ニューハーフ・シーメールでエロパロ 7
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0001名無しさん@ピンキー2014/01/19(日) 18:15:27.47ID:z6a4gWwt
見た目女、心も女、
なのにその股間には・・・

そんなニューハーフさんを対象にしたSS書いてください。
ふたなり、両性具有はスレ違いです。おっぱいはあるのが普通です。

前スレ
ニューハーフ・シーメールでエロパロ 6
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1336219403/

保管庫&避難所
http://bluerose.g.ribbon.to/blueroses/
00051502014/01/22(水) 23:53:19.87ID:nUFNMXje
お待たせしました! せっかく立てて頂いたのに私用で出遅れました。
早速投稿します。
――――――――――――――
今度は持ってきたポーチからコンドームを取り出す。
 合計、12個の内のひとつを取り出し、少し被せられる形にして口にくわえ、おちんちんをくわえ込みながら被せる。
 これは優に教えられた。お店だとかじゃなくて、ただ手でつけられるのが優としては面白くないらしい。
 これは逆にぼくもやってもらったからお互い様。
「じゃあ、ベッドで好きな体制で寝てくれ」
 ベッドにゆっくりと登り膝建ちのまま、向かい合えない。
「どうした?」
「……あ、はい……」
 迷った末にゆっくりと正常位の形を取る。迎え入れるから、M字開脚をしないといけないのに、何だかやりたくなかった。
 それでも彼は近づいてくる。嫌だ。
「……よし、ローションはこれを使えば良いんだな……」
 片手に持っていたはずのローションボトルを彼の前に落としていた。
 そして、そのまま指にふんだんにローションを塗りたくり、そのままおまんこの周りを濡らし、マッサージするように触ってくる。
「ん……ふ……」
 身体の快感は反応を示す。だけど、心はどんどん冷えてくるような気がしてきた。
「よし、指を入れるぞ」
 確認するようにローションまみれの指がおまんこに入ってくる。そして、ゆっくりとGスポットを見つけてくる。
「……んあっ……そこ……」
「反応が良いな……やっぱり弱いな……」
 場所が分かると、今度はローションを増やして、中を解したり本数を増やしてくる。
 そしてある程度緩んだところでローションを増やしてGスポットに重点的に塗り込んできた。冷たいローションの感触が背筋を駆け上がる。
「よし……これで良いか……」
 ティッシュペーパーを使って、自分のローションまみれの指を拭いた男が膝立ちで近づいてきた。おちんちんは先走りが出て少し光っている。
「……じゃあ、抱くぞ……」
 両手を開いた両腕の間に立てて、ゆっくりとぼくの腰に自分の腰を近づけてくる。その瞬間、思わず両手で彼を押しとどめた。
 それに驚いた彼は、いったん、ぼくの身体から離れる。
「……嫌だったか……」
 意味も分からず涙が出てきた。
「……ごめんなさい……ごめんなさい……」
 あと少しだった。だけどそれができなかった。怖くてできなかった。ぼくはそうすることができなかった。
 泣き続けるぼくを置いて彼は部屋に備え付けの電話で誰かに声を掛けた。
 遠くから「早く助けてやれ!」と怒鳴る声が聞こえた。
00061502014/01/22(水) 23:54:35.40ID:nUFNMXje
起きたらベッドの上だった。休憩室の隣には仮眠室があって、四台のベッドが置かれている。ぼくに宛がわれているのはそのうちの一台だった。
 人の気配を感じて、ゆっくりと起き上がると、マネージャーが少し残念そうな顔をしていた。
「大丈夫?」
 心配そうな顔。てっきり怒られるのかと思っていた。
「……ごめんなさい……」
「あまり気に病まないで。まあ、三回くらいこうなる子はざらにいるから……私だって最初は怖かったのよ。
 何しろ、このお店みたいになるまでシステムもちゃんとできていなかったから。最初のお客さんが怖くなっちゃって。
 散々、男が好きだった癖してね。だから、一回は誰でもあることだから。でも、五回目くらいではどうにかしておいて。
 さすがにここも仕事だから。優や瑠璃みたいな仲良しと絡ませるだけじゃ、どうしても回せないから……とりあえず、今日は帰って休みなさい。
 それと、お客さんは……キリヤさんはこういうことに慣れているから。必死に電話してきたわ。
 早く助けてやれって。泣かれるの、久しぶりみたいだから……」
 ひとり残されたぼくは、頭を抱えてしまった。優に抱かれたから大丈夫だと思っていた。
 だけど、フェラまではできても身体の中に入ってこられることが怖かった。まだ、ぼくの中の何かが男の人を拒絶していた。
 あまり体調が良くない状態のまま控え室で自分でクレンジングをする。洗顔をちゃんとしたつもりでもメイクのプロには足りない部分を落とされた。
 最初にメイクをしたころに肌荒れを起こしたことを思い出す。
「優子ちゃんはメンタルに肌が左右されやすいわね……」
 気の毒そうにぼくの顔に触れながら肌の状態を確認する。されるがままで構わなかった。
 まともに帰られるのか自信がなかったけれど、いつも通りに車に乗せられ自分の部屋に戻ってこれた。
 部屋に帰ったときには、普段着のままベッドに倒れ込んだ。こんなことじゃいけないのに。
 だけど、あのとき抱かれなかったことを安心していた自分もそこには確かにいた。
 いつまで眠っていたのかは分からない。携帯には優からの着信が何件も入っていた。マネージャーか誰かが伝言してくれたのかな?
 とりあえず安心させるためにメールでも打とうとしたら、玄関から鍵を開ける音がする。
「翼!」
 開く同時に優の声が部屋に響く。
「優……」
 パチッという音と同時に優の姿が見えた。とても必死な顔で。しかも薄手のパジャマ姿で。さっきまで走り回っていたような。
 そして、ぼくの顔を見て緊張が解けたように膝立ちになってから、
「良かったぁ……ちゃんと帰ってた……」
 と少し泣きそうな声でしゃがみ込んだ。
00071502014/01/22(水) 23:55:08.93ID:nUFNMXje
ふたりして落ち着いてから、ベッドで隣り合って座った。
「マネージャーから聞いたよ……キリヤさんで良かったけど……」
「ダメだよね……優が良かったって言うんだから、ぼくの問題だよ……」
 時刻は四時半だった。優がマネージャーから連絡を受けたのは四時前。お店が事実上、閉店時刻の三時半を過ぎた後だった。
 熟睡中だった優は着の身着のままでこの部屋にやってきた。もう電車もなくてタクシーもなかなか捕まらなかったらしい。
「……やっぱり、翼ちゃんは……女の子が好きなんだよね……それかボクみたいな……」
「違うよ優……やっぱり、違う……それだったら瑠璃さんだって好きになれる。
 だけど、瑠璃さんはきれいだけど、告白されても受け入れられないし、
 瑠璃さんと一緒にステージに上がったときだって、瑠璃さんから責められたことはなかったから……」
 そうだった。あの店で、優以外の人とセックスをしていても、ぼくが責める側だった。
 ぼくが女の子として優以外の人とセックスをするのはさっきの時間が初めてだった。
「……ごめん……今の、無神経だったね……」
 こんなことを言わせたくなかった。
 だけど、今、優がいてくれなかったらこのどうしようもない自分への怒りというか悲しみというか、
 どうしようもない衝動的なものに駆られておかしくなりそうな感情は沈めることができなかった。
「ねえ、翼。今、ボクとセックスすることはできる?」
「うん……優となら……」
 優となら、何だってできる。抱かれることも、逆にこちらから抱くことも。男の子にもなれる。女の子にもなれる。
 それなら子供は産めないけど――ひとつだけあった。
「……優……」
「どうしたの? 翼……」
 することは同じ事。だけど感じ方は違うこと。大した違いじゃないかもしれないけれど、それだけを特別にできたら。
「……優……抱いて……だけど、コンドームは使わないで……優を直接感じたい。優の物を全て身体で受け止めたい……」
 これしかない。優が大事なら、もっと優のものになってしまわないと。そうすれば、他の人と繋がることに怯えないかもしれない。
 優以外に好きにならないなら、そうするしか。
「……良いよ……一応……お姉ちゃん以外だと初めてだからね……ちゃんと準備しよう」
 さすがに着の身着のままで優はやってきたから、何も用意もできていなかった。
 とりあえず、ぼくの服でもボーイッシュに近い感じの服を優には着させて、始発電車で優たちの部屋にたどり着いた。
 意外とタクシーは捕まらない。
「お姉ちゃんは、静さんのところでオールみたい。バーの方で。
 その後は静さんの家に泊まるから、早くてもお昼過ぎだから……一応、メールはしといてあるから。翼が泊まりに来ているからって」
 前の失敗を思い出してか、優はあらかじめの準備をしておいてくれた。
「大丈夫? 眠くない?」
「うん……なんとか……」
 お店から出たのが十二時くらいで一時前に帰ったから軽くしか寝ていない。
 それなのに気分は高ぶっている。優に抱かれるだけじゃない。
 優に身体の奥まで犯してもらわないと、この先に行けない。
00081502014/01/22(水) 23:55:46.10ID:nUFNMXje
ベッドルームに案内されて、優に促されるように服を脱がされた。
「もう身体は女の子だし、顔もすっぴんでも充分、女の子……」
 少し満足げな顔をして、優も服を脱ぎだした。着やせするからスレンダーな癖してDカップ。
 その体型じゃあ充分すぎるほどの巨乳。ぼくも早く大きくなりたかった。
「シャワー……一緒に浴びちゃおうか……」
「うん……」
 優と由香子さんは二人部屋ということもあって、風呂・トイレ別の物件だった。だから、思ったよりもバスルームは広い。
 というよりもぼくの部屋が狭すぎるのもある。だけど、やっぱりふたりで入るバスルームは狭かった。
「お店にもお風呂欲しいよね……シャワーはあるけど」
「うん……前に優にバックされながら瑠璃さんに顔射されたとき、
 ちょっと大変だったな……時間なくて、洗うのに必死でゆっくりできなかった」
 ショーがあるときは、ぼくと違って指名を受けている人が出番が後だったりする関係で、あまり長居もしていられない。
 これも順序は追々で充実させているとはマネージャーの談。
 シャワーの温度を優が確かめて、固定する。思わず背中から優を抱きしめる。
「翼、ちゃんとシャワー浴びようよ」
「やだ……優のおっぱい大きいの羨ましい……」
「今更? 大丈夫だよ、翼は大きくなったばかりなんだから。それにボクより大きくなったら大変だよ……ブラ、可愛いの減っちゃうし」
「仕事以外じゃ優にしか見せないから良いの」
「嬉しいな……んっ……」
 両腕で優のおっぱいを鷲掴みにする。まだ2カップ差もある胸をわざと背中に押しつけながら、揉んでしまう。
「……翼、ちょっと強いよぉ……んんっ……あんっ……」
「嫌じゃないくせに……」
00091502014/01/22(水) 23:56:16.96ID:nUFNMXje
 さすがにされるがままなのは嫌なのか、優は鷲掴みしていた腕を取り、ゆっくりと身体を反転して抱きついた。
 同時におっぱいをぼくのおっぱいに押しつけてきて、その柔らかさに「あっ……」と驚いてしまった。
「可愛い声」
 そっとそのままの勢いでうなじにキスをされてビクッと反応してしまう。
 そのまま、優はぼくのおっぱいに自分のおっぱいを円を描くように押しつけてくる。乳首が擦れて小さく反応を繰り返してしまう。
「ぅんん……あぁっ……ち、乳首……」
「気持ち良いでしょう……おっぱい押しつけあうの気持ち良いもんね……翼は女の子になってからも乳首が大好きだもんね……」
 いじわるだ。執拗に責められてたまらない。乳首の感度は女の子になったのとは別に、優のせいでとても強くなった。
 触られるだけで翻弄されるのに、こんな動きするなんて。硬くなった乳首をコリコリと優の肌で擦られる感触がたまらない。
 裸で抱き合うのはいつも嬉しいことだけど、今日ほど嬉しいときはなかった。
 それくらい今の身体が嬉しくて、優の身体が気持ち良くて満たされているのに、それでも喉が渇いたみたいに優を求めてしまう。
 そんなことを考えたら、急にその責めが弱まった。
 喘ぎながら上向きだった顔を下げようとしたら、優の頭が少し低くなったと思ったときには乳首を激しく吸われた。
「あああっ……やっぁ……そこ……」
 ジュルジュルジュルと唾液の音を響かせて左乳首を吸われている。
 おっぱいの押し付け合いで身体が火照りだしているのに、そんなの出されたら声が止まらない。
 開いた口からシャワーが入ってきたりして、仰け反るのも苦しいくらい。
 悔しいから、背中に回していた手を使って、背骨を擦ってみる。
「やっ……そこっ……あっ……」
「んっ……ゆ、優、背中弱いんだ……」
「ああ、ダメ、そこダメ、あっぁぁああ!!」
 何度も身体を交わしたつもりでも新たな発見が見つかる。こうやって優の身体を知っていくことが嬉しい。
 ぼくの身体が優に知ってもらえるのが嬉しい。後は、もっと深いところで繋がれるように。
 背中とおっぱいの応酬に疲れたぼくたちは、少しバスルームでへたり込んでしまった。
 さすがにまともにシャワーを浴びていないから止めてしまった。
「優……」
 そっと顔を近づけただけで、優はキスを返してくれる。啄むような口づけの後に、お互いの舌を絡ませ、離してゆっくりと抱き合った。
「ベッド、行こう……」
 今度はぼくから声を掛けた。
「ダメ、きれいにしてから」
 冷静に優に窘められた。ああ、もうぼくは自分勝手だな。
00101502014/01/22(水) 23:56:48.81ID:nUFNMXje
久しぶりにお腹から出す感触を味わう。よく考えたら、優に抱かれたのは三週間ぶりくらい。
 そのときも何度もトイレに行ってはお腹の中から汚いものを排泄した。
 もう透明な水しか出ないのを三度くらい繰り返して、やっと優は大丈夫と言ってくれる。
 だけど、今日は優もトイレに長居することになった。もしも気が向いたら、優もコンドームなしで抱かれたいと言う。
 由香子さんと恋人同士だったときでも、さすがにそこまではしてなかった。どうせなら、自分がする以上は自分もされてみたいらしい。
 そう考えると、優もかなりエッチだと思う。ぼくの悩んでいることに少し便乗してくるところがずるいな、という気もする。
 だけど、一緒になって同じ事をすることで安心させようとしてくれるのかもしれない。
