「でも、どうせだったらボクも一緒にしたかったな―――。
ボクもパラディンもまだ経験ないんだよ。みんなでやったほうが楽しかったと思うし。」


「なんですって――――――!!!!!!」
般若の顔で賢者は魔法戦士を睨み付ける。

からかわれたことに加えせっかくの天使と二人きりの時間を奪われたことで
すでに不機嫌だった彼女は魔法戦士の一言で一気に臨界点を超えてしまった。


「いいかげんにしなさい。」
そういいながら優しくパラディンは魔法戦士の頭をポンポンと叩いてなだめる。


出会ったころからの4人の関係がそこにあった。



「ゴメン、ゴメン冗談だよ。そういえばさ二人を探していた時に聞いたんだけど、
星吹雪の夜にツォの浜の沖に何か光るものが落ちたらしいよ。行ってみない?
ボクの勘だと何か天使界に関係していると思うんだ。」

怒髪天を突く勢いの賢者を見て、流石に悪ふざけが過ぎたと感じたのか魔法戦士は提案する。


「そうだね。でもその前に朝ごはんを食べよう。久しぶりにみんなと一緒にご飯を食べたいんだ。」
天使は嬉しそうに言う。



その瞬間、再び彼らの時間が動き出した。
これは終わりではなく始まりの話。