【ヨーコさん】BASTARD!【アーシェ】
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シーン 一回戦目(の直前)
ディナーを終え、疲れているので早々に休むというDSを見送り、シーンは
浴室へ向かった。
「よしっ!ここまでは作戦通り!うまくいってる!」
イリュージョンを解き、生まれたままの姿に戻って湯船に浸かりながら自分に
言い聞かせるように独り言を言った。
(ネイ様は私の実力を見込んで伝説の魔人の暗殺を指令されたの?それとも
ただの足止めとしての駒…?…ううん、それでもいい、ここまで育てて下さった
ネイ様のためなら…私のような孤児の生まれない理想社会実現のためなら…)
相手はかつて四天王を従え世界制服を目論んだ魔人だ。古代語魔術を与えられて
いるとはいえ本来なら鬼道衆など相手にならない。しかしシーンは捨て身の
作戦を実行しようとしていた。 (どうせ討死するなら最も勝てる可能性のある作戦を試してみなきゃね…
それでも十中八九死ぬだろうけど…でもその前に…訓練に明け暮れ恋愛ひとつ
してこなかった人生だったけど最期に一度くらいケイケンしてみても…)
身体を洗いながら様々な思いがシーンの小さな胸を駆け巡る。
髪も瞳も乳輪も色素が薄くぱっとしない。うっすらとそばかすの残る肌は
すぐに鎧傷が出来てしまう。陥没気味の乳首も気に入らない。
(カイみたいに黒髪、翠眼、赤い唇で生まれたかったな…兄さんだってカイ
ばっかり見てたし…私、処女は処女だけどあの魔人の審美眼に適うかなあ。
お美しいネイ様の恋人でもあった男…)
シーンはため息をつきながら下腹部を入念に洗っていた。
蕾はぴったりと固く閉じたままだ。 浴場から上がり、身体の水滴を拭い、全身鏡の前に立つ。
自身にイリュージョンを施し、ほころびがないか入念に確かめる。
髪を黒くし、眉、睫毛も色を濃くしてみると、少しはネイ様やカイに
近づけた気がして自信が湧く。
「ここは…」と逡巡気味に下腹部の柔毛を眺め、ほんの少し色を付けてみた。
「…でも…きっと…するとき明かりは消すよね…?」
最後にもう一度全身を眺め、鏡の中の自分に語りかけた。
「これでいいのよ。後悔しないわ。ネイ様のため、たとえ捨駒としてでも
一矢報いて殉じるわ。誇り高い鬼道衆として…」
幼さの残るその顔は死を決意した戦士のそれに変わっていた。
用意していた薄物をまとい、DSの部屋の前まで来た。
「よしっ!」と小さくこぶしを握り、意を決してノックし返事を待たず
ドアを開けた。
「DS様……もうおやすみになられました……?」
とりあえずここまで書いた。あんまエロくないね… ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています