な人はどんなプレゼントなら喜ぶだろうか。
愛は貰う物ではなく与える物、彼女は依存はしていなく自立した少女だった。
物静かで他人を寄せ付けない雰囲気だが、その顔と容姿、学校が工業系な事や私服制も相まって男子からの人気はあった。
彼女に恋心を抱く物も少なくない、だが彼らがその恋が実らないと気付くのも早い。
どこまでも真っ直ぐな性格で、誰が見ても分かる位一人の男子に一途にアプローチし、
告白も彼女から、同級生の居る教室内で堂々とだったからだ。


放課後、空がすっかり暗くなった頃。
この時間にもなると工場の方も静かだった。
教員室、職員室と違い教師個別に与えられた部屋の前に着く。
話すのは、冬休み中のバイトについての話だ。
扉をノックし、中に入る。
許可願を渡し、幾つかの質問に答える。
その後、薄暗い部屋の奥の方、衝立の向こうに連れられる。
担任が振り返った。
背中を打った。嫌な臭いをとても近くに感じる。荒い鼻息が聞こえる。
彼女は瞬時に状況を理解する。そうした間も顔色一つ変えていなかった。
その所為か、担任は少し困惑している様だった。

「じょ、冗談じゃ・・・」
「どう言うお積もりでしょうか。」
「き、君は黙って言う通りにすれば良い。」
「何をなさっているか、ご理解なさってますか。」
「確か、君の彼は成績が芳しくなかったね。
 わ、私にかかればあいつの単位を落とす事もできるぞ、それでも良いのか?」

手足が押さえられ身動きが取れず、禿げた頭に向けて頭突きをかます。
頭突きは当たったが、直ぐに頬を殴られる。

「くっ・・・!!」
「睡眠薬を使っても良いのだがね・・・」

彼に迷惑は掛けられない。私の所為で彼を巻き込む訳には行かない。
彼女は腹をくくり、そしてもう一つ覚悟を決めた。
美味いとは言えない薬を飲まされる。状況からして、それが何か理解は容易い。
彼女は抵抗できなかった。例え自分を捨てても、彼に迷惑を掛けたくなかった。

「良い目だ、実にそそられる。」

睨む様な目も、ただ背徳感を与えるばかり。
己の為だけにこうも残酷になれる物か、そんな彼女の考えも虚しいだけ。
担任は、中年で眼鏡の男は無造作にそれを取り出すと、彼女の口に捻じ込む。
教師と呼べない程、道徳を外れている。しかしそんな物でそいつは止まらない。
少しの躊躇も無く奥まで突っ込み、少女の顔が歪むのも気にせず、また戻しては突き出す。
0334素直クールの真逆且つ非ツンデレは2012/12/23(日) 21:26:23.28ID:E6UlTZ4F
数回繰り返し抜いたかと思うと、舌で粕を舐め取るよう命令する。
目を眇めている彼女の唇に、早くしろと言わんばかりにそれを押し付ける。
仕様が無いので従い、手早く終わらせ顔を離す。

「おっと、しっかり飲み込みたまえよ。」

最早、日頃の言葉遣いも無い。
ただただ従わされるのみ。彼女は更に決意を固くする。
表情にこそ出ないが、嫌々も飲み込むと再度それを口に捻じ込まれる。
先程よりも早く、荒く腰を往復させる。
少女の目から苦しさか悔しさか、涙が流れる。
意に介さず、中年の男は少女の頭を鷲掴み奥まで咥えさせ、彼女の喉にねっとりとした液体をぶちまける。
咽ている彼女を見ても、全部飲めと言うだけだった。

落ち着いてきた様子の少女を無理矢理床に寝かせ、乱暴にズボンと下着を脱がせる。
少女は、薬の所為かこんな奴を相手に濡らしている自分が憎かった。
しかしそれすら、ほとんどどうでも良くなっていた。
彼が無事ならそれで良い。儚くも、ただそれだけを思っていた。
顕になったそこに、まるで我慢できない子供の様に男は力任せに挿入する。

「ふん、生娘じゃないのか。」
「貴方なんかに譲る物か。」

担任はむっとして、また手を上げる。
しかし彼女にとってはもう、自分はどうなっても良い存在だった。
彼女の頭に一つ、案が浮かぶ。

「・・・先生。」
「何だ。」

中年の男のザラザラした顎に触れ、最愛の人の笑顔を真似ながら言う。

「小さいですね」

(彼はいつも、人をからかってはこうして笑っていたな・・・だが歪んでいると言う程酷くはなかった。)

こいつは歪んでいる、人間は皆こうなのか。
少女がこの先、人間を信用する事は無いだろう。
・・・彼女の恋人が根暗で厭世的だった影響もあるかもしれない。
担任は触れられた手を思い切り跳ね除け、腰を動かし始める。
そいつを怒らせ、視界を狭くさせる。偶然を装ってさりげなく、投げ捨てられた服のポケットに手を持って行く。
携帯電話を、画面を見ずに操作する。
勿論、彼を呼ぶなど持っての他、助けを呼んでもそれまでこいつを拘束するのは難しい。
カメラを起動する。
先程から動いていた中年男の腰も、そうこうしている内に速くなっている。
快楽と挑発で視界が狭くなっている様で、気付いていないらしい。
0335根暗と言う結論は私だけでしょうか?2012/12/23(日) 21:27:39.72ID:E6UlTZ4F
そいつが童貞だったお陰か、こちらが絶頂に達する前に終わったのがせめてもの救いか。
服を着ると、教員室からボロ布を捨てるかの如く追い出される。

一回りやつれた様に見え、髪が乱れ、それでも真っ直ぐと前だけを見た少女はよろよろと工場の方へ歩いて行った。




再試が終わった。
面倒ではあったが、まぁ留年しなければ良いか、と思いつつ帰路に着く。
階段を降り、自分の教室の直ぐ側を歩いていると、明かりが付いている事に気付く。

扉の硝子越しに教室を覗く。
声が出なかった。
恋人が壁にもたれかかって座り、頭に釘打ち機を当てている。
顔に涙の痕がある彼女は、こちらに気付き、いつも表情を変えない彼女が微笑んだ。
その笑顔の内に、何らかの決意の表情が窺える。
無意識の内に扉を開け、駆け出していた。
0336口数が少ない、冷静沈着と言う共通点はありますが。2012/12/23(日) 21:29:06.43ID:E6UlTZ4F
しかし、その手は彼女には届かなかった。
ガツン、と大きな音が教室に響く。
彼女の傍に座り込む。どんな言葉も、口から出て来なかった。
ただただ目から涙が伝っていた事に気付く。
頭から血を流し、目から涙を流し、僅かに骨片と脳を零した少女が、喉から捻り出した声で苦しそうに言った。


私の事は、忘れろ・・・


それだけ言い、肩にもたれかかって来る。彼女の体温が失われて行く事に、唇を噛み締めるしかできなかった。
医務室に連れて行った所で助かるとは思えない、救急車を呼んで間に合うとも思えない。
直ぐ傍に手紙が置いてある。鮮紅の血がと少しの水滴が付着しているが読めない事は無い。

―私の一番大切な人へ
 謝らせてくれ、済まない。私にはもう君を愛する資格は無い。担任に寝取られてしまった。
 だが、君は何もしなくて良い、彼を社会的に抹殺する手立ては打ってある。
 私の事など忘れて、もっと良い人を見つけて幸せになって欲しい。
 今まで、私なんかを愛してくれてありがとう。
 最愛の人よ、さようなら。大好きだった。―

壁により掛からせ、彼女の持っていた血に濡れたネイルガンを手に取るとふらふらと歩き出す。
その目は怒りも悲しみも、憎悪も宿っていない虚ろな目だった。
うっすらと笑みを浮かべ、教室を出ながら呟く。

「斬れぬものなど、あんまり無い・・・」


職員玄関、一人の教師が校舎を出ようとしていた。
きっと、あの子は明日は休むかな。彼はどんな顔をするだろう。
教師はゾクゾクしていた。
しかし、それを不意に邪魔される。

携帯電話が鳴った。

「・・・はい?」
「さて、私は今何所に居るでしょう?」
「君は・・・何の真似事かな。」
「貴方が原因で、一人の人間が死んだ。」
「な、何を言っているのだね?」
「時間切れ。答えは・・・」
0337無題、題名なんて無い方が良い2012/12/23(日) 21:31:15.89ID:E6UlTZ4F
何かの音が木霊する。

教師が右足を軸に、後ろを振り向く。否、右足を軸にせざるを得なかった。

「どうして貴方は、ぐるぐる回るようにしか歩けないの?」

電話よりも高いトーンの声、しかし声自体は同一人物の物。
足元に黒い塊が見えた。
電話の主、言葉の主、黒いコートに身を包み、フードを深く被りこんだ学生が屈んでいた。
立ち上がったその姿、表情、放つ雰囲気は死神の様だ。
教師は右足の激痛に気付き、堪えながら腕を振るう。
しかし、右足が地面に根を生やしてしまっているため、腕は空を切り、バランスを崩し床に倒れる。
釘の頭が足を、肉を、神経を抉る痛みに声を上げ、床に手を付く。

