こっそりと、>>69>>70の続きを投下します
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それはどういう意味ですか、と問おうとしたが、声が出なかった。
古美門の顔がゆっくりと近づいて……そっと唇が合わさった。
(うわぁ…キ、キスだ。私、先生とキスしてる…)
一度離すと、じっと顔を見つめてくる。
(な、何?私、一体どうすれば…)
古美門はおもむろに瞳を伏せ、角度を変えてもう一度…
柔らかく啄んで、またもう一度…
顎を掴んでいた手が頬を包み、繰り返し触れる唇から、湿った音が小さく漏れる。
(きもちい…ずっとこうしていたい…)
初めて経験する極上の優しい感触。
それを自分に与えている相手は、誰あろう古美門先生…
(いや、ダメダメ!恋人じゃないのにキスなんて。そういえば、さっき先生、キスだけで我慢するなんて、とか言ってた!
どうしよう!キスより先って、つまり、エッチってこと〜!?)
古美門は涼しい顔でキスを続けたまま、腰を抱き寄せる。
「せんせっ」
「ん?」
「あ、あのっ…キ、キスだけにしてくださいっ!」
「……は?」
「そのっ、私まだ心の準備が…」
「勘違いするな」
「へ?」
「なぜ私が提灯パンツの中身まで面倒をみなければならないのだ」
「え、だって先生、そんなこと言ってたから…」
「オタマジャクシは例外だ。おまえはキスだけで十分だ」
「…そうですか」
ほっとしたような、少しがっかりしたような、複雑な気分だった。
「つまり、キスフレってことですか?」
「…そういうことにしておこう」