ニューハーフ・シーメールでエロパロ 7
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0001名無しさん@ピンキー2014/01/19(日) 18:15:27.47ID:z6a4gWwt
見た目女、心も女、
なのにその股間には・・・

そんなニューハーフさんを対象にしたSS書いてください。
ふたなり、両性具有はスレ違いです。おっぱいはあるのが普通です。

前スレ
ニューハーフ・シーメールでエロパロ 6
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1336219403/

保管庫&避難所
http://bluerose.g.ribbon.to/blueroses/
00051502014/01/22(水) 23:53:19.87ID:nUFNMXje
お待たせしました! せっかく立てて頂いたのに私用で出遅れました。
早速投稿します。
――――――――――――――
今度は持ってきたポーチからコンドームを取り出す。
 合計、12個の内のひとつを取り出し、少し被せられる形にして口にくわえ、おちんちんをくわえ込みながら被せる。
 これは優に教えられた。お店だとかじゃなくて、ただ手でつけられるのが優としては面白くないらしい。
 これは逆にぼくもやってもらったからお互い様。
「じゃあ、ベッドで好きな体制で寝てくれ」
 ベッドにゆっくりと登り膝建ちのまま、向かい合えない。
「どうした?」
「……あ、はい……」
 迷った末にゆっくりと正常位の形を取る。迎え入れるから、M字開脚をしないといけないのに、何だかやりたくなかった。
 それでも彼は近づいてくる。嫌だ。
「……よし、ローションはこれを使えば良いんだな……」
 片手に持っていたはずのローションボトルを彼の前に落としていた。
 そして、そのまま指にふんだんにローションを塗りたくり、そのままおまんこの周りを濡らし、マッサージするように触ってくる。
「ん……ふ……」
 身体の快感は反応を示す。だけど、心はどんどん冷えてくるような気がしてきた。
「よし、指を入れるぞ」
 確認するようにローションまみれの指がおまんこに入ってくる。そして、ゆっくりとGスポットを見つけてくる。
「……んあっ……そこ……」
「反応が良いな……やっぱり弱いな……」
 場所が分かると、今度はローションを増やして、中を解したり本数を増やしてくる。
 そしてある程度緩んだところでローションを増やしてGスポットに重点的に塗り込んできた。冷たいローションの感触が背筋を駆け上がる。
「よし……これで良いか……」
 ティッシュペーパーを使って、自分のローションまみれの指を拭いた男が膝立ちで近づいてきた。おちんちんは先走りが出て少し光っている。
「……じゃあ、抱くぞ……」
 両手を開いた両腕の間に立てて、ゆっくりとぼくの腰に自分の腰を近づけてくる。その瞬間、思わず両手で彼を押しとどめた。
 それに驚いた彼は、いったん、ぼくの身体から離れる。
「……嫌だったか……」
 意味も分からず涙が出てきた。
「……ごめんなさい……ごめんなさい……」
 あと少しだった。だけどそれができなかった。怖くてできなかった。ぼくはそうすることができなかった。
 泣き続けるぼくを置いて彼は部屋に備え付けの電話で誰かに声を掛けた。
 遠くから「早く助けてやれ!」と怒鳴る声が聞こえた。
00061502014/01/22(水) 23:54:35.40ID:nUFNMXje
起きたらベッドの上だった。休憩室の隣には仮眠室があって、四台のベッドが置かれている。ぼくに宛がわれているのはそのうちの一台だった。
 人の気配を感じて、ゆっくりと起き上がると、マネージャーが少し残念そうな顔をしていた。
「大丈夫?」
 心配そうな顔。てっきり怒られるのかと思っていた。
「……ごめんなさい……」
「あまり気に病まないで。まあ、三回くらいこうなる子はざらにいるから……私だって最初は怖かったのよ。
 何しろ、このお店みたいになるまでシステムもちゃんとできていなかったから。最初のお客さんが怖くなっちゃって。
 散々、男が好きだった癖してね。だから、一回は誰でもあることだから。でも、五回目くらいではどうにかしておいて。
 さすがにここも仕事だから。優や瑠璃みたいな仲良しと絡ませるだけじゃ、どうしても回せないから……とりあえず、今日は帰って休みなさい。
 それと、お客さんは……キリヤさんはこういうことに慣れているから。必死に電話してきたわ。
 早く助けてやれって。泣かれるの、久しぶりみたいだから……」
 ひとり残されたぼくは、頭を抱えてしまった。優に抱かれたから大丈夫だと思っていた。
 だけど、フェラまではできても身体の中に入ってこられることが怖かった。まだ、ぼくの中の何かが男の人を拒絶していた。
 あまり体調が良くない状態のまま控え室で自分でクレンジングをする。洗顔をちゃんとしたつもりでもメイクのプロには足りない部分を落とされた。
 最初にメイクをしたころに肌荒れを起こしたことを思い出す。
「優子ちゃんはメンタルに肌が左右されやすいわね……」
 気の毒そうにぼくの顔に触れながら肌の状態を確認する。されるがままで構わなかった。
 まともに帰られるのか自信がなかったけれど、いつも通りに車に乗せられ自分の部屋に戻ってこれた。
 部屋に帰ったときには、普段着のままベッドに倒れ込んだ。こんなことじゃいけないのに。
 だけど、あのとき抱かれなかったことを安心していた自分もそこには確かにいた。
 いつまで眠っていたのかは分からない。携帯には優からの着信が何件も入っていた。マネージャーか誰かが伝言してくれたのかな?
 とりあえず安心させるためにメールでも打とうとしたら、玄関から鍵を開ける音がする。
「翼!」
 開く同時に優の声が部屋に響く。
「優……」
 パチッという音と同時に優の姿が見えた。とても必死な顔で。しかも薄手のパジャマ姿で。さっきまで走り回っていたような。
 そして、ぼくの顔を見て緊張が解けたように膝立ちになってから、
「良かったぁ……ちゃんと帰ってた……」
 と少し泣きそうな声でしゃがみ込んだ。
00071502014/01/22(水) 23:55:08.93ID:nUFNMXje
ふたりして落ち着いてから、ベッドで隣り合って座った。
「マネージャーから聞いたよ……キリヤさんで良かったけど……」
「ダメだよね……優が良かったって言うんだから、ぼくの問題だよ……」
 時刻は四時半だった。優がマネージャーから連絡を受けたのは四時前。お店が事実上、閉店時刻の三時半を過ぎた後だった。
 熟睡中だった優は着の身着のままでこの部屋にやってきた。もう電車もなくてタクシーもなかなか捕まらなかったらしい。
「……やっぱり、翼ちゃんは……女の子が好きなんだよね……それかボクみたいな……」
「違うよ優……やっぱり、違う……それだったら瑠璃さんだって好きになれる。
 だけど、瑠璃さんはきれいだけど、告白されても受け入れられないし、
 瑠璃さんと一緒にステージに上がったときだって、瑠璃さんから責められたことはなかったから……」
 そうだった。あの店で、優以外の人とセックスをしていても、ぼくが責める側だった。
 ぼくが女の子として優以外の人とセックスをするのはさっきの時間が初めてだった。
「……ごめん……今の、無神経だったね……」
 こんなことを言わせたくなかった。
 だけど、今、優がいてくれなかったらこのどうしようもない自分への怒りというか悲しみというか、
 どうしようもない衝動的なものに駆られておかしくなりそうな感情は沈めることができなかった。
「ねえ、翼。今、ボクとセックスすることはできる?」
「うん……優となら……」
 優となら、何だってできる。抱かれることも、逆にこちらから抱くことも。男の子にもなれる。女の子にもなれる。
 それなら子供は産めないけど――ひとつだけあった。
「……優……」
「どうしたの? 翼……」
 することは同じ事。だけど感じ方は違うこと。大した違いじゃないかもしれないけれど、それだけを特別にできたら。
「……優……抱いて……だけど、コンドームは使わないで……優を直接感じたい。優の物を全て身体で受け止めたい……」
 これしかない。優が大事なら、もっと優のものになってしまわないと。そうすれば、他の人と繋がることに怯えないかもしれない。
 優以外に好きにならないなら、そうするしか。
「……良いよ……一応……お姉ちゃん以外だと初めてだからね……ちゃんと準備しよう」
 さすがに着の身着のままで優はやってきたから、何も用意もできていなかった。
 とりあえず、ぼくの服でもボーイッシュに近い感じの服を優には着させて、始発電車で優たちの部屋にたどり着いた。
 意外とタクシーは捕まらない。
「お姉ちゃんは、静さんのところでオールみたい。バーの方で。
 その後は静さんの家に泊まるから、早くてもお昼過ぎだから……一応、メールはしといてあるから。翼が泊まりに来ているからって」
 前の失敗を思い出してか、優はあらかじめの準備をしておいてくれた。
「大丈夫? 眠くない?」
「うん……なんとか……」
 お店から出たのが十二時くらいで一時前に帰ったから軽くしか寝ていない。
 それなのに気分は高ぶっている。優に抱かれるだけじゃない。
 優に身体の奥まで犯してもらわないと、この先に行けない。
00081502014/01/22(水) 23:55:46.10ID:nUFNMXje
ベッドルームに案内されて、優に促されるように服を脱がされた。
「もう身体は女の子だし、顔もすっぴんでも充分、女の子……」
 少し満足げな顔をして、優も服を脱ぎだした。着やせするからスレンダーな癖してDカップ。
 その体型じゃあ充分すぎるほどの巨乳。ぼくも早く大きくなりたかった。
「シャワー……一緒に浴びちゃおうか……」
「うん……」
 優と由香子さんは二人部屋ということもあって、風呂・トイレ別の物件だった。だから、思ったよりもバスルームは広い。
 というよりもぼくの部屋が狭すぎるのもある。だけど、やっぱりふたりで入るバスルームは狭かった。
「お店にもお風呂欲しいよね……シャワーはあるけど」
「うん……前に優にバックされながら瑠璃さんに顔射されたとき、
 ちょっと大変だったな……時間なくて、洗うのに必死でゆっくりできなかった」
 ショーがあるときは、ぼくと違って指名を受けている人が出番が後だったりする関係で、あまり長居もしていられない。
 これも順序は追々で充実させているとはマネージャーの談。
 シャワーの温度を優が確かめて、固定する。思わず背中から優を抱きしめる。
「翼、ちゃんとシャワー浴びようよ」
「やだ……優のおっぱい大きいの羨ましい……」
「今更? 大丈夫だよ、翼は大きくなったばかりなんだから。それにボクより大きくなったら大変だよ……ブラ、可愛いの減っちゃうし」
「仕事以外じゃ優にしか見せないから良いの」
「嬉しいな……んっ……」
 両腕で優のおっぱいを鷲掴みにする。まだ2カップ差もある胸をわざと背中に押しつけながら、揉んでしまう。
「……翼、ちょっと強いよぉ……んんっ……あんっ……」
「嫌じゃないくせに……」
00091502014/01/22(水) 23:56:16.96ID:nUFNMXje
 さすがにされるがままなのは嫌なのか、優は鷲掴みしていた腕を取り、ゆっくりと身体を反転して抱きついた。
 同時におっぱいをぼくのおっぱいに押しつけてきて、その柔らかさに「あっ……」と驚いてしまった。
「可愛い声」
 そっとそのままの勢いでうなじにキスをされてビクッと反応してしまう。
 そのまま、優はぼくのおっぱいに自分のおっぱいを円を描くように押しつけてくる。乳首が擦れて小さく反応を繰り返してしまう。
「ぅんん……あぁっ……ち、乳首……」
「気持ち良いでしょう……おっぱい押しつけあうの気持ち良いもんね……翼は女の子になってからも乳首が大好きだもんね……」
 いじわるだ。執拗に責められてたまらない。乳首の感度は女の子になったのとは別に、優のせいでとても強くなった。
 触られるだけで翻弄されるのに、こんな動きするなんて。硬くなった乳首をコリコリと優の肌で擦られる感触がたまらない。
 裸で抱き合うのはいつも嬉しいことだけど、今日ほど嬉しいときはなかった。
 それくらい今の身体が嬉しくて、優の身体が気持ち良くて満たされているのに、それでも喉が渇いたみたいに優を求めてしまう。
 そんなことを考えたら、急にその責めが弱まった。
 喘ぎながら上向きだった顔を下げようとしたら、優の頭が少し低くなったと思ったときには乳首を激しく吸われた。
「あああっ……やっぁ……そこ……」
 ジュルジュルジュルと唾液の音を響かせて左乳首を吸われている。
 おっぱいの押し付け合いで身体が火照りだしているのに、そんなの出されたら声が止まらない。
 開いた口からシャワーが入ってきたりして、仰け反るのも苦しいくらい。
 悔しいから、背中に回していた手を使って、背骨を擦ってみる。
「やっ……そこっ……あっ……」
「んっ……ゆ、優、背中弱いんだ……」
「ああ、ダメ、そこダメ、あっぁぁああ!!」
 何度も身体を交わしたつもりでも新たな発見が見つかる。こうやって優の身体を知っていくことが嬉しい。
 ぼくの身体が優に知ってもらえるのが嬉しい。後は、もっと深いところで繋がれるように。
 背中とおっぱいの応酬に疲れたぼくたちは、少しバスルームでへたり込んでしまった。
 さすがにまともにシャワーを浴びていないから止めてしまった。
「優……」
 そっと顔を近づけただけで、優はキスを返してくれる。啄むような口づけの後に、お互いの舌を絡ませ、離してゆっくりと抱き合った。
「ベッド、行こう……」
 今度はぼくから声を掛けた。
「ダメ、きれいにしてから」
 冷静に優に窘められた。ああ、もうぼくは自分勝手だな。
00101502014/01/22(水) 23:56:48.81ID:nUFNMXje
久しぶりにお腹から出す感触を味わう。よく考えたら、優に抱かれたのは三週間ぶりくらい。
 そのときも何度もトイレに行ってはお腹の中から汚いものを排泄した。
 もう透明な水しか出ないのを三度くらい繰り返して、やっと優は大丈夫と言ってくれる。
 だけど、今日は優もトイレに長居することになった。もしも気が向いたら、優もコンドームなしで抱かれたいと言う。
 由香子さんと恋人同士だったときでも、さすがにそこまではしてなかった。どうせなら、自分がする以上は自分もされてみたいらしい。
 そう考えると、優もかなりエッチだと思う。ぼくの悩んでいることに少し便乗してくるところがずるいな、という気もする。
 だけど、一緒になって同じ事をすることで安心させようとしてくれるのかもしれない。
 ああ、最近は気持ちや考えがなんか移ろいやすくなってきたな。これも女の子になろうとしている自分の心がさせているのかもしれない。
「あぁ……ちょっと疲れた……」
 仕上げにシャワートイレを使ってお尻周りをきれいにしているから、ふたりともこれで思う存分できると思う。
「……じゃあ、翼ちゃんのおまんこを解してあげるから」
「お願い……」
 準備ができて、ぼくは脚を開いて優におまんこを見せつけるような体制。
 優はいつもより入念にラテックスの手袋を填めてアナル用のローションでいつも以上にベタベタにしていた。
 そして右手の中指がなぞるようにおまんこの入口に触れる。
「冷た……」
 思わずひんやりしたローションの冷たさに反応示す。夏の暑さと身体の火照りの境目が分からなくなっていた。
「我慢だよ……」
 そう呟きながら、入口に何本かの指で表面の滑りを良くして、中指と人差し指が一気に入ってくる。
 もう一度に二本なんて濡らさなくても入る。だけど優は慎重だから、まずは二本から初めて、段々と指の本数を増やしていく。
 すぐに薬指、そして小指が入ってきた。少し苦しい。
「んんっ……ああぁ……きつい……」
「ちょっとごめんね……」
 違うよ。
「ううん……良いの……気持ち良い……」
「そう……なの?」
 不思議ときついのが心地良かった。優がどんどんぼくのことを支配してくれているようで。こうされるだけで自分が優のものになっていくようで。
 それを思うだけで胸が苦しくなる。優に与えられる快楽がずっと続けば良いのに。
 感じ入っていた感触が抜けると、今度は優が指をまた二本に戻してまた進入してくる。そして、すぐに身体の中に冷たい感触が広がる。
 今度は中をしっかり解してくれる。優は中にローションを塗るのも塗られるのも本当に好き。
 まるで媚薬みたいに塗られたところが感じやすくなるみたいだからって。
00111502014/01/22(水) 23:57:21.51ID:nUFNMXje
「ああっ……そ、そこ……」
「ふふ……見つけた」
 そして特に、前立腺と言う名前を持つぼくたちのGスポットにも入念に。優はあまりそこを指で弄るのが好きじゃない。
 弾みで射精してしまったらもったいないみたいで。
「本当は、アナルセックスもやりすぎちゃうといけないんだよね。
 射精が上手くできなくなって、インポになっちゃうらしいから。でも、翼はおちんちんじゃなくておまんこで感じる方が好きだよね」
 そう言われると、逆にそうなってしまいたい願望が沸いてくる。もう射精はしたくない。少しでも男に戻るようなことをしたくない。
 だから、そうなってしまうことに少しだけ興奮した。だけど女の子を抱ける身体であることが少しだけ惜しくなる。
「……それじゃあ、優のこと抱けない……」
「そういうときは、牧村先生に相談だね」
 困らせておいて、模範解答は用意しておく。優はぼくが魅力的だからずるいと言うけど、ぼくに言わせればそのいたずら心がずるい。
 だから、お互い様だ。
「さて、これで……良いかな?」
「んっ……」
 指を抜かれた瞬間、その抜ける感触がたまらなかった。だけど、これから身体に入ってくるのは優のおちんちんそのもの。
 ゴムの薄皮に挟まれていないちゃんとした彼女自身の体温を直接に感じられるもの。
「……翼、おちんちんが勃ってる」
「クリトリス……触らないでね。イッちゃうから……」
 暗に射精させないでと優には言っているつもり。
 ただ、優も待ちきれなかったみたいで、ぼくの中に指を入れている間、ずっと勃起させまいさせまいと我慢をしていた。
 期待しすぎて、困らせないみたいで。普段は天真爛漫で明るいのに、そういうところが慎重で優は可愛い。だから好きになっちゃう。
 今度は優が自分のおちんちんにローションを塗る。ベタベタに濡らしてテカテカと部屋の明かりの反射で光って見える。
「優……来て……」
 ゆっくりと優はぼくに覆い被さってくる。だけど、いきなり挿入なんてしない。頬にキスをしてくる。だからお返しに頬にキスを返す。
 そうしたら、優は啄むようなキスを唇に。だからお返しは啄むキスに軽く唇を舐める。そうしたら優は今度は唇を押しつけて舌先を口の中に入れてくる。
 本当にぼくたちはキスが大好き。瑠璃さんからは、口でセックスしているみたいと言われてちょっと恥ずかしくもなった。
 だけど、もうそんなこと言っていられない。優には全てを知ってもらわないと、もっとぼくを別のものに作り替えてもらわないと。
「……ねえ……フェラしてないよ……良いの?」
「ダメだよ……今されたら出ちゃう……ボク、我慢できない、翼は?」
「ひゃっ……もう……我慢できない……」
 いきなり胸を揉み出してくるから油断ならない。ビクンって反応しそうになった。だけど、これじゃ足りないから。
「……行くよ、もう少し脚を開いて」
 その指示に従ってM字開脚にして、優が正常位で入れるように整えた。
 そして、おちんちんの皮が被っているのを外して、少しだけ辛そうにしている。
 ああ、全力で優が来てくれる。そして、覆い被さってきた優は優しいキスをしてくれて、目と目を合わせてくる。
00121502014/01/23(木) 00:01:41.82ID:Wl+xfjjN
「翼……大好き……」
「優……私も」
 ローションと違って暖かいものがおまんこの入口に触れる。いつからか自然と受け入れられるようになったもの。間を隔てたものはそこにはない。
 優の体温を直接感じられる。小さな、でも優の指とローションのおかげでだらしなく開いた私のおまんこ。
 目の前の優が、ゆっくりとゆっくりとその中に入ってくる。
 小さな窄まりに優のおちんちんが入ってくる。私は、優が苦しくないように下半身から力を抜いている。
 だけど少しだけの抵抗があって、そこで無理をしないで優はゆっくりと進入してくる。だんだん優のものでいっぱいになってくる。
 どんどんお腹が温かくなってきた。抵抗を抜けた優のおちんちんが私の一番奥まで入ってきた。
「ああっ!! おっきい……優……気持ち良いっ……あっ!!!」
「ご、ごめん……気持ち良くて……つい動いちゃった……」
 いつもより大きい優のおちんちん。こんなにお腹苦しいくらいにいっぱいになったの初めて。
「翼……凄いよ……こんなに暖かいおまんこ初めて。入っているだけ気持ち良い……由香子よりも……」
「……私、女の子なんだよね……」
 優は一見、違和感を覚えたような顔をした。だけど、気づいて笑う。そして、キスをしてくる。いきなり舌を入れてくるから私も遠慮はしない。
 ぺちゃぺちゃと涎がこぼれるのも気にしないキス。お互いに歯茎も舌も頬の裏側もしるしを残すみたいに舐め回した。
 じゅるるるっ! じゅるるるっ! 嫌らしい音を立てながら溢れる涎を飲み下す。
「……おいしい……」
 思わず呟いたら、優は少しだけ悔しそうな顔をした。
「ボクも、女の子なのに……女子力負けそう……」
「だって……今は優が抱いてくれているんでしょう。だから、ちょっとだけ男の子……あっ……」
「翼がエッチだから大きくなってきちゃったよ……」
「うん……好きに動いて。一緒に気持ち良くなろう」
――――――――――――――――
挿入して寸止めですいません……これ以上投稿するとストップ掛けられますので。
00151502014/01/26(日) 00:35:26.29ID:QXX3bE2F
支援ありがとうございます。所用で予定が遅れてすみませぬ……
――――――――――――――――――――――
入ってきただけで優のおちんちんは爆発しちゃうんじゃないかなって思っていた。
 だけど私のおまんこを楽しんでくれるみたいで、震えそうなのを我慢しながら、私の中を動く。
「あっ……うんんっ……」
 ゆっくりと動き出した腰の動きに合わせて、おまんこの中が勝手に蠢きだした。
 その瞬間、おまんこからお腹に掛けて熱さが突き抜けるような感触を覚えた。そして、その優のおちんちんの感触に思わず締め付けてしまう。
「くっ……」
 それに優は耐えて、動きの早さを上げる。優の腰の動きに合わせて、一緒のタイミングで腰を振る。
「……エッチだね……そんなにボクのおちんちん欲しかったの?」
 意地悪な問いかけ。だけど答えられない。だって、生でやるだけでこんなに気持ち良いなんて。
「ああっ!! やぁっ……んんっ!!」
 言葉になるわけがなかった。
 お腹の中、おまんこの中の粘膜が優を包み込んでいるのに、それに抗うように動き回るその度に絶頂にも近い快感が腰から背中を伝って頭の奥まで響いていく。
 優のおちんちんが頭の奥までおかしくしてしまう。頭に伝わる快感で意識が飛びそうになるのに、急に優の動きがゆっくりになる。
「えっ……ゆう……」
「翼、気持ち良い……ボクも気持ち良くさせて……」
 そう言いながら、ゆっくりとグラインドをしてくる。動きの変化で、頭に行った気持ち良さが、今度は下るように身体中に降りてくる。
 肩が、乳首が、おっぱいに。それでもおまんこの快感はやってきて。
「ああっ!! 優、うぁ! うぁ! あーっ!!!」
 密着してくる優の肌が気持ち良くって、前後にグラインドしてたと思ったら、今度は円を描くようにゆっくりと腰を動かしてきて、快感をシェイクさせているみたい。
00161502014/01/26(日) 00:36:04.24ID:QXX3bE2F
「翼のクリトリスおっきいね……ボクのお腹に当たってきて、入りたがってるみたいで」
「ああっ……優……止めてよ、こんなおっきなクリトリス嫌いなの……」
 ああ、こんなときにあばれないでほしい。早く切り捨ててしまいたいくらいなのに。
 だけど、その反応はきっと今までであり得ないほど勃起してて、まるで女の子になった私を歓迎してくれるみたいにも思えた。
「そうだね……こんなにエッチだと悩んじゃうよね」
 いきなり優は先端に指を軽く突き刺してくる。
「ああっ!! い、痛い……」
「ごめん、ちょっと強かった?」
「ばか……ぁぁぁあっ!」
 批難の声を身体を突き上げて誤魔化される。
「……あんまり触っちゃうと潮吹いちゃうかもね……」
「うそつき……」
 優が言った潮吹きと違うのに。私を煽るように言ってくる。
 最後に、また軽く先端を指で突いてちょっと痛いのに不思議と段々気持ち良くなってきた。ああ、どうなっちゃうんだろう私。
 グラインドされるだけで、肌が強く触れ当たって気持ち良い。だけど、慣れてくるとときおりピストンを始めたりしながら私を翻弄する。
「んんっ……あんっ! あんっ! あー!! ああっ!!!」
 単調なようで、的確に感じる場所を刺激する。だけど苦しそう。
 なんか、先端が少しだけ濡れているかもしれない。ローションやお腹の粘膜とは違う濡れた何か。
「ああっ……ゆ……優……だい、じょうぶ……」
「うん……もう……無理かも……翼ちゃんは……」
 ああ、辛そうだ。優、限界なんだ。だったら私も一緒にイキたい。快感はさっきから段々と頭にまた戻ってきた。
 背筋と肩とおっぱいと顔に快感が駆け抜けて、頭の奥に響いていく。口に意識がやっと戻ったけど、だらしなく舌を出して、甘い声ばかりあげている。
 そんな姿が想像できていた。なんてエッチな姿なんだろう。これが私なんだ。
「動くよ……」
「お願い……激しくして……私も、イキそう……優と一緒に……」
「嬉しいよ……」
 その言葉と同時に優は腰を引いた。そして来ると思った瞬間に、一気に優のおちんちんが私の一番奥深くに突き刺さってきた。
「はぁああああっ!!!」
 背中が下にあっても仰け反ってしまう。反動で脚が上がって、すがりつくように優の腰の後ろで脚を交差させ、背中に両腕を回して抱きつく姿勢になった。
「翼、もっとギュッとして……あぁ……」
 熱っぽくなった優の声。
 でも、必死になって私の顔を見つめながら腰を振る姿は、いつもの少年のような顔じゃなくて艶っぽい表情が思春期の中世的な女の子みたいで、
 女の子に犯されているような状態に私の頭はもっともっと痺れてくる。
「……気持ち良いよ……おまんこも……クリも……頭の中もぉ……あぁ……やあっ!! 気持ち良いの止まらない! 優のおちんちん気持ち良い!!」
 意識が遠くなりそうだった。確かだったのは、お腹の粘膜に包まれた優のおちんちん。
 熱い固まりが動く度に腰は震えて、ぼくも応じるように締め付けて、そのまま駆け抜けていく快感は上半身を駆け巡る。
 抱きついて柔らかいおっぱいを押しつけあっているだけで気持ち良いのに、快感は止まらないまま脳天を突き抜ける。
 まるで大きな管みたいになったみたいだ。
「……翼……もうダメ、ボク……イッちゃうよ……」
「出して……優の精子、私に出して!! 私を優だけのものにしてっ!」
 身体の中で優の動きながら我慢しきれない感触がひしひしと伝わってきた。そしておまんこの中で優のおちんちんが一瞬だけ大きくなる。
「イク、イッちゃう、翼、翼!!」
「優、私も、一緒に、あぁっ!! イクっ!! イッちゃう!!!」
 彼女の叫び声がしたと同時に私も叫んだ。身体に駆け巡る絶頂が全身を弛緩させた瞬間に、身体の中には彼女の欲情が込められた熱い液体を放出された。
 その熱さに言葉にならない悲鳴を上げた私は、そのまま目の前の抱いている少女の身体に強く強くしがみついた。
00171502014/01/26(日) 00:49:06.33ID:QXX3bE2F
「……さ…つ……ば……つばさ……」
 遠くから呼びかけられる声でゆっくりと目が覚めてきた。
「ゆ……う……?」
 まるで何日も前のような、いつか見た夢の続きみたいだった。私と優は抱き合ったまま、ずっとずっと意識を失っていたみたいだった。
「……凄い……まっだ繋がってたんだ……」
「でも……さっきまでボクも気絶しちゃってたから……」
 お腹の中で液体が放出された感触が記憶どころか肉体感覚に刻み込まれたみたいに思い出してくる。本当に気持ち良かった。あれ以上なんて感じられないくらい。
「翼も、クリトリスの周りが愛液でベタベタだよ」
 あまりそこには意識がいかなかった。久しぶりのトコロテンだった。でも、今の私にはそれにはあまり感慨のようなものを覚えなかった。
それよりも優に抱かれて女としての喜びを刻み込まれた方がよっぽど大事で、とても嬉しかった。
「嬉しかったよ、私は……」
「翼ちゃん……ぼくは……卒業?」
「えっ……」
 思わず、いつもの自分の呼び方を思い出すようにして言葉を発したけど、
「私は……」
 その言葉を発した私を見て、少しだけ優は不思議そうな顔をした。
「……そうなんだ……」
 いつのまにか「ぼく」という言葉が私から失われていた。
今なら分かる気がした。自分の中にいる女の子のようなものと、私の身体と心がようやくひとつになったことを。
やっと、私は、自分が求めているところにたどり着いたんだ。
「……もしかしたら、翼は本当に女の子に生まれるはずだったんだね……もう、身体も心も本当に女の子らしいし、表情もボクが今まで見てきた中でも一番きれい……」
 生まれなかった私。女の子としての私。少し違う。これを優には話さないといけない。
「ごめんね。私、優に話していないことがひとつだけあったの……」
 出生について。優と由香子さんがひとつの形で生まれることができなかったのとは逆で、ひとつになって生まれてしまったから持ち合わせた「私」という人間のことを。
「たぶん……私の中にはお姉ちゃんか妹がいたの。
それを私が取り込んでしまったから、男に生まれたのに、心の中で女の子にならないといけないって思ってたんだと思う。
無意識に。それがずっと少しずつ解け合ってきて……やっとちゃんとひとつになれたんだと思うの。
ただ、セクシュアリティは女の人が好きだって強くは思っていたけど、優と出会ってたぶんバイセクシュアルになっちゃった。
……今なら……男の人に抱かれるのも平気かもしれない。もちろん……本当は優以外に抱かれたくなんてないけど」
 気づいたら、私は完全に女の子になっちゃった。たぶん、心の持ちようがそうさせたんだ。
ただ、その最後の一押しが優の射精を身体で受け止めることだったんじゃないかなって、なんとなくは感じている。
この刻まれた感覚を忘れない限り、私は優と一緒に生きていけるような気がした。
「……翼ちゃん……ボク、羨ましいよ……翼ちゃんは、心まで女の子になれているのに、
ボクは男の人が好きだし、女の子も好きだし、自分が男の子かと思ったり、女の子のときもあったりして、自分がどっちつかずにいるんだ。
それが悔しい。そうやって、自分の気持ちにたどり着ける翼ちゃんに嫉妬しちゃうよ……」
 そうだよね。優だって、ずっと迷っていたんだから。こうして、私がひとりで満足してたら可愛そう。だから私は優の頭を胸に押しつけるように抱いて、
「私は……優が女の子だって思ってる。だって、私を抱いてくれたときは、男の子っていうよりも女の子だった。
中世的で、男の子っぽいのを否定させられていく思春期の女の子みたいで。
これって……私のわがままかな? 優はきっと女の子。ただ、男の子の気持ちがちょっとだけ残っているから、少しだけ男の子みたいなところもあるの。
別にそういうところを無くしてなんて思わない。それも優の一部なんだから……」
そう言ったら優は少しだけ静かに泣き出した。私はまるで小さな子供を慰めるような気持ちに暖かみを感じてきた。これって母性って気持ちなのかな……。
結果として、私は女の子になれたけど、逆に優のことを抱くことができなかった。
寝るのが短ければ良かったんだけど、夕方前なのでさすがに由香子さんが帰ってくるだろうということが気になったから。
私のお腹の中をきれいにしないといけない。精液によってはお腹が緩くなることもあるらしいから。
00181502014/01/26(日) 00:50:06.96ID:QXX3bE2F
「ごめんね……私が寝ちゃったから……」
「ううん。ボクだって、気持ち良かった……何だろう、お姉ちゃんとセックスしてたときは貪ってる感じだったのに、翼とのセックスっていつも愛されているなぁって感じた。
まあ、人によっては刹那的って言うかもしれないよね……子供作れないし……」
 刹那的。愛があれば関係ないと私は思いたい。だけど、優の場合は少しだけ大人だから、色々と知ってることがあるのかもしれない。
たぶん、私はそういうものにきっとたくさん出会っていくのかもしれない。
 由香子さんが帰ってきて、最初の反応は私の雰囲気が何か違うということだった。経緯を説明すると目を丸くして驚いた。
「……トランスジェンダーの友達でも、なんて言うのかな? そういう劇的な変わり方ができた人なんていないわ……
やっぱり、翼ちゃんが言っていたことがある意味では、説得力のある答えね……優とわたしは別れてしまったと思っていたけれど、
ひとつになるってのも上手くいかないものなのね……ところで……お祝いはいつする?」
 それは嬉しいけれど、まだ早い気がした。私にはやり残して、これから続けないといけないことがあるから。
「……それは、私が男の人に抱かれても平気になるまで待ってください」
「了解……」
 さすがの由香子さんも無理強いはしなかった。そして私が部屋を出るときに、
「今度、一緒に買い物行きましょう。それから、静さんのお店に行って、今のあなたを見せてあげたいから……」
「ずるいよ、お姉ちゃん。翼とデートするのはボクなんだから」
「一緒に、行くってことでどうでしょう?」
「「賛成!」」
 この姉妹はいつも楽しいね。
00191502014/01/26(日) 00:53:20.25ID:QXX3bE2F
夏休みで良かったと思う。今の私が学校に行ったら変りすぎて引く人も出てくるかもしれない。
それに、この仕事も試験期間とかが近づけば喜んで行えることでもない。単純に成績を収めるだけじゃなくて、私は身体を売って生き続けるつもりはないから。
 そんな意識をしっかりと持ちながら、明くる日、黒服の車に優と一緒に乗り込んだ。
 更衣室でマネージャーと顔を合わせただけで、
「……今なら大丈夫ね」
 というようにお墨付きをもらえた。周囲の女の子は「きれいになったね」「無理しないでね」という声を掛けてくれる。
 まだ、新人だから基本的にみんな優しい。人気が出ると厳しくなると優も瑠璃さんも言ってくれていた。だから、変に依存はしないようにしっかりと。
 ロッカーを覗いてみたら、今日の衣装はブレザーだった。正直言えば、私くらいがギリギリ切れる年齢だと思った。
 優と私は似合っているけれど、人によっては無理して着る形になっている人もいた。
 こういうアンバランスな状態に不満を感じたら、後で黒服なりマネージャーに相談する形になる。
 優もブレザーは初めてで、似合えばそれはそれで良いけどね、と言葉を濁した。先輩たちを気にしていたのかもしれない。
 メイクの時間はとても短かった。ロリコンの人は化粧が濃いと嫌がるらしいから、若い女の子ほどナチュラルメイクを施された。
 私の場合は、ちょっとだけチークとルージュを整えた。自分でやった色よりも表情が健康的な色彩に変った。
「優子さん、時間です」
 待合室にいたら、黒服の人が呼んでくれた。再スタート、ということに緊張はいらなかった。私に視線は集まったけど、特に気にならなかった。
 部屋の中には、やっぱり彼がいた。
「……前も驚いたけど、今日も驚かせてくれるな。さすがだよ」
「ありがとうございます。先日は、失礼いたしました」
 相変わらず戸田キリヤは余裕を持った態度でウィスキーを飲んでいる。バスローブ姿は変らない。様々な形で女の子を迎える人がいるらしいけど、彼の場合は前と同じまま。
「……何か、あったのか?」
「あるとすれば、私の中にあった女の部分がちゃんと心と身体に解け合ったようなものです。上手くは言えません」
「それでも……よっぽど前よりは楽しませてくれそうだな……とはいえ、俺はロリコンじゃないんだけれどな……」
 どうしても還暦過ぎの男性としてはブレザーを着た女子高生のような自分とセックスをするのには抵抗があるらしい。
「残念です……実を言えば、こういう制服を着たいって思っていた時期もあったんです」
「そうか……で、それを脱ぐっていうことに抵抗は?」
「ありません。まだ十代ですけど、すぐに二十代です。似合わないものを無理に着続けようってほど、私も羞恥心が強い訳じゃないですし」
 そこまで言うと彼は立ち上がり、バスローブを脱いだ。そして、私の前までやってくる。
「……だが、あの舞台の上で由香に犯されて淫らに喘いでいたのがお前だった事実は変らないぞ」
「……由香がいてくれれば、私はどんなに穢されても平気です。彼女が私を清めてくれれば」
「全く、一晩限りの相手とはいえ、嫉妬させてくれんじゃないか」
 急に彼は私を大きな腕で抱き寄せてきた。
「……その気持ちを忘れさせてやるくらい強く抱いてやる……」
「お手柔らかに……」
00201502014/01/26(日) 00:54:23.86ID:QXX3bE2F
ここまで言われているのに余裕も拒否感も少しも沸き上がらなかった。これには私も驚きがあるけど、それを見透かされたくないから強く冷静を装った。
 左腕で鎖骨の高さに回し、右腕でブレザーのリボンを取られる。
 ブラウスのボタンが見えるようになったから、そのまま脱がされるのかと思ったら、袖口のところから手を突っ込まれて触ってくる。
「……思ったよりも大きいな……」
「んっ……大きい方が好きですか?」
「いいや、人それぞれだ」
 そのままブラウス越しに胸をまさぐられる。少しもどかしい。そんなことを考えているうちにブレザーのボタンが外されていく。
 左腕はいつのまにか腰に回されて、少しずつ衣装を脱がせていく。
 ブラウスのボタンを外されていくと、少し動きが止まる。
「外見が女子高生なのに、なんてブラジャーしてるんだよ……」
 男の人は分かっていない。女子高生だって、それなりに下着にはこだわってる。
 Tバックとかまではいかないけれど、あの子だって私のためにちょっと奮発してシースルーのブラジャーを用意していたりする。
 何を着ているかなんて脱がせる人しか分からない。
「……女の子の下着にまでこだわるタイプですか?」
「いや……俺が若い頃はそんなに派手な下着がなかったからな……変な違和感が」
 それを聞いたら先輩たちは幻滅しちゃうよ。シースルーどころか、マイクロビキニみたいな上下セットしているんだもん。
 あれは、私なら絶対に着たくない。
「……自慢じゃないけど、私はこのお店で最年少みたいだから、ジェネレーションギャップがあってもおかしくないかも……」
「ちょうど二十歳の奴らがいたが……彼女らは大人しめだったんだがな……」
「他の子と比較しないでください……」
 そういうところを比較されるとあまり面白くない。優とのことは別に構わないのに。少し不思議。
「まあ、どっちにしろ脱がすがな」
 ブラウスのボタンが外され、身体が離される。そして向かい合いになってブレザーとブラウスを脱がされていく。
「スカートもだ」
 上半身は脱がすのを手伝ってきたのに、下半身は触れないのに意味はあるのかな。
 よくわからない。プリーツスカートを脱ぐと上下セットの下着姿。やっぱりこういう格好は恥ずかしい。
 下着のときってなんで裸より恥ずかしいときがあるんだろう。本当に不思議。
00211502014/01/26(日) 00:55:26.82ID:QXX3bE2F
「……しかし、前の時は乳首は勃っていなかったな……それに女になろうとしていながら、下半身が反応する奴は多い。
 まあ、性的興奮だからな……優子は前の時、全然乗り気じゃなかったな……初めてで緊張していたのかと俺は思っていた……」
「……あの時はごめんなさい。私は、まだ自分の気持ちに整理が着いていなかった……」
「……だとすると、気持ちの問題だったというわけで、俺自身が嫌だったとかじゃないんだな?」
「ええ」
 するとキリヤさんは私を抱きしめてくる。触れ方も優しくて、まるで確認でもするかのように優しかった。
「お前以外に、この店で抱いた女の中には泣かせた奴がいた。そいつは辞めてしまったよ。
 正直、理由が分からなかったな。抱いた後に泣かれたから、俺もなんて言えば良いのか分からなかった。
 そして、次の週には辞めていた。悪いことをしたとは思っている……
 ただ、俺が悪かったのか、本人の気持ち次第なのか、好奇心じゃなく今後の俺のためにも知りたかったんだ。
 だから、今、こうして来てくれたことに俺は少し驚きもしているんだ」
 あのときの必死な対応は、そのときの後悔からか。やっぱりこの人は強面な印象なのに心根はとても優しい。
 だから周りの評判も良いわけだ。
「でも……今なら、あなたに抱かれても構わない」
 今度は私も背中に手を回して抱きつく。すると私のブラのホックを外しているみたい。
 文句を言わずに少し肩をすぼめて、取りやすくしてあげてたら、そのままお姫様抱っこでベッドに運ばれた。
「前と違って、今日は俺が責める。何もしなくて良い。嫌だったら言ってくれ。無理はさせん」
 本当に慎重。少し微笑んだら嬉しそうな顔をしてくる。
「胸は下手な女より形がきれいだな。運動でもしてるのか?」
 話すのが好きなのか、おっぱいを愛撫しながら色々と話しかけてくる。
「……なにも……あっ……んん……」
 揉み、乳首の周りに近づいてくる。それだけでゾクゾクしてくる。そして、ゆっくりと指先で触れられた。
 触る前から勃起していた乳首は触られるだけで甘い快感になった身体に広がっていくのに、その日は強く摘まれたり、口で吸われ甘噛みされた。
「ああっ……はぁんっ! つ、強い……」
 みんな性別関係なくおっぱいが好き。吸い付かれるのも大変だけど、甘噛みされると痛みなのか快感なのよく分からない感覚が頭の奥にも響いてくる。
「大変だな……乳首刺激してやるだけで、下半身が泣きそうになってるぞ」
 ショーツの中のことだ。クリトリスが必要以上に暴れている。分かっているけど、止められない。
「脱がすぞ……」
 胸の愛撫を止めて、その手で下半身のショーツを脱がされた。そして勃起しきったクリトリスが飛び出してきた。あまり気に入らないもの。
「そこ……やぁっ……」
 クリトリスを触ってほしくない。射精するのも好きじゃない。手コキもされたくない。
「……そんなに嫌か?」
「嫌……そこだけは……」
「そうか……まあ、変ってる奴は使えるならどっちでもイキたいとかって言ってるけどな……」
 射精はしたくない、ってわがままなのは分かっている。だけど優以外とのセックスで射精はしたくない。
 男性機能が失われないし、女性化の妨げにならなくても。
00221502014/01/26(日) 01:01:06.44ID:QXX3bE2F
「……おまんこなら……良いです。トコロテンは嫌いじゃないから……」
「そうか……」
 不思議だけどこれは本当。たぶんおまんこでイカされるときしか出ないから。
「……それなら……乳首責め嫌じゃないんだな」
「はい……」
 それからは、ゆっくりとおっぱいの愛撫が再開された。
 さっきまでは最初から乳首に向かってきたのに、今度は、脇腹を触ったり、少し仰け反って空いた隙間に手を差し込まれくすぐられる。笑うよりは感じてしまう。
「ふぁ……ひゃっ……あぁん……んーんぅ……」
「くすぐったいのか感じてるのか曖昧だな……」
 煽られているのに身体の火照りは治まらない。胸やお腹が温かくなってくる。ああ、欲しくなってきた。
 優じゃないのに、身体が素直に受け入れたがってる。私、こんなにエッチだったの?
「……震えが止まらないな……もう、我慢利かないのか?」
「うん……お願い……」
 ああ、あんなに嫌がったのに、もう欲しくなってる。あの時から、もう私は女の子になったんだ。この人に抱かれることが少しも嫌じゃない。
「顔とか見たくないならバックでやるか……?」
「どっちでも良いです。私は、正常位の方が好き……」
「なら、先週のお預け分、バックでやらせてもらおうか……」
 すると、今度はマウントポジションになって、そのままおちんちんを顔に押しつけてきた。
「まずはフェラからだ。一週間待って、ダメになるならしょうがないが、それでも来るなら期待できるのが今までの経験だ。
 つまり、少しここからは強くするからな。覚悟しろよ」
 たぶん、こういう男臭いところには今までは、不快しか感じられなかった。だけど嫌じゃない。知らない物を与えて欲しい。
 口を開けた途端に長くて大きいおちんちんが口の中に入ってくる。優のより大きい。しかも皮が剥けているから引っかからない形で圧迫をしてくる。
 舌で舐めるよりも先に少し喉の奥を責めてくると思ったら、引き抜いてまた入ってくる。イラマチオなんて初めて。優もやらないのに。
 ただ、苦しいけど喉の奥まで来そうで来ないのは少し安心した。
 何度も繰り返し入ってくるのを必死にしゃぶりながら、もしかしたらこれ以上のハードな行為を要求されることを予見すると、少しだけ不安に感じた。
「……大丈夫か……?」
 何度目かの動きで口の中で痙攣するような反応を示してくる。そして、私に対して声を掛けてくる。ゆっくりと口に含んでいたおちんちんを口から出して、
「……くち、口が疲れたけど、大丈夫……」
 一言一言をちゃんと発音したら言葉になった。さすがにこんなことを何度もしてたら顎が外れちゃいそう。
 そして我慢しきれなさそうなおちんちんは先走りで濡れている。よく見ればそこから私の口にカウパーが繋がっていたから、指で触れたら音もなく切れた。
「ローションとコンドームはあるか?」
「ええ」
―――――――――――――――――――
とりあえずここまでです。客の設定まで作ってしまったのが、
予想外の長さに繋がってしまいました……。
キリヤの名前は萩尾先生の『バルバラ異界』の登場人物から。
書いている最中に読んでいたので。
00241502014/01/27(月) 02:25:22.64ID:JKT4R8wX
続き行きます。
―――――――――――――――――――
寝かしつけられたときに彼はベッドの脇にポーチを置いていた。前は私が探ったそれを今度は彼が取り扱う。
中に入っているものは必要最低限のものだけ。ローションのボトルとコンドームと指サック。
 ラテックスの手袋もあるけれど、お客さんはそこまで入念にするのがきらいみたい。
 身体を犬みたいな体制にされ、お尻とおまんこが丸見えの状態になる。指サックを填めたキリヤさんは、指をローションでベタベタにした。
 そしておまんこの入口をたっぷりと濡らす。
「んっ……」
 冷たい感触。正直、少し嫌いなタイプ。暖かくなるタイプなのかな。そんなことを考えながら、冷たい感触と指の入ってくる感触が同時に入ってくる。
 もうローションを使えば指二本なんて余裕。だけどあんまりガバガバにはなりたくない。人工肛門の話は聞いただけで怖い。
 指二本でしつこいくらいにおまんこの中をローションまみれにされて入念に解された後、
 今度は指を三本入れられて、これも普通に入るようになったことに興奮してきた。
 いけない。本当にエッチな心と身体になっている。
 何度も指の往復を繰り返され、Gスポットにも指を押しつけられ、私の意識はドロドロに溶けてしまいそうだった。
 途切れ途切れの喘ぎが混ざった吐息をしながら、指を止めた彼の動きを待った。
「……行くぞ……」
「抱いて……」
 ゆっくりと入ってくる圧力。今までに無い大きさ。ゆっくりと奥に入ってくる。そして、最初に意識したのはとてつもない圧迫感だった。
「きつい……」
「……安心しろ。無理には動かん……それまではこっちを楽しませてもらおうか」
 背中越しに覆い被さってきた。角度の変ったおちんちんの動きに声にならない声が出た。そしてまた乳首が責められる。
「バックだと、乳首が寂しそうだからな」
「んひっ……あぁ!! はぁ……うぅ……」
 お腹の圧迫感とおまんこの熱さと乳首の快感が全部一緒に襲ってくる。感じるときは、一緒に感じてしまうことはあっても、同じくらいの強さで同時に感じるなんて。
 ああ、おまんこが勝手に動いちゃう。お尻が震えちゃう。
「……動いて欲しいみたいだな……」
「あぁ……おね……がい……」
 その言葉を合図に勢いよく引き抜かれ、そのまま激しく押し込まれた。
「ぁぁああああ!!! うぅぅ!!! あああぁぁ!!!」
 信じられない。こんなに大きなものが私の中で動いているなんて。締め付けたくても、激しく動くものに耐えられない。奥に響く。
 おっきくて動く度にGスポットも刺激されちゃう。ああ、もう声が出せない。悲鳴ばっかり。出したこともない高さで。
「あああん!! やあっぁ!! はぁぁっ!!」
 あまりの激しさ。おまんこだけじゃなく身体中がずっと軽くイッているみたいで、頭おかしくなりそう。どうしてこんなに気持ち良いの?
「……お前、何でこんなに気持ち良いんだよ……下手な女より上等じゃねえかよ……ぐっ……」
 勝手に自分の中で動いているものを締め付けた。そんなことを言うのは反則。ずるい。
 勝手に身体が喜んじゃう。その大きさに負けていた身体が求めたがってきた。
「ぐっ……本当に……搾り取る気かよ……」
「ああっ!! もっとっ!! もっと!!!」
「お望み通り、突いてやるよこの淫乱!」
 今度はグラインド。こんな太いのでグラインドされるなんて。お腹おかしくなりそう。背筋に変なの気持ち良い以外の何か来てる。
 頭の中おかしくなりそう。
「あひっ!! ひゃああ!! ふあっ!!」
 もう何言ってるんだろう。動物みたい。お尻突きだして、身体は猫みたいにシーツを掴んで泣きそうな声で、涙潤ませて。
「……どうなんだよ……俺のこんなにくわえ込んで……動物みたいに叫んで、どうせお前なんかチンコありゃあ喜んで股開くビッチなんだろっ!」
 ああ酷い。でも言われている姿が否定できる代物じゃない。こんなに乱れている。優がいるのに。優子になった私は、こんなに酷い姿で乱れている。
「ちが……ああっ!! ちがい……ます……うぅんっ!!」
 すると動きが止む。今、止められたら辛い。思わずお尻をモジモジ振りながら動いてくれるように求める。
「なら……俺のこと愛しているって言え……それなら……淫乱でもおかしくないからな……」
「嫌です……」
00251502014/01/27(月) 02:25:59.09ID:JKT4R8wX
 本当に酷い人だ。きっと煽っているだけなのは分かっている。ここまで乱れればちょっと悪い冗談なんて許される。
 だけど愛してるなんて、優以外に言いたくない。こうやって強要される形ならなおのこと。
「即答かよ……そこまで由香が好きだなんて驚いたな……」
「……あなたが初めての子とセックスしたのは、今みたいなことを言わせるためですか?」
「……悪かったな。悪趣味で」
「分かる気がします。あなたは、支配することが大好きで、籠絡するために優しい。だけど、行き着くとこうやって意地悪をしてくる。
 それをダメとは言いません。だけど、私は由香を愛しています。それは男だろうと女だろうと、私は優以外の人に愛しているなんて言えません」
 身体も心も翻弄されたけれど、私は最後の一線だけは守っている。私は女の子として優のことを愛している。
 それ以外に望まないし、ぶれるわけにはいかないって。
「……なら……俺が言うのなら構わないだろう……」
「それなら大丈夫です 
「欲張りだな」
 またそういうことを言われると身体が反応する。
「本当に……バック辛くないか……正常位にするか?」
「……お願いします」
 一度、身体から抜き出す瞬間に激しいもどかしさを感じた。抜けてしまった惜しさが。
 だけど、すぐに入れてもらえる。おまんこが大きく開いたから空気が入ってくるような錯覚を感じる。
 だけど、すぐにそこを埋め合わせてもらえるようにM字開脚の体制になる。
「じゃあ、もう一度行くぞ……」
 よく見れば、コンドームに包まれていても、さっきのイラマチオのときよりもおちんちんは大きくなっているように見えた。
 きっと、もうすぐイッてしまう。ローションまみれにして私に向かってくる。
「……キリヤ、激しくて……」
 これくらいなら優も許してくれるよね。好感は持つけど好意とは少し違うから。
「ああ……愛しているぞ、優子」
 もう一度、今度はすんなりと、そして一気に一番奥へ。
「ああああぁぁぁっっ!!!」
 一気に身体の最奥に入ってくる。おまんこもお腹がいっぱいになる。ああ、満たされている。
 そのまま激しく動き出す。ローションを追加したから、火照りきった身体には冷たさが心地よいのに、貫いてくるおちんちんがとても熱くて不思議な感触。
「ぐっ……きつっ……」
 また勝手に締め付けてしまう。ああ、もうイキそう。おまんこから快感が背中を伝って、乳首や肩や鎖骨に顔に広がっていく。
 そして頭の一番奥に激しく快感が到達して、そのまま突き抜けるような感覚に襲われた。
「あぁ……イクぞ……優子……」
「出してっ! 私の中にぃ!!」
 とてつもない熱さだった。コンドーム越しでも奔流が打ち付けられていることが分かり、そのまま白目を向きそうな快感が襲ってきた。
 そしてそのまま頭や背中の快感と同時にクリトリスに激しい快感が駆け抜けて、爆発するような量の愛液を放出してしまった。
00261502014/01/27(月) 02:26:55.44ID:JKT4R8wX
 髪を撫でられる感触で目を覚ました。
「起きたか。正直、この店でここまで満足したのは初めてだ」
「ありがとうございます」
「……とりあえず、俺はもう眠いから今日は泊まっていく。お前はどうなんだ? 由香が待っていたりするのか?」
 やっぱりそういうところを配慮してくれるのが優しい。あくまでお客としての関係でいようとしている。
「由香は、お客さんの指示が嫌じゃなかったら、それに合わせた方が良いって言ってくれてるから、大丈夫です」
「じゃあ、一緒に寝てくれるか? 正直、セックスだけで来たつもりだったが、こんなに疲れるのは初めてだ。ただ、この疲れはそんなに嫌じゃない」
「はい……」
 こうしてライトを消した瞬間に、そっとキスを交わして私だけの仕事が終わった。

 夏休みが終わり、学業は相変わらず順調だった。さすがにここまで女性化していると、色々な人から声を掛けられるし、先生やクラスメイトは最初に見て驚くし。
 クラスメイトの中には整形? なんて言ってしまう子までいた。さすがにそこまではしていない。
 優は後期から学業に復帰する予定だったけど、来年度からに再開することにしたいと言った。理由は、
「翼と一緒に授業受けたいからね」
 という理由に少し呆れた。時間は有限なんだから、自分のために使って欲しい。だから、優は少しだけ平日にもお店に出るらしい。
 もちろん無理はしないつもりだし、悩んだら牧村先生には相談するつもりみたい。
 そして後期のテストが始まる前に、私は優と由香子さんと一緒に暮らすことに決めた。
 さすがに三人だと狭くなるので、さらにもうちょっと大きめな部屋になった。
 少し大学や新宿の中心地から離れたけれど、駅は五分以内でオートロックという至れり尽くせりな物件だった。
 物件を決めるとき、三人でたくさん相談をしていた中、由香子さんがこんなことを言う。
「もしも、日本が同性婚が認められるようになったら、静さんも入れて四人で暮らしましょう。最終的には家も建てて」
 そんな楽天的な話すら出てくる。そうなったら良いだろうな、とは私は思う。
 優が認められないままだったら、という質問に対しては、私たちと偽装結婚をして家族になるという回答を頂いた。
 さすが由香子さん。転ぶことすら許さない。
 ただ、私にとっては少しだけ違う思いが今ならある。
 女性化を始める前に撮った自分が男であったときの最後の写真と、せっかく伸びた髪の毛だけど、一房だけ切って住所の場所と一緒に送った。
 元気でいることと、もう学費と仕送りはいらないこと、そして、もう男に戻るつもりはないことを伝えるために。
00271502014/01/27(月) 02:27:43.24ID:JKT4R8wX
後期の授業も順調なので、私はお店以外にもアルバイトをしようと考えていた。由香子さんに相談したら、静さんのお店を紹介された。
 人手不足だし、身内だしという理由だった。
「全く、久しぶりに来たと思ったら、バイトの紹介って……恋人ないがしろにすると浮気するわよ」
「静さん……帰ってきたら、すぐに会いに来てるじゃん……」
 さすがに由香子さんも静さんには頭が上がらない。最近は、旅行記事とかも書くので少し遠出をして、場合には泊まりがけで取材をすることも多くなってきた。
 駆け出しのライターにしてはかなりの仕事量をこなしているようだ。
「まあ、良いわ。とりあえず注文と……翼ちゃん、料理は作れる?」
「一応……」
「じゃあ、簡単な料理とかやってくれる? 忙しいと、まかないとか作る余裕なくて。作り置きでも良いけど、どうせならできたて食べたいでしょう?」
 テストとして私はナポリタンを作ることにした。
 静さんは仕事にはこだわるタイプで食材も料理器具も充分すぎるほどあって、中には見たこともない物もたくさんあって少しだけ困惑した。
「合格! これならお店に出しても良いくらい」
「ええっ? 私、調理師免許なんて持ってないです」
「許可があれば免許がなくても料理は提供できるわよ」
「おいしい……翼ちゃん、家でも作って!」
 てんやわんやで静さんのお店でもバイトが始まった。勉強は忙しいけど、落第するような成績ではない。充分に単位は獲得できそうだ。
 お店の人とも親しくなり、常連さんとも話をするようになった。時には告白されたこともあったけど、丁重にお断りをした。
 ただ、ストーカーにならないようにとは思ったけど。こういうことを考えると、私は女になったことへのデメリットも感じてくるようになる。
 強姦されたりするかもしれないからと思うと怖くなる。
 まだ、股間の部分は男の人と同じ形をしているから、それが分かっただけで強姦目的から暴力を受けて殺されるかもしれない。
 だけど、仕事の方が裏に何があるか分からないから、よっぽど怖いけど。もちろん、秘密を守って仕事をやるべきことを果たせば、何も怖くはない。
 とはいえ、仕事でも嫌みは言われる。私の場合は若いのとキリヤさんに何度か抱かれるようになった結果なのか、順調に指名を受けている。
 ショーに出るよりも指名を消化するのに忙しい。ほとんど土曜日にしか出ないけど、指名争いが激しいらしい。
 そういう評判は少し嬉しくもあり、先輩の中には「若いだけでしょ」とかいう嫌みを言ったりもする。
 こういうところも女の人の世界。嫉妬が溢れることなんてとっくに分かってる。
 仕事とは別に静さんのお店でバイトをすることはとても貴重だと思う。
 あの仕事で得られる報酬は週一回だけでもあまりに大きくて、散在して壊れる人がいないわけじゃない。
 だけど人によっては女になってから店を始めたり、起業をしたりする人も多い。
 私はあまり稼いでいないにしても、一回の出勤だけで、大卒初任給くらいのお金が一晩で簡単に手元に入ってくる。
 これも出演率や指名率に期間の長さで大きく額が変ってくるらしい。優の一回の出勤の額を見て少し目眩がしたくらい。
 そんな風にあまりにも額が大きいので定期預金に殆ど回してしまう。これだけで学費が払えるし、お釣りが出るくらいだ。
 もちろん税金は掛かるわけがないし。健康保険も年金も携帯電話料金も全部が自分で賄える。
 もちろん、いつかはそれに頼るわけにはいかなくなる。風俗嬢の人が止められない理由は、そういうところにもありそうな気がした。
 だから、私は看護士になろうとしている。着実にお金を得られて、人から感謝される仕事をしたい。
 学校は私を女性と扱っているから、女性の姿で資格の取得まではできると思う。ただ、その先についてはまだ分からない。
00281502014/01/27(月) 02:29:50.67ID:JKT4R8wX
 ある日、バイトが終わった後に静さんに連れられてレディースバーに連れて行かれた。
 優は優で仕事があったり、疲れているときは早めに寝ていたりする。私は大学がまだ忙しいので、少しだけ緊張する。
 静さんにはお世話になっているけど、仕事とはまた別に女性だけの集まりは少し異世界だ。
 レディースバーは静さんの友達がオーナー兼店長をしている。お母さんが元々、その場所でクラブのようなものをやっていたらしい。
 そこで同性愛者である自分と仲間たちのためにレディースバーを開店した。
 お店に入ったら少し化粧は濃いめだが、愛嬌のある女性がカウンターの中でスツールに座る女性客と会話をしている。
「あら、静。久しぶり。一応、あなたもオーナーなんだから、もっと来なさいよ」
 快活に笑っているので怒っているわけじゃないみたいだ。静さんは勝手知ったるという感じで奥の席に私を連れてきてくれた。
 メニューを持ってきた店員さんにコークハイとコーラを注文した。
「あたしはあの子、春香っていうんだけど、お酒とか接客の才能はあるけど、料理が苦手だから開店当時はかなり手伝ってあげたわ。
 私は女だけどその頃は普通の店の厨房で働いていたから、素人じゃないから料理は手伝ってあげたわ。セフレだったのに、仕事まで手伝うとは思わなかったけど」
 春香さんは静さんの長い友人で、セックスフレンドまでいったけど恋人にはならなかったらしい。
「……少し、不思議ですね。友情とセックスって両立するんですか?」
「うーん……人それぞれかな? お互いに自分のやりたいことがあったから、そのためだったら相手を投げ出しちゃうところもあったから、逆に信頼しあえていたのかも」
 淡泊なところは逆に良いのかもしれない。少し尊敬できる。今の私が優と別れたらどうなるんだろう。それは少し怖い。
「翼ちゃん……由香子と優のことどう思う?」
「……前から思っているんですけど、離れていても繋がっている気がします」
 優に関しては双子だからっていうのは分かっていても、未だに由香子さんと何か繋がっている感じがある。
 それこそ未練のような。私と同じ位置に由香子さんはきっとまだいるのかもしれない。価値の重さは同じでも意味としてはまた違うかもしれない。
「あたしはね……春香のことは良い友達でいれた分、お店が軌道に乗ったら、自分もお店を出そうって、そして自分と一緒にずっといられる人を探そうって決めてたの。
 やっぱり、ダラダラ付き合っていたところが私たちにはあったから、友達であることは絶対にやめない代わりに、恋人にはならない。
 だけどお互いに協力し合って幸せになろうって決めてた。それで、春香にもお金出してもらったけど小さいお店は持てるようなったの。
 このお店も私が離れても料理が提供できるようになったから。オーナーっていっても料理の手伝いとか道具とかキッチンの設置の主導権を持ってただけ。
 このお店だって殆ど春香のお母さんがお金を出してくれたところもあるから。
 三姉妹で春香だけレズビアンだったってことにはお母さんも驚いたみたいだけど、バイセクシュアルだったらしいから、ある意味で運命だって、献身的に支えてくれてたわね」
 そこで軽くため息をついた。
「ごめんね、ひとり語りが長くて。あんまりこういうことを言える友達もいないから……もちろん、あなたはあたしの友達よ。
 そんなに神妙な顔して聞かないで。あたしだって緊張しちゃうもの」
「すみません……」
 みんなどこか寂しがりや。大事な人はいるけれど、それだけで大丈夫なんて言い切れるわけないよね。
00291502014/01/27(月) 02:31:19.60ID:JKT4R8wX
「じゃあ、続き。元々、バーの方は評判が良かったし雑誌の載ってたくらいだったから借金もすぐに無くなったわ。
 もちろんまだ完済ってわけじゃないけど、頭を悩ますほどではないってこと。あたしのお店も似た感じ。
 比例するようにお客さんも増えたし、あたしだけじゃ回せないから従業員も増やしてね。
 由香子と会ったのはそういうとき。ラストオーダー直前で、とても落ち込んだ顔でオムライス食べてたんだけど、横を通ったら泣いてたから、
 話しかけてこのお店に連れてきたの」
 由香子さんが泣いた、ということは。
「……彼女と別れたんだって話よ。どうやら、バイト先の女の子と仲良くなったまでは良いけど、結果的に二股みたいな感じになっちゃって、
 ふたりまとめて別れ話をされる羽目になったみたい。それまでも付き合っても、また別の人に移ったりって、最初は話を聞いているだけで、とんでもないビッチだと思ったのよ。
 ちゃんとしていそうなのに、どこか病んでて。だけど、何だか可愛そうになって家に連れて帰ったわ。もちろんエッチは無しで、お酒飲ませて色々話させた。
 そうしたら……弟と恋人関係を解消したって話を聞かされて、危ない橋を渡っているなぁって……知ってた? 由香子が優ちゃんと恋人同士だったときがあるって……」
「話には……だけど、お互いに消耗するだけみたいになってたって……」
「そうよ。お互いに依存できるものが無くなってた。だから最初はずっと話だけを聞いてあげて、しばらく泊めてあげて、優ちゃんと仲直りさせるまで時間掛かったな。
 仲違いというよりふたりして何だか疲れちゃっただけだから、しばらく一緒に住んでちゃんとしたもの食べさせたら、やっとまともになったわ。
 その後ね、由香子とセックスしたの。流れだったけど、そうしたらすっかり懐いちゃって。
 だから、これは時間掛かるけどちゃんと育てないとなぁって軽く義務感は覚えたわ。もちろん今はちゃんとしているでしょう?」
 ああ、あのしっかりとしたところは彼女によって成された成果なんだと思うと、目の前の人に少し畏怖すら感じる。
「そんな感じで、ふたりが一年生の間は仲良くしていて、由香子は私のお店で編集者の人と仲良くなってライターのバイトを始めるようになったの。
 書く才能があったみたいで、たくさん雑用もこなしたし、男の人が行けないレズビアン向けの風俗の取材とか自分から飛び込んでいって、
 面白い記事を書いたりしてすぐにライターとして仕事が舞い込んでくるようになったのよ。
 由香子は心が健康なら、下手な男よりも仕事ができるくらいのエネルギッシュな子なのよ。
 もちろん……その流れで優ちゃんが女の子になるための方法を知ったわけ……一応、この話はあなたが優ちゃんと恋人だから話しておくこと。
 好きだから、逆に話せないこともたくさんあるでしょう? あたしは、もっと仲良くなってあのふたりのことを守っていきたいと思ったの。
 だから、由香子も優ちゃんもいない今日の日を選んであなたにこの話をしたの。
 だから約束して欲しいの。
 あなたが優ちゃんと一緒にいるためなら、あたしはできる限りの協力をする。
 だから、あなたはあたしが由香子といるためにできる限りの協力をして欲しい。
 あたしたちは、少し特殊な位置にいる。ずっと一緒に添い遂げるのも難しいけれど、少しでも協力してしっかりと生きていきたい。だから、約束して」
 良かった。静さんが、由香子さんのことを一番に思っていても、優のことも思っていてくれる。
 それなら、私がいまこうしていることもなんら間違いのようには思えなかった。
「約束します。一緒に幸せになりましょう」
 恋人に向ける台詞みたいだけど、お互いに愛している人へ向けた言葉のように思えた。
00301502014/01/27(月) 02:32:13.20ID:JKT4R8wX
 優と由香子さんと暮らすにあたって、あるルールを由香子さんから与えられた。同衾は許すけど、基本的に自分がいるときにセックスはしないこと。
 これはさすがに当たり前だけど、優と由香子さんの関係にも関係していることだと思う。今でもふたりは愛し合っているのかもしれないし。
 そしてご飯をなるべく一緒に食べること。また月に何度かは静さんのお店でご飯を食べる。簡単な約束は以上だった。後は細かい生活の話。
 私たちは、特に何の不満もなく暮らしていった。
 秋も深まったこの頃、私の胸はDカップまで成長した。細身で巨乳という体型には優がうらやましがる。
 身長が同じで少し優は健康的な分、ちょっぴり私より体重が軽い。それでも優は私にとっては抱き心地が最高だった。
「優は髪を伸ばさないの?」
「……悩みどころ。翼ちゃんは?」
「気に入ってたけど、ちょっと伸ばしてみようかな」
 髪型を変えるのも女の子の特権。ウィッグやエクステを使うのもありだけど、どうせなら地毛を使いたいよね。
「たぶん、しばらくは翼もこの身体のままで落ち着くと思う。ボクは翼と違って時間が掛かったけど、翼は一年もしないうちにここまでなったから」
「うん……」
 身体は形作られた。後はそれをどう魅力的に生かしていくか。それは私自身の問題だった。

 指名争いは難しくなってきて、同じ人と抱かれる機会は皆無だった。さすがにきついときは、ショーに出るだけでマネージャーが誤魔化してくれた。
 私の平日の出演を要望する人が多くて困っているらしい。もちろん、こういうことは過去にも何度もあったことだからと上手く対処はしてくれた。
 だけど、少し気を利かせて、隔週で日曜日にも出勤をしたりしている。
 お客さんにも色々な人がいる。射精させることを好む人や、女として扱うことを好む人。逆に私たちに抱かれたがる人。性的欲求は目まぐるしい。
 ある時、私はマネージャーからショーの間にお客さんと一緒にお話をしなさいと勧められた。
 積極的な女の子は、指名してくれた人と事前に話をしたりして、さらには同席した人とも交流を交わし、優先的に予約を獲得していった。
 私のように無作為に指名を受けるのも、少し不健康なので、お客さんと交流をしろということらしい。そのため今日の私はフリーという扱いになっている。
 仮面を被っているだけでは、優子だと分かってしまうからカモフラージュでショートカットのウィッグに髪の毛をまとめている。
 今日の衣装は背中の開いたセクシーなドレス。ヌーブラを使うのも初めて。いつも以上に谷間が目立って少し恥ずかしい。
「あ……お久しぶりです」
「よお」
 私が向かった席にはキリヤさんがいた。お互いに仮面を被っていても身体を重ねると、なんとなく分かってしまう。そして隣の仮面を被った女性は。
「こいつは、芹沢愛理だよ。知ってるだろ?」
 耳打ちをする仕草に呼ばれ、彼女の招待を知らされる。
 若手の清純派女優の芹沢愛理。まだ24歳できれいな人がなんで。
「女の客がいるのは一応分かっているよな」
「はい……」
 このお店のお客さんは男の人だけじゃない。女性で中世的な女の子を抱いたり鑑賞するのが趣味の金持ち女性はいる。
 中にはこれを縁にして男に戻ることを決断する人もいる。愛されるうちに迷っていたセクシュアリティに決着がついたということ。
 戻ってしまうことが歓迎されない訳じゃない。それもひとつのデータとして役立つからだ。ただ、若手の女優がなんで。
「初めまして、優子です」
「こんにちは。仮面を被っていても分かるわ。あなととてもきれい」
 深窓の令嬢という古めかしい言葉を思い返すほどのほっそりとした身体と長い黒髪。私や仲間たちと違う本当の女の子らしさを持った美人だった。
「……キリヤさんが言ってたわ。下手な女よりも女らしい奴がいるって……あなたを指名させて」
00311502014/01/27(月) 02:37:30.05ID:JKT4R8wX
 女の人からの指名は初めてだった。その夜、彼女が泊まる部屋に黒服の人に伴われてたどり着く。
 コンコン、とノックをしてドアを開ける。純粋な女の人とセックスをするのは久しぶりだった。彼女は、どうしたいんだろう。
 部屋の中に入ると、バスローブを羽織った愛理さんが座っている。顔のマスクは外しており、テレビや雑誌で見る姿よりも美しかった。
 何度か、その服装を真似たこともある。ちょっとだけ憧れたその姿。
「来てくれてありがとう」
「ご指名ありがとうございます。今晩は、優子で楽しんでください」
「もちろんよ……」
 返答が、少し艶めかしかった。そしてその悪寒にも似た響きに震えたと同時に、彼女はバスローブを脱いだ。
 黒い編み上げのブーツに、フルボンテージの姿の彼女は深窓の令嬢の真逆だった。これが彼女の本性。締め上げられるような気分になった。
「……ねえ……」
 ゆっくりと妖艶な瞳で私を見てくる。
「……あなた、痛いのは嫌い? それとも好き……?」
「痛いのは……嫌です……」
「じゃあ、快楽責めにしてあげるわ。安心して、あたしは女の子を抱いたこともあるから」
 大人しそうな外見をしていながら、抱かれたんじゃなくて抱いたことがある。それはとても怖くもあり期待すらしてしまう。
 少しだけ身体が熱くなる。期待に反応するクリトリスに軽い怒りを感じる。
「脱ぎなさい」
 命令には大人しく従う。彼女は手に取っていないけれど、バラ鞭がテーブルの上に置いてある。痛みを与えられるなら、あれを使ったかもしれない。
 どっちにしても私にはもう逃げることができない。男の人の汗臭さ、醜さ、油っぽさなんてキリヤさんに抱かれた後は少しも怖くなかった。
 だけど、こうして女の人に抱かれるような気がする状況だと、期待と恐怖が入り交じった処女だったころの私に引き戻されてしまう。
 彼女はボンテージの各所の留め金を外す。そして現れたのは股間の部分とおっぱいを露出した姿。ツーウェイスタイルのボンテージだった。
「快楽責めということは、私も気持ち良くさせなさいといけない。分かってるわね? それができなくちゃ、お仕置きよ」
 彼女は足下からトートバッグをテーブルの上に上げた。その中からは手錠が現れた。それを片手に持ってゆらりと歩き出す。
 そして、私を舐め回すように見つめながら、後ろに回り込み後ろ手にされたまま手錠を掛けられる。
「これで、あなたは動けないわね。脚まではさせないわ。後で、あなたのおまんこ味合わせてもらうんだから……」
 手袋に黒い手袋に包まれた指先がおまんこの入口に触れる。キリヤさんと一緒にいただけのことはある。彼女は私を屈服させることで頭がいっぱい。
 怖いようで期待してしまう。ごめんね、優。私Mみたい。恥ずかしい。
 ベッドに叩き付けられるように投げ出された私に、愛里さんは適格に胸の愛撫を始める。
 乳首を焦らす方法も甘噛みする方法も慣れたような動きだけど、優よりも若干、細やかな指の動きが私の中の火照りを呼び覚ます。自覚的に気持ち良いと感じた。
「さあ、今度はあなたの番よ」
 いつのまにかマウントポジションになっていたと思ったら、そのまま股間を私の顔に押し付けてくる。
「さあ、あなたのおっきなおちんちん、私のまんこに入れてあげるんだから、しっかり濡らしなさい!」
 そうやって口元におまんこを押し付けてくるから、私は慣れない姿勢のまま押し付けられるおまんこを舐め出す。
 手が使えなくて上手くできない。それに気づいたのかやっと押し付けるのを止めてくれた。ゆっくりと感じるようにラビアを舐める。やっぱり石鹸の匂いがする。
――――――――――――――――――――――
純女とニューハーフのAVもあるので、純女が来るのもありかなって思いました。
どうも覚醒した翼は今更ながら淫乱になっていたようで……性格変わりすぎかもしれません……。
00341502014/01/28(火) 00:06:03.77ID:1G+2Oj7B
投下します。
―――――――――
くっ……上手じゃない……」
 少し反応が良い。もしかしたら、あまり愛撫されたことが無いのかも。だから、思い切って私は膣の中に舌を差し込んでみた。
「えぁっ……やあっ……ふあっ……そこ……ダメぇ……」
 すごい感じている。もう愛液がどろどろと垂れてきて顔に掛かる。拭ってる余裕なんてない。
 そのままの勢いで、舌を抜き、一気にクリトリスを下から押し上げるように舐めると、
「やぁあああ!!!」
 大きな悲鳴を上げると同時に何かが噴出してきた。潮じゃない、おしっこだ。こんなに快感に弱いなんて驚くばかり。
 さすがにおしっこそのものを浴びたのは初めてだけど、意外に冷静。サンドイッチでセックスとかしたことあるから、こんなのも大したことに思えなくなってきた。
 少し危ないな。
 