 ああ、最近は気持ちや考えがなんか移ろいやすくなってきたな。これも女の子になろうとしている自分の心がさせているのかもしれない。
「あぁ……ちょっと疲れた……」
 仕上げにシャワートイレを使ってお尻周りをきれいにしているから、ふたりともこれで思う存分できると思う。
「……じゃあ、翼ちゃんのおまんこを解してあげるから」
「お願い……」
 準備ができて、ぼくは脚を開いて優におまんこを見せつけるような体制。
 優はいつもより入念にラテックスの手袋を填めてアナル用のローションでいつも以上にベタベタにしていた。
 そして右手の中指がなぞるようにおまんこの入口に触れる。
「冷た……」
 思わずひんやりしたローションの冷たさに反応示す。夏の暑さと身体の火照りの境目が分からなくなっていた。
「我慢だよ……」
 そう呟きながら、入口に何本かの指で表面の滑りを良くして、中指と人差し指が一気に入ってくる。
 もう一度に二本なんて濡らさなくても入る。だけど優は慎重だから、まずは二本から初めて、段々と指の本数を増やしていく。
 すぐに薬指、そして小指が入ってきた。少し苦しい。
「んんっ……ああぁ……きつい……」
「ちょっとごめんね……」
 違うよ。
「ううん……良いの……気持ち良い……」
「そう……なの?」
 不思議ときついのが心地良かった。優がどんどんぼくのことを支配してくれているようで。こうされるだけで自分が優のものになっていくようで。
 それを思うだけで胸が苦しくなる。優に与えられる快楽がずっと続けば良いのに。
 感じ入っていた感触が抜けると、今度は優が指をまた二本に戻してまた進入してくる。そして、すぐに身体の中に冷たい感触が広がる。
 今度は中をしっかり解してくれる。優は中にローションを塗るのも塗られるのも本当に好き。
 まるで媚薬みたいに塗られたところが感じやすくなるみたいだからって。
00111502014/01/22(水) 23:57:21.51ID:nUFNMXje
「ああっ……そ、そこ……」
「ふふ……見つけた」
 そして特に、前立腺と言う名前を持つぼくたちのGスポットにも入念に。優はあまりそこを指で弄るのが好きじゃない。
 弾みで射精してしまったらもったいないみたいで。
「本当は、アナルセックスもやりすぎちゃうといけないんだよね。
 射精が上手くできなくなって、インポになっちゃうらしいから。でも、翼はおちんちんじゃなくておまんこで感じる方が好きだよね」
 そう言われると、逆にそうなってしまいたい願望が沸いてくる。もう射精はしたくない。少しでも男に戻るようなことをしたくない。
 だから、そうなってしまうことに少しだけ興奮した。だけど女の子を抱ける身体であることが少しだけ惜しくなる。
「……それじゃあ、優のこと抱けない……」
「そういうときは、牧村先生に相談だね」
 困らせておいて、模範解答は用意しておく。優はぼくが魅力的だからずるいと言うけど、ぼくに言わせればそのいたずら心がずるい。
 だから、お互い様だ。
「さて、これで……良いかな?」
「んっ……」
 指を抜かれた瞬間、その抜ける感触がたまらなかった。だけど、これから身体に入ってくるのは優のおちんちんそのもの。
 ゴムの薄皮に挟まれていないちゃんとした彼女自身の体温を直接に感じられるもの。
「……翼、おちんちんが勃ってる」
「クリトリス……触らないでね。イッちゃうから……」
 暗に射精させないでと優には言っているつもり。
 ただ、優も待ちきれなかったみたいで、ぼくの中に指を入れている間、ずっと勃起させまいさせまいと我慢をしていた。
 期待しすぎて、困らせないみたいで。普段は天真爛漫で明るいのに、そういうところが慎重で優は可愛い。だから好きになっちゃう。
 今度は優が自分のおちんちんにローションを塗る。ベタベタに濡らしてテカテカと部屋の明かりの反射で光って見える。
「優……来て……」
 ゆっくりと優はぼくに覆い被さってくる。だけど、いきなり挿入なんてしない。頬にキスをしてくる。だからお返しに頬にキスを返す。
 そうしたら、優は啄むようなキスを唇に。だからお返しは啄むキスに軽く唇を舐める。そうしたら優は今度は唇を押しつけて舌先を口の中に入れてくる。
 本当にぼくたちはキスが大好き。瑠璃さんからは、口でセックスしているみたいと言われてちょっと恥ずかしくもなった。
 だけど、もうそんなこと言っていられない。優には全てを知ってもらわないと、もっとぼくを別のものに作り替えてもらわないと。
「……ねえ……フェラしてないよ……良いの?」
「ダメだよ……今されたら出ちゃう……ボク、我慢できない、翼は?」
「ひゃっ……もう……我慢できない……」
 いきなり胸を揉み出してくるから油断ならない。ビクンって反応しそうになった。だけど、これじゃ足りないから。
「……行くよ、もう少し脚を開いて」
 その指示に従ってM字開脚にして、優が正常位で入れるように整えた。
 そして、おちんちんの皮が被っているのを外して、少しだけ辛そうにしている。
 ああ、全力で優が来てくれる。そして、覆い被さってきた優は優しいキスをしてくれて、目と目を合わせてくる。
00121502014/01/23(木) 00:01:41.82ID:Wl+xfjjN
「翼……大好き……」
「優……私も」
 ローションと違って暖かいものがおまんこの入口に触れる。いつからか自然と受け入れられるようになったもの。間を隔てたものはそこにはない。
 優の体温を直接感じられる。小さな、でも優の指とローションのおかげでだらしなく開いた私のおまんこ。
 目の前の優が、ゆっくりとゆっくりとその中に入ってくる。
 小さな窄まりに優のおちんちんが入ってくる。私は、優が苦しくないように下半身から力を抜いている。
 だけど少しだけの抵抗があって、そこで無理をしないで優はゆっくりと進入してくる。だんだん優のものでいっぱいになってくる。
 どんどんお腹が温かくなってきた。抵抗を抜けた優のおちんちんが私の一番奥まで入ってきた。
「ああっ!! おっきい……優……気持ち良いっ……あっ!!!」
「ご、ごめん……気持ち良くて……つい動いちゃった……」
 いつもより大きい優のおちんちん。こんなにお腹苦しいくらいにいっぱいになったの初めて。
「翼……凄いよ……こんなに暖かいおまんこ初めて。入っているだけ気持ち良い……由香子よりも……」
「……私、女の子なんだよね……」
 優は一見、違和感を覚えたような顔をした。だけど、気づいて笑う。そして、キスをしてくる。いきなり舌を入れてくるから私も遠慮はしない。
 ぺちゃぺちゃと涎がこぼれるのも気にしないキス。お互いに歯茎も舌も頬の裏側もしるしを残すみたいに舐め回した。
 じゅるるるっ! じゅるるるっ! 嫌らしい音を立てながら溢れる涎を飲み下す。
「……おいしい……」
 思わず呟いたら、優は少しだけ悔しそうな顔をした。
「ボクも、女の子なのに……女子力負けそう……」
「だって……今は優が抱いてくれているんでしょう。だから、ちょっとだけ男の子……あっ……」
「翼がエッチだから大きくなってきちゃったよ……」
「うん……好きに動いて。一緒に気持ち良くなろう」
――――――――――――――――
挿入して寸止めですいません……これ以上投稿するとストップ掛けられますので。
00151502014/01/26(日) 00:35:26.29ID:QXX3bE2F
支援ありがとうございます。所用で予定が遅れてすみませぬ……
――――――――――――――――――――――
入ってきただけで優のおちんちんは爆発しちゃうんじゃないかなって思っていた。
 だけど私のおまんこを楽しんでくれるみたいで、震えそうなのを我慢しながら、私の中を動く。
「あっ……うんんっ……」
 ゆっくりと動き出した腰の動きに合わせて、おまんこの中が勝手に蠢きだした。
 その瞬間、おまんこからお腹に掛けて熱さが突き抜けるような感触を覚えた。そして、その優のおちんちんの感触に思わず締め付けてしまう。
「くっ……」
 それに優は耐えて、動きの早さを上げる。優の腰の動きに合わせて、一緒のタイミングで腰を振る。
「……エッチだね……そんなにボクのおちんちん欲しかったの?」
 意地悪な問いかけ。だけど答えられない。だって、生でやるだけでこんなに気持ち良いなんて。
「ああっ!! やぁっ……んんっ!!」
 言葉になるわけがなかった。
 お腹の中、おまんこの中の粘膜が優を包み込んでいるのに、それに抗うように動き回るその度に絶頂にも近い快感が腰から背中を伝って頭の奥まで響いていく。
 優のおちんちんが頭の奥までおかしくしてしまう。頭に伝わる快感で意識が飛びそうになるのに、急に優の動きがゆっくりになる。
「えっ……ゆう……」
「翼、気持ち良い……ボクも気持ち良くさせて……」
 そう言いながら、ゆっくりとグラインドをしてくる。動きの変化で、頭に行った気持ち良さが、今度は下るように身体中に降りてくる。
 肩が、乳首が、おっぱいに。それでもおまんこの快感はやってきて。
「ああっ!! 優、うぁ! うぁ! あーっ!!!」
 密着してくる優の肌が気持ち良くって、前後にグラインドしてたと思ったら、今度は円を描くようにゆっくりと腰を動かしてきて、快感をシェイクさせているみたい。
00161502014/01/26(日) 00:36:04.24ID:QXX3bE2F
「翼のクリトリスおっきいね……ボクのお腹に当たってきて、入りたがってるみたいで」
「ああっ……優……止めてよ、こんなおっきなクリトリス嫌いなの……」
 ああ、こんなときにあばれないでほしい。早く切り捨ててしまいたいくらいなのに。
 だけど、その反応はきっと今までであり得ないほど勃起してて、まるで女の子になった私を歓迎してくれるみたいにも思えた。
「そうだね……こんなにエッチだと悩んじゃうよね」
 いきなり優は先端に指を軽く突き刺してくる。
「ああっ!! い、痛い……」
「ごめん、ちょっと強かった?」
「ばか……ぁぁぁあっ!」
 批難の声を身体を突き上げて誤魔化される。
「……あんまり触っちゃうと潮吹いちゃうかもね……」
「うそつき……」
 優が言った潮吹きと違うのに。私を煽るように言ってくる。
 最後に、また軽く先端を指で突いてちょっと痛いのに不思議と段々気持ち良くなってきた。ああ、どうなっちゃうんだろう私。
 グラインドされるだけで、肌が強く触れ当たって気持ち良い。だけど、慣れてくるとときおりピストンを始めたりしながら私を翻弄する。
「んんっ……あんっ! あんっ! あー!! ああっ!!!」
 単調なようで、的確に感じる場所を刺激する。だけど苦しそう。
 なんか、先端が少しだけ濡れているかもしれない。ローションやお腹の粘膜とは違う濡れた何か。
「ああっ……ゆ……優……だい、じょうぶ……」
「うん……もう……無理かも……翼ちゃんは……」
 ああ、辛そうだ。優、限界なんだ。だったら私も一緒にイキたい。快感はさっきから段々と頭にまた戻ってきた。
 背筋と肩とおっぱいと顔に快感が駆け抜けて、頭の奥に響いていく。口に意識がやっと戻ったけど、だらしなく舌を出して、甘い声ばかりあげている。
 そんな姿が想像できていた。なんてエッチな姿なんだろう。これが私なんだ。
「動くよ……」
「お願い……激しくして……私も、イキそう……優と一緒に……」
「嬉しいよ……」
 その言葉と同時に優は腰を引いた。そして来ると思った瞬間に、一気に優のおちんちんが私の一番奥深くに突き刺さってきた。
「はぁああああっ!!!」
 背中が下にあっても仰け反ってしまう。反動で脚が上がって、すがりつくように優の腰の後ろで脚を交差させ、背中に両腕を回して抱きつく姿勢になった。
「翼、もっとギュッとして……あぁ……」
 熱っぽくなった優の声。
 でも、必死になって私の顔を見つめながら腰を振る姿は、いつもの少年のような顔じゃなくて艶っぽい表情が思春期の中世的な女の子みたいで、
 女の子に犯されているような状態に私の頭はもっともっと痺れてくる。
「……気持ち良いよ……おまんこも……クリも……頭の中もぉ……あぁ……やあっ!! 気持ち良いの止まらない! 優のおちんちん気持ち良い!!」
 意識が遠くなりそうだった。確かだったのは、お腹の粘膜に包まれた優のおちんちん。
 熱い固まりが動く度に腰は震えて、ぼくも応じるように締め付けて、そのまま駆け抜けていく快感は上半身を駆け巡る。
 抱きついて柔らかいおっぱいを押しつけあっているだけで気持ち良いのに、快感は止まらないまま脳天を突き抜ける。
 まるで大きな管みたいになったみたいだ。
「……翼……もうダメ、ボク……イッちゃうよ……」
「出して……優の精子、私に出して!! 私を優だけのものにしてっ!」
 身体の中で優の動きながら我慢しきれない感触がひしひしと伝わってきた。そしておまんこの中で優のおちんちんが一瞬だけ大きくなる。
「イク、イッちゃう、翼、翼!!」
「優、私も、一緒に、あぁっ!! イクっ!! イッちゃう!!!」
 彼女の叫び声がしたと同時に私も叫んだ。身体に駆け巡る絶頂が全身を弛緩させた瞬間に、身体の中には彼女の欲情が込められた熱い液体を放出された。
 その熱さに言葉にならない悲鳴を上げた私は、そのまま目の前の抱いている少女の身体に強く強くしがみついた。
00171502014/01/26(日) 00:49:06.33ID:QXX3bE2F
「……さ…つ……ば……つばさ……」
 遠くから呼びかけられる声でゆっくりと目が覚めてきた。
「ゆ……う……?」
 まるで何日も前のような、いつか見た夢の続きみたいだった。私と優は抱き合ったまま、ずっとずっと意識を失っていたみたいだった。
「……凄い……まっだ繋がってたんだ……」
「でも……さっきまでボクも気絶しちゃってたから……」
 お腹の中で液体が放出された感触が記憶どころか肉体感覚に刻み込まれたみたいに思い出してくる。本当に気持ち良かった。あれ以上なんて感じられないくらい。
「翼も、クリトリスの周りが愛液でベタベタだよ」
 あまりそこには意識がいかなかった。久しぶりのトコロテンだった。でも、今の私にはそれにはあまり感慨のようなものを覚えなかった。
それよりも優に抱かれて女としての喜びを刻み込まれた方がよっぽど大事で、とても嬉しかった。
「嬉しかったよ、私は……」
「翼ちゃん……ぼくは……卒業?」
「えっ……」
 思わず、いつもの自分の呼び方を思い出すようにして言葉を発したけど、
「私は……」
 その言葉を発した私を見て、少しだけ優は不思議そうな顔をした。
「……そうなんだ……」
 いつのまにか「ぼく」という言葉が私から失われていた。
今なら分かる気がした。自分の中にいる女の子のようなものと、私の身体と心がようやくひとつになったことを。