「・・・血だらけのメリークリスマスだ。良い年が来るぜ。」

左手に何か硬い物がが当てられるのに気が付いた。
大きな音が鳴った。
左手に、暖かくぬるぬるした液体が流れるのを感じた。
そして、それが自らの血である事に気付き、激痛で左手を押さえる。

「美しく・・・」

ガツン

左手を押さえた右手の骨にそっと釘打ち機を当て、左手から二度と離せなくする。
靴が血で汚れるのも気にせず、両手を思い切り踏みつけ、苦痛に歪んでいるそいつの顔を楽しむ。
抵抗できなくなったそいつにネイルガンを向け、怯える様子を見て一人静かに笑う。
奇声を上げ、命乞いをするそいつの眼鏡にネイルガンを当てる。

「残酷に・・・」

ガツン

釘はレンズを砕いて眼球をぐちゃぐちゃにし、半分程が床に零れた。
レンズの破片が砕けた眼球に突き刺さる。
悲痛な絶叫は、彼を興奮させるばかりだった。

「この大地から・・・」

ガツン

頸部の後ろ側、即ち頚椎に釘を打ち込む。
血、肉、骨片、他体液がグロテスクな肉と水の音と共に飛散する。
顔に血が付くのも気にせず、目の前の"玩具"で遊ぶ。
人はどこまでも残酷になれる。
相手が自分より不利なら、感情が爆発したら、理性を捨てたら、死を覚悟したら。
釘打ち機の反動、命を奪う感触に恍惚の表情を浮かべる。
そろそろ気を失っただろう、そんな事を思いつつ頭にネイルガンを当てる。

「・・・いや、キャラに失礼か。」
0338無題、題名なんて無い方が良い2012/12/23(日) 21:32:16.58ID:E6UlTZ4F
ガツンガツンガツンガツンガツンガツンガツンガツンガツンガツンガツンガツンガツンガツンガツンガツン・・・・・・

何度も何度も引き金を引き、その禿げた頭を太さ数mmの鉄で埋め、少ない髪をどす黒い血で染める。
毛が少ない分、血や肉片、零れた脳が、隙間から覗く頭蓋骨が良く見える。
ひたすらに釘を打ち、頭をぶん殴り、何が何だか判らない程の状態までに壊す。
既にその顔は原形を止めておらず、穴と言う穴、傷と言う傷から"赤"が垂れ流しになっている。
興奮を覚えつつも全く息を乱さない少年は、少し何かを考えた。
そして、血の池に沈むただの肉塊と化した死体に言葉を残し、確かな足取りで歩き出す。

「目的は既に果たしたよ、彼女がな・・・」



冷たい風が、吹き付けられた雪が顔に当たる。
クリスマスに向け、装飾された町並みが見渡せる。
空は暗く、校舎前に人影は見られない。
どれだけ高くに上っても星々は遠い。
ここは風が強く感じる、風の吹く音が大きく感じる。
彼女の苦悶に満ちた表情。それに、あれで実際に試したが、一発程度では釘が残ってしまい確実性が無い。
二発目は無理だろう。気を失えれば良いが、意識を保ってしまえば痛みに恐怖し、指が動かないに決まっている。
それがさっき出した結論。ならば、とここに来た。失う物は、最初は持っていなかった物だけ。
柵を越える。
人差し指を引き金に掛け、柵を掴んだ方の手の力を緩める。
俺は空なんか飛べない。飛べなかった烏の運命は決まっている。

・・・じゃあね。
0339と言うお話です。2012/12/23(日) 21:33:58.19ID:E6UlTZ4F
「・・・・・・と言う話を読んだ。経緯は割愛。」
「・・・私に何があっても、君は私を捨てないでいてくれるか・・・・?」
「アンタが鞍替えする気がなければね。でも実は怖かった、あまりに状況が似てるからさ。
 釜井達じゃないと良いけどねぇ・・・。」
「石橋を叩き割るのに吊橋は揺らす、か・・・君みたいだ。」
「叩き割らないし揺らさない。」
「・・・突然だが、抱き締めても良いか?」
「どした?」
「君をもっと傍に感じたくなった。」

彼は腕を軽く広げ、にこりと微笑む。
ぎゅっと互いを確かめ合う様に、抱き締める。
少しだけ体を離し、顔を見詰め合う。いや、彼は照れて彼女の顔を見れなかったが。

「でも、アンタが居なくなると考えると怖いのは本当。言葉にすると恥ずかしいけど。」

少女は、抱き締めた最愛の人に全体重をかける。
不意をつかれ、彼は少女に押し倒される。

「ふふ、しっかり体で教えてあげよう。私が君を愛している事を。」
「いや、そう言う意味で言ったんじゃないが・・・」
「ならば君が体で私に教えてくれ。私を捨てない、と。」
「俺のために、とか思ってるなら他の方法で良いよ?」
「君が好きだ、他に理由は要らない。ほら・・・」

そう言って少女は恋人の手を取り、自らのズボンの股の部分に導く。
ズボン越しでも湿り気が伝わってくる。

「これも彼氏の役目だぞ、私の一番大切な人。」
「ちょ、おま・・・抵抗できる筈が無い、そんな事を言われて。」
0347名無しさん@ピンキー2013/02/10(日) 01:34:00.04ID:kxI36Lcr
突然、雨が降ってくる。
目的地まではまだまだ遠い。軽騎兵は馬を走らせ、雨宿りできる場所を探す。
しかし中々見つからず、雨は酷くなるばかりである。
遂に軽騎兵、馬共に疲れ始めた頃、漸く雨宿りできそうな洞窟を見つける。
だが、洞窟の入り口は馬が入れる程は広くない。

「ごめんな、お前を雨宿りさせられなくて。」

軽騎兵は美しい黒毛の馬の頭を撫で、洞窟に入る。
入り口近くに腰を下ろし、外の様子を眺める。
雨が止む気配は無く、酷くなる一方である。
疲れ果てていた軽騎兵は眠りに落ちてしまう。
0348名無しさん@ピンキー2013/02/10(日) 01:34:38.72ID:kxI36Lcr
目が覚めても、洞窟の外は雨だった。が、何かが違う。
・・・馬がいない!?
軽騎兵は慌てて洞窟の外に出る。辺りを見渡すが、何も居ない。
不意に、洞窟の中から声を掛けられる。

「何を探している?」
「誰だ?」

見れば、美しい黒髪の女性が座っている。
洞窟の中に戻りながら問う。

「失敬、この辺に居た黒毛の馬を知らないか?」
「・・・?私の事か?」
「は?」
「私だ、分からない、のか・・・?」
「失礼だが、お名前は?」
「アレクサンドロウナ」

確かに、私の馬の名前である。

「・・・乗せていた人物の名前は?」
「ヴラジーミル」

そして、これもまた合っている。

「・・・本当に、貴公が?」
「そうだが。」
「色々聞きたいが・・・それより、雨は止まないな。」

彼女の隣に、ゆっくりと腰を下ろす。
目的の場所に着くのは、いつになるのやら。

「良いではないか。」
「・・・?」
「こうして二人きりで過ごせるのだから。」
「??」
「貴方は・・・私が嫌いか?」
「滅相も無い。いつも乗せてくれて感謝している。人に言うのは変な気分だが。」
「感謝ではない、好きか嫌いかが聞きたい。」
「嫌いではない。しかし、好きと言うのも・・・」
「そうか、残念だ。私は好きなのだが。」
「忝い。」
「男として、だぞ?」

一瞬、言葉が理解ができなかった。数秒して、何を言われたか理解する。
目の前の美しい女性が、自分の事を好きだと言っている。
しかし彼女の話によれば、彼女は馬だ。

「私じゃ、嫌か・・・?」

否定する事は出来なかった。既に、一目惚れしていたからである。

「こんな私で、貴公は良いのか?」
「ふふ・・・良い、私は貴方に恋愛感情を抱いているからな。」
「そう、か・・・」
「雨、止みそうにないな。」
「そうだな。」

不意に、私は肩を掴まれる。
気付けば、私は彼女に押し倒されていた
0349名無しさん@ピンキー2013/02/10(日) 01:36:17.26ID:kxI36Lcr
・・・と言うのを想像しました。
文章力が足りない所為で、私には続きが書けません!