 部屋にはシャワーもついているので、私は申し訳ないけれど、一度掛かってしまったおしっこを洗い流した。
「出てくると、愛里さんはボンテージのままベッドで体育座りをしている。少し顔はいじけている」
「……バカみたいでしょう……Sなのは本当なの。だけど、感じやすいの……
 本当は、あのまま、騎乗位になっておこうと思ったけど、ちょっとだけ舐めさせてあげようとしたら……あなた、上手すぎるのよ……」
「ごめんなさい……」
 すると少し睨むような目で私を見つめてくる。
「謝らないで、惨めだから」
 どうやったら機嫌を直してくれるかと思っていたら、
「私さ、清純派なんて言われてるけど、実際はこうやって上手くいかないといじけるし、エッチな気持ちになると相手を責めたくなっちゃうのに感じやすいの。
 イメージ通りに生きるのは楽に見えるけど、押しつぶしてると逆の意識が産まれるのよ……」
 訥々と話している彼女は、どこにでもいる気弱な女の子だった。
「……女子高暮らし長かったから、そこで責める方に興奮するようになっちゃって、ちょっと間違えてSM趣味まで来ちゃった。バカでしょ」
 この話を聞いていると、誰かを思い出させる。
「そんなことないよ」
 思わず手を取った。
「私も、昔、男だったことを嫌がって、それを押し隠していることが辛かったの。
 でも、今は好きな人もいて、女の子であることに不満なんてないの。あなたのこと、憧れてたよ。清純ってイメージ、それはあなたの一面でしょう? それは嫌い?」
「嫌いじゃない……」
「さっき、あなたが私を責めようとしたけれど、あれはあなただよね?」
「そう……だよ……」
「なら良いの。私は、どちらのあなたも好きって言える。みんなが知っているあなたは、私の憧れだし、私を責めようとしたあなたも隠していたけれど、本当の気持ちでしょう」
 すると体育座りを解いて、私に抱き付いてくる。
「……私、少し甘えん坊だったりもする」
「……私を抱たい? それとも抱かれたい?」
「……抱いて、甘えさせて」
00351502014/01/28(火) 00:06:49.86ID:JKT4R8wX
じゃあ、その服は脱いだ方が良いよ」
 素直に彼女は服を脱いだ。女優って大変なんだな。色んな人を演じていると、自分の核がぶれてくるのかもしれない。
「今度は私が責めてあげる……」
 感じやすさは凄い才能。さっきはおまんこ舐めてあげるだけで、愛液がどろどろ。寝っ転がった身体の細さは少し嫉妬できるくらいの美しさだった。
 お腹から腰、脇腹と舌を這わせるだけで、
「ああぁぁ!!! ひゃあ!! やぁぁっ!」
 とても良い反応。私も身体が震える。優とときどきセックスするときくらいしか、誰かに対して責められない。
 何度か出たショーでもつり上げられたり、サンドイッチ状態にされたり、普段のお客さん相手でも責められっぱなしだった。
 だけど、愛理さんの感じる声を聞くだけで、優とセックスするのと違う形で興奮している。私は女の子になって女の子とセックスしてる。
「やぁっ!! あああぁぁぁ!!!」
 乳首を舐めるだけで愛理さんは軽く仰け反る。
 もしかしたら、こんなに感じるのが恥ずかしくて、責め役やっている内に自分が感じるのを隠すために、どんどん責め役らしい気持ちになっていったのかもしれない。
 少し大変だな。自分で自分を騙すための演技をしているのかもしれない。でも、私にとっては少し気弱で甘えん坊で少しだけシニカルな彼女が本当の姿に見えた。
 それはそれで、女の子らしい姿だった。

「……ねえ、キスさせて……」
「は、はぁい……」
 感じすぎて、少しぼおっとした顔をしている。小さな顔。何人もの俳優が彼女に口づけはした。だけど、私は彼女の舌を絡めたキスをする。
 男なんかに彼女の一番深いキスを渡したくなんかない。
「軽く口を開けて、そう」
 目の前で喘ぐように私を見つめる彼女に指示をする。
 素直な犬みたいに口を開いたのを確認して、私は似たような形で唇を重ね、一気に舌を差し込んできた。口の中の熱い涎を味わいながら、私は彼女の舌と舌を絡ませて胸を揉む。
「んんっ! んんっ!!」
 口を塞がれながらの愛撫は辛かったみたい。涙、出ちゃった。可愛そうなことしちゃった。思わずゆっくりと話す。
「……酷いよ……こんなに気持ち良くて、辛いと思ったら、やっぱり気持ち良くて……」
「ごめんね……可愛いからつい……」
 私も彼女と並んで寝転がり、頭を抱えるように抱きしめた。
「ねえ……優子さん」
「なあに……」
「優子さんってバイなの?」
「今はそうだと思う……正確に言うと、ビアンよりのバイかな?」
「良かった……私、優子さんに嫌なことさせているのかと思ってた所だから……」
「さっきまで、私を責めようとしてたのに?」
「もう! 意地悪……」
 やっぱり年上でも若さを感じるあどけなさを持っている。
 そうして、ゆっくりと私は膝立ちになり、ゆっくりと愛理さんの両脚を開かせた。そっとおまんこに触れて、入口の湿り気を確かめてみる。
 数少ない体験から、かなり濡れていることを確認する。
「大丈夫……かな?」
「はい……でも、良いんですか……あんまり出すの好きじゃない人もいるって……」
「ねえ、愛理さん。これは、私のクリトリス。ちょっと大きすぎるクリトリスなの。これで女の子同士のセックスをするだけなんだよ。だから、好きに感じちゃって」
 すると彼女はクスクスと笑い出す。少し変な冗談だけど、彼女はそう受け取ってくれたみたい。
 何も気に病まない。それでも、さすがにコンドームはする。彼女はどう思うか分からないけれど。
「じゃあ行くよ……」
「ああ……来て……」
00361502014/01/28(火) 00:07:22.04ID:1G+2Oj7B
ゆっくりとクリトリスをおまんこに差し込む。ああ、女の人の感触だ。いつぶりかの温かさに少し腰が震えた。
 思い出す射精感。優のおまんこと彼女のおまんこの中。温かくて懐かしい。
「ううっ……動いて……」
 もどかしそうな顔で問いかけられた。可愛い。細い身体の汗ばむ肌。ああ、クリトリスが反応している。私はゆっくりと動き出した。
「うあっ……やあっ!! はぁっ!!」
 困惑気味な声で愛理さんは喘ぐ。私は腰から背中にかけてジワッとした快感が少しずつ意識させられる。
「乳首勃ってるよ……」
 少しずつ浅い挿入に切り替えて、ピンっと勃起している乳首を摘んでみただけで、ガクガクと腰が震える。
「ああっ!!! あうっ!!」
 乳首で感じで、反動で浅く入ったクリトリスが深く入って。愛撫するだけでも大変だ。
 不思議だな。ファッション誌で爽やかなイメージを感じさせていた、少し憧れていた女の人を私が抱いているなんて。
 だけど、身体を重ねて少し話してみたら分かる。自分ではないものを演じる不確かな不安。何か、少しだけ分かる気がした。
 女の子になろうとしていたばかりの私もそうだった。男から女になる境界線にいたときほど危うかったものがなかった。
 優がいてくれたから、私は女の子になれた。優が愛してがくれたから。
 私の下で喘いでる女の人。少しだけ分かってきた。どこか不安定なところが少しだけ似ている。そう思うだけで、腰の動きが勝手に速くなる。
 まるで自分とセックスしている気分になってきた。劣情が勝手に強くなってきた。イカせてあげたい。私をイカせてあげたい!
「やぁっ!! もう、ダメ、ああっ!! なんか、来る……やあっ!!」
「ああ、愛理さん、私もイッちゃう! 一緒に! 一緒に!」
 腰をもっと押し込むように、クリトリスを彼女の子宮に届かせるくらいに。
「ああっ!! イクーッ!! ああああぁぁぁ!!!!」
「イッちゃう! あああっ!!!」
 激しい疲労感と同時に私から漏れ出した愛液がクリトリスを濡らす。
 愛理さんは少し白目を向いて「おちんちん凄い……熱い……」とうわごとのように何かを呟いていた。
 
 少し落ち着いてコンドームの処理を終えてから、愛理さんの頭を撫でる。
「ごめんなさい……少し……腰抜けたみたいになって、ちょっと立てない……」
「良いよ。私も、普通の女の子とセックスするの久しぶりだったから、少し新鮮」
「優子さんって……同じお店で働いている人が好きなの?」
 キリヤさんだな。きっと優のことを教えているのかもしれない。
「……由香っていうの。私が好きな人。私が世界で一番好きな女の子」
「愛しているんだね……」
 少しトロンとした顔と声で私に微笑みかけてくれる。
「私ね、キリヤさんに教えてもらってこの店に来たの。業界人で私みたいなバイセクシュアルは多いけど、ドラマの打ち上げの流れでキリヤさんに抱かれちゃったの。
 私、男の人と何度か寝たことはあったけど……あ、枕営業とかじゃないから。共演したイケメンの子とか……あんまり満足できなかった。
 むしろ支配するくらい責めたかった。だから、キリヤさんとベッドに押しとされたときは、少し、またかぁなんて思ってた。
 だけど、あの年齢で性欲も強くて、私は何度もイカされちゃった。あの人、最後に『愛してる』って言わせたのよ。
 奥さんも子供もいるのに悪趣味よね……だけど、やられちゃった……未婚の母になりたければ早めに声掛けろよ、なんて言ってきて……悪党、ってあの人のためにある言葉ね」
 悪口のはずなのに愛理さんは嬉しそうだ。本当にキリヤさんって人は。
「それで……お前が好きな形で女が抱ける場所を教えてやるって、ここに連れられてきたけど……だからってニューハーフ?
 なんて思ってた。でも、最初のショーできれいな人が出てて、モデル上がりの女優が霞んで見えたわ……あれには参ってた所に、あなたがやってきた。
 ほっそりとしてるくせに巨乳で、だけど折れそうな印象を持っていて、少しいじめがいがありそうだったけど……結局、経験の差かな?」
 そう言いながら心地よさげに目を閉じる。確かに今夜の瑠璃さんはきれいだったな。
「今度指名できたら、あなたのおまんこペニバンで犯しちゃうから楽しみにしてねって……本当は今日がそのつもりだったんだけど……」
 思わず笑ってしまった。その後は愛理さんが眠るまで感じない部分を触りながら、いたわるような後戯を続けた。
00371502014/01/28(火) 00:08:20.39ID:1G+2Oj7B
ある程度、出勤を繰り返すと、私の指名客がある程度、固定されるようになってきた。
 キリヤさんに抱かれる機会が増えたり、愛理さんやビアンだって噂の女優までやってきたりした。私は不思議と女性の指名がお店では一番多かった。
 そういう状況だと陰口も言われる。「どうやって取り入った」とか「キリヤさんのお気に入りだからって……」というような話が。
 いじめが起こらないのが奇跡みたいだった。優の風当たりも心配したけど、そんなことはないと安心させてくれた。
 冬になり、クリスマスが終わるまでは私も特別出勤でショーに出た勢いのまま、男の人に抱かれたりするといった割とハードなスケジュールを過ごした。
 さすがに優も休みのときはセックスなんてする気になれなくて、私たちの年末のコミュニケーションは同衾して抱き合って眠るくらいしかできなかった。
 優と由香子さんに静さんの四人で年越しを迎えて、初詣にも出かけた。静さんお手製のお節とお雑煮はさすがだった。お正月、平和だけど食い気に走るのが悩みどころ。
 そして、一年が経過する。私は二十歳になった。
 春に長い休学から復帰した優と二年生という形で一緒にキャンパスを歩く。私たちのことを知っている人はいるけど、知らない人も多い。
 奇異の目では見られない。普通に友達同士で歩いているとしか思われない。実際は恋人なんだけど。
 由香子さんは優を私に任せて先に卒業。ライター活動を本格化させている。最近はラジオの放送作家やエッチなエッセイみたいな文章までこなしている。
 静さんが忙しすぎ、と少し怒っていた。冗談気味に大っきなマンション借りて四人で暮らさない? とまで言ってきた。
00381502014/01/28(火) 00:08:53.23ID:1G+2Oj7B
どうやら静さんも割と寂しがりやみたいだ。もちろん約束は果たしているからできる軽口。
 由香子さんは泊まり込むことがなければ、私たちとご飯を食べ、月に少なくとも二回は静さんのお店でご飯を食べる。
 そして、定休日の前日には静さんの部屋に泊まり込むことも多い。そうして、そういう日は許しを得たかのように、優と私は激しいセックスをしていた。
 授業が休講になってしまって、バイトや仕事が無いときは決まって貪るように疲れて眠るまでお互いの身体を味わった。
 身体の変化に関してはもう治まっている。優はとても肌つやが良く、服装や髪型をいじれば美少年って印象だけど、
 女の子らしい服装と髪型をさせればボーイッシュで可愛らしくなる。23歳が目前とは思わせない幼い印章がギャップを感じさせる。
 正直言えば、私はDカップで充分だったのに、Eカップまで成長した。少し太ったというのも原因かもしれない。もちろん気にするレベルじゃないのは分かってる。
 だけど、優も言っていたけどあまり気に入ったブラが見つからないのが悩みだった。
 そして、髪の毛はあえて長めのショートカットにした。どうせすぐにセミロングまで伸びるし。これは愛理さんの真似をしている。
 なぜなら、愛理さんは最近は舞台で男装をする女の子の役をやることになって、ロングの髪の毛を思い切って切ったらしい。
 ある日、指名を受けて訪れたら、ショートカットになった彼女がボンテージ姿で待っていたから。
 そして、男言葉でペニスバンドをフェラさせられたり、おまんこに挿入されたりと、最近は私の方がほとんど受け身になっている。
 だから、どこか似ている部分を持つ彼女の無くしたものを真似してもバチは当たらない。まねっこって言われたら、そうだよって笑い返すんだから。
 勉強は順調。単位を落とすことはまず無い。それに貯金も驚くほどある。お金は掛かってもエステとかでのレーザー脱毛くらい。
 優も私も体毛は薄いけど、私の場合は髭を残してほとんどの脱毛が終わってしまった。
 牧村先生も知り合いの人にやっていて由香子さんも利用しているから特に問題は無い。
 私たちのようなお客さんも対応するお店だから、私みたいにすぐに脱毛が充分な量を行える例は皆無らしい。髭もすぐに生えてこなくなるとか。
 生えるとしても、少しホルモンバランスを崩した女性が生やす程度の量だから、女性としての髭の量としては適正な量に後一歩らしい。
 優も脱毛とかはとっくに終わらせていて、フェイシャルエステをたまにやっている。優の場合は顔のスキンケアに熱心だから、いつも健康的。
 後は、資格を取得してちゃんと働けるようになったら、完全に性別適合手術を一緒に受けるという約束を優とした。
 優は迷っていた気持ちはあったけれど、女の子でいるのが自分は自然だって受け入れた。由香子も認めてくれた。
 それでもボクって口癖は止められないみたいだけど。
 私はその覚悟はとっくにできている。ただ、優が本当に女の子だったらなぁ、と最近、思うこともあったりする。
00391502014/01/28(火) 00:14:39.40ID:1G+2Oj7B
今、東京駅の中を私は歩いている。待ち合わせをしているから。それにしても銀の鈴で待ち合わせなんてベタベタで苦笑した。
 ふたりとも相変わらず、馬鹿正直なんだから。そんなことを考えて、広場には体格の良い二人組がきょろきょろと周囲を見回している。
 まだ五分前なのに気になってしょうがないみたい。だけど、そう思うのも無理は無いよね。今の私は整形でもしたのかってくらい見た目が違う。
 お化粧に関しては今日はナチュラルメイク出限りなくすっぴんに近いけど、やっぱり昔の私じゃない。
 そうして、ふたりの前で立ち止まる。
「……久しぶり。陸兄さん、海兄さん」
「「……翼、なのか……」」
「うん……」
 ふたりは私の姿を見て少しだけ絶句した。困惑というのが強い。話だけは聞いていたけど、一年以上会わない間に、弟が女の子の姿で現れたら驚きよりも混乱の方が近い。
「……声、変ったから分からないかもしれないけど……肘のここ……」
 私の肘には木の枝が引っかかって少し深い傷ができている。
 もちろん目立つものじゃなくて、肘を曲げない限りは気づけないものだし、肘を伸ばしても意識しない限りは分からない。
 ノースリーブのワンピースを着ていたのはこれをすぐに見せて納得させるためだった。
 陸兄さんと海兄さんは一卵性の双子で、正確も勉強の成績も殆ど似ていて、同じ大学でラグビーまでやるといったくらい同じだった。
 さすがに会社は違うけれど、片や銀行員で片や証券マン。分野が金融で被っている。そしておまけに働いている場所が丸の内という。
 そしてお気に入りのお店が同じだっていうくらい気の合うふたり。家の家族の共通した、しっかりと生きていく感覚を字で表しているくらい真面目で常識人。
 そして、今は銀座の洋食屋さんに来ている。積もる話はあるけれど、今はどうしているかということ。私は掻い摘んで、優と由香子さんと一緒に暮らしている。
 姉はふたりも知っているくらいの雑誌でも記事を書いているライターで、妹は私と同じ立場の人間だということまでは説明した。
「……それってゲイってことなのか……」
 陸兄さんの言葉に私は否定の意味で首を左右に小さく振る。
「……私に彼女がいたことは覚えている? そう。彼女のことは本当に好きだった。だけど、私は彼女が好きでいても、自分が男であることに耐えられない気持ちの方が強かった。
 だから、今、こうして女の子になっているの。高校生くらいの頃から、ずっと女装していたくらい……私は自分が男だったってことが嫌だったの……」
「正直言えば、兄貴も言ってたけど、俺は兄弟にしては小柄だし俺たちみたいに体力で押し切るタイプじゃないから、ただ単に母さん似だって思っていた。
 だけど、母さんの若い頃の写真を見せてもらったら、今のお前にそっくりだ。しかも……お前の方がどうしてもきれいに見える……」
 海兄さんは困ったような顔をしている。どう考えても女の子にしか見えないことに困っているのかもしれない。
「それで……お前は……その姉妹と一緒に暮らしていくけれども……姉と付き合っているのか?」
「ううん……私は妹の、優って子と付き合っている。えっと……この子」
 スマホの待ち受け画面は優と私が一緒に写っている写真。ふたりで由香子さんが撮影したカメラではにかんでいる写真。
 優のスマホにも同じ写真が待ち受け画像に使われている。
「……やっぱり女にしかみえない」
「本当に……」
00401502014/01/28(火) 00:15:17.85ID:1G+2Oj7B
 兄たちの困惑はギリギリのところで止まっている。
「誤解されることは分かっていて言うけど、私は優のことを女の子として思っている。もちろん彼女も私のことを女の子として好きでいてくれる。
 ただ、下半身はまだ男の人と同じなんだけど……だからってお尻を使って……なんてことはしていないの。裸で抱き合ったりするだけでも満足できたりするから……」
 嘘も混ぜて説明をしなくちゃいけない。
 由香子さんが取材したゲイの人によれば、テレビに出ている人みたいに開放的じゃないし、
 ゲイはアナルセックスをするものだっていう間違った偏見を持たれるのが困るという意見の人もいるんだって強調していたらしい。
 ただ、今の説明だけでも兄たちにとっては男同士で愛し合っているということしか思わない。
 そしてしばらく食事を黙々と続けた。ハヤシライスは東京に住んでから何度も食べている。
 やっぱり銀座だけあって、本当においしいんだけど静さんの作るものと若干、負ける気がする。ひいき目かな?
「……海にも俺にも付き合っている女がいる。まだ、お互いに突っ込んだ話はしていないが、結婚したいとは思っている。ただ、お前のことは教えていなかった。
 弟がいると言えば良いのか、妹がいると言えば良いのか……ただ、今日、お前を見た限りでは、どう考えても妹として紹介するしかない。
 それの確認をしたくて今日、ここに呼び出した。来てくれてありがとう……」
 一応、家族とは完全に切れてはいないことが私のひとつの未練だった。そして、これは断ち切ってはいけないと自覚した。
 ふたりとも27歳で結婚を意識する年齢が近い。話を聞けば、ふたりとも順調に出世をしていて平均的な家庭を築いていけそうに見えた。

 女の子のなって二年目。兄と会ったことは良かったと思える。お互いに10代じゃないことを自覚している。自分の人生は自分で決めていかないといけないって。
 春、夏、秋、と勉強をしてお店に出たり、バイトをしたり優とデートをしたりセックスをしたり私としては順調な日々だった。
 そうして冬になり大変なクリスマスを終えて、平和な年末年始を過ごして、私は成人式に出ることになった。
 実は住民票を私はまだ移していない。地元に戻るつもりでいる、なんて嘘をついて進学したものだから。
 それで、地元の成人式の案内状が届いていた。母は大事な郵便物とかはわざわざ転送してくれている。
 私は、少し怖かったけど今の姿で成人式を迎えられれば、もうひとりの女の子としての人生が始まるんだっていう良い機会に思えた。
 長い電車の時間を過ごして、地元の駅に戻ってきた。約束通りロータリーで母が車に乗って待っていた。
 私が車に近づいて、窓から確認するように見つめてくる。少し悲しそうなのは女装では済まない形で女性の姿になっている私の姿のせいかもしれない。
「さすがに……家には帰れないわ……それで……翼、あなた……振り袖を着てみたいって思ったりしてたかしら?」
 お母さんの問いかけはちょっと悩んだところだった。振り袖を買うくらいのお金はあった。
 だけど、そんなものを着てお母さんに会うわけにはいかなかった。一度だけ、顔を見せてってお願いされたから。
 礼服のつもりで仕立てたレディースのスーツ。パンツスタイルのものでも良かったけど、今日はタイトスカートを履いている。
 もうハイヒールを履くのなんてとっくに抵抗なんて感じない。装いは成人式を前にした女子大生って感じ。
「うん……ちょっと高いから遠慮したし、レンタルでここまで来るのも難しかったし」
 嘘をつく罪悪感が少し苦しい。私が身体を売ってお金を得ていることだけは知られたくない。きっと泣いてしまうだけじゃ済まない気がするから。
00411502014/01/28(火) 00:21:17.47ID:1G+2Oj7B
 隣町の見知らぬ美容院に連れて行かれた。
 知り合いの美容師さんで、お店では着付けとかもやってくれているようで、私は着る予定ではなかった振り袖を着ることになった。
 レンタルだけど見せてものはよりどりみどりだった。
「ちょうど良いサイズがあって良かった。最近は振り袖着ない子も増えているから、着てくれる人がいて嬉しいわ」
 年齢はお母さんと同じくらいの人。町の美容師さん、というのはたくさんいるけれど、私の知っている限りではこういう細かなサービスをやってくれる人がいるのは知らなかった。
 そして、言うまでもなくヘアメイクもきれいに整えてもらった。
 一応、スカートを履くときはサポーターみたいなものでおちんちんが隠れるようにはしているけど、そういうとこで怪しまれないか怖かった。
 念のためインナーを着込んできたからすぐに分かるものじゃない。寒がりで良かった。
「……良く似合ってるわ……ありがとうございます。それじゃあ、娘を送っていきますので」
 お母さん。

「あの人、私のこと知っているの?」
 成人式が行われる市内のホールまで車で送ってもらう途中、思わず訪ねてみた。
「違うわよ。あなたは、友達や知り合いに家族構成までベラベラと話す?」
「うーん……よっぽど親しくないと話さない」
「そういうことよ。よくよく井戸端会議で他人のことを話をする人はいるけれど、あの人は別。
 旦那さんが堅い仕事をしているみたいだから、そういう話が好きじゃないの。
 それから、彼女とは個人的につきあっているから彼女の周辺の人のことは私のことは知らないのよ」
 少し勉強になる。お互いに知り合っていても、知らないことはある。それでも親しみをもって交流できることが大人の付き合いだ。
 20歳になったのに、知らないことが私には多すぎる。自分らしく生きるために、こうやっているのだかっら、少しでも着実に。
「ところで……翼は、気持ちの方も今は女の子になっているのね……声も話し方も変って……」
「……お父さんはどうしている?」
「心配はしていたわ。陸と海みたいにひとりでもやっていけそうなタイプだとは思っていなかったみたいで。
 もちろん、まだあなたがそういう姿でいるとは知らないけれど。私は今日はパートに出ていると嘘はついているし」
 随分と会っていない。兄さんたちは拒絶しないで受け入れてくれている。
 長い知り合いに説明するのはすぐには無理だけど、付き合いの短い人なら妹がいるという話くらいはできるかもしれない。
「それで……やっぱり、あなたは男に戻ろうという気持ちは無いのね」
「……うん……それだけは無い……」
「あなたは昔の彼女……カホちゃんだったかしら……あの子のこと随分、嬉しそうに話していたけれど……あなたは男の人じゃなくて女の人が好きなの?」
「そう……だから、自分の気持ちはただの勘違いだって思ってた。
 だけど、彼女と付き合ってから自覚したんだけど、自分が男だということには耐えられなかった。
 今だから話すけど……私、高校生の頃から女装をしていて、外を歩いてたりしたの。それくらい……男であるのが嫌だった……」
 そう言った途端、すぐ側のコンビニの駐車場に入ってく。
「どうしたの? なにか買うの?」
 そして車を駐車場で停車させ、サイドブレーキを引いてレバーをパーキングに合わせる。そして顔を伏せて、
「ごめんね……女の子に産んであげられなくて……」
 そう良いながら静かに泣き出した。、
「五分だけ待って……ちょっと、我慢できなかっただけだから……」
 私は悪い娘だ。お母さんに、色々なものを与えてもらったのに、今慰めることもできない。
 今の私が将来、何をすることで恩返しをすることができるか。そんなことすらひとつも考えることができなかった。
―――――――――――――――――――――――――
長くなったあげくエロくなくて申し訳ないです……
たぶん、同じことの繰り返しになっちゃうので変化少ない状況の時はカットしちゃってます。
というか、マンネリっぽくなると筆が止まるので……。
0042名無しさん@ピンキー2014/01/28(火) 01:14:05.10ID:3ew8nyHp
つC

いやいや、日常?パートも大切ですよ。
これがあるからエロシーンがより引き立つ。
00441502014/01/30(木) 00:30:20.97ID:LN7cTWys
支援感謝です。余談ですが、>24 の「愛してる」と言わせようとするのは、
村山由佳という作家の『ダブル・ファンタジー』の一節をパクった物です。
――――――――――――――――――― 
 ホールの近くで車から降ろしてもらった。本当は長く一緒にいたかったけど、今日は成人式だけ終えれば東京に戻るつもりだった。
 そもそも、知り合いや友達がいる地元に今の姿で戻るなんてリスクを犯すなんて何を考えているのかと思うかもしれない。
 ただ、お母さんも兄さんたちも最初にいすぐ私には気づけなかった、というよりも気づかなかった。話しかけない限り気づかれなかった。
 今の私が同い年の中に紛れて、普通でいられればそれで今までの私の人生とある意味では、区切りのようなものができるかもしれない。
 それについては優もそれが良いと言ってくれた。でも、優も由香子さんも両親との気持ちの決着がついていない時期だったらしい。
 それを思えば、私だって決着はついていない。お父さんにカミングアウトして、それでどうなるか。
 これでも、小さいときから尊敬してたし、好きだったんだよ。

 長い長い祝辞やら何やら。私はとても退屈な気分だった。だけど羽目を外す人は少なかった。
 みんな懐かしがって写真撮影をしたり話をしたりと騒がしかった。
 私は何度も同じ高校に通って親しくしていた男の子や女の子とすれ違って目があっても、誰も私だとは気づかなかった。
 そういうことで油断していたのかもしれない。
 成人式が終わり、振り袖を帰し、駅のロータリーを歩いていたときだった。
 前を歩いていた女性が思いっきり転びそうになって、慌ててその手を掴んだ。
「へぁっ?」
 急に動きが止まったのか変な驚きの声を出す。そして少し体制を立て直して私と向かい合った人の顔を私は知っていた。
「ごめんなさい、助けてもらって……」
 本当なら、ここで私はすぐに歩き出すべきだった。
「いいえ。大丈夫ですか?」
 気持ちはぎこちなく、だけど早く去るべきだった。だけど手を離せない。
「……えっ……」
 気づかれた。
「……まさか、翼くん……」
 目の前にいたのは私が男の子だったときの元カノのカホだった。
 さすがに逃げることができなかった。手を離そうとしたら、両手で腕を持って「逃げないで!」と責めるような視線で私を見つめてきたから。
00451502014/01/30(木) 00:32:43.69ID:LN7cTWys
 手の感触と顔を見た瞬間に確信をした、と彼女は言った。
 駅前のファミレスで奥まった席に案内してもらっている。
 周りは成人式の帰りで地元の人も多いけど、地元に帰ってきた人も混じって久々の旧交をギリギリまで楽しもうとしていた。
「……二年振りかな」
 私は、何も言えなかった。別れを切り出しのは自分じゃなかったから。
 告白も別れも彼女が主導権を握っていた。そして、こうして再開したときも主導権は彼女にあった。
「うん……なんていうか……その……」
 言葉なんて発せない。さっきは厳しい声で引き留められたけど、相変わらず大人しめ印象を与える。
 パンツルックのスーツを着ていて、私と似たような形で成人式に来ていたみたいだった。
 人づてに彼女は県内の国立の大学に通っている話は聞いている。通うには少し遠すぎるからひとり暮らしをするみたいなことまでは。
「……わたしね、あれから結構、色んなこと考えてた。翼くんは、わたしのことを嫌いじゃなかった。
 自惚れじゃなくて確信していた。問題を探しても、見つからなかった。どちらかというと、わたしが努力してもどうしようもないものだった。
 だから、あのときに別れて正解だったとは思っている。あのまま続けても、どっちかの心が限界に達したと思う。
 やっぱり、というよりもなんとなく感じていたのは、あなたが女の子だったんじゃないかなってこと。
 もちろん、オネエ系みたいに開き直っているタイプじゃなくて、凄く内に秘めているタイプ。
 もちろん、じゃあ何でわたしと付き合っていたんだろう、って考えていたら、LGBTの関係の本をたまたま読んだとき、
 身体と心の性が違っても恋愛対象が心の性の側にある人もいるということを知った。
 もしも、それをわたしが知ったところで、きっと何も助けられなかったかもしれないし、助けることができたかもしれない。
 そういうのって、少し今ならもったいない気がした。だけど……」
 彼女は不安と興味が入り交じった表情を浮かべて慎重に訊いてきた。
「……やっぱり……もうホルモン治療とか始めているの?」
「……正確に言うと、ちょっと違う。男性機能を失わないけれど女性化する特殊な薬があるの。
 ただ、わたしの場合は男に戻るつもりはないけれど、まだ今すぐに決めるのは良くない気がして、その薬を使っている今こうしている時点で、
 もう男に戻る気はなかったんだ。今日、来たのはお母さんに顔を見せに来たのと、成人式に出て今までの自分との区切りみたいなのを確かめにきたの」
 すると彼女は目を伏せた。そして何だか残念と言いたげな顔でつぶやく。
「わたしね……今は恋人がいるの。それで、冗談みたいな話だけど女の人なの」
 動揺を抑えようとした。それでも軽く暗澹たる思いがあった。
「……あのときのわたしにそこまでの狭量なんてきっと無かった。それでも、今のわたしなら気にならない。
 今はルームシェアなんて言って同棲もしてる。肉体関係もある。女の子に恋をするなんて初めてだった。
 年上で大学の先輩……緑さんっていうの。美人だけど、ちょっと危なっかしい人だった。
 メンタル的なところが。それで甲斐甲斐しく、交流していたら……なし崩し。
 だけど、危ないところがあるから、しっかりと世話をしたし恋とは別にある精神的な面も学校のカウンセラーが優秀な人だったから、
 昔よりはよっぽどマシになったけれど……」
 たぶん別れる前に告白したところで彼女は理解できなかったと思う。それに理解したとしても、今までと同じように付き合うことはできなかった。
 複雑な形の交流になったかもしれない。
「……私も、今は恋人がいる。一番大切な女の子」
 だけど身体にはまだ男の子が残っている。
00461502014/01/30(木) 00:34:31.14ID:LN7cTWys
そっか……受け入れてくれる女の子がいたんだ……」
 少し寂しそうな顔をする。少し何かが違っていたら、そういう未来もあったかもしれない。
 そんな可能性のことを言われると自分が酷く間違っているような気がしてくる。やっぱり逃げなくちゃいけなかったんだ。
「正直、昔から男の子なのに身体つきも特に手なんか繊細で、未だに感触覚えていた。それで、よく顔を見たら懐かしさみたいなのがあって、
 疑問よりも先にあなただって気づいた……成人式で、あなたの友達に聞いたけど見ていないって言われて、真面目な人だから来ないはずがないし、
 わたしは今は元気だからって会って伝えようと思ってた。少しでも、今のあなたが幸せかどうかだけ確かめたかった。
 あの頃付き合っていたことが、わたしたちにとって嫌なことじゃないってこと確認したかった。
 わたしのひとり相撲みたいな形であっても……だけど、こんな形で再開するなんて思わなかった。勝手な気持ちぶつけるようだけど……」
 彼女は糾弾している訳じゃない。みんな成人式で二年くらいの歳月や高校では別れたけれど、再開しての交流といったことを確認している。
 だけど、私たちは違う。どこか普通とは明らかに違う道にいる。それがたまたま今、この時間に重なった。
「……今、こう質問するのは酷だと思う。未練がましいかもしれない。お互い、恋人がいるのにこんなこと聞いちゃいけない気がした。
 だけど、だけど……ねえ翼くん、わたしのこと好きだった? 無理して好きな振りをしていなかった? それだけは教えて」
「……好きだった。それだけは絶対に」
「ありがとう……」
 これであの複雑な別れ話から自分たちは一歩進むことができたのかな。それは分からない。

「ごめんね、時間取らせて」
「ううん……正直、会うなんて思わなかったし……それに気持ち悪いとか言われなくてうれしかったし」
「それは、お互い様。レズビアンなんて気持ち悪いなんていう人は普通にいる。
 正しくはバイセクシュアルなのかもしれないけどね。どちらにしても、わたしはそうは思わない」
 そしてふたりして店を出て、改札を抜けた。私は上りのホームへ。彼女は下りのホームへ。
「それじゃあ、またいつかね」
「翼くん……わたしのアドレス、まだ全部同じだから、何か相談会ったら連絡してね」
「……うん。私も、アドレスは変えていないから。連絡はしても良いから」
 そう言って別れた。後ろ髪は引かれなかった。彼女が不幸にならなければ良いとは思った。
 だけど、彼女が今、女の人と付き合っていることの一端は、私にも原因があるような気がした。
00471502014/01/30(木) 00:36:10.16ID:LN7cTWys
 長い電車の時間。自然と都内に入ってくると人は多くなってくる。ふと視線の先には母親に手を引かれた小さな女の子がいた。
「ねえ、ママ、まだつかないのー」
「次、止まった駅よ」
 今日は祝日だから親子連れが多い。出かけて帰路に着く頃。私も似たようなもの。
 だけど、なんだか当たり前のことなのに、今日ほど電車の中で孤独を感じることはなかったかもしれない。
 幼い子供の姿を見てると、小さな時を思い出して、今の私にたどり着く。そしてその先の未来に似たような光景を見ることは望めなかった。

 アパートに戻ると、優が身支度を終えて出勤までの時間を潰すように雑誌を読んでいた。
「お帰り、翼」
「うん。ただいま」
 そのまま私は、コタツに向かい合わせに座る。
「……成人式、どうだった?」
「お母さんが、振り袖着せてくれた……」
「いいなー、ボクのときはお姉ちゃんもボクも着てる暇無かったから……来年のお正月とか着ようかなぁ、
 平日だとお店の衣装、私服で良い日があるんだよね……振り袖とか着ちゃおうかな。帯ぐるぐるされたりして」
 楽しげに笑う。だけど私としてはとても浮かない気持ちをしている。そういうものは優にはすぐに分かる。
「……どうしたの? 楽しかったんじゃないの……」
「ううん……振り袖着れたのは嬉しかった」
 だけどお母さんを泣かせた。
「だけど、モトカノにばれちゃった……」
 あんまりこういう話はするつもりは無かった。優だって由香子さんとの関係は滅多にしない。
 お店のお客さんはあくまで割り切っている。私たちが出会う前の話。
「……私が女の子になりたいの、やっぱりどこかで気づいていたみたい。今は、私のせいかな……女の子とつきあっているって……」
「ふーん……」
「たまたま、転びそうになったのを助けただけなの、だけど、それで顔を合わせたら私だって……」
 話している側から言い訳がましく感じてきた。やましい気持ちは全くないのに。
 だけど、優の気のない声が罪悪感のようなものを刺激する、
「……時間だ……じゃあ、ボク言ってくるよ」
「あ、いってらっしゃい」
「後、翼、今日はボク泊まってくるから、ボクのベッドで眠らなくて良いから」
 そう言いきって、優は玄関のドアを閉めた。無言の部屋にはドアの閉まる音とコタツの熱源の微かな音しか残らなかった。
00481502014/01/30(木) 00:36:58.15ID:LN7cTWys
 翌日、言葉通りに優は帰ってこなかった。由香子さんは、遠出の取材が減って、最近は近場のお店などの記事を書いている。
 静さんに怒られるから要領良く取材対象を旅行記事から、新しいお店とかの特集に切り替えてもらったとか。
 そして今日は朝から、今度の週末の予定を聞かれた。
「グルメは、静さんに怒られちゃうから、新しくできた雑貨屋とか行かない?」
 取材先の写真を見せてくれる。カラフルなお店の中には文房具や食器類と様々なもの並んでいて、とても面白そうだ。
「きれい」
「でしょでしょ。わたしも、最近はこういうところに行ってなかったから、少し退屈してたのよ」
 こういう話をしていると女の子っぽい会話。楽しい。だけど、優は帰ってこない。
「……ところで、優は泊まりだって行った割に帰ってこないわね……翼ちゃん、今日の授業って午後からだっけ?」
「はい。だから、後、ちょっとで出ないと……」
「店に荷物持って行くわけないしね……」
 あのお店で働くときは、足が着くようなものは装着してはいけないし、持ち込んではいけないという規則がある。
 だから、私も優も基本的には財布を二つ持っている。仕事用の物と個人的な物。
 前者の必要性はチップを貰ったときとかに必要だったり、車の待ち合わせ場所などへ行くときのお金くらいは必要だから。
 いつもいつも家の前とかに止めてもらうわけにはいかない。怪しまれるから。
 それにお店用の携帯電話。基本的には連絡だけのやりとりしか行わない。体調が悪いから休みます、とか。
 中には身内の不幸で休む例や、プライベートでパートナーがいるにも関わらず浮気用の電話に使って、行方知れずになった人もいる。
 ただでさえ、危険な領域にいるのに火遊びをしたがるのが分からない。
「電話、してみる? 意外とお寝坊なところあるから」
「でも、そこまで長く私もいられませんよ」
 これも規則だけど、どんなに長くとも朝の九時には撤収をしないといけない。
 黒服の人が朝食のセットとかを用意してくれるから、そこまでお客さんと楽しんだなんてことはあったけど、それ以上は無い。
 お互いに身支度を調え、更衣室でメイクを落としたりして十時には泊まり込んだ女の子たちは帰路に着く。
 十一時だから、いつもは学食によってランチを食べてから授業に行くっていうのがいつもの感覚なのに。
「しょうがない。今日は授業が終わったら静さんのお店に来なさい。お姉さんがコーヒーくらいは奢ってあげよう」
 気を使ってくれている。ちょっどおどけるのが由香子さんらしい。
00491502014/01/30(木) 00:42:17.31ID:LN7cTWys
 もちろん授業に優は来なかった。知り合いに聞いてみたけど、優のことは見ていないと言った。
 さりげなく使ってるつけまつげのことを聞かれた。私のことは女としてみてくれているのがありがたい。ただ、事情を知っている男の人は奇異の目で見てはいる。
 ふたコマの授業を終えて、もう夕方になる。去年はこの長い時間が少々、辛い物があった。
 でも不思議と慣れれば大したことはない。あるとすれば、いつもと違うことで少しの疲労感があったりする。
 優が一緒にいるのといないのとでは安心感が違いすぎる。
 新宿駅を出ると空はもう暗い。遅い授業のときは優と手を繋いで歩いているのに。
 たまたま一緒じゃなくても、家に帰れば待ってくれている。いないときでも明日になれば、って気持ちの余裕はいつでもある。
 だから、だから。
 歩きながら泣けてきそうだった。一月はとても寒い。二月はもっと寒い。やっぱりカホの話なんかするんじゃないかった。
 あの日のことはそれだけじゃなかった。お母さんを泣かせたことも辛かったけど、優に嫌な気持ちをさせた私自身の気持ちが辛かった。
 Freeの中に入るとまだディナーという時間には早いからか、お客さんはまばらだった。
「いらっしゃい。由香子と優ちゃん、来てるわよ」
 静さんの言葉に少し驚く。優が来てるとは思わなかった。由香子さん、ワンクッションくらい挟んでくれるのかと思ったのに。
「優……」
「……翼も呼ばれたんだ……」
「ううん。翼ちゃんとは、朝から約束してたから。さあ、翼ちゃんも座って」
 丸テーブルを三人で囲った結果、トライアングルを作れるような形になる。それぞれが頂点になるように。
「優は……わたしの時は嫉妬しなかったくせに、翼ちゃんがたまたまモトカノに会ったからって、嫉妬しちゃうのは子供っぽいんじゃない?」
「分かってる……でも、翼ちゃんが就職して、大学もお店も関係なく彼女に戻っちゃうじゃないかって思って、
 何か顔を合わせられなかった……もしかしたら女の子になっても男の人に取られちゃうんじゃないかって。
 ただ好きでいても、ボクは翼ちゃんの子供産めないし、今まで自分らしく生きてこれたつもりなのに、失うことが怖くなったから……」
 ああ。優は私なんかより年上で、よっぽど大人で、とても自信がある人だと思っていた。
 だけど、優は優で色々悩んでいて、そう、子供を産みたいって思ってくれているだけで、もやもやと私も感じていたことがある。
 優の子供を私も産みたかった。そんなことは無理なのに。
「優……ごめんね、私、彼女とはもう何も無いから。お互いに、ちゃんと納得して別れたから。
 でも、まだ私の携帯に彼女のアドレスは残ってた……未練がましかったから。だけど、優が言うなら消すよ……」
「……消さないで良いよ。だって、翼の大事な人だったんでしょう?」
 そう言うと優が少し涙を受かべた。
「私は、優じゃないとヤダ……だから、不安にならないで……私は優が好きだから……」
「ありがとう……やっぱり、ボクも翼じゃないとやだ……」
 そう言うとふたりで手を取り合ってさめざめと泣いてしまう。これで良かった。こうやって、お互いの言えないことや不安を少しずつ話していこう。
 そうすれば、もっとずっと一緒にいられる。
 さすがにずっと泣き続けたりすると営業妨害になってしまうので、由香子さんが私たちにハンカチとティッシュを差し出した。
 ふたりとも鼻が出るまで涙ぐんでしまった。
00501502014/01/30(木) 00:45:38.31ID:LN7cTWys
 静さんは遠目で心配そうにしていたけど、落ち着いた私たちを見て安心したようで、由香子さんが適当に注文したメニューを運んできてくれる。
 その内にお店もディナータイムとなって、お客さんが大挙してくるようになった。
 ポテトフライやチョリソーみたいにあまりお腹を満たさないものを適当に注文していたのもあって、邪魔になるといけないということで場所を変えた。
 今度はレディースバーの方に移動した。春香さんは由香子さんが来ると、喜んでカウンターから出てきた。
「いつ見ても静の彼女にしておくには惜しいわね。今日は、妹さんに……翼ちゃんって言ったかしら? 楽しんでってね」と言われて席に通された。
「ふたりはいったいどうしたいと思っている? このまま、女の子になる。そして仕事は何をするか。戸籍の変更はするか。どういう家族関係になるか」
 由香子さんは一気に、方向性を迫ってきた。だけど、早いとか遅いとかの問題じゃなくて、私たちには今、ここで考える問題だった。
「……私は優と一緒に生きていきたい……家族になりたい……」
「ボクも……翼が……どっちか分からないけど、結婚したい……」
 もちろん結婚するにはどちらかが戸籍を変えないといけない。そうしたら、どっちにすれば良いのか。
「……ただ、一緒に暮らすだけなら、方法はあるわ……わたしと翼ちゃんが結婚すれば良いのよ」
「ええっ?!」
「あ、そっか」
 驚く私に対して優は普通に納得する。それはもちろん由香子さんの夫になれば、優は年下の義理の弟みたいなもので、同時に私の恋人でもある。
「良いんですか、由香子さん……静さんは二股は許さないって……戸籍上だけでも……」
「じゃあ、静さんとは優が結婚する」
「ええっ!?」
 今日二度目のリアクション。それどころか優は納得しきっているのかなにひとつ驚かない。
「正直、優と翼ちゃんが独立したら、私たちも一緒に暮らそうかって前は考えていたんだけど、
 昔はいっそ優に静さんと結婚してもらって三人名字を同じにしようか、ってところまで考えたことはあったの。
 ……これは静さんも良いよって言ったくらいで……それから前に静さんが冗談めいてたけど、四人で暮らさないって言ったけど、
 あれは半分本気よ。提案したら、すぐに乗りそう」
 気づいたときには軽く置いてけぼりになりそうだった。
「えっと……冗談ですよね……?」
「冗談でこんなことを言う性格じゃないわよ、わたしは」
 由香子さんは男っぽい通り越して豪快すぎた。
00511502014/01/30(木) 00:48:54.49ID:LN7cTWys
「賛成!」
 結局、状況は三対一のような結果になった。遅れて店に来た静さんに由香子さんの提案は魅力的に思えたようだった。
「あたしは、男は好きじゃないけど、優ちゃんとならセックスしても良いと思った位なのよ」
「そうね……わたしが浮気したら優をあげるくらいまで約束したから……」
「お姉ちゃんが、浮気しないで良かったよ……静さんは好きだけど、修羅場の流れから付き合いたくなかったし……」
 ああ、もう自由すぎるよ、この人たち。今日の夜までの悩み事が一気に流れちゃったみたい。
「どうせだから、翼ちゃんの子供も欲しいなぁ」
「……やっぱり」
「だって……翼ちゃんは可愛いし、きっと女の子だったら美少女になるわよ」
 静さんも冗談じゃなく本気だった。だけど、それを否定する理由はなかった。だから、私もその話に乗るしかなかった。
「……私も一緒に暮らすの賛成です」
 もう満場一致だった。

 結局、同居の話は春にすることにした。
 というのも、静さんはお店の借金が春で完済するらしい。
 そもそも居抜き物件だから内装とかにお金はあまり掛けなかっただけで、借金も少なかったらしい
 引っ越しもそれなりに掛かるから、と静さんは実際のところひとり暮らしを始めた小さい部屋でずっと質素に暮らしていたくらいだったとか。
 そこで、私と優は一応、自由に使えるお金があったから、無意味に高くなく四人で暮らせそうな手頃な物件を見つけて、すぐに入居できるだろうという算段になった。
 気分を良くした由香子さんと静さんは、そのまま静さんのマンションになだれ込むということを言ったので、私たちはその言葉を区切りにお店から出ることにした。
「ごめんね、翼……いじけちゃって」
「ううん……私だって……何も説明してなかったから……」

 部屋に戻って裸で抱き合いながら、私は優に話していなかったことをする。お母さんに泣かれてしまったこと。カホとちゃんと納得して別れたこと。振袖を着れたこと。
「やっぱり……家族は辛いよね……そうだね、元カノの話だけじゃあんなに落ち込まないね……ボクも考えなしだったかも……ごめんね……」
「……優は由香子さんと静さんなら、子供を作りたいって思う?」
「ふたりが望んでくれるなら……たぶん、お姉ちゃんはこの形ならボクの子供を産むのに障害が無くなると思っている。いつ決めるかは分からないけど……」
 私が戸籍上、由香子さんと結婚すれば優の子供は戸籍上は私の子供になるという話までした。
 由香子さんは昔からそういうことができれば良いな、とは思っていたらしい。まさか本当になるなんて夢にも思わなかったと言った。
 由香子さんにも静さんにも都合の良いゲイの友達とかはいないから偽装結婚もあまり考えていなかったって。
 だけど、私と由香子さんが結婚したら、それは偽装結婚って思わない。だって優が一番大好きだけど、私は由香子さんのことだって大好きだから。
「私は……優と由香子さんが私をのけ者にしないなら、絶対に嫉妬しないから安心してね。ふたりが離れたら、きっとおかしくなっちゃうから。
 私はひとつになって生まれたけど、ふたりは別れて生まれちゃったからなおさらだし。やっぱり離れたら淋しいよ……」
「ありがとう」
 強く抱きしめられた。痛いくらいに。だから私もお返しに抱きしめる。
――――――――――――――――――
色んな意味で急展開になりました。エンディングの方向性がこの辺で固まりました。
ということで自分で書いたキャラに対して末永く全員爆発しろ、と書いていて思いましたw
00531502014/01/31(金) 01:52:47.68ID:FELT0+m+
投下します。
―――――――――――――――――
 お互いのおっぱいを押しつけあうと、とてもエッチな気分。だけど、こういうとき優は決まって「翼はおっぱい大きくなりすぎ」と不満を表す。
 少し身体を離して、私は優にそっと口づけ、優は舌先で私の唇を刺激させ、私は舌を出して、強く舌を絡ませた。
「翼、シックスナインしよ」
「うん……」
 軽くシャワーは浴びていたけど、お腹をきれいにしていなかった。それが分かっていたから、今日はこのまま終わるつもりだった。
 優が上になって、私が下になる。抱き合って話している間に優の勃起したおちんちんは、私の太股に当たり、優の太股には私のクリトリスが当たっていた。
こういう言い換えはずるいと思うけど、優はあまり気にしないのでとりあえず言い直さない。
 上になっている優はいきなり私のをくわえ込む。もう口の中に涎を溜めていたのか、すぐに濡れていく感触に背筋が痺れた。
 悔しいから、私もくわえ込もうとするけれど、優は腰を浮かせるから、先端を舐める程度のことしかできない。
「……いじわる……」
 そう言うと、一気に降りてくるから慌てて口を開く。ちょっと苦しい。ディープスロートはあんまり好きじゃない。それでも喉の奥に、息できない。
 一秒、二秒、意識が持ってる内に引き抜かれ、思わず激しい咳をした。
「ゲホッ! ゲホゲホッ……」
 カエルみたいになってて凄い可愛くない。
「……ごめん……ちょっとやり過ぎたね……」
 申し訳なさそうにする。
 確かにやったことはあるけど、好きじゃないから好きなお客さんは最初に経験した後からマネージャーに外してもらってたけど、優にやられるなんて思っていなかった。
「優……悪いと思ったら……上下交換……」
「分かったよ……」
 今度は優がマットレスに寝転がり、私が優のおちんちんにしゃぶりついた。
 さっきのディープスロートでいつも以上に硬く勃起しているのに少しだけ良かったと、思いつつ包茎の皮を剥いた。
 そうして、引っ張って伸ばしてカリを露出させた。
「うっ……んっ……」
 不思議なのはセックスで挿入するのに慣れたのに、カリが敏感なのが分からない。包茎だからかな。普段は守られているから。
 私のクリトリスも包茎だけど。そういえば、愛理さんもクリトリスが包茎だって言ってた。
 それはそれで敏感な場所だから守られていて良いんじゃないかな。
「うー……焦らさないで……」
 カリや裏筋に鈴口を入念に責めるだけで優の私のクリトリスへの責めが弱くなってきた。
 だけど、私もあまり我慢できそうにない。優も少し限界かもしれない。何しろ、抱き合っている間、気持ちは充分なくらい高まっていたから。
「優……もう、ダメ……?」
「うん……翼は?」
「私も……一緒にイこう」
「うん……」
00541502014/01/31(金) 01:53:30.55ID:FELT0+m+
優の返事を待ってから私は激しく優のおちんちんを銜えた。優も私の腰を両手で押さえ込んで口から離れないようにして、クリトリスをしゃぶりだす。
 腰から快感が頭に繋がっていく。切れそうな意識のまま優のおちんちんをしゃぶりながら、口の中で震える感触を、優の中で震える私のクリトリスの感触を同時に意識できた。
「ううっ!! ああぁイクっ!」
 優が私のクリトリスを口から離した同時に愛液は優の顔に掛かったと思う。
 私は優のおちんちんを離さなかったから、熱い液体が口の中に放出され、磯臭さに顔はしかめたけど、ゆっくりと飲み干した。
 不味くはなかった。むしろ優のだから愛おしく思える。
 放出したばかりのおちんちんを舐めて、口に入りきらなかった精液を舐めまわす。
「あぁ……」
 絶頂の余韻に優が呻く。
 私は体制を入れ替えて優の上にマウントポジションになってそのまま胸を押しつけて、優が吐息を出したタイミングで私が放出して、優の顔を汚した愛液を舐め取る。
 自分のだけど、優を汚したという何ともいえないところが私の中を熱くさせる。
「翼……キスして……」
 殆ど舐め取った精液の味が残っているのに、優は欲しがり。
 でも、前に私の愛液を飲み干してくれたから平気だよね。
 誘いに乗って、ゆっくりと優の出す舌に私の舌を絡ませながら、唇と唇を押しつけあった。

 寒さの山を越えて三月も半ばになり、私たちは引っ越しの準備や新居の計画を立てていた。
 元々、引っ越しが面倒になるほどの荷物は三人とも持ち合わせていない。
 そして、いつもは土曜日には決まったように仕事に出る私と優だけど、その日だけは以前から休むことにしていた。
 三月中に由香子さんが週末を全て休みにできる唯一の土曜日だったから。
 ラブホテルに入るのは初めてだった。何しろ、いつもは寝室かお店だけだから。
 三人で暮らすようになったときは、部屋が防音タイプのをわざわざ選んで由香子さんに呆れられたのは言うまでもない。
 ラブホテルを選んだのは私たちの部屋にあるベッドだと三人でセックスをするには無理があるだろうという判断だったから。
 新宿にはたくさんラブホテルがあるけれど、由香子さんに連れられてチェックインしたホテルは予想していたのと全然違っていた。
「ライターするようになったから知ったけど……もうこれ、ラブホじゃないわよね……」
 入口から高級感が漂う趣で、ロビーもビジネスホテルよりは上等な雰囲気に仕上げられている。
 スパの施設とかまであったりする。素泊まりできればそれで良い、というホテルじゃないにしても、少し豪華すぎだ。普通、他のお客さんとすれ違いたくないのに。
00551502014/01/31(金) 01:54:02.12ID:FELT0+m+
とはいえ、部屋まで入ると雰囲気にも慣れて、キングサイズのベッドがふたつ並ぶという一番高い部屋にたどり着いた。
「一応、こういうところならケバケバしくなくて、女子会に使ったりするなんて女の子もいるみたいよ。中には、悪ふざけで乱交になっちゃったりするらしいけど」
 由香子さんが解説してくれるように、その大きなベッドなら女の子が五人か六人は寝られて、そのまま乱交になっても誰も転げ落ちそうにない。
「……ボクたちの仕事でもこんなベッドで寝たことないよ……寝心地は、あっちの方が良さそうだけど」
 優はスプリングの感触をお尻で確かめるように何度も上下に小さく跳ねている。
「さあ、感想はそこまでにしましょう。せっかく、きれいで大きなお風呂があるんだから、使わないわけにはいかないわ」
 優と私は身体は売っているくせに、こういう場所は逆に居心地が悪い。正直言えば、ショーを行う大広間も、お客さんに抱かれる個室も良く言えばシンプルだから。
 逆に嫌になるほどではないにしても、高級感が溢れる部屋には少し圧倒される。だけど、そういう部屋やホテルを選ばないと大きいベッドなんて置いていない。
 とはいっても、私と優にとっては大した額じゃない。ベッドに関しては静さんにある程度暮らしてから決めましょうと約束させられている。
 いきなりキングサイズのベッドを買うなんてバカみたいじゃない、なんて。
 三人で裸になると、少しだけギョッとした。由香子さんのおっぱいにたくさんの痣があるから。
「ごめんね……これ静さん。あの人、おっぱい星人だから吸い付くの大好きだから……一緒に暮らしたら、少し大変よ……」
 しっかりしているけど、やっぱりマニアだった。私と優も痣だらけになっちゃうのかな?
「それにしても、ふたりとも仲良くしている割にキスマークとか身体にあまりないわね……首とかはあるけど」
 思わず優と私は自分の首筋を見た。
「引っかかったー!」
 と由香子さんが大笑いをする。まあ、後で確認したら、鎖骨より上には結構、キスマークに見えなくもない痣がいくつもある。
 優のかもしれないけれど、お客さんの奴かもしれない。どっちにしても、その上に優が口づけてくれれば、それが優の口づけの跡。
 大きなバスタブはふたりで入るにはちょうど良いけど、さすがに三人だと難しい。
 だから、交代交代で身体を洗いつつ暖まる。エアコンもあるから洗い場でも少しも寒くないけど。
 私と優が交代で身体を洗って、今は由香子さんが身体を洗っている。それにしても、初めて見た彼女の身体はとても均整が取れていた。
 瑠璃さんみたいにモデル体型じゃないって謙遜していたけど、私はモデルさんを抱いたこともあるから分かっている。
 瑠璃さんが凄すぎるだけで、由香子さんはプロのモデル顔負けどころか同等の整った身体をしている。
 しかもEカップもある時点で、モデルとしてはどうなのかは分からないけれど私にとっては羨むくらいだ。不規則な生活しているのにおかしいな。
「翼のうなじきれいだね……」
 珍しく優は大人しくお風呂に入っている。温まることに集中していると思ったら。
「……優も髪を伸ばせばきれいに見えるかもよ……」
 裸になると見えにくいものが見えるから、少し恥ずかしくなる。というか、あまり髪の毛をまとめたりしないからだけど。
 今度、ポニーテイルにでもしようかな。
「うーん……翼ちゃん、あなた本当にEカップ? もう1カップ上がったんじゃない?」
「え、うそっ……」
「ずるい……」
 もうさすがに大きくならなくて良いよ。だって、本当に大きくなるに連れて、可愛いブラが減っていくんだもん。
 少し悲しい。牧村先生はある段階で胸の成長は止まるって言ってのにな。まあ、女の子らしい悩みができるのが嫌だとは思わないけど。複雑。
00561502014/01/31(金) 01:54:33.14ID:FELT0+m+
長風呂でさすがに少し逆上せたかもしれないので、用意しておいたスポーツドリンクを飲みながら休憩をしていた。
 身体にはバスローブ一枚でベッドの上に座るのは柔らかくて身体が溶けそうな気分になる。
 だけど三人ともこのまま寝るわけにはいかないから、たわいもないおしゃべりをしていた。由香子さんは優と私に店の客でどんな抱かれかたをしたのかを聞きたがった。
 守秘義務、というものはあるけれど由香子さんはそういうものを漏らすほどバカじゃない。そもそも、取材をした際に誓約書を書かされている。
 命は惜しくないし、そんなことをしてもらいたくはない。
「なるほどね、翼ちゃんはその大きなクリトリスで女の人とセックスするのねぇ……」
 由香子さんに股間を見せて欲しいと言われ、バスローブをはだけている。それだけで視姦されるような気分になる。
 そして少し話をしている内に少しだけ勃起しだしてきた。愛理さんにしても他のお客さんも、女性のお客さんは決まって私をペニスバンドなり女性用のバイブで犯すのが好きで、
 それを思い出して少し、お風呂の火照りとは違う身体の熱を感じた。
「……ボクも大きくなっちゃった……」
 優も少し勃ったおちんちんを見せつけるようにバスローブの前をはだけた。
「……じゃあ三人で一緒に気持ち良くなりましょう……こっちに来て、翼ちゃん、優」
 そう声を掛けられ、ゆっくりと私たちは引き寄せられるように由香子さんの側に膝立ちで向かう。三人の身体が向き合ったときには、
 バスローブはそこにはなく裸で向き合い、誰ともなくおっぱいを押しつけだしてきた。そして由香子さんが誘うように口を開き、舌を出した。
 私も優もそれに合わせるように、三人で舌を絡ませ唾液を交換するように、ぴちゃぴちゃと愛撫を始めた。
 裸の身体で触れあうのはとても好き。おっぱいなんか押しつけてたら、乳首が勃起してきて、擦れるたびに甘い感触が身体に溢れてくるのに、
 乳首同士がふれあったら電気のような快感が走る。似ているようで違うもの。
 優とのキスは慣れていたけど、これは優と由香子さんを同時のキスだったから、時折、由香子さんの舌も絡んだり舐め合ったりしているから、単調なキスにならない。
 優の目がとろんとしている。こんなに早く身体に快感が訪れているなんて、こんなに気持ち良いキスが初めてだから。たぶん、私も気が抜けた顔をしてる。
「……ふたりとも、可愛い……」
 三人でキスをしたのに主導権は由香子さんが握ったままだった。
「翼ちゃん……優、そのままふたりで向かい合って座りなさい。そう……脚は開いて、そのまま近づいて……」
 私と優は、お尻をついて脚は広げて股間が丸見えになっている体制になっている。そのまま近づくと、脚と脚がぶつかるけど、由香子さんはそのまま前に進ませる。
「……翼……兜合わせしたことある?」
 優の言葉にそうか、なんて納得するように私も少しずつ身体を前に出し、クリトリスを優のおちんちんに近づけるように腰を動かす。
 そういえば、私は女の人と私を女扱いする人に抱かれることが多かったから、そういうプレイみたいなことはあまりしたことがない。
「……可愛い女の子におちんちん生えているのを見るのも良いけど……絡み合っているのも見たかったから……
 あ、優のおちんちんが翼ちゃんのおちんちん……あ、そうか……クリトリスに当たるわよ……」
 言い直してくれたのが嬉しかった。私も本当にめんどくさい奴だと思われてもしょうがない。
 だけど、自分の股間にあるものをおちんちんと呼ぶのには、今の身体と心では抵抗するしかなかった。
 身体が反応するのはしょうがないとしても、意識的には女性器になる予定のものだってことにしている。
 竿も陰嚢を手術をするときの材料になるらしい。それなら、これから女性器になるものだから呼び方くらい変えたって良いでしょう?
00571502014/01/31(金) 01:56:18.96ID:FELT0+m+
「……うんっ……あっ……翼のクリ、もう濡れてる……」
「優のだって……」
 クリトリスの先端が濡れているから、優のおちんちんと擦り合うだけで、垂れている優の先走りと混ざって少しずつ全体的にヌルヌルとしてくる。
 量が増すだけで、私も優も無意識に吐息が多くなる。
「……わたしも入れて」
 突然由香子さんが、たまたま擦り合っていた先端同士の前に座り、両手で私のクリトリスと優のおちんちんを握る。
「ふたりともエッチね……」
 そんな言葉を小さな声で漏らした後、私と優のそれぞれの皮を剥いた。少し興奮して大きくなりすぎたから、勃起が治まるまではカリ以外は露出したまま。
 そして、そのままゆっくりと優のおちんちんをフェラしだした。
「……あっ……お姉ちゃん……」
「んっ……んんっ……」
 やっぱり肉体関係を持っていたから、由香子さんは的確に優の感じるところを知り尽くしていた。私がフェラしているときより、ちょっと反応が良いのが悔しいな。
 後で、教えてもらおう。
 ジュルッ! という音がとても卑猥な感じに響いて身体が震える。言うまでもなく、今度は私のクリトリスが舐められる番。
 ねっとりとした舌の動きに包まれ、目眩が起きそうだった。強く、今度は弱く、強弱を絶妙につけた吸い付きに腰が震える。
「あぁっ! ゆ、由香子さん……あ、あんまりぃ……強くしないで……」
 こんなに上手なフェラチオは初めてで、腰が溶けそうだった。クリトリスなんかおまんこに入れているみたいな気分になってくる。
 由香子さん女の人が好きなのに、上手すぎだよ。
「ああ……もう、イッちゃう……止めて……」
「……イキたくないの?」
「もったいないです……」
 あまりイキたくない。がっついているわけじゃないけど、なるべくなら由香子さんの中でイキたい気持ちがある。
「そうねー……じゃあ、ふたりでいっしょにイッちゃえば良いよね」
「あ、良いね」
00581502014/01/31(金) 01:56:53.42ID:FELT0+m+
向かい合わせの優が熱に浮かされたような顔をして賛成をした。その途端に優はおちんちんを私のクリトリスに押しつけ垂直に近い形に揃える。
 その時点で、由香子さんが何をしようとしたのか、すぐに分かった。今度は私と優のクリトリスとおちんちんを同時に銜え込んだ。
 もちろん口の中に入れられるほど由香子さんの口も大きくないので、一度にまとめてしゃぶられるようなもの。
「ああっ……優の汁と由香子さんの唾液が混ざってるっ……」
「翼のクリ……ぴくぴくしてるよ……イッちゃうの……」
「ふたりともエッチねえ……」
 ジュルビチャッ、という粘度の大きい音がする。慣れてきたのか由香子さんも段々と私と優の二本をさっきよりも深く口の中に少しだけ銜え込んだ。
 私たちはそれだけで頭が痺れるほどの快感を与えられた。
「……そろそろ、イキそうね……」
「ああっ……由香子さん……もっと、先っぽ……」
「お姉ちゃん、ボクも……カリ……」
 競い合うように懇願する。優も私も由香子さんの口だけでこんなに屈服するなんて、いつもされているフェラなんてただの前戯なんだと思い知らされている。
「……もうちょっと二人とも押し付け合って」
 さっきのようにもう一度、垂直に近い形で押し付け合う。
「……じゃあ、イカせちゃおう……」
 舌が触れると同時に口が亀頭を、そのまま銜え込む。その瞬間に何かが当たる。優の亀頭だ。もう先走りで私の先端も濡らしてくる。
「ああっ! 先っぽ……痺れる……」
「カリやめてぇ……ボク、イッちゃう!」
 由香子さんの容赦のない舌の動きは止まらず、私は亀頭を舐められたり、優はカリや亀頭の裏筋というように執拗に弱いポイントで刺激された。
 もう、腰は溶けそうなのに、ぴくぴくとした痺れががどんどん強まってくる。意識が飛びそうになってきた。
「……ゆ、由香子……さん……イッちゃう……ああっ! イッちゃうッ!」
「ボクも、ああ、由香子ッ! 好き! 飲んでッ!」
 絶叫するように私と優は叫んだ。同時に激しい射精が行われ、白濁した液体は由香子さんの顔を激しく汚した。
00591502014/01/31(金) 01:57:38.20ID:FELT0+m+
「……うん……久しぶりに優の味……翼ちゃんの愛液も……」
 とりあえずかなりの量を由香子さんの口の中に注ぎ、勢い余って飛び出した二本で由香子さんの顔まで汚したけど、恍惚とした彼女はその白濁とした液を指で舐め取り、
「おいしい……」と呟いた。
 その後も由香子さんは私たちの残った体液を舐め尽くしてきれいにした。だけどさすがにお互いの身体や由香子さんの顔に着いた精液や愛液を取りのぞかないといけない。
 そこまでしてやっと落ち着く。
 私も優も仰向けになって、浅い呼吸を繰り返していた。そして余裕な態度の由香子さんは、優の耳に口を当てるようにして語りかける。
「ねえ、優? 今日はわたしのおまんこは翼ちゃんに先を譲りなさい。その代わり……お尻、生でして良いから……わたしも今日はちゃんときれいにしたから……」
 今は、三人とも充分にお腹の中をきれいにしてきた。コンドームも邪魔なくらい、乱れ絡まり合いたかった。由香子さんはピルを飲んでいるから妊娠の心配もない。
「……翼ちゃん……実を言うと……わたし、さっきから濡れちゃってて……今すぐ、入れても大丈夫なんだけど……先に優のおちんちんをお尻に入れてからで良い?
 その代わり、同時にそのまま翼ちゃんがわたしの前に挿入するの」
 私が前になって、優が後ろになる。由香子さんをサンドイッチで責める。
 ホテルに入る前から、そんな体験をできるんじゃないか、そんな気持ちすら感じていたけど、こうして誘われるだけで鼓動が高鳴る。
 優と由香子さんと一緒に繋がることができるなんて。
「じゃあ、お姉ちゃんはどういう体制が良い……?」
 ゆっくりと起き上がる優。やっぱり、少し落ち着いてしまうと名前で呼べないみたい。私は、気にしないのに。もちろん少し切ないけど。
「優の好きな体制なら……なんでも良い……」
「じゃあ、バック。それで、そのまま翼は下になるの嫌?」
 意図が分かれば簡単な話。
「嫌じゃない……」
「じゃあごめんね。ボクが下になったら翼はおまんこに挿入しにくいもんね」
 そして、起き上がれないまま、私は由香子さんのお尻を責める優を見ていた。
「……ふふっ……お姉ちゃん、アナルまだ好きだったんだね。普通に柔らかい……静さんもアナル好きなの?」
 ローションで由香子さんのアナルを刺激しながら焦らす姿。それに耐えるように身体を震わせる由香子さん。
「……好き……だって、感じるところはみんな責めるから……あぁっ……」
 指が挿入されるだけで、喘ぐ姿はとても艶っぽくて、女性の艶めかしい表情は、私の体内が欲情するのを呼び起こすように視線を投げかけてくる。
 由香子さんが待っていて、と言っているみたいな顔をしている。
「……指、二本は余裕……じゃあ、三本はちょっと時間掛けようね……」
 指の挿入に「あぅ……」「ひゃぁぁ……」と由香子さんが感じる声。
「……ローション冷たいもんね……でも、ボクは温感ローションとか使ったことないからね……」
 確かにローションは冷たい。だけど、身体の熱と比例して、冷たい部分に熱い物が入ってくるから、私としては快感がはっきりしてて好きだけど。
 ああ、少し焦らされている気分。
00601502014/01/31(金) 01:58:21.37ID:FELT0+m+
「もう、四本入ってる……なんだ、てっきりきつくなってたと思ってたのに。ずるいな、静さん。お姉ちゃんのお尻はボクだけのものだったのに」
「……やめて……焦らさないで……うっ……」
「これだけ入れば、ちょっと解すだけでもおちんちん余裕だね……ねえ、静さんのペニバンとかディルドーとボクのおちんちんどっちが気持ち良いか教えてよ……」
 責められていないのに、私までドキドキしてくる。優と由香子さんが関係続けられなかったのが分かる気がしてきた。
 あんな台詞を毎晩のように言われたり、そして由香子さんが同じ感覚を持って責めてきてるとしたら、きっと持たなくなっちゃう。
「……どっちも好き……」
「じゃあ……試しちゃおうか……それに、今日は翼のクリトリスをおまんこに入れちゃうんだよ……静さんのこと好きだけど、最初は少し悔しかったんだよね……
 でも、ボクには翼がいるから一緒にお姉ちゃんを気持ち良くさせてあげるから」
 由香子さんはいつ来るのか少しだけ目を泳がせている。さすがに後ろを向く気にはなれない。優はそれを分かっているのか、分かっていないのかいつも以上にゆっくりとした動きだった。
「じゃあ行くよ……」
 優が由香子さんにそおっと覆い被さる。
「……優……焦らさないで……」
「……ボクのおっぱいどう?」
 焦らしたあげく、背中に当たる感触を聞いている。あんなに焦らされると私も辛い。優だって、本当は早く挿入したいくせに。
「……気持ち良いわよ……男の子みたいな顔してる癖に、胸はいっちょまえに大きいんだから……ああっ!」
 返事することで気を取られ、由香子さんは優のおちんちんを一気に差し込まれた。
「……んっ……解したのに締め付け凄い……」
「ずるいわよ……焦らしておいて」
「……翼はもっと焦らされてるよ……」
 ふたりの視線が私に向かう。
「そうね……それに、いつのまにか準備は万全みたい……」
 気づけば私のクリトリスは充分な大きさに勃起していた。先端も濡れている。ふたりはアナルで繋がったまま、私に近づく。
 そして由香子さんは確認するようにクリトリスに口を近づけてチロチロと舐め出す。
「あっ! あっ!」
 ビクッ! ビクッ! と震える私に対して、
「良い反応」と満足げに言う。
 起き上がれない私を気にすることもなく、ふたりはひとつの生物になったような状態で覆い被さってくる。
 そして、少しずつ私のクリトリスが由香子さんのおまんこに挿入されていく。
 熱い、と思った瞬間には締め付けられる。
「んっ……締め付け……」
「ボクも……お姉ちゃん、締め付けるの好きだよね……」
「だって……ただ、挿入されてピストンされるのじゃつまらないじゃない……」
 どうやら由香子さんは締め付けをお尻でもおまんこでも自由自在にできるみたい。優も言ってくれれば良いのに。油断してたらイッちゃうくらい。
「……でも、これでサンドイッチ……優とも由香子さんとも繋がれた……嬉しいです……私はふたりとも大好きだから……」
 すると目の前の由香子さんとその上にある優の顔が視線を迷わせるように明後日の方向を向く。そうしてふたり揃って「ずるい……」と一言だけつぶやいた。
00611502014/01/31(金) 02:01:35.09ID:FELT0+m+
―――――――――――――
今日はここまでです。分かりにくいですけど、翼は一応、天然たらし設定です。
後、静さんとのエロは残念ながらありません……描写が由香子さんと被ったので、
残念ながら割愛です……。
00631502014/01/31(金) 23:54:46.22ID:FELT0+m+
続きですよー。
――――――――――――――――
 だから私はまだ到達し切れていない奥へクリトリスを突き上げる。
「んっ……あっ……もう……ふたりとも動き出すタイミングが一緒ね……んんっ!」
 優がゆっくりと動き出すのと私の動き出す動作が同時だった。さすがに同時では由香子さんでも呻いてしまう。
 だけど、こうして由香子さんとおっぱい押し付け合ってるだけでも気持ち良くて、動いていないのにイッてしまいそうそうになり、
 顔が下がったと同時にキスをねだったら、激しく舌を差し込んできたのでそのまま合わせて激しいディープキスになった。
「んっ……良いなぁ……んんっ!」
 羨ましそうな優の声。呻いたのは由香子さんがお尻で締め付けてたからだと思う。私のクリトリスも締め付けられて少し苦しい。
 動きは単調だった。優と私がぎこちない動きで上下から由香子さんを犯し、由香子さんは私たちの動きの途切れたタイミングを狙うように締め付ける。
 喘ぎ声よりも私たちは、甘い吐息だけを漏らしながらゆっくりと動いていた。
「……んっ……ボク……もう、ダメかも……」
「良いよ、優……わたしの中で出して……翼ちゃん……どう……イケる?」
「分からないです……後、ちょっと……強く……」
 さすがにゆっくりとしたセックスでも、動いていればピークは訪れる。みんな望んでいるのは一緒にイクことだけど、やっぱり難しいと思う。この体制だと難しい。
「じゃあ、優……動いて……私の中に出しなさい。わたしも、動くから……」
 ああ、由香子さんは両方を優に射精されているんだよね。そう思うと切なくなる。
「じゃあ、行くよ」
 そして優が激しくピストンを始めると由香子さんの重みが私に強くのしかかると思ったら、いきなり由香子さんは優の動きに合わせておまんこを前後に動かしてきた。
 上下の動きに慣れたところで横の動きになって、急に快感が強くなった。イケるかも。
「ああっ! これっいい!!」
 私も一気に追い詰められる。背筋が震える。
「ああ、由香子、ダメ出ちゃう! 出ちゃうよっ!」
「優、出して! 私の中に出してっ!!」
「ああ、置いてかないでっ! 出ちゃう!! イクっ!!!」
 絶叫するように叫んだと同時に由香子さんも悲鳴を上げる。ああ、一緒にイケたんだ。たぶん、そうだと思う。そうだったらとても素敵。
00641502014/01/31(金) 23:57:54.54ID:FELT0+m+
「……3P久しぶりだから、少し疲れたわ……」
 三人でしばらく折り重なっていたけど、ゆっくりと途切れ途切れの意識から、少しずつ覚醒に戻していった。
「両方中出しって……お姉ちゃんやったことあるの」
「初めてに決まってるでしょう……サンドイッチは静さんと友達でやったことあるけど」
 やったことあるんだ。さすがにちょっと驚く。いつも一緒に働いている人が積極的な人であったりとかする話を聞かされるだけで、ちょっとだけ怖い気もしてくる。
というか、最終的には私と優って静さんとセックスしないといけないんだよね。
ということは、次は4Pとかもあるのかな。想像するのが難しい。今はイッたばかりで、あまり期待とかそういう気持ちが起き上がる気にはならなかった。
「……由香子さん……お腹きれいにした方が……」
「そうね……せっかくの優の出してくれた奴だけど……」
「しょうがないね……」
「大丈夫よ、少し休憩したら、次は優と前でセックスしてあげるから。その代わり、今度は翼ちゃんが優のお尻……ううんおまんこを犯してあげるの」
 そう言われると少し期待の気持ちが起き上がる。正直だな、私の身体。
「じゃあ、ちょっとごめんね」
 そんなことを言ってお風呂に駆け込んでいく。
「……優って中出しされたことある?」
「……実は一回だけ……」
「やっぱり……」
「……慣れてなかったころだったから、コンドーム外されてたなんて気づけなくて、
身体押さえつけられて、中出しされてて次の日はお腹痛くなっちゃって、牧村先生にお世話になっちゃった。
その人は、しばらく出入り禁止になってボクの指名は禁止になっちゃった」
 ときどきお客さんの中には生でセックスをしたがる人がいる。
マネージャーとしては初期はやっていたこともあるので、ダメと言いたくはなかったけれどお腹の弱い子だと翌日に出勤できなかったこともよくあったので、
マイナーチェンジの際にコンドームが絶対という条件になった。
「ボクとお姉ちゃんは、片手で数えるくらいかな……生でしたの。やっぱり、お腹壊しちゃったりしたし……いつもはおまんこでやってたから、
 単調なところで変化つけてみたりして……でも、今はあの頃のこと考えると、ボクって男だったんだなぁ、って思う。
 抱かれるようになって気持ちは女の子になったけど、翼のことは抱きたいし、お客さんの中には抱いて欲しい人もいる。
 だけど、今ならそれでもボクの気持ちって女の子だって確信持てる。口癖は直らないけどね」
「じゃあ、優は今は妹だけど、由香子さんのことは心でも身体でも愛しているんだね」
「うん……だけどこれって浮気かな……」
「ううん……由香子さんも優も今は私の恋人だから 
「うー……お姉ちゃんがライバルかぁ……」
「優の考え方だと、静さんもライバルになっちゃうよ。安心して。私は、優が一番大好きだから」
「……分かってるよ……翼がいてくれなかったら、ボクは少し淋しかったかもしれないから。今は、もう淋しくないから」
 そう言って優は私に抱きついてくる。私は優の頭を撫でながら由香子さんがシャワーを浴び終えるのを待っていた。
 優がときどき脆いところがある。たぶん、静さんも由香子さんに対してこうして接したことはあるのかもしれない。
 弱い魂を持って生まれたふたりを守る意味では、私と静さんはパートナーみたいなものだ。
 あのときの約束とは別に何か根底で繋がるべくして繋がったようなものがあるのかもしれない。
 そう考えるだけで、静さんに対する気持ちが強くなれる。そこで、流れのようななし崩しとは別に静さんのことも愛することができそうな気がしてきた。
00651502014/02/01(土) 00:01:01.28ID:FELT0+m+
 由香子さんがシャワーを浴びてから、優と私も順番ずつにシャワーを浴びた。優の場合はさすがに生でアナルセックスをしちゃったのもあって、少し時間が長めだった。
 今度は優が由香子さんとセックスをする番。私は優のおまんこを責めさせて貰えるんだけど。
「優……私、見てるだけじゃダメ?」
「えっ……」
「優とするのが嫌とかじゃなくて……せっかくだから、ふたりだけでセックスしたいんじゃないかなって……」
「……お……由香子は良いの……」
「翼ちゃんって、器大きすぎない? わたしはさっきのだけで久しぶりに優とセックスできて、三人とか四人ならこれからも優と繋がれるって自分としては、
 こんなに幸せで良いのかなって思ったのに……」
「私は、優が一番好きだし、由香子さんもそれくらい好き。ふたりが好き合っていて、私を置いていくようなことさえなければ、
 ふたりが悲しくならなければ、私はそれを独占されたとも思わないし、裏切られたとも思わない。もちろん浮気だなんてことも思わない。
 それに、静さんもこれは同じ立場だと思っている。あんなことを言う人だから。今だって私は優に抱かれたいし、抱きたいけど、
 目の前にいる好きな人を抱けないふたりを見てるとやっぱり悲しいから……その代わり、後で……優か由香子さん……元気な人が私を抱いてくれればそれで嬉しいから……」
 双子は揃って俯いて、ほぼ同じタイミングで「ありがとう……」と呟いた。
 やっぱり、優も由香子さんもどこかで求め合っていたんだ。だから、ふたりは離しちゃうわけにはいかない。
 私が一番好きな人の好きな人を簡単に離すわけにはいかない。