やっと、私は、自分が求めているところにたどり着いたんだ。
「……もしかしたら、翼は本当に女の子に生まれるはずだったんだね……もう、身体も心も本当に女の子らしいし、表情もボクが今まで見てきた中でも一番きれい……」
 生まれなかった私。女の子としての私。少し違う。これを優には話さないといけない。
「ごめんね。私、優に話していないことがひとつだけあったの……」
 出生について。優と由香子さんがひとつの形で生まれることができなかったのとは逆で、ひとつになって生まれてしまったから持ち合わせた「私」という人間のことを。
「たぶん……私の中にはお姉ちゃんか妹がいたの。
それを私が取り込んでしまったから、男に生まれたのに、心の中で女の子にならないといけないって思ってたんだと思う。
無意識に。それがずっと少しずつ解け合ってきて……やっとちゃんとひとつになれたんだと思うの。
ただ、セクシュアリティは女の人が好きだって強くは思っていたけど、優と出会ってたぶんバイセクシュアルになっちゃった。
……今なら……男の人に抱かれるのも平気かもしれない。もちろん……本当は優以外に抱かれたくなんてないけど」
 気づいたら、私は完全に女の子になっちゃった。たぶん、心の持ちようがそうさせたんだ。
ただ、その最後の一押しが優の射精を身体で受け止めることだったんじゃないかなって、なんとなくは感じている。
この刻まれた感覚を忘れない限り、私は優と一緒に生きていけるような気がした。
「……翼ちゃん……ボク、羨ましいよ……翼ちゃんは、心まで女の子になれているのに、
ボクは男の人が好きだし、女の子も好きだし、自分が男の子かと思ったり、女の子のときもあったりして、自分がどっちつかずにいるんだ。
それが悔しい。そうやって、自分の気持ちにたどり着ける翼ちゃんに嫉妬しちゃうよ……」
 そうだよね。優だって、ずっと迷っていたんだから。こうして、私がひとりで満足してたら可愛そう。だから私は優の頭を胸に押しつけるように抱いて、
「私は……優が女の子だって思ってる。だって、私を抱いてくれたときは、男の子っていうよりも女の子だった。
中世的で、男の子っぽいのを否定させられていく思春期の女の子みたいで。
これって……私のわがままかな? 優はきっと女の子。ただ、男の子の気持ちがちょっとだけ残っているから、少しだけ男の子みたいなところもあるの。
別にそういうところを無くしてなんて思わない。それも優の一部なんだから……」
そう言ったら優は少しだけ静かに泣き出した。私はまるで小さな子供を慰めるような気持ちに暖かみを感じてきた。これって母性って気持ちなのかな……。
結果として、私は女の子になれたけど、逆に優のことを抱くことができなかった。
寝るのが短ければ良かったんだけど、夕方前なのでさすがに由香子さんが帰ってくるだろうということが気になったから。
私のお腹の中をきれいにしないといけない。精液によってはお腹が緩くなることもあるらしいから。
00181502014/01/26(日) 00:50:06.96ID:QXX3bE2F
「ごめんね……私が寝ちゃったから……」
「ううん。ボクだって、気持ち良かった……何だろう、お姉ちゃんとセックスしてたときは貪ってる感じだったのに、翼とのセックスっていつも愛されているなぁって感じた。
まあ、人によっては刹那的って言うかもしれないよね……子供作れないし……」
 刹那的。愛があれば関係ないと私は思いたい。だけど、優の場合は少しだけ大人だから、色々と知ってることがあるのかもしれない。
たぶん、私はそういうものにきっとたくさん出会っていくのかもしれない。
 由香子さんが帰ってきて、最初の反応は私の雰囲気が何か違うということだった。経緯を説明すると目を丸くして驚いた。
「……トランスジェンダーの友達でも、なんて言うのかな? そういう劇的な変わり方ができた人なんていないわ……
やっぱり、翼ちゃんが言っていたことがある意味では、説得力のある答えね……優とわたしは別れてしまったと思っていたけれど、
ひとつになるってのも上手くいかないものなのね……ところで……お祝いはいつする?」
 それは嬉しいけれど、まだ早い気がした。私にはやり残して、これから続けないといけないことがあるから。
「……それは、私が男の人に抱かれても平気になるまで待ってください」
「了解……」
 さすがの由香子さんも無理強いはしなかった。そして私が部屋を出るときに、
「今度、一緒に買い物行きましょう。それから、静さんのお店に行って、今のあなたを見せてあげたいから……」
「ずるいよ、お姉ちゃん。翼とデートするのはボクなんだから」
「一緒に、行くってことでどうでしょう?」
「「賛成!」」
 この姉妹はいつも楽しいね。
00191502014/01/26(日) 00:53:20.25ID:QXX3bE2F
夏休みで良かったと思う。今の私が学校に行ったら変りすぎて引く人も出てくるかもしれない。
それに、この仕事も試験期間とかが近づけば喜んで行えることでもない。単純に成績を収めるだけじゃなくて、私は身体を売って生き続けるつもりはないから。
 そんな意識をしっかりと持ちながら、明くる日、黒服の車に優と一緒に乗り込んだ。
 更衣室でマネージャーと顔を合わせただけで、
「……今なら大丈夫ね」
 というようにお墨付きをもらえた。周囲の女の子は「きれいになったね」「無理しないでね」という声を掛けてくれる。
 まだ、新人だから基本的にみんな優しい。人気が出ると厳しくなると優も瑠璃さんも言ってくれていた。だから、変に依存はしないようにしっかりと。
 ロッカーを覗いてみたら、今日の衣装はブレザーだった。正直言えば、私くらいがギリギリ切れる年齢だと思った。
 優と私は似合っているけれど、人によっては無理して着る形になっている人もいた。
 こういうアンバランスな状態に不満を感じたら、後で黒服なりマネージャーに相談する形になる。
 優もブレザーは初めてで、似合えばそれはそれで良いけどね、と言葉を濁した。先輩たちを気にしていたのかもしれない。
 メイクの時間はとても短かった。ロリコンの人は化粧が濃いと嫌がるらしいから、若い女の子ほどナチュラルメイクを施された。
 私の場合は、ちょっとだけチークとルージュを整えた。自分でやった色よりも表情が健康的な色彩に変った。
「優子さん、時間です」
 待合室にいたら、黒服の人が呼んでくれた。再スタート、ということに緊張はいらなかった。私に視線は集まったけど、特に気にならなかった。
 部屋の中には、やっぱり彼がいた。
「……前も驚いたけど、今日も驚かせてくれるな。さすがだよ」
「ありがとうございます。先日は、失礼いたしました」
 相変わらず戸田キリヤは余裕を持った態度でウィスキーを飲んでいる。バスローブ姿は変らない。様々な形で女の子を迎える人がいるらしいけど、彼の場合は前と同じまま。
「……何か、あったのか?」
「あるとすれば、私の中にあった女の部分がちゃんと心と身体に解け合ったようなものです。上手くは言えません」
「それでも……よっぽど前よりは楽しませてくれそうだな……とはいえ、俺はロリコンじゃないんだけれどな……」
 どうしても還暦過ぎの男性としてはブレザーを着た女子高生のような自分とセックスをするのには抵抗があるらしい。
「残念です……実を言えば、こういう制服を着たいって思っていた時期もあったんです」
「そうか……で、それを脱ぐっていうことに抵抗は?」
「ありません。まだ十代ですけど、すぐに二十代です。似合わないものを無理に着続けようってほど、私も羞恥心が強い訳じゃないですし」
 そこまで言うと彼は立ち上がり、バスローブを脱いだ。そして、私の前までやってくる。
「……だが、あの舞台の上で由香に犯されて淫らに喘いでいたのがお前だった事実は変らないぞ」
「……由香がいてくれれば、私はどんなに穢されても平気です。彼女が私を清めてくれれば」
「全く、一晩限りの相手とはいえ、嫉妬させてくれんじゃないか」
 急に彼は私を大きな腕で抱き寄せてきた。
「……その気持ちを忘れさせてやるくらい強く抱いてやる……」
「お手柔らかに……」
00201502014/01/26(日) 00:54:23.86ID:QXX3bE2F
ここまで言われているのに余裕も拒否感も少しも沸き上がらなかった。これには私も驚きがあるけど、それを見透かされたくないから強く冷静を装った。
 左腕で鎖骨の高さに回し、右腕でブレザーのリボンを取られる。
 ブラウスのボタンが見えるようになったから、そのまま脱がされるのかと思ったら、袖口のところから手を突っ込まれて触ってくる。
「……思ったよりも大きいな……」
「んっ……大きい方が好きですか?」
「いいや、人それぞれだ」
 そのままブラウス越しに胸をまさぐられる。少しもどかしい。そんなことを考えているうちにブレザーのボタンが外されていく。
 左腕はいつのまにか腰に回されて、少しずつ衣装を脱がせていく。
 ブラウスのボタンを外されていくと、少し動きが止まる。
「外見が女子高生なのに、なんてブラジャーしてるんだよ……」
 男の人は分かっていない。女子高生だって、それなりに下着にはこだわってる。
 Tバックとかまではいかないけれど、あの子だって私のためにちょっと奮発してシースルーのブラジャーを用意していたりする。
 何を着ているかなんて脱がせる人しか分からない。
「……女の子の下着にまでこだわるタイプですか?」
「いや……俺が若い頃はそんなに派手な下着がなかったからな……変な違和感が」
 それを聞いたら先輩たちは幻滅しちゃうよ。シースルーどころか、マイクロビキニみたいな上下セットしているんだもん。
 あれは、私なら絶対に着たくない。
「……自慢じゃないけど、私はこのお店で最年少みたいだから、ジェネレーションギャップがあってもおかしくないかも……」
「ちょうど二十歳の奴らがいたが……彼女らは大人しめだったんだがな……」
「他の子と比較しないでください……」
 そういうところを比較されるとあまり面白くない。優とのことは別に構わないのに。少し不思議。
「まあ、どっちにしろ脱がすがな」
 ブラウスのボタンが外され、身体が離される。そして向かい合いになってブレザーとブラウスを脱がされていく。
「スカートもだ」
 上半身は脱がすのを手伝ってきたのに、下半身は触れないのに意味はあるのかな。
 よくわからない。プリーツスカートを脱ぐと上下セットの下着姿。やっぱりこういう格好は恥ずかしい。
 下着のときってなんで裸より恥ずかしいときがあるんだろう。本当に不思議。
00211502014/01/26(日) 00:55:26.82ID:QXX3bE2F
「……しかし、前の時は乳首は勃っていなかったな……それに女になろうとしていながら、下半身が反応する奴は多い。
 まあ、性的興奮だからな……優子は前の時、全然乗り気じゃなかったな……初めてで緊張していたのかと俺は思っていた……」
「……あの時はごめんなさい。私は、まだ自分の気持ちに整理が着いていなかった……」
「……だとすると、気持ちの問題だったというわけで、俺自身が嫌だったとかじゃないんだな?」
「ええ」
 するとキリヤさんは私を抱きしめてくる。触れ方も優しくて、まるで確認でもするかのように優しかった。
「お前以外に、この店で抱いた女の中には泣かせた奴がいた。そいつは辞めてしまったよ。
 正直、理由が分からなかったな。抱いた後に泣かれたから、俺もなんて言えば良いのか分からなかった。
 そして、次の週には辞めていた。悪いことをしたとは思っている……
 ただ、俺が悪かったのか、本人の気持ち次第なのか、好奇心じゃなく今後の俺のためにも知りたかったんだ。
 だから、今、こうして来てくれたことに俺は少し驚きもしているんだ」
 あのときの必死な対応は、そのときの後悔からか。やっぱりこの人は強面な印象なのに心根はとても優しい。
 だから周りの評判も良いわけだ。
「でも……今なら、あなたに抱かれても構わない」
 今度は私も背中に手を回して抱きつく。すると私のブラのホックを外しているみたい。
 文句を言わずに少し肩をすぼめて、取りやすくしてあげてたら、そのままお姫様抱っこでベッドに運ばれた。
「前と違って、今日は俺が責める。何もしなくて良い。嫌だったら言ってくれ。無理はさせん」
 本当に慎重。少し微笑んだら嬉しそうな顔をしてくる。
「胸は下手な女より形がきれいだな。運動でもしてるのか?」
 話すのが好きなのか、おっぱいを愛撫しながら色々と話しかけてくる。
「……なにも……あっ……んん……」
 揉み、乳首の周りに近づいてくる。それだけでゾクゾクしてくる。そして、ゆっくりと指先で触れられた。
 触る前から勃起していた乳首は触られるだけで甘い快感になった身体に広がっていくのに、その日は強く摘まれたり、口で吸われ甘噛みされた。
「ああっ……はぁんっ! つ、強い……」
 みんな性別関係なくおっぱいが好き。吸い付かれるのも大変だけど、甘噛みされると痛みなのか快感なのよく分からない感覚が頭の奥にも響いてくる。
「大変だな……乳首刺激してやるだけで、下半身が泣きそうになってるぞ」
 ショーツの中のことだ。クリトリスが必要以上に暴れている。分かっているけど、止められない。
「脱がすぞ……」
 胸の愛撫を止めて、その手で下半身のショーツを脱がされた。そして勃起しきったクリトリスが飛び出してきた。あまり気に入らないもの。
「そこ……やぁっ……」
 クリトリスを触ってほしくない。射精するのも好きじゃない。手コキもされたくない。
「……そんなに嫌か?」
「嫌……そこだけは……」
「そうか……まあ、変ってる奴は使えるならどっちでもイキたいとかって言ってるけどな……」
 射精はしたくない、ってわがままなのは分かっている。だけど優以外とのセックスで射精はしたくない。
 男性機能が失われないし、女性化の妨げにならなくても。
00221502014/01/26(日) 01:01:06.44ID:QXX3bE2F
「……おまんこなら……良いです。トコロテンは嫌いじゃないから……」
「そうか……」
 不思議だけどこれは本当。たぶんおまんこでイカされるときしか出ないから。
「……それなら……乳首責め嫌じゃないんだな」
「はい……」
 それからは、ゆっくりとおっぱいの愛撫が再開された。
 さっきまでは最初から乳首に向かってきたのに、今度は、脇腹を触ったり、少し仰け反って空いた隙間に手を差し込まれくすぐられる。笑うよりは感じてしまう。
「ふぁ……ひゃっ……あぁん……んーんぅ……」
「くすぐったいのか感じてるのか曖昧だな……」
 煽られているのに身体の火照りは治まらない。胸やお腹が温かくなってくる。ああ、欲しくなってきた。
 優じゃないのに、身体が素直に受け入れたがってる。私、こんなにエッチだったの?