すみません、>>347sage忘れました
0353名無しさん@ピンキー2013/03/12(火) 00:49:57.73ID:Wja5JiQL
久々にきてみたら廃れたもんだなあ、悲しい
好きだったSSでも読むか
0354名無しさん@ピンキー2013/03/15(金) 22:18:11.72ID:0ugWTnWO
では最後の話を出すか
0360「視認」に気付く〜俺と言う例2013/04/21(日) 02:03:34.68ID:aJDDmLXU
では、少々長くなりますが投稿させて頂きます
――
俺は見てはいけないものを見てしまったらしい。驚きと恐怖で硬直していた。
しかし狂気に陥って叫ぶ事も、逃げ出す事も、暴れる事もしない。ただただ竦むしかなかった。
頭の中で状況を整理する。今は夜。特に記念日でもない。一人暮らし、来客は無いし、いつも誰かが来る事は殆ど無い。

  ***

思えば数年前から可笑しかった。短大に入学すると同時にここに越して来た。
最初は多分、住み始めてから一年以上後の事だったと思う。
布団に入っていると時々物音がしたり、棚から鞄が落ちたりした。
物音は暖房による室温の変化、鞄は棚が元々不安定だった。そう言ってしまえば済むので気にしていなかった。
二年目、学校を卒業、職を手にした頃、よく金縛りに遭う様になった。
生活も忙しかったので疲れていたのだろう。なのでこれも、さほど気にしなかった。
そして月日が流れた。
今でも稀に金縛りに遭うが、頻度はかなり減った。最近はマイコンの画面を見ていると視線を感じる。
如何わしい物を見ている時と言う訳ではないらしい。流石に気にしすぎだ、そう自分に言い聞かせていた。
更に時が流れ、僅かに感じた恐怖心もなくなってきた頃。
ストーブを点けマイコンの方に向き、ストーブに背を向けると、電源が再度押されたのである。
しかし自分でも意外なほど冷静な物で、何事も無かったかの様に再度電源を点け、パソコンに向かう。
それが一度目だった。それ以来何度か電源の異常があり、何度も連続で押される事もあった。
古いストーブだったので笑って済ましていた。接触が悪くなったのだろう、と。
しかし、最初から自分は心の何所かで気付いていたのだろう。
独り言を言ってみたり、旧友が訪ねて来れば、さりげなく霊感が無い事も強調していた。

  ***

そんなある日、布団に入りふと目を開けた時。俺の布団の中から、睨みつける様に鋭い目の幽霊がこちらを見ていた。
勿論、視線がぶつかる。硬直していると、霊が口を開く。
「・・・見えて、いるのか?」
声は声だが、耳から聞いている感じは無かった。考えていると、霊が更に言葉を続ける。
「・・・返事をしないならば、悪戯をするぞ?」
「見えてる。」
「本当か!?やっと、やっと気付いてくれた・・・」
「霊、だよね・・・ここの住人?」
「違う。」
「何故ここに?」
「貴方に憑いて来た。」
「付いて来た?何故?」
「貴方に一目惚れした。」
「・・・やっぱり夢か。寝よう。」
「夢ではない。」
霊がこちらに手を伸ばす。頬に暖かく柔らかい物が触れた。
「実態の有る物って触れられるの?」
「今触れたではないか。普通は通り抜けるが、触れようとすれば出来るものだ。」
そう言いながら指をなぞらせ、頸の辺りに触れる。
「きゃん!」
突然、暖かい手が雪の様に冷たくなる。首筋に缶ジュースを当てられた様な感覚だった。
「済まない、驚かせてしまったか。」
「ふーっ。霊、ねぇ・・・」
「一つ、聞きたい事がある。」
「?」
「貴方は、私を愛する事ができるか?」
「あー?」
「私は貴方に恋愛感情を抱いている。いつ以来だろう、この気持ちは・・・」
「俺がアンタを追い払うのは無理。煮るなり焼くなり好きにすれば。」
「・・・良いのか?」
「アンタ、真面目に見ると美人さんだし。むしろ、俺なんかの何所が良いんだか。」
「一目惚れと言ったが、性格も含めた一目惚れだ。」
「はぁ。(何じゃそりゃ。)」
0361「視認」に気付く〜俺と言う例2013/04/21(日) 02:07:22.28ID:aJDDmLXU
「安心して欲しい。もし貴方が私を愛してくれるなら、私は死後も貴方に付き添おう。」
「分からんね、何が何だか。」
「兎に角、私は貴方が愛おしくてたまらない。貴方が私を否定すれば、憑依しようかと考えた位だ。」
そう言い、抱き締めてくる。しかし冷たくはなく、それどころか、花の蜜の様にほんのりと甘く良い匂いがした。
「幽霊も元は人、暖かいな。」
「貴方の落ち着いた顔が見れるだけで、私もほっとする。」
「アンタを愛したら、もう人間を好きになる事は無いだろうな。」
「・・・嫌、か?」
「別に。」
「ずっと・・・ずっと好きだった。やっと気付いてくれた。礼を言わせてくれ、有難う。」
「ずっと?いつから?」
「貴方が私と出会ってから。」
「ずーっと監視されてた訳?(出会ってからと言われても、いつの事やら。)」
「そうなるな。」
「へぇ・・・ま、アンタなら悪い気はしないな。この悪戯っ娘め。」
何分経っただろうか。相手が幽霊だと分かっていながら、心臓の鼓動は収まる所を知らない。
見つめてくるその目はやはり鋭いが、それすら可愛げに見えてくる。
と思っていると、不意に両肩を押される。仰向けになり、圧し掛かられている状態になっていた。
「・・・ならば、もう一つ悪戯だ。」
脇腹に回っていた手は、線を描く様に腰の方へとなぞられて行く。
不味いと思い、全力で肩を押すがすり抜けてしまい、その勢いのまま額同士がぶつかる。
「痛てて・・・」
「ひ、額は予想外だった・・・」
「・・・じゃなくて、アンタねぇ。」
「霊だからできないと思ったら、それは間違いだ。」
「問題はそこじゃない。」
「ふふ・・・言葉の割に、もうすっかり硬くしているではないか。」
「そりゃ、まぁ・・・そうだけど・・・・」
「それに、私は貴方の自慰だって見ていたのだぞ。」
当たり前の事なのだが、聞いていて顔が火を噴きそうになった。
「・・・。」
「時々、貴方の自慰をおかずにさせて貰った。」
「無理・・・もう引き篭もるしかない・・・」
「しかし貴方は、若さの割には頻度が少ないな。」
「死んでる奴が何を言うか。」
そうこう言っている間にも、彼女はそこを摩ってくる。
「その・・・私も初めてなんだ。実はよく分かっていない。」
「本気か・・・?」
「こう見えても早死にだったのでな(キリッ」
「そっちじゃないのだが。」
「・・・?」
「本当に、やるの?」
「あぁ。」
「・・・。」
「・・・幽霊が相手じゃ嫌か?」
「そうじゃないけど。」
「私が、生きていれば・・・」
「幾つ?」
「覚えていない。だが安心してくれ、この作品は私が生き返ったりはしな・・・」
「それ以上言ったら作者が怒られるので止めなさい。おお、メタいメタい。」
「・・・済まない。」
「・・・・・・その前に、昔の話、聞かせて欲しいな。」
「あぁ、構わない。それは・・・」

