女魔術師カミラの隠れ家は森の中にある。
幾つかの結界と人避けの魔術がかけられており、滅多に人は訪れない。
魔術の研究、実験を他の魔術師に見つからないようにするため
また魔術に集中するためという理由はあるのだが、一般人にはただの人間嫌いに見えるのであろう。
カミラのような隠居魔術師は多いため、魔術師は薄暗い洞窟や塔や廃墟に隠れたがるものだ、と皮肉る人も少なくはない。

さて、そんな定番の隠れ家の一室で、床に座り込んでいるのは体毛を持たず、青い肌、一つ目の巨人であった。
二本の角の片方には角飾りが嵌っており、適当なローブを腰にまき、今にもページが崩れ落ちそうな本を読んでいる。
「巨人族が字を読めるのか?」
皮肉った言葉を投げかけるのは、この隠れ家の主カミラであった。
「人工生命の巨人なら読めないだろうな。あいつらは短命で繁殖能力もないんだろう?」
視線は本のまま、なんでもないことのように巨人が返す。
「よく知っているな」
「何度かそういうのを従えた魔術師に襲われた、天然物の巨人は高く売れるそうだ」
大きな赤い一つ目が、不機嫌そうなカミラを見て笑いに歪む。
「ああいう連中はお前の中に出した精液でも、欲しがって買うだろうな」
「うるさい!それぐらい知っている!」
目を釣り上げてカミラが怒鳴る。あまりの怒りに愛用のモノクルがずり落ちそうになった。
「クソ……隷属させたら精液でも売って研究費にしようと思ってたのに」
親指の爪を噛みながら、カミラは悔しそうに己の指輪を眺める。
他者を従属させる「支配の指輪」のセットを作ったのだが、あろうことか、それを逆につけてしまい……
カミラは従属させる予定だったこの一つ目巨人に支配され……

その結果、この忌まわしい巨人に己の隠れ家で好き勝手やられているのだ。
興味深そうにカミラの蔵書を読みふけったり、カミラの衣服を勝手に腰まきにつかったり……
かと思えば、ベッドでは小さすぎると、床で交尾の相手をさせられ、たっぷりと中に出される。
昨夜の行為を思いだし、カミラの下腹部がきゅんと疼く。
昨日は青黒い剛直が中に入っていく様を、わざわざ姿見の前で見せられた。
童女が用を足すような格好で持ち上げられ、ヒクつく秘所が巨人のモノを飲み込んでいく様を思い出す。
杭を打ち込まれる衝撃、耳にかかった荒い息、鏡にうつる結合部……
そして、マーキングするようにあの白濁液をたっぷりと注がれた……
とろり、と下着が濡れる。昨日の子種が漏れたのだろう。
決して思い出して濡れたわけじゃない。決して。