「……震えが止まらないな……もう、我慢利かないのか?」
「うん……お願い……」
 ああ、あんなに嫌がったのに、もう欲しくなってる。あの時から、もう私は女の子になったんだ。この人に抱かれることが少しも嫌じゃない。
「顔とか見たくないならバックでやるか……?」
「どっちでも良いです。私は、正常位の方が好き……」
「なら、先週のお預け分、バックでやらせてもらおうか……」
 すると、今度はマウントポジションになって、そのままおちんちんを顔に押しつけてきた。
「まずはフェラからだ。一週間待って、ダメになるならしょうがないが、それでも来るなら期待できるのが今までの経験だ。
 つまり、少しここからは強くするからな。覚悟しろよ」
 たぶん、こういう男臭いところには今までは、不快しか感じられなかった。だけど嫌じゃない。知らない物を与えて欲しい。
 口を開けた途端に長くて大きいおちんちんが口の中に入ってくる。優のより大きい。しかも皮が剥けているから引っかからない形で圧迫をしてくる。
 舌で舐めるよりも先に少し喉の奥を責めてくると思ったら、引き抜いてまた入ってくる。イラマチオなんて初めて。優もやらないのに。
 ただ、苦しいけど喉の奥まで来そうで来ないのは少し安心した。
 何度も繰り返し入ってくるのを必死にしゃぶりながら、もしかしたらこれ以上のハードな行為を要求されることを予見すると、少しだけ不安に感じた。
「……大丈夫か……?」
 何度目かの動きで口の中で痙攣するような反応を示してくる。そして、私に対して声を掛けてくる。ゆっくりと口に含んでいたおちんちんを口から出して、
「……くち、口が疲れたけど、大丈夫……」
 一言一言をちゃんと発音したら言葉になった。さすがにこんなことを何度もしてたら顎が外れちゃいそう。
 そして我慢しきれなさそうなおちんちんは先走りで濡れている。よく見ればそこから私の口にカウパーが繋がっていたから、指で触れたら音もなく切れた。
「ローションとコンドームはあるか?」
「ええ」
―――――――――――――――――――
とりあえずここまでです。客の設定まで作ってしまったのが、
予想外の長さに繋がってしまいました……。
キリヤの名前は萩尾先生の『バルバラ異界』の登場人物から。
書いている最中に読んでいたので。
00241502014/01/27(月) 02:25:22.64ID:JKT4R8wX
続き行きます。
―――――――――――――――――――
寝かしつけられたときに彼はベッドの脇にポーチを置いていた。前は私が探ったそれを今度は彼が取り扱う。
中に入っているものは必要最低限のものだけ。ローションのボトルとコンドームと指サック。
 ラテックスの手袋もあるけれど、お客さんはそこまで入念にするのがきらいみたい。
 身体を犬みたいな体制にされ、お尻とおまんこが丸見えの状態になる。指サックを填めたキリヤさんは、指をローションでベタベタにした。
 そしておまんこの入口をたっぷりと濡らす。
「んっ……」
 冷たい感触。正直、少し嫌いなタイプ。暖かくなるタイプなのかな。そんなことを考えながら、冷たい感触と指の入ってくる感触が同時に入ってくる。
 もうローションを使えば指二本なんて余裕。だけどあんまりガバガバにはなりたくない。人工肛門の話は聞いただけで怖い。
 指二本でしつこいくらいにおまんこの中をローションまみれにされて入念に解された後、
 今度は指を三本入れられて、これも普通に入るようになったことに興奮してきた。
 いけない。本当にエッチな心と身体になっている。
 何度も指の往復を繰り返され、Gスポットにも指を押しつけられ、私の意識はドロドロに溶けてしまいそうだった。
 途切れ途切れの喘ぎが混ざった吐息をしながら、指を止めた彼の動きを待った。
「……行くぞ……」
「抱いて……」
 ゆっくりと入ってくる圧力。今までに無い大きさ。ゆっくりと奥に入ってくる。そして、最初に意識したのはとてつもない圧迫感だった。
「きつい……」
「……安心しろ。無理には動かん……それまではこっちを楽しませてもらおうか」
 背中越しに覆い被さってきた。角度の変ったおちんちんの動きに声にならない声が出た。そしてまた乳首が責められる。
「バックだと、乳首が寂しそうだからな」
「んひっ……あぁ!! はぁ……うぅ……」
 お腹の圧迫感とおまんこの熱さと乳首の快感が全部一緒に襲ってくる。感じるときは、一緒に感じてしまうことはあっても、同じくらいの強さで同時に感じるなんて。
 ああ、おまんこが勝手に動いちゃう。お尻が震えちゃう。
「……動いて欲しいみたいだな……」
「あぁ……おね……がい……」
 その言葉を合図に勢いよく引き抜かれ、そのまま激しく押し込まれた。
「ぁぁああああ!!! うぅぅ!!! あああぁぁ!!!」
 信じられない。こんなに大きなものが私の中で動いているなんて。締め付けたくても、激しく動くものに耐えられない。奥に響く。
 おっきくて動く度にGスポットも刺激されちゃう。ああ、もう声が出せない。悲鳴ばっかり。出したこともない高さで。
「あああん!! やあっぁ!! はぁぁっ!!」
 あまりの激しさ。おまんこだけじゃなく身体中がずっと軽くイッているみたいで、頭おかしくなりそう。どうしてこんなに気持ち良いの?
「……お前、何でこんなに気持ち良いんだよ……下手な女より上等じゃねえかよ……ぐっ……」
 勝手に自分の中で動いているものを締め付けた。そんなことを言うのは反則。ずるい。
 勝手に身体が喜んじゃう。その大きさに負けていた身体が求めたがってきた。
「ぐっ……本当に……搾り取る気かよ……」
「ああっ!! もっとっ!! もっと!!!」
「お望み通り、突いてやるよこの淫乱!」
 今度はグラインド。こんな太いのでグラインドされるなんて。お腹おかしくなりそう。背筋に変なの気持ち良い以外の何か来てる。
 頭の中おかしくなりそう。
「あひっ!! ひゃああ!! ふあっ!!」
 もう何言ってるんだろう。動物みたい。お尻突きだして、身体は猫みたいにシーツを掴んで泣きそうな声で、涙潤ませて。
「……どうなんだよ……俺のこんなにくわえ込んで……動物みたいに叫んで、どうせお前なんかチンコありゃあ喜んで股開くビッチなんだろっ!」
 ああ酷い。でも言われている姿が否定できる代物じゃない。こんなに乱れている。優がいるのに。優子になった私は、こんなに酷い姿で乱れている。
「ちが……ああっ!! ちがい……ます……うぅんっ!!」
 すると動きが止む。今、止められたら辛い。思わずお尻をモジモジ振りながら動いてくれるように求める。
「なら……俺のこと愛しているって言え……それなら……淫乱でもおかしくないからな……」
「嫌です……」
00251502014/01/27(月) 02:25:59.09ID:JKT4R8wX
 本当に酷い人だ。きっと煽っているだけなのは分かっている。ここまで乱れればちょっと悪い冗談なんて許される。
 だけど愛してるなんて、優以外に言いたくない。こうやって強要される形ならなおのこと。
「即答かよ……そこまで由香が好きだなんて驚いたな……」
「……あなたが初めての子とセックスしたのは、今みたいなことを言わせるためですか?」
「……悪かったな。悪趣味で」
「分かる気がします。あなたは、支配することが大好きで、籠絡するために優しい。だけど、行き着くとこうやって意地悪をしてくる。
 それをダメとは言いません。だけど、私は由香を愛しています。それは男だろうと女だろうと、私は優以外の人に愛しているなんて言えません」
 身体も心も翻弄されたけれど、私は最後の一線だけは守っている。私は女の子として優のことを愛している。
 それ以外に望まないし、ぶれるわけにはいかないって。
「……なら……俺が言うのなら構わないだろう……」
「それなら大丈夫です 
「欲張りだな」
 またそういうことを言われると身体が反応する。
「本当に……バック辛くないか……正常位にするか?」
「……お願いします」
 一度、身体から抜き出す瞬間に激しいもどかしさを感じた。抜けてしまった惜しさが。
 だけど、すぐに入れてもらえる。おまんこが大きく開いたから空気が入ってくるような錯覚を感じる。
 だけど、すぐにそこを埋め合わせてもらえるようにM字開脚の体制になる。
「じゃあ、もう一度行くぞ……」
 よく見れば、コンドームに包まれていても、さっきのイラマチオのときよりもおちんちんは大きくなっているように見えた。
 きっと、もうすぐイッてしまう。ローションまみれにして私に向かってくる。
「……キリヤ、激しくて……」
 これくらいなら優も許してくれるよね。好感は持つけど好意とは少し違うから。
「ああ……愛しているぞ、優子」
 もう一度、今度はすんなりと、そして一気に一番奥へ。
「ああああぁぁぁっっ!!!」
 一気に身体の最奥に入ってくる。おまんこもお腹がいっぱいになる。ああ、満たされている。
 そのまま激しく動き出す。ローションを追加したから、火照りきった身体には冷たさが心地よいのに、貫いてくるおちんちんがとても熱くて不思議な感触。
「ぐっ……きつっ……」
 また勝手に締め付けてしまう。ああ、もうイキそう。おまんこから快感が背中を伝って、乳首や肩や鎖骨に顔に広がっていく。
 そして頭の一番奥に激しく快感が到達して、そのまま突き抜けるような感覚に襲われた。
「あぁ……イクぞ……優子……」
「出してっ! 私の中にぃ!!」
 とてつもない熱さだった。コンドーム越しでも奔流が打ち付けられていることが分かり、そのまま白目を向きそうな快感が襲ってきた。
 そしてそのまま頭や背中の快感と同時にクリトリスに激しい快感が駆け抜けて、爆発するような量の愛液を放出してしまった。
00261502014/01/27(月) 02:26:55.44ID:JKT4R8wX
 髪を撫でられる感触で目を覚ました。
「起きたか。正直、この店でここまで満足したのは初めてだ」
「ありがとうございます」
「……とりあえず、俺はもう眠いから今日は泊まっていく。お前はどうなんだ? 由香が待っていたりするのか?」
 やっぱりそういうところを配慮してくれるのが優しい。あくまでお客としての関係でいようとしている。
「由香は、お客さんの指示が嫌じゃなかったら、それに合わせた方が良いって言ってくれてるから、大丈夫です」
「じゃあ、一緒に寝てくれるか? 正直、セックスだけで来たつもりだったが、こんなに疲れるのは初めてだ。ただ、この疲れはそんなに嫌じゃない」
「はい……」
 こうしてライトを消した瞬間に、そっとキスを交わして私だけの仕事が終わった。

 夏休みが終わり、学業は相変わらず順調だった。さすがにここまで女性化していると、色々な人から声を掛けられるし、先生やクラスメイトは最初に見て驚くし。
 クラスメイトの中には整形? なんて言ってしまう子までいた。さすがにそこまではしていない。
 優は後期から学業に復帰する予定だったけど、来年度からに再開することにしたいと言った。理由は、
「翼と一緒に授業受けたいからね」
 という理由に少し呆れた。時間は有限なんだから、自分のために使って欲しい。だから、優は少しだけ平日にもお店に出るらしい。
 もちろん無理はしないつもりだし、悩んだら牧村先生には相談するつもりみたい。
 そして後期のテストが始まる前に、私は優と由香子さんと一緒に暮らすことに決めた。
 さすがに三人だと狭くなるので、さらにもうちょっと大きめな部屋になった。
 少し大学や新宿の中心地から離れたけれど、駅は五分以内でオートロックという至れり尽くせりな物件だった。
 物件を決めるとき、三人でたくさん相談をしていた中、由香子さんがこんなことを言う。
「もしも、日本が同性婚が認められるようになったら、静さんも入れて四人で暮らしましょう。最終的には家も建てて」
 そんな楽天的な話すら出てくる。そうなったら良いだろうな、とは私は思う。
 優が認められないままだったら、という質問に対しては、私たちと偽装結婚をして家族になるという回答を頂いた。
 さすが由香子さん。転ぶことすら許さない。
 ただ、私にとっては少しだけ違う思いが今ならある。
 女性化を始める前に撮った自分が男であったときの最後の写真と、せっかく伸びた髪の毛だけど、一房だけ切って住所の場所と一緒に送った。
 元気でいることと、もう学費と仕送りはいらないこと、そして、もう男に戻るつもりはないことを伝えるために。
00271502014/01/27(月) 02:27:43.24ID:JKT4R8wX
後期の授業も順調なので、私はお店以外にもアルバイトをしようと考えていた。由香子さんに相談したら、静さんのお店を紹介された。
 人手不足だし、身内だしという理由だった。
「全く、久しぶりに来たと思ったら、バイトの紹介って……恋人ないがしろにすると浮気するわよ」
「静さん……帰ってきたら、すぐに会いに来てるじゃん……」
 さすがに由香子さんも静さんには頭が上がらない。最近は、旅行記事とかも書くので少し遠出をして、場合には泊まりがけで取材をすることも多くなってきた。
 駆け出しのライターにしてはかなりの仕事量をこなしているようだ。
「まあ、良いわ。とりあえず注文と……翼ちゃん、料理は作れる?」
「一応……」
「じゃあ、簡単な料理とかやってくれる? 忙しいと、まかないとか作る余裕なくて。作り置きでも良いけど、どうせならできたて食べたいでしょう?」