  ***

私は、成年に達してすらいない学生だった。
友は少なかったが、妹が二人いたし、不自由は無かった。親からは、沢山の愛を貰っていたと思う。
生きていた時の事は、あまり詳しく覚えていない。
0362「視認」に気付く〜俺と言う例2013/04/21(日) 02:09:23.89ID:aJDDmLXU
生きていた時の事は、あまり詳しく覚えていない。
いつの事だったか、家の近くの公園の直ぐ傍の道路で、それは引き起こった。
 ・・・あぁ、そうだ。良く分かったな。私は・・・。
 何?早い、と?仕方無いだろう、他の事を覚えていないのだから。
夜も静まり、街灯だけの薄暗い道路を渡っていた時の事。昔は姉妹で遊んだ公園も、雪と夜の闇で静かな雰囲気だった。
タイヤが道路に擦れる音、こちらに当てられた光。
しかし、車は異常な速さだった。そしてとうとう車が止まる事は無く、逃げられなかった私は轢かれた。
・・・。・・・・・・。・・・・轢かれた瞬間は、痛くないのだな。
直後、激痛が全身を襲った。視界がグラグラし、前は見えなかった。
酷い頭痛と吐き気がした。そして、急速に意識が遠のいて行った。
気が付くと、私は意識を持って行動していた。
家に帰宅するが、誰も私には気付かなかった。居間の椅子に腰掛けていると、母が言った。
私がまだ帰って来ていない、何かあったのではないか。・・・と。
母はこちらに視線を向けていたりもしたし、私もただいまと言っていた。
私は怖くなった。怖くて怖くて仕方が無かった。
次女が外套を着こんで、外へ出ようとしていた。私はただ、やめてくれ、行かないでくれと思っていた。
分かってはいたが、それも無駄だった。次女が外へ出て、数秒と経たず悲鳴が聞こえてきた。
いや、違ったな・・・次女は何かに取り付かれた様に三女を引っ張って外へ出たのだったか。
数秒と経たずして、三女の悲鳴・・・いや、絶叫に近い物が聞こえた。
人が本当の恐怖と会った時に出す悲鳴は、他人を竦ませる効果がある。
両親とも硬直していたが、直ぐに我に返り外套も着ずに外へ駆けて行った。
私は震えていた。膝が、顎が、手が震えていた。可笑しい程に。
それでも、体はそちらへ向かっていた。
そして、私は目にした。無惨な状態で捨てられている、私であった血だらけの死体を。
そう、私は・・・死んだのだ。涙が止まらなかった。どうしたら良いか分からなかった。
私は見た。泣き崩れる家族達を。私は見た。荒れ狂って壁を蹴る父を。私は見た。必死に止める母を。
後日、警察が来て、色々調べていた。
後で聞いたのだが、事故の原因は居眠り運転、更に過度のアルコールも検出されたとか。
暫く、家は静かだった。妹達も学校を休んでいたが通い始め、少しずつだが元の生活に戻って行った。
鍵を掛けたままの私の部屋。入ってみたが、そのままの状態で、誰が入った形跡も無かった。
全てが回復しつつあった。ただ、和室に置かれた仏壇と私の遺影を除いて。
妹達は登校前、父は出勤前に。母は皆を送り出した後に。家族皆が欠かさず供養してくれた。
やがて妹達も自立し、家を出て行った。いつの間にか、私は伯母になっていた。
妹の子供たちは、私の事を知らない。それでも、仏壇に手を合わせてくれた。
月日が流れ、父が死に、そう経たずして母が死んだ。やがては妹達も死に、その息子達も老い、死んでいった。
いつしか、この家にも公園にも、訪れる者はなくなった。
私はこの頃まで、家族達にこんなにも辛い悲しみを与えた犯人を、心の何処かで憎んでいた。
しかし、その憎しみは行き場を失い、やがてはこんな悲しみを生み出す世界を憎む様になっていた。
「皆、死んでしまえば良い。」「全て、壊れてしまえば良い。」「何も無くなってしまえば良い。」
啜り泣き、そんな言葉を口にしながら、来る日も来る日も、公園を彷徨っていた。
僅かだったが・・・私の声を聞いた者、目が合った者は狂った様に叫んだり逃げ出したりした。
いつの時代も人は愚かだ。私はもう、人間が信用できなかった。それは、とても永く辛い孤独を意味していた。
しかし、ある夜訪れた一人によって私の呪縛が解かれる事となった。あぁ、今でも鮮明に覚えている。
「・・・何だここ。誰か、居るっぽいな。」
0363「視認」に気付く〜俺と言う例2013/04/21(日) 02:10:02.01ID:aJDDmLXU
―皆、死んでしまえば良いんだ。どうせ貴方だって私を・・・―
「あー・・・視線感じる。誰か居るの?」
―貴方は、逃げないのか?―
「人、なのかなぁ・・・でも、何と言うか、このジメジメした空気は動物の気配じゃないよなぁ。」
―貴方・・・誰?―
「人っ子一人居やしない。でも確かに何か居るんだよなぁ。聞こえてるかな・・・もう夜中だ、さっさと帰れよ。」
―もう、私の帰る場所は無い・・・―
「あ、もしかして。この辺、出るって噂だしなぁ。あいつ等の狙いもそれだろうし。」
―私は、亡霊・・・。―
「信じてはいないが・・もしもそこに居るなら、元気出るまで、俺の家に来て良いよ。
 お、あったあった・・・・・・じゃ、用事は済んだし、俺は帰る。ついて来るなら好きにしな。」
ふふ、覚えているか?・・・何の話か分からない?しらばっくれても無駄だ、顔に恥ずかしいって書いてあるぞ。
言っただろう?一目惚れした、と。あの状況では、貴方は正に、私にとってのヒーローだった。
人間の家は暖かかった。貴方は、存在すら確かではない私にも優しかった。
異変を感じても、私を追い出そうとしなかった。私の悪戯に一度たりとも憤る事は無く、霊でも居るのか、と笑っていた。
貴方はそのつもりでは無いのかもしれないが、独り言として、私に声を聞かせてくれた。
そうしている内に、私は貴方の事で頭が一杯になっていた様だ。