 優と由香子さんのセックスはさっき見たときよりも、とても濃密だった。
 キスに掛ける時間はとても長くて、ディープキスから唾液交換まで行うところには、私の知らない優の顔が見えた。
 ふたりとも体制を艶めかしく動かし絡ませながら、上下を入れ替えている。時折、胸と胸同士、乳首が擦れる度に小さな吐息が漏れる。
 長い舌に溜めていたのかローションを思わせるくらいの唾液を優の伸ばした舌に伝わせるように吐き出し、伝わった舌で絡め取るように唾液を受け止め、ジュルルッ!
 と響くような音を立てて優は嚥下する。
「……優ったら、そんなに私の唾液好きなの……?」
「由香子のなら、どんなものも好き……」
「……じゃあ……わたしの舐めて……優の舐めてあげるから……」
 今度はシックスナイン。体格に少し差があるけれど、優が上になって由香子さんの股間に顔を近づけて、優のおちんちんが下がっている位置に由香子さんが顔を置いて、
 ゆっくりとお互いに舐めだしている。
 それにしても、ふたりともびっくりするほど唾液が多い。もしかしたら、濡らしフェチなのかも。あれも難しい。
 ウェット&メッシーの基本ともちょっと違うし、濡らしフェチのとも違うかも。ただ、お互いの唾液で濡らし合う好意はなんだか分かる気がする。
 だって、さっきから性器と関係なく太股とかも舐めている。もし人間が自由自在に融合できるとすれば、ふたりは融合したまま離れないかもしれない。
 それくらい解け合いたがっている。そして、私は融合したままのふたりでも愛せそうな気がした。
 ズズゥー! という激しく吸い付く音と同時に由香子さんが悲鳴のような喘ぎを発する。
「……由香子の愛液、飲んでも飲んでも溢れてくるから、ボクの顔がベトベト……」
「だって……優の舌、気持ち良いっ……」
00661502014/02/01(土) 00:03:05.53ID:48w1AdQw
もしかしたら見られていることにいつも以上に興奮しているかもしれない。
 でも、静さんと私以外には見せてあげない。ふたりは私たちのものだから。
 シックスナインがいつのまにか終わり、優が覆い被さりながら、由香子さんにキスをする。おっぱい押し付け合いながら顔をベタベタにしている。
 これくらいベタベタなセックスするときは、絶対すっぴんだな。あんなに顔舐められるなんて。私はキスはするけど、舐められたことがない。ちょっとだけ羨ましかった。
「優……もう、わたし我慢できない……」
「もう? 由香子も久しぶりだからってエッチだよね。翼としたときより余裕ないのずるいよ。翼が可愛そう……」
「嫌、言わないで……ごめんなさい……翼ちゃん……わたし、優のおちんちんの方が好き」
 それは身体の相性だと思うんだけど。あまり責任は感じないで欲しい。優ったら本当に変なところでイジワル。
 たぶん時と場合によるけど、由香子さんが責めになったりするときもあるんだろうな。きっと、こんなことを毎日やっていたらすり減る。
 どこかで決壊する。それがふたりの最初に別離だと思う。やっぱり、ふたりだけでさせて良かった。ふたりがボロボロにならないように見極められてきたから。
「……じゃあ、良いよね、行くから」
 優が体制を正常位にするために下がり、由香子さんの両脚をM字に開かせる。
 さすがに最初にアナルセックスをしたこともあって、念のため優はコンドームをしている。自分が多少、病気になってもその巻き添えにするようなことはしたくないから。
「さっきの翼以外は静さんとしかセックスしていないよね」
「うん……さっきのが久しぶり……」
「ごめんね、次は絶対に生でしてあげるから……」
 優は返事を満足したように頷いて、ゆっくりと由香子さんにおちんちんを挿入した。
 アナルでも反応は良かったけど、やっぱり普通におまんこでセックスする方が由香子っさんは気持ち良いみたい。
「んっ! あっ! ううんっ!!」
 やっぱり相性はある。さっきの折り重なってやったセックスより、こうやって単純に身体をぶつけ合うのが分かりやすくて、感じやすい。
 意外と単調な方が気持ち良いと思う。私も3Pは嫌じゃないけど、優と普通にやる方がどちらかというと好き。
「由香子……締め付けてる……」
「ええっ? ああっ! し、してない……ぃんっ!」
 言葉にならない悲鳴。ああ、きっと自然に締め付けているんだ。精子を求めて。私も気持ち良いとそうなっちゃう。
 意図しなくてもおまんこの締め付けが勝手に強くなるの。
「……じゃあ……いっぱいだしちゃおう……」
「うん……ちょうだい……優の精子ちょうだい……」
 ふたりともコンドームしてるのに。少しだけ呆れちゃった。だけど、優はきっと由香子さんとの間の子供欲しいよね。
 私も由香子さんと子供作ったら、きっと優との間の子供だって思える気がする。
「ああっ! ゆ……ゆうっ!! もっとぉ!! もっとぉ!!!」
「由香子、由香子ぉ!!!」
 激しい動き。ああ、優が少しだけ残っている男の子の部分が由香子さんの女の子な部分を喜ばせている。
「も、もうダメ……イク、イッちゃう!!! ああぁぁっっ!!!!」
「ううっボクも、ああイクっ!!」
 由香子さんが身体を仰け反るようになり、優は恍惚とした射精と同時に由香子さんのしなやかな身体に倒れ込んだ。
 そして絶頂したふたりは少しとろんとした目をして、虚空を見つめている。優が少し意識が遠くて、なんとか意識を保った由香子さんが「おまたせ」と小さな声で囁く。
 だから私は「大丈夫です。もうちょっと待てますから」と言ったので、由香子さんはゆっくりと優の身体から離れて少しだけ身体を横たえた。
00671502014/02/01(土) 00:06:27.83ID:48w1AdQw
 あれから休み休み、優のことを私が抱いて、由香子さんが優のことを抱いた。
 どちらかというと、優が連続で受け身になってしまったのもあって、もう軽く寝入っちゃっている。
 というより、一番疲れていたのが優だったから、このまま寝かせてしまおうっていうのが由香子さんなりの理由だった。
「つまり、自分の限界まで、私で楽しみたいってことなんですね……」
「そういうこと。だって、女の子の優のことは抱いたけど、あなたのことを女の子として抱いてはいないでしょう」
 由香子さんに抱かれるということは、さっきまで優のことを犯していた赤いペニスバンドを使うんだと考えていたら、今度は別の双頭ディルドーを出してきた。
「凄いでしょ。これ、ハーネスがいらないから。片側をわたしのおまんこに入れて、そのままあなたのおまんこに挿入できるのよ」
「……本当は優にもこれ使ってあげたかったけど……ご覧の通り」
 もう優は疲れ切ってぐっすり眠ってしまっている。少し端っこでタオルケットにくるまっている。いつになく安心しきった寝顔だから、安心した。
「さあて……翼ちゃん……いいえ、翼……あなたのこと抱かせてね」
「はい……」
 潤んだ瞳にどこか怪しげな影が見えるような気がした。それに連れられて私の身体の中が熱くなってくる。
 ふたりで、脚を崩していた体勢から、ゆっくりと由香子さんが私の両肩に触れてくる。
 そしてそのままキスをしてくる。どちらからというと、少し軽めで拍子抜けする。期待し過ぎちゃったかも。
 それから、今度は重点的に首筋から鎖骨に掛けて舐めてくる。
「んんっ……んーっ!」
 舌が長いのは少し反則。感じ方が下手な人よりも強く、肌全体が敏感になってくるのが分かる。
 テクニックがある人は、触れたところ以外も感じやすくさせてくる。まるで身体をいつのまにか取り替えられたみたいに。
「良い声ね……」
 いつのまにか右手は私のおっぱいに。指先で触れるか触れないかの境目で私の反応を試している。
 感じるけれど、感じきれないもどかしさで吐息ばかり溢してしまう。喘ぐほどじゃない。でも全く何も感じていない訳じゃない。触られたら確実に声が出る。
「……でもね……生理前だと、わたしなんかこれくらい触られただけでもすぐに感じちゃうわ……
 翼の場合は下半身も女の子になったら、薬の影響で女性ホルモンが作られるでしょう……もしかしたら似た感じのことが起こるかもね」
 生理。今の技術だと絶対に私には訪れないもの。だけど、今私が選んでいる方法なら、少しだけ特殊な形で女性であり続けることができる。
 自分の身体の中で女性ホルモンが大量に作られるだけでも少し感謝したい。普通のやり方だったら、注射なり錠剤なり摂取を続けないといけない。
「ああっ……」
 今度は少しだけ触れる。しかも乳首の近く。焦らされている。簡単には挿入してこない。
 徹底的に愛撫して、優のように冷たいローションで私のおまんこを解す。だけどそれまでに、私の身体を徹底的に熱く火照らせてくる。
「……私より巨乳になっちゃって……初めて合ったときは、パット使ってたのもあってバランス良かったのに、
 そんなに大きくなっちゃって……まあ、翼は今も身体のラインは悪くないから」
「ううっ……」
 あんまり胸のことは言わなくても。Dカップで止まると思ったのに、これは本当に予定外。お店の人たちでも、こんなに大きいのは三人くらいしかいない。
 年が近い子なんか、何を食べているんですか? なんて聞かれた。
「じゃあ、揉んじゃおうかな」
 そっと触って敏感にさせておきながら、強弱を上手く使った手つきで胸を揉み出した。
「んんーっ!!」
「もっと大きくなっちゃうかもね」
 それは本当に勘弁してもらいたい。服とかサイズ合わなくなっちゃう。
「ああっ! やめてっ!」
 容赦なんかしてくれない。分かってるけど、由香子さんは執拗におっぱいを責めてくる。これ以上大きくなったら、由香子さんのせいなんだから。
 ブラのサイズ合わなくなったら買って貰わないと。下着の上下セット二つでも足りないくらい。ああ、本当にしつこくおっぱい揉まないで。
00681502014/02/01(土) 00:07:33.16ID:48w1AdQw
「……さっき、お風呂で言ったけど、翼はまだFカップじゃないわよ。今、少し困った顔してたから教えるけど」
「意地悪……」
「ごめんね……順調に育っちゃってたから意地悪しちゃった。そうね、わたしくらい身長あればサイズ合うけど、翼くらいだと服のサイズが大変だものね」
「だから気にしてるのに……」
 巨乳になって大きいおっぱいが大変なことがよく分かる。薄着のときも胸に視線が集まるのが恥ずかしい。
 優みたいに着やせする方法が分からない。私の場合は夏場はブラウスにプリーツスカートなんて格好してたこともあったけど、今じゃ恥ずかしくて無理。
 少しゆったりしたチュニックとかワンピースとか着るようにしてる。そうしないと胸が目立っちゃうから。
「でも、その分、ガーリッシュな翼と会えたから私としては嬉しい。優は、少しだけボーイッシュな嗜好だからパンツルック多くて、スカートは嫌いじゃないみたいだけど、
 あまり着てくれなかったわ……あなたとのデートの時以外は」
 優は本当に、たまにおめかしすると決まってスカートを履いてくる。無理をしているのかなって、最初は思ったけど、どうやら私にちょっと対抗しているみたいだった。
 気づいているけど、さすがに口にするほど野暮じゃない。素直に相談してくれれば、もっと可愛くコーディネートしてあげられるのに。
「嫌じゃなかったけど、少しお姉さんとしては残念だったわー……」
 少し休憩って感じになる。でも、由香子さんは一度、起き上がって私から離れる。
「ごめんね……ちょっと夢中で触ってたら、ちょっと濡れてきたみたいで……」
 由香子さんはいつのまにか準備ができていたみたい。私も、身体の方は充分に火照っていたから、本当におまんこをちゃんと解してもらえれば充分に受けいられる。
「……良いよ、由香子さん。我慢とかしないで」
 すると由香子さんは嬉しそうな顔をして、さっきのペニスバンドとローションのボトルをふたつ持って私の横に座る。
「……わたしよりは翼が先の方が良いわね……それに今日は翼はおまんこは使っていないのよね……」
「はい……」
「……一応、質問……あなたって女の人にも抱かれたって聞いたけど、ペニスバンドって使ったりした……?」
「……はい……三人のお客さんと……」
 嘘。本当は五人。そういう質問するとなると少し不安。
「……ちょっと悔しいわね。仕事とはいえ、優とは別に女性であなたのことを抱けるのが初めてじゃないのって、少し残念……」
 さすがに不満げな顔。だけど今日のこれは違うのに。
「由香子さん……優子ちゃんは三人の人に抱かれたかもしれないけれど、私はまだ誰にも抱かれていないし、初めてだから……」
 殆ど冗談みたいなもの。私は特に演技もキャラクターもなく優子としてあのお店にいるから、別人だなんて主張しても意味がないし、
 由香子さんもそんなこと分かっている。だけど、そっと右の手の平を私の左頬に添えて「ありがと」と微笑んだ。
00691502014/02/01(土) 00:09:41.88ID:48w1AdQw
 女の子になりたいからって、お尻を弄ってみようという考えにいくのはおかしい気がした。
 だけど、それらしいものがそれしかなかったからぼくは――私はそこで快感を得て、少しでも女の子に近づこうと思っていた。
「……じゃあ、行くわね」
「はい……」
 今の私が確信していることは、もしもあの頃の私が女装をして、由香子さんみたいな人に犯されていたら満足していたかっていえば、
 違う気がする。普通に女性になろうとしていたはずだ。その人が望もうとも望まなくとも。
 きっと過程がどうあれ、私は女性になろうとしたし、その中でも今が一番の幸福な道筋なのかもしれない。
「ふふっ……ちょっとローションでマッサージするだけでヒクヒクしてる……」
 由香子さんのおまんこの解し方は優と同じ。入口と周辺にローションをたっぷり塗ってくる。
「……ふっ……ん……」
 段階的に指を入れながら、入った場所にローションを塗っては指を抜いての繰り返し。由香子さんの指は優より細く長いけれど、違いがあるとすれば慎重さだった。
「……女は指でセックスをするからね……」
 指を少しずつ入れては出して、指一本が余裕で入ったのを確認して、指二本に切り替え、その指をローション塗れにして、ゆっくりと差し込んでくる。
 少しだけ圧迫感が強くなるけれど、それはそれで気持ち良かった。ただ、もう少し強くと求めてしまいそうになるのが恥ずかしい気分だけど、
 もうお互いに痴態を晒していて、何を恐れているんだろうなんて笑った。
「なーに笑ってるの?」
 少し由香子さんが呆れる。私は自分の体制で由香子さんに愛撫されている状況に遂、笑いがこみ上げてきた。
 何しろ正常位のM字開脚どころか、両脚を自分で持ちあげて少し腰を浮かせているから。
「ちょっと、改めて考えたら、私、凄い格好してるなって……」
「良いじゃない。私はおかげで愛撫しやすいわよ……」
「んっ……あっ……」
 返事と同時に二本の指が私の中で開いたり閉じたりしながら、ローションを広げ、同時のおまんこの中も解している。
 そして、指が抜かれたと思ったらすぐに由香子さんは三本に切り替える。ローションは出し入れしている脇からドロドロと浴びせられている。
 すぐに指がローションを巻き込んで、動きがスムーズになってくる。
「ああっ! んあっ! んんっ!」
 まさか手マンみたいなのされるのなんて初めてだった。由香子さんは丁寧だけど、ときどき激しくしてくるのが嫌じゃない。
 そうしている内に指が引き抜かれ、今度は四本の指がおまんこに入ってくる。中指がGスポットを責めてくる。あまり押されるとイッちゃう。
「……由香子さん……もう……そこ……」
「もっと強くして欲しいの?」
「違うの……イッちゃうから……由香子さんのおちんちんちょうだい……」
00701502014/02/01(土) 00:16:06.53ID:48w1AdQw
「ふぅ……」
 ため息の音。由香子さんが手を止めるときの癖。大儀そうな態度にはなるけれど、それは絶対にやり遂げる彼女なりの律儀さに対するちょっとした皮肉でもある。
「……焦らさないで……」
「がっつかないの」
 それでも、やっぱりいじわる。
「翼、どうせだからフェラしなさい……」
 期待しているのに、ちょっと間を置かれるだけで焦ってしまう。身体が由香子さんが欲しくてしょうがない。
 優は寝ている。ごめんね、浮気みたいで。もちろん優の方がちょっと強い本気。由香子さんはその次。ごめんね、欲張りで。
「ふみゅ……んじゅ……」
 樹脂でできた素材のペニスバンドはゴムの膜で覆われている。あまり好きじゃない。熱も感じられない。なのに、なんだか愛おしい。
「……翼……もう、良い……わたしも我慢できない……」
 凄い。ペニスバンドがハーネスの無いタイプだからって、由香子さんは愛液で太股を濡らしている。
「来てっ! 私を抱いて!」
 もう懇願みたいな気持ちだった。何度もイって上り詰めて、分かったことは私はこのふたりを愛している。
 だから人工物なはずの物を口に銜えるだけで欲情できる。
 そのまま私はM字開脚の姿勢になった。ペニスバンドを使う人はバックで犯すのが好きな人が多い。
 でも、私は正常位が好き。向かい合ってするセックスが好き。だから、由香子さんはその赤いペニスバンドを私のおまんこに一気に挿入した。
「ああっ……んんー……」
 本物のおちんちんと感触は違う。だけどお腹の奥、有りもしない子宮を責められているような気分になってくる。
 それも由香子さんだからなおさらで心臓の鼓動がいつも以上。身体が、喜んでいる。
「……んっ……あぁっ……」
 由香子さんが喘ぐ声が私に降りかかる。欲しいものを我慢していたのを貪るような艶めかしさ。その表情に私の身体が震える。
「ああっ!」
 思わずおまんこが由香子さんのおちんちんを締め付けた。その抵抗の勢いで由香子さんの方に反動で強い刺激が遅う。
「……もう……ちょっと激しくするわよ!」
 少し緩んだと思ったら、いきなり由香子さんは激しくピストンを始める。さすがに今度は余裕なんてない。
「はぁぁっっ!! やあっ! ああぁんっ!! あぁー!!!」
「翼っ! 翼っ!!」
 ピストンの勢いが私を責めると同時に由香子さんも責める。これなら一緒にいけるかもしれない。お腹の奥が熱くなってくる。
 由香子さんのペニスバンドが的確に私のGスポットを擦ってくる。
「やはぁっ!! ダメかも……由香子さん、ああんっ!……イっちゃうかも……トコロテンしちゃう、んんっ!」
「イキなさい! わたしも、もうすぐ、あぁっ! もう、イクからっ!!」
 ダメ。置いてかない。おまんこの中を擦られるだけで甘い目眩が駆け抜ける。私は自分だけイってしまう危険も顧みず、由香子さんに合わせて腰を動かす。
「ああぁぁっつ!!!! いっちゃうっ!!!」
「はぁぁぁあああっ!! つばさぁっ!!」
 激しい勢いで私は全身に快感が駆け巡って、そのまま身体を仰け反らしていく一瞬の間、
 由香子さんも同じように上り詰め背中を仰け反らしながら激しく喘いでいる姿に気づいて、安心して私は意識を投げ出した。

 目を覚ますと、少し頭の位置が高かった。
「起きた?」
 優が私の頭を両膝に乗せていた。
「起きるかなって思ったけど、起きなかったね。ボク、さっきまで腰が抜けてて起き上がれなかったもん……翼、お姉ちゃんのペニバンのテクニック凄いでしょう?」
「うん……とても」
 羨ましい、って優が抱かれている姿を見てたときに思ったこと。それをいざ体験してみて、優がしばらく寝入ってしまったのも分かる気がした。
 隣で寝ている由香子さんはペニスバンドは外していたけれど、そのままの勢いで眠ってしまったらしい。そして私もだんだんと眠くなってきた。
「優……このまま寝て良いかな……」
「良いよ……お疲れ様……それから、ありがとう……」
 最後の言葉には色んな意味があるような気がした。それをひとことで表すことはできない。だけど、それだけで私たちは幸せなんだって確信だけはできた。
―――――――――――――――――
今日はここまで。ラブラブな乱交は好きです。
00721502014/02/02(日) 00:48:50.39ID:+fHm22Wg
さらに続きます。次で終わりそうです……。
―――――――――――――――――
春になり私たちは無事に進級することができた。三年生になったからもう就職活動のことを考えなくちゃいけない。ただ、春になって生活は大きく変った。
 私たちは四人暮らしになった。一応、世帯主は法律的に一番収入の多い静さんになっている。
私と優の貯金も結構な額だけど、レーザー脱毛とかエステとか学費とかでバカにならない。気軽に使うわけにはいかない。
 もちろん、私たちは睾丸切除すれば楽なんだけど、ちゃんと仕事に就いてから子供を授かるまでは手術はしない。
 男性機能が残っていて形もそのままだから、手術ではきれいに処置してもらえるらしい。それは嬉しいことだ。
 お店に関しては資格を取るまでは少なめにして、資格を取得したら多めに出勤するということをマネージャーと約束した。
 これでも私たちは指名されたり、キャンセル待ちの割合が多いことで人気者だったりする。あんまり出勤していないのもあるけれど。
 学校でも私たちは女の子として扱われる。新入生とかは後で知って仰天したりする。
 去年はサークルとか入っていないのに、学園祭でミスコンに出場して欲しいとお願いされたけど、まだ性別適合手術をしていないから出られないと断った。
 都内だと街中でも女の子同士が手を繋いで歩いている姿は、ほんのたまにだけど見かける。それに気づくと優も気づいていてふたりで笑ったりする。
 私も優も保健師や助産師の授業も履修しているので、最終的には学校の養護教諭になったりすることもできる。
 ただ、今のところは卒業したら国家試験を受けて看護士になることだけが決まっている。
 就職に関しては、牧村先生が協力してくれる。
 私たちのように看護士を目指している堅実なタイプはお店では少なくて、先生のお兄さんが関わっている大学病院に手を回してもらえるそうだ。
 だから、私たちはまずは勉強をしっかりと行わなくちゃいけない。
00731502014/02/02(日) 00:49:29.21ID:+fHm22Wg
新生活で変ったことがあるとすれば、住んでいる場所が広くなったことと、静さんがいるかいないか。
 部屋が広くなった代わりに共有するものが多くなったので、個室が大きくなったし、
 基本的にはパソコンとかで色々と音楽とか本とか取り込んでいるから、基本的にこじんまりとしている。
 と言っても、自慢じゃないけどやっぱり服は多かったりする。そして、ベッドが大きいから、基本的にはお互いのパートナー同士で寝ている。
 ただ、何回目かの静さんがお休みの日に、由香子さんもお休みだったから、普段のふたりのセックスを見せつけられた。
 まだ、一緒に住んでいる期間が短いから、どうしても嫉妬心のようなものを静さんからは感じさせる。
 由香子さんは基本的にタチの人なんだけど、静さんは誘い受けが得意で、キスも自分からさせないで、由香子さんにさせつつ、自分もしてくるという形。
 愛撫も由香子さんが執拗にやってから、静さんもお返しをするけれど、お腹やおっぱいに脇腹と久しぶりなのか、キスマークだらけにしていた。
 最後は双頭ディルドーで激しい嬌声を上げている。楽器も大丈夫な防音の部屋にしたからこれくらいなら大丈夫。
 だけど、優も私も純女のレズビアンセックスを見たのは初めてで、その次のお店のショーで瑠璃さんと双頭ディルドーで繋がるプレイをしたら、反響が大きかった。
 お店に出勤する回数は、少なくなった。
「優は、いつ子供が欲しい?」
 ベッドで一緒に寝ながら、将来のことをたくさん話し合うようになった。
「……三年、何事もなく働けたらかな。それなら、まだ二十代だからふたりは子供が作れるし……」
「静さんに抱かれるのはどう?」
「……底なし……」
「そうだね……」
 静さんいわく、客商売は体力勝負だから柔な体力じゃやっていけないって。確かに説得力がある。
 私だってそこまで多く出勤しているわけじゃないけど、お客さんは本当に多いから大変。
 後、何年か順調にやってけたら二号店かお店を大きくするかで悩みどころだって言っているくらい。
 そうして、資格まで取得すれば後は普通に働くまで。そうなれば、あの仕事とはお別れをしないといけない。
00741502014/02/02(日) 00:50:26.54ID:+fHm22Wg
「ふたりとも、今までお疲れ様でした……それじゃー、ふたりは最後のお客さんを一緒に相手してあげてね」
 最後の週の前に優と私がこの仕事から引退する発表が行われた。そこで、引退記念にステージの上にベッドが持ち込まれ、ごく普通のセックスを行うショーが行われた。
 あまりに普通すぎて、大丈夫かなって思っていたけど、普通に気持ち良くて何も自分たちは不満が無かった。そして、逆にそういう普段着のような姿が逆に歓声が上がった。
『ふたりは今後、普通の仕事で働くことが決まっています。。それ故に、今回は趣向を凝らず普段着の彼女たちの姿を見せることにしました。
 それでは、由香と優子のふたりに盛大な拍手を!』
 歓声の中、裸の私たちは服で少しだけ前を隠した形で退場していくことになった。
 そして誰もいない更衣室で仮面を外して抱き合った。もうすぐ由香も優子もいなくなっちゃうんだ。そう思うと、どこか淋しくなってきた。
 もうひとりの自分が今の自分にしてくれたようなものだから。
 黒服に連れて行かれることにもなれきっている。ただ、今日は私と優のふたり。お店では、3Pを行うことは少ない訳じゃない。
 といっても、大抵の女の子は指名が入っているので、意外と都合良くそういう指名がされることはなかったりする。
 ただ、今日はそういうわけでもなかった。
「失礼します」
 黒服が去り、私が先導でドアを開けて数歩歩けば、待っていたのは戸田キリヤと芹沢愛理のふたりだった。
「あれっ……」
 優が驚くのも無理はない。私だって、キリヤさんに指名されることは何となく予感がしたけど、愛理さんまで一緒にいるのは驚きだった。
「……お前らが引退するって聞いて、急いで呼んだんだ。こいつバラエティ番組を体調不良で休んだ振りしてんだぞ。笑わせやがる」
「キリヤさんの連絡が遅いのが悪いんです。マネージャーだって、基本的に安売りはしたくないから上手く断ってくれましたけど」
「……ったく。上手く飼い慣らされてるな」
 ふたりのやりとりを見て少し笑ってしまう。
「……へぇ……由香ちゃんて、何度かショーで見てはいたけど、近くで見れば男の子にも見えなくはないわね。だけど……意外に胸あるわね……」
 実は愛理さんは普段はBカップの胸のサイズでスレンダーだったけど、必要以上に巨乳になっていく私のおっぱいをいじめてきたのは今更な話。
「……もしかして……今日は4Pってことですか?」
「俺が提案したんじゃねえぞ。愛理が、あたしも入れてとか言いやがった。店側は別に問題はないってことでオッケー出しやがった。全く、独り占めにしたかったのによ……」
「何よ。キリヤさんが3Pなんかしようとするなんて上客だからってずるいわよ。家の事務所は給料制なんだから……使い切れる額じゃないとしてもね」
「わーった、わーった。しかし、お前、昔より根性着いてきたよな……」
 どうやらキリヤさんと愛理さんの愛人関係は長いようだ。
「……とりあえず、積もる話は後でしましょう。せっかく四人で集まったんだし……」
 ふたりはバスローブの紐を解き半裸になる。そして、私たちに近づき、私はキリヤさん、優は愛理さんにベッドの近くまで手を取って引き連れる。
 初めての部屋だったからベッドの縮尺が変な感じになる。これってキングサイズだから。
「……愛理はどっちとしたい……」
「あたしは由香ちゃんと。どうせならやったことない子とエッチしたいし」
「なら、俺は翼とか」
 どうする気なんだろう。私たちは四人暮らしになったけど、さすがに4Pは滅多にしたことがない。
 同じベッドで私が静さんを抱いて、優が由香子さんを抱くことが4Pだとしたら含まれるけど。
00751502014/02/02(日) 00:52:22.21ID:+fHm22Wg
今日の衣装はシンプルなキャミソールワンピース。私は赤。優は青の。キリヤさんたちは慣れた手つきで、肩紐を肩から外す。
 抵抗はしないものの、されるがままなのは嫌だったので、少しだけ抱きつくようにして、脱がされるのを手伝う。
 少しだけ横目で優たちを見やれば、優と愛理さんは同じ身長で、それぞれがお互いを脱がし合うような形になっているから、
 愛理さんは殆ど全裸になっていて、優は胸は晒していたまま愛理さんのおっぱいを愛撫していた。思った以上に激しい動きになっている。
「おい、今は俺が相手だろう」
 顔を無理矢理、キリヤさんの正面に向けられそのままキスを受ける。ただ、口と口だけですぐさま手つきは私を脱がす準備に入る。
「しかし、前抱いたときよりもでかくなってないか……」
 ストンとキャミソールワンピースが脱げたら、私は上下の下着だけになる。そして目線は胸に集まる。
 分かっているけど、胸ばっかり見られるのって実際、嫌かも。ショーの時だって胸ばっかり見られるし。
「気にしてるのか? それくらいでかけりゃ、男も女も食いつくぞ」
 流れるようにブラのホックを外す。動きが速い。いつのまにかショーツに手がいってる。
「ぁぁあ……」
 優が何をされているのか気になる。だけど、ちゃんと集中しないと。ああ、もうおちんちん掴まれてる。
 気づいたときにはショーツも降ろされていて、膝よりも下に来たので、流れで左足を引き抜いた。
「んっ……」
「……立ったまましてみるっていうのはどうだ?」
 両手を前に出され、そのままベッドに手を突く姿勢になる。そしてキリヤさんが私の持ってきたものじゃないローションをおまんこの表面に塗ってくる。
「媚薬入りとかって聞いたが……試させてもらおうか……」
 心臓が鷲掴みにされる。媚薬なんてあるわけがない。あるとすれば、普通に麻薬の類。
「やぁっ!」
「おいっ……」
 そういうのは嫌だ。これで最後なのに、後に何かが残るようなことだけは。
「……悪かったよ……冗談だ……ったく……優子は真面目すぎる……」
「そうよ、キリヤさん。優子は優しいんだから、そういう意地悪はダメよ」
「あぁぁ……」
 後ろを振り返ると困った顔のキリヤさんと、カーペットに押し倒された優がおまんこに指を突っ込まれながら、胸を愛撫されている。
 愛理さん、やられる前にやっちゃっている。優、頑張れ。
「……キリヤさん……私も由香も普通の仕事をする予定ですし、結婚してくれる人もいます……だから、冗談でもそういうこと言うのはやめてください」
「参ったよ……その代わり、最後何だから普通に抱かれるのは嫌じゃないだろう?」
「ええ……」
「由香の前でもか?」
「それくらいの覚悟、とっくにできています」
 さっきの続きで、表面に塗ったのから、今度は少しずつ中に塗り込むように指を入れてくる。
 そしてすぐに二本と指を増やして、もう大量のローションがわたしのおまんこに塗り込められる。
 キリヤさんの無骨な指が四本も入ったら、もう準備は万全。ちょっと広げられすぎたくらい。
00761502014/02/02(日) 00:56:00.72ID:+fHm22Wg
「こういうバックは初めてだな……」
「……来て……」
 間を取らずにキリヤさんのおちんちんは一気に私の中に入ってくる。
 ただ、今日は少し違うのは生で挿入されていること。トラブルを避けるためにコンドームが必須だけど、
 引退する女の子に関してはお互いの体調を精密検査した上で、対応することが可能だということ。
 もちろん、私も優も引退を決めた日からずっと検査を受けて、優とはもちろん由香子さんと静さんともセックスをしない日が続いていた。
 それはもちろん優も。一週間じゃ利かない期間の我慢は、今の身体でも少し辛いくらい。
「あぁぁっ!!!」
 熱い。身体の中は沸騰しているのに、その熱を更に高められるような気分。熱量に浮かされ意識が薄くなる。
「相変わらず……締め付けやがって、欲しがりがっ!」
「んんっ!! 大きいぃ……」
 生でセックスしたのは優とだけ。仕事を辞める相談をしたとき、
 マネージャーから最後だからってことで、そういうサービスをすることはできないかって話があった。
 私は、嫌じゃないけど優の気持ちの方が大事だった。
「ボクは翼が構わないなら、それで良いよ。知っている人なら、せめてお世話になったお礼みたいなものだし」
 それがこうして身体の中を圧迫するように満たされることに、
 自分が巨大な筒になったようにしてキリヤさんを迎え入れている感覚に支配されている感じがとても良い。
 とても太くて長いおちんちんは、Gスポットを抉ったり、お腹の奥を抉ったりして、
 いつのまにかおまんこが自然な収縮じゃなく、快感に反応しておちんちんを締め付けている感覚が続く。
「ふえっ!」
 急に身体が起こされたと思った。違う、キリヤさんは腰を掴んでいた両手を私の両腕に回し、そのまま腰を打ち付けてくる。
 腕の支えが無くなって、立ちバックの姿勢のままピストンされる。感覚が腕とかに分散していたのに、こんな風に一点集中されたらおかしくなる。
「はぁぁあああっっ!!」
 勢いはそのまま、身体全体を仰け反らせながら悲鳴のような嬌声を上げる。
「ああんっ!!」
 あ、誰かが喘いでいると一瞬だけ、自分の快感以外に意識を向けると、優はいつのまにかベッドで愛理さんに騎乗位で犯されていた。
 激しく腰を振りながら優の乳首を嬲っている。その光景を見るだけで、一緒に犯されているという感覚に私は激しく被虐心を煽られてきた。
「あっあっ……んっ……ああぁっ!!」
 何度目か仰け反ったとき、今度はそのままの姿勢で硬直が治まらない。ずっとそのまま、腰からの快感が頭の奥から突き破りそうなまま声にならない声を上げていた。
 いつのまにか涎が顎を伝ってたけど、もう拭ってられない。毛穴という毛穴から体液がこぼれ落ちそう。
「もう限界か? ならイケよ、イッちまえこの淫乱!!」
 腰の動きをより激しくされ、最後の一押しをされた衝撃で白目を向くくらいの衝撃と意識のブラックアウトとクリトリスからの激しい愛液の放出を感じ取った。
00771502014/02/02(日) 00:56:43.50ID:+fHm22Wg
「おーい……生きてる?」
 意識が混濁している中、やっと意識が少し回復した際、私のことを確認していたのは愛理さんだった。
「あ、大丈夫ね……しかし……股間以外は女の子ね……あたし映画でレズビアンの役をやったときでも、
 相手の子、そんなに肌つやとか綺麗じゃなかったもの……惚れ惚れするわね……」
 改めてまじまじと見られるのは、もはや同姓みたいなものでも恥ずかしい。何度かセックスをした相手でも。
「ああっ! やあっ!」
 後ろから嬌声。
「由香ちゃんよ。キリヤさんが対面座位でやってる。キスで口塞いじゃうから、由香ちゃん喘げなくて、たまに呼吸するときだけああして」
 還暦過ぎてもあの精力を保てるのが凄い。正直、私もさっきので相当、腰に来ている。私たちと訳が違う。
「イッっちゃう!! イッチャウ! いっちゃあうー!!!」
 言葉にならない悲鳴を上げて優がキリヤさんに抱きつく。
「おい……溜めてたのか……こんなにぶっかけやがって……」
 キリヤさんはゆっくりと優を寝かせ、お腹に掛かった白濁した液体を指先で弄んでいた。
「優子ちゃんと由香ちゃんはまだ立てそうにない? 悪いけど、ちょっとシャワー浴びちゃうわね」
 愛理さんはまるで確認をするように言ってから、ベッドから降りたキリヤさんと一緒にバスルームに向かっていった。
「優……大丈夫?」
 小声で呼びかけると
「うん……大丈夫」
 お互いに小声で、芋虫みたいに這いつくばりながらそっとキスをした。こんなに近くて遠い感覚が怖くて、なんとなく早く身体を寄せ合いたかった。

 そして、シャワーから帰ってきたふたりがこんなことを言ってきた。
「実は、あたしね、未婚の母になることを決めたの」
「……ということは」
「まだ、妊娠は確認できてねえが、一応は俺の子ってことになるな。愛理は一応物好きだからな。
 俺の子を産むと決めたらピルを飲むの止めて、ちゃんと記録着けてやがる。お前がビッチじゃねーのくらい知ってるっつの」
 キリヤさんは苦々しく呟いた。
「一応ね、マスコミには絶対バレたくないし、認知はしてもらうけどそれすらも知られたくないの。で、まー密会場所としては、このお店は絶好の場所なの」
「俺は見せつける趣味は無いんだがな……」
 つまりはふたりしてお店を利用して妊娠を目論んでいるということ。
 一応、鑑賞するという意味で女の子を指名して個室に呼ぶことはできるけど、個室に呼んだ女の子に見せつける目的なんて。
「……一応、お前らは、正直俺たちも気に入っているから、今日だけは普通に抱いたが……これから俺と愛理がやるのを見てくれれば良い。店は知ってるだろうがな……」
 ふたりのセックスは普通に行われた。特に変った動きでもなく、正常位から対面座位に変って、激しい声を上げて。
 ただ、私とセックスしたのに生で普通にやって大丈夫なのかな、ってちょっどけ心配した。
 そんなふたりの姿を見ていたら、優が左手を握ってきたので、私はそれを握り替えした。
 この日で仕事は終わり、朝になってキリヤさんと愛理さんが先に部屋を出た後に、私たちはマネージャーと少しだけ話をした。
「お疲れ様……明日からは、ここのことは忘れなさい。そして、あなたたちはずっと昔から女の子だった。それだけ。分かった?」
「「はい」」
 私たちは、家に送り届けられるまでの間、これまでの長い間のことを思い出す。辛いこともあったけど、今の私たちになるためには必要なことだった。
 そういう気持ちになれるだけでも充分だった。
00781502014/02/02(日) 00:57:25.05ID:+fHm22Wg
 大学を卒業して優と私はある大学病院で看護士として働いている。事務的な面で女性として扱ってもらっている。
 牧村先生の計らいもあるけれど、医療機関だからということで理解もあるみたい。
 戸籍を変えると由香子さんと結婚することができない。だから、私の翼という名前であることがとても嬉しかった。
 看護士になるまでに大変だったことは、やっぱり家族へのカミングアウト。
 お父さんが驚いたあげく、私が結婚相手まで連れてきたのにはパニックになりかかった。危うく救急車まで呼びそうになった。
 だけど、由香子さんは最近では有名な女性誌の記事を書いたりしていているところから、今ではネットでエッセイストとしても活動している。
 大学卒業してからの活躍が色々なところで評価されていたらしい。最近では小説を書いてみるように薦められて、
 遠出をしない代わりに部屋にこもって執筆しては出版社を往復することも多い。
 結局、見送りに来てくれたのはお母さんだけだった。
「たぶん……お父さんが納得するまでは掛かりそうね……」
 お母さんはとても複雑な顔をしている。ただ、前よりも暗い気持ちではないみたい。
「由香子さん……あなたの仕事の話を聞いてみたら、思った以上にちゃんとしているみたいで良かったわ。翼もしっかりとしているみたいで。
 だから……何かあったら連絡しても良いからね……由香子さん、娘を、翼をお願いします」
 見送ってもらって特急電車に乗るまで、私は無言だった。
「どうしたの? 翼……」
「本当は、優のことも紹介したかったな……」
「……もう少し、私がお母さんと仲良くなってからね……でも、私だってあなたの恋人なんだからね」
 ちょっと卑屈かもしれない。ただ、これで一生会えなくなるとか考えなくて済みそうで。いつかまた姿形は変っても帰ってこれそうで。
「後、これは静さんにも優にもまだ教えていないことなんだけど……」
「なに?」
「再来月に、わたし、作家デビューする」
「本当に?」
「ええ。結果如何では、ベストセラー作家になるかもね」
「凄いな……」
「たまたまよ。結果出せなきゃ、ライターの仕事は続くわけだし、身体動く間は小説専業ってわけにはいかないんだから。
 ただ、これで私が小説でいっぱい収入を得られたら、家も買えるかもね。いつまでも賃貸暮らしっていうのも気分的にね」
 由香子さんの中では明るい未来しか考えられていないみたい。
00791502014/02/02(日) 01:01:21.28ID:+fHm22Wg
 三年、看護士として仕事をした。そして優が三十歳になる前に子供を作ろうという話になった。
 最初は優が悩みに悩んで、由香子さんとの間に子供を作ることにした。これは、私にも配慮したことだった。
「お姉ちゃんの子供なら、ボクの子供みたいなものだもんね」
「じゃあ、代わりにあたしは翼ちゃんの子供が欲しい」
 静さんはどうせなら一緒に産んだ方がまとめて済むだろうという意見。そしてふたりとも簡単に妊娠したので、結局、私たちの職場で産むことになる予定。
 だけどその前に。
 私たちは入籍をして、ささやかな結婚式をした。全員でウエディングドレスを着て、数少ない呼べる知り合いを集めて、立食パーティーのようなものをした。
 私たちは複雑な関係性だけど、パートナーっていうよりも共犯者。
 妻であり恋人であり、姉妹であり家族であり、私たちは私たちのためだけに結ばれた関係性をこうして形にした。誰もこれを邪魔なんてさせるわけにはいかない。

 妊娠した時期が同じだったので、生まれる予定日もほとんど同じだった。由香子さんが産んだ二日後に静さんも出産した。
 だから出生届は同日に出した。双子みたいに育てちゃおうということにした。
 静さんは名字が優と結婚した扱いだから遠藤になったし、由香子さんは私と同じ名字になった。
 由香子さんの小説は賞こそ受賞しないけれど、結構な売上を記録していて、インタビュー取材やテレビ出演も何度かしている。
 やっぱり美人だと得だったりする。私たちの存在は少しも触れられないのが少し驚いた。どうやら小説家のスキャンダルは週刊誌とかは滅多に触れないらしい。
 何よりも出版社が出しているから、由香子さんに小説を書いてもらえなくなるとかで触れられないとか。
 そうして由香子さんが在宅で仕事ができる上に、静さんは信頼おけるスタッフをお店に増やして、
 基本的にはオーナーという扱いで店の管理的なことしかしないようになった。
 だから年子で二人目を産むのは何ら問題は無かった。そうして産まれたのが女の子だった。やっぱり時期が被っているから双子扱いで育てることにした。
 由香子さんと静さんが授乳が大変だから私たちも育児にてんやわんやだった。
 家族が増えている間は性的欲求不満とかそんなことを考えている余裕なんてなかった。家族が増えるのって大変だ。
 だけど、それでもこの忙しさを得られるということは、私たちは幸せなんだって確信めいたものを感じた。
――――――――――
次で最終回です。設定とか質問とか聞いてみたことがあれば、ある程度受け付けます。
もうネタ切れですので……。
00801502014/02/03(月) 00:51:53.69ID:Iimt/m+d
これで最後です。数ヶ月おつきあいありがとうございました!
――――――――――――――――――――――
そして優が30歳の誕生日を迎える半年前に、私も一緒に睾丸の摘出手術をした。
 それほど感慨も無い。余分な物が取れた感じ。それは優も同じみたいで、「後、ちょっとだね」と言ってくれた。
 そしてそのまま優秀な性別適合手術ができる医者を紹介してもらった。これも牧村先生の人脈が生きた。
 タイまで行く必要はなかった。実を言うと技術もタイの医者以上の技術がある人だけど、ある特殊な事情で日本では執刀をやっていないそうだ。
 理由は例の如く知ってはいけない話になるから私たちは興味を持つことはしなかった。
 それでもタイで10年は執刀してきた人なので技術が粗悪というわけではないそうだ。
 私も優も念のために、三十歳になるまでに摂取する分の薬の料金と性別適合手術のお金は充分に確保している。
 それどころか余ってしまうくらいのお金は充分に持っている。無駄遣いするつもりは全然無いけれど。
 だから手術費用に関しては問題が無かった。しかも事情によって安くしてもらった。モルモット的な感じ。
 そうして同じ日のほぼ同じ時間に手術が行われた。もちろん最悪の場合は今生の別れになるかもしれないから、手術の前日は深く深くキスをした。
 そして、長いブラックアウトの後に、目覚めたときには隣のベッドで優が目覚めていて、荒い呼吸をしながらも微笑んでくれた。
 良かった、一緒に生きていたんだって安心した。
 入院とかで長い期間休むことになったことで、しばらく私たちは休職という扱いにはなっている。
 ただ、あまり長期間休むのも悩みどころ。由香子さんと静さんは最悪、主婦になれば良いとは言ってくれているけど、
 せっかくここまで来たんだから、ちゃんと女性として生きていきたい。
 身体が動かせるようになっても、大変なのはダイレーションの作業。私にできたちゃんとしたおまんこに樹脂製の器具を挿入する作業。
 これを毎日ちゃんと決まり通りやらないと塞がってしまう。
 無事に退院した後も、優と私は基本的にその作業ばかり行わざるを得なかった。そのため、牧村先生とは長い付き合いになりそうだった。
 彼女曰く、私たちのデータは相当な資料として生かされているらしい。
00811502014/02/03(月) 00:52:31.16ID:Iimt/m+d
「「退院おめでとう!」」
 一緒に家に帰って、リビングのテーブルに座ったら、いきなり退院おめでとう! の声と同時にケーキが運ばれてきた。
「子供たちは……?」
「みんなお昼寝中。翼ママと優ママが帰ってくるのを楽しみにし過ぎちゃって疲れたみたいよ」
 ママが四人いるっていうのも少しどころじゃなく、とても変だと思う。由香子さんは大らかなので気にしないけど、色々と今後のことは考えておかないと。
「隼人と鷹斗は元気にしてる?」
「ふたりとも元気よ。でも、隼人ったら食いしん坊だから、ご飯作ってるときのつまみ食いだけは止めないのよねぇ……誰に似たんだか……」
 静さんの視線は由香子さんに向かう。
「お姉ちゃん……」
「優だって、小さい頃は結構、食いしん坊だったわよ……」
「そんなー……」
 男の子はふたりとも言葉も覚えて、少し腕白なのが隼人。由香子さんと優の間に産まれた子供。弟の鷹斗はどちらかというと大人しい。
 よく寝ているけれど、隼人と一緒にいるときに、兄の暴走を止めたりするので不思議な力関係が働いている。
 妹ふたりに関しては、まだ特徴というのが出ていないけれど、優衣と楓という名前をつけている。
 私と由香子さんの間に生まれた子が優衣で、優と静さんの間の子が楓だ。
「……話には聞いていたけど……ダイレーションって大変なのね……」
 当然、手術の後は生活が元に戻すまでは大変だった。まずしばらくは絶対安静だし、仕事に戻れるかという不安もあった。
「安心しなさい。ベストセラー作家が着いているんだから」
「由香子……調子に乗らないの」
 静さんは家族の窘め役として存在してくれるので、私も優も少し安心してしまう。やっぱり三人じゃこうして生きていくのが難しかったかもしれないね。
00821502014/02/03(月) 00:53:56.75ID:Iimt/m+d
 数ヶ月に渉る期間を経て、牧村先生からセックスをしても大丈夫と告げられた。
「あまり……無茶な器具挿入とかはしないようにして下さいね」
 やっぱり事故とかそういうのはあるらしい。
 そして、私たちはさすがに由香子さんと静さんが使っているものをそのまま使うのも何だか違うと思ったので、自分たち用の双頭ディルドーとペニスバンドを買った。
 昔はそれぞれ個室を持っていたけど、将来的なことを考えて、お互いのパートナーと一緒に寝ることが多くなった。
 子供も小さい子が由香子さんと静さんと寝かせて、大きい方といっても一歳差だけど、男の子たちは私たちと一緒に眠る。
 だけど、今日は特別だから子供たちは全員、隣の部屋で寝ている。もちろん防音だから、私たちが何をしているかなんて知るよしもない。
 夏が目前の少しだけ汗ばむ夜だった。だけど、その分、簡単に裸になることができた。膝立ちのまま見つめ合った。
 優の方が年上で三十歳を目前にしていても肌はとてもきれい。私たちの身体は勝手に女性ホルモンが生成されるから、食生活さえ気をつけていれば充分に肌や体調は安定する。
「女の人になって初めて優の身体見るね……」
「うん……翼は、もっときれいになってる」
 いつも忙しく働いていたのもあって、時々は肌荒れになったり、少しストレスで体調不良にもなったりするけど、
 手術の後はしばらく安静にして、少しずつ無理なく仕事に復帰していった。だからふたりとも体調は今が一番順調。
「……やっぱり、翼のおっぱい大きいね……」
「優だって、Eカップになったじゃない……」
 そっと優の手が私のFカップのおっぱいに触れる。さすがにもう安定したからこれ以上大きくなくて済みそう。後は垂れるのだけが心配。
「優……」
 私も優のおっぱいに触れる。そっとお互いをまさぐるような動き。自然と吐息が漏れてきている。
 自然と抱き合う姿勢になったころには指で乳首を摘み、手の平で転がしていた。
 裸になったときには、お互いに気づいていたけど乳首が立っていた。早く素肌同士を触れあわせたかった。
「翼、キスして……」
 愛撫に翻弄され潤んだ瞳で優が私を求めてくる。愛撫の手を止め、身体を抱くように唇を重ねた。
 そして自然に唇を濡らすようにお互いが舌先で唇に触れ甘噛みするように唇と舌先を舐め回す。
 ピチャピチャという微かな破裂音が響き出す。キスが激しくなるとこうして舌を絡ませながら唾液を分け合う。
 性器が重なり合うのとは別でひとつになっている感触がたまらない。お互いに解け合いそうになってくる。
「んっ……優……舌出して……」
 甘えてくる優の舌が少しずつ伸びてくるので、キスの流れから口の中に入れ、甘噛みしつつ舌先で触れる。
 呼吸困難になりそうだけど、少しだけ我慢。そのまま優の舌を口全体で味わう。
00831502014/02/03(月) 01:00:06.06ID:Iimt/m+d
「……はぁっ……もう、翼の欲しがり……」
「だって、優が私のこと誘うから……」
 息が続かなかったから優は荒い呼吸をしてるけど、また唇と近づけても嫌がる素振りを見せない。
 優が求めるように舌を出してくるので、今度はキスをしながら舌と舌で舐め合う。
 私が何度も優の舌と唇を舐め回したら、今度は優が私の顔を舐め回す。頬や鼻の頂点とか。
 すっぴんだけど優は顔まで舐めてくるから、こうやって長いセックスのときはスキンケアが疎かになる。化粧水とか乳液とかは毒だから。
「ぅふんっ……優……顔、舐めちゃダメ……」
「ヤダ……翼のきれいな顔舐めさせて……」
 されるがままにしつつ、両手でおっぱいを揉んだら、少しだけ動きが遅くなったので、そのまま繰り替えす。
 優だって結構な巨乳だし、弾力はちょっと私よりあるから感触もたまらない。
「ひゃんっ!」
 夢中でおっぱいを揉んでいたら、首筋に舌を這わせてきたから、びっくりする。おまけに思った以上に感じる。
 そしてそのまま顔を舐めながら、優は私のおっぱいを揉んでくる。
「最初は……ぅんっ……ボクが責めるの多かったのに……どんどんエッチに……んんっ……なっちゃったよね……」
 少し不満の色を込めて言ってくるから、
「だって……優にぃ……いつも、されてて……嬉しいけど、あっ……悪いなぁって……思っていたのと……んっ……」
「されるがままなのが……やなんで……しょう」
 手術をする前から、愛撫の執拗さはお互いに増したと思う。無くなる物を頼るようなセックスを終える準備はいつもしていた。
「そうだよ……」
 返事と同時に両手で、顔を舐め回す優の身体を少しだけ離し、気を緩めた優のおっぱいの乳頭を銜える……。
「んんっ……翼……赤ちゃんじゃないんだからぁ……」
「うぅーん……んっんっ……」
「ボク……あぁ……おっぱいでないよぉ……」
 知ってる。だけど乳首を吸い付くのが好きだからしょうがない。
 静さんが妊娠したときは、DカップがHカップまで成長しちゃったから、
 優と私で母乳を吸いながら、妊婦の由香子さんがペニスバンドで静さんのアナルを犯すなんて倒錯的な4Pまでした。
 妊婦さんは便秘しやすいから浣腸したついでだってことで。
「……おいしいよ、優のおっぱい……んっ……」
「……じゃあ……翼、おまんこ慣れた?」
 胸ばかりやられてたから、優は私の新しいおまんこに触ってくる。
 睾丸摘出から性別適合手術まで一気にやった関係で、私たちの女性器は形状も感覚も一般の性別適合手術以上の結果をもたらしている。
 だから、触られるだけで思ったよりも感じることができた。
「……優……早い……」
「遅いよぉ……早く、翼と繋がりたい……」
00841502014/02/03(月) 01:00:33.44ID:Iimt/m+d
優と私でお互いに徳用ローションをお互いの手の平に垂らしながら、指先でおまんこを濡らし合う。
 ダイレーションで太いダイレーターを差し込んでいたから、指ぐらいなら余裕で二本、三本は大丈夫だった。
「……双頭ディルドーで良いよね……」
「翼が良いなら……」
 選んだのは長めの双頭ディルドー。もっと短いのやバイブ機能があるのもあったけど、最初は慣れる意味もあって単純な物にした。
 優を寝かせる体制にさせて、私は片側のディルドーをおまんこに挿入した。
「……うんっ……」
 ダイレーター入れるときは普通にしているからだけど、こうやって挿入するだけで快感を意識する。
 やっぱりセックスって感情を伴うものなんだなって嬉しくなる。
「優……左脚あげて」
 松葉崩しの体位になるから、私が腕で優の左足を抱えるように持ち、右脚というか太股に跨る体制になる。
「翼……入れて……」
「うん……行くよ、優……」
 優の中にディルドーの反対側を挿入する。自分の身体の一部じゃないから入っているのか不安になる。
「あぁ……入ってるぅ……」
 甘えるような声で優が言う。その言葉に私の身体が震える。
「……優……ごめん……我慢できない……」
「良いよ、動いて……翼に気持ち良くなってもらいたい……」
 緩慢な動きになるのはしょうがない。あんまりしたことがない体位だし、私も自分の側のディルドーが抜けない位置と動きを確かめながら動いている。
「……ぅん……はぁ……」
「優……きもち……んっ……いい?」
「……うん……なんとか……ぁぁあ……」
 優の左脚を抱くよう腰を動かしている。やっぱり不思議とおまんこの感触よりも、身体の中や触れあう肌の方が感じる。優の身体がとても気持ち良い。
「翼……つばさはぁ……」
 何とか声を出してくる優。ああ、私はもう充分気持ち良いのに。もった感じて欲しいから、私のことなんて気にしなくても良いのに。
「気持ち良い! 優、もっと感じて!」
 思わず大きな声を出して、私はもっと激しく腰を振る。勢いを強くすれば私も深く突き刺さり、大きな声で喘ぐ。
「翼……なんか……もう……ダメかも」
「あぁっ、嬉しい! 感じてっ! もっとっ!」
 ありえないくらい気持ち良い。私たちなら、ずっとこうしていける気がした。優が感じるように、私もありえないくらい気持ち良かった。
 運命が残酷だなんて思えない。こうなるために私は男の子に産まれたんだ。優と出会うために男に産まれて女になったんだ。
「ああぁぁぁっっっ!!!!」
「優っ!! 私もぉぉっっ!!!!」
 お互いを貫く快感の勢いに意識が飛ばされ、私は優の左脚を抱えたまま、マットレスに倒れ込んだ。
00851502014/02/03(月) 01:03:12.75ID:Iimt/m+d
「起きなさい……翼ちゃん……」
 意識が戻ったのは呼びかけられたから。
「あれ……静さん……」
「ごめんね……トイレに起きたら、ちょうどあなたたちがイっちゃった声が聞こえて……
 もちろん遂、聞き耳を立てただけなんだけどね。大丈夫、子供たちは気づいてないから……」
 様子を見に来た、という野暮なことは静さんはしない。理由は見れば分かった。静さんは全裸でペニスバンドを装着していた。
「私もいるわよ」
 よく見れば暗がりで由香子さんも全裸でペニスバンドを装着している。
「翼……」
 顔を起こすと身体を起こした優が、苦笑いしながら、
「お姉ちゃんたちも入れて欲しいって……」
「明日は日曜日でしょう……それに、もう一回戦くらいはできるでしょう……」
 優は苦笑いのまま首を振った。そして私は、分かりましたという言葉を返す。後戯ができなかったのは残念だけど、
 四人で暮らすと決めたから、こういうことになるのはしょうがないと思った。今の生活だけでも充分幸せなのに、不平不満を口にする気はなかった。
 とりあえず、私は起き上がって優にキスをした。これだけは確かなんだから。

 その後。

 隼人と鷹斗が三歳になったので、それぞれの実家で七五三のお祝いをした。そこで優と由香子の両親と初めて会った。
 さすがに孫の顔を見たら、反対気味だった父親も顔が緩んで、ちゃんと生きるように由香子さんと優には強く言われ、
 私と静さんにはよろしくお願いしますと頭を下げられた。ただ、さすがに子供たちの両親が違うとは言えなかった。
 そして、私の実家に関してはこれまた孫が産まれてその報告を遅ればせながらした。結局、お父さんは由香子さんが嫌でも有名になって、
 子供まで産まれてしまったということで、しょうがなく認めてくれた。性別適合手術に関してはお母さんと兄さんたちに報告していて、
 全て終わってしまったこととしてお父さんも反対しようがなかった。だから正直、死ななくて本当に良かったとは今なら思える。
00861502014/02/03(月) 01:16:52.08ID:Iimt/m+d
仕事復帰をしても問題は無く生活が安定して、子育てをしながら、大学時代の同級生とも同窓会で再開した。
 やっぱり私の生活が特殊なので少し興味を持たれたりした。だけど、みんな私と優を普通に女子として扱ってくれるし、年賀状のやりとりもするようになった。
 そんな年賀状の中で、カホから年賀状が届いていた。いつもはイラスト入りの年賀状だったけど、今年は写真が使われているものだった。
 海外で同性婚が可能な国で結婚式を挙げたとのこと。今はカナダで暮らしていることの報告だった。
 年賀状をより分けていたら、由香子さんがその年賀状をまじまじと見て、涙を流した。どうしたのかと驚いたら、
 カホの隣にいた女性が由香子さんの元彼女の緑さんという人だということが分かった。
 酷い別れ方をしたから、今、幸せに暮らせているとは思いもよらなかったって。だけど、それなら私だって驚いている。まさか、過去がこういう形で繋がるなんて。

 全員が三十代になったとき、もう子供たちのことが中心になって、あまり個人的なものから性的な悩みは考えないようになった。
 それよりも子供たちがどう幸せになっていくかという考えに四人の気持ちは一致している。
 ただ、とりあえず懸念があるとすれば、同性愛者や性同一性障害じゃなければ良いんだけど、ということ。
 だって、子供たちは悩み苦しまないで普通に生活してもらいたいと思うのが自然だったりするから。
 そんなことを考えて少し憂鬱な気分になると、決まって優が私の手を握る。だから私は優のために笑顔になった。これからも同じことが繰り返されることを確信しながら。
 私は、男の子で産まれて良かった。苦しんだけど、今よりも幸せな人生を送る自信なんてない。だから、今の私は何も悩まず何も苦しまず、ただ幸せ。
――――――――――――――――――――――
ということで、以上終了です。もう余力は少しもありません……
暫定的な設定として、それぞれの外見として翼は堀北真希が男装してるのがガチの男で、最終的に今になったと思ってください。ただし巨乳で。
優は、少し前にラストフレンズで上野樹里がしてた外見に近いです。女→男の性同一性障害って設定だったけどその逆。穏やかな印象で。
由香子はモデルの田中美保みたいな感じで。サッカーの稲本の奥さんですね。
静は、女優の水川あさみってところ。
身長とかの設定はさすがに分からないのでそこまでは決めてません。
とりあえず、おつきあいありがとうございました。エロ小説を書くのは初めてなので、ここまで書いた自分に逆に引きますw
ということで、こんどこそ本当にさようならです。
0088名無しさん@ピンキー2014/02/03(月) 02:16:04.58ID:q9FdPhlu
GJ!
お疲れさまでした。
そして、ありがとうございました。
0089名無しさん@ピンキー2014/02/07(金) 15:27:21.07ID:is5jDbH3
エロくて最高っす
前半も読みたいんですが、どうすればいいでしょう
0091名無しさん@ピンキー2014/02/19(水) 20:12:00.06ID:NuNWWtVY
BLUEさんって半年以上みないけど忙しいんだろうか・・・・
0097名無しさん@ピンキー2014/08/13(水) 23:49:16.53ID:dcqHjUy8
高宮アスカとかツボ
ご主人様調が堂に入ってて掘ってほしいキャラ
0100名無しさん@ピンキー2014/12/02(火) 16:00:37.90ID:M9twu8Qz
新作こないかな
0101名無しさん@ピンキー2014/12/22(月) 18:35:26.41ID:cqREIJcq
男の娘じゃなくて、ショタをじっくりメス化調教して、
最終的にシーメールにするようなゲームないかなあ……
同人によくある着せ替えRPGみたいな感じで、
あるいは戦乙女ヴァルキリーみたいな感じで、
性器の形まで変わるような安易な女体化じゃなくて、
メス化が進行していって、不可逆なラインを越えてしまって、
いつの間にか取り返しのつかない体になっていた、ってのがエロいと思うんだ

まあ、そんな話を書こうと思って挫折したんですがね
0102名無しさん@ピンキー2014/12/29(月) 19:05:58.40ID:xafFXqyJ
「性転換を題材にしたミステリーを書いてみました」ってサイトがヒントになるかも
0103名無しさん@ピンキー2015/01/03(土) 22:38:51.89ID:0PQ8vZf1
>>102
あそこは最終的に性転換するエピソードが多いけど、タイトルに「ニューハーフ」が入っている回はここ的にも良かったね
0104名無しさん@ピンキー2015/01/15(木) 23:35:12.82ID:1464jPFA
あまりの過疎さに何か投稿しようと書こうと思ったのだが
妄想をそのままぶちまけても気持ち悪くなるだけだし
かといってしっかり書こうとするとボキャ貧すぎてまともに文章を組み立てられない

俺にはまだ早かったようだ・・・
0105名無しさん@ピンキー2015/01/18(日) 22:14:11.39ID:hkJaFC2B
メジャーな版権物があれば二次創作という形で形にしやすいけど、
このジャンルでなかなか有名な作品ないしな
0107名無しさん@ピンキー2015/01/22(木) 13:24:08.36ID:kVHm3P5i
エロゲーで藍原晶子とか、偽ボーカロイドで波音リツとか、ディープなファンのいるキャラもいないではないんだけどね

麻里愛とか葵双葉とかメジャー作品でもいないことはないけど、ニューハーフブーム時代のキャラだから、今となっては
二次創作にもしにくい・・・
0108名無しさん@ピンキー2015/01/23(金) 00:17:08.66ID:37b1z+ed
エロといっても女装ショタが女に騎乗位で犯されるだけなのかペニバンも使うのか
女装レズやニューハーフと客なのかエロといってもいろんな形がある
0109名無しさん@ピンキー2015/01/30(金) 01:19:36.58ID:ct12QtRy
興奮すると低い声とか男らしくなってしまう作品ってあるかな。あったら是非教えてください
艦これの愛宕がシーメールのSSは読んだ
0111名無しさん@ピンキー2015/01/30(金) 21:08:22.61ID:tVApoARK
二次ならではのジャンルだと思う
エロDVDだと顎や肩とか見るとやっぱり男だって丸わかりで萎えてしまう

小説も家族との軋轢とか進路とかやたら重いテーマ持ち込むのもリアルな人達が書いてるからだろう
お話なんだからもっとご都合主義だったりエロに特化している方が個人的には楽しめる
0112名無しさん@ピンキー2015/01/31(土) 12:06:06.49ID:IkT3Yd8X
そういう小説はあくまで三次の延長線上で自分が云々みたいな私小説の類でしょ
そういうのはあくまでエロシーンもあるシーメールもの
ここの住人が基本望んでるのはエロシーンありきのシーメールものってかんじ
0113名無しさん@ピンキー2015/01/31(土) 12:42:10.44ID:sppqwsko
ネット小説漁ってもシーメールがテーマってあんまり無い気がする
(探し方が悪いだけかもしれないが)
0114名無しさん@ピンキー2015/01/31(土) 12:51:21.00ID:4SblUkGB
ノクターンで検索。女装140、男の娘112、ニューハーフ17、シーメール5と……なるほど。

実質シーメールでも「シーメール」とは記載しないパターンもあるしな。
0116名無しさん@ピンキー2015/02/01(日) 01:49:54.44ID:EZOPuHs4
紹介GJ!
ツボな神サイトだったわ
0117名無しさん@ピンキー2015/02/01(日) 16:16:21.24ID:Bi26dP35
シーメールってのは最近の流行の服だけ女物じゃなくて体も改造してるマニアックなのか?
ニューハーフって言うと水商売っぽくて嫌だ。ヘルスならいいけど
0118名無しさん@ピンキー2015/02/01(日) 22:42:31.85ID:aUCa0ddv
少なくとも豊胸はしているイメージがあるが、実際のところはどうなのか
0119名無しさん@ピンキー2015/02/07(土) 19:20:07.11ID:hEGnb8Sr
オマール・ベルの世界は結構このスレの趣旨に合ってると思うが、どうだろう。
豊胸はないけど、ヒップが女より魅力的になる。
0120名無しさん@ピンキー2015/02/17(火) 14:57:06.93ID:V0FrE1On
>>118
男性器だけは残して、人工的に豊胸したり肉体改造していることがほとんどだね。
最終的に性転換まですることも多いけど、そこまで行ったらシーメールとは違うジャンル。

性転換してもしなくても、手術やホルモンというリアルな技術で女性化すればニューハーフ。
たまにイラストでは天然で女性っぽい女装青年にシーメールという呼称がされることもある。