 テストとして私はナポリタンを作ることにした。
 静さんは仕事にはこだわるタイプで食材も料理器具も充分すぎるほどあって、中には見たこともない物もたくさんあって少しだけ困惑した。
「合格! これならお店に出しても良いくらい」
「ええっ? 私、調理師免許なんて持ってないです」
「許可があれば免許がなくても料理は提供できるわよ」
「おいしい……翼ちゃん、家でも作って!」
 てんやわんやで静さんのお店でもバイトが始まった。勉強は忙しいけど、落第するような成績ではない。充分に単位は獲得できそうだ。
 お店の人とも親しくなり、常連さんとも話をするようになった。時には告白されたこともあったけど、丁重にお断りをした。
 ただ、ストーカーにならないようにとは思ったけど。こういうことを考えると、私は女になったことへのデメリットも感じてくるようになる。
 強姦されたりするかもしれないからと思うと怖くなる。
 まだ、股間の部分は男の人と同じ形をしているから、それが分かっただけで強姦目的から暴力を受けて殺されるかもしれない。
 だけど、仕事の方が裏に何があるか分からないから、よっぽど怖いけど。もちろん、秘密を守って仕事をやるべきことを果たせば、何も怖くはない。
 とはいえ、仕事でも嫌みは言われる。私の場合は若いのとキリヤさんに何度か抱かれるようになった結果なのか、順調に指名を受けている。
 ショーに出るよりも指名を消化するのに忙しい。ほとんど土曜日にしか出ないけど、指名争いが激しいらしい。
 そういう評判は少し嬉しくもあり、先輩の中には「若いだけでしょ」とかいう嫌みを言ったりもする。
 こういうところも女の人の世界。嫉妬が溢れることなんてとっくに分かってる。
 仕事とは別に静さんのお店でバイトをすることはとても貴重だと思う。
 あの仕事で得られる報酬は週一回だけでもあまりに大きくて、散在して壊れる人がいないわけじゃない。
 だけど人によっては女になってから店を始めたり、起業をしたりする人も多い。
 私はあまり稼いでいないにしても、一回の出勤だけで、大卒初任給くらいのお金が一晩で簡単に手元に入ってくる。
 これも出演率や指名率に期間の長さで大きく額が変ってくるらしい。優の一回の出勤の額を見て少し目眩がしたくらい。
 そんな風にあまりにも額が大きいので定期預金に殆ど回してしまう。これだけで学費が払えるし、お釣りが出るくらいだ。
 もちろん税金は掛かるわけがないし。健康保険も年金も携帯電話料金も全部が自分で賄える。
 もちろん、いつかはそれに頼るわけにはいかなくなる。風俗嬢の人が止められない理由は、そういうところにもありそうな気がした。
 だから、私は看護士になろうとしている。着実にお金を得られて、人から感謝される仕事をしたい。
 学校は私を女性と扱っているから、女性の姿で資格の取得まではできると思う。ただ、その先についてはまだ分からない。
00281502014/01/27(月) 02:29:50.67ID:JKT4R8wX
 ある日、バイトが終わった後に静さんに連れられてレディースバーに連れて行かれた。
 優は優で仕事があったり、疲れているときは早めに寝ていたりする。私は大学がまだ忙しいので、少しだけ緊張する。
 静さんにはお世話になっているけど、仕事とはまた別に女性だけの集まりは少し異世界だ。
 レディースバーは静さんの友達がオーナー兼店長をしている。お母さんが元々、その場所でクラブのようなものをやっていたらしい。
 そこで同性愛者である自分と仲間たちのためにレディースバーを開店した。
 お店に入ったら少し化粧は濃いめだが、愛嬌のある女性がカウンターの中でスツールに座る女性客と会話をしている。
「あら、静。久しぶり。一応、あなたもオーナーなんだから、もっと来なさいよ」
 快活に笑っているので怒っているわけじゃないみたいだ。静さんは勝手知ったるという感じで奥の席に私を連れてきてくれた。
 メニューを持ってきた店員さんにコークハイとコーラを注文した。
「あたしはあの子、春香っていうんだけど、お酒とか接客の才能はあるけど、料理が苦手だから開店当時はかなり手伝ってあげたわ。
 私は女だけどその頃は普通の店の厨房で働いていたから、素人じゃないから料理は手伝ってあげたわ。セフレだったのに、仕事まで手伝うとは思わなかったけど」
 春香さんは静さんの長い友人で、セックスフレンドまでいったけど恋人にはならなかったらしい。
「……少し、不思議ですね。友情とセックスって両立するんですか?」
「うーん……人それぞれかな? お互いに自分のやりたいことがあったから、そのためだったら相手を投げ出しちゃうところもあったから、逆に信頼しあえていたのかも」
 淡泊なところは逆に良いのかもしれない。少し尊敬できる。今の私が優と別れたらどうなるんだろう。それは少し怖い。
「翼ちゃん……由香子と優のことどう思う?」
「……前から思っているんですけど、離れていても繋がっている気がします」
 優に関しては双子だからっていうのは分かっていても、未だに由香子さんと何か繋がっている感じがある。
 それこそ未練のような。私と同じ位置に由香子さんはきっとまだいるのかもしれない。価値の重さは同じでも意味としてはまた違うかもしれない。
「あたしはね……春香のことは良い友達でいれた分、お店が軌道に乗ったら、自分もお店を出そうって、そして自分と一緒にずっといられる人を探そうって決めてたの。
 やっぱり、ダラダラ付き合っていたところが私たちにはあったから、友達であることは絶対にやめない代わりに、恋人にはならない。
 だけどお互いに協力し合って幸せになろうって決めてた。それで、春香にもお金出してもらったけど小さいお店は持てるようなったの。
 このお店も私が離れても料理が提供できるようになったから。オーナーっていっても料理の手伝いとか道具とかキッチンの設置の主導権を持ってただけ。
 このお店だって殆ど春香のお母さんがお金を出してくれたところもあるから。
 三姉妹で春香だけレズビアンだったってことにはお母さんも驚いたみたいだけど、バイセクシュアルだったらしいから、ある意味で運命だって、献身的に支えてくれてたわね」
 そこで軽くため息をついた。
「ごめんね、ひとり語りが長くて。あんまりこういうことを言える友達もいないから……もちろん、あなたはあたしの友達よ。
 そんなに神妙な顔して聞かないで。あたしだって緊張しちゃうもの」
「すみません……」
 みんなどこか寂しがりや。大事な人はいるけれど、それだけで大丈夫なんて言い切れるわけないよね。
00291502014/01/27(月) 02:31:19.60ID:JKT4R8wX
「じゃあ、続き。元々、バーの方は評判が良かったし雑誌の載ってたくらいだったから借金もすぐに無くなったわ。
 もちろんまだ完済ってわけじゃないけど、頭を悩ますほどではないってこと。あたしのお店も似た感じ。
 比例するようにお客さんも増えたし、あたしだけじゃ回せないから従業員も増やしてね。
 由香子と会ったのはそういうとき。ラストオーダー直前で、とても落ち込んだ顔でオムライス食べてたんだけど、横を通ったら泣いてたから、
 話しかけてこのお店に連れてきたの」
 由香子さんが泣いた、ということは。
「……彼女と別れたんだって話よ。どうやら、バイト先の女の子と仲良くなったまでは良いけど、結果的に二股みたいな感じになっちゃって、
 ふたりまとめて別れ話をされる羽目になったみたい。それまでも付き合っても、また別の人に移ったりって、最初は話を聞いているだけで、とんでもないビッチだと思ったのよ。
 ちゃんとしていそうなのに、どこか病んでて。だけど、何だか可愛そうになって家に連れて帰ったわ。もちろんエッチは無しで、お酒飲ませて色々話させた。
 そうしたら……弟と恋人関係を解消したって話を聞かされて、危ない橋を渡っているなぁって……知ってた? 由香子が優ちゃんと恋人同士だったときがあるって……」
「話には……だけど、お互いに消耗するだけみたいになってたって……」
「そうよ。お互いに依存できるものが無くなってた。だから最初はずっと話だけを聞いてあげて、しばらく泊めてあげて、優ちゃんと仲直りさせるまで時間掛かったな。
 仲違いというよりふたりして何だか疲れちゃっただけだから、しばらく一緒に住んでちゃんとしたもの食べさせたら、やっとまともになったわ。
 その後ね、由香子とセックスしたの。流れだったけど、そうしたらすっかり懐いちゃって。
 だから、これは時間掛かるけどちゃんと育てないとなぁって軽く義務感は覚えたわ。もちろん今はちゃんとしているでしょう?」
 ああ、あのしっかりとしたところは彼女によって成された成果なんだと思うと、目の前の人に少し畏怖すら感じる。
「そんな感じで、ふたりが一年生の間は仲良くしていて、由香子は私のお店で編集者の人と仲良くなってライターのバイトを始めるようになったの。
 書く才能があったみたいで、たくさん雑用もこなしたし、男の人が行けないレズビアン向けの風俗の取材とか自分から飛び込んでいって、
 面白い記事を書いたりしてすぐにライターとして仕事が舞い込んでくるようになったのよ。
 由香子は心が健康なら、下手な男よりも仕事ができるくらいのエネルギッシュな子なのよ。
 もちろん……その流れで優ちゃんが女の子になるための方法を知ったわけ……一応、この話はあなたが優ちゃんと恋人だから話しておくこと。
 好きだから、逆に話せないこともたくさんあるでしょう? あたしは、もっと仲良くなってあのふたりのことを守っていきたいと思ったの。
 だから、由香子も優ちゃんもいない今日の日を選んであなたにこの話をしたの。
 だから約束して欲しいの。
 あなたが優ちゃんと一緒にいるためなら、あたしはできる限りの協力をする。
 だから、あなたはあたしが由香子といるためにできる限りの協力をして欲しい。
 あたしたちは、少し特殊な位置にいる。ずっと一緒に添い遂げるのも難しいけれど、少しでも協力してしっかりと生きていきたい。だから、約束して」
 良かった。静さんが、由香子さんのことを一番に思っていても、優のことも思っていてくれる。
 それなら、私がいまこうしていることもなんら間違いのようには思えなかった。
「約束します。一緒に幸せになりましょう」
 恋人に向ける台詞みたいだけど、お互いに愛している人へ向けた言葉のように思えた。
00301502014/01/27(月) 02:32:13.20ID:JKT4R8wX
 優と由香子さんと暮らすにあたって、あるルールを由香子さんから与えられた。同衾は許すけど、基本的に自分がいるときにセックスはしないこと。
 これはさすがに当たり前だけど、優と由香子さんの関係にも関係していることだと思う。今でもふたりは愛し合っているのかもしれないし。
 そしてご飯をなるべく一緒に食べること。また月に何度かは静さんのお店でご飯を食べる。簡単な約束は以上だった。後は細かい生活の話。
 私たちは、特に何の不満もなく暮らしていった。
 秋も深まったこの頃、私の胸はDカップまで成長した。細身で巨乳という体型には優がうらやましがる。
 身長が同じで少し優は健康的な分、ちょっぴり私より体重が軽い。それでも優は私にとっては抱き心地が最高だった。
「優は髪を伸ばさないの?」
「……悩みどころ。翼ちゃんは?」
「気に入ってたけど、ちょっと伸ばしてみようかな」
 髪型を変えるのも女の子の特権。ウィッグやエクステを使うのもありだけど、どうせなら地毛を使いたいよね。
「たぶん、しばらくは翼もこの身体のままで落ち着くと思う。ボクは翼と違って時間が掛かったけど、翼は一年もしないうちにここまでなったから」
「うん……」
 身体は形作られた。後はそれをどう魅力的に生かしていくか。それは私自身の問題だった。

 指名争いは難しくなってきて、同じ人と抱かれる機会は皆無だった。さすがにきついときは、ショーに出るだけでマネージャーが誤魔化してくれた。
 私の平日の出演を要望する人が多くて困っているらしい。もちろん、こういうことは過去にも何度もあったことだからと上手く対処はしてくれた。
 だけど、少し気を利かせて、隔週で日曜日にも出勤をしたりしている。
 お客さんにも色々な人がいる。射精させることを好む人や、女として扱うことを好む人。逆に私たちに抱かれたがる人。性的欲求は目まぐるしい。
 ある時、私はマネージャーからショーの間にお客さんと一緒にお話をしなさいと勧められた。
 積極的な女の子は、指名してくれた人と事前に話をしたりして、さらには同席した人とも交流を交わし、優先的に予約を獲得していった。
 私のように無作為に指名を受けるのも、少し不健康なので、お客さんと交流をしろということらしい。そのため今日の私はフリーという扱いになっている。
 仮面を被っているだけでは、優子だと分かってしまうからカモフラージュでショートカットのウィッグに髪の毛をまとめている。
 今日の衣装は背中の開いたセクシーなドレス。ヌーブラを使うのも初めて。いつも以上に谷間が目立って少し恥ずかしい。
「あ……お久しぶりです」
「よお」
 私が向かった席にはキリヤさんがいた。お互いに仮面を被っていても身体を重ねると、なんとなく分かってしまう。そして隣の仮面を被った女性は。
「こいつは、芹沢愛理だよ。知ってるだろ?」
 耳打ちをする仕草に呼ばれ、彼女の招待を知らされる。
 若手の清純派女優の芹沢愛理。まだ24歳できれいな人がなんで。
「女の客がいるのは一応分かっているよな」
「はい……」
 このお店のお客さんは男の人だけじゃない。女性で中世的な女の子を抱いたり鑑賞するのが趣味の金持ち女性はいる。
 中にはこれを縁にして男に戻ることを決断する人もいる。愛されるうちに迷っていたセクシュアリティに決着がついたということ。
 戻ってしまうことが歓迎されない訳じゃない。それもひとつのデータとして役立つからだ。ただ、若手の女優がなんで。
「初めまして、優子です」
「こんにちは。仮面を被っていても分かるわ。あなととてもきれい」
 深窓の令嬢という古めかしい言葉を思い返すほどのほっそりとした身体と長い黒髪。私や仲間たちと違う本当の女の子らしさを持った美人だった。
「……キリヤさんが言ってたわ。下手な女よりも女らしい奴がいるって……あなたを指名させて」
00311502014/01/27(月) 02:37:30.05ID:JKT4R8wX
 女の人からの指名は初めてだった。その夜、彼女が泊まる部屋に黒服の人に伴われてたどり着く。
 コンコン、とノックをしてドアを開ける。純粋な女の人とセックスをするのは久しぶりだった。彼女は、どうしたいんだろう。
 部屋の中に入ると、バスローブを羽織った愛理さんが座っている。顔のマスクは外しており、テレビや雑誌で見る姿よりも美しかった。
 何度か、その服装を真似たこともある。ちょっとだけ憧れたその姿。
「来てくれてありがとう」
「ご指名ありがとうございます。今晩は、優子で楽しんでください」
「もちろんよ……」
 返答が、少し艶めかしかった。そしてその悪寒にも似た響きに震えたと同時に、彼女はバスローブを脱いだ。
 黒い編み上げのブーツに、フルボンテージの姿の彼女は深窓の令嬢の真逆だった。これが彼女の本性。締め上げられるような気分になった。
「……ねえ……」
 ゆっくりと妖艶な瞳で私を見てくる。
「……あなた、痛いのは嫌い? それとも好き……?」
「痛いのは……嫌です……」
「じゃあ、快楽責めにしてあげるわ。安心して、あたしは女の子を抱いたこともあるから」
 大人しそうな外見をしていながら、抱かれたんじゃなくて抱いたことがある。それはとても怖くもあり期待すらしてしまう。
 少しだけ身体が熱くなる。期待に反応するクリトリスに軽い怒りを感じる。
「脱ぎなさい」
 命令には大人しく従う。彼女は手に取っていないけれど、バラ鞭がテーブルの上に置いてある。痛みを与えられるなら、あれを使ったかもしれない。
 どっちにしても私にはもう逃げることができない。男の人の汗臭さ、醜さ、油っぽさなんてキリヤさんに抱かれた後は少しも怖くなかった。
 だけど、こうして女の人に抱かれるような気がする状況だと、期待と恐怖が入り交じった処女だったころの私に引き戻されてしまう。
 彼女はボンテージの各所の留め金を外す。そして現れたのは股間の部分とおっぱいを露出した姿。ツーウェイスタイルのボンテージだった。
「快楽責めということは、私も気持ち良くさせなさいといけない。分かってるわね? それができなくちゃ、お仕置きよ」
 彼女は足下からトートバッグをテーブルの上に上げた。その中からは手錠が現れた。それを片手に持ってゆらりと歩き出す。
 そして、私を舐め回すように見つめながら、後ろに回り込み後ろ手にされたまま手錠を掛けられる。
「これで、あなたは動けないわね。脚まではさせないわ。後で、あなたのおまんこ味合わせてもらうんだから……」
 手袋に黒い手袋に包まれた指先がおまんこの入口に触れる。キリヤさんと一緒にいただけのことはある。彼女は私を屈服させることで頭がいっぱい。
 怖いようで期待してしまう。ごめんね、優。私Mみたい。恥ずかしい。
 ベッドに叩き付けられるように投げ出された私に、愛里さんは適格に胸の愛撫を始める。
 乳首を焦らす方法も甘噛みする方法も慣れたような動きだけど、優よりも若干、細やかな指の動きが私の中の火照りを呼び覚ます。自覚的に気持ち良いと感じた。
「さあ、今度はあなたの番よ」
 いつのまにかマウントポジションになっていたと思ったら、そのまま股間を私の顔に押し付けてくる。
「さあ、あなたのおっきなおちんちん、私のまんこに入れてあげるんだから、しっかり濡らしなさい!」
 そうやって口元におまんこを押し付けてくるから、私は慣れない姿勢のまま押し付けられるおまんこを舐め出す。
 手が使えなくて上手くできない。それに気づいたのかやっと押し付けるのを止めてくれた。ゆっくりと感じるようにラビアを舐める。やっぱり石鹸の匂いがする。
――――――――――――――――――――――
純女とニューハーフのAVもあるので、純女が来るのもありかなって思いました。
どうも覚醒した翼は今更ながら淫乱になっていたようで……性格変わりすぎかもしれません……。
00341502014/01/28(火) 00:06:03.77ID:1G+2Oj7B
投下します。
―――――――――
くっ……上手じゃない……」
 少し反応が良い。もしかしたら、あまり愛撫されたことが無いのかも。だから、思い切って私は膣の中に舌を差し込んでみた。
「えぁっ……やあっ……ふあっ……そこ……ダメぇ……」
 すごい感じている。もう愛液がどろどろと垂れてきて顔に掛かる。拭ってる余裕なんてない。
 そのままの勢いで、舌を抜き、一気にクリトリスを下から押し上げるように舐めると、
「やぁあああ!!!」
 大きな悲鳴を上げると同時に何かが噴出してきた。潮じゃない、おしっこだ。こんなに快感に弱いなんて驚くばかり。
 さすがにおしっこそのものを浴びたのは初めてだけど、意外に冷静。サンドイッチでセックスとかしたことあるから、こんなのも大したことに思えなくなってきた。
 少し危ないな。
 
 部屋にはシャワーもついているので、私は申し訳ないけれど、一度掛かってしまったおしっこを洗い流した。
「出てくると、愛里さんはボンテージのままベッドで体育座りをしている。少し顔はいじけている」
「……バカみたいでしょう……Sなのは本当なの。だけど、感じやすいの……
 本当は、あのまま、騎乗位になっておこうと思ったけど、ちょっとだけ舐めさせてあげようとしたら……あなた、上手すぎるのよ……」
「ごめんなさい……」
 すると少し睨むような目で私を見つめてくる。
「謝らないで、惨めだから」
 どうやったら機嫌を直してくれるかと思っていたら、
「私さ、清純派なんて言われてるけど、実際はこうやって上手くいかないといじけるし、エッチな気持ちになると相手を責めたくなっちゃうのに感じやすいの。
 イメージ通りに生きるのは楽に見えるけど、押しつぶしてると逆の意識が産まれるのよ……」
 訥々と話している彼女は、どこにでもいる気弱な女の子だった。
「……女子高暮らし長かったから、そこで責める方に興奮するようになっちゃって、ちょっと間違えてSM趣味まで来ちゃった。バカでしょ」
 この話を聞いていると、誰かを思い出させる。
「そんなことないよ」
 思わず手を取った。
「私も、昔、男だったことを嫌がって、それを押し隠していることが辛かったの。
 でも、今は好きな人もいて、女の子であることに不満なんてないの。あなたのこと、憧れてたよ。清純ってイメージ、それはあなたの一面でしょう? それは嫌い?」
「嫌いじゃない……」
「さっき、あなたが私を責めようとしたけれど、あれはあなただよね?」
「そう……だよ……」
「なら良いの。私は、どちらのあなたも好きって言える。みんなが知っているあなたは、私の憧れだし、私を責めようとしたあなたも隠していたけれど、本当の気持ちでしょう」
 すると体育座りを解いて、私に抱き付いてくる。
「……私、少し甘えん坊だったりもする」
「……私を抱たい? それとも抱かれたい?」
「……抱いて、甘えさせて」
00351502014/01/28(火) 00:06:49.86ID:JKT4R8wX
じゃあ、その服は脱いだ方が良いよ」
 素直に彼女は服を脱いだ。女優って大変なんだな。色んな人を演じていると、自分の核がぶれてくるのかもしれない。
「今度は私が責めてあげる……」
 感じやすさは凄い才能。さっきはおまんこ舐めてあげるだけで、愛液がどろどろ。寝っ転がった身体の細さは少し嫉妬できるくらいの美しさだった。
 お腹から腰、脇腹と舌を這わせるだけで、
「ああぁぁ!!! ひゃあ!! やぁぁっ!」
 とても良い反応。私も身体が震える。優とときどきセックスするときくらいしか、誰かに対して責められない。
 何度か出たショーでもつり上げられたり、サンドイッチ状態にされたり、普段のお客さん相手でも責められっぱなしだった。
 だけど、愛理さんの感じる声を聞くだけで、優とセックスするのと違う形で興奮している。私は女の子になって女の子とセックスしてる。
「やぁっ!! あああぁぁぁ!!!」
 乳首を舐めるだけで愛理さんは軽く仰け反る。
 もしかしたら、こんなに感じるのが恥ずかしくて、責め役やっている内に自分が感じるのを隠すために、どんどん責め役らしい気持ちになっていったのかもしれない。
 少し大変だな。自分で自分を騙すための演技をしているのかもしれない。でも、私にとっては少し気弱で甘えん坊で少しだけシニカルな彼女が本当の姿に見えた。
 それはそれで、女の子らしい姿だった。

「……ねえ、キスさせて……」
「は、はぁい……」
 感じすぎて、少しぼおっとした顔をしている。小さな顔。何人もの俳優が彼女に口づけはした。だけど、私は彼女の舌を絡めたキスをする。
 男なんかに彼女の一番深いキスを渡したくなんかない。
「軽く口を開けて、そう」
 目の前で喘ぐように私を見つめる彼女に指示をする。
 素直な犬みたいに口を開いたのを確認して、私は似たような形で唇を重ね、一気に舌を差し込んできた。口の中の熱い涎を味わいながら、私は彼女の舌と舌を絡ませて胸を揉む。
「んんっ! んんっ!!」
 口を塞がれながらの愛撫は辛かったみたい。涙、出ちゃった。可愛そうなことしちゃった。思わずゆっくりと話す。
「……酷いよ……こんなに気持ち良くて、辛いと思ったら、やっぱり気持ち良くて……」
「ごめんね……可愛いからつい……」
 私も彼女と並んで寝転がり、頭を抱えるように抱きしめた。
「ねえ……優子さん」
「なあに……」
「優子さんってバイなの?」
「今はそうだと思う……正確に言うと、ビアンよりのバイかな?」
「良かった……私、優子さんに嫌なことさせているのかと思ってた所だから……」
「さっきまで、私を責めようとしてたのに?」
「もう! 意地悪……」
 やっぱり年上でも若さを感じるあどけなさを持っている。
 そうして、ゆっくりと私は膝立ちになり、ゆっくりと愛理さんの両脚を開かせた。そっとおまんこに触れて、入口の湿り気を確かめてみる。
 数少ない体験から、かなり濡れていることを確認する。
「大丈夫……かな?」
「はい……でも、良いんですか……あんまり出すの好きじゃない人もいるって……」
「ねえ、愛理さん。これは、私のクリトリス。ちょっと大きすぎるクリトリスなの。これで女の子同士のセックスをするだけなんだよ。だから、好きに感じちゃって」
 すると彼女はクスクスと笑い出す。少し変な冗談だけど、彼女はそう受け取ってくれたみたい。
 何も気に病まない。それでも、さすがにコンドームはする。彼女はどう思うか分からないけれど。
「じゃあ行くよ……」
「ああ……来て……」
00361502014/01/28(火) 00:07:22.04ID:1G+2Oj7B
ゆっくりとクリトリスをおまんこに差し込む。ああ、女の人の感触だ。いつぶりかの温かさに少し腰が震えた。
 思い出す射精感。優のおまんこと彼女のおまんこの中。温かくて懐かしい。
「ううっ……動いて……」
 もどかしそうな顔で問いかけられた。可愛い。細い身体の汗ばむ肌。ああ、クリトリスが反応している。私はゆっくりと動き出した。
「うあっ……やあっ!! はぁっ!!」
 困惑気味な声で愛理さんは喘ぐ。私は腰から背中にかけてジワッとした快感が少しずつ意識させられる。
「乳首勃ってるよ……」
 少しずつ浅い挿入に切り替えて、ピンっと勃起している乳首を摘んでみただけで、ガクガクと腰が震える。
「ああっ!!! あうっ!!」
 乳首で感じで、反動で浅く入ったクリトリスが深く入って。愛撫するだけでも大変だ。
 不思議だな。ファッション誌で爽やかなイメージを感じさせていた、少し憧れていた女の人を私が抱いているなんて。
 だけど、身体を重ねて少し話してみたら分かる。自分ではないものを演じる不確かな不安。何か、少しだけ分かる気がした。
 女の子になろうとしていたばかりの私もそうだった。男から女になる境界線にいたときほど危うかったものがなかった。
 優がいてくれたから、私は女の子になれた。優が愛してがくれたから。
 私の下で喘いでる女の人。少しだけ分かってきた。どこか不安定なところが少しだけ似ている。そう思うだけで、腰の動きが勝手に速くなる。
 まるで自分とセックスしている気分になってきた。劣情が勝手に強くなってきた。イカせてあげたい。私をイカせてあげたい!