  ***

「・・・こんな所か。」
「すっかり忘れていたが・・・いやぁ、まさかアレを聞かれてたとは。お恥ずかしい。
 アレは、まぁ・・・放って置けなかったのもあるけど、怖がっていて黙々と探せなかったのもあると言うか・・・」
「しかし何故、私があれ程塞ぎこんでいた事が判った?」
「事前情報もだけど・・・流石に一般人でも分かる位、不気味だった。で、罰ゲームで、たった一人で肝試し。
 ・・・いや、まぁ、公園に財布を忘れたとか言う馬鹿が居てね。
 しかし、あの古い家に住んでたのか・・・何年位前の人なんだろう・・・」
「さぁ、な。いつからか数えていない。」
喋りながらも、彼女は俺の顔を両の手で掴み、自らの顔を近づけてくる。
「ちょ、ちょとタンマ!」
「逃げようとしても無駄だ。」
「一言だけ言わせて。」
「・・・?」
「まだ会ったばかりだし、ほんの少ししか会話してないけど・・・惚れたらしい。」
「私は既に貴方の虜だがな。」
「むしろ、俺が呪い的な意味で虜にされそうだが・・・」
「・・・キスをして欲しい。」
「は?」
「聞こえなかったか?キスをしよう、キスを。」
そっと口付けを交わす。死人とは思えない程、その唇は柔らかく暖かかった。
その甘い感触に、暫しうっとりとする。こんな夜中に自室で、密室で幽霊と二人きり。
これが現実とは信じがたい状況だが、自分の中で少しずつ、彼女への愛が生まれてくるのを感じていた。
もう人間に好かれなくても良い、彼女以外の誰かに愛されても嬉しくない。そんな感情が湧き上がってくる。
「へへ・・・もうアンタ以外見えないわ。きっと正気じゃないだろうな、亡霊に恋だなんて。」
「考えれば、亡霊が恋をするのも狂気の沙汰だろう?」
「そうなのかねぇ?」
「だからこそ私は貴方に言う。大好きだ。」
再び唇を触れ合わせる。ただ先程とは違い、互いが求め合う様に舌を絡める。
幽霊にも唾はあるらしい。そう言えば、何処かには大食いの幽霊が居た気がする。
体内の器官もそのまま残っているのか?・・・いや、蛻の殻の方が可笑しい。
しかし、唾の音は頭には響けど、殆ど部屋には響かない。
「んっ・・・ほれあ、りーふひふ・・・」
手で彼女の額を軽く押し、離れてと伝える。
「何て言った?」
「これがディープキス、と。」
「あ、そう・・・」
「次は何をしようか。」
「んー?何でも良いよ。」
「ならば、もう少しだけ・・・」
0364「視認」に気付く〜俺と言う例2013/04/21(日) 02:11:02.90ID:aJDDmLXU
再度、唇を重ねる。
互いの唾液を交換し、互いに舌を使い刺激しあう。
(何だか、頭が可笑しくなってしまいそうだ・・・きっと、人はこの感覚を発情するって言うんだろうな。)
俺の舌を彼女の柔らかな舌に触れさせる。
彼女の舌は、俺に応えるように俺の舌をなぞる。
そのもどかしい感触に、思わず体が小さく震える。
「嫌・・・だったか?」
「そ、そうじゃない・・・。」
「そうか・・・なら良い。」
会話をしながらも、服が脱がされていく。
抵抗しようにも、こちらは触れる事すら出来ない。
(されるがまま、か・・・それも悪くない。)
目をやれば、そいつも既に何も着ていなかった。
「器用だな。」
「ふふ、貴方のためなら何でもやってみせよう。」
「怖い事言うなよ・・・」
「悪い事はしない。それは貴方のためにならないから。するのは・・・こう言う事だ。」
そう言ったかと思うと、半ば強引に仰向けにさせられ、彼女は俺のいきり立ったそれを口に含む。
「んむ・・・」
「ちょ、ちょと待てぃ。」
「嫌ら。」
彼女の舌使いは、実に丁寧だった。
何分、自分自身初めてなもので上手いかどうかなんて判らない。
それでも嬉しかったし、それでも気持ち良かった。
ふと口を離し、彼女は俺にこう言った。
「気持ち、良かったか・・・?」
俺は例え彼女が幽霊だったとしても抱けるな、と思った。
・・・もう一度考え直して、色々可笑しい事に気が付いた。
「あんまり気持ち良いと、直ぐに漏れてしまいそうだ。」
「我慢せず、好きな時に出してくれ。貴方が気持ち良いなら、私はそれで良い。」
「・・・何で、俺なんかの所に来た。不釣合いだ。」
「私が貴方を選んだんだ。釣り合うも釣り合わないも無いだろう?」
「・・・有難う。」
「こちらこそだ。有難う・・・たっぷりとお礼をしてやろう。」
そのお礼とやらの一つがこれか。
彼女は、俺の肉棒を谷間に挟み込むと、ゆっくりと擦り始める。
最初は揉むように、そして段々と激しく擦るような動きに変わっていく。
驚いたのは、相手が霊体であるのに、包み込まれている感覚がはっきりとする事だ。
(・・・物に触れられる次点で当たり前かもしれないが。霊とは、解らないものだ。)
ほんの僅かに透けて、俺のそれや彼女の形を変えていく谷間が見えるのがより興奮させる。
「・・・っ!!」
力が抜け、快楽が絶頂に達する。
俺の精液は、生卵を床に落としたかの様に彼女の胸を汚した。
「ごめん。」
「・・・もし、もしもだ。私が許さないと言ったら、貴方はどうするんだ?」
「何でもするから許して、とか言ってみる。」
「いや、別に許さないと言っている訳ではないんだ。・・・だが、何でもすると言ったな?」
「それが目的っすか・・・」
「その通りだ。さて、どんな事をして貰おうか・・・よし。」
0365「視認」に気付く〜俺と言う例2013/04/21(日) 02:12:18.65ID:aJDDmLXU
立ち上がった彼女は、俺の顔の上で屈み、俺の顔を上から覗き込む。
「私も気持ち良くして貰おうか。」
照れながらも、彼女の秘所に舌を這わせる。
彼女が俺にしたように、全体に満遍なく、且つ花弁の隙間等もしっかりと刺激する。
次に、肉芽を重点的に責めてみる。
先程までよりも可愛らしい声で小さく喘ぐ彼女が、俺にはたまらなく愛おしかった。
次第に秘所が湿り気を帯び、いやらしい匂いが強くなってくる。
(・・・匂い?俺はこうも強い匂いを感じ取っているのか。益々解らないな、霊は。)
「申し付ける様で悪い、そろそろ舌を入れてくれないか。」
舌先を使って、優しく乱暴にならないよう入り口に舌を滑り込ませる。
声を漏らす彼女。ゆっくりと少しずつ舌を進めていく。
限界まで奥に進めた所で、舌を動かし、少し膣内を掻き回してみる。
先程よりも大きく喘いでいるので、次は舌を前後に出し入れする動きに変えてみる。
「くっ・・・貴方と言う人は、あぁっ・・・もう、限界だ・・・」
動きを止めず、更に加速する。
「ふぁぁ・・・!!」
僅かに痙攣しているように感じ、様子から見てもイッている様なので舌を戻す。
数秒して、彼女が口を開く。
「ハァ・・・ハァ・・・気持ち良かったぞ・・・。」
「それは良かった。」
「しかし、満足した訳ではない。さぁ、最後の段階だ。」
「・・・俺には、出来ないよ。」
「私が痛いであろうから、等と考えているのか?」
「お見通しですか・・・」
「そうであれば、それは気にしなくて良い。
 言っただろう、貴方が気持ち良ければ私はそれで良い、と。」
「いや、でもねぇ・・・」
「私は貴方に挿れて欲しいんだ。他でもない、貴方に。私は貴方だけの物だ。」
「・・・逆なら別に構わないけど。」
「逆?わかった、では騎乗位でするとしよう。」
「そうじゃなくてだな・・・俺はあんただけの物。俺があんたを縛り付けるなんて嫌だ。」
「ならば、私からの命令だ。抵抗するな。」
「・・・。」
彼女は俺の腰にまたがると、自らの秘所に俺の肉棒を宛がう。
位置を合わせると、彼女は少しずつ腰を沈めていく。
「く・・・いや、この位、想定内、だ・・・」
「あぁ、あの・・・」
「貴方は何も言うな。」
「すんません。」
更に深く、腰を落としていく。
俺のそれが全て埋まると、二人同時に小さく息を吐く。
「だ、大丈夫か?」
「何も言うなと言った筈だ。」
「痛いのを堪える姿なんて見てられんよ。」
「ならば、目を閉じていろ。」
「そうじゃないでしょうが。」
「どちらにしろ、私は止める心算等無い。」
まだ少ししか休んでいないと言うのに、彼女は動き始める。
徐々に見えてくる俺のそれは真っ赤だった。
彼女の引きつる表情が、血の付いた彼女の秘所が痛々しかった。
俺の腹に乗っていた彼女の白い手に、俺の手を重ねる。
驚いたような表情で見られたので、笑顔を返した。
再び戻って来た時、彼女の手を引き、顔をこちらに寄せ優しくキスをする。
「・・・本当に、貴方を選んで良かったと思っているよ。」
彼女はまた動き出す。
もう止まろうとはせず、それどころか少しずつだが加速している。
「大丈夫なのか?」
「あぁ、体の方が慣れたらしい。」
「なら良いんだけど・・・」
0366「視認」に気付く〜俺と言う例2013/04/21(日) 02:15:51.14ID:aJDDmLXU
その言葉は本当なのか、どんどん加速していく。
ぎゅうぎゅうに締まった肉の襞が、包み込んだ俺のそれを何度も何度も擦り上げる。
流石に、その強すぎる快楽に、長く耐える事は出来なかった。
「うぐっ・・・!」
「・・・!暖かい、貴方の精液・・・私の中に・・・」
「ご、ごめん!」
「何故謝る?これ程迄に満たされた気分は、今まで初めてだ・・・」
「ほんとごめん。我慢できなくて。」
「貴方が気に病む事は何も無い。
 ・・・それよりも。私はまだ、満足してないぞ。今日は朝まで付き合って貰うからな。」

***

「して・・・何が目的?甦る為の生贄とか、人の肉体を奪うとか?」
「・・・何を言っている?」
「結局、俺は理性が飛んで・・・契約の為の餌みたいな物か?」
「貴方は本当に莫迦だな、私は貴方が愛おしくて仕方が無いだけだ。
 犠牲にする等持っての外、貴方が死ぬ位なら私は亡霊のままで良い。」
「相当物好きな奴だな・・・。」
別に死んだって構わない、幽霊も中々悪くなさそうだ、そんな事を考えていた自分が馬鹿らしくなった。
だが考えてみればそれは、例え全ては演技だったとしても、彼女の為に死んでも良いと言う事だ。
遅かれ早かれ、死は誰にも等しく訪れる。しかし生者亡者共に、死を受け入れられない者も居る。
彼女は俺なんかよりもずっと早く、死を受け入れていた様だ。
「貴方は・・・本当に、私で良いのか?私は貴方と法的に結婚する事はできないし、子供も産めない。
 貴方と一部の人間以外には見えないのだから、貴方は一生周りから「結婚しないのか」と言われる事になる。
 それに私は愛想も無いし、女らしくないし、勝手に貴方に取り憑いたりするし・・・」
「はいストップ。」
「・・・。」
「あー・・そんな些細な事をグチグチ言ってるのは聞きたくないねぇ。(最後の一つは気になるけど・・・)」
「例え聞きたくなくても、貴方が聞きたくないと口にする事は無い・・・私を慰めてくれたのだろう、ありがとう。」
「こっちこそ、俺なんかに構ってくれて。」
「・・・意識すれば、他の霊達も見える様になる。霊感は、単純に霊に対する意識の問題だから。」
「人は霊を見ても幻だと思い込むんだよ、俺も含めて。」
「私は幻か?」
「さぁ、ねぇ?」

  ***

休日、デートと称して、久々に電車で遠出した。
やって来たのは、ある小さな公園。まぁ傍から見たら、休日の昼間に男が一人ほっつき歩いてるだけだが。
向こうから二人組が歩いて来る。良く見れば、旧友とその彼女らしき人物だ。
「おん?これはこれは、いつぞやの財布忘れ。」
「お!?久しぶり〜。って、いつの話をしてる!あの時は・・・」
「誰?」
「俺の親友。久しぶりに会ったなぁ。」
そんな会話をしていた彼女さんの方の視線は、俺を捉えてはいなかった。
「あなた・・・幽霊って信じる?この公園にも・・・昔、居たらしいわ。」
(来た来た。)
俺はニヤニヤしながら答えた。
「居ない、とは言い切れないね。科学的には証明できないけど。俺に何か取り憑いてたりする?」
「え?あ、いや・・・」
「へぇ、取り憑いてるんだ。」
「いや、そんな、言ってないって。」
「つまり、結局は取り憑いてるんだね。」
「・・・うん。」
「マジで!?こいつに?」
案の定、旧友は驚いている。
予想通りの反応をしてくれた旧友を無視し、俺は更にニヤニヤしながら聞く。勿論、分かりきっている事だ。
「どんな奴?」
「女の人・・・睨んでるみたいな目。」
0367「視認」に気付く〜俺と言う例2013/04/21(日) 02:17:30.01ID:aJDDmLXU
「だってさ。」
俺は直ぐ隣に居た"幽霊"に言った。流石にここまでやると、本当は見えているのではないか、と聞かれる。
あくまで俺は否定した。ゆっくりと芝生に腰を下ろす。
俺が見えてない事にしているのを良い事に、勝手に膝を枕にされているが無視する。
旧友の方は何も見えていない様だったが、彼女さんの方は驚いた顔をしていた。
「その女の人・・・」
「「どした?」」
「いや・・・何でも無い。」
俺は聞き出そうとはしなかった。原因を知っていた訳だし。
しかし、何事も無く・・・と言う訳には行かなかった。
「よっこらせっと。」
「「あ・・・」」
「うわっ!?」
「ど、どうした?」
旧友が隣に腰掛ける。と同時に立ち上がる。
俺は驚いたフリをしつつ何があったかを聞いた。踏まれた本人の様子を窺いながら。
表情の変化は殆ど無かったが、眉が僅かに釣りあがり、少しだけ怒っている様に見えた。
「座ったら、何か腰の辺りが急に冷たく・・・」
「踏まれてるし・・・全く、人の膝を勝手に使うからだ。」
「・・・やっぱり、見えてる?」
「見えてたよ、最初から。」
「お前、霊感無かったんじゃ?」
「他の霊は見えないんだけどね。何でも、意識の問題らしい、本人曰く。」
「詳しい事は私も知らないが。」
「その人、身内・・・?」
「「違う。赤の他人(だ、恋人だが)。」」
「恋人・・・死んでからも彼の傍に居てあげるなんて・・・」
「え、恋人って言った?」
「言ったけど・・・」
「恋人?こいつに!?」
無理も無いが、勘違いしているらしい。恋人ではあるが・・・いや、俺からしたら恋霊か。
そもそも人間と亡霊が恋をする方が、無理があるように思える。
「それは違う。彼と知り合ったのは死後だ。」
「そゆこと。」
「「どう言う事?」」
「私が死んでから彼を見つけ、彼に惚れ、この公園から離れたと言う訳だ。」
「あの時の不安定な霊が・・・でも、害は感じない・・・・」
「俺から見てだが、憎悪と言う感情はあったけど、人を襲う心算は元より無い様に見えた。」
不意に、頬に柔らかい物が当てられる。横に大きく見えるは、表情を作らない恋人の顔。
一瞬何が起きたのか理解が追いついていなかったが、直ぐに状況を把握する。
人がさりげなくシリアスな話をしていると言うのに、こいつはこれだ。
旧友と彼女さんの方に視線を向ける。やはり、旧友は何が起こったか分からない様子。
彼女さんの方は、顔を赤くして目を逸らしている。そして恐らく、俺の顔は鬼灯よりも紅かっただろう。
「んっ・・・」
「アンタ、周りの視線が気になる事無いんだろうね。生き易い者だな、ふらやましいよ。」
「え?え?どゆこと?」
「あー、通訳必要なのか・・・」
0368「死人」に気付く〜俺と幽霊2013/04/21(日) 02:18:32.12ID:aJDDmLXU
はぁ・・・面倒だな。面倒だし、締めに入ろう。
そう、面倒。これからこいつと共に過ごして行く上で、何度もお世話になるだろう。今回みたいに・・・
それでも、いや、それに比べても俺にとって彼女は掛け替えの無い存在だ。
何があるか分からない、世の中は。彼女なんて一生できないと思っていたし、増してや霊等と思ってもいなかった。
幽霊の存在自体、信じていなかった。それが、今はこうして二人で過ごしている。
多分、逃げ出そうとすれば呪われたりするだろう。勿論そんな理由で一緒に居る訳ではないが。
普通の人から見れば、俺はただの危ない人かもしれない。そうだとしても構わない。
彼女は死後も付き添ってくれると言った。
だから、ずっと一緒に居よう。彼女が生きていた時に得られなかった分の幸せを与えよう。そう心に誓った。
まぁ、兎に角、だ。
「つまり、俺もある意味で人間の道から外れたって事だ。後悔はしてないけどね。」
「は?え?だから意味が分からんって。」
そろそろ締め括れたかと思っていた矢先、話しかけられる。
「・・・貴方に提案をしたい。」
「?」
「彼を一度殺した方が、話が早いのではないか?」
「駄目です!お前は怨霊か!」
「な、何の話をしてるんだよ・・・」
「・・・貴方も、死んで見たくはないか?」
「遠慮しますっ!」
――
以上です、失礼致しました
0371名無しさん@ピンキー2013/06/08(土) 21:19:29.65ID:RSlXttSl
最後が素直な事言ってる
ぐっじょぶ
0372 ◆6x17cueegc 2013/06/24(月) 21:59:39.35ID:914DZP+1
皆さんおはようございますこんにちわこんばんわお久しぶりです