>>119
そこを翻訳しているワイフストーリーズは他にもシーメール小説を多く翻訳しているね。
日本だと魔法や超技術を使うTSFのサブジャンルが多いけど、海外だと手術やホルモンを使うことが多い。
0121名無しさん@ピンキー2015/02/24(火) 17:42:50.15ID:tYMHA69T
このスレだと例えは悪いけど峰あずはみたいなニセ女でなく
サオは取ってないほうが好まれそう
あくまで中途半端な存在でメスであろうとしてもなれてないある種の滑稽さにも萌える
0122名無しさん@ピンキー2015/02/24(火) 22:43:55.41ID:nrNPMi45
身も蓋もない話だけど、エロパロ板のファンタジーのシーメールと
現実のシーメールでは体型が違う
どんなにホルモン打って女体化しても骨格は簡単に変えられない
肩幅の広い女と狭いオカマを比べても 首から肩へのラインが違うので見分けがつくらしい
クラインフェルター(無精子症)の男性だけは女性っぽい体つきらしいけど
0123名無しさん@ピンキー2015/02/24(火) 23:54:50.30ID:W2fX3sn5
雑談もいいけど、そろそろファンタジーのシーメール小説が読みたいっす
0124名無しさん@ピンキー2015/03/01(日) 09:39:51.04ID:tXRMNkHQ
Animal Sex Fun の victoria-submits ていう作品がよかった。(獣姦嫌いな人注意)
機械翻訳にかけるとかなりデタラメな訳になるけど、シーメールが雄犬のペニスに欲情する様子がgood
0125妄想2015/03/01(日) 20:57:44.19ID:tXRMNkHQ
 興味本位でネットで評判の女性ホルモンを買って飲んでみたら、胸が大きくなっちゃって女性のAカップぐらいになってしまった。
女物の下着やらコスチュームなんかを買いまくってたので、お金が無くなりアルバイトを探していたところ、家庭教師(小○6年生)の募集をみつけ、子供が好きで勉強も得意だったのではじめることにした。
ちょっとした冒険心と好奇心、相手は小○生だからと軽い気持ちで完全に女装して、女の先生として
行ってみることに。担当することになった○○君は素直で元気な男の子で、少年野球のチームに入っているんだそうだ。
こちらは女装がばれないかひやひやしていたが、○○君は全く気付く様子もなく集中して勉強に取り組んでいた。俺は隣りのイスに女性らしく足を揃えて座り、うんうんと頷きながらその様子を見ていた。
相手が小○生とはいえ、大人の女性として男の部屋に二人きりという状況になんともいえない感情をうっすらと感じていた。
 その日はすごく暑かったので、ひざ上25センチ程のデニムのミニスカートと、体のラインがでるぴちっとしたTシャツに身をつつんで、○○君の家に。
ドアを開けたとき、○○君はハッとしたように頬を赤らめてすぐ横を向いてしまった。「どうしたの?」ってきくと「いやっ、××先生今日綺麗だなって思って。」
なんていうもんだから、「そう、ありがとう。」なんてすまして言ってみたけど内心嬉しかった。
だがその日の○○君は身体の調子が悪いのか、なかなか勉強がはかどらず「先生、ちょっとトイレいってくる。」っていうので一人部屋で待つことに。
部屋を見回すと野球少年らしくプロ野球選手のポスターが壁に貼ってあり、その横には子供サイズの野球のユニフォームがハンガーにかかっている。
ベッドの上には少年マ○ジンが無造作に置かれていた。意外にも巻頭のアイドルのグラビアページに折り目がついており、性への好奇心を感じさせる。
5分すぎても○○君が戻ってこない。どこか別の部屋でサボってるんじゃないかと思い足音をたてない様にそーっと廊下へ出る。トイレの電気がついていて、ドアが少し開いている。
「・・・生っ、・・・先生っ」、「?」不思議に思い少し近づいて中を覗き見て、思わず声を上げそうになり口を手で塞いだ。
なんと○○君が小○生とは思えないほどに肥大化し硬直したペニスを必死にしごいていたのだ。しかも「××先生っ」と悩ましげに俺の名前を口にしながら。
俺、○○君に欲情されてるんだ。胸の奥がキュンとなり、自分の中のメスが性に目覚め始めたわんぱくなオスを意識せざるを得なくなっているのを感じていた・・・
0127名無しさん@ピンキー2015/03/11(水) 20:45:24.17ID:+OG2L4fg
よく適合手術やホルモンで無事女にって流れあるけど
嘘だからな
女性ホルモンを投与し続けないとけ無いし、精神が不安定になる
整形と豊胸だけで充分
0129名無しさん@ピンキー2015/03/13(金) 19:35:03.69ID:AtOZ+JVR
より凝った設定を考えないと整合性がないのか
そもそもヒゲや脛毛は脱毛すればいいだけだし
0130名無しさん@ピンキー2015/03/15(日) 11:02:01.11ID:EufQJiRt
流行の男の娘とニューハーフの差ってなんだろう。
両方とも女物の衣装を着けるのは一緒だろうし。

…やっぱ覚悟の差なんだろうか。

男だけど周りが女としてみるから女の子として振舞う男の娘と
性別は男だけど性質は女だから女として振舞うニューハーフ。
0132名無しさん@ピンキー2015/03/16(月) 20:13:21.32ID:8OSaXDOj
虫のいい話しだけど女と男の娘のカラミが理想的だ

人生をかけるほどでなく趣味のレベルでいい
0133名無しさん@ピンキー2015/03/22(日) 09:04:00.77ID:FG3obGwp
童貞の男の娘に女と言うものはどういうモノかを教えるお姉さんか…
0134名無しさん@ピンキー2015/03/22(日) 22:05:36.83ID:L2ThMo2R
>>127-129
特にリアルは必要じゃないけど、リアリティは欲しい派。
性器以外はどこから見ても美少女なのに、肩幅だけ少年っぽかったりとか。

男の娘が純女のふりをして、コスプレパーティーでキレーなオネーサンと仲良くなって、
カラオケしながら酔わせてホテルに連れ込んだら、オネーサンはオニーサンだった。やったね!
やろうと思っていたらやりかえされ、アヘ顔でイカされまくる男の娘。

ここで次の日の朝、ふたりの顔にヒゲが生えていた……とかいうのは特に読みたくない。
でも、何度もやってるうちに仲良くなって、男の娘のヒゲの薄さをシーメールがうらやましがって、
自分が永久脱毛にかけた苦労を語ったりするアクセントは読みたい。
もちろん、最終的には書き手の自由だし、好みは人それぞれだろうけど。
0135名無しさん@ピンキー2015/03/23(月) 21:46:58.12ID:om5UOIeu
男の娘同士だと男同士の時もあって興ざめする
同じ掘られるなら純女にペニバンの方がプレイで済む
0136名無しさん@ピンキー2015/03/28(土) 20:13:26.88ID:e1ewKdrN
>>135
シーメールは男の娘とは違うよ。

裸でも女に見えるのは難しい男の娘と、裸になっても男とは違うシーメールは別物。
いわば男の娘は天然で、シーメールは養殖。
0137名無しさん@ピンキー2015/03/29(日) 01:22:23.90ID:k5ukhsIM
シーメールなら玉がないほうがいいな
タマがなければ掘られることもないし男の娘よりナニが小さそう
0141名無しさん@ピンキー2015/04/01(水) 00:00:18.32ID:EF8LxfQM
タマ抜いても皮被りになるわけでも無さそうだな
タックの際には真性の方が楽らしい
0142名無しさん@ピンキー2015/04/07(火) 17:59:07.78ID:yjO8xCcP
>>123
やってみよう。


「ぐぬ」
 魔物の振るった小剣の刃が腕をかすめて浅く切り裂き、血が一筋流れる。
「お父様!」
 声が聞こえ、傷口に光の粒子が集まり、傷を癒やす。
 “父”は、ぐるりと螺旋の歩法で踏み込み、魔物を袈裟掛けに斬り伏せた。

 夜。
「傷は痛みますか?」
「鈍痛が残っているが…手間をかけたな。子細ない」
 焚き火を囲み、“父”と“娘”が対面して座り、早めの夕餉を食している。
「あの小剣は、汚れて錆びていました。解毒の方法を探してみましょう」
「…ああ」
 優しい子に育ったものだ。しかし…“父”と呼ばれた戦士・レナードは近しく満ちるであろう月を見上げた。
(確か、事が起こるのは次の満月だったな)

 十数年前、根無し草の冒険者・レナードらが依頼を請けて、村外れの廃屋へ突入したのは、暗黒神の信者らに拉致された夫婦と幼児を救出するためであった。
 首謀者は夫婦に横恋慕していた男で、妻も男に略奪されており、夫は暗黒神への生贄にと殺されていた。
 そして幼児は、暗黒神の洗礼を受けており、いかなる状態にあるか判別できぬ。
 まさに惨憺たる悲劇。
 レナードらも人事不省に陥り、結局、幼児の目の前で、男と妻を斬り殺すに至ってしまう。

「…何か?」
 いつの間にか見入っていたようだ。“娘”──── フレアが、小首を傾げてレナードに向き直る。
「いや…昔を思い出していた。もう寝ろ」
 ややクセを残し腰の下まで伸びたブロンドの髪、鳶色の澄んだ瞳、膨らみ始めた胸、くびれた腰…。
「日の出前になったら、起こして下さいね? おやすみなさい」
 にっこりと微笑む。…可愛い。
「お、おう。お休み」
 顔に焚き火以外の熱が昇り、古傷の引きつりを感じる。これを爪で宥めながら、レナードは毛布を羽織り直した。

 暗黒神の洗礼。即ち、呪い。
 これを受けた者を解き放つ事は、「大変」という言葉では片付けらられぬ事は覚悟していた。
 暗黒神官と戦闘した、というだけで、一行は門前払いを喰らい、あるいは法外な寄進を迫られ、やっとの事で交渉を取り付けても、神官は匙を投げた。
 結局、仲間の女たち ─── 盗賊と魔術師を、高名だが好色な破戒坊主に売ってまで得られた情報は、数年後の満月の晩に、解呪の魔法と幼児自身の性徴とのケミストリーにより、何かが起こる、という。
 これに憤慨した男僧侶 ── 女魔術師を恋慕し、女盗賊から自分への慕情を知っていた ── は、自分の元を去り、レナードと幼児だけが残された。
 しかし、彼女らと共にした一夜が余程良かったのか、破戒坊主は少額の寄進で、定期的な解析と解呪を試みてくれる事を約束してくれた。

「お父様、そろそろ起きて下さい」
 柔らかく体を揺すられる。一日のうちで最も冷え込む時間帯を過ぎた頃。
「おう、おはよう」
 行軍の疲れが残った重い体を起こし、戦士は立ち上がる。
 魔物退治の報酬を受け取ったら、破戒坊主の元へ行かねばなるまい。
 早々に朝餉を済ませ、二人はこの日を歩み始めるのだった。


 エロがねえスマソ。
01431422015/04/07(火) 20:14:59.59ID:ojur2KrT
>>142続き。
エロいパートはまだ遠いかもしれん。


 あの時の事は、だんだんと過去になりつつある。“父”── レナードらが母と男を斬った時の事は。
 神殿巡りの際に読み書きを習い、書物を色々と読み、モノのコトワリを解するに比例して、幼心に刻まれた記憶は解きほぐされていった。
 そして、神聖魔術への知識を解した瞬間、フレアに示されたのは、暗黒神からの啓示であった。
 我は汝を導かぬ。

「…ほほ、これはこれは」
 破戒坊主からの舐めるような眼差しに、フレアは目を背けた。
 体を洗い、拭き清められ、一糸纏わぬ姿となったフレアの肌に視線が刺さる。その視線には、呪いの内容を看破する効能がある。
 あれから数日後。知識神の聖印が掲げられた、神殿とは名ばかりの庵。
「口惜しい事よ。今宵は満月。月が昇るその時に、この身体とは離別せねばならぬとは」
 背後のレナードを一瞥しつつ、破戒坊主は嫌味を口にする。
「…呪いを解析しきったのか?」
「おうとも。もう寄進は要らぬぞ。女達を返しはせぬがな」
「…約束を守ってくれるだけ、戦時中よりマシだ」
「かっかっか」
 破戒坊主は幾枚の羊皮紙に何かを書き込み、最後の一枚には判を捺して、言った。
「しかし、この娘の体をしげしげ見すぎて催したわ。儂は引っ込ませてもらう」
 床にある扉を引き開き、破戒坊主は地下へ降りてゆく。
「…ド助平が」
 その背中へ一言吐き捨てて、レナードは書類を繰って、内容に目を通す。
「お父様…」
 服を着ながら、フレアは潤んだ瞳で、そんな“父”を見つめていた。


とりあえず、ここで一段落かな。
0144名無しさん@ピンキー2015/04/10(金) 12:32:24.62ID:zeMOAkaT
>>107
遅レスすまんがこち亀の麻里愛はよかったね。水着コンテストで断トツ優勝する話とかもあって最高。
同じ秋元作品のMr.クリスの1巻で相棒のエージェントにスケベ心から宿泊先のホテルを尋ねられる場面もイイ。
01451422015/04/16(木) 18:21:31.17ID:8gs2MMVV
>>143続き。


「では、解呪の儀式を執り行う」
 破戒坊主の厳かな声音。庵の奥にいる二人がよく発散させてくれたようだ。
 フレアは今、魔方陣の描かれたベッドに大の字に寝かされ、四肢を四方の支柱に縛りつけられている。
 薄手の寝衣に包まれた胸は緊張のために、ゆっくりと上下しつつも、リズミカルに震えている。

 最初に襲われたのは、体中の毛穴から何かを刺し込まれたような感覚。
 針のようなそれらがそれぞれ蠢いて、体内をくまなく触診されているようで、フレアは身をよじった。
 と、視界が真っ白に染まる。

 老婆が、鬱蒼とした森の中を歩いている。
 その足元には、雑草が生い茂っているばかりで道がない。
 なのに、その足取りは平地を歩く時のそれで、木立に歩を阻まれる事がない。
 むしろ、歩き進む老婆の体を、雑木の枝が透過した事から、その老婆がこの世の存在でない事は明白である。
 …ある大きな木を目にし、老婆は一度足を止める。
 枝振りも大ぶりな、年月と頑丈さを感じさせる幹。その中腹に、質素ながらもしっかりとした小屋が、太い幹と階段とに支えられて掛かっている。
 老婆は、音なく階段を昇り、小屋の扉を叩く。扉はすっと開き、老婆は誰に促されるでもなく入室する。
 居間と思しき部屋のロッキングチェアに、若い女が腰かけている。背中を覆う程の大きな羽根が、その女を人ならざる存在だと示している。
 椅子がぐるりと回転し、女が老婆を見る。

「…幸せな生涯を送ったようだな」
「ええ。皆さんが、とても良くして下さいました」
「だが『やはり駄目だった』か」
「はい。『あの方』は、私の事を『貴女の転生ではなく、貴女の魂を受け継いだ別の存在である』と」
「それはその通りだが…あれだけの私の慕情を記憶しておいて、お前…」
「申し訳もありません…」
「で、いまわの際に予知夢を視たそうだな」
「はい。『あの方』とは出逢うようですが…」

 ここで、フレアの意識は現在に戻される。

「何だ? 何が起こっている?」
 気色ばんだレナードの声。
 儀式を介した強力な、とはいえ、施しているのは付与術式を解除する術のはずだ。
「あ…あああああ!!」
 フレアは、体内から迸る電光に身を苛まれながら、激しく白魚のような肢体を躍らせている。
「儂の施術と、本人の性徴が、同時に起きたようじゃな」
「何だと!?」
「もはや、儂にもこの先どうなるか見当がつかん」
 破戒坊主のどこか愉快そうな言葉を遠くに感じ、フレアの視界は、また白く染まってゆく。


これで投下できるか?
01461422015/04/16(木) 18:24:42.48ID:8gs2MMVV
>>145
 立ち眩みを起こしたような感覚の中、その少女の姿だけははっきりと見える。
「…誰?」
 少女のブロンドの髪は少しのクセを残して腰の下まで伸び、アーモンド型の瞳の色は鳶色。
「ボクに…似てる?」
「ええ。私は外法の魔薬とあなたの肉体感覚からなる、女としてのあなたよ」
「女としての…ボク?」
「時間がないから単刀直入に言うわ。私があなたの許を去るか、残るか、選んで」
「…ボクは ─── 」

「う、うああぁ! あ! あぁ!」
 神聖魔法の輝く粒子が、のた打ち回るフレアを包む。

「 ── 旨いよ。暖まるし」
 拙いながらも、ボクの作ったスープを飲んで微笑んだお父様。
「もう少しの辛抱だ! 頑張ってくれよ?」
 熱を出して寝込んだボクを背負って、お医者さんを探し回ってくれたお父様。
「怪我ないか?」
 凶暴な魔物から守ってくれたお父様。
 ───お父様!!

 電光に身体を苛まれながら、踊る。踊る。体内を攪拌されるかのような鈍痛。
 下腹部に痙攣が収束してゆく。まるで体中の筋力を束ねさせられたような感覚。
 腰骨を殴打されたかのような衝撃。入らされた力によって搾られた何かが尿道を駆け抜ける刺激痛。
「ああああ ────── ッ!!!」
 ───ビシャア!!
 ひときわ眩しく閃いた光は、桃色がかっていた気がした。


とりあえず今回はここまで。
0147名無しさん@ピンキー2015/04/19(日) 17:03:44.58ID:L1qziibo
ニューハーフって痴漢さんに狙われるの痴女さんに狙われるの
どっちが良いんだろ?
01481422015/04/24(金) 23:01:33.01ID:p2RUVCwH
>>146続き。

 翌朝。
 庵の近くを流れる小川で、儀式を終えたフレアは、下半身を水中に沈めながら視線をさまよわせていた。

「呪いの除去も付与された術式も取り除かれはしたよ」
 水晶球で儀式の様子を確認しながら、破戒坊主は診断を下した。
「『はした』? じゃあ…本人に物凄い『曰く』があったのか?」
 戦士のレナードには、魔法使いの事情はよくわからない。
「ああ。とんでもないワケありだったのさ」

 昨夜、儀式の完了と共に意識を失い、またしてもフレアは夢を視た。
 そして、目覚めると同時に、全てを思い出していた。
 父と慕うレナードが、有翼の魔女と共に戦った異邦人の生まれ変わりである事。
 自分が、その有翼の魔女の生まれ変わりである事。
 戦いの結果、世界は救われた事。
 その際、異邦人たちと有翼の魔女は、神々の理に触れてしまった。

 人々の信仰の数だけ、神は無数に存在する。人々の信仰心があればこそ、神は存在できる。
 それが、神々の理。
 神より下位の存在であった彼らがそれを知る事は、不遜極まりない無礼だった。
 しかし神々は、信仰という、神の糧を生む知的生命 ── 人間たちを存続させた彼らを、一概に地獄に堕とすわけにはいかなかった。
 ゆえに、異邦人たちは散り散りになり、うち一人 ── 『彼』は悠久に近い永い間地上をさまよい、有翼の魔女 ── 『彼女』は輪廻転生の刑に処された。
 彼と彼女には願いがあった。
 それは、異邦人たちの生きる時代で再会し、所帯を持って子をなし、天寿を全うする事。
 それを叶えるには、彼女の転生体が彼に初めてを捧げ、添い遂げねばならない。
 だが、何度も出逢った彼は転生した彼女 ── 夢に出てきた老婆 ── を拒んだ。『お前は彼女その人自身ではない』と。
 時空の狭間で、転生体の亡霊から、失敗した事を告げられ続けた彼女。
 彼女もどきに出逢わされ続けた彼。

 ── ボクは、何をしていた?
 年端もいかない、力に乏しい女の子であった事に甘え、お父様に守られるがままになっていたのではないか?
 本当は、女の子の肉体であったうちに、女としての初めてを、お父様に捧げるべきだったのに!
 挙げ句、満月に狂った性徴と魔力との化学反応で、おぞましく変質したこの躰!
 まだ幼さの残る顔。卵型の輪郭。丸みを帯びた肩。二つ並んだ鞠のような乳房。ツンと尖った桃色の乳首。
 よりはっきりとくびれた腰。なだらかなヒップライン。
 そして、股間に下がっている、小ぶりな男性の証明。
 極めつけは、こんな躰でも男性に抱かれるためにすべき事を心得ている自分。そして今まさに、そのための下拵えを行っている自分の両手。
 川上を向き、座り込んで菊穴を揉みほぐし、直腸内にまで指を入れ、汚物を洗い流す。
 流水の冷たさなど物ともせず、下腹部から放射状に熱が広がってゆく。股間にも炎のような熱と力が入る。
 内臓全てが、何かを求めて蠢いているような感覚。
 なんとおぞましい肉体になってしまったのか!
 ── 川面に映った自分の体を凝視する。その視界が、熱と共にぼやけて滲んでゆく。

「う、ああ、ああああぁ…!」

 フレアは双眸を見開き、だらしなく口を開け、声を上げて泣き続けた。
01491422015/04/27(月) 03:24:28.00ID:vMj5Iz37
>>148続き。


「── 一段落したか?」
 はっと我に返り、声の主を探す。すぐ傍の木立から、見慣れた背中が見えた。
「まずメシだ」
 いつも通りの声だった。

 悪国の暴虐から起きた戦争は、周辺各国に喧嘩を売る形となり、悪国の大惨敗で幕を閉じるはずだった。
 だが、悪国は切り札を持っていた。
 悪国の旗色に暗雲が立ち込めた頃、僻地の寒村に令状が届く。
 病気で伏せっていた兄バーナードに代わり、令状を受け取り出征したのが、レナードだった。
 持ち前の体力と若さからくる吸収力、難のある容姿からぞんざいに扱われた経験で培われた打たれ強さ。
 レナードは、その出自にしては、意外と早く、人柄の良くない部下を持つ身分になった。…任される仕事も綺麗ではなかったが。
 ある時、レナードの部隊は曰くのある女を拉致し、自軍の砦へと移動していた。
 しかし、追っ手に補足されてしまう。
 レナードは自らその場に残り、立ち回りを演じて時間を稼ぎ、女を含む部隊を離脱させたものの、多勢に無勢。レナードは捕らえられてしまう。
 その時、拷問を受けている間に何かがあったのか、大規模な地殻変動が起こり、地滑りがレナード諸共、敵国の砦を押し流した。
 傷だらけの体で、その時の生存者と協力した事情を汲まれ、レナードは隣国の騎士に雇われる。
 そこで、レナードはとんでもない事に荷担していた事を知る。
 悪国の切り札とは、その曰くつきの女を生贄にした召喚魔法であった。
 星を生命に見立て、遠い彼方に必ずあるという、死した星の霊魂を召喚し、憑依させる。
 それまで星にあった霊魂は、鉄球の振り子玩具のように弾き出され、宇宙の虚無に吹っ飛ばされる。
 もう一度同じように呼び戻す事こそ理論上可能だが、曰くつきの生贄を要するこのような外法を悪国以外で許せる訳がないし、用法も焼却されただろう。
 起きた地殻変動で全地上は狂い、戦争の勝敗は有耶無耶になり、地図の書き直しを余儀なくされた。
 レナードは、雇われた隣国から、そんな仕事も請けており、フレアの為に中断状態にあったのだ。
01501422015/04/27(月) 03:25:30.70ID:vMj5Iz37
>>149
 庵の食卓に簡素な朝食が並ぶ。
 片側には破戒坊主。両隣に、給仕の服に身を包んだ二人の女性 ── 仲間だった女盗賊と女魔術師 ── を侍らせ、食事を摂っている。
 反対側にレナード。隣にフレア。
 席の間隔に変わりはないはずなのに、隣で同じく食事を摂っているフレアからすれば、ガラスの板か何かを立てられたように感じていた。
「さて…これからどうしたモンかのう?」
「フレアの肉体からは、もう呪いは消えた。法的には頼れる場所が増えた…という事だな」
 その言葉に、フレアは、頭から冷水を浴びせられたかのような感覚に襲われた。膨大な過去の情報量にアテられ、これからすべき事を見失っていた。
「もう俺に付いて来る必要はない」
 変質した世界の調査。せめて隣国と悪国の状況だけでも知り尽くさねばならぬ。
「で、このメシ代は?」
「要らんよ。良いモノを見せて貰ったからな」
「あんたな…」
 破戒坊主は両隣の女性を交互に見る。彼女たちは相好を朱に染めて顔を伏せた。…背けてはいなかった。彼女らは今、それなりにだが幸福である事を示している。
 儀式の間、衝撃にのたうち回る美少女の覚醒と変態 ── 膨乳と精通 ── には、痴態とも呼べる艶めかしさがあった。
 あれから催し、激しい艶事に耽ったのだろう。健啖な事だ。
 しばし沈黙が流れる。この空気を破ったのは ──

「ボク、これからもお父様に付いていきたい」

 ── フレアだった。

「…何?」
「お父様…もう破戒坊主様に、お支払いするモノも、必要も、ないのでしょう?」
 フレアは破戒坊主に視線を向ける。彼は無精髭に覆われた顎を擦りながら瞠目した。
「儂は儂で、まぁ…ちと寂しくなるが」
 さすがに年単位での付き合い。主治医と患者のような間柄でも、そこには情ができていた。
 レナードは財布を少し開いて、中身を覗いて確認し、顔をしかめる。
「必要最低限の路銀しか残ってないぞ。もう誰一人連れ歩く事は…」
 厄介払いではない。本当に物理的に難しいのだ。
「儀式で変わったボクに、アテができたんです」
 しかし、フレアの声音は自信の色を帯びていた。


とりあえず、こんなトコか?
0151名無しさん@ピンキー2015/05/02(土) 19:33:27.65ID:gsJ3Kakv
職人さんたち乙。
ワイもムラッときたので、投下できるうちに一作投下します。
0152シーメールの性欲処理  1/52015/05/02(土) 19:36:18.97ID:gsJ3Kakv
 
高級ショーパブ『アールヴヘイム』では、半年に一度、<男放の儀>という催しが行われる。
普段から女性ホルモンを摂取し、女よりも女らしく振舞うパブのシーメール達にも、やはり男の心はあるものだ。
ペニスを除去しない限り、男の心根は完全には消え去らない。
その状態で女として扱われ続ければ、いずれ必ず歪みが生じてしまう。
ペニスを挿入して、射精したい。
思うがままに腰を打ちつけ、征服したい。
そうした溜まりに溜まった欲求を発散させるガス抜きの機会、それが<男放の儀>だ。
とはいえ、『アールヴヘイム』にもシーメールパブとしてのプライドがある。ガス抜きの為に女を呼ぶような真似はできない。
ではどうするか。
パブの中で最も身分の低い者……つまり新人が、先輩シーメールの欲求不満の受け皿となるしかない。
水商売の世界では、キャストの上下関係は絶対だ。
理不尽に耐えることもまた、ネオン眩い世界で生きるための勉強なのだ。

今回この外れクジを引いた嬢は、源氏名を明菜という。
目も覚めるほどに美しい嬢だ。
シャンデリアの光を受けて煌めく、栗色の巻き毛。涼やかな目元に、品のいい唇。
垂れることなく豊かに実った乳房。
大いにくびれた腰つきと、健康的に引き締まった太腿。
女性的なファッションに身を包めば、元が男であると言って信じる者はいないだろう。
その容姿は、客を大いに惹きつけた。
以前に在籍していた店では、No.1の座をほしいままにしていた“女王”だったという。
しかし、『アールヴヘイム』では違う。過去の栄光がどうあれ、1人の無力な新人に過ぎない。

「シーメールとしては恥ずかしい事かもしれないけど……正直、アンタを犯せると思うと勃起するわ」
1人の嬢が、隆々とそそり勃った逸物を扱きながら言う。
田舎から上京したばかりの純朴娘、という風で、こちらもまた女装が似合いそうだ。
「気骨のある所がまた良いのよね。何千万もする名物を痰壷にするような背徳感があって」
幼い見目の嬢が笑う。
背は低く、手足は細く、どう見ても小学校を卒業したばかりの少女という風だ。
しかしこちらの少女も、ペニスの大きさは成人男性と変わりない。
他にも様々なテーマに沿った容姿の娘が、正座した明菜を取り囲んで笑っている。
場所は、店内を改装して以来使われなくなった一室……古びた赤カーペットとベッドがあるだけの専用室だ。
明菜はその床に、姿勢を正して座している。
あまり新人には見えないが、しかし、最下層の立場であるという事実には変わりがない。
0153シーメールの性欲処理  2/52015/05/02(土) 19:36:57.67ID:gsJ3Kakv
 
「お尻を向けて、明菜」
幼い少女に命じられると、明菜は渋々ながら立ち上がり、振り返って肛門を高く掲げた。
まさしく菊の花と呼ぶべき色合いだ。
しかし拡張の経験があるのか、完全に閉じてはいない。
嬢の一人が明菜に近寄り、手にした瓶の中身を肛門に塗りこめる。
無色透明で、指を離した際には煌めく糸が伸びる……恐らくはローションだろう。
「さぁ、ユリカさん。ぶち込んじゃって」
その言葉で、幼い少女が明菜の後ろにつく。
体格差はかなりのものだ。女にしては長身の明菜と、小学生のようなユリカ。
それは下手をすると親子ほどに違う。当然、肛門へ挿入するにしても脚の長さが違う。
ユリカがその白い足で懸命に爪先立ちをしても、ようやく亀頭が明菜の陰毛に触れる程度だ。
「跪きなさい」
ユリカは爪先立ちを諦め、拗ねたような表情で告げた。明菜は涼やかな視線を後方に送り、カーペットに膝をつく。
直後、ユリカは堪りかねたように挿入を果たした。
「う゛っ!」
明菜から小さく声が漏れる。
「ああ気持ちいい、気持ちいいわ明菜……」
ユリカはうっとりとした様子で呟き、滑らかに腰を使い始めた。

2本の細腕で相手の腰を抱える様は、幼い少女が母親に甘えるかのようだ。
女2人が腰を打ちつけ、パン、パンという音が繰り返される。
ペニスバンドでも用いているのかと思う状況だが、そうではない。生の肉棒が、熱を孕む太腿の合間で猛っているのだ。
「っ、…………っくっ…………」
ユリカに尻穴を使用されている明菜は、声を出さない。感じていないのではなく、押し殺しているといった様子だ。
実際、感じない筈がない。
ユリカの性交は巧みだった。細腕でしっかりと明菜の腰を抱え込み、逸物を根元まで深々と送り込む。
しかも真っ直ぐにではなく、奥まで届いた瞬間、やや上向きにねじり込むような動きを見せている。
おそらくはそれが前立腺を刺激するのだろう。
初めはだらりと垂れていた明菜の逸物は、ユリカが腰を打ちつけるにつれて硬さを増し、今や70度ほどにまで勃ちあがっている。
ヒクッ、ヒクッ、と前後に揺れる動きは、単に腰を前後している影響にしては力強すぎた。
しかし、射精には至れない。
ユリカが小悪魔のような笑みを浮かべながら、腰に回した手で明菜の睾丸を握りこんでいるせいだ。
「う、うう……く、ぅうっ…………く」
よくよく耳を澄ませば、明菜の唇から苦悶の声が漏れているのも解る。

「ユリカさん、アレわざと射精させないようにしてんだよね。ほんとドSだわ」
「あたしタマ取っちゃったから覚えてないんだけど、すごいんだっけ? タマ揉まれんのって」
「んー、焦らしの効果はあるよ。特に明菜って、今日のために一週間ぐらい射精禁止されてた筈だから、かなりキツイと思う」

そうした会話が交わされる中、幼い少女はじっとりと明菜を焦らし上げる。
その果てに、とうとうユリカの方が限界を迎えた。
「ああっ、いっ……いくぅっ!!」
容姿からすればソプラノであるべき今際の声は、やや低い。中世的な、妙にエロスを感じさせる響きだ。
その声の直後、白く伸びやかな少女の脚が筋張る。幾度も、幾度も筋張り、かなりの量の射精を周囲に伝えた。
怒張が抜けた瞬間、それと同じ太さに開いた肛門からドロリと白濁が零れ落ちる。
「あ、ユリカさん、中に出したぁ!」
「ちょっとぉ、肛内(なか)出しは2巡目以降って約束でしょ!」
嬢たちから非難が上がる。
「やーゴメン、我慢できなかった。だって最後の方、お尻の奥がヒクヒクしてくるんだもん」
ユリカは頭を掻きながら謝罪の言葉を口にした。
0154シーメールの性欲処理  3/52015/05/02(土) 19:37:38.18ID:gsJ3Kakv
 
「次はあたしね。ああ、見せ付けられてしんどかった」
ユリカが脇に退いた後、田舎娘風の嬢……ユキが歩み出る。その逸物はいよいよ硬く勃起していた。
しかし、それは明菜も同じだ。
ユキは、へたり込んだ明菜の逸物を見下ろして笑う。
「あらあら、先走りまで滲ませちゃって、やーらしい。これなら簡単にイカせられそうね」
その一言に、明菜の目つきが鋭くなった。
「バカにしないで」
「事実を述べたまでよ。さぁ、始めましょう」
ユキは待ちきれない様子で明菜の腋を抱え、ベッドへと引き上げる。
そして自らが下になる背面座位で挿入を果たした。
「うくっ……!!」
小さく声が漏れる。そして今回は、その声も1回限りではない。
「あっ、あ、ハッ…………あくっ、あ……あぅううっ…………!!」
ユキが大きく腰をグラインドさせるにつれ、何度も喘ぎが起きる。
眉根を寄せ、美しい唇を噛みしめる悩ましい表情は、ベテランのシーメールをも見惚れさせる力があった。
明菜ほどの器量ならば、いずれ『アールヴヘイム』の中を上り詰めていく事は間違いない。
だからこそ、嬲るならば今しかない。その極上の肉体を味わえる機会は、今だけだ。

「ああいいわ。ユリカさんじゃないけど、本当に搾り取られるみたい!
 入り口はキツくって、奥はグニグニ動いて、締め付けもある……こんなの、すごすぎるわ!!」
ユキは興奮を隠せない様子で叫ぶ。
「はっ、はっ、あ……っは……」
一方の明菜は両腋を晒し、背後のユキの首を抱え込むようにして姿勢を安定させていた。
その状態で強く突き上げられ、喘ぐ。まるで悦楽に浸るかのように。
事実、たまらないのだろう。
ユキは幾度か抜き差しを繰り返し、最奥まで達した後に、明菜の腰を掴んでグリリと駄目押しをする事がある。
これが最も前立腺に響くらしく、明菜は必ず反応を示す。
「お゛っ!!」
今また同じ事をされ、明菜が呻いた。目を見開き、口を窄め。明らかに余裕がない。
「あーら、いい声。イキそうになったんでしょ」
「ち、違うわ!」
ユキの嘲りに対し、明菜は必死で反論する。
しかしその逸物は勃起しきり、まさに射精寸前とばかりに先走りを垂らし、前後にピクピクと揺れている有様だ。
いよいよ決壊が近いことは、誰の目にも明らかだった。
「そう。なら、あと何回耐えられるかしら?」
ユキは笑いながら、さらに同じ責めを繰り返した。
激しいストロークで責め立てながら、最奥で留め、グリリとねじ込む。その行為を、何度も。
「うくぅっ!!」
「あぐはぁ……っぐ!!」
明菜はその度に驚愕したような表情を見せた。逸物も最奥を抉られる瞬間、いよいよビィンと勃ちきって前後に揺れる。
美しい脚には、男の名残を感じさせるような力強い筋肉の蠢きが見えた。
その美しさと荒々しさが絶妙に混ざり合った姿こそ、シーメールのシーメールたる美しさの極致。
そう思わせるほどのいやらしさだ。
ユキは、そうした明菜の変化を肌で感じながら、着実に追い込んでいく。
そして、7度目のプッシュ。これが最後となった。
最奥まで突き込んでから、明菜の腰を両手で鷲掴みにし、グリグリとユキ自身の腰へとねじ込ませる。
「あぐうっ!!」
明菜から余裕のない声が上がった。
逸物から先走りがあふれ、ピクピクと大きな前後運動が始まる。
ギャラリーの指摘によってそれを知ったユキは、一度明菜の腰を開放すると、さらにもう一度ねじ込み直した。
「う!!」
声が上がる。その声を聞き、さらに一度。
「う」
声自体はより短く、より小さい。しかしそれこそが、人間の本当に余裕をなくした瞬間の声だ。喉が開かない状態なのだ。
その姿勢のまま、しばし。結腸にすら潜りこもうかという位置で、ユキの怒張がもごもごと蠢いた頃。
明菜の顔が天を仰いだ。声もなく、ただ麗しい身を震わせて。
決壊はいつも唐突だ。グラスの中でゆっくりと溶けていたロックアイスが、突如として崩れるように。
0155シーメールの性欲処理  4/52015/05/02(土) 19:38:22.85ID:gsJ3Kakv
 
「ああ………………ぃ、いやぁあああっっ!!!!」
悲痛な叫びの後、ついに明菜の射精が始まった。
丸一週間に渡って射精を禁じられていた上に、焦らされ続けての射精。
その勢いたるや凄まじく、まさしく噴水のように高く噴きあがり、明菜自身の髪や頬に白く降り注ぐ。
汗を吸ったシーツに落ちた分などは、バタバタと音を立てるほどだった。
「あはははっ、出た出た出た! うわすっごい、何その勢い!?」
「ホントに女性ホルモン打ってるのか疑うぐらいの精力ねぇ。ちょっと懐かしいな」
「あーあー、まーだ撒き散らしてるよ。一週間分のザーメンって凄いわ」
生意気な明菜の決壊に、シーメール達は祭りのような騒ぎになる。
それを聞きつけたのか。部屋のドアが静かに開き、また1人が姿を現す。
数人がそちらを見やり、その瞬間に表情を変えた。
「あ、真優さん! お疲れ様です!!」
「お疲れ様です、姐さん!」
わざわざ居ずまいを正してそう声を掛ける所からして、また別格の人間であると解る。

腰までの艶やかな黒髪、優雅な着物、心地よい香。 切り身を思わせる桜色の唇。
誰もが律動で胸を焼かれるほどの容姿。
彼女こそは、この『アールヴヘイム』を取り仕切る女帝だ。
「ああ、そうかしこまらなくてもいいよ。別に仕事で来たわけじゃない。
「あたしもすっかり“溜まっちまって”ね。そういや今日はこの日だったと思い出して、処理に来ただけさ」
鈴を揺らすような声で、真優が告げる。
そして着物の前を肌蹴ると、驚くほどの巨根が姿を見せた。
太さにして4センチ超、長さにして30センチ余り。 飲料ののボトルを思わせるサイズだ。
「わっ!!」
シーメール嬢の幾人かが、その威容を前にして凍りついた。
ベッドの上の明菜は経験があるのか、驚きはしない。ただ額に汗し、険しい表情をしているだけだ。

「ど、どうぞ真優さん」
ユキは明菜の肛門から逸物を抜き、早々に場所を譲る。
「悪いね、急かしちまったみたいで」
真優は言いながら、明菜に姿勢を変えさせる。
ベッドに手をつき、両脚は床に下ろしたまま、肛門を向ける格好だ。
「お、よく解れてるじゃないか。これならスムーズに入りそうだね」
その言葉の直後、規格外の怒張の先が肛門に触れる。
「…………っ!」
明菜は苦々しい表情を後ろに向けていた。しかし挿入が始まると、その表情はただ余裕のないものに変わる。
「あ、あが……ふっ、太い゛…………く、ぐぁああ…………あアあ゛あ゛っっ!!!」
怒張が1mm進むごとに、明菜の品のある唇から悲鳴が上がった。
両脚もガクガクと震えながら、がに股とそれ以上の開脚を繰り返し、よほどの極感に見舞われているのだと判る。
大臀部の肉感的な盛り上がりは、芸術的という他ない。
「そら、どうした。まだ半分も入っちゃいないよ、もっと尻の奥を開きな。
 お披露目の時に根元まで入るのは解ったからね、泣き言は言わせないよ!」
真優は明菜の脇腹を叩いて叫ぶ。そして、恐るべき力で腰を埋没させ続けた。
0156シーメールの性欲処理  5/52015/05/02(土) 19:39:00.74ID:gsJ3Kakv
 
「あああっ、ああっ、あぐぁぁあっ!!」
真優の腰がリズミカルに前後するたび、明菜から声が上がる。
「ああ、こりゃあ良い。本当におまえの尻穴は、性欲処理の道具として最高だ!」
真優は強烈に腰を打ちつけながら笑った。
スレンダーな明菜の肛門に、ボトル並の剛直が出入りする。
それは明らかに無理のある現象ではあったが、どうやら受ける明菜も辛いばかりではないらしい。
“彼女”の持ち物は、激しく後背位で突かれながら、幾度も射精に至っているからだ。
結合部からは、じゅぶじゅぶという腸液の攪拌音も響いている。
それは痛々しいというよりむしろ、恐ろしく心地の良い責めに見えてしまう。
「何も、おまえが憎くてこうするんじゃない。ただ今は、良い機会だから愉しませてもらうよ。
 こんなに具合のいい穴で、性欲の処理ができるんだからね」
真優はそう囁きながら体位を変えた。
ベッドに手をつく後背位から、片足の膝裏を持ち上げた背面側位へ。
これにより、結合部分は勿論、射精の瞬間までもが他のシーメール達に晒されてしまう。
「やめてっ、み、見ないでっ!!」
明菜は必死に叫ぶ。しかしその口からは、快感のあまりに涎を垂れてしまっている。
またその最中にもまた、逸物の鈴口から白濁の球が滲み出し、竿をドロリと伝い落ちていく。
「さぁ、さぁ、これからだ。あたしら全員が飽きるまで、もっともっと愉しませてもらうよ!」
真優の言葉に、明菜の眉が垂れ下がる。
まだかろうじて美麗さを保っているその顔は、これからいよいよ情けなく成り果てるのだろう。
一堂はそれを予感し、ゴクリと生唾を飲み込んだ。


                        終わり
0157名無しさん@ピンキー2015/05/08(金) 21:07:44.69ID:3OSJkP63
ショーパブって客も店員になる側も敷居が高そう
ニューハーフヘルスの方が目的を果たしやすいし
0158名無しさん@ピンキー2015/05/08(金) 22:36:04.10ID:HWqexfRr
>>150

「ここは…」
 レナードとフレアは、洞穴の中にいた。天井からおびただしい数が垂れ下がり、そして床から林立している鍾乳石が、さながら巨大な魔物の口腔を思わせる。
 実は、破戒坊主の庵を旅立ってから一刻程度しか経っていない。
 魔術の学院長すら日単位の儀式を要する超高等な瞬間移動の術式を、ものの半刻でやってのけたのだが、レナードには魔法使いの事情はよくわからない。
「転移可能な地点がいくつか残っていたので、最寄りの地点にとりあえず転移しました」
 可愛い娘ぶって照れ笑いする。…実際に可愛い。
「『転移可能な地点』? 『残っていた』? …話が見えんぞ?」
 やや速くなった血流に顔の傷痕をいじられ、レナードはこれを指先で擦り宥めながら問うた。
「この星には、ボクの前世だった有翼の魔女に纏わる場所が、いくつもありました」
「という事は…」
 罪の意識が頭をもたげ、今朝剃った無精髭の痕がざわつく。
「はい。死星の魂の憑依現象により星は掻き乱され、いくつかが失われました」
 血の気が引いてゆく。冷水を少しずつ頭から注がれているような感覚。
 その外法の片棒を担いだのがレナードなのだから。
── ん? 『現象』と言ったか? そんな大魔女の記憶から、あれがどういう魔法だったのか、見切っていそうなモンだが?
「行きましょう」
 拾った枝の先に魔法の明かりを灯し、フレアはレナードを促して歩き始めた。
 鍾乳石の立派さから推測される年月こそ相当なものながら、洞窟の構造は単純なものだった。
 分岐もなくあっさり着いたその大空洞には、目も覚めるような大量の本、本、本。
 レナードは無造作に一冊を選んで手に取ってみる。
「……!?」
 と、本に触れた瞬間、本の形状が年月を経たボロボロのそれから、レナードにとって馴染みのある装丁に変化した。
「でも、傷みは残っていますね。…や、保存の秘術を以てこの傷み…かな」
「…読めるぞ。これは…『日記』か」
 頁をざっと繰ってみて判ったのは、この本が、ある男性の書いた日記である事だった。
 読み進めてゆくと、周囲の感覚が希薄になってゆき、光景が浮かんで──

 男と女が対峙している。男が女に剣を突きつけ糾弾する。
「幼気な少女の肉体を弄び、異形の存在へと変えたな。貴様がやった事は、生命を冒涜する行為だ」
 女がそれに反論する。どこか男を嘲笑うように。
「あの少女は『生きたい』と願った。私はそれを手助けしたまでの事。何が悪い?」
「自己弁護とは見苦しい。貴様に惚れ、娶った自分を恥じるばかりだ」
「嘲笑うばかりの正義を語るか。貴様とて、寝床で私の肉体を弄んだではないか」
 互いの言葉は、よくある平行線のそれだった。
 程なくして二人は、互いに心の芯からの殺気を以て事を始める。
 左手の薬指に、かつて誓った印を刻んだまま。
 そして、二人は差し違えた。騎士は絶命し、魔女は封印された。

 異邦人は、有翼の魔人に滅ぼされる遠い遠い未来から、歴史を変えるため、奇跡からもたらされた力を得て、人類が有翼の魔人に接触したとされる、遠い遠い過去へ転移した。
 戦いの旅の最中に出逢った、事故から開封してしまった魔女の魂と、有翼の少女。
 戦いの中、有翼の少女は彼を庇って落命する。いまわの際に叫んだ願いを、魔女の魂が聴き届け、彼の秘術を以て、有翼の少女と魔女の魂は、有翼の魔女となった。
 魔女に惚れた異邦人と、少女の慕情の記憶を取り込んだ魔女は、この時、激しく愛し合う。
 そして、異邦人たちと有翼の魔女は、戦いに勝利する。
 本来、異邦人たちは、その奇跡の力と引き換えにさらに起こす奇跡で、彼らが本来生きるべき時間軸へ帰還し、有翼の魔女は魔法で寿命を永遠にし、遠い時代で合流し、新たな時代を共に生きるはずだった。
 ところが、神々の理を知ってしまったばかりに ──
0159名無しさん@ピンキー2015/05/08(金) 22:37:09.21ID:HWqexfRr
>>158
 それから、存在時間にしてどれ程の時を経たのだろうか?
 神々の円卓からもたらされる、数々の危機の報せ。
 肉体を失い、魂魄 ── 生命波動を飽和含有した霊魂となった彼は、落命の寸前に聞こえた声に引き寄せられ、思い残しを聞き、憑いて天寿を全うし直させる一方、神々に命じられるまま人知れず危機を戦って退け、そして生き長らえる人々を見守る日々。
 その度に出逢う、かつて愛し合った、彼女の記憶を引き継いだ紛い者。

 やがて映し出されるは、婚礼の儀式の光景。
 病める時も、健やかなる時も、互いを慈しみ、助け合う事を誓い合った二人の笑顔が眩しい。
 長い長い年月を経てやっと再会した、あの騎士と有翼の魔女の転生。
 そして、誰の目も届かぬ隅で、二人を見送る、異邦人 ──
 これがレナードの直前の、孤独に逝った男の思い出にして、心折れて消滅した瞬間であった。

 光景が真っ白に染まり、ひび割れて粉々に砕け散る ──

 ── 目の前に、その目を見開いて涙を流している、フレアの姿があった。
「お父様の謎は解けた、けど、そんな ── 」
 戦争の不条理に慣れたレナードは、脱力感と共に肩を少し落とすにとどまったが、フレアはそうはいかなかったようだ。
「…俺の前世は、間男だったのか。…初恋を実らせてくっついたご亭主には勝てず、心折れたってワケだな。ははッ」
「……お父様ッ!!」
 自嘲気味に笑った養父へ叫ぶや否や、冷たい甲冑に包まれているのも厭わず、フレアはレナードの胸に飛び込んだ。
「お願いします。しばらく、このまま、で ── 」
 しゃくり上げ、嗚咽しながら、声を上げて泣く。
 ── あんまりだ!
 フレアの中の、時を経て覚醒したばかりの少年が、それだけを叫び続ける。
 レナードの容姿は、正直、美しくない。むしろ醜い。
 生来の無骨さ、太りやすい体質に加えて、苛めすれすれの苛烈な訓練、負け戦からの拷問により、体中に傷痕がある。顔にも。
 奇跡的にレナードへの慕情を持った相手は、フレアの為に破戒坊主に体を売り、そのまま性の快楽に籠絡された。
 そして三十路の男盛りを過ぎ、このまま容姿は老いさらばえ、筋力も反応も衰えてゆくだけ。
 今、雇われて稼げているのは、顔の傷を仮面で隠しているゆえ。
 ただでさえ輪廻転生の存在している永い永い生涯の中で、初めての今生も、生娘を、愛する人を抱いた事がないまま死んで逝くのか? この人は!?
「…何も言わないで、聞いて下さい…お父様」
 一段落し、抱きついたまま顔を伏せ、フレアは意を決し、話し始めた。
「あなたはお優しい方です。戦争の悲惨さや酷薄さ、正しい人々の心ない拷問、ボクの両親とあの人の毒を目の当たりにしておきながら、ボクを守り導いて、良くして下さいました」
「……まあ、な」
「でも、もういいじゃありませんか」
「…?」
「物心ついた頃から、ボクはあなたを見てきて ── 心底、破戒坊主様を羨んでおいでなのでしょう?」
「!」
「あなたは罪悪感から、ご自身を卑下なさるのを止められない。なら仕方ありません」
「…何が言いたい?」
 抱きついたフレアから、湯気のように、只ならぬ気配が立ち上る。
 それに呼応するように、自分の体の芯に熱い火が灯るような感覚が生じる。
「お父様 ── レナード様。あなたの操を頂戴します」
0160名無しさん@ピンキー2015/05/09(土) 14:02:53.49ID:PSN4krft
超本命が大穴
暇つぶしに覗いて見たけど あり得ない女が・・
見返りをもらって損はしなかったww

da●et/c11/52saki.jpg
●をkkun.nに置き換え
0161女神の試練    1/142015/05/10(日) 18:44:18.34ID:MeIK/wtx
 
高級ショーパブ『アールヴヘイム』のオーナーは、傲岸不遜な人物として知られている。
パブの“ママ”であり、普段は女王のように振舞う真優ですら、このオーナーには頭が上がらない。
名は千賀弥千尋(せんがやちひろ)。
千と千で百万ドルの主だ、との自己紹介が定番だというが、実際の資産はいくつか桁が違うだろう。
シーメールパブの頂点たる『アールヴヘイム』以外にも、無数の風俗店を経営する、風俗界の重鎮なのだから。
なまじ保有する店舗が多いため、千尋が一店一店を視察する事は滅多にない。
しかし『運悪く』来訪した彼女の逆鱗に触れたが最後、より劣悪な系列店に飛ばされるという専らの噂だ。
そうした事情から、千尋が店を訪れるや、『アールヴヘイム』の天使達は皆々が平伏した。
“ママ”である真優も、最古参のキャストであるユリカやユキも。
ただ、1人例外が存在する。
『アールヴヘイム』入店以来、その類稀な美貌で屈指の人気嬢へと成長を遂げた超新星、明菜だ。
花園の中でも一際芳しく咲く大輪の華でありながら、その精神は雑草の如し。
いかなる恥辱に塗れようとも、受難の時が過ぎれば、すぐに高飛車な態度を取り戻す。
不撓不屈の泥女神――『アールヴヘイム』の同僚達は、皮肉と少しの畏敬を込めてそう渾名した。

「あら……良い気構えの嬢がいるものね」
周囲が平伏する中、ただ1人正座を崩さない明菜に、煌びやかな装いの老婆が笑いかける。
成金、姑、意地悪婆。その三つの単語で全てが説明できそうなほど、底意地の悪そうな人物だ。
「オーナーがいらっしゃるからといって、必ずしも平伏する必要はないと思います」
明菜は、背筋を伸ばし、曇りのない眼でぴしゃりと言い切る。
真優にも、先輩キャストにも、そして常連客にさえ、明菜のこの直刀のような態度は変わらない。
「ふふ、アッハッハッ!! 面白いコ、私にこうも堂々と意見するなんて……いつかのお前と同じねぇ、真優?」
老婆――千尋はファーコートを靡かせて笑った。
口元を扇子で隠しているのが滑稽に映るほど、品のない笑い方だ。
明菜の表情が険しくなる。男根を有する身ながら、女よりも女らしくあらんとするのが“彼女”だ。
その彼女にとって、正真正銘の女、それも十分に歳を重ねた老婆である千尋の品のなさは許し難いのだろう。
同時に、その千尋に平伏する真優の事も。
「訂正して下さい、オーナー」
明菜は千尋に向かって告げた。千尋の高笑いがふと止まる。
「…………何を、かしら?」
「真優さんと同じ、という発言をです。私はああして、犬のように頭を垂れる人間にはなりません」
そう語る明菜の眼は挑発的だった。嫌う人間はあくまで嫌うのが明菜だ。
今の発言を意訳するなら、『お前に頭を下げる価値はない』という事になる。
「明菜ッ、お前いい加減に…………!」
さすがに真優が物申そうとするが、それを千尋が手で制した。
千尋は目を細めて微笑んでいる。微笑んではいるが、その瞳の表情は睨みつける以上に暗い。
「そう、そうなの。あなたは真優とは違うというのね。真優以上の大器の持ち主だ、と」
「おっしゃる通りです」
千尋の静かな確認に対し、明菜は即答する。真優が苦い表情になった。
真優は明菜を案じているのだ。
明菜の不器用な性格を知るからこそ、居たたまれない。
その真優の心中をよそに、明菜と千尋の間には、目に見えぬ火花が散り始める。。

「本当に面白いコねぇ。そこまで言うアナタの器というものが見てみたいわ。
 都合のいいことに、私は初々しかった頃の真優を知っているの。
 まだ皮被りの少年のようだった真優に、じっくりと性を教え込んで、一流のシーメールに仕立て上げたのが私なんだもの。
 アナタ…………ええと、名前は何というのかしら」
千尋は、姑が嫁の品定めをするように視線を這わせた。
その毒々しさは、生粋のサドとして知られるユリカが、見つからぬよう半歩後ずさりするほどのものだ。
しかし、明菜は退かない。いや、退けない。彼女自身の生き様に懸けて。
「明菜です」
「そう、じゃあ明菜さん。シーメールとしてのアナタを、たっぷりと見せて貰うわね」
千尋の愉快そうな声が響き渡る。
「お前は、本当のバカだよ…………明菜」
真優が溜め息混じりに呟いた。

 ――ならせめて、自分を見失う事はするんじゃないよ。

そう続けた言葉は、誰の耳にも届かなかっただろうが。
0162女神の試練    2/142015/05/10(日) 18:45:05.51ID:MeIK/wtx
 


「うひゃっ、こんな可愛い子のおっぱい弄くっていいの? ホントに!?」
中年の男が、明菜を見て下卑た笑みを浮かべる。
上半身のみ裸になったホステスが、ソファで横並びになった男性客に身体を触らせる、『おっぱいパブ』と通称される店。
明菜はそこでシーメールである事を伏せたまま、客を取らされる事となった。

『真優は本当に、女より女らしいわ。あの子なら、純粋なホステス役でも見事に演じきるでしょうね』

千尋の姑じみた陰湿な物言いが、明菜の脳裏に甦る。そうした物言いをされては、ホステス役を受けるしかない。
幸い明菜は、女性ホルモンを摂取し続けた影響で、男根がある事以外はほぼ女と変わりがない。
いや、むしろそれ以上だ。
『1日限りの新人』としてオーナーである千尋に紹介された時、店中のホステスの視線を釘付けにしたのだから。
艶めくような美しい栗色の巻毛に、涼やかな目元、すっと通った鼻筋に、品のいい唇。
豊かな乳房に、気持ちが良いほど大胆にくびれた腰つき。モデル顔負けの伸びやかな脚線。
どこから見ようと男の気配など微塵もない。
その“彼女”がシルクのショーツとミニスカート、ニーソックスを身に着ければ、いよいよ上等なホステスが出来上がる。

「うひひ、す、すごい脚だね。綺麗だ」
赤い超ミニと黒ニーソックス。その合間に存在する眩いばかりの太腿に惹かれ、男が手を伸ばそうとする。
「後藤様」
千尋の呼びかけが男を制止した。
千尋はソファの対面でカクテルを作りつつ、目を細めて微笑む。
「お忘れですか。下半身のお触りは禁止ですよ」
にこやかに千尋が告げると、後藤と呼ばれた男は舌を出した。
オーナーから直々に咎められたにしては軽い反応だ。どうやらこの後藤という男、かなりの常連客らしい。
「あはっ、ごめんねぇ千尋さん。じゃあいつも通り、胸を可愛がるよ」
後藤はそう告げ、明菜の上半身に意識を向ける。

男の毛深い両手が伸び、まずは正面から乳房の下部分を覆った。
そして胸を寄せながら、外側へ円を描くようにして揉みはじめる。女が快感を感じやすい刺激の仕方だ。
「…………っ」
明菜は、鼻から小さく息を漏らす。
ニューハーフには胸に詰め物をしている娘も多いが、明菜の場合は女性ホルモンの投与のみで膨らんだ天然物。
当然、乳腺の感覚は完全に女性と同じであり、後藤の揉み上げに何も感じない訳ではない。
しかし、声は出せなかった。明菜のハスキーボイスは中性的だが、シーメールであると露呈しないとも限らない。
そうなっては、『純粋なホステスを演じる』という千尋の課題は失敗に終わる。
ゆえに明菜は、どれほど乳腺からの快感を得ようとも、唇を結んで声を殺すしかなかった。

「あれぇ、声出さないんだね?」
後藤が明菜の顔を覗き込みながら問う。
「すみません。その子、口下手な上に無愛想なんです。そのせいでルックスはいいのに、中々お客様がつかなくて」
カクテルを差し出しながらしなを作る千尋。後藤はそのカクテルを受け取り、一息に飲み干した。
「……ぷはーっ。なるほどね、このルックスの娘が空いてるなんて、おかしいと思ったんだ。
 でも、それでこんな可愛い子とできるんなら儲けものだよ。儲けもので、ボクもう獣……なんちゃって!」
「まぁ、お上手!」
後藤のジョークに、千尋が身を揺らして笑う。
一方の明菜は冷め切った瞳だ。客相手であろうと愛想笑いはしない。
無口はともかく、無愛想というのは妥当な指摘かもしれなかった。
とはいえ明菜は、客を軽んじる嬢ではない。
ショーの合間に親しげな会話をするのは勿論、客の顔色一つで体調不良を見破るなど、意外にもよく気が回る嬢だ。
かつて常連客の1人から娘の相手を頼み込まれ、引き受けた事もある。
さらには、そのサディストの娘によって痛い目に遭ったにもかかわらず、未だにその常連客と繋がりを持っているほどだ。
勿論、父親である客当人へ、涙ながらに不満をぶつけた上でだが。
高飛車な態度の裏にそうした優しさを覗かせるからこそ、明菜は多くの客達を骨抜きにするのだった。
0163女神の試練    3/142015/05/10(日) 18:45:57.93ID:MeIK/wtx
 
後藤の乳房責めは続く。
まずは乳房の下側から押し上げるように揉みほぐし、じわじわと乳腺を目覚めさせていく。
すると胸全体の感度が上がり、乳首も固さを増してくる。
「可愛いサクランボだ」
後藤は隆起しかけた乳頭を撫でた後、唐突に吸い付いた。
「っ!」
明菜は危うく声を漏らしかける。吸い付きはそれほど強い。
後藤の口が、まさしく『貪る』という様子で左乳首を責め始めた。
チュウチュウと音を立てて吸う。吸いながら、きゅぽんと音をさせて引き抜く。
唇で挟み、甘噛みする。中心を舌で舐め回し、転がし、押し込む。側面を嫌になるほど嘗める。
一旦乳首から離れ、乳輪に沿ってじっとりと舌を周回させる……。
こうした責めを受けるうち、明菜の左乳首はいよいよ固く屹立してしまう。
明菜からすれば屈辱の極みだが、生理反応には逆らえない。

「ぷはっ……ふふ、すごい。コッチの方だけ、こんなになっちゃったよ」
何分の後だろう。後藤は左乳首を解放し、乳房を揉みあげて右のそれと対比させる。
彼の言葉通り、やや陥没気味の右乳首に比べ、左乳首は円錐型に尖っていた。
感度もまるで違う。ほぼ無感覚の右に対して、左は冷たい空気の流れだけでも感じてしまう。
「右だけほっといたら可哀想だよね。右もちゃんと可愛がってあげるからね」
後藤はそう言いながら、今度は右乳首に吸い付いた。
そして左と同じように、徹底的に舐め上げる。
「……っ!!」
明菜の美しい手がソファを掴み、ニーソックスが閉じ合わされた。
じわりじわりと、明菜の深くに何かが芽生え始めていた。
その芽生えは、正面責めに飽きた後藤が明菜の背後に回って以来、加速度的に促される。

当然と言うべきか、後藤は背後からの責めも巧みだった。
正面からの場合と同じく、乳房の下半球に手を添え、ゆっくりと円を描くように揉みあげる。
ただこれだけで、明菜はひどく安心するような、うっとりとした気分の中に引きずり込まれる。
「可愛いよ、明菜ちゃん。それに何だか、首筋からいい匂いがするね?」
後藤は耳に息を吹きかけるように賛辞を述べた。
さらにその流れで、耳元を舐め、首筋に沿って口づけしていく。
「うっ……あ」
ごく自然に唇から声が漏れ、明菜は慌てて口を噤んだ。
ほとんど吐息に近い喘ぎであったため、女として不自然に思われる事はなかっただろう。
しかし、油断はできない。明菜は気を張り直し、しかしその事で、かえって身体の敏感さが増してしまう。
「すごいねぇ、オッパイおっきくなってきたねぇ。先も、もうコリコリだ」
後藤の暖かな手の平が、乳房を揉みしだく。2本指がしこり勃った乳首をいじめ抜く。
「……………………っ!!!!」
明菜は天を仰ぎながら歯を食い縛った。それでようやく甘い声を噛み殺せる。
それほどに心地がいい。
純然たる女がこの責めを受けたなら、ショーツに潜む渓谷は潤みに潤んでいるに違いなかった。
そしてそれがシーメールとなれば、当然、ショーツを押しのけるようにして逸物が隆起する事となる。
明菜のそれも張りに張り、いつミニスカートから顔を出すか解らない。
その恐れと羞恥に、女ならぬ女の頬は真っ赤に染まってしまっている。
千尋はそうした明菜の様子をたっぷりと堪能した後、ようやくにして助け舟を出す。

「…………あら、後藤さん。残念ですけど、お時間です」
腕時計を見やりながら千尋が言うと、後藤は残念そうに顔を上げた。
「えっ! そ、そうか……もう1時間経ってたんだ」
名残惜しそうに明菜の体を抱きすくめ、首を振る。
「ごめんなさい。明菜はこれで終わりですけど、別の娘を用意しますわ。たっぷり遊んで下さいね。
 さ、明菜。いらっしゃい」
千尋はそう言い残し、ふらつく明菜を個室の外へと連れ出した。
0164女神の試練    4/142015/05/10(日) 18:46:41.48ID:MeIK/wtx
 
「あらあらあら、こんなに勃起させて。女になりきれって言ったでしょうに」
パブの控え室で千尋が笑う。
その前では明菜が直立していた。、赤いミニスカートをたくし上げ、ショーツをずらして怒張を露出させたまま。
「真優なら、あのぐらいは自制していたわ」
怒張を中指で弾き、さらに言葉責めを加える千尋。
美しい女体とは不釣合いな男根が、ぶらりぶらりと宙に揺れる。
「くっ……!」
明菜は唇を噛みしめた。人一倍プライドの高い彼女にとって、このような扱いは耐え難い。
だからこそ、千尋は面白がるのだが。
「しょうのない子ねぇ。続けて客を取らせようかと思ったけど、まずは一発抜いて鎮めてあげるわ」
千尋は意地の悪い笑みを見せ、部屋の隅から椅子を引いてくる。
肘掛けのない、簡素な椅子。そこに明菜を大股開きで掛けさせ、やや腰を浮かすように指示を出す。
「注文の多いことですね」
明菜が渋々と腿を上げた、直後。
それまで軟膏入れを舐めていた千尋の指が、ずぐりと明菜の肛門に挿し入れられる。
「ふあっ!?」
「あら、可愛い声。ソプラノも出るのねぇ」
皮肉とも賞賛とも取れない口調で言いながら、千尋は肛門内の指を蠢かし始めた。

指先は恐ろしく的確に明菜の前立腺を探り当て、刺激してくる。
ヂリリと焼けるような熱さが尿道を走った。真優の前立腺責めも巧みだが、千尋はそれ以上だ。
「あ、ああ、あっ!!」
「凄いでしょう。まだ義務教育を終えたばかりの真優にも、よくこうしてやったものよ。
 まだまだ生意気盛りで、悔しそうな顔をしながら、脚全体が真っ白く染まるぐらいに射精していたわ。
 アナタにも、その時の真優の気持ちがわかるかしら?」
千尋はそう言って前立腺を責めつつ、さらに逆の手で怒張を包む。
千尋の手の甲が明菜の目に映った。
美容品に相当な金を掛けているのか、年齢の割にはシミや皺が少ない。
しかし逸物をゆるゆるとしごき始めると、隠し切れない太い血管が浮き出してくる。
「若いわねぇ、アナタの肌は。元が男だっていうのが嘘に思えるぐらい、ハリがあって、きめ細かくて……」
手の甲に着目されている事に気付いたのか。
千尋は逸物を扱きながら、明菜の太腿に頬を擦り付ける。
その行為はなぜか、それまでのどの言葉よりも明菜の心を怖気立たせた。

「あ、ああ……あああっ、あ…………っは」
明菜の唇から吐息が漏れる。
ぬるっぬるっと逸物を扱き立てられ、前立腺も刺激されているため、快感は相当なものだ。
しかしいつも、今一歩のところで達することができない。
「ほらぁどうしたの、遠慮はいらないわ。時は金なりって言うでしょう、さっさとお逝きなさいな」
千尋が明菜に囁きかける。その声の調子で明菜は気付いた。
この老婆は、あえて明菜が絶頂へ至れぬよう加減し、意地悪く焦らしているのだと。
しかし、そうと解ったところで状況が変わる道理もない。
明菜は文字通りオーナーの『手の中で』、焦らしに焦らされる。
逸物からは、じわりと先走りが滲み出し。
「先っぽから何か出てきたわ。指の輪でクチュクチュいってるわね、何かしらこれ?」
睾丸は収縮を繰り返し。
「たまには、こっちの玉も可愛がってあげないとね…………あら、ふふっ。凄い顔するのねアナタ」
腿の肉は、女を忘れたように力強く強張ってしまう。
「ずいぶんと逞しい太腿ねぇ。とても女とは思えないわ」
肉体のありとあらゆる変化を目敏く見つけ出され、皮肉交じりに指摘される。
これは想像以上に恥ずかしく、さしもの明菜も気概ある瞳を保てない。
「やめてください、オーナー……」
痴漢を受ける女学生さながらに、弱った視線を床へ投げるばかりだった。
千尋はほくそ笑む。まさにその時、彼女の胸ポケットで携帯が鳴りはじめる。
0165女神の試練    5/142015/05/10(日) 18:47:23.56ID:MeIK/wtx
 
千尋は肛門に差し込んだ指を引き抜き、傍らの布で拭い清めて携帯を開く。
「あら、どうも後藤さん。どうされました?」
千尋の反応から、通話の相手は先ほどの後藤である事が解った。
なぜ客がオーナーの番号を知っているのか。明菜はそう疑問を抱いたが、すぐにそれどころではなくなる。
通話の最中にもかかわらず、千尋の手が逸物への刺激を再開したせいだ。
「……っ、…………っ!!」
先走りに濡れる亀頭付近をぬるぬると愛撫され、思わず声が出そうになる。
明菜は必死で口を押さえた。その間にも、千尋の指はぬちっぬちっと逸物を弄び続けている。
明らかに先ほどよりも巧みだ。やはりこれまでは、あえて焦らしていたのだろう。
「いえ、それは…………はい、店としましては…………ええ、ごもっともですが」
千尋はやや声を低めた。深刻そうな内容、しかし責めは途切れない。
滲み出るカウパーを指で掬い、亀頭部分へと戻すように塗りこめる。
絶頂間際で敏感になっている亀頭へ、ぬめらかな刺激を続けられてはたまらない。
「〜〜〜っ!!!!!」
明菜は右膝と左膝を忙しなく浮かせながら、椅子の背をガリガリと掻き毟った。

千尋が電話を切り、携帯を閉じる。
「お愉しみの所悪いんだけど、状況が変わったわ。さっきのお客様、後藤さんね、ちょっと無理を言ってきてるの。
 金を払ってるんだから、ついた嬢にはフェラチオぐらいさせろって言って聞かないのよ。
 あの人、いつも酒癖がいい方じゃないんだけど、今日は特にムシの居所が悪いみたいね」
「はぁっ、はぁっ…………き、規則は規則でしょう」
絶頂寸前のもどかしさで会話の行方が解らず、明菜は思ったままを口にする。
すると千尋は、芝居じみた動きで肩を落とした。
「そうねぇ。やっぱり今回ばかりは、頑として断るしかないわよね。
 大得意様だからといって、この店の嬢にそんな事を強制するわけにはいかないし……。
 真優がいれば、まだ何とかしてくれたかもしれないけど、私じゃあ頭が悪くて」
真優。その言葉に、明菜の脳裏から霧が晴れる。
また真優か。アクシデントか芝居かは知らないが、全ての事態において、真優をダシに明菜を煽ろうと言うのか。
「はぁ……解りました。私がやります」
明菜が溜め息交じりに告げる。
「あら、そう? 悪いわねぇ、助かるわ。あなた昔はニューハーフヘルスに居たそうだから、フェラチオもお手の物よね。
 ここはひとつ、プロの技を見せてちょうだい」
悪意を隠せない人間なのか、それとも隠す気すらないのか。
大仰に手を叩く千尋は、笑顔の一枚下に明確な嘲りを覗かせていた。
0166女神の試練    6/142015/05/10(日) 18:48:13.16ID:MeIK/wtx
 
個室の扉を開けると、そこには嫌がるホステスに言い寄る後藤の姿があった。
先ほどまでとは雰囲気が違う。酒癖が悪いというのは事実だろう。
「お待たせしました」
明菜は後藤に向けて頭を下げる。その途端、ホステスが希望の光を見たという表情で立ち上がる。
「ゴメンね、後お願い……!」
ホステスは明菜とすれ違い様に囁き、急ぎ足で部屋を出た。よほど執拗にサービス外の行為を迫られたのだろう。
「いやぁー君が来てくれて良かったよぉ。さっきのお姉ちゃん、サービス悪くてさあ!」
後藤は顔の前で手を振りながらぼやく。明菜は嘆息する思いだった。

『聴こえる、明菜? 聴こえるなら2回瞬きして』
明菜が左耳に嵌めたイヤホンから、千尋の声がする。
イヤホンは、後藤が待つ個室へ向かう前に手渡されたものだ。一種の無線機であり、盗聴器でもある。
危険な客と個室で2人きりになる場合、このイヤホンが必須になると千尋は言った。
室内の様子はモニタールームで監視してもいるが、個室の監視カメラでは動きしか見えない。
ゆえにイヤホン型の無線盗聴器をつけ、音をモニタールームに送りつつ、何かあれば店側から指示を出すのだという。
そこまでするのなら、初めから危険を孕む状況を作らなければいいではないか。
明菜は内心そう思ったが、追求しても詮無い事だ。
店のルールを謳いながら、その実は千尋の独断による嫌がらせである可能性もあるのだから。
千尋からの指示通り、明菜はカメラへ映るように2回瞬きする。
『OKみたいね。じゃあ、頼むわよ』
「おいどうした、そんな所に突っ立ってても咥えらんねーぞー!」
千尋の声を掻き消すように後藤が叫ぶ。
明菜は一つ息を吐くと、ソファに座る後藤の前で跪いた。
「へへへ、へへ、へへっ…………」
明菜が下穿き脱がせる間、後藤は下卑た笑いを浮かべ続ける。そして現れた逸物もまた、主のおぞましさに負けていない。
ドス黒く、カリ首が妙に太い異形。匂いもきつい。
明菜は一瞬顔を引き攣らせたが、すぐに覚悟を決める。薄汚い男性器への奉仕は、初めてではない。

明菜の指が逸物を摘み上げ、開いた桜色の唇がぱくりと異形を咥え込む。
一度そうしてしまえば、後は彼女のペースだ。
男が喜ぶよう、多少大袈裟に音を立てながら、逸物の先から根元までを舐めしゃぶっていく。
尺八のように肉幹を唇と舌で責め立てると、後藤のたるんだ肉体が震えた。
「うううっ……し、新人オッパイちゃんの割には上手いじゃないか。ヘルス嬢並みだぞ」
後藤の賞賛を心中で小馬鹿にしながら、明菜は淡々と口戯を続ける。
「せっかくだ、胸も使ってくれよ」
後藤が声を上ずらせながら乞うた。
明菜もその程度の要望は断らない。両の乳房で逸物を挟み込み、乳首で側面をなぞりつつ、鈴口を舐め回す。
「あああっ堪らん! マシュマロみたいにふわふわで、気持ち良すぎる……!!」
後藤がいよいよ喜び始め、明菜は苦笑する。まるで腕白な子供だと。
しかし。後藤という男の厄介さを、彼女はまだ知らない。

「あああ、いい。気持ちいいぞ…………じゃあ今度は、もっとだ。もっと深くやってくれっ!!」
後藤は唐突に鼻息を荒くすると、明菜の後頭部を押さえ込んだ。
そして自らも腰を押し付け、有無を言わせずイラマチオを強いる。
「う“む゛ぅうう゛お゛えっ!!?」
哀れなのは明菜だ。不意に喉奥まで咥え込まされれば、声を抑えるどころの話ではない。
両の目を見開きながら、生々しい反応を示してしまう。
「あれっ、結構低いなぁ声。でもねぇ、そういうの結構好きだよ俺。やっぱえづき声は、苦しそうでなきゃあ」
後藤は上機嫌に笑いながら、長いストロークで明菜の喉奥を責め始めた。
0167女神の試練    7/142015/05/10(日) 18:48:54.35ID:MeIK/wtx
 
「ごぇ、おお゛えっ!! ん゛んむ゛ぇああ゛お゛えっ、う゛、ごぶっ……ぐゅぶふっ!!!」
明菜はひたすらに悶え苦しむ。
形のいい鼻から汁を噴きだし、口からは涎の糸を垂らしてしまってもいた。

 ――冗談じゃないわ、ふざけないでっ!!