「やぁっ!! もう、ダメ、ああっ!! なんか、来る……やあっ!!」
「ああ、愛理さん、私もイッちゃう! 一緒に! 一緒に!」
 腰をもっと押し込むように、クリトリスを彼女の子宮に届かせるくらいに。
「ああっ!! イクーッ!! ああああぁぁぁ!!!!」
「イッちゃう! あああっ!!!」
 激しい疲労感と同時に私から漏れ出した愛液がクリトリスを濡らす。
 愛理さんは少し白目を向いて「おちんちん凄い……熱い……」とうわごとのように何かを呟いていた。
 
 少し落ち着いてコンドームの処理を終えてから、愛理さんの頭を撫でる。
「ごめんなさい……少し……腰抜けたみたいになって、ちょっと立てない……」
「良いよ。私も、普通の女の子とセックスするの久しぶりだったから、少し新鮮」
「優子さんって……同じお店で働いている人が好きなの?」
 キリヤさんだな。きっと優のことを教えているのかもしれない。
「……由香っていうの。私が好きな人。私が世界で一番好きな女の子」
「愛しているんだね……」
 少しトロンとした顔と声で私に微笑みかけてくれる。
「私ね、キリヤさんに教えてもらってこの店に来たの。業界人で私みたいなバイセクシュアルは多いけど、ドラマの打ち上げの流れでキリヤさんに抱かれちゃったの。
 私、男の人と何度か寝たことはあったけど……あ、枕営業とかじゃないから。共演したイケメンの子とか……あんまり満足できなかった。
 むしろ支配するくらい責めたかった。だから、キリヤさんとベッドに押しとされたときは、少し、またかぁなんて思ってた。
 だけど、あの年齢で性欲も強くて、私は何度もイカされちゃった。あの人、最後に『愛してる』って言わせたのよ。
 奥さんも子供もいるのに悪趣味よね……だけど、やられちゃった……未婚の母になりたければ早めに声掛けろよ、なんて言ってきて……悪党、ってあの人のためにある言葉ね」
 悪口のはずなのに愛理さんは嬉しそうだ。本当にキリヤさんって人は。
「それで……お前が好きな形で女が抱ける場所を教えてやるって、ここに連れられてきたけど……だからってニューハーフ?
 なんて思ってた。でも、最初のショーできれいな人が出てて、モデル上がりの女優が霞んで見えたわ……あれには参ってた所に、あなたがやってきた。
 ほっそりとしてるくせに巨乳で、だけど折れそうな印象を持っていて、少しいじめがいがありそうだったけど……結局、経験の差かな?」
 そう言いながら心地よさげに目を閉じる。確かに今夜の瑠璃さんはきれいだったな。
「今度指名できたら、あなたのおまんこペニバンで犯しちゃうから楽しみにしてねって……本当は今日がそのつもりだったんだけど……」
 思わず笑ってしまった。その後は愛理さんが眠るまで感じない部分を触りながら、いたわるような後戯を続けた。
00371502014/01/28(火) 00:08:20.39ID:1G+2Oj7B
ある程度、出勤を繰り返すと、私の指名客がある程度、固定されるようになってきた。
 キリヤさんに抱かれる機会が増えたり、愛理さんやビアンだって噂の女優までやってきたりした。私は不思議と女性の指名がお店では一番多かった。
 そういう状況だと陰口も言われる。「どうやって取り入った」とか「キリヤさんのお気に入りだからって……」というような話が。
 いじめが起こらないのが奇跡みたいだった。優の風当たりも心配したけど、そんなことはないと安心させてくれた。
 冬になり、クリスマスが終わるまでは私も特別出勤でショーに出た勢いのまま、男の人に抱かれたりするといった割とハードなスケジュールを過ごした。
 さすがに優も休みのときはセックスなんてする気になれなくて、私たちの年末のコミュニケーションは同衾して抱き合って眠るくらいしかできなかった。
 優と由香子さんに静さんの四人で年越しを迎えて、初詣にも出かけた。静さんお手製のお節とお雑煮はさすがだった。お正月、平和だけど食い気に走るのが悩みどころ。
 そして、一年が経過する。私は二十歳になった。
 春に長い休学から復帰した優と二年生という形で一緒にキャンパスを歩く。私たちのことを知っている人はいるけど、知らない人も多い。
 奇異の目では見られない。普通に友達同士で歩いているとしか思われない。実際は恋人なんだけど。
 由香子さんは優を私に任せて先に卒業。ライター活動を本格化させている。最近はラジオの放送作家やエッチなエッセイみたいな文章までこなしている。
 静さんが忙しすぎ、と少し怒っていた。冗談気味に大っきなマンション借りて四人で暮らさない? とまで言ってきた。
00381502014/01/28(火) 00:08:53.23ID:1G+2Oj7B
どうやら静さんも割と寂しがりやみたいだ。もちろん約束は果たしているからできる軽口。
 由香子さんは泊まり込むことがなければ、私たちとご飯を食べ、月に少なくとも二回は静さんのお店でご飯を食べる。
 そして、定休日の前日には静さんの部屋に泊まり込むことも多い。そうして、そういう日は許しを得たかのように、優と私は激しいセックスをしていた。
 授業が休講になってしまって、バイトや仕事が無いときは決まって貪るように疲れて眠るまでお互いの身体を味わった。
 身体の変化に関してはもう治まっている。優はとても肌つやが良く、服装や髪型をいじれば美少年って印象だけど、
 女の子らしい服装と髪型をさせればボーイッシュで可愛らしくなる。23歳が目前とは思わせない幼い印章がギャップを感じさせる。
 正直言えば、私はDカップで充分だったのに、Eカップまで成長した。少し太ったというのも原因かもしれない。もちろん気にするレベルじゃないのは分かってる。
 だけど、優も言っていたけどあまり気に入ったブラが見つからないのが悩みだった。
 そして、髪の毛はあえて長めのショートカットにした。どうせすぐにセミロングまで伸びるし。これは愛理さんの真似をしている。
 なぜなら、愛理さんは最近は舞台で男装をする女の子の役をやることになって、ロングの髪の毛を思い切って切ったらしい。
 ある日、指名を受けて訪れたら、ショートカットになった彼女がボンテージ姿で待っていたから。
 そして、男言葉でペニスバンドをフェラさせられたり、おまんこに挿入されたりと、最近は私の方がほとんど受け身になっている。
 だから、どこか似ている部分を持つ彼女の無くしたものを真似してもバチは当たらない。まねっこって言われたら、そうだよって笑い返すんだから。
 勉強は順調。単位を落とすことはまず無い。それに貯金も驚くほどある。お金は掛かってもエステとかでのレーザー脱毛くらい。
 優も私も体毛は薄いけど、私の場合は髭を残してほとんどの脱毛が終わってしまった。
 牧村先生も知り合いの人にやっていて由香子さんも利用しているから特に問題は無い。
 私たちのようなお客さんも対応するお店だから、私みたいにすぐに脱毛が充分な量を行える例は皆無らしい。髭もすぐに生えてこなくなるとか。
 生えるとしても、少しホルモンバランスを崩した女性が生やす程度の量だから、女性としての髭の量としては適正な量に後一歩らしい。
 優も脱毛とかはとっくに終わらせていて、フェイシャルエステをたまにやっている。優の場合は顔のスキンケアに熱心だから、いつも健康的。
 後は、資格を取得してちゃんと働けるようになったら、完全に性別適合手術を一緒に受けるという約束を優とした。
 優は迷っていた気持ちはあったけれど、女の子でいるのが自分は自然だって受け入れた。由香子も認めてくれた。
 それでもボクって口癖は止められないみたいだけど。
 私はその覚悟はとっくにできている。ただ、優が本当に女の子だったらなぁ、と最近、思うこともあったりする。
00391502014/01/28(火) 00:14:39.40ID:1G+2Oj7B
今、東京駅の中を私は歩いている。待ち合わせをしているから。それにしても銀の鈴で待ち合わせなんてベタベタで苦笑した。
 ふたりとも相変わらず、馬鹿正直なんだから。そんなことを考えて、広場には体格の良い二人組がきょろきょろと周囲を見回している。
 まだ五分前なのに気になってしょうがないみたい。だけど、そう思うのも無理は無いよね。今の私は整形でもしたのかってくらい見た目が違う。
 お化粧に関しては今日はナチュラルメイク出限りなくすっぴんに近いけど、やっぱり昔の私じゃない。
 そうして、ふたりの前で立ち止まる。
「……久しぶり。陸兄さん、海兄さん」
「「……翼、なのか……」」
「うん……」
 ふたりは私の姿を見て少しだけ絶句した。困惑というのが強い。話だけは聞いていたけど、一年以上会わない間に、弟が女の子の姿で現れたら驚きよりも混乱の方が近い。
「……声、変ったから分からないかもしれないけど……肘のここ……」
 私の肘には木の枝が引っかかって少し深い傷ができている。
 もちろん目立つものじゃなくて、肘を曲げない限りは気づけないものだし、肘を伸ばしても意識しない限りは分からない。
 ノースリーブのワンピースを着ていたのはこれをすぐに見せて納得させるためだった。
 陸兄さんと海兄さんは一卵性の双子で、正確も勉強の成績も殆ど似ていて、同じ大学でラグビーまでやるといったくらい同じだった。
 さすがに会社は違うけれど、片や銀行員で片や証券マン。分野が金融で被っている。そしておまけに働いている場所が丸の内という。
 そしてお気に入りのお店が同じだっていうくらい気の合うふたり。家の家族の共通した、しっかりと生きていく感覚を字で表しているくらい真面目で常識人。
 そして、今は銀座の洋食屋さんに来ている。積もる話はあるけれど、今はどうしているかということ。私は掻い摘んで、優と由香子さんと一緒に暮らしている。
 姉はふたりも知っているくらいの雑誌でも記事を書いているライターで、妹は私と同じ立場の人間だということまでは説明した。
「……それってゲイってことなのか……」
 陸兄さんの言葉に私は否定の意味で首を左右に小さく振る。
「……私に彼女がいたことは覚えている? そう。彼女のことは本当に好きだった。だけど、私は彼女が好きでいても、自分が男であることに耐えられない気持ちの方が強かった。
 だから、今、こうして女の子になっているの。高校生くらいの頃から、ずっと女装していたくらい……私は自分が男だったってことが嫌だったの……」
「正直言えば、兄貴も言ってたけど、俺は兄弟にしては小柄だし俺たちみたいに体力で押し切るタイプじゃないから、ただ単に母さん似だって思っていた。
 だけど、母さんの若い頃の写真を見せてもらったら、今のお前にそっくりだ。しかも……お前の方がどうしてもきれいに見える……」
 海兄さんは困ったような顔をしている。どう考えても女の子にしか見えないことに困っているのかもしれない。
「それで……お前は……その姉妹と一緒に暮らしていくけれども……姉と付き合っているのか?」
「ううん……私は妹の、優って子と付き合っている。えっと……この子」
 スマホの待ち受け画面は優と私が一緒に写っている写真。ふたりで由香子さんが撮影したカメラではにかんでいる写真。
 優のスマホにも同じ写真が待ち受け画像に使われている。
「……やっぱり女にしかみえない」
「本当に……」
00401502014/01/28(火) 00:15:17.85ID:1G+2Oj7B
 兄たちの困惑はギリギリのところで止まっている。
「誤解されることは分かっていて言うけど、私は優のことを女の子として思っている。もちろん彼女も私のことを女の子として好きでいてくれる。
 ただ、下半身はまだ男の人と同じなんだけど……だからってお尻を使って……なんてことはしていないの。裸で抱き合ったりするだけでも満足できたりするから……」
 嘘も混ぜて説明をしなくちゃいけない。
 由香子さんが取材したゲイの人によれば、テレビに出ている人みたいに開放的じゃないし、
 ゲイはアナルセックスをするものだっていう間違った偏見を持たれるのが困るという意見の人もいるんだって強調していたらしい。
 ただ、今の説明だけでも兄たちにとっては男同士で愛し合っているということしか思わない。
 そしてしばらく食事を黙々と続けた。ハヤシライスは東京に住んでから何度も食べている。
 やっぱり銀座だけあって、本当においしいんだけど静さんの作るものと若干、負ける気がする。ひいき目かな?