エロちょっと(本番なし)、グロなし
ではどうぞ
0373 ◆6x17cueegc 2013/06/24(月) 22:00:32.41ID:914DZP+1
 6月の終わり、いや日付が変わったので7月のことである。
 深夜、いつものように自室のノートパソコンをカチャカチャやっていると、いつの間にか背後に人影があっ
た。
「……聖子!?」
「よいしょっと」
 驚きの余り思わず放り投げてしまったマウスをスーパーキャッチした彼女は、そのまま表示されていた画像を
閉じてフォルダごとゴミ箱に放り込み、ゴミ箱の中身も消去してしまった。この間僅か2秒足らず。
「こんばんは」
「あっ……あっ……」
 秘蔵のフォルダが一瞬にしてお陀仏になってしまった。目からボロボロと涙がこぼれていく。
 時折踏まされるブラクラにも負けずに集めたお宝画像が……Dドライブに作成した隠しフォルダに押し込んだ
動画が……拡張子も.xxxに改竄して検索避けをかけて保護していたお宝画像が……使うときだけ元に戻して楽し
んでいた洋モノ動画が……
 両手で顔を覆い隠すことも出来ずに、ノートパソコンに涙が落ちて弾ける。
「あーーーーーー……」
「蓮太、どうしたんだ? 急に泣き出して。あと誕生日おめでとう」
 聖子は普段以上に抑揚を抑えた声でこちらに呼びかけてくる。棒読みにしか聞こえないし、結構大事なことを
さらっと言われた気がするのは俺の耳がおかしいからだろう。
「畜生めー! あとありがとう! うわあああぁぁぁ……」
「とりあえず落ち着け。ほら、深呼吸して」
「すー……はあぁー……。……いーち、にーぃ、さーん、ごーぉ、なーな、じゅういーち、じゅうさーん、じゅ
 うなーな……」
「奇数なら2が余分で9が抜けてるし、素数なら1が余分だ」
 冷静な突っ込みを入れられたお陰で多少は頭が醒めた。どれだけ嘆いても消えた.jpgや.mp4、.zipは帰っては
こないのだ。麻呂がなんと言おうが帰ってこないのでおじゃる。
「そんなにショックを受けなくても、ほら、代わりと言ってはなんだが私の身体を好きにしていいんだぞ?」
「黙りゃ!」
「りゃ?」
 怪訝な顔をしているがいちいち説明する気にもならなかった。とめどなく流れ落ちる涙を止める方法を真剣に
模索するが、脱水症状を起こして涙腺が機能しなくなるのを待ったほうが早そうだという結論に達する。
 それほどまでに消されたファイルは俺の魂の、最後の拠り所だった。なにせ三次元のブツはすぐに彼女の手に
よって手動シュレッダーにかけられてしまうのだから。
 目の前のパソコンのモニターを呆然と見つめる。ゴミ箱のアイコンは空になっていた。隠しフォルダを呼び出
してみたが『指定されたファイルは見つかりません』というメッセージが出るばかり。もう間違いなく帰ってこ
ない。
 これは一生忘れられない誕生日になるだろう、全くもって畜生め。
0374 ◆6x17cueegc 2013/06/24(月) 22:01:11.05ID:914DZP+1
「……蓮太?」
 カチッ、カチッとクリック音だけが響く部屋に先に耐えられなくなったのは聖子のほうだった。
「そんなにショックを受けなくてもいいじゃないか」
「しょっくなんてうけてないよ」
 聖子が絶句している。今まで散々オカズを破棄してきたのに、今更同じことをしたくらいでここまで壊れると
思っていなかったのだろう。
「なくなっちゃったものはしかたないよね」
 クリック音がようやく止んで、彼女は溜息を吐いた。
「……蓮太、一つ訊きたいのだが」
「なに?」
「誕生日プレゼント、何が欲しい?」
「今消えたファイル」
「……話を進めるぞ」
「意味が分かりません」
 どうしてこの大事件を横へ置くという選択肢が存在するのか理解出来なかった。
「私達、付き合い始めてもう3年になるじゃないか」
「記憶にございません。俺の魂はたった今消去されました」
「つまり身体と遺伝子情報は無事なのか。大きな扉の前に座っていそうだな」
 この3年半で彼女も随分こちら側に染まってきた。
「今現在、扉じゃないけど世界につながるウインドウの前に座っておりますが」
「確かに林檎の前に座ってはいないようだが」
「ムチとかローソク使うプレイが好きだからね」
 とはいえ流石にSM-DOSまでは分からなかったらしい。結構古いネタだししょうがないか。
「今のファイルにそうしたものが含まれていたのか?」
「消えたものの話をしてもしょうがありません。未来の話をしましょう。……そうだ、角煮行かなきゃ」
 マウスを素早く操作して専用ブラウザを呼び出しかけたその時、彼女が右手を押しとどめる。
「今日で君はハタチだろう? なら今度こそ、さ?」
 この3年半、俺はキスくらいはするものの、それ以上のことは一切、全く、神に誓って行なっていなかった。
我ながらよく精神力が持ったものである。
 それもこれも全てはこのHDDに仕込まれていたファイルたちのおかげである。ありがとう、そしてさようなら
みんな。ははっ、何を泣いているんだ。またすぐに逢えるさ。だって君達はこの広いネットワークの海にたゆた
うデータじゃないか。グーグル先生とヤフー教授さえ元気なら飛んでいけるさ!
「その辺でいいか蓮太」
 俺の扱いに随分慣れてきた聖子がそう言うので仕方なく夢の世界から帰ってくる。いいじゃないか、これは自
分の中でのケジメなのだから。
「で、だ。今度こそだ。お互いにそんなに忙しいわけじゃないだろう?」
「探しものはなんですか、見つけにくいものですか。ふたばの中や角煮の中も探してみるけど……揃わないだろ
 うなぁ……」
「深い深い溜息を吐きながら言うな。私で発散してくれればいいんだよ?」
「三次元とか無いわ。今や二次元のアイドルがコンサート開く世の中ですよ?」
「いや、世の中はボーカロイドよりAKBのほうを支持していると思う」
「そのAKBだってアニメになるご時世ですしー」
「蓮太」
 私は真面目に言っているんだ、と少しだけ目尻を吊り上げて言う。
「真面目にそんなこと言うなよ。俺達まだ――」
「――十分そういうのだと思うよ」
 俺の語尾を勝手に持っていって、後ろから抱きついてきた。
「一度くらい、いいだろ? このままじゃ今際の際にヤってやる、なんて言われそうだ」
「それじゃダメ?」
「ダメ」
 後ろ手に頭を抱き寄せる仕草をすると前に回りこんで勝手に膝に座る。
「ダメだよ。私も、十分我慢した」
「なんでそんなにシたいんだよ」
「蓮太に全部捧げたいから」
 この至近距離で、なんでそんなことを顔色も変えずに言えるんだ。
「……もう寝るから、お前も家に帰って風呂に入って寝ろ」
0375 ◆6x17cueegc 2013/06/24(月) 22:02:19.84ID:914DZP+1
 風呂はもう暑いのでシャワーで手早く済ませてくると、俺のベッドに人型の膨らみがあった。一度開けたドア
をもう一度閉める。
 よし、今夜はソファで寝よう。幸いなことに母は出張、姉は嫁いだっきり戻ってくる気配がないからな! TV
の前でポテチ食いながら深夜のC級映画見てても誰にも怒られないぜ!
 静かにガッツポーズしながらそう考えていると、背後のドアが開き、振り返る暇もなく引きずり込まれた。
「持って……いかれたあぁー!」
「落ち着け、腕も脚も綺麗なままだ」
「綺麗だろ……洗ってきたばっかりなんだぜ、コレ」
「逆に洗ってきていなかったらどうしようかと思っていた」
 彼女は言いながらも俺をベッドまで引きずっていく。俺も抵抗は無意味なことを分かっているので大人しく引
きずられている。
「抵抗しないのか?」
「ベッドまで歩くのが面倒だったのでちょうどよかったです。あー、運動したくないなー。早く寝ようそうしよ
 う」
「そうだな、早く寝よう」
「夜はベッドでぐーぐーぐー、眠たいな、眠たいな」
「夜はベッドで運動会じゃないか?」
 チッ、とあからさまに舌打ちをすると、彼女が身体を押し付けてくる。ぽにょん、とか、ふにょん、とか、と
にかくそういう擬音で表現される物体を嫌でも意識させられる。
「当ててんなよ」
「当ててるんだ」
「だから当ててんなよ」
 こうやってじゃれてはいるが、俺もいい加減頃合いかなと思わなくもないのは事実だ。毎日毎日迫られて断っ
て、というのがワンセットになっているせいで、受け入れる、という選択肢がなかなか出てこないだけで。
「着けて、きていないんだ」
 耳元で囁かれて流石に焦った。何をだ、と大声を上げそうになって必死に声を飲み込む。
「いい機会だと思わないか? もう2年半、停滞したままなんだ」
 そうしたのは俺だ。関係を進めたくないと、今のこのじゃれ合いを少しでも長く続けたいと思ったから。
「高校を卒業して、同じ大学に通ってさ。もうすぐ就活だって視野に入ってくるし。君の成人記念で、彼女から
 処女のプレゼントなんて記憶に残るんじゃないか?」
 別にどんなタイミングでも、お前と初めて致すとなれば忘れようがない。それだけは間違いないだろう。
「だから……な?」
「……あー、眠い眠い!」
 彼女の拘束をぶっちぎってベッドへダイブ。うつ伏せに枕へ顔を埋める。ついでに足をバタバタさせる。こっ
恥ずかしくって聞いてられない。彼女の発言よりなにより、こんなことを真面目くさって考えている自分が恥ず
かしい。
 いいじゃん、相手がいいよって言ってるんだから。黙って押し倒すのも男の甲斐性じゃん。据え膳食わぬは男
の恥って言葉もあるじゃん。
「天井のシミを数えているうちに終わるよ、なんて言えば格好もつくし」
「そうそう……ってだからそういうエスパー地味たことはしないでください」
 ちょっとかっこいいかもしれないと思っちゃった自分を殴りたい。俺の馬鹿バカばか。
「なあ、蓮太」
「んだよ」
「添い寝してやろうか」
 言うなりと彼女もベッドへ潜り込んできた。
0376 ◆6x17cueegc 2013/06/24(月) 22:03:58.09ID:914DZP+1
「ふふ……蓮太」
「鼻で笑われた!?」
「それは、済まない」
 特別否定するわけでもなく、もぞもぞと彼女が俺の身体に腕を回す。
「あったかいな、蓮太は」
「そりゃ風呂あがりですしおすし。あ、お寿司食べたい」
「明日行こう?」
「聖子のおごりな」
「んー、回るところならいいよ」
「じゃあ銀座行こう。白木のカウンターの前で俺がY字スピンしながら食うの」
「それではお店を叩き出されてしまうな」
「どうせ人生で一度も関係の無さそうな店だ。出入り禁止にしてくれなくたってこっちから行かないし、全然問
 題ない」
 彼女からの反応がなくなった。彼女としても、どうしても俺と致したいわけではないらしい。毎日同じように
アプローチをかけていれば、自然と引き際も身についてしまう。今日はもうここまでと判断したようだ。深く潜
りこむようにして俺を抱きすくめる。深呼吸を一つして、もう身動きしないぞ、と言外にアピールしてきた。
「……帰れよ」
「やだ。今日くらいは一緒に寝させてくれ」
「なんで今日なんだよ」
 俺の誕生日、という意味では確かに重要なイベントかもしれない。だがそれをありがたがるのは俺と、常々
『2人目なのに20時間もかかった』と愚痴る母親くらいなものだ。
「だって、今日蓮太が生まれなければ、私がこうして君に抱きついて眠ることも出来なかったわけだ。……それ
 だけでも国民の休日にして余りある重要度だと思わないか?」
「ねぇよ。これっぽっちもねぇよ」
 たかが誕生日ごときで国民巻き込んで休みにしていいのは、日本では皇居におわす今上陛下だけである。俺は
いつの間にそんなやんごとない血筋になったんだ。
 寝返りを打って仰向けになる。逃げられないようになのか更に強く抱きしめようとしてきた。
「……もう」
 これは自分のモノなのだから勝手に何処かへ行くのは許さないと言わんばかりの態度。俺はお前の何なんだ
か。
0377 ◆6x17cueegc 2013/06/24(月) 22:05:06.28ID:914DZP+1
 彼女の頭へ手を伸ばして軽く撫でる。まさかそんなふうに触られると思っていなかったのか、一瞬身体を強張
らせたがすぐに力を抜いて受け入れる。
「……スる?」
「盛るな」
 撫でていた指を丸めてデコピン。
「添い寝で我慢しなさい」
 それだって随分譲歩だ。スるつもりはないと言っている手前、こっちだってさっきからガチガチになっている
俺の分身を抑えこまなくてはならないのだから。
「前言撤回、してもいいんだよ?」
「うっせぇ」
 更に身体を回して彼女に背を向ける。彼女もこれがチャンスとばかりに身体を寄せてきた。
「……しょうがないから、今日はこれで我慢する」
 腕が前に回ってきて、ズボンの前を探る。硬くなったそこに指が走る。反射的に振り向こうとするががっしり
抱きかかえられていてはそれもままならない。
「最後までシよう、とは言わないから。先っぽだけだから」
「それは男のセリフじゃないか?」
「先っぽだけだぞ?」
 言葉通り、俺を捕らえると先端だけ指で揉みほぐす。
「好きだぞ蓮太……好きだ。何より、誰より好きだ」
 彼女の吐息が俺の肩に当たる。おでこが背中に押し付けられる。
「私、蓮太の眼鏡に適うような、魅力はあると思うんだ」
「すげえ自信だな」
「だって蓮太、昔『幼馴染、巨乳、毎朝起こしに来てくれる女の子』が好みだって言ってたじゃないか。その言
 葉でどれだけ救われたか」
 全然記憶に無い。
「だからな、あと一押しで落ちると、私は信じているんだ」
「それは勘違いじゃないかなぁ」
「信じているだけだから。……蓮太を」
「大変だ、聖子がネス湖のネッシーの信憑性についてとつとつと語り始めた」
 こんな社会の底辺を這いずるゴミムシから手足をもいだようなものを信じるだなんて、頭がどうにかなってし
まったに違いない。
「冗談、言っているわけじゃないんだぞ?」
 声音で察した。向き直る。どうも冗談で済ませてはくれなさそうだ。
「……で?」
 彼女は応えず、更に身体を寄せて、唇で触れてきた。
0378 ◆6x17cueegc 2013/06/24(月) 22:07:36.65ID:914DZP+1
 流されてるな、と思ったのは舌で舌を絡めとられたとき。
 付き合い始めて最初の1年こそキスなんて一度もしなかったが、それ以降は何かあればキスばかりだ。ちゅっ
ちゅするのもぶちゅーするのもれろれろするのもひと通り経験済み。俺も聖子も、何かあればキスで済ませばい
いや、という考えを持っているのは間違いない。どの年だったか、ホワイトデーのお返しをキスで返したことも
ある。
「ひぇ……じゅるっ、たっ……!」
 息苦しいほど一生懸命に俺へのアプローチを続ける。身体が密着する。俺自身が、彼女の腹にめり込むように
押し付けられる。俺だって、我慢強いほうじゃないのに。
 彼女もそうした硬さは分かっている。擦り寄るようにして、刺激に強弱をつけてくるのだ。俺の呼吸に吐息が
交じるが、口を塞がれて上手く空気が抜けない。鼻が鳴る。
「へ、ひぇんた……」
 手を取られて、彼女の部分へ誘導される。動かしてくれ、と促される。指先に柔らかい肉がまとわりつく。脳
神経回路がショート寸前だ。
 今日は、一応、イベントの日だし、もう、いいか。……いいのか?
「……いいのか?」
 しっかり口にも出して確認する。彼女も息が続かなくてふいごのように胸を動かしていたが、やがて落ち着く
とこくりと頷いた。
「こんなときだけしおらしくなりやがって」
「だって、痛いって聞くし」
「気にするの、そこかよ」
「痛いのは嫌いだから」
 何か言いたそうに視線を外す。
「蓮太が気持ちよくしてくれるだろうから、そんなに心配してないけど」
 自信がない、なんて間違っても言えない状況に追い込んでくれた。
「お前なんて大っ嫌いだ」
「……ありがと」
「買い被りだ」
 いくら指先が繊細と言ってもパジャマの上からでは柔らかいことしか分からない。彼女もそれを察したのか、
下をまとめて脱いでくれた。流石に下腹部にいきなり触れるのは気が引けるのでヘソの下辺りを撫でてみる。彼
女の身体が強張る。
 撫でながら、少しずつ下へ。すぐに茂みにぶつかる。以前に素っ裸を見せつけられた時のことを思い出した。
あんまり濃くなかった気がする。
 彼女はキスをするのも忘れていた。息を荒くして俺を待っている。そのことに気がついて、生唾を飲み込んで
しまう。
「蓮太、シたかったんだな……」
「シたくない、なんて言った覚えないけど」
「そう言えばそうだった」
 くすり、と彼女が息を漏らす。引き寄せられるように唇を塞いだ。
「ん、あ……」
 茂みを分け入り、更に奥へ。湿気がすごい。指先がぬかるみを捉えた。柔らかい、肉、なんだと思う。今まで
に触ったことのないような感触だ。何処か遠くのほうで、これがあの……アレなのか、と茫洋とした感想が浮か
んだ。
「ふぁ、あぅ……れんたぁ、せつないよぉ……」
 ゆるゆると周りを撫でると彼女が背筋を震わせながら反応する。そんな風にされたら、こっちだって興奮して
しまうじゃないか。涎が垂れそうになって啜り上げてしまう。
「れんた、やらし……」
「お前が言うな」
 涙をこぼし、涎を垂らし、下だってぐちゃぐちゃだ。
「そ、だね。蓮太も、ガチガチだし。……脱いで?」
 パジャマ代わりの短パンを脱ぎ、分身に引っかかるボクサーパンツを引きずり下ろす。灰色の先端に黒いシミ
が出来ていた。
「蓮太も濡れてるな」
「お前のとは用途が違うって」
「どっちも、私に種付けするための機構じゃないか?」
「……お……前は!」
 身体を入れ替えて彼女に乗り上げる。たったこれだけの運動で、息が整わない。
「れん、た……ほしい」
「……ああ」
 この辺りは、もう目と目で通じ合う、といった状態だ。お互い初めてなのに。
 彼女も同じことを考えていたようで、おかしそうに顔を歪めると、涙がまた一筋流れていった。
0379 ◆6x17cueegc 2013/06/24(月) 22:08:54.50ID:914DZP+1
「たっだいまー!」
 突如部屋のドアが開かれ、場違いなテンションの侵入者が現れた。

