9話ごっつんこの後を妄想。
「いったぁ…」
額をさする黛をしばらく見ていた古美門だったが、突然、その胸に包帯の巻かれた頭を抱き込んだ。左腕は黛の腰に回り、皆に背中を向けて黛を隠す。
一同が呆気にとられている隙に右手を伸ばし、病室のカーテンがシャーッと音を立てて引かれた。
あっという間に白い布に囲まれた個室が完成した。
外にいる誰もが言葉を失っているうちに、あられもない音が洩れてきた。
「きゃ!せんせっんぅ…」
ちゅっ
「んっ」
ちゅう…ちゅ…

「WAO!」
「邪魔者は退散した方が良さそうだね」
「左様でございますな」

足音が遠ざかる中、淫靡な響きは止むことなく、ささやかな空間はますます熱をはらんでいった。
「んん…はぁ」
ぴちゃ
「っふぅん…」

病院を出た羽生に蘭丸が声をかけた。
「晴樹、大丈夫?驚かせてごめん」
「ああ。とにかく真知子の意識が戻って安心したよ」
「それにしても、先生、いい年して大胆だよね」
「うん。今日の弁論も圧巻だった。まるで真知子への想いを告白してるみたいだったけど」
「へ〜。古美門研介、最高裁で愛を叫ぶ、って感じ?」
「ははっ」
「先生の声が真知子ちゃんに届いたのかもね。あんなに息切らして駆けつけて来て、真知子ちゃんの笑顔見たら我慢できなくなっちゃったのかぁー」
「…罪な人だ」