頭の中ではそう憤るが、後藤に力負けしてしまう。
後頭部を押さえつける力にも抗えず、迫る来る太腿を押しのける力も足りていない。
もう男であった頃の力がない事を、否応なく実感させられるばかりだ。
悔しいが、ここは観念するしかない。
そう悟った明菜は、抗うのをやめ、むしろ脱力して男の欲求を受け入れる。
呼吸は鼻で行い、なるべく喉奥を開いて蹂躙に耐える。
「ぐふっ、いい子いい子。…………あああーっ、いい、今のすげぇイイ! 最高だよこの喉は!!」
後藤は明菜の恭順を喜びながら、いよいよ無遠慮に腰を打ち込みはじめた。

独特の臭気が鼻腔を満たし、怒張に開かれた口から唾液が零れていく。
時おり口内から怒張が引き抜かれる事もあるが、休息は僅かばかりの間でしかない。
むしろその間に、新鮮な酸素が鼻を通り、痺れた嗅覚を再び研ぎ澄ませてしまう。
その中で明菜は、お゛えっ、ごえっ、という自らのえづきを聴いていた。
脳が白む。酸欠のせいか思考力は薄れ、妙な心地良ささえ感じられる。
心の底から女に……いや、メスになっている状態だ。
明菜がまさにその事を自覚した瞬間、イヤホンから皺枯れた声が囁きかけた。
『あらあら、凄いわねぇ』
千尋だ。明菜は目を見開く。
『シーメールが男のものを咥える気分って、どんな風なの?
 心は女といっても、男だった時の記憶も残ってるわけでしょう。気持ちが悪かったりはするの?
 ああごめんなさい、今は色んな意味で喋れないわね。だから、態度で勝手に判断するわ。
 今は……うん、とっても気持ちよさそうねぇ。とろーんとした顔してるわ、アナタ』
そう蔑むように言われては、明菜も平然とはしていられない。
今の今まで女として浸っていた口内の味が、匂いが、耐え難くなってしまう。
「ふむ゛ぉ゛ぅうう゛っっ!!!」
明菜は後藤を睨み上げた。しかし酔いの回った後藤は、それに対して笑みを深めるばかりだ。
「おおその目。いいねぇ、堪らない! 君みたいな子にそんな目されたら、おじさん、余計に燃えてくるよ!」
喘ぐようにそう言い、明菜の頭を強く掴み直す後藤。
いよいよ容赦のないディープスロートが始まった。
「ごほっ、おごっ……おおう゛えっごぼっ…………!!」
明菜はされるがままにえづく。
異常な状況だ。胸から上の反応は女のものでありながら、しかし暴れる腿の合間では、男根がそそり立っている。
その感覚は、明菜に自分の性を見失わせる。
『大丈夫?なんだかスカートが盛り上がってるように見えるんだけど……それ、足を蠢かせてるだけよね?』
追い討ちをかけるような千尋の声を聞き、いよいよ明菜の屹立は限界に達する。
メスの心とオスの欲情が、身体の中で混ざり合いながら極まったかのように。
「んんう゛もぉ゛ぉおううーーーっ!!!!」
辛抱堪らず、明菜は呻きを上げた。それが喉奥を絞り上げる結果となり、後藤の腰も跳ねる。
「うおおおーっ、最高だ! いっ、いくぞ、出すぞっっ!!!」
その言葉の直後、後藤は明菜の口内に精を迸らせた。
どぐり、どぐりと舌の上に生暖かさが吐き出され、栗の花の匂いが明菜の鼻腔を満たしていく。
『まぁ美味しそう。さ、溢さず呑んでおあげなさい。真優ならそうするわ』
千尋のその言葉で、明菜は生臭さを嚥下した。目元を不機嫌そうに震わせながら。
0168女神の試練    8/142015/05/10(日) 19:21:02.54ID:MeIK/wtx
 
「…………お疲れ様。よかったわね、最高だったって。フェラチオは、真優以上なのかもしれないわね」
控え室へ戻った明菜に、千尋が言う。
明菜は汗に濡れたイヤホンを外し、千尋が差し出したジュースを受け取った。
そして荒れた喉を潤すように飲み始めた直後、千尋は口を開く。
「美味しそうに呑むわねぇ。後藤さんの精液と、どっちが美味しい?」
その言葉に、明菜は盛大に噴出してしまう。
「げほっ……お、怒りますよオーナー!」
「あら御免なさい、悪気はなかったのよ。思ったことがすぐ口に出ちゃうの、私」
そう言いつつも、千尋に反省の色はない。
それどころか彼女は腰を下ろし、明菜のショーツを擦り下ろした。
「あら、あらあらあら…………出ちゃったのね。男の人の物を咥えただけで」
粘質な糸を引くショーツの中を見ながら、千尋は可笑しそうに笑う。
明菜の顔が羞恥に赤らんだ。
さらに千尋の手は明菜の物を握り、緩々と扱き上げた。
自然に精液を滲ませるまでに興奮しきった今の明菜が、これに耐えられる道理はない。
「うっあ! んん、うふうっ…………!!」
心地良さそうな鼻声を上げ、盛大に数メートルばかり精液を飛ばしてしまう。
「へぇ、今度は簡単に出るのねぇ?」
嘲笑う千尋に精液を絞り上げられながら、明菜はただ、そのモデル然とした身体をうねらせる。

 -―――まだまだ、アナタの奥を見せて貰うわよ?

悪魔じみたその囁きが、妙にはっきりと明菜の耳に届いた。
0169女神の試練    9/142015/05/10(日) 19:21:38.62ID:MeIK/wtx
 


明菜はベッドに横たわったまま、この数日を振り返っていた。
千尋が別荘として保有する邸宅。
そこで最初にさせられたのは、ストリップショーの真似事だ。

一本のポールを拠り所に、ベージュの布で股間を覆った明菜が舞う。
ただしその腹部には、腰の見事なくびれを殺さない程度に浣腸が施されている。
肛門に嵌め込まれた栓によって排泄は叶わず、栓の底からぶら下がった鈴が、腰を振るたびに煩く鳴る。
そのような恥辱のステージだった。
「へぇー、流石はショーパブの人気嬢ね。見応えがあるわ!」
「そうね。スタイルがよくて、嫉妬しちゃいそう」
「確かに優雅だけど、もっと激しくてもいいわね……ほらぁオカマ女、もっと威勢よく脚を上げなさいよ!」
「あははっ、アレが勃ってきたわ! ほとんど布が役目を果たしてないじゃないの」
千尋子飼いのホステス達が、明菜のダンスに野次を飛ばす。
シーメールである明菜に魅力で劣る劣等感からか、それとも日々の憂さ晴らしか。その野次には容赦が無い。
そして、明菜も人間だ。いかに負けん気が強いとはいえ、排泄欲に長くは抗えなかった。

ポールを背にがに股で腰を落としていた明菜は、壮絶な腹の鳴りと共に動きを止める。
顎や乳房から、汗の雫が滴り落ちる。
「……もう、無理っ…………だ、出させてちょうだい」
明菜は、ソファに脚を組んで座るホステス達、そしてその背後で笑う千尋に懇願した。
しかし、ホステス達は甲高い笑い声を上げるばかりだ。
「キャハハッ、もう無理だーなんて嘘ついちゃって。余裕あるようにしか見えないよん」
1人がソファから立ち上がり、隆起した明菜の股間を指で弾く。
「こーんなにビンビンにしちゃってさ。浣腸ぶちこまれたまま、あたしらの前で踊るのが気持ちいいんっしょ?」
「そうそう。じゃないと、こんな勃起させないってフツー!」
明菜は奥歯を軋ませた。
誇り高い彼女にとって、このような恥辱は許容できるものではない。
しかし、排泄欲に抗いながら激しく身を揺らし、それを少女達の見世物にされながら勃起させた事は事実だ。
「勃起なんて、ただの生理反応よ」
明菜はそう言い返すが、言葉に自信はない。果たして本当に、生理反応ゆえか。
そしてホステス達は、抜け目なくその言葉尻を捉える。
「へぇ、ただの生理反応かぁ。でもうんちしたいのだって、ただの生理反応だよね? じゃ、もっと我慢できるじゃん」
この言葉に、明菜はとうとう絶望的な表情を隠せなくなった。

記憶がはっきりしているのはここまでで、次の記憶はホステス達に上から圧し掛かられている時のものだ。
ホステスの潤んだ膣の中に、明菜の隆起が入り込んでいく。
排泄欲はもはやなく、ただただ強烈な射精欲に苛まれるばかりだ。
「あ……ああ、ああああ…………っ!!」
明菜は男としては極自然な呻きを上げた。ホステス達は、その女王然とした美貌を手の平で叩きながら笑う。
「ホラぁ、なんでお前が苦しそうな訳? レイプされてんのは水姫の方なのにさ」
勝手な理屈が並べられる中、圧し掛かったホステスの膣内が激しく明菜の怒張を絞り上げる。
「うううっ!!」
明菜は為すすべなく射精に至った。どくどくとかなりの量が吸い上げられていく。
「きゃー、こいつアタシの膣中で出してるぅー!!」
「いいじゃん、どうせピル飲んでんだし。それにもし出来たとしても、こんな美人?の子供ならオッケーっしょ」
「ホント、あそこ隠れてると完璧に女にしか見えないわ。不思議ね、シーメールって」
ホステス達の言葉が、疲れ果てた明菜の頭上を舞う。
0170女神の試練    10/142015/05/10(日) 19:22:20.31ID:MeIK/wtx
 
またある日には、千尋からのアナル舐めのみで射精に導かれる事もあった。
キングサイズのベッド……千尋曰く『ほんの20万ドルの安物』の上でだ。
屈曲位に近い体制の明菜に対し、千尋が延々とその肛門を舐めしゃぶる。
初めは射精など有り得まいと高を括っていた明菜だが、次第に肛門性感を目覚めさせられていく。
千尋の萎びた唇で肛門を吸われ、舐められ、ざらついた舌を浅くねじ込まれ……。
その果てに、あえなく射精に至らしめられた。
一度も手を触れていない逸物から、断続的に精が吐かれた瞬間、明菜は心底驚愕したものだ。

そして今日もまた、千尋の玩具としての一日が始まる。

ベッドの上で開脚したまま、右の手首と足首、左の手首足首を拘束される恥辱のポーズ。
そのポーズを取った明菜の前に、道具箱を持参して千尋が腰を下ろす。
ベッドの上で向かい合う体勢だ。
「改めて見ると、本当にいい身体ねぇアナタって。確かに、真優に一番近いのはアナタかもしれないわ」
千尋はそう言いながら、道具箱からある物を取り出した。ワインオープナーに似た形状の道具だ。
「知ってるかしら。これね、エネマグラっていうの。男の前立腺を開発する為の道具よ。
 特にこれは真優専用の特注品で、それはもう凄いの。
 気丈だったあの子を、初めて半狂乱になるまで追い込んだ玩具なんだから。
 ほとんど家宝みたいなものなんだけど、アナタは気に入ったから、特別にご馳走してあげるわね」
千尋の指が慈しむようにエネマグラを撫で、ローションを塗りこめる。
そして充分に準備を整えると、雫を滴らせながら明菜の肛門に宛がった。
「さぁ、息を吐いて」
明菜が千尋の言葉に従い、異物は腸内へ滑り込んでいく。
直後、熱さが明菜の腸を焼いた。
「くぅっ!!」
声を抑えることなど出来ようはずもない。
効果は劇的だ。前立腺が焼き鏝で舐められたように熱くなり、次の瞬間からは余熱のようにじわりと疼きはじめる。
「ふふ。男のようでも女のようでもない、堪らない声ね。
 いいのよ、好きに乱れても。あの頃の真優なんて、それはもうはしたなくベッドを汚したものよ。
 まあ、一週間もすればすっかり女の子らしくなったけどね」
千尋の言葉が脳内で意味を成したとき、明菜は意外に感じた。
あの真優にも、そうした時期があったとは。
和風美人を体現するような真優の気品には、明菜も一目置いている。いや、憧れているのかもしれない。
だからこそ、その真優が千尋のような下劣な人間に平伏している現状が許せないのだ。
明菜の瞳が、静かに千尋を睨み据える。
千尋はそれを至近で受けながら、にこやかな笑みを返す。
「いい瞳だわ、本当に懐かしい。じゃあ始めましょうか、真ゆ……ああ、ごめんなさい、明菜だったわね」
その言葉と共に、エネマグラが明菜の腸内で蠢き始めた。
0171女神の試練    11/142015/05/10(日) 19:23:06.28ID:MeIK/wtx
 
「………………う、うああっ……ああ、あ、あっ」
明菜のこの声は、けして意識したものではない。前立腺を的確に刺激され、自然にあふれた呻きだ。
勝手に声が出るほどの快感がある以上、肉体も反応する。
桜色の肛門が収縮を繰り返し、太腿も尻肉につられて引き締まる。
明菜は千尋を睨みながら、必死にこうした反応を耐えようとした。
しかし、無駄な足掻きだ。
真優の操るエネマグラの先が、18回目に前立腺を押し込んだ時……明菜の尿道を熱さが通り抜ける。
「ふぁあっ……!!」
声を漏らした直後、明菜はしまった、と思った。
喉から搾り出されたようなその掠れ声は、あまりにも雄弁に、明菜の快感を物語っていたからだ。
そして百戦錬磨の千尋は、その致命的な本音を聞き逃さない。
明菜の瞳から視線を外し、ゆっくりと視線を下げていく。
明菜は、それを追うことが出来なかった。ただ生唾を呑みこみ、来るべき時を覚悟するだけだ。
「…………ふふ。出ちゃったのね」
千尋の枯れた声が、はっきりとそう宣告した。
その言葉をきっかけとして明菜が視線を下ろすと、反り立つほどに勃起した逸物の先から、白い一筋が垂れている。
『トコロテン』と呼ばれる自然射精だ。
向かい合った千尋にそれを見られる羞恥は、明菜の美貌をひどく歪ませた。

「知ってるかしら。射精の直後って、前立腺が一番敏感になってるの。搾り出すチャンスなのよ」
千尋がさらにエネマグラを揺らし、最もつらい位置でぐっと留める。
すると明菜の尿道の根元から、再びじわりと熱さが沸いた。
射精が来る。
反り勃った逸物が前後に揺れ始め、鈴口から白濁の球が盛り上がり、破れて肉茎を伝っていく。
その直後にもまた球ができ、零れ、また球ができる。
「うぅううっ、あ、あ…………!!」
明菜の喉から漏れる掠れ声も、前以上に情けない。
「あらあらあらぁ、新鮮そうなのがどんどん出てくるじゃない。
 さっき凄い目でこっちを見てたから、てっきり我慢するつもりなのかと思ってたけど、素直で良かったわ」
千尋の嫌味が、明菜の胸を刺した。
「こんな小さな道具でお尻をレイプされて、感じるのねぇ。
 いやらしいわ明菜ちゃん。見てると、いつまででも虐めたくなってくる。不思議なシーメールねぇ、アナタって」
言葉責めはなお止まない。
腸内をかき回しながらのそれらの言葉は、孤高の女王たらんとする明菜にとって、どれほど屈辱的である事だろう。
しかし明菜は、どうする事もできない。
足掻けず、耐えられもせず、ただ肉体の反応を口惜しげに見下ろすしかない。
「さぁ明菜。今日は、まだまだ愉しませてあげるわ」
捕食者たる千尋は、普段通りの冷ややかな瞳で微笑んだ。
0172女神の試練    12/142015/05/10(日) 19:23:53.53ID:MeIK/wtx
 
「あぁあああー……っ、あああっ…………っあああぁあっ、んあ、あああぁっっ………………!!」

艶かしい喘ぎが、静寂な部屋に響き渡る。
湯気を孕むようなねっとりとした喘ぎだ。聞きようによっては、重傷を負って今まさに死に行く人間の声とも思える。
実際、明菜は追い込まれていた。
逸物は己の白濁に塗れ、動物の乳を上から溢したような有様だ。
瞳はかろうじて千尋の視線を受け止めてはいるが、逸物が震えるたび、惑うように焦点を失う。
品のいい唇の端からは涎が垂れ、悦楽の只中にいる事が窺い知れた。
千尋は、そうした明菜の状態を、ただにこやかに見つめている。
明菜にとって、それが何よりつらいと知るかのように。

「すごい汗よ、明菜」
千尋の右手が明菜の身を撫でた。脇腹を流れ落ちる汗の筋を掬いながら、豊かな乳房に触れる。
乳房を持ち上げて雫を滴らせ、乳房の先を摘む。
「ふむぅんっ!!」
快感のあまりに屹立した乳首は、明菜の急所だ。摘まれれば声は殺せない。
千尋はその声を楽しみながら、さらに乳首を指先で虐め続ける。
当然、左手ではエネマグラを慣れた調子で蠢かしつつ、だ。
「んっくぅぅうぅっ…………!!」
この二点責めに、明菜はいよいよはっきりとした声を発し始める。
そして声がはっきりする瞬間は、彼女の絶頂の時でもあった。
明菜が呻いた実に2秒後。逸物が独りでに暴れ始め、また半透明な液を白濁の層へと上塗りする。
「やっぱり出てきたわ。前立腺でも乳首でも射精できるなんて、シーメールは得よね」
口調は柔らかく、しかし語気は冷たい。
何気ない一言にすら、千賀弥千尋という老婆の老獪さが滲み出ていた。
その冷ややかな瞳は、追い込まれた明菜の心を蝕んでいく。

 ――――もう、この目に見られたくない。

それが彼女の本音だが、しかし、彼女の矜持が視線を逸らす事を許さずにいた。
この先何があっても、せめて人としての尊厳は無くさない。
男である事を捨て、同性の知人からも異性の恋人からも見放された日に、そう誓ったのだから。

千尋の老いた指がニップルクリップを拾い上げても、明菜は視線を揺るがせない。
その責め具が乳頭を挟み潰した瞬間をも、歯を食い縛って耐えた。
「あら、今度は声出さなかったの。アナタの呻き声は聞き応えがあるのに。
 まぁいいわ。今度は前立腺だけじゃなく、オッパイも虐めてあげる。
 後藤さんに揉まれて、あれだけ善がってたアナタだもの。きっと今まで以上に気持ちよく逝けるはずよ」
明菜はここでようやく、千尋の目に感じていた異常性を悟る。
この千尋という女は、相手を玩具としか見ていない。
目の前の人間を、ただ自分が遊んで壊すための人形だと考えている。
だからこそ温かみが感じられず、瞳の奥の眼球が死んで見えるのだろう。
「さぁ、明菜。楽しませてちょうだい」
太い血管の浮いた手が動き、背後の道具箱から悪意ある責め具を引きずり出す。
その数々を見やり、血の通う肉人形は目を見開いた。
 
0173女神の試練    13/142015/05/10(日) 19:24:32.54ID:MeIK/wtx
 


「…………なぁ、何か明菜って、前より女っぽくなってねぇか?」
煌びやかなステージで踊る明菜を見ながら、1人の客が隣の人間に囁きかけた。
落ち着きなく膝を揺らしていたその男もまた、男の発言に同意する。
「ああ、やっぱりそうだよな。前から美人だったけど、何か今は、凄いメスっぽいっつーか」
「本格的に女に目覚めたって感じだよな。まさか、本命ができたんじゃねーだろうな……」
「ほ、本命って誰だよ。男か、女か!?」
「し、知るかよ。あくまで仮説だって! 俺だってンなの信じてねぇよ!」
「なんかさ。デカイ声じゃ言えねぇけど、今の明菜の雰囲気って真優様っぽくねぇか……?」
「よせ、もし真優派に聞かれたら殺されんぞ。……っつっても正味、いい勝負しそうだわ。後は年季が入れば、ってとこだな」
近くの席にいた客達をも巻き込み、噂話は広がっていく。
その前方で踊る明菜は、確かにその瑞々しい魅力に加え、時おりゾクリとする妖艶な雰囲気を覗かせた。
ステージの袖に控える真優達は、その明菜を黙って見つめている。
「…………アキナぁ…………」
感受性の強いユリカは、堪らず目を潤ませ、猫の鳴くような声で後輩の名を呼んだ。

千尋の愉しみは、ただ生きた人形遊びのみで終わるものではない。
その様子をビデオに映し、ホステス達に見せて初めて完結する。
『アールヴヘイム』のホステス達にも、見せしめの意味を込めてか、明菜の味わった恥辱の全てが公開された。
そしてその最後の映像には、まざまざと変わり行く明菜が映し出されていた。

“まんぐり返し”の格好のまま、アナルフックで四方から肛門を拡げられての責め。
千尋がその肛門内へ瓶入りの液体を垂らすと、必ず明菜のすらりとした脚が跳ねた。
『もうやめてっ、さっきから使ってるそれは何なの!?
 何度もイってるのに、勃起も射精も衰えないなんて、普通じゃないわ!』
恐怖も露わに叫ぶ明菜。事実その腹部には、何ヶ月禁欲した果てかというほどの精液が飛び散っている。
睾丸の中身を残らず吐き出し、後から生成された精液も即座に搾り取りでもしなければ、それほどの量にはなるまい。
『秘密よ。名前を知ったらきっとアナタ、依存症になるまで買い漁っちゃうもの』
千尋は満面の笑みを浮かべて言い、再び責め具を抱え上げた。
『ああ、重い重い……歳を取ると、人を悦ばせるのも大変ね』
形状もサイズも真優の怒張に酷似したアナルディルドー。千尋はそれを、アナルフックで拡げられた肛門内へと挿入していく。
とても手で握ることのできない直径ゆえ、上から手の平で圧をかけるようにして。
『んん……くく、はっ…………っく…………!!』
メリ、メリッと音もしそうな威圧感でディルドーが進むにつれ、明菜の目が見開いていく。
0174女神の試練    14/142015/05/10(日) 19:25:19.41ID:MeIK/wtx
 
一部を外に残して奥までディルドーが埋没すると、千尋はいよいよ力強くディルドウの根元を掴んだ。
そして己の体重全てをかけるようにして、垂直に力強くディルドーを叩き込んでいく。
映像を見るホステス達の誰もが、その責めの苛烈さに息を飲んだ。
そして当然、受ける明菜はそんな物では済まない。

『んああぁあ……あ“っ! かぁあ……あああ゛っおおお゛ぉっ、おぉっおおお゛お゛お゛っっっ!!!』

聴いているだけでも動悸が早まるほどの声を上げ、身を暴れさせる明菜。
それは彼女が初めて『アールヴヘイム』の洗礼を受けた時よりも、遥かに危険な声色だった。
男とも女ともつかない、ニューハーフとしての明菜の声色。
それが以前だったとするならば、今は剥き出しになった明菜自身が、原型を無くすまで攪拌されている最中という風だ。
そして以前の責め手である真優には、相手への温情があった。
口先では壊れろと言いながら、その実明菜が危険な状態になる直前で小休止を許す優しさがあった。
しかし千尋にそれはない。彼女の目は、耳は、目の前で悶え狂う人間を見てはいないのだから。

『いやらしいわねぇ、こんなに腸液を出して。こんなに腸液の匂いをさせて。
 懐かしい匂いだわ真優、もう一度アナタを壊せるなんて、思いもしなかったわ。
 さぁどうしたの、まだ頑張るの? 腸の中を作り変えられて、お腹じゅうに射精してて、まだ?
 いいわよ、もっと遊びましょう。もっともっと、高めてあげる。愉しませてあげるわ…………!!』

その言葉と共にディルドーが暴れ狂い、危険な角度をつけて腸内を抉り続ける。
『んおぉ゛っ、おぉおおおお゛お゛っ…………!!!」
明菜は濃い快感の呻きを響かせながら精を放った。
それを盛大に浴びながら、明菜の表情は過去のどれとも違ったものになっていく。

これは、ステージで妖艶に踊る彼女へと至る軌跡の記録。
『アールヴヘイム』の女神が、その殻を破って蝶へと羽化を遂げる瞬間を映した映像。
果たして明菜はこのまま、真優と同じ道を辿るのか。
それとも自我を取り戻し、かつての明菜のままに、誰も見た事のないシーメールへと成長してゆくのか。


彼女の器が試されるのは、これからだ。



                   終
0175名無しさん@ピンキー2015/05/11(月) 14:38:44.47ID:FnZR+1L2
>>159
 引き剥がそうとする。しかし、腕が動かない。
 そのままするすると、自身の革鎧を、着衣をはだけさせながら腰を落としてしゃがみ、ベルトを外し、ボタンを外し、血気に漲った剛直を露出させる。
「う」
 そう頻繁に体を洗い清める習慣のないレナードの剛直。立ち上る臭気が、汗を吸った鎧を越境して鼻を突く。
 しかし、フレアは躊躇う事なく口に含んだ。
「汚い…ぞ」
 鈴口を輪のような圧が ── 喉が締める。傘を、肉茎を、柔らかくザラついたモノが ── 舌が巻き付く。根元も、桃色の唇が締めて愛撫する。
 腕が得体の知れぬ力に動かされ、両手がフレアのブロンドの髪諸共両側頭を掴み、腰を激しく前後させる。
 ── 練達の娼婦すらたじろぐ、ディープスロートとイラマチオの複合奉仕口技であった。
 ものの五分と経たず、たまらず絶頂する。
 加齢と共に落ち着き、リビドーなど湧いても僅かずつ。そんなモノなど自分の肉体の動力の足しに換えてきた。自慰など月単位で耽っていなかったゆえ、腰骨を叩き尿道を駆け抜ける、しばらくすぎた絶頂の証には、針で刺されるような痛みを伴った。
「ぉをォ……ッ!?」
 が、何故か次の瞬間、優しく柔らかく、さながら泣きじゃくる幼児を母親が優しく抱きすくめて宥めるような ──
「を、お…ほッ」
 ドク! ドク!! ドクン!!!
「んンぅ……!!」
 ── ごくっ、ごくん。
「 ── ぅふぅ…ふふ、美味しい」
「…………」
 起こった異変に体中が戸惑っている。心の奥底から湧いてくる、この感情は何だ?
「ボクは、大魔女王の記憶を、技術を引き継いだ存在になりました。催淫の魔術、拘束の魔術、操作の魔術、何でもできる。ボクに、手籠めにされてもらいます」
 宣言する。それは激しい呼吸と共に、切れ切れに。
 何処から取り出したのか、小瓶の栓を抜き、乳房に塗りたくる。
「んッ、ん……」
 甘い香りが立ち上る。その姿と相俟って、剛直が力を取り戻す。いや、さらに ──
「お前、その、胸…!?」
 先程は二つ並んだメロンのようだった乳房が、今は西瓜ほどの大きさになっている。
「これは、ただの香油ですが、おっぱいは、発情に比例して、変わるんです…」
 香油で艶々と濡れ光る乳房で、レナードの剛直を包み込む。ふわりと温かい感触に包まれる。
 また意に介さず両手が動き、紅の濃くなった、固く屹立した乳首を、太くささくれ立った指が交差して捉え、力を込めて摘ままされ、引っ張らされる。
「い…ッ!」
 眉間に皺を寄せ、両目から数粒ずつ涙を零す。
「お、おい…」
 内側に引っ張られて乳房の谷間に圧迫された剛直こそ、さらなる別の快感に襲われているが…。
「んふッ、く…痛いのが、気持ちい…い…」
 再び、腰が激しく動き出す。
「お、お、お、おぉ!?」
「ふぁッ! ふんン! んッ! んッ! ん!」
 フレアは肩をすくめ、首を前に倒し、亀頭を口に含み、舌で激しく愛撫する。
 今度は乳首責めとパイズリフェラの複合性技。
 十分ほど保ったが、やはり早めに気をやってしまう。
「い、ぐぁ…か…ッ!」
 刺激痛と共に、内臓が絞り出されるような感覚に、たまらず呻く。
「んン ─── ッ!」
 ドクン! ドク! ドク!! ドク!!!
 ごくん! ごく! ごく!! ちゅるる…ごくん。
 口をすぼめて残滓を吸い出し、愛おしそうに飲み込む。
「んふ…」
 妖艶に微笑んだフレアの表情が、だんだんと白い靄に包まれていき ──
 レナードはそのまま昏倒し、その場にへたり込んだ。
「…今度は『宥め』の術が散漫になった…気持ち良過ぎた」
 足取りも頼りなく立ち上がったフレアのロングスカートは、その中央を控え目に屹立させ、その頂点から縦長に裾の方向へと、色濃く、大きく、楕円形に染みが描かれている。
「ボクも、すごく、いっちゃってた…」
 それは、イラマチオで一度、パイズリで二度、フレア自身も逝った事を証していた。
「…ボク、本当に心からあなたを…」
 胸に手をやる。暖かく甘い炎のくすぶりが収まらない。
 そっとレナードの顔に触れ、口角を緩めながら、フレアは転移の魔術式を編み始めた。
0176名無しさん@ピンキー2015/05/11(月) 15:32:36.43ID:FnZR+1L2
>>175
 暖かく柔らかい何かに包まれている。
「…………!」
 レナードが目を覚ましたそこは、天蓋つきのベッドの中だった。
「おお?」
 なんと、一糸たりとも身に付けていない。
 妙に体がさっぱりしている。眠っている間に体を洗われたようだ。
 確か、俺はフレアに ──
「お目覚めですか?」
 扉の開閉音と共に、バスローブに着替えたフレアが傍らに歩み来る。
「また魔術で転移したようだな。ここは?」
 周囲を見回す。全体的な佇まいこそ年季を感じさせるものの、豪奢さを感じさせる広い部屋だ。
「ボクの城塞の客間です。『あの人の書庫』同様に、地中に埋もれてしまっていますが…」
「『城塞』だぁ?」
 思わず、間抜けな声が漏れる。
「城塞にして魔法生物。有翼の魔人と戦っていた頃の拠点にして、大魔女王の傑作です」
「動くというのか? これが?」
「ええ。これであなたの測量の旅も捗ろうというものです」
 魔法生物。力のある魔法使いは、時に魔法で様々な無機物から擬似的に生命体を創造し、召使いのように使役する事があるという。
 この大きさの部屋をして客間。これを擁する城塞。これが動く。魔法に詳しくないレナードでも、これにはさすがに震えた。
 と、フレアが、その身をレナードの懐に滑り込ませる。
「そんな事より、続きをしましょう」
 頬、首筋、鎖骨、胸へと舌を這わせてくる。たちまち体が燃え上がる。
「ぅぐ…ッ!」
 フレアはバスローブをするりとはだけ脱いだ。幼さを残した顔に不釣り合いなほど妖艶な裸身が露わになる。
 その股間に息づく小ぶりな証明は桃色の鈴口を潤ませ、心臓の鼓動に合わせてぴくり、ぴくりと上下している。
 このアンバランスさが、倒錯した劣情を催させる。
「さっき、ボクは粗相をはたらきました。あなたの疲労を考えずに精を吸い、二度目の時は快感に気を取られ『宥めの術』を疎かにしました」
「宥めの術」だと? なるほど ── 最初の絶頂の時、持った違和感はお前の仕業だったか。
「あなたには、これからボクに、お仕置きをしてもらいます」
 左腕が持ち上がる。そのまま西瓜のような乳房に、力を込めて指を食い込ませた。
「ぅあ…ッ!」
 すぐに手を放させられ、ほんのり赤く充血した側を平手打ち。
「痛…ッ! いいぃ!」
 右手も同様に、乳房に責めを与えさせられる。たちまち汗ばむフレアの体。
「い…ッ! っはぁ! あーッ!」
 両の乳首を親指の腹で押し潰し、残りの指が乳房を揉まされる。そして乳首を捻り上げさせられた瞬間。
「っひ! もう! いくッ! いっちゃう!」
 さっと朱の差した身を仰け反らせ、乳房を弾ませ、髪を舞わせ、腰を突き出し、痙攣するままにフレアは気をやってみせた。
「ぁあっ! んぁあッ!! っはぁん!!!」
 つぴゅる! ぴゅるっ! ぴゅるるん! 触れもしていない肉茎が、絶頂の証を放つ。
 粘度や濃淡にムラのある男性のそれとは異なり、それはさながら精『蜜』と呼称すべきか、きめ細かな体液が放物線を描く。
「ぁはッ、っか、はぁん…ッ!」
 唾液の尾を引きながら仰向けに倒れ、身をのたうたせながら蜜の残りを吹き零したのち、がっくりと脱力する。
 身を起こそうとフレアがレナードの手を取った瞬間、肉茎は力を取り戻し、再び屹立脈動し始める。脈動に内臓をかき混ぜられるような感覚が収まらない。
 辛抱たまらず、レナードに抱きつき、押し倒す。厚い唇にむしゃぶりつきそうになるが、堪える。
 ボクはお父様の肉奴隷になるんだ。お父様の恋人じゃない。── なるわけにはいかない。
 と、それまで向かい合わせだったのが、くるりと百八十度反転。レナードの腰にフレアの尻が押し付けられる格好になる。背面座位。
「俺からやってやる。お前は角度にだけ気をつければいい」
 ああ ── 「操作の術」を見切られたのですね。さすがお父様。
「『宥め』も考えなくていい。感じる事に神経を注げ」
 わかりました。ボク、感じます。乱れます。狂います。壊れます!
「 ── いくぞ。受け取れ!」
「…はいッ!」
 とうとうフレアの菊門を、レナードの剛直が貫いた。
「っぁああぁ ────── !!!」
 初撃で視界に星が乱れ舞い、下腹部から閃いた甘い電光が全身を駆け巡る。
 二撃目で肉茎が蜜を吹き、フレアは意識を手放した ───
0177名無しさん@ピンキー2015/05/13(水) 13:28:56.32ID:9tTw+jCZ
燻製ねこさんおひさしぶり!


>>175
このシーンが来るまでワクテカして待ってたよ!
0178名無しさん@ピンキー2015/05/19(火) 04:30:15.43ID:p3PFScwx
>>176

 有翼の魔女が住まう巨木上の小屋を珍客が訪れる。
「 ── !」
 報せを聞き、彼女は椅子から立ち上がる。そのまま彼女は、気色ばんだ表情で瞠目した。
「…失念していた。彼には、そのようなトラウマがあったな。さらに昔に」

 ─── ぱぁん!
「 ─── っひ! はッ! あ! あぁ!」
 菊門の奥に息づく点を更に深く抉られた快感と、尻肉を平手で打たれたような痛みに、フレアは昏倒から無理矢理覚醒させられる。
 三撃目は、絶頂の余韻が快感を呼び、新たな欲求が炎のように燃え上がる。
 今度は小刻みに、剛直の凹凸が快楽点を擦る。
「あッ! あッ! あ! あぁ!」
 情欲によってぱんぱんに腫れ上がった乳房が量感を以て揺れ弾み、その疼痛が桃色の稲光となって快感に香味を添え、新たな先走りが肉茎から舞い散る。
 レナードのごつごつした右手を、愛おしさの赴くまま無意識に手に取って胸元に掻き抱くと、その手がフレアの左乳房を鷲掴みにし、圧迫感が乳房の芯を、膨張感が乳首に甘い激痛を与える。
「んぅひぁあ!?」
 潤み見開かれた眼。瞳が熱に浮かされたように泳ぎ、全身に力が込められる。
「んむぁ! ま、またいくッ! いきますッ!!」
 舌先で中空に唾液で曲線を描きながら、フレアは悲鳴を絞り出す。
「いっちゃ…ゃはぁああ ─── !!!」

 ─── 鉄格子の外から、かの者を呼ぶ声がする。
 寝台から身を起こしたかの者は、手錠を掛けられ、呼んだ者に促されて歩いてゆく。
 手狭な部屋に置かれた簡素な机と椅子。かの者と、かの者を呼んだ者は、向かい合わせに腰かける。
 呼んだ者が、机上に、光り輝く何かを差し出して告げる。
 この生が終わり次第、この生命波動と共に、魂から魂魄へと戻り、神々の円卓からの拝命に備えよ。
 かの者が問う。また、吊された人参を喰わせて貰えず走らされ続ける事が続くのか? と。
 その者は答え、頭を下げた。喰わせてやれるかはわからないが、善処する。
 ─── なんと、神が、仙人に、お願いします。と、頭を下げたのだ。
0179名無しさん@ピンキー2015/05/19(火) 04:32:51.50ID:p3PFScwx
>>178

「…んひゅ! かはッ! あ、ぁは…ッ!」
 ぴゅる! ぴゅる! と、痙攣のリズムに合わせて肉茎から勢い良く放たれる滑らかな蜜が、腫れた乳房に絡む。今度は、両乳首を抉る、レナードのささくれた指先に覚醒させられた。
「…少し休むか?」
 自分を労る低い声が、心のどこかを優しく包む。しかし、さすがに連続で絶頂した肉茎からは、力が抜けていく。
「 ── しッ、しばらく、このまま…で」
 剛直を受け入れたまま、びくびくと戦慄く体を、レナードは落ち着くまで抱きすくめる。
 静かな幸福感が、おぞましくも淫らに変じたとはいえ、性徴を迎えたばかりの未成熟な体を包み込み、心を満たしてゆく。
 汗と体液で肌に貼りついた髪すら、こそばゆくて心地良い。
「…お辛そうです」
 五分ほどそうしていたのち、フレアがぽつりと言った。
「俺の事は気にしなく ─── ッ!?」
 フレアはくびれた腰をくねらせ、直腸を蠢かせる。感度の高まった腸壁を動かす事で、フレア自身も感じ、鼻にかかった声を洩らした。
「ぁふ…ん…ッ! ボクが、気にします」
 丸みを帯びた肩越しに、乳房が不自然に震えるのが見える。
「お前…自分にも催淫の術を?」
 フレアの肉茎も力を取り戻す。互いの右の二の腕を掴み、レナードは立ち上がらされる。いわば片手駅弁バックの体勢。
「はい。最大出力 ── んきゅッ!」
 快楽点を急に刺激され、妙な声が出る。
「が、我慢弱くて、あなたにご満足いただけないカラダで、本当にごめんなさい」
 本心は本心なのだが、そこに演技を交えて詫びる。
「…実は堪えていた。痛い絶頂になりそうだったんでな」
 これが朴念仁か。思わず笑いがこぼれる。
「ふふ…そういう事は、今は仰ってはいけません。黙ってボクを使って、抜いて下されば良いのです」
 口をついてすっと出た、露骨で淫猥な言葉。初めてを捧げてからこっち、心が変になっている気がする。
「…なら、痛みで踊るお前で抜きたい」
「はい。どうか、あなたの、その左手で、ボクのお尻を…!」
 ─── っぱぁん!!
「 ─── ひゅわ!?」
 尻たぶを力を込めて叩かれ、新たに珠のような汗が吹き出る。敢えて利き手でない方の手にぎこちなく責められる事で、さらなる快感を得、愛おしさを募らせる。
「ッお…!?」
 その度に直腸が蠢き、包んでいる剛直を揉んだ。たまらず腰を引く。
「躊躇わないで! あなたの…ッを! ぉあぁん!」
 ずどん。城門を丸太が叩いたかのような衝撃に、フレアの躰が跳ねた。跳ねれば乳房が踊り痛む。痛めば躰が跳ねる。その「跳ね」が足りないのか、アナル奉仕が疎かになった事を責めるのか、尻に平手が飛ぶ。
「あッ! あッ! ぁあーッ! ああーッ!」
 今やフレアの体は疲労から弛緩しきり、性感ならびに痛覚に神経を注ぐのみとなっており、こんな事をすれば、早漏の気を持つフレア自身がただで済むはずがなかった。
「ボク! もッ! ダメっ! まッ、またッ! いっちゃう!!」

 これは ─── わかるぞ。“あなたは戻る”のだな。
 私も“あなたと同じに変わる”事になった。こんな形で再会を約束されようとは。
 覚悟しろよ。私が幸せになるために、あなたは私に幸せにされてもらうぞ。
 全力で喰らいついてゆくから ───
0180名無しさん@ピンキー2015/05/19(火) 04:35:33.11ID:p3PFScwx
>>179

 ─── ぱぁぁん!
 平手打ちの刺激。幻から一瞬で引き戻される。
「っひ! っは! んくッ! ぁは…ッ! ぅんん…ッ!」
 肉茎から蜜を舞い散らせながら歯を食いしばり、絶頂の余韻をもリビドーの炉にくべ、力を抜こうとした肉茎に、無理矢理血を通す。
 魔術の照明を受けて、衝撃のままに、涙と汗、そして蜜を振り撒いて踊る美少女肉奴隷の姿がきらきらと輝いている。美しい。俺にはもったいない程の ── その思いがよぎった瞬間。
 ずくん! 腸内の剛直が脈打つ。
「つ…ッ!! いッ! くッ! ぞッ!!」
 それを感じた瞬間、弛緩していたフレアの体は弓なりに反り返り、アヌスが全力で剛直を抱擁する。
「ッ! 欲しいッ!! あなたのッ!! きてッ! きてッ!! きてぇぇ!!!」
 フレアの体が、フレアの心が、己の全てを賭けて、レナードの劣情を求めて荒れ狂い、涙に濡れた眼球がでんぐり返る。
「…っひッ! しゅごいのきましゅ! しゅごいのくりゅッ!! あ゛ぁッ!! いきゅッ!! いっぢゃうぅぅ!!!」
 嵐の中を舞い踊っていた、フレアという純白の羽根は今、さらに渦巻いた歓喜の暴風雷雨によって、捻れた軌道を描いて天空の彼方へとぶっ飛ばされた。

 そういえば、お婆さんの ── ボクの直前の前世の亡霊が「いまわの際に予知夢を視た」と言った。

 晴れ渡る青空のもと、咲き誇る花の草原で、男と女が ───

 性的絶頂を「昇天」と呼ぶなら、つまり、この幻は……?

「をぐぅぅ!!」
 どぐん! どぐん! どぐん!! どぐんどぐん!!!
 蟻の戸渡りのあたりに生じた、心臓の鼓動に合わせて、針で刺されるような、脈打つ痛みを伴って、直腸に大量に、濃厚な精を放つレナードの剛直。否、それは「ぶちまける」と表すべきか。
「あああぁ ──────── ッ!!! あーッ!! ぁあーッ!!」
 づぴゅる! ぴゅる! ぴゅるん!! つぴゅるるん!!!
 一拍遅れて、フレアもオルガズムの証を大量に放つ。腰骨を叩く甘い衝撃に、体が跳ね踊る。
「あ、っは ──── っひッ!? う、嘘っ!?」
「ッ!?」
「いくッ! いっちゃうのでいきゅッ!!」
 一瞬、要領を得ずに固まるレナード。剛直が抜け、手を離してしまい、フレアは絨毯の上へ倒れ込む。自ら仰向けに寝返りをうち、レナードに痴態を晒し示して懇願し、絶叫した。
「おろうひゃまッ! 見へッ!! ぼきゅのやらひいかりゃら見へ!! うれひくへッ!! いっへるにょにいかひゃれりゅにょッ!!!」
 ああ、なんという事か。これからフレアは、尻の下まで伸びたブロンドの髪が絡むのも厭わず振り乱し、
体液で濡れ光る肢体をのたくらせ踊らせ、汗と涙でぐしゃぐしゃな表情は白眼を剥き、
形の良い唇をだらしなく開けて舌と涎をたらし、腫れて揺れる重い乳房を自ら鷲掴みにし、
真っ赤に屹立した乳首を力いっぱい捻り、蜜を噴き続ける肉茎に尿道を、そして注がれたてのレナードの熱い精液に直腸を責められ、
オルガズム直後の前後不覚にまで感じて絶頂してみせようというのだ。
「見ッ!! あ゛!!! ああああああ ──────────── !!!!」
 ぴゅるん!! …ぶっしゃぁぁぁぁぁ!!!!
 最後の本気蜜を放って数秒。フレアの肉茎が、今度は、その小柄な身にどれほどの水分を含んでいたかと思えるほど大量の液体を、絶叫と共に、噴いた。
 今度こそ、歓喜が前世の夢も予知夢の幻も何もかもを吹っ飛ばして、全てを白く塗りつぶし、フレアは万感の想いを込めて恥を晒し、気を失うのだった。
0181178-1802015/05/19(火) 04:41:24.60ID:p3PFScwx
>>178-180
「改行大杉」とか「長すぎる」とか「長すぎる行がある」とか、意外と文句タラタラぬかしおるわチクショウ。
とりあえず書き溜めは今はもうない。
0182名無しさん@ピンキー2015/06/10(水) 13:41:22.57ID:K+w5ivdy
正直ファンタジーは趣味じゃないっす
男の娘の登場で身近になったはずなだし
0183名無しさん@ピンキー2015/06/11(木) 01:01:11.29ID:SiaVRvFR
ここで聞いていいのかわからんけど、女装スレっていま落ちたままなのかな?
0185名無しさん@ピンキー2015/07/09(木) 10:39:21.36ID:D8Vmn76m
前橋さんが翻訳している海外SSのひとつが、シーメール描写が多かった。
http://www.rino-m.jp/oversea/duty-honor-country.html
最終的に性転換することも多いけど、海外は薬物や手術での女性化が基本だから、
途中経過だけでもここ向きの作品が多いんだよね。
むずかしいいいまわしが多いから、機械翻訳だと雰囲気しかつたわらないのが残念。
0186名無しさん@ピンキー2015/07/18(土) 19:30:26.72ID:Kldku213
シーメール特区できないかな
純女の風俗って嬢の水準や店のサービスもイマイチのところが多い
0187名無しさん@ピンキー2015/09/09(水) 21:20:10.16ID:8OakBqqQ
エロい…あ、違う
偉い人になって造るしかないんじゃないかな?

吉原の如くにさ…
0188名無しさん@ピンキー2015/09/09(水) 21:36:56.26ID:YR3ycXU+
ここはエロパロ板だから、妄想の中ならいくらでも自由だぜ。

禿のように幼いころに街に売られた少年たちが、先輩の姐さん(兄さん?)に手ほどきを受け、
薬剤や手術で人工的な両性具有に育っていく……

街に足をふみいれると、格子窓の向こうで男性器を勃起させた美女がうごめいているとか。
裏通りに足をふみいれると、手術をくりかえして異形の美と化した夜鳥につかまってしまうとか。
最初は客のつもりできた良家の坊っちゃんが、のめりこむうちに自分も男娼の仲間入りをしていくとか。
その坊っちゃんを送りこんだのは、家の乗っ取りをたくらむ弟の陰謀で、やがて美しい花魁となった兄を弟が身請けするとか。

あまり文章を書く時間がないので誰か詳細に書いてくんろ。
0190名無しさん@ピンキー2016/03/05(土) 18:31:34.23ID:pO6WvWkJ
たったいまニューハーフとエッチした。
ニューハーフDT捧げました


んー。
0191名無しさん@ピンキー2016/06/24(金) 16:57:07.38ID:z1MhGlft
ニューハーフクラブに潜入するため、手術を受けた警官が送りこまれるSSとかどうだろう。

警官は不祥事の詰め腹を切らされるか、女性化手術を受けるかの二択を上層部に強要される。
それでシーメールになることを選んだ。
潜入が成功した後は元に戻すという約束で、タマもサオも残していて。

本来なら違法な手術を超法規的措置で受けて、外見はカンペキ。でも女らしいしぐさはイマイチ。
警官本人は女好きの普通の男だから、内心では周囲のニューハーフをオカマと見下している。
しかしショーで同僚のニューハーフとからんだりして、その美しさにひかれていく・・・

一方、ニューハーフクラブでは警察のガサ入れ情報をつかんで、警戒をはじめていた・・・

こんなインフェナルアフェアみたいなアレを読みたい。
0192名無しさん@ピンキー2016/06/24(金) 18:19:14.63ID:z1MhGlft
「マリアさーん、すぐ出番ですよー!」
 かんだかい裏声にせきたてられながら、有馬正義はあわてて顔にパフをはたいた。

 婦人警官にみっちりしこまれたおかげでナチュラルメイクはサマになっているが、舞台に映えるメイクとなると話は別だ。
 濃いアイシャドウに長いツケマツゲ。人形のような顔をキャンバスにして、スポットライトで艶やかに見える色にととのえていく。

 ここに入店して一ヶ月、それ以前の準備期間をあわせると半年になる。
 しかしシリコンをインプラントし、ヒアルロン酸を注入した顔は、まだ自分の顔とは思えない。
 こぶりの鼻と口、細くとがったアゴ。まぶたを二重にして、目尻を切った大きな眼。
 永久脱毛したおかげで、男らしいと誇りに思っていたヒゲはまったく目立たたない。
 最高級の人工毛髪は、そうと知っていても本物と見わけがつかないキューティクル。
 もしこれが自分の顔でなければ、警官の立場を忘れてナンパしてしまいそうだ。

 さらけだしていたオッパイを、黒い皮ビキニでつつむ。
 インプラントでつくりあげた巨乳は、肩ヒモのないビキニでも見事に形を保っている。
 乳首を切って、女性と同じ位置につけかえるのと同時にインプラントを注入したため、整形手術の痕跡はほとんど見えない。
 男であったことのなごりは、乳首の小ささだけ。それをごまかすように、ピンクとブラウンのルージュで乳輪をメイクする。
 この最新医療は同僚のオカマたちがうらやましがり、入店初日にもみしだかれたものだ。

 いざ自分が巨乳になってみると、それほど興奮はしない。
 ブラジャーをつけた時はともかく、全裸でいる時は自分がメタボになったかのうように錯覚する。
 警察学校で鍛えぬいた筋肉が感じられないのを残念に思うくらいだ。
 むしろ、開店前のメイクを終わらせたオカマたちがよってきて、大小さまざまなオッパイを押しつけてきたことに困らされた。
 頭では気持ち悪いとしか思えないのに、目の前の光景は上玉といっていい美女の群れ。衣装もメイクもケバすぎないていどにエロい。
 その時に着ていた普段着のロングスカートの下で、思わず勃起してしまうのを感じていた。
 さいわいボクサーショーツをつけていたので目立つことはなかったが、正面に立っていたママだけは気づいて、苦笑いしていた。
0193名無しさん@ピンキー2016/06/24(金) 18:21:37.13ID:z1MhGlft
 頭をポンポンなでられて顔をあげると、正面の鏡に、目のさめるような美女が写っていた。

 腰までとどくロングヘア―。黒い網タイツに、真っ赤なエナメルのバニースーツ。
 ヘソまで大きく開いた胸元から、オッパイがこぼれそうだ。
 頭につけているのは黒いロップイヤー(垂れ耳)。
 まさにハーフのようにスッととおった鼻筋に、切れ長の目。耳におおぶりのエメラルドのピアスが輝いている。
 ママだ。
 このクラブで従業員をとりしきるよう任されている。
「耳を忘れてるわよ」
 ハスキーな声でいって、クスリとほほえむ。俺はあわててバッグに入れたままのネコミミをとりだして、装着した。
「マリア、ちょっとじっとしてて」
 ママが背後からネコミミを調節してくれる。ほんの小さな角度のちがいで、カチューシャがキャットレディの一部へと変身した。
 鏡に映るのは、長身のバニーガールと、ちょこんと座るキャットレディ。獣のにおいをただよわせる美女と美少女。

 ふと視線をさげると、現実にたちかえる。
 鏡に写るママのバニースーツ、そのハイレグの隙間に、たっぷりの万札がつめこまれている。
 そしてパツンパツンのエナメルの中央に、くっきりとサオが浮かびあがっている。
 よく目をこらせば、札ビラのすきまからタマがハイレグの両横にハミ出ている。

 どれほど優しげな美女の姿をしていても、これは男だ。
 妙齢に見えても、アンチエイジングに大金をそそぎこんでいる四十五歳のオッサンだ。
 あの事件の容疑者として内偵の対象になっているひとりだ。
 そう自分に言い聞かせる。
 しかし入店の当初は気持ち悪くて、できるだけ視界に入れないようにしていたママのバニースーツから、俺は目をはなせないでいた。

「あー、マリアちゃんまたママに見とれてるー♪ 早くしないと時間ないよー♪♪」
 ビクッとしてふりかえる。
 楽屋の入口から小柄な少女の顔がのぞいていた。源氏名はリリム。俺と対になる白いキャットスーツを身につけている。
 俺より年下の十九歳だが、一年先輩。この店の売り上げナンバースリーで、俺の指導をしてくれる。
 女性ホルモンを服用しているだけで、顔も体もまったくメスを入れていない。もちろん肉体の性別は男のはずだ。
 しかし、ぷっくりホホをふくらませているリリムは、どこにも男性らしい臭いを感じさせない。
 ママでさえ、従業員のミスをしかる時には男の表情を一瞬うかべることもあるのに。

 ともかく、耳が赤くなっているのをごまかすように、俺はあわてて立ちあがった。
 尻を軽くポンと叩かれる。ショートパンツに装着したネコシッポがピンとゆれる。
「さあ、行ってきなさい」
 ママの声を背中で受けとめて、ストッキングが伝線していないことを一瞬のうちにたしかめ、足をくじかないよう慎重にハイヒールを走らせる。
 小柄なリリムとならんでも、目線の高さが同じ。警官としてコンプレックスだった低身長が、こんな状況では役にたってしまう。

 リリムと歩調をあわせて、マニキュアをした指をからめて。
 露出度の高いキャットレディの姿を装って。
 俺は――マリアは
 光あふれるステージに飛び出した――
0194名無しさん@ピンキー2016/06/24(金) 18:32:29.98ID:z1MhGlft
この後、ふたりで舞台でポールダンスしたり、ストリップ風にマリアとリリムが脱がせあったり、早着替えして客席をまわったり。
一度の出演でマリアはヘトヘトになってステージをおりるが、リリムは続投してママもふたたび舞台にあがって、ショーをつづける。

そして生殺し状態のマリアは衣装を着たままトイレにかけこんで、ママやリリムが女性だったらと妄想しながら“処理”を終わらせる・・・みたいな。
やがて本人の顔だけを思い浮かべて“処理”をするようになり、ペニスが生えている想像を思い浮かべても問題がなくなり・・・

インフェナルアフェアを元ネタにして、こんな展開を考えたり考えなかったり。
0195名無しさん@ピンキー2016/06/26(日) 10:13:26.85ID:BNULt0HV
>>192
「またか ─── 」
 むっとする熱気と湿気の中、男は思わず声に出して呻いた。

 男はアルバイトを掛け持ちしている。
 拘束時間の少ないこの清掃業は、もう片方のアルバイトとの相性が良い。
 とはいえ、しばしば起こるこの事態は、割に合うとは言えない。

 型から膝にかけて頼りない板に間仕切りされただけの、一度に四人が体を洗える、簡素なシャワールーム。
 ある個人スペースのど真ん中に、汚物が鎮座している。
 臭気こそマスクで濾されるとはいっても、床の濡れに一分ほど滲んだそれが、却って作業を面倒にしていた。
 男は浴室の外に置いたコンテナへ取って返し、新聞紙を余分に多く手に持って戻ると、手早く処理をし始めた。

 このクラブハウスで働いている踊り子たちは、女性ではない。
 手術か薬か、あるいはその両方で肉体に改造を施した、男性だった者たちである。
 かの者たちは美しい。とても美しくなった。
 新時代の技術は今や、彼らの肉体がどれほど男性ホルモンに醜く苛まれていても、たちまちフェロモン漂う天使か妖精に変貌させる程に発達した。本人が支払う対価によるが、その対価分以上と見てもいい程に。
 その背景には、社会に異常な ─── いや、よそう。
 ともかく、かの者たちの“その”ために必要な「下拵え」によって生じた、汚物。
 これを袋に入れて片付けながら、男は溜め息をついた。
0196名無しさん@ピンキー2016/06/26(日) 11:10:56.31ID:BNULt0HV
>>195
 シャンプー、コンディショナー、ボディーソープのボトルを磨き、不足している中身があれば補充する。壁や仕切り板をスポンジで擦り、床をデッキブラシで洗う。男の手の動きは早い。
 もう片方のアルバイトがオフなので、早めに終えたいのだ。
 買い物…現在、これといって要る物はない。
 腹…出勤前の朝食にカロリースナックを摂って数時間。現在六分目といったところか。妥当だろう。
 住み家…安アパートの家賃はこの間支払った。
 家族…年単位で帰省していない。デキが良く物分かりの良い弟が地元で就職し働いている。安泰だろう。
 友人…学生時代の同期が数人、全員男性で社会人。携帯端末で連絡こそつくが、なかなか予定が合わない。…こんなモンだろう。
 恋人…只でさえイケメンでないのに、三十路も半ばで童貞など、抱かれたがる女が出たら、そいつがどうかしている。
 趣味…様々なゲーム。賭博はやらない。先日、一世代前の据え置きゲーム機を導入し、ネットゲームを始めたばかり。
 資産…現金数百万を、机の引き出しに、手紙と共に仕舞ってある。何か起きて自分が死んだ時、必要最低限に弔ってもらえるように。

「〜♪」

 広くない脱衣所の鏡を拭きながら、生涯に於いて一区切りついた事実にまで考えが及んだ事に、男は我知らず、幼い頃にどこかで聴いた鼻歌を口ずさんでいた。
 図らずもその旋律には、男と同じような境遇の煙突掃除夫が、自身が果報者である事を噛み締める歌詞が乗せられていた ───
0197名無しさん@ピンキー2016/06/26(日) 12:36:42.49ID:BNULt0HV
>>196
「おはよ。歌、うまいのね」
 仕事を終え、着替えを済ませ、更衣室を出ようと立ち上がりかけた男に、かかる声があった。
「…おはようございます」
 店のオーナー・ママに、軽く会釈する。
「じゃ、自分はお先に失礼しま ─── 」
「待ーって待って待って!」
 タイムカードに打刻し、帰ろうとする男をママが呼び止める。
「奢るからさ、コーヒーでも飲んでってよ」
「…はァ」
 男の返事は、生のそれに近かった。

「でね! あの人ったら酷いのよ!?」
 ママが一方的に近況を喋り
「…ヒドいっスね」
 男が缶コーヒーをちびちび口に含みながら応じる。
「俺にとっちゃ、この店の人全員が頭ごなしにヒドいっス」
 ママは、男が未経験である事を知っている。経験のある者は、ない者を嘲笑ってしまうものだ。どうしても。
「う、んン。そうよね」
 自身の体をかき抱いて、ママは身をよじる。男は片眉を歪めた。
「…なんの冗談っスか、そのリアクションは?」
 女性を自認するなら、憤慨すべきコメントを打ったつもりだったが…?
 羽毛が触れた程度であるものの、その言葉責めが、ママのマゾ心を刺激したとは、男は露ほども思わなかった。
「 ─── はぁ…せめて誰かが、貴方の初めてを貰ってくれたらいいのに」
 立て直したママは、溜め息と共にそう言う。
「キモくなる菌つきますよ。売り上げ下がりますよ」
「小学校かここは!?」
 男の混ぜっ返しにママが喰い気味に突っ込み、オチ付いた空気になる。
 最後の一口をすすり、男は立ち上がった。
「どもごっつぉさんした。お先に失礼します」
「またよろしくねー」

「 ─── 私、割とマジに、貴方の幸せを祈っているのよ…?」
 ママの独り言は、すっきり綺麗になった浴室に物悲しく響き、男の耳に届く事はなかった。 
0199名無しさん@ピンキー2016/08/13(土) 02:05:53.27ID:cxtRcDJ5
>>197
 ─── 痛い! 痛い痛い!
 数年前。
 施設から担ぎ込まれた少年は、それだけを譫言で繰り返しながら、ストレッチャーの上でのたうち回っていた。
 ─── 謎の刺激痛。
 その時のそれは、皮膚が、筋肉が、骨が、内蔵が、言葉にならない程の激痛を発する病だった。
 主治医はこれを「成長痛」と診断し、そして処方された痛み止め。
 適切な処置が施されたはずだった。
 ところが、まさかそれが少年の体内で化学反応を起こすとは。

 舞台の上で、際どくも特徴的な衣裳に身を包んだ美少女が一人、民族的かつ扇情的なダンスを披露している。
 その源氏名を、魔澄(ますみ)という。
 十代の半ばを過ぎて間もない、幼さを残した顔立ちをしており、しかし時折ぷるんと揺れる乳房は、ゆうにEカップを卒業せんとしている。
 珠のような汗を浮かべた肌は地黒なのか小麦色で、スポットライトを照り返して映える光沢が、そのキメの細かさを物語る。
 腰は細くくびれ、腰布のスリットから伸びた脚はカモシカのよう。
 毛先を切り揃えただけの、さらさらと靡く黒褐色の髪には、脱色や染髪の痕がないため色艶が麗しく、あでやかに伸びて膝下にまで達している。
 本人の佇まいから滲み出る健康的な色気と、ダンスそれ自体が醸し出す妖艶さが、ミスマッチなようでいて、実に絶妙なバランスで観客を釘付けにしている。
 満席となった客席からは男性客の獣欲が熱気となって立ち上り、踊る美少女から舞い散る汗の粒子が照明を受けてきらきらと輝く。
「─── はぁッ、んふ、はぁッ…」
 舞台の上手、下手、中央、そして客席最後列の左端と右端に設置された音響機器が、楽曲に合わせてリズミカルに発せられる美少女の息遣いを観客に伝える。
「─── ッ、はあぁッ!」
 美少女が、飾りの施されたブラジャーを解き、客席に放り投げる。
 たわわに実った対の果実が揺れ弾んで男たちの視線に晒される。
 まるで燃え盛る炎がぎりぎりの距離で肌を撫でたかのようなジンとした快感に、美少女は嬌声混じりの吐息を漏らし、それを拾ったマイクがスピーカーを経て男たちの耳朶を愛撫し、熱気がまた一段と、その濃度を上げる。
「んふッ、ふふ…」
 続けて、美少女は腰布を、尻のラインをなぞるように左手で艶めかしくつまみ上げつつ、紐パンツの結び目を流れるような所作で解きながら、嫋やかにくるりと回転して見せる。
 程良く日に灼けた小麦色の尻。その割れ目の半ばから尻尾のような何かが生えている。
 菊門を拡張している、極太の張り型だ。
 さらに美少女は舞台中央の支柱を右手で掴み右脚を絡ませ、腰布を左腕でたくし上げて回転、そのまま勢いに乗せてパンツも放り投げる。
 尻が、股間が露わになる。
 腰布から見え隠れしているそこには、男性の証たる肉の茎が屹立しふぐりが下がり、鈴口から滲み出る先走りの蜜がスポットライトを照り返して、てらてらと輝いている。
 シーメール。魔澄は女性ではなかった。
0200名無しさん@ピンキー2016/08/13(土) 02:09:24.27ID:cxtRcDJ5
>>199
 しかし、これに客席から伝わってきたのは落胆ではなく、期待。
 ここは美しきシーメールを愛でる店だったのだ。
「私の恥ずかしいところ、よく見てって下さいね」
 艶と媚が飽和状態になった踊り子の声を集音器が拾い、そして会場に響き渡った踊り子の言葉に、観客席の熱気がさらに上昇する。
 魔澄を見つめる男たちの視線が光となり、男たちの獣欲は陽炎となり、炎となったそれが、まるで自分の体を灼いているかのような幻を得て、魔澄の表情も陶然となった。
「あ…あッ! あんン! み、見て! 見て下さいッ!」
 残っていた腰布をも激情のままにかなぐり捨て、魔澄はとうとう僅かな装身具を残して全裸となった。
 左手で乳房を責めつつ、責め具と支柱の間に右手を添えて、尻を押し付けながら、魔澄は腰をくねらせる。
 この媚態に、たまらず欲棒を出して自慰を始める者もちらほら現れ始める。
「ふぁッ! 見てッ! 感じてッ! ぅんン!」
 尻の責め具は時により深く挿さって快楽のポイントを苛み、ざわざわとした快感に見舞われて魔澄は喘ぐ。
 いつの間にか音楽は音量が絞られ、魔澄のあられもない声が会場全体に響く。
「んあッ! あぁ! 私、もう! いッ! いくッ! いきますッ!」
 とうとう魔澄は脚をM字に開いて床に直に座る。張り型がより深く踊り子の体内を貫く。
「あ゙っ!!」
 ラストスパート。魔澄の喘ぎ声が、いよいよ獣じみてくる。
「あ゙! あ゙! 見てッ! あ゙ぁッ!」
 ダンスという名のオナニーショウはクライマックスを迎え、魔澄はぐんと身を仰け反らせた。
「ぃひッ! み、見てッ! いくッ! いっちゃう! いっちゃうッ! いく! いく! いく! いくぅ! いくぅッ!」
 どくん! びゅる! びゅちゅる! ずぴゅっ! びゅるるるぅ!
「んあ゙ぁ! あ゙ぁッ! あ゙ッ! ぁあ゙! ぁああ゙ぁーッ!!」
 魔澄は絶頂し、一瞬遅れて肉茎も達し、ビクビクと震えながら、その証をぶちまける。
 周囲に、洋酒と砂糖で煮込んだ栗菓子の香りが漂った。
0201名無しさん@ピンキー2016/08/13(土) 02:13:11.81ID:cxtRcDJ5
>>200
 ─── どうも、最近の私は、さらに変だ。
 パフォーマンスを終えて楽屋に戻り、シャワーを済ませた魔澄は、長く量の多い髪を丹念に乾かしながら、視線を自身の体に落とす。
 ─── まただ。治まらない。

 魔澄は忙しい。この店に住み込み、前座の踊り子として働きながら、夜間高校に通っている。
 母親が浮気して駆け落ちし、それを知った父親は自殺。物心ついた頃には、少年は既に施設にいた。
 全身を苛む刺激痛のために病院に担ぎ込まれたあの日、そこで施された処置は、本当にどうにもならぬ事態を引き起こした。
 元々体に備わり潜んでいた特異体質が、第二次性徴を境に成長痛を発症し、そのために投与された鎮痛剤がそれと化学反応を起こし、あっという間に遺伝子レベルで体が変わってしまったのだ。
 数日間高熱を出して寝込んで目覚めた時、声から野太さが消えていた。涸れて嗄れる事はあっても、治ればそれは鈴が鳴るような、甘酸っぱい柑橘類を思わせる声に戻ってしまう。
 そして体型。筋肉がつきづらくなり、ふっくらとした脂肪がつきやすくなり、背丈も伸び悩む事に。
 殊にそれが顕著に現れたのは胸であった。「乳首の奥と肋骨の間に何かができた」という違和感を覚えたと思ったら、たちまちそいつは日に日に大きくなりつつ脂肪を溜め、半年も経つ頃にはCカップのブラジャーに圧迫感を覚えるまでに育ってしまった。
 そして精通。何の気なしに胸の肉を…いやさ乳房を弄っていたら、体の芯に甘い違和感を覚える。
 もっと感じたいとそれが高まるままに続けてみたら、その違和感はまるで強く捻り絞られる手拭いのような切ない感覚となり、突然、腰を桃色の雷に撃たれたと思ったら、腹から胸にかけて熱い何かが浴びせられた。
 この事が起きた直後、心に鈍い痛みが走る。あの時の痛みに比べればどうという事もなかったため、この時はすぐに失念したそれは、初めての事を大切な人に見せられなかった後悔だと、少年は後に悟る。
 そして体に何かが起きた途端、周囲の状況もまた、目まぐるしく変わってゆく。
 気付けばいつの間にか、「魔澄」という源氏名を与えられ、男性のための店を切り盛りしている“ママ”の扶養になっていた。
 当然、魔澄は女の子になりたい訳ではなかった。
 外見は ─── ぱっと見は美しくなった、と頭では思う。しかし、どこか気持ちの悪さを感じている。
「周りに違和感を持たれないように、この体に似合う格好をしよう」
 そう考え、髪を切る事をやめ、化粧を学び始めた。
 この店の者ならば修めねばならぬ知識も、ひと通り教わった。
 肉体を使ってお客様をお持て成しする事。そのやり方。本来は排泄器官であるお尻の穴にお客様の欲棒をいただく事がはらむ危険性。そのための心掛け。
 そして、女性とは違って子をなせぬ背徳の存在たる自分たちを愛し、抱き、お情けを下さるお客様がどれほどありがたい存在であるか。
 そこには、さながら書道や華道、茶道のような格式の高さと、お客様を想うホスピタリティが…言い知れぬ高潔さと優しさがあり、それはまるで宝石のように輝いて見えた。
 立派だな、カッコいいな、と思っている。
 そんな折り、ママのある部下から「ダンス向けの筋肉してるわね」と評される。
 金銭的余裕に若干の不安があるなりに色々見たり試したりしてみて、好きなのはベリーダンス、向いているのはポールダンスと判るが、見せる為に踊っていると、最中にどうしても発情してしまう。
 しかし、そこはそういう店。ママが露出ダンスオナニーのアイデアを思い付き、舞台を誂えてくれた。
 その報酬の半額を学費に、残りを生活必需の費用に充てつつ、現在に至る。
 ママ達は優しく厳しい。魔澄自身も情を以て慕っている。
 しかし、恋はまだない。

 魔澄は自分の体を見つめる。このところ、舞台をこなした後も発情が収まらない。
「んー、何だろう? なんでだろ?」
 目を閉じる。こんな風になる日に限って、客席に特定の誰かが居るんじゃないか?
 続いて先程の舞台を思い出す。
 列をなしている、むくつけき男たちの視線。燃える獣欲をはらんだそれは、まるで松明のよう。
 ─── まァ、この時の私も、見られて燃えてるんですけども。魔女狩りとか、火炙りされるとか、カッコいい!
 で、炎の中で目を凝らすと、遠くに蒼くきれいに光る、何かが ───
「 ─── ッ、やば」

 この後、無茶苦茶オナニーした。


 To be continued.
0202名無しさん@ピンキー2016/08/17(水) 19:24:56.73ID:S4cJGji5
>>201
「 ─── 凄いでしょ、あのコ」
 ママの声が、浮き世離れした舞台と熱気に浮かされていた男の脳を現世に引き戻した。
「 ─── ええ、そっスね」
 ステージ・ホールの一角は客席の奥に設えられたバーカウンター。
 クラブハウスの掃除夫でフリーターの梶本芳夫(かじもと・よしお)はそう生返事を返し、煙草を一本咥えて火を点け、まず一服。
 口腔から気管へとメンソールの刺激が流れ、さらに上気していた頭をクールダウンさせてくれる。
「ふぅ ─── 」
 溜め気味に口から流れ出た煙が、換気扇へと吸い込まれてゆく。
「あの完成度で、ほぼ独学なの」
 得意気に片肘をつき、降りた緞帳を見ながら微笑むママ。
「 ─── 『ほぼ』?」
 もう一口吸って、梶本は問う。
「先生はPCと動画サイト。それをしつこく観て真似たのよ」
 そしてママは、世界的に有名な動画投稿共有サイトの名前を口にする。
「へえ…カルチャースクールとかには?」
 この質問に、ママは首を振った。
「通わせてないわ。基本を体に覚え込ませるそれこそ、動画サイトで充分。下手な講師に叩き込ませたら、あのコのオリジナリティを殺しちゃう」
「そういうモンですかね」
 下手じゃなかったら、講師にはなれないと思うが。…梶本はその言葉を呑み込んだ。芸術ないし芸能の何たるかなど知らないからだ。
「そういやカメラが回ってたみたいっスけど? ありゃ、そこに晒す為っスか?」
「いいえ。今、ディスクに焼いてるの。…そろそろね」
 簡素な折り畳み式の机が並べられ、「録れたて魔澄ちゃんショウ映像ディスク」「1枚1000円(税別)」などと書かれ、ラミネート加工されたポップが貼り付けられる。
 舞台が終わり、緞帳が降りて、ものの30分弱 ─── 新時代の技術がなせる業か。媒体こそ一世代前の映像ディスクなのに ── いや、だからこそなのだろうか、出来上がるまでが早い。
「なるほど。ガッチリしてますね」
 ママのやり手ぶりに感心しつつ、また一筋の煙が立ち上る。
「複製や拡散の防止もガッチリのつもりよ。とりあえず現段階で難解屈指のパスワードを施してあるの」
 ママは胸を張る。ネグリジェのような服に一対の、真っ二つに切った排球のボールを思わせる丸屋根のテントが二つ浮かび上がる。
「それってつまり?」
「何つーか…コンピュータでの動画データ取り込みや量産は可能だけど、そのためのカギ開けを面倒臭くしてあるの」
 ん、と梶本は片眉を上げる。
「それを映したモニタを、カメラで撮って晒されたら?」
 ママは“やれやれ”の手振りをしながら言う。
「それはお手上げね。そんな映像に興を冷ましてくれる視聴者なら良いんだけど」
 梶本は迂闊にも、煙を吸い込んだ肺から笑みを漏らしてしまった。
「ぶふッ ─── ごほっごほっ! 自分、そのクチです」
 これに、ママもくすくすと笑ってしまう。
0203名無しさん@ピンキー2016/08/17(水) 19:25:43.61ID:S4cJGji5
>>202
「…ね、一枚持ってってよ」
 バーカウンターに両肘を付いて身を乗り出して胸を強調しつつ、ママは梶本に言う。
「 ─── 今回も“アレ”あったんでしょ?」
 渋い表情になった梶本は「ええ」と応える。
 この“アレ”とは、店の嬢(?)が客に抱かれる前に、或いは自慰も兼ねて、もしくは嬢(?)同士で睦み合うために、肉体に施す“下拵え”の副産物 ─── 主にスタッフ用シャワールームを中心に、このクラブハウス・ビルの何処かにしばしば出現する、汚物。
 それをあっという間に、跡形もなく処分してくれる梶本。
 嬢たちも度々話題に挙げる。この店には“神様”が居る、と。
「ホントにごめんなさいなのよ毎度まいど。本当ならウチのコの誰かを二、三人あげてもいいくらいなのに」
 頬に片手を当てて困った仕草をした後、両手を合わせて頭を下げるママ。どうやらその感謝は心からのもののようだ。
「俺は、あのコらへの性的なお仕置きの捌け口ですか?」
 皮肉交じりにツッコむ。
「あ…ごめんなさい。そんなつもりじゃないの」
 ふるん、と揺れた乳房がいちいち梶本の助平心をくすぐる。ブラックライトを照り返さないそこには、一体何が詰まっているのか?
 “店のコを二、三人あげる”とはまさに言葉通りの意味。ママが薫陶を施した超美人シーメール数人を梶本の近隣に住まわせ、ないし同棲させ、ほぼ永久無料で(性の)世話をさせる、という破格すぎる報酬。
 今はそれで良いかも知れないが、彼女(?)たちが老いてしまう事に想像が及ぶ ─── しかし、それはママに視線を戻す事で杞憂に変わる。
 なんと最年長のママですら、二十代を自称しても「え?」と言われるこの容姿をして“四捨五入して五十路”という、恐ろしい美魔女(!)っぷりを誇っているのである。
「だから、あげすぎ。これで充分すぎるくらいっスよ」
 その事でモメかけた。俺のような中年ブサメンフリーターが肉奴隷を持つとか…あり得なくね?
 結果、週に一度、魔澄のライブダンスオナニーショウ観覧とドリンク1杯、そして“アレ”があった時は映像ディスクを奢られる方向に落ち着いたのである。
 その方が気楽だ。それに、自宅(近隣)の何処かまで、プライベートで掃除させられる事も起こりうるのは御免だ。
 三十路も折り返し地点が近く、ここ最近とみに自身の性欲が減退している事を体感自覚しているのに対し、この店の連中は肉体を弄った反動によって性欲が強い。
 ただでさえ負け犬人生なのに、この上(下?)さらに打ちのめされてたまるか。
「そんじゃどうもでした。失礼します」
 煙草を灰皿で揉み消し、梶本は席を立つ。ママに促された給仕バニーからディスクを受け取ると、嬢(?)と部屋へしけ込む観客らを尻目に、梶本は独りクラブハウスを後にした。
0204名無しさん@ピンキー2016/08/17(水) 19:26:40.50ID:S4cJGji5
>>203
「 ─── どうしたモンかしら?」
 魔澄ちゃんのショウは、梶本さんのお気に召したようだ。それは彼が席を立った際にチラッと見えた股間に、熱と力が籠もっていた事が物語っている。
 梶本さんも純男性。獰猛に肉を喰らうような獣欲を持っていて、そして今は寂しいはずだ。
 この国は、じょs…強欲姑息かつ心ない一部の人間の手によって、そして、かのj…かの者たちから逃げる梶本さんのような人々によって、静かに緩やかに、そして着実に滅亡への道を歩んでいる。
 そんな国で所帯も伴侶も持たず独り暮らしというのは、寂しく侘しく、何より心細いはず。
 “神様”とまで呼ばれる、良い人たる梶本さんのような人こそ、幸せになって欲しい。私たちで燃えるなら、私たちを使って癒して欲しい。
 自身の容姿を心得ている彼はそもそも、自発的に伴侶を求めるような事は、全くしなかったそうだ。
 それが成人して間もない頃、ある事件によって“ゼロ”が“マイナス”になったという。
 公園で、転んで脚を擦り剥いて泣いている…幼子の傷口を洗い、絆創膏を貼ってやったそうだ。それは何の事もない、ちょっとした微笑ましい出来事のはずだった。
 ところが、その親から「何やかや理由をつけて、幼子の脚に触れたかったのだろう」などとイチャモンをつけられ、挙げ句「この顔にピンときたら」などという事案にされたらしい。
 そんな過去から、梶本さんはこの街にやって来た。彼に罪はない。むしろ感謝してし過ぎるという事はなかったはずだ。
 何かしてあげたい。しかし、梶本さん自身から助けを求める言葉を聞いたわけでもない。
 手詰まりそのものの現状。
「歯痒いわね ─── 」
 煙草に火を点け、独り言と共に、ママは煙を吐いた。
0205名無しさん@ピンキー2016/08/17(水) 19:27:53.40ID:S4cJGji5
>>204
 夜間高校に通う学生としての魔澄は、ぱっと見は陰気で地味な生徒である。

「あ…ふッ、ん…」
 旧校舎の職員女子トイレ。その個室で、魔澄は自分を慰めている。

 トレードマーク・無染髪の超ロングヘアこそ束ねるものの、胸にサラシを巻き、ワンサイズ大きな制服を着、スカートの丈も長めにする。
 …いや、厳密にいえば夜間高校に制服はない。“制服のような私服”だ。近い年頃の女子はそうして通学している。
 全日制側がリボンタイなのに対してこちらはネクタイ等であったり、上履きに施されたワンポイントが違っていたり。そこは生徒側から敷設されたルールなのだろう。
 …単に可愛いから、なのかもしれないが。

「んふ…んくッ、ぅんん」
 激情のままにスカートや制服、そしてバレッタを鞄に突っ込み、シャツと上履きを残して一糸纏わぬ姿になり、解いたサラシを口に咥え、乳房を責める。

 普段はいわゆる“華”をとことん隠し、体育や水泳の着替えも女子トイレで行い、まるで忍者のよう。

「…んひッ! ひゅ…」
 責める左手を乳首に、右手を尻に。指先に触れたのは張り型。

 さりとて給食などの際には、笑顔を見せたり声を出して笑ったり、アットホームな空間にも見事に溶け込む。

「んむ…む、むふ…ッ!」
 張り型のスイッチを入れる。振動が菊穴の奥に息づくスポットを責める。

 全日制でないが故、私服姿を見せる機会も多い。しかし、私服も派手過ぎないようにしてある。

「んっ、ん…」
 全身が熱を帯び、ぞわぞわと肌が粟立つ。汗の吹き出る予感。シャツも脱ぎ、フックに吊しながら、昨日こなしたショウを思い出す。
 ほどなくしてそれは、性感と共に妄想へと姿を変え、自己陶酔の靄となって魔澄を包む。
 自分を焼いて燃え盛る炎と、その先に見えた『星』を。

 余程の注目を浴びない限り、学内で“そういう事”は、まずない。
 自発的な女体化をしていないからこそ、可能な技である。

「んぐッ! ぅん゙! ん゙! んン! ぅん゙ン!! んぐぅッ!!」
 張り型のスイッチを“最大”にし、乳首を責める指にも力を込める。
 全身を桃色の稲妻が、火花を散らせながら駆け巡る。
「ん゙! んぐ! ぅんぐッ! ん゙ンっ! っんぐぅぅぅッ!!」
 サラシを噛み締め、体を反り返し、腰を震わせ上り詰める。腰骨を打った甘い衝撃に、触れられる事なく震えた肉茎は、年季を感じさせる和式便器の中へその証を放ち、一拍遅れて水音が木霊した。
 ─── どくん! ずぴゅ! びゅくっ! びゅるる! びゅちゃっ!!