 どうしますか?
   たたかう
  →かくれる
   ぼうぎょ
   にげる

 ……そんなコマンド入力が間に合うわけもなく。
「…………」
「…………」
「…………」
 エターナルフォースブリザード、相手は死ぬ。
「……あの、ゴメンね?」
「…………」
「…………」
 あの、聖子さん、この状況じゃ萎えちゃって当然だと思うんですが、そんな悲しそうな顔しないでください。
だって仕方ないじゃない、帰ってくるはずのない姉に今まさにってタイミングで闖入してこられたら、そりゃ
漲ってた元気もどこか異次元へワームホールで吸い込まれてしまいますよ。
「ご、ごゆっくり……?」
 姉はぱたんという音と共にドアの向こうへ消えた。
 ……ごゆっくりじゃねえよ俺の俺がごゆっくりしちゃったよどうしてくれるんだよこの状況と俺のどっかに飛
んでいった元気っつーかこの空気! いい空気だったじゃん俺もずっと拒否してたのを上手いこと洗い流してく
れたようないい空気だったじゃんどうしてくれるんだよ3年以上溜め込んだこのリビドーまた蓋したらもう二度
と絶対死ぬまで開放されないだろぉぐわぁ!
「れ、蓮太?」
 熱く熱く流れ落ちる涙がボタボタ落ちる。
「ひっぐえっぐ……ひっぐぐじゅじゅるじゅる……んごぐぶあっ……」
 季節外れの花粉症で目と鼻と呼吸と人生が辛い。
「……蓮太?」
「……もう寝る、寝ます。ヘタレでもいいです」
 ついさっき脱ぎ捨てたパンツとズボンを拾い集めて身に付ける。微妙に生温かいのが悲しい。
「あ、あのな? 元気がなくなったならまた――」
「――添い寝してください。慰めてください」
 我ながら情けないと思うが、最初は添い寝で済ませるつもりだったのだ。振り出しに戻っただけだ。そうだ、
振り出しだ。今晩この30分には何もなかった。なかった。
「……ながっ……なかったあッ! キング、クリムゾンッ!」
 その晩、涙と鼻水を振りまいた俺は聖子に一晩かけて慰めてもらった。聖子は最後には笑ってくれたので、多
分ヘタれた俺を許してくれたと思う。
0380 ◆6x17cueegc 2013/06/24(月) 22:10:11.96ID:914DZP+1
と以上です


ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1249978294/902

……
…………
……………………

ま、まさか本当に最終回を迎えるとは夢にも思わず……(ガクブル
0385名無しさん@ピンキー2013/07/28(日) NY:AN:NY.ANID:BGqO6H1I
ヨハンとコルネリアは何故かなろうで書いてるなw
まあ、ノクターンっぽい作品じゃないけどさ
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