 クラスメートには予め“学外に知り合いの、片想いの男性がいる”と、予防線を張ってある。
 ─── それは、決して嘘ではないが…。

「 ─── ッはぁ! はぁッ! っかは、ッ…」
 全身から力が抜け、へなへなとしゃがみ込む。
 噛み締めていたサラシが力なく口からこぼれ、膝に折り重なった。
「ぁ、髪が…」
 これから急いで服装を整え、用務員の目を盗んで旧校舎の鍵を返し、帰宅したら髪を洗わねば。
 神経を使う作業が結構な量で控えているのにも関わらず、口から漏れ出た独り言は、ちょっと間抜けであった。
0206名無しさん@ピンキー2016/08/17(水) 19:33:20.72ID:S4cJGji5
>>205
「ただいまです…」
 クラブハウス最寄りのビル。ここは、その従業員が住み込む寮になっている。
「お帰りなさい、魔澄ちゃん。お疲れのようねー」
 どこか間延びした声でチーママが出迎える。
 ここの寮母も兼任しているママ直属の部下で、自身も美人シーメール。
 柔らかな物腰に即したふっくら体型。温厚な性格を体現した眼差しには垂れ目のきらいが見られ細く、脂肪も肌のキメも細かい、甘え甲斐のある大らかな癒し系である。
 今はラフな部屋着の上に飾り気のないエプロン姿。まさに“お母さん”然とした雰囲気を醸し出している。四十代前半だが二桁若く見える。
「お疲れにもなりますよー…聞いて下さい」
 フラフラと食堂に入り、椅子に腰掛けて卓に突っ伏す魔澄。
「あらー何かしらー?」
 気を利かせたチーママが冷蔵庫からパックのアイスコーヒーを出し、グラスに氷を入れて注ぎ入れ、コースターに乗せて差し出す。
「いえ、なんか最近、特に、性欲がスゴいってだけなんですケド…」
 “特に”を強調して言う。
「あらあら、若いのねー?」
 このチーママ、(この店特有の)シーメールにしては、内に秘めた激しい性欲を感じさせない話し方をする。
 茶化している、との誤解を招く事もあるが、至って真面目で素面だと自称している。
 その分、お客様と寝る時はスゴい、とママから聞いた事がある。
 曰く、百円均一(税別)の結束バンドで拘束され、局部を観察されただけでもマジ逝きの大量射精ができるほど、感度に特化した肉体の艶やかな唇からは、ただの喘ぎ声ではなく肉食獣の咆吼絶叫が飛び出すという。
 そのために、店に、最強の防音壁を設えた専用のプレイルームを持ち、時には責め役もこなせる嬢を召喚する事もあるそうだ。過去最大にサカった時にはママすらも。
「この上、お客様からお金を取ろうなんて」とまでママに述懐しせしめたほど。
 その分、持て余したリビドーとの付き合い方に関する造詣には、一日の長がある。
「普段の服装のせい…じゃ、なさそうねー」
 単純計算だと、これまでの魔澄の自慰回数は一日三回強。ステージで二回弱消費していた。それが…。
「学校で、空き時間と放課後に一発ずつ、でもって帰りに公園のトイレに寄ってもう一発。ヘトヘトですー…」
 アイスコーヒーをちびちび飲みながら、魔澄は説明する。
「…ひょっとしてー、今、きてる?」
 そんな魔澄を見ながら、食い気味にチーママが訊いた。
「ええ、実は…」
 疲労を全面に押し出した返事。魔澄の頬に若干の紅潮が見える。
 一日五発余り。それもそれぞれ全力射精。なんと羨ましい若さか。本腰入れて発情しないとそこまでにはならないだろうに。
 リビドーにスタミナが追いついていない、という事だろう。過労で倒れなきゃいいけど。
「う〜ん…片想いの恋とかしてなぁい? 気になる人でもいないとー、そうはならないと思うのよー?」
 悩ましげに顎に指を当て、チーママが訊く。
「魔澄ちゃんさ、オナってる間、何を思い浮かべてるのー?」
 “何を”と訊いてきたあたり、細い双眸に見合わぬ洞察力が窺える。
「強いて言えば妄想というか ─── 夢を視ながら寝てるのに近いです…」
 魔澄は伏せた状態から顔だけを上げ、考えながら答える。
「私は魔女狩りに捕まり、火炙りの刑に架けられているんですよ」
 魔澄は頬の下まである前髪をヘアピンで留め、後頭部下のバレッタを外しながら続ける。…そろそろ整え時か。
「そこで遠くを見つめると、それはそれは蒼くて綺っ麗ぇーに光る星が燃える火の向こうに見えて、そういえばどこかで『蒼く光る星の方が熱い』っていうのを思い出した直後に、ちょっとスゴいのがきて、おちんちんに触る事なく、いくんです」
 親愛の情を示した猿が毛繕いをするように、クセのついた魔澄の髪を指で梳きながら、チーママは問う。
「それってもしかしてー、ショウやってる時の例え話かしらー?」
 ずばり、という音が聞こえた気がして、魔澄のスカートを押し上げるテントが、ぴくりと動いた。
0207名無しさん@ピンキー2016/08/17(水) 19:34:03.20ID:S4cJGji5
>>206
「汗かいたんだしー、まずは体をキレイにしましょうね−」
 チーママは優しく、魔澄を大浴場に連れていった。そして互いに服を脱ぐ。
「まー…ホントにサカっちゃってるのねー」
 しなやかな筋肉と程良い脂肪でプリプリとした魔澄の肢体に対し、チーママの肉体はふくよかに整っており、肉茎も甘く勃っている。
 魔澄の健康的にツンと尖った釣り鐘型の、Eオーバーのバストに対して、チーママの乳房は、垂れ乳のケがあるGカップ。
「チーママさんの体も、すごい…」
 この視覚的刺激に、生理的に勃っていた魔澄の肉茎が、さらに力と熱を帯び、時折ぴくぴくと脈動する。
 まずはそれぞれが体の前面を洗い、髪にシャンプーとリンス。そして背中を流し合う。
「髪伸ばしてるのに、背中のお肌が荒れてなくてキレイねー。羨ましいわー」
 それは、いち早く魔澄のチャームポイントを見抜いた、ママの薫陶の賜物でもあった。
 前髪以外は、毛先を整えながら、もう少し伸ばすつもりでいる。ママに褒められたのもそうだが、コスプレとの相性が良いし、何よりダンスが映える。
「髪長いのはチーママさんもじゃないですか。私より手間かけてお手入れしてるし」
 魔澄ほどではないが、チーママの髪も尻の上まである。が、これにチーママは苦笑を返す。
「そろそろ染髪料が合わなくなってきてるかもねー。おろして裸で一日過ごすとー、背中が荒れちゃうのよー」
 魔澄の濡れた髪をアップに纏めながら、チーママは愚痴をこぼす。
「いっそ、染めるの辞めます?」
 あまりの長さと量の多さに纏め髪が追いつかず、魔澄の頭は妙なポニーテールのように仕上がってしまう。
「魔澄ちゃんの髪コキは良かったけどー…そんなロマンスグレーは、ちょっと汚いわー」
 今度はチーママが後ろを向く。魔澄の番。
「後ろからおっぱいとか触らないでねー、サカっちゃうから」
 こんなに声の響く場所で、乱れて吼えたらどうなるか。
 魔澄は素直に、丹念にチーママの髪を纏め上げた。良い子だ。
「さ、魔澄ちゃん」
 湯気とリビドーにアテられ、ふらふら歩く魔澄の肩を抱き、浴槽の縁に促して座らせ、チーママは開かせた又の間に正座する。
「いーい? イラマはやっちゃダメよー? あたしもサカっちゃうからねー? 手持ち無沙汰になったら、自分のおっぱいを責めていなさいねー?」
 ぴっと人差し指を立てて、チーママは魔澄に警告。こくこくと頷く魔澄。
「あたしもお疲れだしぃ、ご奉仕はあまり得意じゃないんだけどぉ…」
 謙遜だ。手軽にまず一発抜くためか、再び勃てるためか、常連のお客様は必ず、チーママさんの口唇奉仕をお求めになるとか。
 双眸に光を宿し、唇から舌を覗かせながら、チーママは妖艶に微笑んだ。
「足腰立たなくなるまで、抜いたげる…!」
 ごくり。魔澄の喉が音を立てた。


To be continued.
0208名無しさん@ピンキー2016/08/21(日) 16:51:53.39ID:yX/D0pHH
>>207
「いただきま〜す」
 限界まで充血した魔澄の肉茎が、チーママの口へ吸い込まれてゆく。
「あ…」
 根元にかかる鼻息がこそばゆい。チーママの唇が、頬の粘膜が、舌が、魔澄の肉茎に吸い付く。
「はぁあん…ッ」
 鼻にかかった喘ぎが魔澄の口から漏れる。響いた甘い声が互いの耳朶を撫で、チーママは局部へ血が流れるのを体感する。
(…と、魔澄ちゃん良い鳴き声してるわ。これは早めにいかせてあげないと、私も本気でサカっちゃう)
 上目遣いで魔澄をチラ見する。
「ふ、ぅん、ん…」
 魔澄は身を捩り、指の節を咥え、押し殺した嬌声を漏らしている。
(これはフルスロットルね)
 責め方を切り替える。口に含むのを亀頭までに留め、鈴口、カリ周り、尿道口を舌で激しく責める。
「んあッ! あッ! ち、チーママ、さんッ!」
 そしてチーママのしなやかな指が、唾液に滑る根元から茎までを扱く。
「急に! 激しく! なり、すぎ…ッ!」
 魔澄は口から指を離し、左手は浴槽の縁を持ち、右手は激しく乳房を揉み責める。
「も、もう! もうッ! い、いきます…ッ!!」
 背に凭れる物がないために体を丸め、魔澄は絶頂を堪えるようにぶるぶると震える。
(いっちゃえ!)
 トドメとばかりに、チーママは魔澄の菊穴に中指を突っ込み、肉茎とアヌスの間を刺激した。
「あ゙! あ゙っ!! ぁああ゙ぁーッ!!」
 さらに鼻から空気を抜きながら、チーママは鈴口から打ち出されたモノを、音を鳴らして嚥下する。
「っす、吸わ、っは…ッ!」
 内蔵をも吸い出されるかのような感覚が、前のめりに、弓なりに、乳房を揺らせて体をのた打たせ、魔澄を悶絶させる。
「 ─── っ、ちょっとぉ!?」
 ばしゃーん。
 口を離したチーママが見たのは、気を失って仰向けに、浴槽に倒れ込むように飛び込んだ、魔澄の姿だった。
0209名無しさん@ピンキー2016/08/21(日) 16:53:28.43ID:yX/D0pHH
>>208
「晴れて良かったわね」
「ホントですねぇ、ママさん」
 夏の太陽が照らし下ろす、寮の庭。
 中央に据えられたバーベキュー・グリルが、燃える炭火の陽炎を立ち上らせている。
 世の盆休みが終わりを迎える頃、一足先に故郷から寮に戻った嬢たちの為に、ママが企画したバーベキュー・パーティ。
(いいけど、なんで俺まで)
 如何に予定が合ったからとはいえ、梶本芳夫もそこに呼ばれていた。

 この時、特別プレイルームには、むせ返るほどの熱気と栗の花の匂いが充満していた。
「星の人を探す?」
 衣服は床に脱ぎ散らかされ、中央に設えられたベッドの上で、熟年の美裸体が二人、絡み合っている。
「正確には『魔澄ちゃんの星の人(仮)』ですよぉ」
 本腰入れて精根尽きて倒れた魔澄だが、大事には至らなかった。今は自室で眠っている。
「いや、その『星の人』ってのがピンとこないんだけど…」
 その後、結局性欲を持て余したチーママは、わざわざママを特別プレイルームへ召喚し、互いに一発ほど睦み合ったのである。
「多分〜…魔澄ちゃんってば、あの人を恋慕してますわねぇ」
 ぬりゅぬりゅ。互いに放った体液を混ぜ合わせ、塗りたくり合う。
「あん…あ、あの人?」
 それがママの乳首に当たり、ぴくりとママの肉茎が頭をもたげる。
「そ。まだ…はぁン…憶測ですけどぉ…」
 チーママも首筋に唇を這われ、ママの下で身じろぐ。
「魔澄ちゃん、次の舞台…いつだったかしら?」
 ぬちゃぬちゃ。音を立てて、互いの体液の匂いを染み込ませんばかりに、肉茎を揉み合わせる。
「んぅ…来週の、いつか…ぁはん!」
 チーママの肌から発情の熱を感じたママは、ここぞとばかりに、チーママの尻へと指を這わせてゆく。
「ぅんん゙…ッ!」
 チーママも負けじと、ママの尻に生えた尻尾 ─── バイブレータ入り双頭ディルドのスイッチを入れた。
「…ママさん、わたし、もう ─── 」
 ママはチーママの下半身をでんぐり返し、尻から生えたモノの先を、チーママの尻の上に腰掛けるような体勢になって菊門にあてがうと、妖しく微笑んだ。
「ええ…一緒に、いきましょ ─── 」
0210名無しさん@ピンキー2016/08/21(日) 16:55:21.12ID:yX/D0pHH
>>209
(暑ぃ…でもって、なんか落ち着かねえ)
 給仕の嬢(?)からグラスを受け取ってちびちび飲みながら、会場を歩き回る。
 一目でそれと判る男性は十数人。梶本も含め、彼らは全員クラブハウスと契約しているビルメンテナンス会社の者である。
(信じられん事に、ここに居るの、全員男なんだよな)
 なのに、そのむさ苦しさが全くと言っていい程に感じられない。
 むしろ、肉や野菜、海鮮の焼ける匂いと共に漂っているのは、柑橘類を思わせる甘い香り。
(…適当に飲み食いしたら帰んべ)
 この時、梶本は気づかなかった。周囲の嬢(?)たちから動きを見られている事に。

「う〜ん…」
 その頃、魔澄は未だに更衣室に居た。
 まず、窓の外に目をやる。中天に差し掛かった太陽が、夏の日差しをこれでもかと降り注がせている。
「…灼けちゃうの、イヤだなぁ」
 地黒のケがある事に悩んでいた魔澄は、ママ指導の元、地道な美白スキンケアを積み重ね、何とかここまでの小麦色まで漕ぎ着けたのだ。踊る時はこれでいいが、この時以外は役に立たない。
 自慢の黒褐色の超ロングヘアも、日光の熱を集めて熱くなる事を思うと、憂鬱に拍車をかける。
 そしてこれ。「下着代わりよ」と、ママから渡された物を、両手で摘まんで吊り下げ、眉を顰める。
 なんと、赤いエナメル生地の、面積も小さなスリングショット。
 この上から余所行きの、それでいて汚れてもいい服を着て、パーティに参加しろと言われたのだ。
「あとぉ、おトイレでちゃんとお尻を洗っておくのよー」
 チーママから数本ほど渡された注入薬からも、どこか怪しさを感じた。

「ん…ん!?」
 焼けたスペアリブを齧り、梶本は違和感を覚えた。
(旨いは旨いが…ニンニクがちょっと強い…?)
 続いて、グラスビールも呷ってみる。
(…これも苦味が…俺の味覚がおかしいのか?)
 飲み食いを進める度に、体内に少しずつ、何かが積み重なっていく?

(何だか…ふらふらする)
 日焼け止めを塗り、パーティ仕様の服に着替え、直腸洗浄を済ませた魔澄は、やっと外に出た。
 嬢の集り島をあっちへふらふら、こっちへふらふら。食べ物を受け取り、適当に飲み食いする。
「 ─── あ」
 だが、程なくして日差しの中でしゃがみ込んでしまった。
「 ─── 大丈夫か?」
 魔澄の体を包み込むように、影が落ちる。
「あ…………」
 その巨躯を以て日差しを遮った梶本が、魔澄を見下ろしていた。
0211名無しさん@ピンキー2016/08/21(日) 16:59:07.31ID:yX/D0pHH
>>210
「魔澄ちゃんと梶本さん ─── 接触作戦成功ね」
 インカムから報告を受けたママは、チーママと目を合わせてにっこりと笑い合った。
 要するに、この会場に居る、魔澄と梶本以外の全員が ─── 嬢(?)には前もって、ゲストにはその場で小さなメモを渡し、梶本と魔澄を引き合わせる仕掛け人だったのである。
「ママさん、こっちはやっておくから ─── あン☆」
 チーママ謹製スタミナ酒と料理ですっかり出来上がったゲストに胸を揉まれながら、チーママはママを促す。
「ええ。ちょっとごめんなさいね」

「その『星』がー、丁度このあたりに見えたのねー?」
 チーママが訊き、魔澄は頷いた。
「はい」
 ダンスショウ・ホールの客席奥に設えられたバーカウンター。
「あら? 二人とも、どうしたの?」
 そこにママが現れる。そこからは容易く、早かった。

「 ─── 大丈夫か?」
 魔澄の体を包み込むように、影が落ちる。
「あ…………」
 その巨躯を以て日差しを遮った梶本が、魔澄を見下ろしていた。
 双眸が潤む。視界が霞む。逆光になった男。そして、その視線。
「…蒼い、星 ─── 」
 皮膚が粟立ち、体から汗が緩やかに吹き出る。
「星の、人 ─── 」
 前後不覚に手を伸ばす。そして、当然のようにその手を取る梶本。
「 ─── あ? 何だって?」
 触れた瞬間、体内から突如として、炎が燃え上がる感覚が生じた。
「あぁ ─── 」
 激しい動悸。血が疾走する。体全体が熱くなる。
0212名無しさん@ピンキー2016/08/21(日) 17:00:08.32ID:yX/D0pHH
>>211
「良かったわね、魔澄ちゃん。やっと逢えて」
 傍らから聞こえてきた優しい声に、二人の視線が注がれる。
「…ママさん、これは?」
 問う梶本だが、ママは「待って」と制し、魔澄に呼びかける。
「魔澄ちゃん、この人に言う事があるんでしょ?」
 魔澄はのろのろと視線を戻し、人事不省のまま梶本に抱き付いた。
「どうか、お願いします………私を ─── 燃やし尽くして下さい」
 切れ切れに、息も絶え絶えに嘆願し、そのまま魔澄は昏倒する。
「え?」
 例えがよく分からず戸惑う梶本。口をついて出た言葉が中二病の囈言って ─── 頭を抱えながらママが解説する。
「梶本さん、熱中症の類ではないわ。腰のあたりを見てあげて」
 言われた通りに視線を落とすと、デニム・ホットパンツの中央が屹立し、窮屈そうに力が籠もり、ぴくぴくと震えている。
「触れたあなたに、未だかつてなく発情しているのよ ─── 色々と、種火はちょっと仕込んだけどね」
 悪戯っぽくウインクする。
「 ─── しかも、軽くいっちゃったみたい」
 じわり。尖った山の頂点に染みが生まれ広がり、程なくしてそれは光沢を帯び始める。
「 ─── 要はこのコ、『貴方に抱いて欲しい』そうなの」
「 ─── はァ!?」
 梶本の喉から素っ頓狂な声が飛び出す。アルコールのせいか、敬語を忘れて、矢継ぎ早に ───
「俺のツラはこんなだぞ?」
「その視線を浴びる事が気持ち良くて、楽しくて、嬉しかったそうよ」
「バイト掛け持ちのフリーターだぞ?」
「独り立ちできるまでは、ウチに任せなさい」
「俺、童貞だぞ?」
「このコも玩具以外受け入れてないわ。やり方なら私が教えます」
「事が済んだ後、あんたが俺を訴えれば、俺は ─── 」
「お世話になっているあなたに ─── 特に“アレ”の問題をどうにかして下さる貴方に、そんな事は絶対にできないし、させないわ」
「それでも、俺は」
「このような稼業に身をやつしている私どもを、信じきれない事情はお察ししますが、そこは“心ない女性どもとは違う”という一点で、お試し下さい」
 梶本はがっくりと膝をつく。
「俺の負け、か」
 そんな梶本と、彼の腕の中で気を失っている魔澄とをふわりと抱いて、ママは丁寧に言葉を紡いだ。
「その前に、私たちがあなたに大惨敗しているわ。私たちと違って、どうにもならない理由でこんな体になったこのコが、あなたを感じ、恋を初めて見つけたと知った瞬間、私たちはすごく嬉しかった」
 双眸に涙を浮かべながら、ママは二人から離れ、梶本に頭を下げた。
「どうかお願いします。このコをもらって下さい。あなたならこのコを幸せにできる。そうなれば私どもも幸せになるのです」
 結局、あんたらも自分らの事ばかりか? 非難の言葉をぶつけようと喉を震わせかけた瞬間、頭を下げたまま遮るように、ママは言葉を続ける。
「そして、このコ共々、私どもも、あなたが幸せになるよう尽力します。私どもは、それを求めているのです。あなたにしかできない事なのです。私どもの願いを、どうか叶えて下さい」
 そうだ。能動的に女体化を果たした私たちと違って、その出自のために、このコは私たちと共に居ても、どこかしら疎外感を持っていたはずだ。
 女装はしても必要最低限だった。決して着飾りはしなかった。
 そんな淋しいこのコが、心から慕う、この方なら、きっと ───
「 ─── あ、ああ」
 ママの矢継ぎ早な、それでいて心からの懇願に気圧されて、梶本の喉から声が漏れる。
 それを肯定と受け取った周囲から、拍手が巻き起こった。
「主従契約が成立したぞ!」
「良かった! 魔澄ちゃん、本当に良かったわね!」
「梶本さん! 魔澄ちゃんを泣かしたら許しませんよ!」
「魔澄ちゃんなら今、嬉し泣きしてるわよ?」
 押し切られちゃったよ。どうすりゃいいんだ ─── 天を仰いだ梶本の腕の中で微笑みを浮かべた魔澄の目尻から、雫が一滴音もなく、輝きながら滑り堕ちていった。
0213名無しさん@ピンキー2016/08/21(日) 17:16:10.67ID:yX/D0pHH
>>212
 翌年の初夏。
「綺麗よ、魔澄ちゃん」
 魔澄はクラブハウスの楽屋で、嬢(?)たちから化粧を施されている。
 だが、その衣裳が、いつもと異なっている。
 シースルーの布が幾重にも縫い重ねられた、豪奢なドレス。
 傍らには、これまた透けた薄布を束ねたヘッドドレスと、両手に収まる程度の大きさの花束が置いてある。
 どう見ても花嫁の纏うべきその衣裳の色は、赤かった。

 クラブハウスのステージ・ホール。そこには、これまでとは異なる装飾が施されている。
 まず中央のやや奥にでんと置かれた木像。X字架に、鎖と枷で繋がれ、股間の肉茎を勃てた全裸の美女シーメールが、美少女フィギュアの趣きで象られている。
 程なくして、法皇の衣裳に身を包んだママが、X字架に架けられたシーメール像の見守る祭壇に立つ。
 「それでは、新主(シンシュ)と新奴(シンド)の入場です」
 客席に響いたチーママのアナウンスも、男女が神に誓うそれとは、どこか文言を異にしている。
 まず舞台上手から歩み出て、ママの前に立ったのは、新主である梶本。
 黒を基調としたスーツではあるのだが、着ている衣裳が照明を照り返し、どこか異なった光沢を纏っている。その拵えは黒革と鋲で出来ていた。
 続いて舞台下手から、ドレスアップした新奴の魔澄が、チーママに手を引かれながらしゃなりしゃなりと歩み、梶本の隣に立つ。
 ママが分厚い冊子を開き、厳かな口調で問う。
「新主・梶本芳夫は、新奴・重栖魔澄を奴隷とし、末永く辱め、弄び、情けを下す事を、誓いますか?」
 主の務めを言い並べる、その言葉一つ一つに、新奴たる魔澄の体が、ぴくり、ぴくりと震える。
「誓います」
 ぴくん。その言葉に反応して、魔澄の体が、また一度反応する。
「新奴・重栖魔澄は、新主・梶本芳夫を主とし、末永く傅き、従い、全てを捧げる事を、誓いますか?」
「ッひっ! ち、誓いま…す…ぅんン゙!」
 びくん! 切羽詰まった声と共に、新奴の体が跳ね、その直後ドレスの裾のあたりから、板張り床にびちゃびちゃと何かが落ちる音がした。
「っあ…ふはっ、はぁ」
そして新奴は、その場にへなへなと頽れる。
「頑張ったな」
 新主が手を差し伸べて、荒く肩で息をしていた新奴を助け起こす。新奴の頬に朱が差した。
「では新主よ。誓いの印を新奴に」
 新主が新奴の顔を覆っていた薄い透け布を捲り、新奴は目を閉じる。
 新主は新奴に幅の広い革の首輪を施し、そして互いに、右手の薬指に鋼の指輪を填め合う。
「それでは新奴よ。誓いの務めを披露なさい」
 新奴は赤いブーケを持ったまま跪くと、列席者に向かって一度、新主に向かって一度頭を下げる。
「私は先程、誓いの言葉を述べた際に、嬉しさのあまり感じて昇り詰めて、露出性癖のままに粗相を致しました」
 集音器が拾い、会場に鈴の鳴るような声で、紡いだ卑猥な言葉が響く。
「罰として私が、誓いのしるしとして主に奉仕し、お情けを賜って感じているところを、どうかご覧下さい…」
 ルージュに濡れ光る可憐な唇を開き、舌を出す新奴。
 新主の欲棒が突っ込まれ、両側頭部を掴まれ、激しく出し入れされる。
 新奴は喉の奥まで蹂躙され、感じながらも必死で舌を動かし、唇を締める。
「ぐう…ッ! いくぞッ!」
 一声呻いて、新主がトドメとばかりに撃ち込んだ一撃。欲棒の先から迸った熱いモノ。
「ん゙んンぅぅぅ!!」
 さながら、愛しい主の全てを凝結した槍に、口から貫かれたかのような幻想。一拍遅れて新奴も達して腰を震わせた。
「ん゙! んふッ、ぅんン ─── 」
 こくりこくりと喉を鳴らし、新主の欲棒を咥えたまま精を嚥下する新奴。
 そのいじらしさに、新主の欲棒が力を得ようとする。
 がちゃり。ごとり。ばさり。
 と、新奴の腰のあたりから、妙な音がした。
 紐と錠前で体裁を保っていたドレスの前垂れが、前身頃が、ヴェールが外れて床に落ち、あの頃に比べて艶を増した肢体が現れる。
 あの頃からさらにキメ細かな脂肪を集めたバストのトップは実に三桁センチ、ゴム鞠のように弾み踊っていたそれは柔軟さを得、Fカップの大台に達した乳房は今、赤エナメルのスリングショットに彩られており、嫋やかに柔らかに揺れている。
 際どい下着からはみ出した、頼りないサイズの肉茎は、二度の絶頂を経ても萎えておらず、栗の砂糖煮の薫りを放ち、体液でてらてらと濡れ光りながら発情を訴える。
 その様子に、新主の欲棒が力を取り戻す。
0214名無しさん@ピンキー2016/08/21(日) 17:18:13.17ID:yX/D0pHH
>>213
「また勃っちまったぞ? どうしてくれる?」
「お願いします。私の体のお好きな場所を、どうかお使い下さい」
 ヴェールが外れると共に丁寧に結われていた髪も解け、その黒褐色の超ロングヘアは立ち上がると実に踝まで伸びており、それが磨き抜かれた小麦粉色の肌と、赤を基調としたボンデージに、長手袋に、ガーターベルトに、ストッキングに、実によく映えている。
「よし。尻を使ってやる」
「はい」
 新奴は新主に尻を突き出す。張り型が抜け落ち、ローションと腸液に濡れ光る菊門が露わになり、肉茎にさらに力が籠もる。
「いや、正常位でやる」
「畏まりました。いらして下さい…」
 後背位の方がありがたい。さりとて正常位も、恥ずかしいところを晒しながら犯されるのが気持ちいい。
「 ─── あうぅッ!」
 とうとう新主の欲棒が新奴の菊門に挿入された。ぎゅっと目を閉じ、歯を喰い縛ってぶるぶると震えながら快楽に耐えようと試みる。
「ふッ! ん…ンひッ! だ、駄目ぇ!」
 しかし、恋慕の心が、そのダムをあっという間に決壊させた。
「ん゙! ん゙っ! ん゙ン! んわッ! わ、私! もう!!」
 新主の両肩を掴み、脚を絡ませ、体を震わせ、ものの数秒で新奴は昇り詰めた。
「いッ! いっちゃう! いっちゃう! いっちゃうぅぅぅ!!」
 ずくん! ぶぴゅ! びゅっ! ぴゅるるっ!! どぴゅるるる!!
「っふぁあ! あーッ! あぁッ! ひぁあぁぁ!!」
 身をのた打たせながら、自身のアクメの証を受け止める。
「…いくら何でも、早すぎるだろ」
 自らの大量射精に、身を顔まで汚しながら、菊門の中がうねる。
「だ、だって…ご主人様の、本物の…だから、嬉しくて」
 顔を赤らめ、しゃくり上げるように涙を流しながら弁解する。
「まるで他のを咥えた事があるような言い草だな? しばらく逢ってなかった間に、尻軽を覚えたか?」
 ニヤリと意地悪い笑顔を浮かべてねちっこく追及する新主に対して、新奴はイヤイヤと首を振る。
「そんな! 私は…ッ!」
 と、ぐちゅぐちゅと直腸が蠕動し、新主の欲棒を揉みくちゃに責める。
「っを!? ぅおあぁ…ッ!!」
 不意の反撃に、堪らず新主の欲棒が暴発した。
 どぐん! どぐん! どぐん!
「ぁきゃあぁ!?」
 声の裏返った黄色い悲鳴を上げ、新奴は媚体を仰け反らせ、肉茎を屹立させる。
「っかは…ッ!」
 先に落ち着いたのは新奴の方だった。新主の首を掻き抱き、腰に脚を回し、力一杯抱きすくめる。
「ご主人様は、それで…いいと思います」
「…………?」
 怪訝な表情になる新主。新奴は続ける。
「心ない人の事をたくさん知ってるって事は、心ある事も知ってるって事です。あなたはきっと、本当に優しいご主人様になれます」
 繋がったまま新主の首に手を回し、新奴は体を百八十度回転させ、後背位を列席者に見せる態勢になる。
「いつかきっとモテます。ご家族もできます。そうなっても ─── たまに、私を、抱きに…ひぁ!?」
 背後から荒々しく乳房を揉みしだかれ、直腸が再び蠕動し、欲棒が力を取り戻す。
「生意気言うな。お前は俺の何だ?」
 そのまま激しくピストンする事十数回。
「ど、奴隷! 肉オナホの奴隷でした! あ゙! あ゙! っあ゙ぁ!! いっちゃうっ! また! また! いくぅッ!!」
 ステージで行われている痴態にアテられ、内数名が自慰を、もしくは嬢(?)を捕まえて犯し始めた、列席者の眼差しが光となり、熱気の陽炎を介して、まるで魔女を火炙りにせんとする、魔女狩り衆の松明のように見える。
 以前はその向こうで輝いていた、きれいな蒼い星。
 今は私の主となり、私をその蒼い炎にくべて下さっている。
「ふ、ふふふ ─── お二人とも、素敵よ」
 聖服を脱ぎボンデージ姿となったママも、シーメール像の逸物で菊門を慰めながら微笑んだ。
 チーママはとっくに姿を消している。恐らく手空きの列席者を捕まえ、特別プレイルームにしけ込んでいるのだろう。

「ぁあ゙ン! っあ゙はッ! ぁあ゙ぁ!! い゙ぐぅッ! い゙っぢゃう! ま゙だ! い゙ぎま゙ずゥ!!」
 それから五回ほど、計九回は気をやっただろうか。すっかりグロッキー状態に陥った新奴は、バックから激しく突かれるがままになっていたが ───
「 ─── ッぐぅ! いくぞッ!!」
 新主の欲棒が、ぐっと大きくなったのを感じると、最後の力を振り絞って上体を起こし ───
「 ─── っ!!」
 唇にむしゃぶりついて昇り詰めた ───
0215名無しさん@ピンキー2016/08/21(日) 17:18:47.67ID:yX/D0pHH
>>214
 数年後。
 この街に、あるワケありの夫婦が引っ越してきたらしい。
 両者は同性婚の認められた某国に帰化して結婚した、元・この国の人間であり“この国に移住してきた某国人”。
 仲睦まじい佇まいが微笑ましいのもさる事ながら、美しい妻君のやたら長い髪は、無染髪で艶やかな黒褐色だったという ───

「さすがに染めてますよコイツ。色々あったから」
「『やたら』って失礼ね。切らされてサッパリ心に穴あいたわよ。…お尻の下まで戻したけど」
「ところで、この『重栖』って、なんて読むんだ?」
「…ん゙ん゙ン(咳払い)! …『エスミ』です。」
「!?」
「母は浮気して駆け落ちして、父は自殺しました。」
「…………」
「エスミです。エスミです。エスミです……」
「……ぉぃ……」
「自虐ネタしたら淋しくなりました。ギュッとしていいですか?」
「されたらサカっちまう。やめれ」
(ギュッ)
「もう遅いです」
(!)
「よし、犯すわ」
「お願いします」
0216名無しさん@ピンキー2016/08/21(日) 17:31:46.64ID:yX/D0pHH
>>215
しまった。「FIN」とか「End」とか入れ忘れたorz
というワケで、とりあえず終了です。
敢えてsage忘れさせてもらいます。


作中にしばしば出した、特定の方々への偏見は、あくまで登場人物が持っている価値観であって、自分はそうは思っていない事を申し上げます。
俺だって本腰入れて探せば、いつかどこかで、醜く卑しい日本惨次元女性様じゃなくて可愛くて健気な大和撫子と懇ろになれるんだ!

………………多分。
0218 ◆5kxqp0y5Ic 2017/11/27(月) 01:35:47.65ID:20M/knnB
書けた? じゃ逝ってみよかな?


《陰陽師異聞》
 時は現在ならぬ昔日。誰が呼んだか陰間艶街(かげまいろまち)。その一角の芝居小屋。
 設えられし高座におわすは、時代にそぐわぬ琵琶法師。
 蜜柑のような可憐な声で、その唇から繙かれるは、面妖艶なる物語 ─────

「んっ、ふ…あん」
「ふっ、ふっ、ふっ ─── 」
 ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ。
 その時、その屋敷では、熱い男女の息遣いのそれと、騒々しい衣擦れの中に隠れて、粘っこい妙な音が響いておりました。
「参るぞ ─── 」
「あぁ ─── 私も、気が、気が…いく」
 屈強そうな、如何にもなお武家様の下で、仰向けに組み敷かれた若い女人が、悶えておいでだったのです。
 そしてお武家様が一際強かに腰を打ち込まれた直後の瞬間でございました。
「ぐ」
「嗚呼っ」
 下半身に閃いた刺激は苦しくもめくるめく熱く、女人も躰を弓のように反らせ、髪を絡めながら乳房を弾ませつつ、下腹から顔にかけて幾筋か、米の研ぎ汁のような蜜を噴き舞わせたのでございます。
 直後に寝所に立ち込めた、栗の花香は男の証。
 女人と見紛うほど麗しいその者は、肉陰間という者だったのでございます。

「大義であった ─── 旅の幸運を祈る」
「はい ─── 」
 陽が中天に掛からぬ程の刻限に、掛け衣で胸元を隠し、見送る肉陰間の足元に銭束を放り、お武家様は寝所を後になさいました。
「 ─── かあさま」
 それと入れ替わりに、狩衣の若者が寝所に参って来たのです。
「あぁ ─── 太郎丸さま」
 肉陰間の者は切なげにその者の名を呼ぶと、その若者を抱き締めるのでありました。

 時は平しく安らかな御代が終わるか終わらぬか、といった頃の事でございます。
 帝の御前で、陰陽師の競い合いが行われたのでございました。
 葦屋道充(よしや みちみつ)と安部晴顕(あべのせいけん)。どちらも腕の立つ陰陽師でございます。
 その勝負は僅差で後者が勝り、葦屋家は都から離されたのです。
 しかし、父の道充が都に戻るべく足掻き戦うのは、実はまた別の話でございます。
 道充も男。幾人か子息がおりました。
 これは、その内が一人。唯一人の出来損ない。葦屋行充(よしやゆきみつ)さまの面妖なる旅路を語る物でございます。
0219 ◆5kxqp0y5Ic 2017/11/27(月) 01:43:52.96ID:20M/knnB
>>218
「海近くにある村から、貢物が届かなくなった」
 戦が暫くないとはいえ、それだけならば、武芸に秀でた者たちを集めて様子見に赴かせるもの。
 しかしそこは、一時は帝に召し抱えられていた程の陰陽師の宣ったこと。そこから厄が降り掛かるやも知れぬ。
 味噌滓の出来損ないとはいえ、陰陽師である行充さまが、様子見の使い走りにやられたのでございます。
 さて、卵が先か鶏が先か。出来損ないだからそのような風体なのか、良いものを与えられなかったがゆえにそのように頼りない体躯に育って出来損ないなのか。
 この時の行充さまは、ひょろひょろとした柳のような体躯に白粉いらずの青白い血色、下瞼には常に隈をお持ちの、背後から忍び寄れば死神に間違えられるほどの方にございました。
「太助どの、参りましょう」
 敬称をつけて呼ばねば、飼い犬にすらそっぽを向かれるほどに、貫禄を欠くうだつの下がりようには涙を禁じえぬ有様でございます。
「………………」
 肩書きは公家なのに馬も牛車もなく、幾許かの乾し飯と懐きの悪い飼い犬を連れ、行充さまはお発ちになられました。

 片道七日半ほどの道のりを経て、村に着いた行充さまは、その有様にただ立ち尽くすのみでございました。
 流行り病により、村は惨憺たる有様。生きている者など一人たりともおらぬ。散々に瘴気が荒れ狂った跡。よくある事ではありました。
「何たること」
 民草を思い悲しまれるその気性、まさに公家らしからぬ出来損ない。
 しかし、ここを皮切りとして厄災が縄張りを侵すと解る以上、立ち尽くしているわけにもいかぬ。
「太助どの」
 行充さまは懐から墨と筆を取り出すと、村の有様を簡潔にしたため、それを無愛想な犬の首輪に括り付けると、父らの元へと送り出したのでございました。

「祓えたまえ、清めたまえ ─── うぅ」
 歩き詰めの体に鞭打って、村人たちの骸を埋めて葬ること二十数回。
 夜の帳が降りた中で火を焚いて、柊の枝を振るう手を、思わず止めてしまう行充さま。
 疲れに苛まれきった体で、さりとて眠ることすら叶わなかったのは、ぐう、と腹が幾百回目の鳴き声を上げたためにございました。
「何か、腹に何か ─── 」
 譫言のように呟きながら、ふらふらと、浜辺へと歩を進める行充さま。
「 ──── む」
 躓きそうになった足元を見ると、何かが横たわっている。
「大きな、魚の、妖 ──── の骸、か」
 その日は飲んでも喰ってもいない体の、その口に唾が湧き、再びぐうと腹が鳴る。
 自身の体ほどもあるその異形を見下ろしながら、行充さまは匕首を抜いたのでございます。

 半刻ほどのち。辺りには肉の焼ける匂いが立ち込めまして。
「 ──── ぐげ、げげげ」
 その匂いにつられて、やって来る者が。
「妖 ─── 」
 それは“餓鬼”。本来ならば黄泉の国で、生前に悪事を働いた死者を喰って責める拷問吏でございました ──── が。
「 ─── の仔、か」
 まなこが殊更に大きく、膚も桃色がかっており、如何にも未熟な風体をしているのでございます。
「乾し飯はこれだけ。菜っ葉も汁物も漬け物もない。相伴に与るか」
 これに、頼りない動作で這い寄りながら、妖は「げぇ」と頷くように鳴いたのでございます。
0220 ◆5kxqp0y5Ic 2017/11/27(月) 01:56:23.48ID:20M/knnB
>>219
「う、うあ ──── うあぁ」
「ぐぇ ──── ぎゃ」
 それから更に半刻のち。妖者の屍の肉焼きを平らげた行充さまと餓鬼の仔は、体を苛む熱さと苦しみに、のた打ち回っておりました。
 飢えがどうにかなったどころか、このままでは、体の中を暴れ回る火に焼き殺される。
 その勢いのままに、行充さまと餓鬼の仔は、夜の海にざぶりと転げ込んだのでございました。

 冷たい海の水の中、体の中は熱が荒れ狂い、揉みくちゃにされながら薄れゆく意識の中、行充さまは夢を視られたそうでございます。
 祝言を挙げて間もない、妖者(あやかしもの)の夫婦(めおと)。
 しかし、稼ぎから戻った夫が見たものは、別の男とまぐわって悦ぶ妻の痴なる艶姿。
 魂を砕かれたような貌になり、去りゆく夫の背を見送りながら、それでも快楽によがり舞い狂う妻。
 やがて舞い込む夫の病死の報。男は行方知れずに。宿った我が子の胤はどちらのものか。
 ゆえに妻は我が子と共に、毒を飲んで共に自死したという ─── どこにでもある、しかし悲しい話でございました。

「な ──── 何という夢か」
 波打ち際で目覚めた行充さまの唇からまろび出たのは、それはそれは鈴が鳴るような、生娘のような可憐な声にございました。
 海に揉まれた躰には一糸たりとも纏っておらず「ひっ」と息を飲み、体を起こすべく下を向けば豊かな双丘に視野を阻まれ「ふぇっ」と尻餅をつき、髪を束ねれば周りを漂う黒いものが動いて「きゃっ」と鳴いてしまう。
 ここで、しばし茫然としていた行充さまの、海水に濡れた膚を、ひゅうと吹いた風が撫でられて。
「…っくしゅん」
 鼻腔をくすぐられて飛び出た嚔すら、まるで生娘のよう。
 しかし、ぶるぶると躰を震わせた次の刹那、下腹から太腿にかけて、知った感覚と共にじわりと広がる温かみ。
 手指を這わせてゆくと、そこには触れ慣れた肉の茎と袋があったのでございました。
「何ということか。私は変態したのか。これは面妖な ─── 陰間…いわば肉陰間というべきか」
0221 ◆5kxqp0y5Ic 2017/11/27(月) 01:59:58.96ID:20M/knnB
>>220
「 ──── そういえば、あの餓鬼の仔は」
 次の刹那でございます。
 荒々しく両の耳を掴まれ、行充さまは何かを頬張らされたのです。
「ぅ、う、うおぉ、お、おぉ」
 頭上から聞こえてくる、若々しい少年の声と息遣い。
 口腔を満たすはち切れんばかりの肉。
「ぅぶ、んぅ、ぅんぐ、ぉぐっ」
 熱く激しく強かに喉奥を蹂躙したそれは、二十数回ほどの抽送を繰り返したのち、さらに熱く苦いものを放って弾かれ出て、行充さまを解き放ちました。
「 ──── ぅぶっ、げほっ、げほ」
 鼻腔を駆け抜ける栗の花香。躰が応ずるままに、えづく行充さま。
「あ、ぁ…」
 眼前には、行充さま同様に裸でへたり込む童(わっぱ)の姿。
「 ──── 鎮まりたまえ」
 そこは陰陽師。行充さまの眼には、映った童が何者なのか、瞬く間に判ったのでございます。
 しかし、口をついて声が出るように、心をついて動いた躰は、童をふわりと抱きすくめたのでございました。
「鎮まりたまえ、鎮まりたまえ ─── 」
 童の躰も震えておりました。雲一つない空、燦々と降り注ぐ曙光。なのにどうにかならぬ己の躰。
 何ということか、餓鬼の仔は餓鬼の仔で、躰が変態し、人の仔になってしまったのです。
「ぁあ、う、う…」
 言葉にならぬ呻き声。しかし、陰陽師の耳は、その意味を解しておりました。
「 ─── 心身の何処かに『減り』を感じていた…今ので、そこに『旨み』と僅かな『満ち』を感じて驚いた…喰ろうた気がした、と」
 陰陽師の技の源は占法。言葉に術力を込めることで、言いたいことを伝えることができるのでございます。
「そして、今、悪しきことをはたらいた気がしている」
「ぅう…うん」
 童は首を縦に振りました。そうすることが、この者に肯定の意を伝えると解したのでございます。
「とんでものうございます。私こそそなたに詫びねばならぬ ─── すまぬ」
 童は首を斜めに傾けました。
「動転して、吐き出してしまった ─── 折角の精通なればこそ、私は賜ったそのお情けを、呑んで差し上げねばならなかったのです」
 何と行充さまは、白魚のような指で、顎から垂れる童の精をすくい舐め啜り、ぺろりと浄めたのでございます。
「 ───── 」
 今度は童が、ひしと行充さまを抱きすくめる番にございました。
「 ──── 粗相をした者には、罰を下さねばならぬものですわ」
 熱く堅く屹立した、童の肉棒。
「ん」
 同様に、行充さまの肉茎も、ぴくぴくと、先端から蜜を垂らして劣情を訴えておりました。
「そなたもあのような夢を視て、心得ておいでですね ──── 私のこのような躰を見ても尚、喰らいたいのですか」
 これに童は、力強く頷いたのでございます。
「うん」
「 ─── なれば是非に、満つるまで喰らわれよ」
0222 ◆5kxqp0y5Ic 2017/11/27(月) 02:03:42.29ID:20M/knnB
>>221
「さ ─── こちらですわ」
 膝立ちになり、左手で尻たぶを開き、右手指を添えて剛直を導く行充さま。
 づぶむ。
 そのような音と共に、童の逸物が、行充さまの菊門を割開いて入って参りました。
「 ──── かは、あ」
 膚が粟立ち、汗が噴き出し、脳天まで閃いた雷に躰が反り返る。
 甘苦い痛みに腰骨を叩かれ、堪えて持て成すつもりであった行充さまは「ぅむぁ、嗚呼」と、あっという間に頂へと飛ばされたのでございます。肉茎の先からぴゅるぴゅると舞い散らせた蜜が、寄せる波にびちゃびちゃと打ちつけるのでありました。
「 ──── は、はぁあ」
 童の熱い息遣いがびりびりと粟立つ膚を撫で、萎れかけた行充さまの肉茎に力を戻されます。
「 ──── あぁ…それ、それ良うございます」
 脇の下から伸びた童の掌が行充さまの乳房を掴み、赤みを帯びて痼った先端をこりこりと揉み解すのでございます。
「そ、そう ─── 旨うございましょう。今度はゆるりと味わわれませ」
 胡座をかいた童に腰掛けるように躰を起こし、肩に腕を回して舌を出した行充さま。それをしゃぶる童。
「んむ、ちゅむ、ちゅぶ ──── はぁっ」
「旨うございますか。私も嬉しゅうございます ──── んわぁ」
 童が腰の跳ねを早め、逸物で肉茎の裏側を嬲られた行充さまは艶やかに鳴くのでございます。
「ぐはっ、はぁっ、はぁ」
「そ、そう ─── 咀嚼を…んはぁ、また…また気が、いく」
 ぐんと胸を反らせて乳房をたぷりたぷりと弾ませ、腰を戦慄かせながらきゅんきゅんと直腸を締め、再び快楽の頂へ駆け上がる行充さま。
「お、をぉああぁ」
 お前を喰い尽くす。童からはそれだけが伝わってきます。
「ぃい、いくぅっ、ぃいくっ、ぃ嗚呼 ───── 」
 づぴゅるぴゅる。どくどくどく。
「ぁあ ──── っは、んな…っ」
 自ら放った情の証を浴びながら、行充さまは眼を見開かれました。
 どくどくどく。何ということか。直腸に放たれた童の熱き精は腸を満たし、胃を駆け上がり、ついにはその唇から吹きこぼれたのでございます。
「ぁぶ ──── ごぼっ、ぐ、る…ずごい、のが…ぐる……っ」
 だのに伝わる声は「旨い、旨いぞ」と歓喜を伝える。怖さが嬉しい。苦しみが愛おしい。
「ぼ、ぐぶっ ──── まら…ぎが、いっでじば……ぃい、いぐ……ぅ」
 白い膚にさぁっと紅が差し、行充さまは骨も折れよとばかりに背を反らされました。肉茎が舞わせ散らす花弁には、僅かに血すら混じって桜色に。
 びぐん。豊かな双丘が一際波を打ったかと思うと、次の刹那には、なんと。
 ぴゅぅぅぅぅぅ、と、乳液をも吹いたのでございました。
「うぁ、ぁあ、あぁぁぁぁぁ ──── ……」
 一度の刹那、引き抜かれる剛直の刺激に、行充さまは肢体をおののかせて伸ばしきると、ばしゃん、とそのまま波打ち際に、倒れ込んだのでございました。
0224 ◆5kxqp0y5Ic 2017/12/03(日) 04:00:49.47ID:jVpmAMjw
>>222
「 ─── ここ、は…」
 激しく睦み合うて数刻の後、行充さまは湯の中で目を覚まされました。
 漁村を見下ろす山中。その温泉に、童と共に浸かっていたのでございます。
「あなた、さま…あ、やっ」
 やわやわと湯に浮いている西瓜のような乳房を揉み、首筋に舌を這わせる童どの。
「済まぬ。『飢え』が酷ぅてな。やり過ぎてしもうた」
 その声は、さながら元服を済ませたばかりほどで、瑞々しい若竹のような馨しさを帯びてございました。
「あなたさま、言葉が ─── ぅん」
 乳房の感が切なく躰の隅々に広がり、自身が布になって絞られるような衝動が生まれ、行充さまは身を捩られ悶えるのでございます。
「軽く気をやっておくか」
 乳首を舌で転がされ甘噛みされ、程なく証をはしたなく、湯の中に放って噴いた行充さまでございました。
「は、い…あっ ──── いくっ」

「傷んでおるのに、居づらくないな」
「傷んでいるからです」
 温泉のすぐ近くには、土地神さまを祀る小さな社がございまして。
「 ─── 皆、死んでおったのか」
「はい。宮司も巫女も、疫病により一人残らず」
 行充さまと童どのにございます。
「衣に鏡に化粧(けわい)の道具、祭具、刀剣…旅の陰陽師に要るものはひと揃いあるか。故人にはすまぬが貰ってゆくことにしましょう」
 これに童どのが「旅とな」と驚かれまして。
「何ゆえか。この場には妖者がおらず、瘴気も凶兆もない。居づらさも感じぬじゃろ」
 行充さまは申すのでございます。
「それでもこの地に、きっと人が集いまする。そんな中に、いくとせ経てども老いぬ我らがおれば、何かと面倒がございます。それに」
「『それに』」
「陰陽師とは、かくも果てなき稼業ゆえ」
 陽光が降れば、地に影がなされる。悪しき者は正しき者を苦しめ、正しき者は悪しき者を嘲笑う。今ここに負のものがなくとも、他の地には瘴気や闇黒が生ずる。光と影を併せ持つ人が集えば、必ず。
 そのために陰陽師がいる。
「ときに『老いぬ我ら』と言うたな。如何なることか」
 顎に手をやり鏡を見ながら、童どのが訊きまして。
「先達て喰うたのは、人魚と呼ばれる妖者の肉。喰ろうた者を不老不死にする、と」
「見よ」
 と、童どのが貌を寄せ、お二人の姿を鏡に映されたのでございます。
「我ら、いくとせ経てどもこのなりか」
 映ったおみなの貌に、ぽっと朱が差しましてございます。
「このなりのまま、人の世を旅しながら生きてゆかねばと」
 鏡には、三十路前のおみなと、十三、四のおのこが映っておりまして。
「何かを装わねば……姉弟としては、苦しゅうございますか」
 お二人の頬を、汗が一粒お伝いになられるのでございます。
「あと、儂の名は如何いたす」
 尚この時、未だお二人共は一糸たりとも纏っておりませんで。
「…またいたしたくなったぞ、『かあさま』」
 どきゅん。
 音をたてて跳ねる心の臓。なんと母と子。母と子が交わる。あの晩のように激しく。
 閃いた背徳感に鎌首をもたげる童どのの逸物。潤み疼く行充さまの菊門。
 倅どのと口吸いを交わし合うた母御は「もう」と貌を赤らめられるのでございました。
0225 ◆5kxqp0y5Ic 2017/12/03(日) 04:01:19.44ID:jVpmAMjw
>>224

「しかし…本当に浄められている。もはやこの地は、余程のことがない限り向こう数百年、瘴気や凶兆に侵さるることはあるまい」
 白い小袖に赤い袴。土地神の社より拝借したもの。薄く白粉をのせ紅を引いた容貌は三十路前にしては若作り。
 その身の丈は五尺五寸。艶やかに伸びた黒髪は踵からたわみ、六尺ほど余って地を掃いております。村を一通り歩き回ると、行充さまは瞠目なさるのでした。
(あれから三日三晩…なんと長い間濡れ鼠であったことか。精と乳まみれになっては湯浴みで浄め、浄め終えたらまた睦み合い……しかし)
 変態前にやっていたのは何だったのか。まさかあの情交が瘴気を吹き飛ばし、放ちあった精が印となって厄を寄せつけぬようになるとは。
「負に負を掛けて正(聖)となす ─── か」
 独り言たれたところに。
「かあさま。こちらも、もうすっかりじゃ」
 漁村を見下ろす山を見回った童 ─── 太郎丸さまが駆け戻って参りました。
「かたじけのうございます、太郎丸さま」
「しかし ──── 」
「『しかし』とは」
 下から上へ舐めるように、行充さまを睨め愛でられる太郎丸さま。
「乾いた躰に乾いた服を纏うのも良いものよのぅ。好いぞ、かあさま。巫女装束がよう似合うておる」
 粗野な褒め言葉はとても口説き文句としては素人。しかし、別の意味でおみなに慣れていない行充さまは頬を染められるのでございます。
「お、お戯れを ──── ぁ、っは」
 傍らの樹に行充さまの躰を寄りかからせ、太郎丸さまはそのまま乳を揉み、先端を指でくじられましてございます。
「これはこれは」
「あぁ……御無体な」
 すっかり緩くなった乳腺から、じわりじわりと染みが広がってゆくのです。あっという間に出来上がってしまわれた行充さまにございました。
「どれ ──── 一つ、赤児のように」
「だめ ──── 今そこを吸われた、っら」
 太郎丸さまは委細構わず、装束の上から、行充さまの片蕾を、舌でねぶりながらお吸いになられたのです。
「っぎうぅ」
 喉奥で圧し殺した黄なる鳴き声。行充さまはがくがくと躰を震わせ、空腰を使いながら気をやられたのでございます。
 もう片側の乳房も、小袖の布地何するものぞとばかりに乳を噴き、巫女装束の赤い袴の先端にも染みをお作りになられました。
「んちゅっ、ちゅ…ちゅむ」
 そんなはしたない行充さまを労うように、乳液を含んだ唇で口吸いを交わすと、愉しそうに太郎丸さまは告げられたのです。
「かあさまの名はもはや行充ではないな。雪のように真白き蜜じゃ。葦屋雪蜜じゃ。くくく」
「あぁ、そんな…」
 実に泰然と言い放った太郎丸さま。行充 ─── いやさ雪蜜さまの菊門が、ちゅくちゅくと熱をはらむのでございます。
「おや。今洩らしおった乳液の味といい、今のかあさまは格別に旨そうだのぅ」
 蕩けた双眸が涙で潤み、口の端から涎を垂らし、可憐と妖艶が情熱の陽炎にけぶる様相は、とてもおのことは思えぬ艶姿にございました。
「はい ──── きっと旨うございます」
 小袖をはだけ、袴を下ろし、雪蜜さまは尻を突き出し、太郎丸さまをお招きになったのでございます。
「さ ──── たんとお召し上がりになって」
「では、かあさま…参ります」
 どづむ。
「っがは、あぁぁ」
 太郎丸さまの剛直が勢い良く菊門を貫き、雪蜜さまは躰を引き絞った弓の如く反らせ、口を開け舌と息を出し、喉も割れよとばかりの咆吼を上げられました。
「ぉをあぁ、あ、っへ、へぁ、あが、あ、あっ、あ ──── 」
 杵で餅をつくように、太郎丸さまの剛直が、雪蜜さまの肉茎の裏に息づく快楽点を蹂躙なさるたびに、雪蜜さまは獣の如き鳴き声を上げられたのでございます。
「ぁがは、っい、いいっ、いいぃあ」
 今度は、艶姿にあてられて高まっておられた太郎丸さまが、先んじて放たれたのでございます。
「ぅぐ、かあさま、もう」
「っよ、よいのですっ ─── こよっ、こ…っよぉ」
 どく、どくどくどくどくどく。
「ぁはが…ぶ…ぅぶぉ、お、だざ…げ…うでぢ…っい」
 直腸から臓腑を満たし、なおも喉奥から込み上げ、そして揚げ句に舌を伝って吹きこぼれる太郎丸さまのお情け。
「いど、ぅをじ…ぎひ、が、ぃいっ、ぐ ──── っぅ嗚呼ぁぁぁ」
 愛おしい。気がいく。切れ切れにそう告げて、肉蕾と肉茎から、文字通り雪のような蜜を噴き散らしながら、雪蜜さまは歓喜の頂に上り詰められたのでございました。
0226 ◆5kxqp0y5Ic 2017/12/03(日) 04:17:20.50ID:jVpmAMjw
>>225
「ふふ…」
 木賃宿の窓際に飛来した小鳥と戯れるおみな。
「かあさま、今度は何か」
 その小鳥たちの姿が、どこか妙でありました。
「街の外れにお住まいのお武家様が、奥方の十月十日に持て余しているそうよ ─── まとまった路銀を得る好機ですわ」
 それは式神。呪符を折り、呪力を込めて放った使い羽にてございます。
「かあさま、もしや……金子(きんす)と引き換えに、寝られるのですか、その方と」
 この式神らが見聞きした報せを得、時には言伝をも行う。陰陽師の技にございまして。
 そのお武家様の元にも、面妖にしてたぐいまれなる珍味・肉陰間を抱く約定がなされた旨が届く頃でございます。
 太郎丸さまの貌が、幾許かの翳りを宿されました。
「御心が ─── 毛羽立ちましょう」
 そう言って見返り、流し目を送る雪蜜さまでございましたが。

 >>218にてことを済ませたのち、雪蜜さまの胸元に飛び込んできた太郎丸さまの反応には、意外なものがございました。
「う、ぅわぁぁぁぁ」
 雪蜜さまが期待しておいでだったのは、妬心からさらなる怒りと共に自らを押し倒し組み敷いて、肉喰らう獣の如く、荒々しく犯す太郎丸さまの雄姿に酔い痴れる目論見にございました。
 しかし ─── いざ試みてみれば、それは太郎丸さまを傷つけ苦しめた、という、心の芯に苦い鈍痛を残すだけだったのでございます。
 旅をするには路銀はどうしても必要で、一つところに永く留まれぬ二人は稼ぐ法が限られて。
 時としてそういうことに身をやつすはいつか起こる。それを薄々解っておられた太郎丸さまは思いのほか賢く、思いのほかその情は深く、そしてご自身は思いのほか愚かであったのでございます。
 胸の中で泣く太郎丸さまを抱き、雪蜜さまもまた、はらはらと涙なさるのでございました。
0227 ◆5kxqp0y5Ic 2017/12/03(日) 04:29:40.61ID:jVpmAMjw
>>226
「………………」
「………………」
 それから幾月日。あれほど仲の良かったお二人でありましたが、ふっつりと躰を重ねることをやめてしまわれたのでございます。

 雪蜜さまがひさいだ春はすばらしく、特筆すべきはその奉仕の技にございました。
 唇、髪、肌、乳、菊門。そして通なる者はその鳴き声に。そのめくるめく評判は、山を越え谷を越え都でも囁かれ、再び買われる方もあったそうでございます。
 稼がれた金子はかなりの額にのぼり、場末の木賃宿であった拠点は、金子にてあつらえた寝所を兼ねる程の大きさの牛車へ。さながら移動売春宿とも呼ぶべき様相を呈しているのでございました。

「むう ─── 口惜しや。今宵はもう勃たぬ。おぬしの躰に、まだ暴けておらぬ処があるのはわかるのに」
 その方とは三度目のまぐわいでありましょうか。
「御冗談を。今宵あなた様に抱かれた私が全てでございますわ」
「そういうことにするしかないか ─── ではまた、旅の幸運を」
 筋骨隆々のお武家様はそう言い残し、銭束を払うて帰途に就かれました。
「ふぅ ─── 」
 その背が朝靄の中に消えたのを確かめ、雪蜜さまは溜め息をつかれたのでございます。
(何という慧眼か。さすがは帝へのお目通りを幾度も果たした武芸者よ。耐えられぬところであった)
「かあさま、退くのじゃ。儂はさきの営みで聴いた、他ならぬかあさまの鳴き声に欲を持て余しておる」
 傍らから聞こえた声は太郎丸さまのもの。突き飛ばされてたたらを踏む雪蜜さま。
「っとと…っ。太郎丸さまったら、もう」
 御簾の裾に脇差しを置き、大牛車の寝所に籠もる太郎丸さま。「ことが済むまで入るな」の意思表示でございます。

それから半刻と経たぬ刻限にございます。
(どうも身隠しの呪だけが、飛び抜けて上達してゆくなぁ…)
 印を結び二言三言。そこは大牛車から十数間離れた裏通りの隅。
(太郎丸さま…)
 張った陣は姿隠しの結界。小袖をはだけ、まろび出た二つの西瓜。
(んく…っ)
 前屈みになる雪蜜さま。袴の後ろに、冨児の山頂を思わせる突っ張りが生じたのでございます。
 雪蜜さまの菊門には今、太郎丸さまの剛直を模した白木の張り型を突っ込んでありまして。
(太郎丸さま…もうこの雪蜜めを、苛めては下さらぬのでございますか)
 取り出した太めの竹筒二つ。その栓を外し、開いた穴に両乳首を押し付け 袴の上から尻の張り型をぐりゅぐりゅと刺激する雪蜜さま。
(ぁあ、乳が張る…っ)
 たたたたた…ちゃぽちゃぽちゃぽ…。
 姿隠しの結界の中、小気味良い水音をたてながら、竹筒が乳液を溜めてゆくのでございます。
(太郎丸さま ─── んは…ぁ)
 直腸内の張り型を腸壁で喰い締め、両の手で懸命に乳を搾る雪蜜さま。
(もはや睦み合いすらも叶わぬのですか ─── ああ、あの甘い舌をしゃぶりたい。唇を吸ってほしい。乳液…涎でもいい。ぬめらせたこの乳を、あの剛直で犯してほしい)
 そう。これまで如何なる床強者を相手にしても、雪蜜さまは乳房から蜜を噴くことに耐えきってきたのでありました。
(太郎丸さま、太郎丸さま、太郎まるさま、太ろう丸さま、たろうまる…さま…ぁぁ、こんなことで気がいくなど…いや、いやぁ…………っ)
 あの頃の睦み合いの最後を飾る、臓腑を満たし唇から吹きこぼす程の太郎丸さまの激しいお情けを思い、涙しながら花三輪を舞い散らせる雪蜜さまでございました。
0228名無しさん@ピンキー2017/12/24(日) 15:18:49.62ID:MoW6jDjp
シーメール化願望がある。
自分のおっぱいを触りながら射精したい。
敏感になった乳首を責められて、勃起したペニスを搾り取られたい。
可愛らしくセクシーに着飾り、自分の姿を鏡に映したり写真にしておかずにしてオナニーしたい。

だが現実には、おっぱいができるほどホルモンとか投与すると射精できなくなるらしいんだよなぁ。
体格や骨格だって、大人になってからじゃ大きくは変わらないし。
0229 ◆5kxqp0y5Ic 2017/12/24(日) 18:53:55.11ID:IaxiyBUs
《突発的陰陽師異聞・聖夜の贈り物》
※註・書き溜め無しで投下します。

 師走下旬。くすんだ大気に阻まれて星空もまばらな中、満ちた月が冴え冴えと照らし下ろす、夜。
「…ん、あッ! んはっ、あっあ」
 来る者の足を竦ませる、場末の街にある煤けた雑居ビルの屋上。
 若干の錆が浮いた手摺りに掴まり、熱い吐息と喘ぎを奏でる者があった。
「あ ─── もうッ! もう、い…くッ」
 白いファーの縁取りがなされた赤いワンピースの前ボタンは外されて、弾み出た乳房がたぷたぷと踊り、腿の間から顔を出した肉の茎。
 その者は女性ではなかった。
「いく、いくッ、いくッ! いくぅう!」
 やがて、しなやかな背がぐんと反る。それに合わせて躍り出た、バレッタにて結われた髪の房は、もうすっかり白くなっている。
「んはぁあぁ!!」
 ぶしゅう、びちゃびちゃ。
 飛び散った飛沫は足元の盥をいくらか外し、コンクリートの床に水音と共に命中した。
「 ─── かあさん、頼むぜぇ。……六割ってとこか」
 背後から少年の声。
「勿体ないなぁ。溜めて配らなきゃなんねえのに」
 盥には四割ほど液が溜まり、月と同じ青白い光の粒子が集まってゆく。
「も、申し訳ありません…太郎丸さま」
 汗と涙と涎に濡れた相貌を向け、主に詫びる肉奴隷。
「こらこら、『ご主人様』でしょ」
 苦笑と共に突っ込む。しかし、そのたまらない色気に欲を刺激された太郎丸さまは、そののち、雪蜜さまが喉から精を噴き吐くまでお喰らいになったのでございます。

「しかし、これが老若男女を美人な肉陰間に変える、妙な霊薬になるとはねぇ」
「昔から狼男のおとぎ話とかあるし、『メ○゙テン』でも ─── 」
「…おっぱい出るわ噴くわ、老けづらくなるわ…化け物じゃね? 実際」
「まぁ ─── 殺せば死ぬけど」

 翌日。その雑居ビルの最上階。この時節をしてその窓が開け放たれ、妙な小鳥が幾羽留まっている。
>>228 ─── と」
 式神鳥の告げる旨を、端末に表示された表計算ソフトの画面の末尾に、その連絡先を入力し、印刷する雪蜜さま。
「ただいまぁ」
 扉が開き、制服姿の少年が帰宅する。
「お帰りなさい」
 相好を綻ばせて、あるじを迎える雪蜜さま。
「どうよ? 今年も忙しくなりそう?」
 リクルートスーツの上からその身を抱きすくめ、手を這わせながら訊く太郎丸さまに接吻を返しながら、囁き答える雪蜜さまにございました。
「そうね ─── じわじわと、ね」
0231名無しさん@ピンキー2018/04/23(月) 21:26:04.77ID:GO8je7FT
>>188へ捧げる

『禁虐ーー北清水恵胤・去勢奴隷の軌跡』


 第二次世界大戦を勝利し、時代も昭和から永青を経て、天真に代わったばかりの頃。
 北清水恵胤(やすたね)は、義母の響子と連れ子の雅志と、娼館に来ていた。
 娼館は東京湾の埋め立て地である豊洲であった。豊洲のなかでもその娼館は華族専用と言われる高級会員制だった。
 名を『白百合楼』といい、そこに働く遊女は白百合のように白い肌をして、白百合のような薫りがすると詩に詠われるほどだった。
 だが、吉原を女限定の遊郭であるように、豊洲は男限定の遊郭であった。
 つまり、便宜上は遊女というが、多くは蔑称で『雄蕊のない花』とか『家畜奴隷』とか言われ、総じて遊女以下という認識から『牝』と呼ばれる。
 これは戸籍でも、いちど、遊女となった男は『牝』となり、まともな仕事は二度と叶わないのだ。
 そんな豊洲の中でも、歴史が長い『白百合楼』は、広大な敷地面積があり、西棟は三階建ての和風建築。東棟は四階建ての洋風建築だった。
 恵胤は東棟の四階にある一室にいた。
 そこは敗戦国の欧米から集めた装飾品が並べられていた。多くは美術館にあってもいいような貴重品だと言える。
「あの絵画は前にうちにあったやつじゃん」
 雅志が睨んだそれは確かにうちにあったのだが、母が嫁入りの際に実家から持ってきたものだった。
(本当はうちのだ。おまえの母親が浪費家だから売ったんだろう! まさか、こんなところに売るなんて!)
 恵胤は雅志を睨んだ。
 血は繋がっていないが、恵胤と雅志は16歳で、ともに華族男子学院の生徒である。
 恵胤は奥ゆかしく物静かな少年で、身長は155センチしかない。黒いおかっぱ髪に小学生のようにあどけない顔立ちであった。
 本人はコンプレックスだが女子顔負けの美貌の持ち主で、月刊華族という雑誌の表紙に掲載されたこともある。亡き母も何度か特集されるほどの美少女だったから当然と言える。
 いっぽう雅志は180センチあるが、顔立ちは貴族的ではなく田舎の粗野な男のようにニキビ面である。
 成績も下位(恵胤は上位優秀者である)であった。
「もう少々お待ちくださいませね。お坊ちゃまがた」
 娼館の女将が手揉みをしながら言っていると、背後の扉からセーラー服を着た少女がノックをして入ってきた。
「申し訳ございません……学校から走って戻ってきましたが、お客様をお待たせしてしまいました」
 少女はそう言うと、床に正座して、額を擦りつけました。
0232名無しさん@ピンキー2018/04/23(月) 21:52:05.13ID:GO8je7FT
「今日は苗字はなしで、挨拶をなさい」
「かしこまりました」
 女将に命じられた少女は頭を下げたまま、恵胤たちのもとに四つん這いで張ってきました。
 そして、まっすぐに恵胤のもとにやってくると、綺麗な声で挨拶をした。
「白百合楼……牝番号5319号・卑彌子でございます」
 そう言うと、驚くことに恵胤の革靴を舌で舐め始めるのです。
「だ、ダメだよ。そんな汚いよ」
「いえ……綺麗に磨き上げられた靴でございます。どうか、汚れをわたくしに舐め取らせてくださいませ」
 少女――いや、豊洲の娼館だから、男のはずだ――は、お尻を高く上げて左右に揺らしていた。まるで犬の尻尾を振るような幻影が見えることに驚いた。
 だが、もっと驚き恐怖したのは、プリーツスカート越しに浮かび上がる臀部の丸みは、完全に少女のそれで、三つ編みのお下げによって丸見えの項には鉄製の首輪が嵌められていた。
「……いいよ」
 恵胤は後退り、それでも這い寄ってくる少年の前で片膝をついた。
 恵胤は卑彌子の肩に手を載せた。
 セーラー服越しに触れる肩は華奢だった。男というのが信じられない。顔を伏せているからわからないが、身体の線や卑猥なことをしていても、どこか染みついている上品さから、美貌の持ち主だと推測するのは容易だった。
「ああ……どうかお立ち上がりくださいませ」
「君こそ、どうして、顔をあげないの?」
「わたくしたち牝遊女は、許可が得られるまで顔をあげられません」
 恵胤は困っていると、雅志が口を出した。
「そんなやついいから、俺とおふくろの靴を磨け」
 初めてきたとは思えないほど、雅志が横柄な態度を取った。
「そうしなさい」と女将が許可すると、卑彌子は二人の靴をねぶった。
「おら、もっとベロをちゃんとつけて舐めろ」
「私のは靴の裏も舐めるのよ」
「かしこまりました」
 卑彌子は二人の靴裏まで舌を這わせた。きっと砂利とか埃とかあるはずなのに、決して唾さえ吐かずにすべてを飲み干していた。
「すげーな。まるで新品の靴のように汚れが取れたぜ。だが汚い涎でベトベトだ」
 雅志が言うと、卑彌子は額を床につけて、平伏した。
「どうぞ、わたくしのセーラー服で汚れを清めてください」
0233名無しさん@ピンキー2018/04/23(月) 22:13:42.79ID:GO8je7FT
  雅志も響子も、卑彌子の背中やお尻を玄関マットのように踏み躙った。
「すごい教育ね。ここまでするのに、何年かかったの?」
 響子が女将に尋ねると、女将は笑いながら答えた。
「卑彌子は2年目です。この子以外でも、会員さまのどんな汚れた靴でも舐めますわ」
「じゃあ、俺が小便で手元が狂って滴が飛び散った靴でもか?」
「ええ、お坊ちゃまが犬の糞を踏んできても、綺麗に舐め取るように躾けてます」
「へぇ、そいつはおもしれぇな」
 雅志の加虐性は華族男子学院でも有名で、北清水家よりも爵位が低かったり、貧乏華族の子女にたいしては容赦がない。
 それを感じ取ったのか、卑彌子はブルッと肩を震わせた。
「おい、オカマ野郎。どうして、俺よりも先にあいつの靴を舐めたんだ?」
「……」
 卑彌子は跪いて服従の意を表しながら、か細い声をあげた。
「どうか、それをお聞きにならないでくださいませ」
「言わねーつもりか……まぁ、いいさ。おふくろ、俺たちを会員にするために今日、ここに連れて来てくれたんだろう?」
「ええ、そうよ。もう大人だからね」
「ということだ。つまり、俺が会員になったら、毎回、おまえに犬の糞を舐めさせてもいいんだぜ?」
「ひぃ……」
 卑彌子が小さく悲鳴を上げた後、それだけはお許しくださいと哀願して、先の問いに答えだした。
「……靴を綺麗にしている人は……大切に扱ってくれる人が多いので……」
「何が大切にだよ。女かよ。おまえらは……まぁ、女でもねぇ、男の成れの果てのオナホの代用品だろう。気持ち悪いこというな。そうだろ、女将?」
「ええ、国家でこの子たちの戸籍は牝と定められておりますからね。つまりは愛玩動物と同じ身分です」
「だとよ」
 卑彌子の顔から涙が垂れるのを、恵胤は見た。
 今でこそ牝遊女として身を窶しているが、きっと立派な家で育てられた子に違いないのだ。
 恵胤は自分のことのように卑彌子に同情した。
「僕はもう耐えられません」
 恵胤はそう言って退室しようとした。
 だが、「ダメよ。これも大人の勉強よ」と響子に手をとられた。
0234名無しさん@ピンキー2018/04/23(月) 22:28:52.20ID:GO8je7FT
 響子は続けざまに女将に言った。
「そろそろ、その子の顔を見せてやって」
「わかりました……卑彌子、顔を上げなさい」
 ずっと顔をさげていた少年奴隷がゆっくりと顔をあげた。
 卑彌子の顔は美しく整っていた。ぷっくりと膨らんだ頬、主張の少ない小鼻に、垂れた眉、そして、小さい唇。
 目を閉じていたが、小顔だからきっと瞳も大きいだろう。
 長い睫毛に覆われた瞼がゆっくりと開いていくと同時に、ポロポロと涙が頬を伝った。
「卑彌子でござい……ッ!」
 ます。と言い終わる前に、卑彌子は息を飲んだ。
 それは恵胤と雅志を見たからだ。同時に、卑彌子を見た二人も驚いた。
「君は平澤一彌(かずや)くんッ!」
「ああ、見ないで!」
 卑彌子は顔を覆った。
 彼は間違いなく平澤一彌だった。幼稚舎から中等部2年までずっと一緒だった。
 物優しくて読書好きの少年で、恵胤とは一番の親友だったが、彼はいわゆる没落華族の長男であった。
 2年前、四国の実家に戻ったと聞いていたが……まさか、牝遊女にされていたとは……
 恵胤は動揺して、目が眩んだ。
「おい、一彌じゃねーか。顔を見せろよ」
 恵胤と違い、雅志は卑彌子の手を捻り、顔を覗き込んだ。
「昔から女みたいなやつだったが、へへへ、本当の牝になったんだな。このオカマ野郎」
「うぅ」
 厳しく躾けられているのだろうか、卑彌子は雅志に抵抗しなかった。
0235名無しさん@ピンキー2018/04/23(月) 22:54:14.64ID:GO8je7FT
「この立派なパイオツは本物か?」
 雅志は遠慮なくセーラー服の裾から手を入れて、乳房を揉んだ。
「んんんッ!」
「おいおい、ブラジャーしてんのか? そのくせ乳首が丸出しじゃねーか。どんなブラジャーしてんだよ」
 セーラー服を力任せに捲った。
 卑彌子の乳房がバウンドするように現れた。
 純白のブラジャーは乳房の下を支える役目しかなく、薄桃色の乳首が丸出しだった。
「ああああ……一彌くん」
「……見ないで」
 慌てて目を反らしたが、乳房の膨らみは恵胤の許婚である虹子よりも大きかった。
 結婚するまで性交渉は禁じられているが、虹子の乳房に触れ、乳首を舐めたことはある。
 卑彌子の乳首は、すでに恵胤と同じではなく、虹子のよりも立派だった。
「やめろッ、その手を離せ!」
 恵胤は眉根を吊り上げて、雅志の手を払った。
「おい、もう北清水家の当主になったつもりか?」
「僕が18代目だ」
 前当主の父の実胤は交通事故によって、意識不明の重体である。
 正直、誰もが北清水家の当主が近いうちに代わると確信していた。その恵胤に雅志は手を上げようとした。
「やめなさい」
 響子が鋭い声で息子を制した。
 そして、響子は仮面のような笑みを貼り付けて訊ねた。
「次期当主候補の恵胤さんは、父親譲りで優しい子ね」
 このおべっかに父の死後も、自分たちの立場の保証を求めているように聞こえた。
「雅志にも恵胤さんの爪の垢でも煎じて飲ませたいわ」
「……」
 雅志を溺愛している響子がそんなことを言うとは思えなかった。
 自分が当主になったら、この親子に品川かどこかの別宅を与えて、屋敷から追い出そうという想いがいっそう強くなった。
「恵胤さんにおたずねしますわ。もう時期、北清水家はあなたのものになります」
「……何が言いたいんですか?」
「この子を身請けすることもできると言っているんです。あなたの妾にするのも、屋敷で下女として働かせるのも自由ですよ」
 恵胤は卑彌子を見た。
 卑彌呼も瞳を潤ませて、恵胤を見返し、平伏した。
「どのようなことでも、しますので……恵胤さまのお傍においてください。ここでの生活はあんまりです」
 親友にこんなことを言われるたびに、胸が痛んだ。
「僕と君は親友じゃないか。客人として屋敷に来てくれ……それと元に戻りたいなら、いくらでも僕が支援するから、そんなへりくだったないでくれ」
「ありがとうございます」
「じゃあ、売買契約を結びましょう」

 女将が出してきた契約書には、卑彌子がまるで商品のように書いてあった。
0236名無しさん@ピンキー2018/04/23(月) 23:16:16.01ID:LPeyUcdD
「たとえ、お坊ちゃんが客人として、これを買っても、これの戸籍は一生、牝ですから、妾とすることをお勧めします」
「ふざけるな。人間の権利はこんなに一枚の紙切れで縛られたりしない」
 憤りを覚えた。
 二十歳になって華族議員になったら、こんな法律の改正案を提出しようと固く誓った。

 そして、恵胤は卑彌子の身請け人になった。
 屋敷では卑彌子のことすぐに噂になった。
「親友の男の子を妾として買った」と。また、卑彌子はもう男の子には戻れないと諦めており、女子の恰好をしているのが拍車をかけた。
 卑彌子はそのことを恵胤に何度も謝罪した。
 恵胤はなんとか、卑彌子を元に戻したいと医者に相談したが、すでに睾丸を去勢されており、女性器を作られていると知らされた。
 もちろん、卑彌子の身体がどんな風になっているかなんて見ていなかったが、あまりに不憫すぎる親友の境遇に涙した。
 そして、事が起こった。

 卑彌子を買い取ってから、三日後、17代目当主の実胤が死去したのだ。
 葬式の喪主を恵胤が勤めた。
 誰もが若い当主の誕生だと思った。
 だが、その場に弁護士がやって来て遺言を読んだのだ。

『北清水家の歴史を守る第18代目当主になる者。清く正しくある必要あり。
同性愛など以ての外。牝遊女を身請けするような者、当主の資格を有さず。
また、北清水家の名折れであり、いっさいの財産分与せず。
継承権は次の者が引き継ぐものとする』

 会場がざわめいた。
 響子と雅志だけがにやついていた。
 葬儀を隅で隠れて聞いていた卑彌子が、叫んだ。
「わたくしが消えたら、その遺言もなかったことになります!」
 どうしてそこにあったのか、包丁で卑彌子は自害しようとしたが、周りの大人に取り押さえられた。
 呆然としながら、恵胤は卑彌子のもとに駆け寄った。
「君が死ぬことはない。あの遺言は何かの間違えだ」
「いいえ、あの遺言は正しいわ。それに卑彌子、あんたが死んでも、あんたを買ったという証拠は残っているのよ。さぁ、二人を白百合楼に連れて戻して」
 響子の命令によって、何人かの下女や召使いが動いて二人を拘束した。
「なんで! どうしてだ! 父がこんな遺言を書くわけがない!」
 恵胤は響子を睨んだ。
 響子は恵胤に耳打ちをした。
「そうよ。あなたの父親も、あなたがまさか牝を買うとは思わなかったから、こんな遺言を残したのよ。
だって、そうでもしないと、うちの雅志ちゃんが当主になる可能性がゼロなのっておかしいでしょう。
そう言って、書いてもらったのよ。
 うふふ……でも、安心して、あの人はあなたが当主を引き継げたと思いながら死んだわ」
 恵胤と卑彌子は葬式の場から引き釣り出された。
 その場には許婚の虹子もいた。
 虹子は口を押さえて、オロオロとするばかりだった。
 一人、雅志がバカみたいに会場に叫んでいた。
「これからは俺が北清水家の当主だ! 18代目だ! 俺が北清水雅志さまだ!」
0237名無しさん@ピンキー2018/04/23(月) 23:47:24.79ID:LPeyUcdD
「予想よりはやく戻ってきたわね」
 中年太りした女将が、恵胤と卑彌子に嗤い掛けた。
 恵胤は白百合楼のあの部屋にいた。
 だが、暴れたことで恵胤は娼館の従業員によって、両手を拘束され、天井から垂れた鎖のフックにひっかけられていた。
 そのため、爪先立ち状態だ。
 しかも、足蹴りをしようとしたので、足首に枷をつけられ、床のフックに拘束されていた。
「おまえの名前は、今日から北清水優恵子(ゆえこ)よ」
「僕の名前は北清水恵胤だ!」
「今頃、その名前は弁護士によって戸籍から抹消されているわ。おまえは牝の優恵子よ」
 子の字を使っていいのは、華族の女子だけと法律で決まっている。
 では、なぜ、没落した華族の子女――女なら遊女、男なら牝遊女――も名に「子」をつけることが許されるかというと。
 双性原理を国家が熟知していたからである。
 華族の娘としての証に名の最後に子を入れることで、「聖」なる存在として、民衆から畏敬と畏怖を得て、特別な社会的な役割が与えられる。
 しかし、畏れはどんなに「聖」なる存在でも、容易に社会的排除に繋がる。
 そのため、没落した華族の女子たちには依然として「子」だけは取り上げられないのだ。そうすることにより「賎」な存在として社会的に差別される。
 それで民衆のガス抜きをしていたのだ。
 つまりは、「聖」と「賎」は表裏一体であった。
 恵胤たちは華族システムを守るための生け贄であったのだ。

 だからといって、男子として育てられた恵胤にとって「子」を与えられることは屈辱以外の何者でもない。
「家に帰してくれ!」
「今日から、おまえの家はここだよ。甘えられて育った華族様だろうから、ビシビシと躾けて、自分の食い扶持をしっかりと働いてもらうよ」
「いやだ。離せ! 何をする気だ!」
「何をするかって? ここは娼館だよ。やることは一つさ。
お客様の獣欲を満たしてもらう可愛いお人形を作るのさ。
優恵子、あんなは10年に1匹くらいの逸材だよ……」
 女将が恵胤の顔をぶよぶよした指で撫でてきた。そして、真っ赤な唇を歪ませながら言葉を続けた。
「なんて、きめ細かい肌だろうね。まるでシルクのようだよ。
そんなに怖がることないわよ。すぐに女の身体にもなれるようになるわ」
「……お、女」
「そうだよ。優恵子はセックス専用の女の子になるのさ」
 さぁ、あんたら、この子の服を切り裂いておやりと、女将が従業員に命じるだった。
0238名無しさん@ピンキー2018/04/24(火) 00:43:50.80ID:sxAhGTn0
 恵胤は喪服を無残に切り刻まれ、生まれたままの姿になった。
「まぁ……」
 女将は思わず感嘆の溜息をついた。
 先代から譲り受けた白百合楼で、下積み時代から何百、いや、何千人と美しい少年や青年たちを見てきた。
 透き通るほど白い肌の持ち主で、小柄なのに手足が長い。身体はこの頃の少年は個体差が激しく、恵胤は奥手なのだろう。
 16歳の少年だというのに、思春期を迎える直前の少女のようにさえ見えた。
「高校一年生って聞いてたから、もっと男の子の線が出ているかと思ったけど、まだ男でも女でもない綺麗なラインね
 本来なら、一日、一日、これから急速に筋肉がついて背も伸びるたんでしょうけど、
 今日からは、一日、一日、女の子の身体のラインに変えてあげるからね」
 名匠がキャンバスに描いた渾身の下書きに、女将は自分が好きなように色が塗れるような畏れと昂奮を覚えた。
 それは下書きを無駄にしてしまうことがわかっていても、自分色に染める優越感だ。
「この拘束具を外せ! 警察に訴えるぞ」
「バカね。もう優恵子は大日本帝国憲法の保護から外れているのよ。三国人以下の権利しかないんだから」
 女将が少年の睾丸をグッと握った。
「んぐぅ、痛いッ!」
 鋭い痛みに恵胤は腰をくねらせたが、女将は長い爪まで食い込ませてきた。
「今ここで潰してもいいのよ?」
「や、やめてくれ!」
「誰がそんな殿方のような言葉遣いをしていいって言ったの?」
 キリキリと手の中で圧搾される睾丸の痛みに、恵胤は口を開いた。
「やめてください……潰れてしまいます。ああ、痛い、痛いです」
「もっと、女の子みたいな声が出せるでしょう。喉仏がないんだから! ほら、言い直しなさい」
 汗まみれの手の平の中で、睾丸が逃げ場を求めてわずかに蠢く。もう少し力を込めたら本当に破裂してしまいそうだ。
 恵胤は甲高い少女のような声で先ほどと同じ言葉を復唱した。
「優恵子を立派なセックス専用牝遊女に躾けてくださいって言ってごらん」
「そんなこと言えま……痛いッ、言います。ああ、優恵子をせ、セックス用の牝遊女にしてください。ああ、嫌だぁ」
「ほら、最後また男言葉になっているわよ」
 何度もやり直しをさせられて、恵胤は解放されたときは首を折った。
「女将さま……どうか、恵胤さまだけは解放してあげてくださいませ。そのぶん、わたくしが今まで以上に働きます」
 卑彌子が平伏して哀願した。
 だが、極上品を手放すつもりなど女将にはカケラもなかった。
0239名無しさん@ピンキー2018/04/24(火) 01:02:31.30ID:sxAhGTn0
 女将は卑彌子を無視して、従業員に町医者を呼ぶように命じた。
 すぐに女医がやって来た。
 豊洲専属の女医はまだ30代半ばのようだが、女将と同じ目をしていた。
「まぁ、女将さん、写真で見るよりもカワイコちゃんじゃない?」
「そうでしょう」
 綺麗だが険のある目つきの女医が、吊られている恵胤の顔を覗き込んだ。
「ああ……やっぱり顔は弄るところがまるでないわ。こんな子もいるのね」
「でしょう。12、3歳の禿ならわかるけど、16歳でこれって滅多にないわ」
 女たちは恵胤の美貌を賞賛していたが、女医の仕事道具が入っていると思われる大きな鞄から、お付きの看護婦が医療器具を並べるのを見ると戦々恐々とした。
 それはステンレスのトレイに、注射器が十本も並べられた。
「な、何をするの?」
 恵胤は怖々と聞いた。
「うふふ、これはね。女性ホルモン誘発剤入りのプチ豊胸注射よ」
「……え?」
「普通はヒアルロン酸を注入して、オッパイを作るんだけど、それだと人工的な硬さがあるし、3年も経つと萎んじゃうのよ」
「中小規模の娼館はヒアルロン酸かパック式の豊胸手術するけど、うちは高いお金をはらって、女性ホルモン誘発剤入りの使うのよ」
 女将が恩着せがましく言うと、女医が引き継いだ。
 二人はあえて説明口調で説明することで、恵胤を怖がらせる狙いだった。
「女性ホルモンはこれからあなたに定期投与するわ。だけど、人によってどこに作用するかわからないのが一般的だけど、
この女性ホルモン誘発剤入りの注射だと、プチ豊胸ができるだけじゃなくて、その部位を積極的に育てることができるのよ。
ほら、卑彌子を見てごらんなさい。
 たった二年で、Eカップにまで育ったわ」
「あのときは左右に3本ずつ打ったんでしたっけ?」
「ええ、一本で2年後には約2カップの増加が望めるから、卑彌子は女性ホルモンが効いたんでしょうね」
「この子は、3本ずつくらい打ってもいいかしらね?」
「ええ、身長はそれほどないけど、スタイルがいいから巨乳になっても見栄えは抜群のはずよ」
 恵胤は女たちの会話を聞いて悲鳴を上げながら暴れた。
 しかし、虚しく鎖が軋む音が響くばかりだった。
0240名無しさん@ピンキー2018/04/24(火) 01:23:19.96ID:sxAhGTn0
 恵胤の乳輪の隣に注射が施された。
「くひぃ、痛いッ!」
「針を刺しているんだから動いたら危ないわよ」
 ゆっくりと薬液を注入され、女児の乳晴れ状態のように乳房が膨らみ始めた。
「嫌だ。やめてくれ! ああ、やめろッ!」
 恵胤は懸命に訴えたが、一本目の注射が終わった。
「もう、暴れたら危ないんだから」
 女医がやれやれというように首を振ると、女将が蒼褪めた顔で様子を見ている卑彌子に命じた。
「そう言えば、おまえは優恵子に買ってもらってから抱かれたの?」
「……いいえ」
「ご奉仕ぐらいはしたでしょう?」
「……いいえ。してません」
「まぁ、なんて子なの。自分が卑しい牝遊女だって身分を忘れたの?」
 罵倒されて卑彌子は静かに首を左右に振った。
 その姿を見た恵胤は怒りが燃えた。
「ふざけるな。彼は僕の親友だ!」
 そう言いながら、卑彌子を医者に見せた後の診断結果――睾丸を摘出され、女性器を作られており、男性としての機能回復は不可能という――が脳裏を過ぎった。
 それを打ち消すように卑彌子を守ろうとした。
「彼は昔から立派で優しい同級生だったんだ。下級生が虐められていたら、たとえ上級生でも諫めていたんだ。
 僕は怖くてできないことでも、一彌はできたんだ。
 僕はそんな彼だから親友になりたいと思ったし、親友になれて誇らしかったんだ。
 それなのに、それなのに、一彌をこんなにしやがって!」
 卑彌子は泣き出した。
「あら、親友にはまたなれるわよ。今度は牝遊女同士だけど。あ、そう言えば、ペニスの勃起時のサイズを今測りましょう」
 こんな異常な状況で、恵胤は勃起などできるはずがなかった。
 ずっと縮こまったままだった。
 だが、それが悪魔のような女たちには恰好の標的になったようだ。
 女将が卑彌子の三つ編みを掴んだ。
「おまえはさっき牝遊女の身分を忘れてないって示したわね。じゃあ、優恵子のを大きくさせてあげるのよ」
「そんな……どうか、それだけは堪忍してください」
「先生も仰ったでしょう。今度は牝遊女同士で親交を育むのよ。
 それに、優恵子にとっても、牝遊女がどうやって働くかが実地でわかって一石二鳥でしょう」
 女将がそう言うと、女医がさらに提案をしてきた。
「新入りを射精させるまで、豊胸注射をやめないって言うのはどうかしら?」
「いいわね。優恵子の将来のオッパイの大きさは卑彌子の頑張り次第ってことね」
「ええ、そうよ。でも、この子、白百合楼の看板娘でしょう? 坊やなんてあっと言う間にイクんじゃないの?」
「そうね。じゃあ、射精回数を三回にしてやりましょう。あと、口だけでご奉仕できるように手を拘束して」
0241名無しさん@ピンキー2018/04/24(火) 01:35:28.97ID:JaC1BDGh
 女たちの思いつきで、上着を奪われ、スカートだけになった卑彌子は後ろ手に縛り上げられた。
 乳房も上下を縄で緊縛されたので、巨乳が大きく前に突きだしている。
 一度、ここで見たが、やはり綺麗な乳房だと恵胤は思った。
 そう思うと、ムクムクと下半身が熱くなってきた。
「まぁ、若いだけあるわね」
 女医は微笑みながら、注射器を取って反対側の乳房に一本目の注射を開始した。
「嫌だぁ! 注射しないでくれ!」
 少年が顎を天井に向けると、卑彌子は顔を前のめりにしながら謝罪した。
「恵胤さま……お許しください」
 卑彌子の口が亀頭をパクリと覆った。
 生温かな感覚で、柔らかな唇と舌がすぐに雁首に絡んできた。
「んッ!」
 会陰の奥から電流が全身を駆け抜けるほどの快感があった。
 だが、それは続かなかった。
 三つ編みを女将に引っ張られた卑彌子の口から、肉棒が飛び出たのだ。
「いきなりしゃぶりつく子がいますか、高い金を払って牝遊女を買いに来てくださるお客様にするように、じっくりと時間をかけてご奉仕するのよ」
「……うぅ」
「そうね。二回射精させたら、咥えてもいいわ。それまでは舌と唇だけでイカせるのよ」
 そう女将が指示を与えている最中も、ゆっくりとだが着実に少年の乳房は膨らんでいた。
0242名無しさん@ピンキー2018/04/24(火) 01:54:40.37ID:JaC1BDGh
「……やめてくれ」
 恵胤はアキレス腱を震わせながら喘いだ。
 乳房に対する注射か、それとも親友が自分のペニスを舐めていることを制止するものかわからなかったが、少年は譫言のように繰り返した。

 卑彌子の舌唇奉仕は絶品だった。
 亀頭の先を恭しく何度もキスをすると、裏筋を先端から末端までゆっくりと舐めていくのだ。
 しかも、唇の柔らかさを押しつけたり、舌先でチロチロと舐めたり、唇で裏筋の膨らみを甘噛みしたりとバリエーションが多彩だった。
 さらに途中、途中で、感想を述べるのだ。

「恵胤さまのペニスはとても綺麗です。それなのにとっても猛々しいです」とか、
「ああ、蜜もとっても風味があります」とか、
「匂いも男らしくて、わたくしのオマ×コとアヌスが濡れてしまいます……」とか、
 熱い吐息を吐きかけながら言うのだ。
 事実、卑彌子はこんなに気高く、猛々しい男根を見たことなかった。亀頭はピンク色の宝石か王冠のようだし、亀頭は肌色なのに静脈が力強く竿に走っている。
(ああ……こんなことになるなら、恵胤さまに抱かれたかった)
 と卑彌子が本心から覚えば、思うほど、奉仕にも熱がこもった。
 2年間でのべ数百人のペニスを舐めてきた牝遊女の前では、童貞の彼などひとたまりもなかった。
「くぅ、イク……」
 小さく喘ぐと、卑彌呼の唇が亀頭と竿の付け根をグッと押してきた。
 腹に密着させられると、亀頭の先端に牝遊女の可愛い鼻穴が覆い被さった。

「そうね。三回の射精だから、三つの穴を犯すっていうのがいいわね。つまり、鼻の穴二つと、口の穴ね」

 女将に命じられたとおりに、卑彌子は鼻の穴で精液を受け止めようとしているのだ。
「ああ、イク、イクゥ!」
 自慰では体感したことないほどの激しい射精が始まった。
 もし、自由に射精することができたら、天井に届いてしまいそうなほどの激しさがあった。
 それが元親友の鼻の穴を目掛けて、ドピュ、ドピュッと打ち込まれた。
「んんんん」
 苦しそうな呻きをあげながらも、卑彌子はジュルジュルと鼻水を吸うような音を響かせ続けた。
 その姿からこういうことは日常茶飯事なのだとわかった。
(いやだ。僕は……男の精液を鼻になんかかけられたくない)
 絶頂の余韻から醒めると、急に現実が怖くなってきた。
 だが、卑彌子の舌は蛞蝓のように竿を這い回り、蛇のように絡んできた。
 怖いほどの性欲がすぐに高まり、再び勃起した。
 そして、二度目の射精もあっさりとしてしまった。

 だが、その時にはすでに乳房への注射は二本目が終わっており、小学生の高学年くらいのオレンジを半分にしたような優美な丸みになっていた。
0243名無しさん@ピンキー2018/04/24(火) 02:17:12.15ID:JaC1BDGh
「……やめてぇ」
 今度は明確に卑彌子を制止した。
 なぜなら、立て続けの二回の射精により、尿道はジンジンと疼きをあげていた。
 さすがに萎れてしまった。
 そして、硬直した下腿の筋肉が先ほどから攣っていたのだ。
「お願い……やめてぇ」
 知らずに女の子のような声になっていた。
 卑彌子が今にも咥えそうという直前で止まった。
 そして、長い睫毛を震わせながら、上目遣いをしてきた。
 見下ろすと、彼女の立派な乳房が息遣いのたびに揺れていた。
「オチンチンが痛い……」
「お許しください……」
 卑彌子は萎れたペニスを口に含んだ。
 涙を流しながら、強引に元親友の肉棒を勃起させた。きっと気持ちよさよりもおぞましさや灼けるような痛みのほうが強いはずだ。
 だけど、卑彌子は心を鬼にするしかなかった。
 今日のプチ豊胸注射で、恵胤の2年後の乳房が決定してしまうのだ。
 すでに左胸の注射は三本目に入っている。
 A、B、C、D、E、F……Fカップだなんて!

 この2年間で、卑彌子はすっかり女になってしまった。
 最初はAカップだった。
 小さくなってくれと願った。
 豊洲にある鍵前神社でも、オッパイがなくなってと願った。
 だが、客に毎日のように揉まれ、願いとは裏腹に日々、重たく成長していった。
 しかも、乳房を揉まれる痛みが、いつの頃からか乳首の芯に疼くような快感に変わったのだ。
 それから、一彌という少年が心から日に日に、影を薄くしていき、卑彌子という卑しい牝の輪郭が浮かび上がるようになってきた。
 その惨めさと悔しさ、それに恥ずかしさを、親友の恵胤には味わわせたくなかった。

 懸命に奉仕をした。
 熱のように熱くなった恵胤の肉棒を、頭を激しく前後させてしゃぶった。
 鼻から息をするたびに、ドロッとした白濁液が鼻穴を塞ぎ、ドロリと喉へ垂れてくる。
 息を吐いても吸っても、栗の花の臭いしかなかった。
「ああああ、イクゥ!」
 少年が呻いた。
 1回目や2回目より明らかに弱々しく肉棒が跳ねた。
 喉にピチョ、ピチョと少量の精液が吐き出された。
「3回目終わりました」
 すぐに訴えた。女医は乳房から注射器を抜いた。
 どうやら、三本目の注射器に薬液が半分ほど残っていた。
 これなら、自分と同じEカップで留まるかもしれないと思った。

「左右のバランスが崩れたらいけないから、全部いれるわよ」
 女医は乳首を摘まみ、なんと注射針を乳首の頂点から刺した。
「いぎゃああああっ!」
 恵胤が首を振り乱した。
 注射が終わると、乳房はBカップほどあり、乳輪がぷっくりと小生意気に膨らみ、乳首も少年のサイズとは言えないほど肥大していた。
 そして、反対も同じようにされて恵胤は新たな涙を流し、残った4本のプリ豊胸注射は、双臀に深く注入された。
0244名無しさん@ピンキー2018/04/25(水) 00:16:38.58ID:0poXW8C1
 恵胤は白百合楼の地下牢で、一晩を明かした。
 朝になると牢から連れ出され、淡いピンク色の絹の寛衣を羽織らされ、ウェストに腰縄で縛られた。
 その服装はまるで古代ローマの女のようで、裾が股下数センチしかなく、捲れたら男性器が容易に露呈してしまうだろう。
 だが、それよりも恵胤を悲しませたのは、乳房の膨らみだった。
 一晩経っても、乳房はまったく萎んでいないどころか、乳首の下が常に疼いていた。
「ほら、来い!」
 従業員の男に連れられて、恵胤は牝遊女用の食堂にあがった。
 すでに他の牝遊女たちは食事を終えたようで、冷えた朝ご飯を食べろと出されたが、まるで食欲がわかなかった。
「食べないと無理やり、管で胃のなかに流し込むぞ」
 と脅され、恵胤は質素な朝食と果物――美容のことと甘い女のような体臭にと、計算されている献立――を食べた。
 食べ終わるか終わらないかで、女将がやって来た。
「なんだい、この愚図は、まだ食べているのかい、今日は忙しいんだからさっさとおし」
「おら、立て」
 腰紐を引っ張られて、恵胤は女将の後をついて歩かされた。
 恵胤だけは裸足だった。
 後からは屈強な従業員が腰紐を握っていた。
0245名無しさん@ピンキー2018/04/25(水) 00:43:23.04ID:0poXW8C1
 大通りと東西通りがクロスする一等地に、もっとも格調高い白百合楼があり、そこから有明橋、東雲橋が見えた。
 何十メートルもある門が聳えており、門番がいた。
 豊洲はすべてが遊郭というわけではないようだった。大通りを一歩入ると、カツラ屋や病院、薬局に化粧品売り場、洋服屋や下着屋もあった。
 だが、すべて女性物だった。そして、豊洲5丁目には唯一の学校があった。
 小中高の一貫校で、広い運動場で初等部の児童が体育を受けていた。土地柄、女児が多いようだが、中には男児もいた。
 そして、恵胤を驚かせたのは、女児がブルマを穿いていることだ。
 しかも、臙脂色のブルマーと濃紺のブルマーと別れていた。
「……ブルマだなんて」
「いま、ブルマが残っているのは吉原遊女学院と豊洲学院くらいよ」
 女将が説明してくれると、従業員が下卑た嗤いを響かせた。そのたびに不吉な振動が腰紐に伝わってきた。
「優恵子、あんたも豊洲学院に通ってもらうよ」
「え、学校に通わせてもらえるのですか?」
「なんか勘違いしているね……まぁ、いいさ。あんたの制服を買いにいけばわかることさ」
 そう言って連れて行かれたのは、豊洲学院の制服を売っている店だった。
 ショーウィンドーには学生服とセーラー服を着た小柄なマネキンが飾ってあった。
 あまりの精巧さに恵胤が見ていると、マネキンが瞬きをした。
「ひぃッ!」
「なに驚いてんだい?」
「あれ、人間です」
「そうだよ。小さい頃、有明橋に捨てられた孤児たちだよ」
 有明橋に捨てられる孤児は男のみだ。女の子は海に捨てられるか、吉原に引き取ってもらうのが通例であった。
 孤児たちは少女のような顔立ちで、学ランを着た子もセーラー服を着た子も胸があった。
 ゾッとした恵胤を見ながら、従業員が教えてくれた。
「あれはまだ店に上がる前の禿だ。おまえと同じように注射でオッパイができているわけじゃないぞ。豊洲に拾われたときに去勢されて、牝として育てられているんだ」
「……」
 足が竦んだ。
「ほら、女将さんを待たせるんじゃねー」
 腰紐を鞭のようにしならせ、太股を打たれた。

「この子が例の新入りだよ」
「あんた、本当かい?」
「禿のように小さい頃に去勢した牝よりも、美少女じゃないか?」
「そうだろう? しかも、血統書付きの名前に『子』持ちさ」
「はぁ、元華族様の上にこんな美少女は吉原にもいないじゃないかね?」
0246名無しさん@ピンキー2018/04/25(水) 01:21:00.21ID:0poXW8C1
 女将と女店主は談笑していたが、とつぜん、女将が恵胤のほうを振り向くと叱責した。
「なにボサッとしてんだい。さっさと服を脱いで採寸の準備をおし」
「こ、ここでですか……」
 恵胤は試着室を見た。
 その反応を見て女店主が笑った。
「坊ちゃんはなにも知らないんだね。試着室を使えるのは男子か女子だけだよ」
「僕は……」
 男だと言う前に、従業員にお尻を叩かれた。
「おまえは牝だ。牝は、牝らしく、わたくしってオカマみたいな声でいうんだ」
「そういうことだよ。坊ちゃんは牝になったばかりだからわからないだろうけど、学校の女子更衣室も牝は使用禁止だよ」
 愕然とした。
 ヨーロッパで敗れた国が南アフリカで作った王国では、白人至上主義を謳い、黒人とトイレや学校、バスさえも区別すると聞いたが、
この大日本帝国でも同じようなことが起きていたなんて夢にも思わなかった。
「ほら、何を呆けてるんだい、さっさと採寸してもらいな」
 裸にされた採寸された。
 その最中、必要以上にボディータッチをされた。
 特に膨らんだ乳房を揉まれたが、口答え一つ許されなかった。
 そして、若々しい肉棒を女店主は舌舐めずりするように見ていた。
「舐めたいなら舐めていいよ」
 女将があっさりと許可を出すと、女店主は本当かい?と前のめりになった。
「値段は勉強させてもらうよ」
「制服の値段はいつもと変わらなくていいから、セーラー服とスカート生地を最高級の物にして頂戴」
「ちょっと待ってな」
 女将は棚から黒と白の生地を持ってきた。
 女将曰く、黒い生地はサージといい、白い生地はギャバジンというのだそうだ。
 わかっていたが、白い生地は男子の学ランには使わない。
 恵胤は自分がセーラー服を着せられるのだと思った。
「サージはセーラー襟とカフス用で、ギャバジンは身頃と袖に作るわ」
「その白いギャバジンは女子用でしょう?」
「何よ、その目は女将さんを騙したりしないわ。まずはこの最高級の純白のギャバジンを見せてあげたかったのよ。この生地を使ってセーラー服にしているのは、名だたる遊郭の娘くらいよ。きっと、今の中高には五人もいないわ」
 そういうと、ギャバジンを棚に戻し、新しい生地を持ってきた。
 それは黄味がかったクリーム色に染まっており、離れていても桃の馥郁たる薫りがした。
「これも同じ生地よ。桃のいい香りがするでしょう?」
「……はい」
 たんなる桃だけでなく、なにかお酒だろうか、なにかスパイスがかかったような魅惑的な匂いが生地からしていた。
「さっきの白いのと同じなんだけど、どうやって作るか教えてあげるわね。由菜、紗菜、いらっしゃい」
 女店主が呼ぶと、マネキン役を演じていた去勢少年がやってきた。
 二人とも目が悪いのか、フラフラとしている。
「この坊ちゃんのセーラー服になる生地の作り方を教えてあげなさい」
 女店主はそういうと、床に生地の反物を置いた。
 すると、由菜と紗菜はそれに向かい合うように跨がって座ると、互いにキスをし始めた。
 それはまるで中学生のカップルの接吻のように見えたが、二人はウンコ座りであった。そして、二人は学生服を着たままなんとお漏らしを始めたのだ。
 ジョジョジョとスカートとズボンを濡らしながら、黄金色の滴が生地に吸収されていく。
 二人は股間を擦りつけてさらにオシッコを沁み込ませようとしていた。
「……何を」
 恵胤はあまりのことに言葉を失ったが、二人の排泄物からは濃厚な桃の香りがした。
「ふふふ、いい香りでしょう。この二人は桃や果物だけを食べさせているから、いい匂いでしょう。聖水染めっていう牝にとっては最高の生地よ」
「桃娘(とうにゃん)っていう中国で昔作られた女の子の奴隷よ。確かにいい匂いがするけど、糖尿病になるから……まぁ、そういう運命の子たちよ」
 さっきフラフラと歩いていたのは、糖尿病になって視力障害が起きていたようだ。
 恵胤は自分がこれからオシッコで染まったセーラー服を着せられることにも驚愕したが、それよりも、牝を消耗品のように考える女店主の価値観に震えた。
 
 
0247名無しさん@ピンキー2018/04/25(水) 01:39:59.32ID:0poXW8C1
「北清水優恵子ちゃんね。優しいに恵まれた女の子って漢字であってる?」
「ええ、あってるわ」
 女将が返事をすると、女店主はミシンを操作した。
 ミシンの上には、白い木綿のパンティがあった。
 上ゴムの幅が広くて、提灯ブルマのような子供のパンティだ。だが、パンティには豊洲学院の校章が赤いリボンの下に縫い込まれていた。
 女将はその校章の隣に、ミシンで刺繍をしていた。
『北清水優恵子』と不吉な赤い糸で名を記された。
 そして、名前の下には、月曜日用、火曜日用……土曜日用まで六枚だった。
「これは指定のパンティよ。今日は水曜日だから、さっそく穿いてみて」
 恵胤は嫌がったが、事務員にしばかれ、なくなく女物のパンティを穿き、同じく学校の校章が入ったブラジャーをつけさせられた。
 ブラジャーは最初、卑彌子が着用していたように、下乳房の支えしかなく、乳首が丸出しだった。
「ああ、恥ずかしい」
 恵胤は身を捩った。
「じゃあ、約束どおりオチンチンで愉しませてもらうわね」
 女店主は恵胤ではなく、女将に了承を取ると、彼女は頷いた。
「や、やめてぇ……」
 女が両手で擦ると、悲しいことにすぐに反応してしまった。それほど、女物のパンティは今まで穿いたことないほどのきめ細かさがあった。
「元気なクリペニスね」
 女店主はパンティをいったんずらすと、恵胤のペニスを前に突き出させた。
 舐められると思った。
 しかし、女店主はパンティを再び持ち上げると、肉棒のジンジンとする熱が腹に密着した。
 亀頭がちょうど赤いリボンの下にある校章を持ち上げていた。
「牝用の学用パンティは、一年に一回しか支給されないから汚したらダメよ」
「くぅ……ああ、パンティなんて女の子の下着は嫌だぁ」
「女子と違って、坊ちゃんたち牝は制服検査だけじゃなくて、下着検査もあるから、穢れのない白いパンティという校則を破ったら、うふふ、オチンチンを鞭打ちされるのよ」
「ひぃ……いやぁ!」
「でも、この牝用のパンティは木綿製だから、オシッコの染みとかすぐについて取れないのよ」
0248名無しさん@ピンキー2018/04/25(水) 01:54:18.73ID:0poXW8C1
 そう言いながら女店主は恵胤の裏竿を擦った。
 会陰の奥から突き上げてくる性快楽を、恵胤は尻の穴を窄めて耐えようとした。
 だが、先走り液がパンティに染みを広げていく。
「オシッコの染みもだけど、一番取れないのは精液よ。すぐに黄ばんじゃうの」
 女店主が何をしようとしているのかすぐにわかった。
「やめてください。そんなひどいことしないで?」
「ひどいことってなに?」
「い、言えません」
「当てたら、やめてあげようと思ったのに」
 女店主が亀頭をパンティで包むように覆い捩った。
 背筋にゾクゾクとしたものが走って行く。
 昨日、三発も射精していなかったら、きっともう我慢できなかっただろう。
 恵胤は女店主に懇願した。
「射精をさせないで?」
「あら、射精は牝に残された唯一の男の子の部分でしょう?」
「あああ、違います」
「何がどう違うの?」
「女の子のパンティに射精させないで」
「ふふふ、だーめ。女の子のパンティじゃなくて、牝のパンティのなかにたっぷりと射精するのよ」
「どうして、どうして、虐めるの?」
「あなたが可愛いからよ。もう先走り液でこんなに濡れているわ。気持ちよくなっちゃいなさい。そうしたら、脳がこの記憶を覚えて、パンティを穿くと昂奮するようにな変態なお坊ちゃんになるから」
「ああ、そんなの嫌よ」
 恵胤は甲高い声を上げると同時に、肉棒が激しく動いた。
 ドク、ドク、ドクと濃厚な粘液が尿道を駆け抜けていく。
「あああああ……」
 あまりの快楽に視界がブラックアウトした。

 そして、視力が戻ってきた。
「たっぷり出したわね」
「あッ」
 パンティの生地の表面に勢い余って溢れていた。
 その白濁とした濃厚な粘液は、裏側には大量に吐き出され、ペニスの裏筋が透けて見えるほどだった。
「拭いてあげるわね」
 女店主がパンティに白い生地を押し当てて拭いてくれた。
 だが、よく見ると、その生地には赤い刺繍で優恵子と書いてあった。
「ああ、それで拭いたらだめぇ!」
「もう拭いちゃったわ。ふふふ」
 そう言って、開いて見せたパンティは土曜日用のだった。

 それから、恵胤はパンティを脱がされ、ペニスや陰毛に絡みついた精液を月曜日用のパンティで拭かれた。
「す、すぐに洗わしてください」
「ダメよ。まだ行くところがあるんだから」
「坊ちゃん、パンティは自然乾燥させて、セーラー服とブルマといっしょにとどけてあげるわね」
0250名無しさん@ピンキー2018/07/29(日) 13:57:31.02ID:TEKgjZzP
サキュバスとの戦争で捕虜となった男の兵士。
シーメール化されて毎日精を搾り取られる。
子供のように小さな身長に細い体のせいで筋力は落ち、さらに体格に不釣り合いに大きな胸が重しになって脱走もできない。
ペニスは早漏になっていき、乳首を責められただけで射精してしまう。
やがて歩いて胸が揺れただけで射精するようになってしまい、いっそ女にしてくれ、殺してくれと懇願しても受け入れてもらえず、延々と精を垂れ流し続ける。
0251名無しさん@ピンキー2018/10/18(木) 19:08:17.48ID:mf1v5PhL
ゴクドルズがアニメ化したけど、ペニスを残したパロディを考えてみたり。
商品としては当然のように無理やり手術させたいところだが、原作と違って貧乏ヤクザという設定にして、費用を出せないことにする。
そしてバレないために貞操帯をつけて、鍵をボスが確保し、逃げられないようにタマを握っておくわけだ(二重の意味で)
0253名無しさん@ピンキー2018/11/03(土) 14:48:33.36ID:L6RHChpw
>>251
ペニスを残して女体化され、さらに射精管理……エロい。
手術も現実的な性転換手術じゃなく、男性ホルモンを女性ホルモンに代謝する人工臓器を埋め込むみたいなのはどうだろうか。
精巣で作られた男性ホルモンがすべて女性ホルモンに変わってしまうので、肉体がどんどん女性化していく。
何かしら理屈をつけて骨格も縮小・変形して女性らしく小柄で華奢に。
女性ホルモンの影響で男性機能が停止してしまうのを防ぐためには、一日三回は射精して男性器に刺激を与えないといけない。
しかし男性機能が生きている限り女性ホルモンの代謝は止まらないので女性化は止まらず、巨乳化。
射精すれば女性化進行、しなければ男性機能喪失で完全女性化。
0254名無しさん@ピンキー2018/11/04(日) 17:30:20.76ID:3SMwddN3
フクロムシのようにオスの宿主を偽メス化する寄生生物ってのはどうだろ?
フクロムシって体だけでなく行動にも影響が出てくるのがかなりエロい。

完全に去勢ってのは違うカテになるから、生殖能力は残したりむしろ旺盛に。
寄生するのに具合のいい個体が多い方がその寄生体にとっても都合がいいから宿主の繁殖能力は奪わない生存戦略を取ったとか理由付けするのもよいかも。。
0255名無しさん@ピンキー2018/12/08(土) 02:30:21.35ID:+NpX535L
女性ホルモンは男性機能の衰えがネックだよな。
ちんこから射精してほしいし
0256名無しさん@ピンキー2018/12/09(日) 13:37:38.08ID:E2maugGn
血液に乗って運ばれる物質をフィルタリングする脳関門みたいな器官をタマタマの付け根に埋め込むとか?
体には女性ホルモンがいきわたるけどタマタマには流れ込まず、タマタマからも男性ホルモンが体に流れ込まないという都合のいい設定w
0257名無しさん@ピンキー2019/01/04(金) 16:51:41.65ID:QopQJH0L
シーメールと女性の疑似百合シチュエーションが好きだ。
全身の女性化が進行して身長が縮んで華奢になり、性感も敏感になっていく。
体格でも力でもテクニックでも女性にかなわなくなって、完全に主導権を握られて翻弄され、搾り取られる。
0258名無しさん@ピンキー2019/02/08(金) 21:51:28.90ID:mGJXDqIQ
>>255
全身を人工関節やシリコン埋め込み、永久脱毛や頭髪植毛といった外形手術のみでシーメール化するストーリーを考えたことがある。
ホルモン注射をする必要はないが、シリコンが硬化したりしないようマッサージや再調整がくりかえし必要。
そんな異形のマネキンのような美女(?)たちの物語。
0259名無しさん@ピンキー2019/02/08(金) 22:35:28.24ID:UZE/ufra
Sorrawee Natteeみたいな?
ホルモン使ってなかったかどうかまでは分からないけど
0260名無しさん@ピンキー2019/03/29(金) 07:24:54.14ID:4zBtwW06
オッパイと同じように下はシリコンとかでおっきくできるものなの?
0261名無しさん@ピンキー2019/03/30(土) 00:27:39.97ID:XpPWdBln
ビッチにするだのシリコンだの何だのと…せっかくの文字列のみの媒体なのに、とことんリアルに寄せて何とする?
0262名無しさん@ピンキー2019/04/03(水) 16:13:42.84ID:pylgGjbX
>>260
女性から男性へ性転換したい人や、事故で陰茎が損傷したりした人のために、そういう形成手術はある。

>>261
リアルに寄せてリアリティの味付けをするみたいな感じかな。
フィクションだからこそ現実感を出したいってやつ。
人体改造そのもののフェチをふくむ場合もあるけど。
0263名無しさん@ピンキー2019/04/10(水) 15:35:24.94ID:gTCZaA+t
ニューハーフがアナルガン掘りです!
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0264名無しさん@ピンキー2019/05/01(水) 19:32:19.57ID:PvD029fr
>>255
まったくの同感。
大きなおっぱいを揺らしながら射精してほしい。
リアルよりの性転換ものだと、ホルモンの影響でだいたい最初に男性機能が低下して勃起不全、無精子状態になってしまう。

女性ホルモンの作用を持ちながら男性機能に一切作用しない、都合のいい内分泌攪乱物質はないだろうか。
0265名無しさん@ピンキー2019/07/21(日) 23:19:08.95ID:9tHRJSQh
>都合のいい内分泌攪乱物質
そうなるとSF(少しファンタジー)になっちゃうよね。

声は男性にしては高め
オッパイは女
腰には勃起チンコか
0266名無しさん@ピンキー2019/08/26(月) 20:20:36.84ID:7ZvQjWjD
「どんだけ〜!」とかはっちゃけるのがいいのか、それとも?
0267名無しさん@ピンキー2019/09/04(水) 11:40:21.79ID:xiDe09NI
普通にしていて欲しい
オネエ系にわざわざなる必要はない。
0268名無しさん@ピンキー2019/09/16(月) 14:14:40.87ID:bzjJPz52
女性化乳房の思春期少年とかどうだろうか。
ウィキペディアで調べた程度だが、思春期のホルモンバランス次第によっては女性ホルモンが多くなって胸が膨らむこともあるとか。
通常は思春期の進行に伴って男性ホルモンが優勢になって男の体になるが、稀に女性ホルモン優勢のまま成長して胸だけでなく骨盤などの形も女性のようになってしまうことがあるそうな。

原因としては単純に女性ホルモンの分泌が多い場合は男性ホルモンの投与で治療できるのだが、
肝臓の機能の男性ホルモンを女性ホルモンに代謝する機能が強すぎると、精巣で作られたり治療のために投与した男性ホルモンが女性ホルモンに変わってしまい、女性化が進行してしまう。
0270名無しさん@ピンキー2019/09/26(木) 19:04:39.00ID:09f8Db/U
「部活は出ないのか?」
「……うん。週末は用事があって……」
「色々と辛いことがあっただろうけど、なんか悩み事があるなら俺が聞くからな」
 幼馴染みの健吾が笑った。
 健吾はテニスウェアを着ており、夏休み中ずっと部活に出ていたためか小麦色の肌をしていた。
 一方、花澤望【ルビ:のぞむ】は家庭の事情で部活どころではなかったので、華奢な腕などが抜けるように白かった。
 腕には無駄毛が一本もなく、顔立ちも美少女よりも清楚で愛くるしかった。
 しかも、数ヶ月、理髪店に行っていないので、耳が隠れるほど艶やかな黒髪が伸びていた。身長も155センチしかないので、制服を着ていないと女子に間違われることがあった。
 健吾は夏休み明けから妙に色っぽい親友に、あらぬ妄想をしてしまう。
(女子の制服を着せたら似合うんだろうな……佐伯さんよりも美少女かもしれないって、俺は何を考えてるんだ)
 視線が思わず、望の胸元に注いだ。
 そこは確かな膨らみがあった。本来、男子にはない双つの柔らかな膨らみだ。
(思春期性女性化乳房……ストレスとかでホルモンバランスが崩れて、女子のようなオッパイができる病気があるなんて)
 夏休み明けに、胸に明かな膨らみができた望を見て、クラスはちょっとしたパニックだった。
 教師が思春期性乳房の説明をしてくれ、みんな、望の母親に不幸があったことを知っていたので納得した。
(それでも、なにかおかしい……)
 幼馴染みの直感でそう思うが、踏み込んだことは聞けなかった。
「じゃ、じゃあ、来週ね」
 望は逃げるように学校をあとにした。
 
0271名無しさん@ピンキー2019/09/26(木) 19:33:16.45ID:4gOLbL9o
 中野区にある邸宅の前には高級リムジンが停まっていた。
 望は胸が締め付けられた。
 居間にはスーツを着た女性がいた。父親が働く会社の秘書の人で、名を柏木英美という。彼女とはすでに数度会っていた。
「待っていたわ」
「……た、ただいま戻りました」
「お湯を沸かしてあげているから、すぐに用意してくるのよ」
「……はい」
 処刑台にあがる囚人のような足取りで、浴室に向かった。
 これから起こることを考えると、身体が震えてくるのをどうしようもできなかった。
(……お父さんのせいだ……)
 望は一流企業の課長である父親を恨もうとした。
 しかし、できなかった。父親は真面目で優しい人間だと知っていたからだ。
 高校入学してすぐに母親が難病だとわかった。臓器移植しなければ助かる見込みがないと余命数ヶ月の宣告を受けた。
 父親は親戚など八方手を尽くして金を集めたが、それでもアメリカでの医療費には足りなかった。
 追い込まれた父親がとった手段は犯罪行為だった。会社の資金に手を付けてしまったのだ。
 それほどまでして名医がいる病院まで渡米したのに、ドナーが現れる前に母親は亡くなった。
 今年の夏のことだった。
 葬式が終わったあとに英美と初めて出会ったのだ。
 そのときに言われたのが、父親が会社に行った重大な背信行為だった。
「明るみに出せば、あなたのお父さんは犯罪者として塀の向こうになるわ」
 もちろん、助けてもらえるように懇願した。
0272名無しさん@ピンキー2019/09/26(木) 19:55:59.04ID:OLEZIMSq
「毎週末に富貴層だけを集めた会員クラブがあるのよ」
「会員制……クラブですか?」
「ええ、別名で美少女奴隷倶楽部っていうの」
 英美は何事もないように冷笑を浮かべた。
「ど、奴隷!?」
「そこに会長の新しい奴隷として君が参加するなら、今回の件を内々に処理してくださるそうよ」
 始めから提示された選択肢は一つしかなかったのだ。
 そして、その後、英美と何度か会い、そのたびに奴隷の道を歩まされたのだ。

 望は開襟シャツを脱ぐと、胸にはさらしが巻かれていた。
 それを外すと、やや外向きの双つの乳房がバウンドするようにまろびでた。それぞれ片手では覆いきれないほどのボリュームだ。
 容もお椀型と美しく、肌理細かな雪肌や薄桃色に彩られた先端の乳頭を見て、彼の性別を男と見極めるのは困難だろう。
 しかし、ズボンを脱いでボクサーパンツを脱ぐと、本来あるべき大人の飾り毛が一本もなかった。
 夏休み中に永久脱毛されてしまったのだ。
 もちろん、乳房の膨らみも思春期性女性化乳房症という病気ではなく、シリコンによる豊胸手術の結果だった。
 十五歳の美少年の胸には、Dカップの美しい乳房が強制的に造られていた。
 身体を捩るたびに乳房の存在を意識してしまう。
 悔しくて、惨めで仕方がないのに、股間の男根がゆっくりと頭をもたげかかってくるのだ。
 そのとき、浴室の扉が開いた。
「あら、まだ、お風呂に入っていなかったの?」
 英美が股間を見て、唇の端を持ち上げた。
「美少女奴隷倶楽部のなかで、こんな立派なクリペニスがある娘は、望美【ルビ:のぞみ】ちゃんくらいよ」
0273名無しさん@ピンキー2019/09/26(木) 20:09:57.48ID:m5FjeRA8
 さらに英美は、かって知ったる他人の家のようにランドリー収納の下着入れを開いて見せた。
「え!?」
 少年は驚きの声をあげた。
 そこには今朝まで、ボクサーパンツが入っていたはずなのに、色とりどりの女性用のパンティが入っていたのだ。
 しかも、別の棚にはブラジャーが入っていた。
 その中から、英美は白無地に赤いリボンという清楚なブラとパンティを選んだ。
「初夜だから、清楚な下着がいいわね」
「じょ、女子のなんて……」
「なに言っているの。会長の奴隷・望美になるって誓ったでしょ?」
 確かに週末は望美として、会長の介添えをすると約束したが、それ以外に父親を助ける方法がなかったからである。
 まさか、下着まで女子用になるなど想像もしていなかった。
「さぁ、身体を清めていらっしゃい」
 少年は浴室に押し込まれ、一日の汗を流し、女子高生の匂いがするようになるというボディーソープで身体を磨くのだった。
 そして、湯船から出た身体は火照っていた。
「じゃあ、下着を穿かせてあげるわ」
「あぁ……嫌です」
「嫌なんて言える立場かしら?」
「……うぅ」
 項垂れて顔を左右に振るしかなかった。
 ブラとパンティを穿かされただけで飽き足らず、英美は少年が通う高校の女子制服も用意していた。
 それは半袖のセーラー服と膝丈のプリーツスカートだった。
 美少年の顔はさらに真っ赤に染まるのだった。
0274名無しさん@ピンキー2019/09/28(土) 23:27:18.60ID:v15V0MZ/
 身を整えた望美は、リムジンで多摩市のホテルに連れて行かれた。
 ホテルと言っても会員制で、利用できるのは富貴層のみだった。金曜日の晩から日曜日にかけて、少女たちの啜り泣く声が絶えることがなかった。
 駐車場にはすでに高級車が何台も停まっていた。
 後部座席が開き、英美が現れると、遅れて項垂れた美少女が現れた。
 薄化粧を施され、前髪を定規で測ったように切り揃えられ、耳が隠れるくらい長い髪に可愛らしいピン留めが施されていた。
 制服は都内の名門校の女子用セーラー服で、胸元を誇るように前に突きだしていた。
「望美ちゃん、グズグズしないのよ」
「……は、はい」
 履き慣れないローファーで歩いていると、英美にお尻を叩かれた。
「女の子なんだから内股で歩きなさい」
「うぅ……」
「うふふ、月曜日の朝まではおまえは会長に飼われる牝奴隷だって忘れないことよ」
 父親の不正を見逃してもらえるかは、望美の従順さにかかっていることは、車内で説明され重々承知の上だった。
 しかし、それでも人里離れた秘密倶楽部に連れてこられ、脚の震えが止まらなかった。
 玄関前にドアマンがいた。
 望美はジッと見られているようで、ますます項垂れた。そんな彼に英美が耳打ちをしてきた。
「男の子だって気づかれなかったわよ」
 それがよかったのか、悪かったのか、望美には何とも言えなかった。
 そのとき、ポーチ前に車が停まり、中から初老の男が鎖を持って出て来た。鎖を引くと首輪を嵌められた美少女が四つん這いで這い出てきた。
 少女はパンティさえ穿いておらず、首輪のみだった。乳房も性器も丸見えだった。
「なぁ!」
 望美は小さい悲鳴を溢した。
 全裸の少女は肩を震わせて項垂れ、這いながら望美の隣を通り抜けた。
0275名無しさん@ピンキー2019/09/28(土) 23:36:12.30ID:A8RTQonN
「次回は裸できましょうか? そうしたら、男の子だって気づいてもらえるわ」
「あ、いやぁ……」
「あら? 散々、セーラー服は着たくないって駄々をこねたじゃない」
「うぅ……」
 入浴後のことを言われた。
 それは当然だろう。
 健常な思春期男子が、女子の下着や制服を着用することに恥辱や屈辱なしにできるはずがない。
「次回から、今日みたいな態度をとったら裸で連れてくるからね」
「……はい」
 迎合するしかなかった。
 ドアマンの若い男は流し目で、少女の剥き出しの尻を眺め、それが見えなくなると、望美をいやらしく舐めるように見ている。
 特にその視線は胸に集中している。
 同性からそんな好色な視線を受けることも耐えがたいが、それ以上に、男なのに女の乳房を造られた身体を見られたとき、あの目に嘲笑や侮蔑に変わることのほうが恐ろしかった。
0276名無しさん@ピンキー2020/01/07(火) 16:45:54.76ID:bZhIgU8l
続き期待
0277名無しさん@ピンキー2020/01/12(日) 13:55:01.25ID:Owdbt4Dc
現実的な性転換手術とかじゃなく、TS女性化ものみたいに魔法的な理屈で性器だけ残して女性化したい。
理想の女体を文字通り自分のものにして、残った男の部分で気持ちよくなりたい。
0278名無しさん@ピンキー2020/01/20(月) 08:12:12.90ID:7W7c3St6
分かるわw実際は、て考えるとな…些細な無駄毛とかも、現実にはなかなか処理が
追い付かない事が多々あるもんだし
表層的に体格的なものだけなら、存外いけそうな素体な方々を度々見かけるが
0279名無しさん@ピンキー2020/02/11(火) 16:32:03.36ID:0WZ6+PMx
サキュバスに敗北して捕まったところで自決めいて性転換薬を服用。
「女なら精を吸うことはできないな!」
「あら、女に生やして吸うこともできるのよ」
そして疑似百合逆レイプ搾精。
0280名無しさん@ピンキー2020/07/13(月) 21:22:19.41ID:57AhgDYQ
>>1リンク切れとるがな。
0282名無しさん@ピンキー2020/07/23(木) 03:02:09.32ID:sPYcoSn2
一体いつからだったから正確には知らんが、大体4〜6月末辺りにかけて
自分が愛用してるブラウザは、全然ピンク板(のスレ内が)が見れなかったな…
だからレスの数が増えた時は、他ブラウザから覗いてたwそこは検索の方法が限られるから
目当てのスレへ行くのがかなり面倒だった
0283名無しさん@ピンキー2020/09/13(日) 11:38:30.66ID:henvOVky
シーメール化風俗なんてのはどうだろう。
シーメールの嬢と遊ぶのでななく、客が店から提供されるアイテムとかでシーメールになる。
一人で楽しんでもよし、専門の嬢と遊ぶもよし、知り合いと楽しむもよし。
0284名無しさん@ピンキー2020/09/13(日) 19:29:25.15ID:EQbfHVR3
「さてと」
 その日、一仕事終えた俺・ブリクの懐には、ちょっと余分に現金が入ってきた。
 なに、危ない仕事じゃない。大工だよ。民家の煉瓦壁を直してきたのよ。
 余った活力と廃材で以て、傷んだ椅子やら便座やらを直してやったら、家主の婆さんがチト余分に小遣いくれたのさ。
「いらっしゃいませオジサン。なんか上機嫌だね」
「いやタメ口て」
 晩メシにと立ち寄る食堂。給仕の娘と交わすやり取り。いやー健康的な生活だぁ…ありがたや。
「茶色いビーフシチューと黒パンな」
「およ? ホントに何かあったの? 羽振り良いじゃん」
 給仕の娘が目を見開く。
 いつもはシチューもパンも白いのを選んでるけども。それはそれで旨いけども。
「ンにゃア、ちょっとな。コレ的にな」
 親指と人差し指で丸を作って示す。
「へえ、じゃ何かおごってよ」
 茶色い方は野菜をトロ火で煮込んで濾して作る、吐き気をもよおすほど手間のかかるやつでな。ちょっと値が張るんだな。
 タンパク源もお手頃価格のポークじゃなくて、手間のかかるビーフだからな。倍ではないが、ちょっとした味わうメシだ。
「悪い、これで一杯いっぱいだわ」
 …実は嘘ついた。こんだけ奮発しても、まだちょっと。
 そうだ。食い物が来るまでの十分強。アレを見てみよう。壁のコルクボード。

 レビュー!

 男の精を糧とするふしだらな魔物・サキュバス。
 あらゆる種族と性交し、時には子をなす事もあるそいつらを祖先に持ったサキュ嬢が、現金と引き換えにふしだらな事をやってくれる店。
 そんな店を渡り歩く奴らが、予備知識として感想を書いてくれる。

「とうとう今回は、別個の賭けに負けた罰ゲームとして、サイコロ振って出たコンセプトの店へ行ってきた。

 元・男のサキュ嬢の店へだ」
0286名無しさん@ピンキー2021/05/16(日) 17:10:01.66ID:VgTk/bbH
女性化ものに近いシチュエーションだが、射精すると体が女性化していく呪いとか魔法とか。
屈強な男がそんな呪いにかかり、自慰や性交渉、夢精で射精するたびに身長や体格が縮み、筋力が低下。
声が高くなって顔つきも女性的になっていき、骨格も変化して腰の括れができて胸も膨らんでいく。
ただし、あくまで女性的になるだけで性器は男性のまま。
射精を我慢していれば徐々に戻るが、誘惑に逆らえず男らしさをどんどん失ってしまう。
0287名無しさん@ピンキー2021/07/17(土) 14:30:32.72ID:qMY+SUXR
思春期前の少年に女性ホルモンを投与し続けたりすると、どこまで女性らしく成長するのかな。
ちょっと調べた限りだと、女性ホルモンの効果で身長の伸びは早めに止まり、骨盤の形も女性と同じになるとか。
成長期であれば乳腺の発達も女性同様らしいので胸の膨らみも女性と遜色ないサイズになるらしい。
ただ、女性ホルモンで男性機能が損なわれるので勃起不全や無精子、性欲もなくなってしまうそうだが。
0288名無しさん@ピンキー2021/10/16(土) 21:26:46.55ID:H3g/SiWt
陰間道(かげまどう)。それは紳士にして淑女のたしなみ。
磨き抜いた心身を以て、殿方の御心に寄り添い、時には癒し、時には勃てる大和丈夫(やまとますらお)を、切磋琢磨を介して育む、架空の武道である。

スマソ言ってみただけ。
0289名無しさん@ピンキー2022/08/31(水) 17:51:49.74ID:b9oZxvCt
もうみんなノクターンやピクシブに移住したのかな。

最近はシーメールタグがついてなくても強制女装タグがついているとシーメールに該当する事例が多い。参考までに。
0290名無しさん@ピンキー2023/03/09(木) 22:35:33.29ID:wPooEroS
今メーラーに、いわゆる『よくある奴』を書き溜めとる。
0291名無しさん@ピンキー2023/04/17(月) 16:37:29.24ID:D7Q28n/K
ノベルAIで作ろうかと色々試してみたが文章が少しずつしか生成できないので
つまった時のつづきを書き出す助けくらいにしかならないな・・・
0292名無しさん@ピンキー2024/03/17(日) 06:28:38.25ID:/OKsrqzQ
ファンティアなら稼げるから食われ潰されるだけの無料掲示板に降臨してくれる神作家・絵師はこの先生まれないんだろうな
0293魔法少女フロンティーア・下巻〜あらすじ〜2024/03/20(水) 22:05:35.71ID:YwJD/2Tf
地元の男子高校に通う梶原璃玖(かじわらりく)はいわゆる不良と見做されている。
ある日、彼はとある惑星“ハーアン”からやってきたという“機械精霊「アンバル」「ゼラザック」”に出会う。
彼らの星は突如現れた謎の触手型生物“ヴァディー”によって、滅ぼされてしまったという。
そして、侵略の魔の手を様々な星へと伸ばし、その中の一つに地球が選ばれてしまったのだ。
しかし、科学者たちは最後の最後まで研究を続け、ヴァディーへの対抗手段を開発していた。
それこそが“体組織変性最適化装置「フロンセッター」”であり、アンバルとゼラザックはそのナビゲーションシステムなのである。
アンバルとゼラザックは、フロンセッターに適合した人間・梶原璃玖をヴァディーを倒せる唯一の存在“フロンティーア”へと変身させた。
「はぁあああ……!フロス・マッシャア!!」
『倒したミーン!!』
『璃玖すごいヌーン!』
「……なぁ、変身したらフリフリの格好になるのはこの際置いといて、なんで女の身体になるんだよ!?んでもって、お、犯されなきゃ戦えないっておかしいだろ!?」
『ヴァディーは驚異的な生命力を持っていて、通常兵器では倒せなかったミーン。だから奴らの精液をエネルギーに変換して戦う方法が編み出されたんだミーン』
『そして奴らは雌性生命体を主な標的とするヌーン。他の人を守るのと効率的に精液を吸収するには、ヴァディーの最優先目標になるのが一番なんだヌーン』
『つまり、ヴァディーにとってより魅力的な女性に変身するのがベストなんだミーン』
『申し訳ないけど、女体化と犯されることは奴らと戦う上で必須事項なんだヌーン』
「くそっ、マジかよ!最悪じゃねーか……」
平穏を乱すの悪魔の手から人々を守るため、璃玖は渋々フロンティーアとなって、今日もヴァディーと戦うのだ!
* * *
ヴァディーとの激闘が続く中、ふと璃玖は自分の身体が大きく変化していることに気付いた。
胸は膨らみ、尻は丸くなり、腰はくびれ、男性器はすっかり委縮して勃起もほぼしなくなってしまっていたのだ。
「……おい、なんだよこれ?前からなんかおかしいと思ってたけど、これ、もうほとんど女の身体じゃねぇか!?」
アンバルとゼラザックを問い詰めると、彼らは衝撃の事実を語り出した。
ヴァディーに犯され、吐き出された精液をエネルギーに変換して戦うフロンティーアだが、実はフロンセッターはその全てを変換することは不可能で、また無力化も出来ていなかったのだ。
これはヴァディーの精液の完全な無害化を成す前に科学者たちが全滅してしまい、体組織変性最適化装置の開発が試作品のフロンセッターの完成で止まってしまっていたからであった。
そして、ヴァディーが他の生命体を襲うのは繁殖の為だが、実は奴らの精液には生殖能力はなく、犯した相手を繁殖の為の「母体」へと変化させてしまう効力を持っていた。
同様に、フロンセッターが除去しきれなかった精液は「淫毒」となって適合者の体内に少しずつ蓄積し、徐々にその身体を蝕み、最後には母体化させてしまうのだ。
そうなってしまう前に、アンバルとゼラザックは適合者を完全に消滅させ、次の適合者を探すということを今までずっと繰り返してきていた。
璃玖はハーアン人と地球人を合わせて十代目にして、初めての男性適合者であった。
しかし、男性であっても結局淫毒には抗えず、璃玖の身体の女性化は進行しており、母体化の最終段階へと至った時がお別れになると二匹は告げた。
「……ふざけんな、ふざけんなよ!!」
自身に降りかかった余りにも理不尽な仕打ちにやり場のない怒りを覚えた璃玖は居ても立ってもいられず、部屋を飛び出した。
当てもなく街を彷徨う彼にある危機が迫る―――
0294魔法少女フロンティーア・下巻〜Chapter1〜2024/03/20(水) 22:06:48.99ID:YwJD/2Tf
梶原璃玖はいわゆる不良のレッテルを貼られている。だがそれは、世の中に罷り通っている理不尽に怒りをぶつけてきた結果だ。
彼が不良と呼ばれ始めたのは、陰湿ないじめをしていた奴をぶん殴り、それまでいじめを見て見ぬふりしていたくせに、喧嘩沙汰になった途端に先生面してきた教師の顎を砕いた時である。
それからも璃玖は、理不尽を目にするたびに考えるより先に拳を出し続け、今はヴァディーという繁殖のためだけに他の生物を好き勝手にする化け物をぶちのめしている。
だが、そこに待っていたのは、女の身体にされて化け物に乳房を弄ばれ、二穴を好き放題に犯されて漸く戦えるという訳の分からないルール。
そんな恥辱を歯を食い縛って耐えながら名前も知らない誰かのために戦い続けた結果が、日常からも男としての自分を奪われ、最後には跡形もなく消滅させられるという理不尽。
何故最初からこうなることを教えなかったと璃玖は機械精霊たちに食って掛かったが、説明しても戦ってくれたのかと聞き返され、思わず黙ってしまった。
『フロンセッターは所詮は試作段階なんだミーン。それに、適合した者しか変身できないミーン』
『酷いことをしているのはわかっているヌーン。でも、このメモリーを確認してほしいのヌーン』
言われるままにフロンセッターを弄ると、理玖の脳裏に思い出が走馬灯のように駆け巡った。しかしそれは、璃玖の記憶ではなく他の誰かの記憶だった。フロンセッターに選ばれ、ヴァディーに犯されながら戦い続けるも、圧倒的な物量に徐々に追い詰められていった苦い記憶。
何時しか、見渡せる範囲全てにおいて夥しい量のヴァディーが蠢き、そこかしこに母体にされた女性がいて化け物を産み落としている地獄が目の前に広がっていた。ハーアンの最期の姿だった。
「……あは、すっごい疼いてる。ここまで、か」
『ミーン……』『ヌーン……』
「二人ともお別れだね。この星にもう適合者は居そうにないから、あいつらが開いたゲートを利用して、他の星に行くんだよ」
今、璃玖が見て聞いて体験しているのは初代フロンティーアの記憶だった。疼いている、というのは恐らく彼女の身体が母体化の最終段階を迎えていることの兆候なのだろう。
「―――他の星を、守ってあげて。この星みたいに、させないで」
視界が真っ白になるも一瞬で真っ黒になる。消滅したのだ。璃玖の耳に残った初代フロンティーアの最期の言葉。アンバルとゼラザックは彼女の想いを胸にこの地球へとやって来たのだろう。ヴァディーの侵攻を食い止めるために。
確かに、この星をあんな地獄にはしたくない。初代の記憶を体験した璃玖には強い想いが芽生えていた。しかし、それでも最期には肉体の消滅が待っているとなればフロンティーアになる覚悟はできたのかと自問する。
戦いを途中で放棄したとしても、体内に残留した淫毒で母体化は進行してしまうのでそうなる前に消滅させられる。戦って死ぬか、フロンセッターに消滅させられるか、天寿を全うすることは不可能で、死はその二択しかないと知っていたらどうだったのかと。
無理、それが璃玖の答えだった。化け物と戦って死ぬ覚悟ならあった。だが、どれだけ頑張っても何をしても最期には跡形もなく消えるしかないのなら、何を軸にして戦えばいいのかわからなかった。
だから、機械精霊たちはフロンティーアは最後には母体になってしまうという事実を伏せてきたのだろう。自殺願望をもった人間でもなければ、死ぬ為に戦うようなフロンティーアになどなろうと思えるはずがない。
機械精霊に騙されていたことにどうしようもなく腹が立つ。なれど、そうする事情も理解出来てしまう。璃玖は我が身に降りかかった理不尽への怒りをぶつける対象を見失っていた。
どうしようもない苛立ちを何とかしようと、璃玖は着の身着のままで街へと飛び出した。怒りをぶつけられるものを、八つ当たり出来そうなものを探して街を走り回った。
しかし、八つ当たりなんて璃玖の大嫌いな『理不尽な暴力』そのものである。どうすることも出来ずに彼は当てもなくただふらふらと街を彷徨うしかなかった。
0295魔法少女フロンティーア・下巻〜Chapter1〜2024/03/20(水) 22:07:46.99ID:YwJD/2Tf
「―――なっ!?」
苛立ちで冷静さを失っていた璃玖は、人通りの少ない路地にいることも、背後からスモークガラスの自動車が近づいてきていることも、自分の歩く速さに合わせて速度を落としたことも、真横に来た瞬間にスライドドアが開いたことにも警戒できる程の余裕はなかった。
結果、車内から伸びてきた手に完全に不意を突かれた璃玖は、突然の事態に理解が追い付かず、まともな抵抗も出来ずに車内へと引きずり込まれてしまった。
「おぉ〜、結構いいんじゃん?」
「ボーイッシュ系?当たりだね」
「うわ、今時化粧なしとか超レアじゃね?」
誘拐という立派な犯罪行為をしておきながら、男たちに異常な興奮は見られなかった。慣れている。つまり、この阿呆どもの一時の愉しみの為に、理不尽を強いられた被害者が既に何人もいるということだ。
こんな奴らを守るために自分はこんな理不尽を強いられたのかと、璃玖の瞳に怒りの火が灯った。八つ当たりを、理不尽な怒りをぶつけてもいい奴を見つけた仄暗い歓びに彼は怯えて見せる顔の裏で笑みを浮かべていた。
「う〜ん、怯えてる顔もかわいいね」
割としっかり押さえつけられているのでポーズとしての抵抗だけをして、璃玖は時機を待った。拘束が緩む瞬間、僅かな油断でも、何らか道具を用意するための一瞬の隙でも何でもいいと。
「おっぱい見せてもらうよ」
「お、ノーブラじゃん」
スウェットを捲り上げられ、膨らんだ胸を見られる。屈辱的だが、今の状態では自分の方が圧倒的に不利なので璃玖はぐっと堪えた。チャンスは確実にやってくると信じて。
「へぇ、小ぶりだけどいい形してるね」
「んんっ……!」
軽く胸を揉まれて思わず漏れた甘い吐息。どうにも璃玖が思っている以上に感度が良いようだ。璃玖は自身に今のは演技であると言い聞かせ、平静を保とうとした。
胸を弄りまわすのに男が夢中になっている間に改めて自身の状況を確認する。狭い車内、人数は胸を触っているチャラついた男と拘束役の眼鏡の男、運転手の三人。
「へへ、じゃ、そろそろ下の方を……」
千載一遇の機会がいよいよ訪れようとしていた。璃玖の外見は蓄積していた淫毒の影響で女性に近づいている。胸も膨らんでいる。男たちは彼のことを完全に女の子だと思い込んでいる。つまり―――
「……は?」
「―――ふっ!」
ボクサーパンツを下したチャラ男が固まった。それはそうだろう、女の子にあるはずのないものが股間に在ったのだから。璃玖はここぞとばかりに全身のひねりを加えながら男の呆けた顔面の下方、顎に蹴りを入れ意識を刈る。
「んがっ!?」
「え、は、なんっ!?」
いきなりの出来事に何が起きたかわからず軽くパニクっている眼鏡の男の顔面にも屈伸運動を利用した両足蹴りを叩き込む。衝撃で弛んだ腕の拘束を振り解き、起き上がる。
このまま拘束役の鳩尾にワンパンを喰らわせて、シートベルトのせいで身動きが取れない運転役の首を締めて脅す。制圧の方程式は完成間近である。それからはこの悪漢どもの折檻だ。
0296魔法少女フロンティーア・下巻〜Chapter1〜2024/03/20(水) 22:08:52.49ID:YwJD/2Tf
「ってぇなこの野郎!!」
「なっ!?」
璃玖は一瞬何が起きたのかわからなかった。昏倒しているはずの男が背後から襲い掛かってきていた。
思い当たる節が一つあった。璃玖の身体は母体化に伴い女体に近づいている。往時よりも筋力が落ちている可能性は十分にあった。
今までなら力の入りにくい体勢とはいえ、璃玖の蹴りをまともに顎に喰らえばほぼ気絶、意識が残ったとしてもすぐには動けなかった筈である。しかし、まだ動けるということはそういうことで間違いなかった。
「このっ、くそアマッ!!」
「げっ……、がふっ、ぐふっ……。かっ、は……」
背後の男に気を取られている隙に、眼鏡の男が璃玖の鳩尾に渾身のワンパンをかましてきた。腹筋に力を入れていなかったのでまともに衝撃を喰らってしまい、痛みと苦しさで一瞬身動きが取れなくなる。
「おい、今のうちに手錠しろ!口もふさげ!!」」
「いいけどよ、こいつ男だぜ!?」
「男ぉ!?」
想定外の事態に運転手の男もブレーキを踏んで車を止めて振り向く。そして、仲間の言葉が間違っていなかったことをその目で確かめた。
「……どうする?」
「男だけどとんだじゃじゃ馬だぜ?このまま捨てると後でどうなるか……」
「でもよ……」
「んーっ!んーっ!!」
誘拐しておきながら困惑する男たち。余りにも身勝手な態度に怒りをぶつけようとする璃玖だが、手錠で腕を拘束されて猿轡を噛まされ、両足も上からしっかり押さえこまれているので身じろぎするのがやっとであった。
「……いや、いけるな。この前やったブスよりずっと顔がいい」
「いやいや、あれは誰かと比較する土俵に上げちゃダメなやつ」
「あー、あれは流石に袋で顔隠さなきゃ勃たんかったわ……」
車内に不穏な空気が流れ始めていた。事態は璃玖の想定外の方向へと動き始めているようだ。
「おっぱいあるし、ちんこちっさいし、男って言うかニューハーフってやつだろ?」
「……うん、やれるな。やれるやれる」
「っし、いつもんとこな」
何度も女の子を誘拐してはレイプするという犯罪行為を重ね、まともな感性が疾うに麻痺している男たちにとってチンポの生えた女とやるのもまた一興らしい。
こうして璃玖を乗せたまま男たちの車は更に人目につかない僻地へと向かっていった。
0297魔法少女フロンティーア・下巻〜Chapter1〜2024/03/20(水) 22:10:07.84ID:YwJD/2Tf
* * *

「―――はーい、カメラおっけー」
車が停まり、運転手も加わったことで陸玖を取り囲む男は三人になっていた。チャラ男が璃玖の背後に、眼鏡の男が正面、運転手の男がカメラを構えている。
後ろ手に手錠、猿轡、両足は膝を曲げた状態でガムテープぐるぐる巻きで固定されており、自力での脱出はほぼ不可能だった。
「ところでさ、男もパイパンって言うのか?」
「知らねえよ。お、腋毛も剃ってんのか。美意識高い系?それともウリやってる?」
「かもな。こんだけ身体弄ってんなら金かかるだろ」
母体化の影響で璃玖の体毛は無くなってしまっている。他にも乳房が大きくなる、顔が美形に近づくなど外見に変化が生じてるが、ヴァディーの繁殖においてその必要性は全くもって不明である。
「じゃあ、ケツ穴慣らしていくか」
「おっぱいもいじってあげるね?」
「んんっ!んぅ……っ!」
「いいねー、その表情」
小ぶりな二つの膨らみを揉まれ、乳首を爪で軽く引っ掻かれる。それだけのことで快感が背筋をゾクゾクと駆け上がり、璃玖は男に似つかわぬ可愛らしい悲鳴を漏らしてしまう。
「つくりもんにしては柔らかそーなおっぱいだな」
「乳首ビンビンにしてめっちゃ感じてるしな」
「いいぞ、もっとやれ。胸で感じるとアナルがひくひくしやがる」
璃玖の肛門を弄っている眼鏡に煽られ、男は柔肉をぐにぐにと揉み上げる。女を感じさせるためではなく、自分が楽しみたいだけの乱雑な責めというのがこういう経験のない璃玖にさえわかった。
問題は、そんな独り善がりな愛撫にもかかわらず、璃玖が感じまくってしまっていることだ。更に、信じられないことに同時に責められている璃玖の尻穴も胸の快感に引っ張られるかのように切なさを訴え始めていた。
「ん〜、めっちゃ可愛い反応してくれるねぇ、男のくせに」
「よし、そろそろ指入れてもいいか」
肛門を撫でさすっていた指が窄まりの中心に押し当てられる。男の指が肛内に侵入してくる予感に璃玖の身体が小さく跳ねる。
「むぐぅぅううう〜〜〜っ!!?」
フロンティーアでない状態では初めてのアナルへの異物挿入。璃玖が感じ取ったのは嫌悪と恐怖と息苦しさ、そして心地よさであった。
(なんで!?どうして!?)
「案外すんなり入ったな。結構遊んでたりすんのかな」
「え?非処女なの?」
「まぁ、男のくせに豊胸してる時点でなぁ……」
確かにヴァディーに胸を嬲られて、アナルを犯されて快楽を得たことはある。もっと言えば、絶頂にまで達してしまった数は両手の指では足りないくらいだ。しかし、それはあくまで変身中の出来事であり、今のこの身体が肉悦を感じる筈はないと、璃玖は大いに戸惑っていた。
0298魔法少女フロンティーア・下巻〜Chapter1〜2024/03/20(水) 22:10:54.26ID:YwJD/2Tf
しかし、璃玖が失念していることがあった。排泄とは元来ある種の快感を伴うものである。でなければ老廃物などが体内に蓄積し続けてしまう。例えそれが指に尻穴を犯されることによる疑似排泄であっても、彼の本能に刻み込まれた排泄快楽からは逃れられなかった。
(在り得ねぇ!こんなの気持ち悪いだけだ!気持ち悪いきもちわるいキモチワルイ!)
沸き上がる快感を必死に否定しようとする璃玖。だが、僅かながらも感じているのは紛れもない事実。
これ以上は拙いと、璃玖は身を捩って男たちの手を振り解こうとするが、拘束された状態では碌に抵抗出来る筈もない。なんとかこの状況を変える方法はないかと考えを巡らせ、ふと思い出す。自分はフロンティーアになれるのだと。
(―――変身!)
しかし、何も起きなかった。
いつぞや機械精霊とたわいもない会話をしている中で、フロンティーアの力を使えばいろんなことが出来そうだという話になった。その時、フロンティーアの力はヴァディーに対してだけ使うことが許される、人の身には過ぎた力だと軽く説教された記憶が璃玖の脳裏をよぎった。
つまり、乱暴に言ってしまえば人同士の諍いに過ぎないこの状況では、フロンセッターが起動することはない。命に関わるような事態なら兎も角、現状それは在り得ないだろう。希望が一瞬にして絶望に変わる。そんな璃玖を更に追い詰める言葉が、彼の耳に届いてきた。
「お、チンチン勃ってきたぞ?にしてもちっちぇーな、おい」
「アナル弄られて気持ち良くなっちゃったか?」
「……ふ〜ん、結構エロいじゃん」
一般的に勃起とは陰茎に刺激が与えられることで起きる現象である。性的興奮や性的快感を感じた時に引き起こされることもある。それら以外の原因で起こることもあるがレアなケースだ。
現状、璃玖の小ぶりなおちんちんは触れられてもいない。この状況下でレアケースに該当することもまず在り得ない。ということは、彼は胸と尻穴を弄られることに興奮ないし、快感を感じているということだ。
「ねぇ、どっちで勃っちゃったの?胸、ケツ穴?」
「んふぅっ、んっ、んんっ、んふぅぅうっっ!!」
「布噛まされてんのに答えられるわけないじゃん」
もし猿轡をされていなかったとしても、男たちの問いに答える余裕は璃玖にはなかったであろう。彼は先程までとは段違いの快感に困惑しているのだから。
(なっ、んだ、これぇ……?さっきより、やべぇ………!!)
勃起という自分が快楽を得ていたことの確かな証拠を突き付けられたことで、璃玖は快感を否定出来なくなってしまった。気持ちよくなっていると認めるしかなかった。感じていることを受け入れざるを得なかった。
かくして拒絶という枷を外された璃玖の身体は、全ての快感を率直に脳髄に送り込むようになり、彼は押し寄せる快楽の想定外の強さに翻弄されているのであった。
0299魔法少女フロンティーア・下巻〜Chapter1〜2024/03/20(水) 22:11:44.37ID:YwJD/2Tf
「うっわ、ひっど。スマホ片手にアナル弄ってるとか」
「ちげーよ、男が感じるとこ調べてんだよ」
「あー、あったな。前立腺だっけ?」
「それそれ。第二間接くらい?ここか?」
「んひっ!?ひっ、んふぅぅううんんっ!!」
腹側の腸壁を眼鏡の指がぐっと強く押してきた。瞬間、チンポの根元辺りにビリビリとした感覚が奔り、璃玖は背を反らしながら一際高い声を上げた。
「お、当たりじゃね?」
「よし、覚えた。ここだ」
「ふぅんっ、ううう……っ、ふぅうんっ!!」
母体化の影響で肉悦に敏感になっている璃玖の身体は、未開発の前立腺であっても十分すぎるほど快楽を生じさせていた。
チンポを扱いて射精する時の快感とは違う、フロンティーアになって犯されていた時に感じていた快感とよく似た気持ちよさが璃玖を苛む。
「うわ〜、我慢汁ドバドバ出てんな」
「めっちゃスケベだよこの子。乳首もガッチガチだし」
「感じまくってるみたいだし、もうこれも外しちまおう」
「……ぷぁっ、あっ、あんっ、あ、はぅぅううんっっ!!」
猿轡から解放された璃玖の口から漏れ出ているのは快感に蕩け切った甘い嬌声。前立腺責めの快楽は彼の中でどんどん広がっていき、腰から腹にかけて熱い疼きを齎している。
「ああああっ!あっ、あっ、あっ、やだ、やだっ、それやだぁっ!!」
「目も潤んじゃって感じまくりだねぇ」
「いい表情してくれるじゃん。撮れ高ばっちし」
「アナルめっちゃ締め付けてくる。これもうすぐイクわ」
快感の荒波に翻弄され、璃玖は幼児のような言い方しか出来なくなっていた。そんな彼の叫びに男たちは耳を貸すこともなく高みまで追い詰めようと責め続ける。快感から逃れようと身をよじるも、悦楽の波は指先まで広がっており、璃玖の逃げ場はもうどこにもなかった。
いつの間にか乳首の感覚と前立腺の感覚とが繋がってしまったようで、胸への刺激すら前立腺快楽の一助となり、両手の先すら甘く痺れてきている。
「ああああっ、やっ、やだ、なんか、くるっ、きちゃうぅぅっっ!!」
「いいぞ、そのままイッちまえよ」
遂に甘い痺れが脳天にまで達し、璃玖の身体がブルブルと戦慄く。腸内で蠢く指が刺激しているその一点がギュッと窄まるような感覚が彼を襲い、次の瞬間一気に弾け飛んだ。
「……はっ、ああああ、ああ、はぁおぉおおおおぉおおおっっっ!!!?」
「お、イッたイッた!」
絶頂へと追い詰められた璃玖は、背を大きく仰け反らせながら吼えた。凄まじい快感に全身が歓喜に震え、強すぎる快楽に脳が蕩けてゆく。
「ふぁあああっ、あっ、あああっ、あ、はぁああああっっ!!」
「……すげぇな、まだイッてるよ」
璃玖が体感しているこの絶頂は、男の絶頂である射精とは違っていた。一瞬で終わることない喜悦に翻弄され、彼は目を大きく見開いたまま、獣のように叫び声を上げ続ける。
「はぁあああっ、くふぅぅう……っ、あ、あああ……、あっ、はぁ……あ……ああ……」
漸く高みから降りて来られた璃玖は、荒い息を吐きながらガックリと項垂れた。一体どれ程の時間が経っていたのか、十秒に満たないくらいだったのか、数分に及んだものだったのか、理性を焼き切ってしまいそうな程の快楽に翻弄されていた彼にはわからなかった。
「へぇ、男も女みてーにイクんだな……」
「やっべ、すっげーエロいじゃん……」
(い、イッちゃっ、た……、女に、なってるとき、みたいに……)
男たちの言う通り、彼が味わっていたのは射精時に感じる絶頂ではなく、変身中にヴァディーに犯され感じさせられた女の絶頂であった。それを母体化によって女性化しつつあるとはいえ、男のままで味わってしまったことに璃玖は戸惑い怯えた。
何より、少し前まで腹の中で煮え滾っていた理不尽や男たちへの怒り、跡形もなく消滅させられることへの恐怖などのあらゆる感情が、前立腺絶頂が齎す甘い多幸感に押し流されそうになっていることが恐ろしかった。
「……次、俺にもやらせてくれよ」
「ああ、いいぞ」
そんな璃玖の心の内を知る由もない男たちは、彼の痴態をもっと見たいと下卑た笑みを浮かべながら目覚めたばかりの前立腺を容赦なく責め立てようとしていた。
0300魔法少女フロンティーア・下巻〜Chapter1〜2024/03/20(水) 22:13:55.35ID:YwJD/2Tf
* * *

「―――うぁっ、あ、あはぁぁあああ……っっ!!」
六度目の前立腺刺激に強い絶頂に璃玖は哭いた。小さい絶頂を含めればもう何度達せられたのかはわからない。全身の毛穴から噴き出した汗に濡れ光る肌は朱に染め上げられ、火照りきっている。
「……これで一人二周回ったか」
「うは〜、もうケツ穴も顔もトロットロじゃん」
璃玖のアナルから抜かれた指は二本に増えていた。男たちの言う通り尻穴はトロトロに解れきっている。そして、彼の顔もまた快楽に蕩けており、涙や涎でぐちゃぐちゃのだらしのない顔になっていた。
(だるぅ……、なんだ、これ……)
それは、彼が初めて味わった女の絶頂後の倦怠感であった。フロンティーアになっているときは絶頂後にヴァディーが淫毒を出し、それを吸収して逆転劇が始まっていた。絶頂イコール反撃の合図だったので、身体が怠いなんてことは今まで一度も無かったのだ。
射精後の賢者タイムとはまるで違っていた。妙に冷静になったり、性欲が急激になくなったり興奮が一気に冷めることもない。それどころか、璃玖の下腹部はまだ何かを欲してじくじくと疼いていた。
(射精したい……?いや、違う……、なんだ、この)
「おっぱいも大分こなれたみたいだぜ。ほら」
「んひゃうぅぅ……っ!あっ、ああっ……」
散々揉まれ捏ね回された乳房、吸われ舐め回された乳首は快楽器官として完全に覚醒し、与えられる刺激に敏感過ぎるほどに反応し、溢れ出る快感に璃玖は思考能力を奪われてしまう。
求道者と呼ばれる者たちが目指す頂きの一つ、乳首でのメスイキ。璃玖の身体はその高みをこの僅かな間で制覇してしまったようだ。
乳房や乳首を弄られれば尻穴の奥の前立腺が疼き出し、前立腺を刺激されれば乳首が寂しいと固く尖り出す。どっちを責められてもどっちも気持ち良くなってしまう、どうしようもない淫乱な身体になってしまっていた。
「……しっかし、ちんちん扱いたりしてやったのに結局射精しなかったなコイツ」
「身も心もすっかり女の子なんだろ?女の子は射精なんてしないわ、なんてな」
「女じゃ、ない……」
指で何回もメスイキさせられていた璃玖だが、その小ぶりなペニスから先走り以外が出てくることは無かった。頭でどれだけ否定しても、自分はもう男ではないと己の身体から突き付けられているようで、彼の自尊心を酷く苦しめていた。
0301魔法少女フロンティーア・下巻〜Chapter1〜2024/03/20(水) 22:15:43.30ID:YwJD/2Tf
「もういいだろ。全部外そうぜ」
「そうだな」
手錠とガムテが外される。固定されていた腕や脚が縛りから解放され、血が駆け巡る感覚が璃玖の頭に伝わってくる。されど、暫く同じ体勢だったせいか軽く痺れているようで、すぐには動かせそうになかった。
(とにかく、逃げよう……。こっから離れないと……)
「おっと、それで逃げてるつもりかよ」
「や、やぁだぁ!もうやめて、やめてよぉ!!」
もう反抗心はほとんどなくなっていた。とにかく逃げ出したかった。この場にいては男としての自己肯定感を根刮ぎ奪われそうだった。しかし、逃げようとするも何度もメスイキさせられた璃玖の身体は消耗しており、僅かに身を捩るのが精一杯の有様。
「さっきは蹴りかましてくるくらいだったのに、大分しおらしくなっちゃって」
「いやいや、イキまくって疲れてるんだろ」
「これからが本番なのに、今から疲れてたら大変だよ〜?」
チャラ男の方からからカチャカチャと音がする。ベルトを外しているのだ。その行動の意味することを悟った璃玖は抵抗を試みるも眼鏡の男に簡単に抑えつけられてしまう。余りの情けなさと、これから起きる出来事への恐怖に彼の身体が小さく震える。
「よーく見とけよ、これがお前を本物の女にするチンポだ」
「ははっ、なんだそれ」
固く勃起したチャラ男のチンポが璃玖の眼前に突き付けられた。同級生のチンポやAV男優のものは見たことがあったが、他人の勃起したチンポを間近で見るのは初めてだった。凄まじい嫌悪感を璃玖は感じていた。
(くっ、くっせぇ……!これ、俺でこうなったのか?男が男に興奮するなんてどうかしてる……)
しかし、何故か璃玖はチャラ男チンポから目を離せなかった。自身に起きている異常事態に少なからず混乱しているせいか、それとも何度もメスイキさせられた身体が発情したメスのようにオスを求めてしまっているとでもいうのだろうか。
「はは、欲しくてたまらないって顔してるぜ」
「やっぱり男を誘うためにそんな身体にしたんだな」
「そ、そんなわけ……」
「上の口は素直じゃないねぇ……」
ニヤニヤと嗤う男たち。情けないやら悔しいやら、様々な感情がどんどんと溢れてきた璃玖の瞳には涙が浮かんでいた。
「瞳が潤んできたねぇ?下のお口はどうかな、っと」
「やっ、やめろ!」
「え〜、これで本気?抵抗する気ねーじゃん」
「あー、あれか。無理矢理やられるシチュに興奮するタイプ?」
両太腿の裏にチャラ男の手が差し込まれる。その先のことを察して必死の抵抗を見せた璃玖だが、あっという間に大股開きにさせられてしまった。
「お〜、エッロ!ひくついて誘ってやがる!」
「ぐぅぅ……っ!そんなわけ、ない!!」
「やっぱりドスケベなんだなこいつ。早く入れてやれよ」
「ああ、こいつは待たせちゃ悪いな」
カメラのレンズが璃玖の矮小なペニスの下に向けられ、手際よくコンドームをつけたチャラ男の男根が璃玖の尻穴に押し付けられている光景が撮影される。ゴム越しでさえ火傷してしまいそうなほどの熱さを彼は否応なく感じさせられていた。
0302魔法少女フロンティーア・下巻〜Chapter1〜2024/03/20(水) 22:18:51.22ID:YwJD/2Tf
「ほら、先っぽが入っちゃうぞ〜」
「や、やだ!やだやだやだやだぁ!!」
「くくく、チンポでお尻を犯される瞬間をバッチリ撮ってあげるからね」
指よりも熱く固い亀頭が肛内に侵入して来そうになり、璃玖の拒絶の意志が一層強くなる。全身をバタバタと動かすも大の男二人を跳ね除けられる程の力は今の彼には発揮できなかった。かくして璃玖のアナルは彼の意志に反して拡張されていくのであった。
「はっ……!ひぐっ、はあああ……っ!!」
(は、入ってくる……、熱くて、でっかい肉の塊で……、お尻の中、満たされて……!)
「おお……!入口の締め付けはヤベーのに、中トッロトロであっつ……!!」
肛肉を野太い亀頭が割り開いていく。ヴァディーとはまた違う質感と熱さを持つ肉棒が、性欲に脈打ちながら己の体内に侵入してくる感覚、男に犯されるという感覚に璃玖は吐き気を催すほどの嫌悪感と、理性が痺れそうな快美感に襲われた。
「おお、まるでチンポを待ってたみたいに吸い付いてくるぜぇ……」
「い、いやぁ……、チンポいや、いやだぁ……」
「いやいや言ってるけど、顔蕩けてんぞ」
長時間男たちの玩具にされ続けたアナルはすっかり解れきっており、異物挿入による痛みは全くなく、寧ろ何とも言えない心地良さを齎してくる。最早璃玖の中で肛門性交を拒んでいるのは理性だけであった。
快楽を拒否する心と受容する体。上の口は拒否する心に従って何とか拒絶の声を上げたが、下の口は受容する体の一部としてちゅっちゅっと亀頭を愛撫する。
「じゃ、動くぞ。さーて、男のケツ穴ってどんなもんかね?」
「ふみゃぁあああっ!?あふっ、ふぅぅっ、……うぅんっ!」
心だけが男に犯される嫌悪と恐怖を感じ、高揚と快楽を拒絶していた。しかし、ああしかし、彼の蕩けた尻穴は排泄の悦びを、蹂躙されている直腸は被虐の悦びを、そして、目覚めてしまった前立腺は肛交の悦びを謳っている。
そう、彼の意思に反して彼の肉体はアナルセックスの快感に溺れてしまっていた。
無理もあるまい。璃玖自身は知らなくても彼の身体、そして、本能はとっくの昔にアナルを犯される快感に目覚めてしまっていたのだから。
ヴァディーとの戦いにおいて、奴らとの性交は避けては通れない。故にフロンセッターにはフロンティーアが触手プレイの快楽に溺れることがないよう精神を制御して快感を抑制する機能が付いている。そして、戦闘終了時には身体を元に戻す機能も備えている。
だが、フロンセッターは所詮試作機である。ヴァディーの精液の完全変換・無力化が出来ないように、幾らリセットしようとも、快楽を抑えつけようとも、魂の奥底に刻まれた快感の虚ろなる記憶を消し去ることは出来なかったのだ。
そしてまた、フロンセッターの快感抑制機能はフロンティーアに変身した上でヴァディーに対してだけ効果を発揮するものであり、普段の状態の璃玖がこの瞬間に感じているアナルセックスの快楽を制御することはない。
「いいぞっ!このケツ穴のハメ心地、最高だっ!」
「あああっ、はぁああんっ!や、やめてっ、あっ、はぁあああっっ!!」
かくして璃玖は男に犯されている事実に絶望に沈む心に待ち望んでいた肉棒を受け入れて歓喜に打ち震える体という精神と肉体が相反する状態に追い込まれていた。
また、人が陥る依存症は快楽によるものがその殆どであるように、兎角人間というものは快楽に弱い。璃玖の理性は次第にアナルセックスの快感の怒涛に押し返され呑み込まれ翻弄され始めていた。
0303魔法少女フロンティーア・下巻〜Chapter1〜2024/03/20(水) 22:20:12.13ID:YwJD/2Tf
「んはぁっ、あっ、ああっ、チンポやだっ!ぬいてっ、ぬいてぇぇええ〜〜っ!!」
「言われなくても、このアツアツでトロトロのマンコでたっぷり抜かせてもらうし!」
「ちっ、ちが、そうじゃなくてぇっ、んひぃっ!?ま、まんこでもないぃっ!いひぃいいいっ!!」
抑制されていない肛門性交の悦楽は彼の理性にとって未知数の事柄であり対策が取れる筈もなく微々たる抵抗しか出来なかった。
ヴァディーに犯されている時に感じていた女の、メスの快楽の虚ろな記憶を鮮明に思い出しつつある璃玖の身体は、肛門性交の悦楽に酔い痴れ、括約筋でぎゅうぎゅうと肉棒を締め付けつつ、腸肉をぐねぐねと動かしながら亀頭を愛撫している。
「いや、もうこれマンコだよ!お前だってチンポ入れられて気持ちいいんだろ!」
「まんこじゃっ、まんこじゃないよっ、ほぉおおおっ!!?」
「めっちゃ感じまくってんじゃん。エロ過ぎるって」
「だな。下手すりゃそこらの女よりもエロいってすげぇなコイツ」
窄まったアナルを抉じ開けられ、穿り返され、引きずり出される。その度に息が詰まりそうな苦しさとたまらない快感が璃玖の脳天まで響いてくる。肛門が異物を排泄しようと独りでに蠢くもそれはかなわず、ただ男根を気持ちよくさせるだけであった。
「ひぁああっ、ああっ!ふみゃぁぁああっ、あぁん……っ!!」
散々嬲られ火照らされて発情仕切った璃玖の身体は最早理性の制御を外れ、尻穴の奥から背筋を駆け上がり脳髄を痺れさせる肛悦に甘く蕩けた声を漏らしてしまうのを抑えようともしない。
当然自身を犯している男への抵抗も一気に弱まり、受け入れたくなくて拒否し続けていた快感を受け止めざるを得なかった。
「あぁっ、んぁぁっ、あああっ!あんっ、あんあんあんっ、あはぁぁぁっ!!も、いや、ややだっ、やだぁああっ!!」
「嫌だぁ?そうか、こんな手加減したあまっちょろいピストンじゃ物足りなくって嫌だってか?」
「ちがっ、そうじゃなっ、あっ、いやっ!だ、だめっ!これいじょ、はげしくなんてへぇぇええっ!!?」
濡れた嬌声に押されながらも辛うじて紡ぎ出した拒絶の言葉は、男の手前勝手な解釈でその意味を全く違うものに変えられてしまう。
「キュンキュン締め付けてきてるな。お望み通り激しくピストンしてやるよ!」
「お、おっおっ、おほぉぉぉっ!くはっ、あ、あぁぁああぁぁあっっ!!」
より一層激しくなった男根の抽挿に身も心も何処か遠くに飛ばされてしまいそうに感じられ、璃玖は思わず敷かれていたシートを鷲掴む。
0304魔法少女フロンティーア・下巻〜Chapter1〜2024/03/20(水) 22:24:26.82ID:YwJD/2Tf
「くひっ、ひっ、ひはぁっ、ああっ、あっ、あはぁああんっ!!」
ゆっくりとした抽挿でさえ堪らなく気持ち良かったというのに、腰を強く尻肉に打ち付けられ、野太いペニスを根元まで挿入され、腸壁を撫で上げながら勢いよく引き抜かれてしまえば、最早溢れ出る悦びの声を抑えることなど璃玖には不可能だった。
「あああっ、あっ、んはぁっ、す、すごいっ、ああっ、はぁぁん!んあああっっ!!」
足のつま先から髪の毛の先端まで璃玖の身体は快楽で甘く痺れ、男根を体内に受け入れることへの拒絶の意志は彼の心から疾うに消えていた。ただただ、快感に身を委ね善がり声を上げるばかりだった。
「お前ン中もすっげぇぞ?めっちゃウネウネしてるし、これもうチンポ突っ込むための穴だろ……!」
「ち、ちがっ、あ、あぁんっ!あっ、ああっ、はぁあああ……っっ!!」
雁首が腸壁を擦り上げながら侵入し、掻き毟るように後退していく。指で散々弄ばれた時よりもはるかに強い快感に、璃玖は半開きの口から甘い吐息を漏らし視線を中空に躍らせる。
チャラ男も璃玖のアナルが齎す快感をより味わおうと腰の動きを更に加速させる。
「認めろよ!お前も気持ちいいんだろ?なぁ、なぁっ!」
「はぅぅううんっ、うっ、ふぅぅ……!き、きもちよくなんかぁ……、ああっ!」
「何言ってんの、カメラに写ってるの完全なトロ顔よ?股の緩いビッチみてーな顔よ?」
運転手の男の言う通り、唇の端から涎を垂らし瞳を潤ませながら喘ぐ璃玖のその表情は、快楽に蕩けきったメスの貌である。そして、大股開きでケツ穴に肉棒を咥え込んで乳房を揺らす彼の身体もまたメスそのものであった。
「なぁ?どっちのが好き?浅いところを責められるのかぁ……」
「んぐっ、くっ、ふぅっ、ふぅぅんっ!ふぁぁっ、あはぁあんっ……!!」
「はいはい、なるほどなるほど。じゃあ、奥の方はっ!」
「んほぉっ、おっ、おはぁっ!あっ、あっ、あひっ、ひぃぃ〜〜〜〜っ!!」
アナルの浅いところと奥の方、そのどちらも堪らない気持ちよさを脳髄に叩き込んでくる。どちらが良いかなどと選べるほどの余裕は、璃玖にはなかった。
「どっちも好きかぁ!でも、一番好きなのはさぁ……、ここだろ!」
「ひぎぃぃぃぃっっ!?くぁっ、あ、はぁぁあああああ〜〜〜〜〜〜っっ!!!」
璃玖の淫らな反応を楽しみつつ、男は亀頭を斜め上に突き上げて腹側の腸壁ごと前立腺を刺激した。より強烈な快感が稲妻のように走り抜け、璃玖は雄叫びを上げながら背筋を大きく反らせた。
「めっちゃいい反応。大当たりってな」
「んはぁああっ、あ、ああっ……、だ、だめぇ……、そ、そこは、だめぇ……」
「ん?なんで駄目なの?教えてくれないともっと擦っちゃうよ?」
「ふぁぁぁっ!んぐっ、あ、あぁぁ…… はぅっ、う、くぁぁぁぁんっ!!」
どうして駄目なのか、男たちには分かっていた。璃玖もまた男たちが理解した上であえて璃玖自身に言わせようとしているのを分かっていた。そして、最後には結局駄目な理由を言わされてしまうだろうということも。
「もう一回だけ聞くよ?どうして前立腺責めちゃ駄目なの?」
「そ、それはぁ……」
チャラ男は腰の動きを止めていた。璃玖が言うまで待つつもりなのだろう。腸奥の疼きがじわじわと強まっていき、彼は無意識に自ら尻を揺らしてしまっている。
回答を拒んだところで結果は変わらないことを彼自身理解していた。それでも璃玖の中のオスとしてのプライドが、その言葉を発することを最後の最後まで躊躇わせた。
0305魔法少女フロンティーア・下巻〜Chapter1〜2024/03/20(水) 22:26:06.46ID:YwJD/2Tf
「……はい、時間切れ。前立腺ガン責め決定な」
「ひぁあああっ!?あっ、あぁん、ふぁぁああっっ!?やめっ、やめてぇ!言うっ!言うからぁっ!!」
痺れを切らした男が璃玖の前立腺を抉り上げた。心地良い穴の中に肉棒を突っ込んでおきながら何時までも大人しくしていられるほど彼は我慢強くはなかった。焦らされていたのは璃玖だけではなかったのだ。
「今更遅いけど一応聞いてあげるね?なんで駄目だったの?」
「ふぅんっ、んっ、ふぅぅ……っ!きっ、きもちいいから、だめなのぉっ!」
「気持ち良いんならいいじゃん。もっと楽しみなよ!」
「おっほぉおおおお〜〜〜っっ!!?」
璃玖の言葉通り、気持ち良いなら拒む理由は殆どない。それが麻薬や法に触れるようなものでもない限りは。されど、彼は拒みたかった。何故ならこの快楽は璃玖にとって麻薬以上に危険なものだったからだ。
「あぐっ、うっ、うぅんっ!だ、だめなの、このきもちっ、い、いいの、だめなのぉ……!」
「ああ、そりゃ女みたいに気持ちよくなったら男としちゃ駄目だわな」
「でも大丈夫だよ、君はもう女の子だから」
「やっ、やぁだぁっ!お、おんなのこ、じゃないっ!おんなのこ、やぁああっ!」
璃玖のアイデンティティの根幹には自分が男だという意識がある。だからこそ、自身のオスを擦り潰してしまいそうなこの危険なメスの快楽を受け入れたくは無かった。
しかし、彼の身体はメスになることを望んでいるかのようだった。腸肉はうねりながら男根に媚び諂い、肛襞は自身の中で暴れる肉棒を愛おしむかのように纏わり付いている。
「チンポ突っ込まれて悦んでるんだから、君はもう立派な女の子だって」
「この穴ももうケツ穴じゃねぇって、マンコだよ、マンコ!」
「ま、まんこじゃなっ、いひぃいいいっ!?こ、これ、うっ、うんこするあなっ、あっ、あぁん!お、おれっ、おんなじゃなひぃぃいんっっ!!?」
璃玖の熱烈な愛撫に応えるように、チャラ男が野太いチンポで彼の腸内を掻き回す。その悦びに打ち震える様は、幾ら言葉で否定しようともオスに犯されて咽び泣くメスの姿であった。
「女じゃない?揉まれて気持ち良くなるおっぱいもあるのに?」
「んひぃぃぃいいっ!?ち、ちんぽ!ちんぽあるからっ、あんっ、あはぁぁん!んぁああああっっっ!!!」
「いや、多様性の時代だし、チンポついた女の子だっているだろ、うん」
「そんなわけなっ、ひっ、ひぃぃっ、ふくぅぅううううんっっっ!!!」
璃玖自身も心のどこかで淫らなメスが目覚めつつあるのを感じていた。故に、必死になって喘ぎ交じりの否定の言葉を紡ぎ出して抗っているのだ。だが、そんな彼の抵抗を後押ししてくれるものは何一つ存在しなかった。
0306魔法少女フロンティーア・下巻〜Chapter1〜2024/03/20(水) 22:31:43.98ID:YwJD/2Tf
「おおっ、いいぞっ……!あーっ、たまんねぇ、お前のマンコまじ気持ちいいわ……!」
「はんっ、あぁぁっ、あ、はぁぁんっ!は、はげしっ、い、いぎぃっ!?あっ、あぁん!あはぁああんっっ!!」
荒い息を吐き出しながら、獣欲の赴くままに腸奥まで打ちこまれる男根。フロンティーアとして戦う内に望まずも慣れ親しんだ女の絶頂が近付いていることを感じ取った璃玖の身体がぶるぶると痙攣し始めた。
「はぁぁっ、あっ、うそっ、うそだっ、んっ、んんっ!はひぃ、ひっ、ひぅぅうううぅぅうっ!!」
蕩けきった腸内を埋め尽くす熱さと固さを併せ持った太くて大きい肉棒に、強く喰い締めた肛門を捲り返され、火照り切った直腸粘膜を掻き回され、うねうねと蠢く肛肉を突き解され、身体を内側から擦り潰されるかのように蹂躙される璃玖。
それでも尚、彼は腸襞を淫らに、そして妖しく蠕動させながら、腸肉に力を込めて、直腸奥まで己を貫くチンポを優しく包み込みつつも、強く締め付けて絞り上げ、溢れる先走りを舐めしゃぶる。
「はぁぁぁあっ!ど、どうしてぇ、からだ、いうことっ、き、きかないぃっ!か、かってにぎゅうって、おしり、ぎゅううううっってぇっっ!!!」 
絶頂に導いて欲しいとおねだりするように璃玖のアナルがチンポに吸い付く。射精の熱い迸りを受け止めたいと訴えてくるその動きに応えるように、男は唸り声を上げながら璃玖の前立腺を膨らんだ亀頭で掻き抉る。
余りに強い肛門快楽を受けて、璃玖の頭の中が徐々に白く塗り潰されて行く。女の絶頂は、メスイキはもう彼の目の前まで迫っていた。
「ほら、ここだろ!ここがいいんだろ!お前が感じるところはここなんだろ!!」
「んぉおおっ!?おほぉぉおおおっっ!!いくっ、うぅっ、んふうぅっ……!!あ、やっ、いやぁああっ!きちゃ、きちゃふぅううううんんっっっ!!!!」
「よーしよし、俺もそろそろ限界っぽいし、思いっ切りマンコの弱点突きまくってやるからな!」
逞しい男根が前立腺を掻き毟る度に、璃玖の肛肉が悦びに狂ったように蠢く。さらに乳房を乱暴に揉み上げられ、乳首を捏ね回された彼の喉からは、甘ったるく蕩けたメスの嬌声を漏れ出した。
乳責めの快楽まで与えられてますます強くなった尻穴の締め付けを味わいながら、男は菊門を抉じ上け、張りに満ちた尻肉に腰を激しく打ち付ける。
いよいよ肛門絶頂の崖っぷちに追い詰められた璃玖のアナルは男と共に頂きまで達しようと、柔らかく蕩けた肛襞で肉棒を情熱的に扱き上げた。
0307魔法少女フロンティーア・下巻〜Chapter1〜2024/03/20(水) 22:40:30.81ID:YwJD/2Tf
「うぐっ、ぐぅぅっ……!やっべ、お前のケツ穴すっげぇな……!めっちゃいいマンコだぞっ……!!」
「ふぎゅっ!?んぐぅぅぅっ……!くはっ、あ、や、うそっ、これイク、イクのっ?やっ、やだっ、やだ、やだやだやだやだぁ!あっ、イクッ!?うぅっ、うあぁっ、あぁん!イクッ、イグッ、イッグゥゥウウウウ〜〜〜〜〜〜ッッ!!!」
しかし、二人が同時に達することは無く、璃玖だけが蕩け切った甘ったるいイキ声を上げながらアナルアクメを極めた。
アナルの疼きと渇きを癒すようなメスの悦楽が璃玖の全身を余すことなく焼き尽くしていく。
璃玖の脳内では肛門快楽の火花が弾け、その肛内ではメスイキの快楽に痙攣する腸肉が男根を根元から搾り上げつつ、柔らかな直腸粘膜で優しく揉み解しながら射精を懇願していた。
その浅ましさに遂に男も限界を迎え、鈴口を璃玖の最奥に強く押し付ける。
「くぅぅっ、俺も出ちまう!ああっ、出る出る出るっ……!ううっ!ぐぅぅううっ!!」
肉棒が一際大きく脈打つと同時に白く濁ったオスの肉欲の塊が弾け飛んだ。濃厚な子種汁がゴム越しに直腸粘膜に叩き付けられる。
それも一度では終わらず、何度も何度もチンポから撃ち出され、璃玖は更に深いアナルアクメに耽溺していく。
「あぁんっ、あ、はぁぁ……っ!あっ、はぁん……、あっ、ああっ……、あっはぁぁんっ!やらっ、まらイグ、イグゥッ……!イッ、イクッ、イグイグッ!?イッくゥゥウウウンッッ……!!!」
「ううっ、くそっ、まだ搾り取ってきやがるっ!うっ、ううっ……!!」
チャラ男は見目麗しい美少女にしか見えないとはいえ、同性である男の腸内に精子を排泄する未知の快楽に狂っていた。
聞き苦しい呻き声を幾度も漏らしながら、ドロドロのザーメンをチンポの先から放出し、射精快楽に浸っている。
璃玖もまた腸奥にオスの欲望の権化を何度も叩き込まれ、前立腺を抉り上げられ、肛門快楽の底無し沼に何処までも深く沈んで行って、何時収まるかもわからぬアナルアクメに身悶えた。
0308魔法少女フロンティーア・下巻〜Chapter1〜2024/03/20(水) 22:41:13.57ID:YwJD/2Tf
(―――あ……)
小振りながらも勃起していた璃玖のペニスからとろりと濃厚な白濁汁が漏れていた。それは射精とは到底呼べない、精子をとろとろと垂れ流す言わば漏精といったところだろうか。
しかし、それでも璃玖にとっては救いだった。女の子に射精は出来ない。つまり自分は女の子ではない。それが証明できたと。
(……良かった、俺、射精してる。俺まだ、男だ……)
「お、白いのが出てる。射精か?」
「おいおい、射精ってのはもっと勢いよく出るもんだ。これはどう見たって違うだろ?」
「こりゃあれだ、女が出す本気汁ってやつだな。君はやっぱり女の子だね」
確かにそれは男としての絶頂では決してない。アナルを男根で穿り回されて極めた肛悦絶頂、メスイキの結果であり、ただ精子を情けなく垂れ流すだけで男らしさの欠片もない無様なで惨めなザーメンのお漏らしだった。
(そうだよ、なんでこんなんで喜んでんだよ。これは男にケツを掘られて、それで気持ちよくなって……)
何かがおかしかった。
しかし、正しかった。
(きもちよくなって……?)
何かがポッキリと折れた音がして、何故だか無性に悲しくて、何故だか無暗に虚しくて、何故だか矢鱈に可笑しくて。
「……あはっ」
璃玖は笑った。
0309魔法少女フロンティーア・下巻〜Chapter1〜2024/03/23(土) 20:37:50.05ID:s7IxjYQO
「……ふぅぅ、めっちゃ出たわ。すげーぞこいつのマンコ」
「うぅわマジかよ、そのコンドーム妊娠してんじゃね?」
「はぁ……」
璃玖の腸内から抜け出てきたチャラ男のチンポに着けられていたコンドームの先端は大量の精液で膨らんでいた。それを見た彼の中に得体の知れない達成感が湧き出てきた。
「じゃ、次俺ね」
「うーい」
「あ……」
璃玖を抑えていた眼鏡をかけた男とチャラチャラした男が入れ替わる。その瞬間拘束から解放されたというのに、彼はチャラ男が無造作に捨てた使用済みゴムから目を離せないでいた。
眼鏡の男がベルトを外してズボンをずり下すと、凶悪な形をした肉棒が顔を出した。先程の璃玖の艶姿に煽られたのか固く屹立し、雄々しく天を衝いている。
自分が彼を酷く興奮させ、男根をあそこまで太く大きくさせた。その事実に璃玖は戸惑いつつも、心の何処かで僅かながら喜びを感じていた。
「さてさて……」
「ん……」
「おぉ?」
璃玖は自身の行動に驚いた。眼鏡の男が肉棒にコンドームを装着し終えた直後、まるでそれを受け入れるかのように閉じていた脚を自ら開いてしまったのだ。
(あれ、俺、なんで……?)
「君もまだまだセックスしたいんだね?それな、ら!」
「おほぉぉおおおっっ!!?」
どうして自分からそんなことをしてしまったのか、その答えを出せない内に男の肉棒がアナルを押し広げて腸内へと侵入してきた。その快感に璃玖の思考はあっさりと吹き飛ばされてしまった。
「おっ、今挿れられただけでイッちゃったの?めっちゃエロいね!」
「う、あ、ああっ!ああっ、あぅんっ、くはぁあああ……っっ!!」
男は璃玖の腰を鷲掴むと、絶頂に達し痙攣する璃玖の腸内を蹂躙し始めた。張り出た亀頭が前立腺を掻き毟り、再び少年を少女に変えてしまう。
先程璃玖のアナルを指で散々に弄り倒して哭かせた時に学習した彼の弱点を、眼鏡チンポは的確に抉り、淫らに蠢く肛肉や腸襞を手懐けていく。
「ほら、ちゅーしよ、ちゅー」
「……んぁっ?あっ、んちゅ、ちゅっ、ふむぅん……!?」
璃玖の顔に眼鏡男の顔が近付くも、彼はぼんやりとした虚ろな目で男を見つめるだけで何の反応も見せずに、舌による口内の蹂躙を受け入れた。
少女のような少年の、その小振りな舌に眼鏡の男の舌が蛞蝓の交尾のように絡み付き、粘着質な水音を立てながら唾液を啜られ、吐息までも貪られる。
(あれ、どうして俺……)
「んふ、かわいいねぇ?キス好き?」
(あ、そうか。たぶん、ていこうしてもむだだから、はやくおわらせようとしてるんだ……)
肛悦の荒波に呑み込まれ、靄のかかった思考で璃玖は一連の自身の不可思議な行動に無理矢理答えを出した。真実から目を逸らし、耳を塞ぎながら。
「ほら、もっと舌絡めて?唾液交換しよ?」
「れろっ、んちゅ、ちゅちゅちゅ……、ぺろ、れろれろれろ……」
(ああ、そういえばファーストキスだったな)
男に尻穴を犯されながら奪われたファーストキス。しかし、腸奥から押し寄せる快楽は璃玖にその事実に何事か感じ入る僅かな時間も与えてはくれない。
0310魔法少女フロンティーア・下巻〜Chapter1〜2024/03/23(土) 20:39:50.07ID:s7IxjYQO
「ふぁああっ、あぁぁあんっっ!!あっ、あぁん!あっ、あ、んぁぁあ……っっ!!!
肉棒が前後する毎に前立腺を虐めてくる。その度に強烈な快感が璃玖の下腹の奥から背筋を駆け抜けて脳天まで突き抜けていく。
「ひぁぁっ、あぁぁんっ!あ、あんっ、あん、あんっ、はぁぁっ……!」
乳房を大きく弾ませながら、肛内から込み上げてくるアナルセックスの快楽に身悶える璃玖。
腸液で濡れ光る直腸粘膜はチンポにむしゃぶりついて離れようとはしない。男を悦ばせようと必死になっているようだ。
「いやらしい貌だ。男に犯されるのがそんなに嬉しいのかい?」
「そうだよな?俺のチンポでそりゃもう気持ちよくイキまくったもんな?」
「そ、そんなっ、あっ、あん、あんっ、あぁん……!」
耳を舐めしゃぶられながら自身の痴態について囁かれ、璃玖は背筋をぞくぞくと震わせる。あらゆることで快感を感じてしまう程に彼の身体は敏感になっていた。
大きく開いた両脚の先端からシーツを握り締める両手の指先まで璃玖の身体は、肛門交尾の快感に戦慄いていた。オスの肉欲の捌け口にされるメスの悦びに打ち震えていた。
「ひぁあああっ!?あっ、はぅぅううんっ!!すっ、すごっ、おっ、おほぉぉおおおおっっ!!!」
「ははっ、気持ちよくってたまらないみたいだね。そんなに俺のチンポがいいの?」
「いやいや、俺の方が善がってたって。なぁ?」
「わっ、わかんなっ、あうっ、あっ、くっ、ふぅぅっ……!あっ、あんっ、はぁああああっ……!!」
野太いチンポが肛門を押し開く度に訪れる疑似排泄の快感、腸壁を擦り上げられる得も言われぬ心地よさ、抉り抜かれ押し潰された前立腺が齎す背徳的で倒錯的なメスの悦び。
最早自身を犯す男たちに成されるがままに弄ばれるしか無くなった璃玖は、自分からオスを奪い自尊心を磨り潰す危険な快楽に溺れ切っていた。
「ああっ、このマンコ最高!中の感触も締め付けも、チンポを気持ちよくさせるためにあるみたいだ!」
「ふぁぁああっ、ああっ!き、きもちいぃ、の?おれの、ケツあにゃっ!?あひっ、ひぃぃいいんっっ!!!」
「うん、めっちゃ気持ちいいよ……!」
「そっか……、あはっ、はぁん、あっ、はぁっ、ふみゅうううぅんっっ!!」
璃玖の心の中で男に犯される苦痛、屈辱、不快感に嫌悪感は薄らぎ始めていた。それどころかメスとして求められ、扱われることに仄かな幸せを感じ始めていた。
「あー、いいわ、このドスケベマンコめっちゃいいよ……!」
「ああっ、あはぁん、あんっ、んくぅぅ……っ!ああ、いやぁっ、はぁあああっっ!!」
肛門性交の心地よさをもっと味わおうと男がピストンをさらに激しくしてきた。アナルを尻肉を巻き込むように奥まで押し込まれ、腸壁が裏返りそうくらいに引き摺られる。
「へへっ、ぶるんぶるんと誘うように揺らしやがってよ」
「きゃふぅううっ!?さ、さそってなっ、あ、あふっ、はぁぁっ!あっ、くひぃぃいんっ!!」
ピストンの勢いで放埓に弾む乳房をチャラ男が鷲掴み、乱暴に揉み上げてきた。そして、たわわな膨らみの先端で固く尖っている乳首を扱き上げる。
フロンティーア時の虚憶と前戯で開発された乳頭と乳腺は璃玖の身体に痺れるような快楽電流を迸らせ、全身の性感を更に昂らせる。
「ふぁああっ、あぁぁあんっっ!!あはぁぁあっ、はぁぅうっ……!ん、んっ、んっはぁああっ!はぁああっ!!」
0311魔法少女フロンティーア・下巻〜Chapter1〜2024/03/23(土) 20:41:26.77ID:s7IxjYQO
「くっそ、これがホントに男かよ……、たまんねぇな」
匂い立つような璃玖の色香に中てられて、辛抱堪らなくなったのか撮影役だった運転手の男が片手で何とかベルトを外す。
「うし、舐めてよ」
カメラを落とさないようにしながらどうにかこうにかズボンも下ろし、男は勃起したチンポを璃玖の眼前に差し出す。
それを見た瞬間、霧散しかけていた男としての矜持が朧気ながら形を取り戻し、虚ろだった瞳が再び光を宿した。
(は?ふざけんな……!)
璃玖は大いに躊躇った。男に頭を掴まれて無理矢理咥えさせられるのではなく、自ら舐めろと言われているのだから。
男に組み伏せられて尻穴を犯され、ファーストキスも奪われた。しかし、どちらも男の方から仕掛けてきたことで璃玖の方から動いたわけではなかった。
自らの意志で男に屈することは越えてはいけない最後の一線であり、だからこそ璃玖は躊躇したのだ。
そう、拒絶ではなく躊躇。今現在も尻穴を野太い男根に穿たれ、メスの快楽に揺蕩う璃玖の心の片隅で目を覚ましつつある女が、眼前の剛直にどうしようもなく惹かれていた。
(……でも、どうせ、さいごにはむりやりやらされんだろうし)
それは真理であった。そして言い訳だった。本当に拒否しているのならば、その最後が訪れるまで逃げ続けるだろうに、璃玖はそれを諦めの理由にした。
「……ぺろ」
「おほっ、お前らちょっと止まれ!フェラの画撮るから」
恐る恐る舌を伸ばして亀頭の先端を舐め上げる。産まれた時から自身の股間に生えていて、慣れ親しんだチンポ。されど、一生知ることはないと思っていたその味はほろ苦くしょっぱかった。
「ちゅっ、ちゅちゅっ、ぺろ、ぺろぺろ……。あむ、れろっれろれろれろぉ……」
「うはっ、へったくそ……!でも、それが逆によかったりして」
不思議な味だった。男根は当然食べ物ではないので美味しいはずもないのだが何故だか璃玖の舌は止まらない。もっと、もっとと求めてしまうという奇妙な感覚を味わっていた。
「ぷはっ、ん……。はむ、ちゅるるっ、ちゅぴ、れるれる……」
「いいよいいよ、上目遣いでこっち見て」
舐めるだけでは何かが満たされなかったのだろうか、気が付けば璃玖は肉棒をしゃぶるだけではなく咥え込んでいた。自分がされることはあってもすることはないと思っていた性行為だった。
鈴口から溢れ出る先走りを舌先で救い取り、唇で肉竿を挟んで扱き上げ、唾液を肉棒全体にに塗り込んでいく。されてみたいと思っていたことを自らが行っているという現実に璃玖の頭はくらくらしていた。
「う〜ん、やっぱりへたくそでこりゃイケねぇわ。イラマの画は後で撮るからイカせちゃっていいよ」
「よしきた!」
「ほらほら、おっぱいでも気持ち良くなっちまえよ」
「ひぐぅぅっ!?あぐっ、あ、あっ!んぎぃぃぃっ!!ひぎぃぃぃいいっ!あぉぉおお……っ!!」
肛門蹂躙が再開され、璃玖の身体は歓喜の悲鳴を上げた。敏感にさせられた前立腺を亀頭で入念に押し潰され、狂おしさと甘い痺れが全身を満たしていく。
また、背後からは乳腺を滅茶苦茶に揉み解され無理矢理呼び起こされた快感を一気に弾けさせるように、乳首を強く摘み上げられる。
0312魔法少女フロンティーア・下巻〜Chapter1〜2024/03/23(土) 20:42:46.88ID:s7IxjYQO
「あぁんっ、あ、あはっ!んふっ、あむ、じゅるる…… んちゅっ、ちゅちゅちゅっ、ちゅううううう……!」
「あれ、まだフェラ続けんの?そんなにチンポ大好きになっちゃったのかな〜?」
二つの異なる快楽が複雑に絡まり合い、交じり合って璃玖の脳髄を痺れさせ、その総身を恍惚の悦楽に戦慄かせる。それでも彼は軟化に突き動かされるように懸命にフェラを続けようとする。
「結構余裕出てきた?じゃあ、飛ばすよ!」
「おっ、おぉっ!おほぉぉ……っ!!けっ、けじゅれっ、しりあなけじゅられてるぅっ!?ごっ、ごりごりぃ、ごりごりってぇぇっ!!?」
そう言うや否や、眼鏡の男が腸内を掘り返すかのように男根を引き抜き、雁首に肛門の内側が引っ掛かったところで、一気に埋め戻すという掘削作業の効率を上げた。
肉棒に前立腺を抉られ、直腸粘膜を掻き乱され、アナルを穿り回され、乳房と乳首を嬲られる。怒涛の勢いで迫る快楽の荒波に呑み込まれ、璃玖は善がり狂った。
尻穴で暴れ回る男根も、乳房を弄ぶ手もどちらも持ち主の気の赴くままに動き、緩急を付けたりしつこく同じ場所を責めたりと一定のリズムを刻むことはない。璃玖は一秒ごとに変化する快感の電流に翻弄され、咽び泣くことしかできなかった。
肉棒を舐めしゃぶるアナルの蠢きから璃玖の限界が近いことを悟った男は、彼を頂きへと至らせるべく腰を微調整して狙いを定めると、野太い亀頭を前立腺に強く突き立てた。
「もう限界だろ?先にイッちゃえよ、俺も後でお腹の中にたっぷりと射精してあげるからさ!」
「おっぱいも思いっきり潰してやるよ。飛びな!」
「あぁっ、あ、いっ、イクッ、イクッ!イクイクイクッ、イックゥゥウウッ!うぅっ、ふやぁぁああああんっっ!!!」
強烈な一撃を鋭敏な前立腺に喰らわされ、璃玖は瞬く間に甘美なメスイキを極めた。そこに乳虐の悦びの追い打ちを受け、脳味噌が溶け落ちてしまいそうな快楽と幸福感に少年は貌を蕩かしつつ善がり哭く。
男でありながらメスの弱点を苛め抜かれて自分よりも強いオスにイキ狂わされる倒錯のアクメ。璃玖はその甘さと激しさに意識を明滅させながら、彼の身体で唯一の男である勃起したペニスからは白濁汁を漏らしていた。
「イッたからって終わりじゃないよ!女の子なんだから俺のチンポ締め付けて精子を搾り取らなきゃダメだよ!!」
「はぅぅっ、うっ、ふぅぅうん……!わかったぁ、おしり、こう?うっ、うひぃっ!?い、イクッ、イクゥン!やぁ、やぁんっ!まらイグッ、イグ、イクゥゥゥウウッッ!!イクの、とまんないのぉ〜〜〜〜っっ!!!」
意識を半ば朦朧とさせながらも健気にアナルを締め付けようとする璃玖。腸肉を捏ね上げながら前立腺を掻き削り、肛奥まで貫く力強い肛道蹂躙を味わわされて、あえなく再びのメスイキを極めつつも括約筋に力を込める。
込み上げる射精感に爆発寸前の極太チンポと多重絶頂に震えながらも肉棒への愛撫を忘れぬ淫蕩アナル。その熱烈な奉仕を受けて男の剛直は遂に限界を迎え、激しく脈動して精巣から大量の子種を発射する準備を終えた。
「くっ……!お、おぉおおおっ、出るっ!出る出るっ、受け止めろよ……っ!うぐっ!!」
「ひゃはぁぁあああっ!あうっ!いやぁぁああああっ!!あはぁああんっっ!!!」
濃密な白濁汁をチンポが勢いよく、大量にぶちまける。その激しさはコンドームを突き破ってしまいそうな程で、どれほどの快楽を得ていたのかと、璃玖のアナルが相当な名器であることを雄弁に語っていた。
「あ、あぁんっ、あっ……!やぁん……、まらイク、イクッ、イクゥ……!ああ、あ、イクッ、イグイグイグッ、イグゥゥゥウウ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!!」
ゴム越しとは言え直腸に熱い獣欲の奔流を叩き付けられ、璃玖もまた淫靡で背徳的なメスイキに耽溺する。前立腺を尚も苛め抜かれて甘ったるく蕩けたアクメ声は一匹の淫蕩なメス以外の何物でもなかった。
汗に濡れ光る肌を戦慄かせ、全身を肛悦絶頂に震わせ、背を大きく仰け反らせながら璃玖は小振りなチンポからとろりとした精液を垂らしていた。それはまるで、自身の中の男を吐き捨てているかのようだった。
「う、うぅぅ……!まだ出るっ、お、おおっ、うぐぅ……っ!!」
「あ、あんっ!あはぁん……!ああ、すごいぃ……」
肛門をオナホのように使ってチンポを扱いて、男は最後の一滴まで精液を絞り出した。璃玖は満足気な笑みを浮かべて男の昂ぶりを全て受け止め、終わりの見えないアナルアクメを味わっていた。
0313魔法少女フロンティーア・下巻〜Chapter1〜2024/03/23(土) 20:43:19.11ID:s7IxjYQO
繋がったままの二人の身体は肛門性交の快楽の余韻に暫くの間痙攣していた。やがて、一際大きく男が震え、璃玖の肛内から間抜けな音を立てながらチンポを引き抜いた。
「あんっ……」
「……ふぅぅ、やばいなこのマンコ」
「うーっし、じゃ、もっかい俺が」
「おいおいおい、ふざけんなよ?」
何時の間にかカメラを眼鏡の男に押し付けていた運転手の男はチャラ男を制すと、被せたゴムを内側から弾き飛ばしそうな程に腫れ上がった剛直を璃玖の肛門に宛がった。
自身を求めて二匹のオスが、いや三匹のオスが猛っている。知らず璃玖の貌には傾城の毒婦に似た蠱惑的な微笑みが浮かんでいた。
0314魔法少女フロンティーア・下巻〜Chapter1〜2024/03/24(日) 22:29:10.44ID:Qm6CnybY
* * *

それから璃玖は、野獣共に全身を余すところなく蹂躙され、凌辱され、内も外も白濁に染め上げられながら、幾度も絶頂させられた。それでも尚、男たちを彼を貪り続け、璃玖は淫らな快楽と猥褻な肉悦に耽溺させられ続けた。
「んちゅっ、ちゅぱちゅぱ、ちゅうぅぅ……ぴちゃ、ぴちゃぴちゃ、ちゅるる……ぷはっ」
唇を奪い―――
「んふっ、あっ、はぁんっ……!だ、だめっ、おっぱい乱暴にしないでぇっ……!あんっ、くぅぅんっ……!!」
乳房を嬲り―――
「あぅ、うぅん……!ゆ、指が、中で蠢いて……!いやっ、気持ち良く、しないでっ!おふっ!?おほぉぉおおっ……!!」
肛門を穿る―――
「じゅぽっ、じゅぷぷぅぅ、じゅるるる、じゅずっ!んは、じゅぽ、じゅぽっ、じゅぞぞぞぞっ……」
男根を咥えさせ―――
「ぷぁっ、あ、はぁぁ……、ん、んくっ、んぐっ……!ふぁぁ、すごい濃くてドロドロ……。はぁああ……」
精液を飲ませ―――
「ひぐぅぅっ!あぐっ、あ、あっ!んぎぃぃぃっ!!ひぎぃぃぃいいっ!あぉぉ……っ!いやあっ!なんで、なんでこんなにきもちいっ、いい、のぉっ……!!」
尻穴を犯し―――
「ああ、すっごく熱い……。やん!?え、おっぱい使いたい?なんだよそれぇ……」
胸や手を陰茎を扱くのに使い―――
「あおぉっ!お、おぉ……はぎゅっ、ふぎゅぅぅうううっ!?、はっ、はげしっ、んっ、んひっ、んひぃぃぃいいいっっ!!」
代わる代わる―――
「んっ、んぉ、お、おしりがぁっ!あ、ふぁあああっ!あぁ、いく、イクイクイクっ、ふぐっ、く、くっはぁあぁぁぁぁぁぁああ〜〜〜〜っっっ!!!」
犯し続けた―――
「あひっ、い、いいっ……おしりたたかれるの、いたいのに、いいっ、いひぃいいいっ!!?お、おっぱいすっちゃ、あぁああ〜〜っ!!」
やがて何度も絶頂させられ、碌に動けなくなった少年の乳首を吸い、尻を叩き―――
「ひぁんっ、あっ、あぁぁぁっ……あっ、あつくてかたくてふといのがぁ、おっ、おしりでたりはいったりぃ、んく、グチュグチュって、グチュグチュってぇぇ……っ!」
尚も玩具のように―――
「あふっ、ふっ、ふぅふぅ……お、おちんぽ、にほっ、にほんもぉっ、おほっ、ほきゅっ、んほぉぉおおっ!!おぉぉおおおお〜〜〜〜〜〜っっっ!!」
好き勝手に―――
「ほおっ、へっ、あっ、あぉ、お、んぉっ……!お、あっ、んぁぁっ、ほっ、あっ、イグっ、イクイクイクっ、イグっ!いぐぅぅうううううううううう!!!!」
やりたい放題弄んだ―――
「おーっ……、おーっ……、おほっ、お、おひっ……!お、おぐっ、ほぐっ、おっほ、ほぉぉ、おっ!おぉう、お、おほぉぉおおおお〜〜〜っ!!!」」
少し前の彼になら簡単に往なせた筈の男たちにいとも簡単に組み伏せられ、碌な抵抗も出来ずに唇を奪われ、乳房を弄ばれ、尻穴を穿り回され、男根を咥えさせられて、プライドをズタズタにされ―――
さらには腸内を男根に蹂躙され、白濁した欲望を直腸と喉奥、そして顔や身体中にぶちまけられ、延々と尻と口を犯された。やがて力も入らなくなってされるがままになっても尚、好き勝手に弄ばれ続け、ボロボロにされ―――
そうして強制的に味わわされ、何時しか璃玖が自ら進んで味わったその快楽は、彼の精神と肉体の奥深くに生涯消えることのない刻印として強く焼き付けられた。男の性的欲望の対象とされて犯されることに悦びを感じる心と体にされてしまったのだ。
この倒錯的で淫靡な肉の悦びを、男の身でありながら、男共の性玩具として弄ばれ、嬲られ、犯される被虐の変態メスイキ快楽を覚えさせられた彼はきっと、もう二度と普通の男にはなれないのだろう。
0315魔法少女フロンティーア・下巻〜Chapter1〜2024/03/24(日) 22:31:23.24ID:Qm6CnybY
* * *

「―――いやぁ、しっかしゴム使い切ってもまだやっちまうなんてな」
「でも、流石に打ち止めだぜ?腰いてー……」
「ふーっ、ふーっ、ああっ!俺もこの一発で限界だ……!」
「うくっ、あっ、んふぅううっ!んふっ、い、いいっ、はぁぁ……!いい、いいっ……!あ、はっ、あ、あぁん……!」
股間の男性器さえ視界に入れなければ美少女にしか見えない少年の尻穴を犯すという倒錯的な行為に異常な昂りを得たのか、男たちはゴムを使い切っても尚、璃玖をレイプし続けた。
やがて眼鏡の男と運転手の男は体力の限界まで腰を振って疲労困憊し、チャラ男が最後の気力を振り絞るようにして璃玖の尻穴を穿り回していた。
「最後の一発は二度と掻き出せないくらい、奥の奥まで出してやるからな……!男として終わらせてやるよ!」
「あっ、あ、あっ、あぁん!あはぁんっ!!や、やば、やっばっ……!?マンコ、いいっ、いいよぉ……!あはぁああんっ!!」」
拒絶する心は折れていた。抵抗する体力は失われていた。それに今更何をしようと、男に犯され感じまくっていた事実は寸分も変わらない。
璃玖は何の抵抗もせず言われた言葉に従い、暴虐とそれに伴う快楽を受け入れるだけになっていた。
「ひぁっ、あ、ああっ!す、すごっ、おっ、ほぉぉお……!あ、これ、これだめ、あ、あひぃいいっ!?や、やめてっ、そこやめっ、はぅぅううんっっ!!?」
少年の声は何度も繰り返したメスイキの影響か蕩け切っており艶を帯びた女の甘い音色に変わっていた。
火事場の馬鹿力めいた男の気合でいきり勃つ肉棒が、璃玖の前立腺を容赦なく押し潰しながら腸内で暴れ回る。
何度も何度もメスイキを極めさせられて、肛門交尾の快楽にすっかり魅了された彼のアナルは、男の頑張りを悦びをもって歓迎し戦慄いた。
「おっ!おぉうっ!?んぉっ、おっ、おほっ、おほぉぉおおおおっっ!!!んうぅっ、うくぅ……!はっ、はげしっ、あっ、あぁんっ、はぁぁんっっ!!」
幾度も味わったアナルセックスの魔悦に蕩け切った肛門は淫らに燃え上がり、体力の限界を迎えつつある身体に鞭打つように情け容赦なく快楽電流を浴びせ、璃玖は枯れかけの善がり声を漏らす。
男にあるまじき括れを持つ璃玖の細腰をがっちりと掴み、男は今にも底を突きそうな体力を振り絞って激しいストロークを繰り出す。
ピストンの度に璃玖は精子をお漏らしし過ぎて甘勃起しか出来ない小さなペニスを情けなく揺らしていた。
「最後まで気ぃ抜くんじゃねぇぞ、しっかりケツ穴締めとけよ!」
「んひぃぃいいいいいっっ!!?イッ、イクッ!?ケツたたかれて、イク!イクイクッイギュゥウウウウウ〜〜〜〜〜〜ッッ!!!」
数え切れない程に腰を打ち付けられて真っ赤に腫れ上がった尻肉を男は更に強かに叩いた。
脳髄に突き刺さるような鋭い痛みに濡れた悲鳴を上げつつ、璃玖は肛門をきゅっと強く締め上げる。
そうして堅く閉じようとする城門を野太い肉棒が無理矢理抉じ開け、璃玖の哭き所を削り落とすようにがりがりと掻き抉る。
絶頂の残滓に燻る前立腺はその激烈な刺激を前に、あえなく璃玖は退廃的で甘美なメスイキを強いられる。
0316魔法少女フロンティーア・下巻〜Chapter1〜2024/03/24(日) 22:32:38.84ID:Qm6CnybY
ふにゃふにゃになった璃玖のチンポは透明な汁を垂らし、アナルは絶頂の煽りを受けてきゅんきゅんと収縮を繰り返し、咥え込んだ男根に得も言われぬ快感を与える。
「い、いいぞ!そのままマンコ締めとけ、最後にぶっ濃いの尻ン中に注ぎ込んでやるからな……!」
「も、もういらなっ、あっ、あ、あぁんっ!や、ああっ、またくるっ、きもちいぃのがっ、ああっ!イクッ、まんこイグッ、イグゥゥウウウッッ!!!」
アクメ痙攣を起こしている璃玖の直腸を労ることなく、寧ろ痛め付けるかの如く男は独り善がりで身勝手かつ乱暴に腰を降りたくる。
されど、璃玖はそれら全てを悦びと共に受け入れて恍惚のメスイキを極め、身体がバラバラになってしまいそうな多重絶頂に酔い痴れる。
「ぐっは、ああっ!くそがっ!出る、出るぞ!お前が大好きな精子、一滴残らずケツ穴で飲み干せや!ぐっ、がぁぁっ……!!」
「ふーっ、ふーっ、ふっ、ふぉおおっ!?お、おほっ、お、おほぉっ……!あぁん、イクッ……、イッ、ク……?くぅっ、イ、クゥゥウウウウウ……!!!」
最後の一撃が璃玖の肛内のあらゆる弱点を掻き抉りながら腸奥を貫いた。
背を大きく仰け反らせて恍惚の雄叫びを上げながら尻肉を小刻みに震わせ、璃玖は極上のアナルアクメに達した。
同時に肉棒の先端から白濁した粘液が放たれ、直腸粘膜を隈無く犯し、肛内を白く染め上げる。
璃玖は甘ったるく蕩けたメスイキ声を上げながらなけなしの体力を振り絞って重く深い肛悦絶頂を極めた。
限界を越えて麻痺寸前の敏感アナルを穿ち抜かれる苦悦に璃玖はお子さまサイズのチンポから精子混じりの本気汁を漏らし、背徳のメスアクメに深く陶酔していった。
0317魔法少女フロンティーア・下巻〜Chapter1〜2024/03/24(日) 22:34:21.53ID:Qm6CnybY
* * *

「―――あー、もうマジ限界」
「いやぁ、ここイチやりまくったわ」
疲れ果て身動ぎすら億劫で倒れ伏す璃玖の横で男たちは喉を潤しながら思い思いに今回の獲物について語り合っていた。
「おっと、君も喉乾いてるよな?」
眼鏡の男が気を利かせたような風を装って蓋のスポーツドリンクのペットボトルを取り出した。
「あ、蓋開けらんない?ほら」
他の奴がしゃぶり倒した璃玖の唇や乳首を躊躇いなく舐めておいて間接キスが嫌ということもないだろう。何かの薬が入っているのは間違いない。恐らくは睡眠薬。
きっと璃玖を眠らせてどこかに放置していくつもりなのだ。
しかし、散々メスイキを極めさせられ哭かされ続けた喉はどうしようもなくカラカラに渇き切っていた。
理玖は意を決して差し出されたペットボトルに口を付けた。
口の中にスポーツドリンクの甘みとやたらと主張の強い苦みが走るが、乾いた喉が潤っていくのは堪らなかった。
「よし、飲んだな」
悪戯が成功した悪ガキのような笑みを男が浮かべた。やはり、睡眠薬入りのスポーツドリンクだったようだ。
それきり男たちは何もしてこなくなった。理玖が眠るのを待つ腹積もりなのだろう。
激しいレイプを受けた疲れも相まって瞼を開き続けることが困難になっていく璃玖。
遠ざかる意識を何とかつなぎ止め、せめてこの男たちの顔をしっかり記憶しておこうと足掻くのだった。
0318魔法少女フロンティーア・下巻〜Chapter1〜2024/03/24(日) 22:35:33.00ID:Qm6CnybY
* * *

「―――うぅん」
璃玖が目覚めたのはどこかのゴミ捨て場だった。
車を止めて何かしていてもさほど気にされない場所ということで選んだのだろうが、ヤり終えた相手は使い捨てだと案に示しているようで、璃玖は改めて男たちに怒りを覚えた。
流石に裸で放置は拙いと思ったのか、璃玖は自前のスウェットを着せられていた。
男たちのモノか自分のモノかもわからない体液やら何やらが付着したり沁み込んだりしているのが気持ち悪かった。
だからといって脱ぐわけにもいかず、璃玖は重い身体を何とか起こすと、とりあえずは帰路を探すことにした。
睡眠薬の効果がまだ残っているのか、それとも心身ともに疲れ切っているからか、頭がまだぼんやりとしていた。
見覚えがあるようなないような路地が続く。被害者が迷子になって警察のお世話になれば厄介だろうし、男たちは攫った場所の近くに自分を捨てて行ったという確信し、璃玖はふらふらと彷徨う。
しかし、帰路につけている自信は全く湧いて来ない。いっそこのまま警察に駆け込もうかとも考える璃玖だが、男たちに繋がる証拠のようなものは余りない。
車のナンバーはわからないし、名前や住所だってわからない。あるとしたら、体液から取得できるであろうDNAくらいだ。
そこまで考えて璃玖はゾッとした。DNAを提出するとして、自分の尻穴から奴らの精液を絞り出すというのかと。
それはつまり、自分がレイプの被害者であることを警察とは言え第三者に告げるということ。
それで仮に男たちの逮捕に繋がったとしても、奴らが捕まる直前に撮影していた映像をネット上にばらまきでもしたら。
それがなかったとしても、裁判やら何やらで世間に自分が被害者であることが広まって、心ない連中に何を言われるのだろうか。
しかもそれは自分だけではない。あの男たちの被害にあった者全てがそうなる可能性があるのだ。
レイプとは何と卑劣で恐ろしい犯罪なのだろう。被害者が泣き寝入りすることが多いというのはこういうことだと璃玖はその身をもって実感した。
さらに言えば、璃玖は母体化の影響でかなり特殊な身体に成っている。世間の好奇の目は普通の女性である被害者以上に付きまとってくるかもしれない。
嫌な汗が全身から噴き出る。知らず息が荒くなる。強い嘔吐感に襲われ、歩くことはおろか、立っていることすら困難になる。
ゆっくりと視界が歪み、グラグラと揺れ、クルリクルリと回り始める。
最早自分が立っているのか蹲っているのかすら璃玖にはわからなくなってきた。
「……梶原?」
遠くの方から自分を呼ぶ声が聞こえた。声の主を確かめようとして璃玖はようやく自分が道端に蹲っていたことを理解した。そして、声を掛けてきた人影は割と近くに立っていたことにも気が付いた。
「梶原、だよな?」
「……うん」
声の正体は同じクラスの草生木方舟(そうせいきほうしゅう)。珍しい名字プラス坊主の息子なので名前も珍妙。一度聞いたら忘れられないこと請け合いである。どうでもいいが次男坊だ。
「お前ん家ってこっちだっけ……?」
「いや……、ぁ……」
「え、ちょっ!?おい!大丈夫か!?きゅっ、救急車!?119か!?」
自身に次々と振りかかった災厄による心労と疲労で弱った身体を引き摺っていた璃玖は、見知った顔に会えたことによる少しの安心感で緊張の糸がプツリと切れ、その場で気を失ってしまったのだった。

【Chapter1:END】
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