「……海にも俺にも付き合っている女がいる。まだ、お互いに突っ込んだ話はしていないが、結婚したいとは思っている。ただ、お前のことは教えていなかった。
 弟がいると言えば良いのか、妹がいると言えば良いのか……ただ、今日、お前を見た限りでは、どう考えても妹として紹介するしかない。
 それの確認をしたくて今日、ここに呼び出した。来てくれてありがとう……」
 一応、家族とは完全に切れてはいないことが私のひとつの未練だった。そして、これは断ち切ってはいけないと自覚した。
 ふたりとも27歳で結婚を意識する年齢が近い。話を聞けば、ふたりとも順調に出世をしていて平均的な家庭を築いていけそうに見えた。

 女の子のなって二年目。兄と会ったことは良かったと思える。お互いに10代じゃないことを自覚している。自分の人生は自分で決めていかないといけないって。
 春、夏、秋、と勉強をしてお店に出たり、バイトをしたり優とデートをしたりセックスをしたり私としては順調な日々だった。
 そうして冬になり大変なクリスマスを終えて、平和な年末年始を過ごして、私は成人式に出ることになった。
 実は住民票を私はまだ移していない。地元に戻るつもりでいる、なんて嘘をついて進学したものだから。
 それで、地元の成人式の案内状が届いていた。母は大事な郵便物とかはわざわざ転送してくれている。
 私は、少し怖かったけど今の姿で成人式を迎えられれば、もうひとりの女の子としての人生が始まるんだっていう良い機会に思えた。
 長い電車の時間を過ごして、地元の駅に戻ってきた。約束通りロータリーで母が車に乗って待っていた。
 私が車に近づいて、窓から確認するように見つめてくる。少し悲しそうなのは女装では済まない形で女性の姿になっている私の姿のせいかもしれない。
「さすがに……家には帰れないわ……それで……翼、あなた……振り袖を着てみたいって思ったりしてたかしら?」
 お母さんの問いかけはちょっと悩んだところだった。振り袖を買うくらいのお金はあった。
 だけど、そんなものを着てお母さんに会うわけにはいかなかった。一度だけ、顔を見せてってお願いされたから。
 礼服のつもりで仕立てたレディースのスーツ。パンツスタイルのものでも良かったけど、今日はタイトスカートを履いている。
 もうハイヒールを履くのなんてとっくに抵抗なんて感じない。装いは成人式を前にした女子大生って感じ。
「うん……ちょっと高いから遠慮したし、レンタルでここまで来るのも難しかったし」
 嘘をつく罪悪感が少し苦しい。私が身体を売ってお金を得ていることだけは知られたくない。きっと泣いてしまうだけじゃ済まない気がするから。
00411502014/01/28(火) 00:21:17.47ID:1G+2Oj7B
 隣町の見知らぬ美容院に連れて行かれた。
 知り合いの美容師さんで、お店では着付けとかもやってくれているようで、私は着る予定ではなかった振り袖を着ることになった。
 レンタルだけど見せてものはよりどりみどりだった。
「ちょうど良いサイズがあって良かった。最近は振り袖着ない子も増えているから、着てくれる人がいて嬉しいわ」
 年齢はお母さんと同じくらいの人。町の美容師さん、というのはたくさんいるけれど、私の知っている限りではこういう細かなサービスをやってくれる人がいるのは知らなかった。
 そして、言うまでもなくヘアメイクもきれいに整えてもらった。
 一応、スカートを履くときはサポーターみたいなものでおちんちんが隠れるようにはしているけど、そういうとこで怪しまれないか怖かった。
 念のためインナーを着込んできたからすぐに分かるものじゃない。寒がりで良かった。
「……良く似合ってるわ……ありがとうございます。それじゃあ、娘を送っていきますので」
 お母さん。

「あの人、私のこと知っているの?」
 成人式が行われる市内のホールまで車で送ってもらう途中、思わず訪ねてみた。
「違うわよ。あなたは、友達や知り合いに家族構成までベラベラと話す?」
「うーん……よっぽど親しくないと話さない」
「そういうことよ。よくよく井戸端会議で他人のことを話をする人はいるけれど、あの人は別。
 旦那さんが堅い仕事をしているみたいだから、そういう話が好きじゃないの。
 それから、彼女とは個人的につきあっているから彼女の周辺の人のことは私のことは知らないのよ」
 少し勉強になる。お互いに知り合っていても、知らないことはある。それでも親しみをもって交流できることが大人の付き合いだ。
 20歳になったのに、知らないことが私には多すぎる。自分らしく生きるために、こうやっているのだかっら、少しでも着実に。
「ところで……翼は、気持ちの方も今は女の子になっているのね……声も話し方も変って……」
「……お父さんはどうしている?」
「心配はしていたわ。陸と海みたいにひとりでもやっていけそうなタイプだとは思っていなかったみたいで。
 もちろん、まだあなたがそういう姿でいるとは知らないけれど。私は今日はパートに出ていると嘘はついているし」
 随分と会っていない。兄さんたちは拒絶しないで受け入れてくれている。
 長い知り合いに説明するのはすぐには無理だけど、付き合いの短い人なら妹がいるという話くらいはできるかもしれない。
「それで……やっぱり、あなたは男に戻ろうという気持ちは無いのね」
「……うん……それだけは無い……」
「あなたは昔の彼女……カホちゃんだったかしら……あの子のこと随分、嬉しそうに話していたけれど……あなたは男の人じゃなくて女の人が好きなの?」
「そう……だから、自分の気持ちはただの勘違いだって思ってた。
 だけど、彼女と付き合ってから自覚したんだけど、自分が男だということには耐えられなかった。
 今だから話すけど……私、高校生の頃から女装をしていて、外を歩いてたりしたの。それくらい……男であるのが嫌だった……」
 そう言った途端、すぐ側のコンビニの駐車場に入ってく。
「どうしたの? なにか買うの?」
 そして車を駐車場で停車させ、サイドブレーキを引いてレバーをパーキングに合わせる。そして顔を伏せて、
「ごめんね……女の子に産んであげられなくて……」
 そう良いながら静かに泣き出した。、
「五分だけ待って……ちょっと、我慢できなかっただけだから……」
 私は悪い娘だ。お母さんに、色々なものを与えてもらったのに、今慰めることもできない。
 今の私が将来、何をすることで恩返しをすることができるか。そんなことすらひとつも考えることができなかった。
―――――――――――――――――――――――――
長くなったあげくエロくなくて申し訳ないです……
たぶん、同じことの繰り返しになっちゃうので変化少ない状況の時はカットしちゃってます。
というか、マンネリっぽくなると筆が止まるので……。
0042名無しさん@ピンキー2014/01/28(火) 01:14:05.10ID:3ew8nyHp
つC

いやいや、日常?パートも大切ですよ。
これがあるからエロシーンがより引き立つ。
00441502014/01/30(木) 00:30:20.97ID:LN7cTWys
支援感謝です。余談ですが、>24 の「愛してる」と言わせようとするのは、
村山由佳という作家の『ダブル・ファンタジー』の一節をパクった物です。
――――――――――――――――――― 
 ホールの近くで車から降ろしてもらった。本当は長く一緒にいたかったけど、今日は成人式だけ終えれば東京に戻るつもりだった。
 そもそも、知り合いや友達がいる地元に今の姿で戻るなんてリスクを犯すなんて何を考えているのかと思うかもしれない。
 ただ、お母さんも兄さんたちも最初にいすぐ私には気づけなかった、というよりも気づかなかった。話しかけない限り気づかれなかった。
 今の私が同い年の中に紛れて、普通でいられればそれで今までの私の人生とある意味では、区切りのようなものができるかもしれない。
 それについては優もそれが良いと言ってくれた。でも、優も由香子さんも両親との気持ちの決着がついていない時期だったらしい。
 それを思えば、私だって決着はついていない。お父さんにカミングアウトして、それでどうなるか。
 これでも、小さいときから尊敬してたし、好きだったんだよ。

 長い長い祝辞やら何やら。私はとても退屈な気分だった。だけど羽目を外す人は少なかった。
 みんな懐かしがって写真撮影をしたり話をしたりと騒がしかった。
 私は何度も同じ高校に通って親しくしていた男の子や女の子とすれ違って目があっても、誰も私だとは気づかなかった。
 そういうことで油断していたのかもしれない。
 成人式が終わり、振り袖を帰し、駅のロータリーを歩いていたときだった。
 前を歩いていた女性が思いっきり転びそうになって、慌ててその手を掴んだ。
「へぁっ?」
 急に動きが止まったのか変な驚きの声を出す。そして少し体制を立て直して私と向かい合った人の顔を私は知っていた。
「ごめんなさい、助けてもらって……」
 本当なら、ここで私はすぐに歩き出すべきだった。
「いいえ。大丈夫ですか?」
 気持ちはぎこちなく、だけど早く去るべきだった。だけど手を離せない。
「……えっ……」
 気づかれた。
「……まさか、翼くん……」
 目の前にいたのは私が男の子だったときの元カノのカホだった。
 さすがに逃げることができなかった。手を離そうとしたら、両手で腕を持って「逃げないで!」と責めるような視線で私を見つめてきたから。
00451502014/01/30(木) 00:32:43.69ID:LN7cTWys
 手の感触と顔を見た瞬間に確信をした、と彼女は言った。
 駅前のファミレスで奥まった席に案内してもらっている。
 周りは成人式の帰りで地元の人も多いけど、地元に帰ってきた人も混じって久々の旧交をギリギリまで楽しもうとしていた。
「……二年振りかな」
 私は、何も言えなかった。別れを切り出しのは自分じゃなかったから。
 告白も別れも彼女が主導権を握っていた。そして、こうして再開したときも主導権は彼女にあった。
「うん……なんていうか……その……」
 言葉なんて発せない。さっきは厳しい声で引き留められたけど、相変わらず大人しめ印象を与える。
 パンツルックのスーツを着ていて、私と似たような形で成人式に来ていたみたいだった。
 人づてに彼女は県内の国立の大学に通っている話は聞いている。通うには少し遠すぎるからひとり暮らしをするみたいなことまでは。
「……わたしね、あれから結構、色んなこと考えてた。翼くんは、わたしのことを嫌いじゃなかった。
 自惚れじゃなくて確信していた。問題を探しても、見つからなかった。どちらかというと、わたしが努力してもどうしようもないものだった。
 だから、あのときに別れて正解だったとは思っている。あのまま続けても、どっちかの心が限界に達したと思う。
 やっぱり、というよりもなんとなく感じていたのは、あなたが女の子だったんじゃないかなってこと。
 もちろん、オネエ系みたいに開き直っているタイプじゃなくて、凄く内に秘めているタイプ。
 もちろん、じゃあ何でわたしと付き合っていたんだろう、って考えていたら、LGBTの関係の本をたまたま読んだとき、
 身体と心の性が違っても恋愛対象が心の性の側にある人もいるということを知った。
 もしも、それをわたしが知ったところで、きっと何も助けられなかったかもしれないし、助けることができたかもしれない。
 そういうのって、少し今ならもったいない気がした。だけど……」
 彼女は不安と興味が入り交じった表情を浮かべて慎重に訊いてきた。
「……やっぱり……もうホルモン治療とか始めているの?」
「……正確に言うと、ちょっと違う。男性機能を失わないけれど女性化する特殊な薬があるの。
 ただ、わたしの場合は男に戻るつもりはないけれど、まだ今すぐに決めるのは良くない気がして、その薬を使っている今こうしている時点で、
 もう男に戻る気はなかったんだ。今日、来たのはお母さんに顔を見せに来たのと、成人式に出て今までの自分との区切りみたいなのを確かめにきたの」
 すると彼女は目を伏せた。そして何だか残念と言いたげな顔でつぶやく。
「わたしね……今は恋人がいるの。それで、冗談みたいな話だけど女の人なの」
 動揺を抑えようとした。それでも軽く暗澹たる思いがあった。
「……あのときのわたしにそこまでの狭量なんてきっと無かった。それでも、今のわたしなら気にならない。
 今はルームシェアなんて言って同棲もしてる。肉体関係もある。女の子に恋をするなんて初めてだった。
 年上で大学の先輩……緑さんっていうの。美人だけど、ちょっと危なっかしい人だった。
 メンタル的なところが。それで甲斐甲斐しく、交流していたら……なし崩し。
 だけど、危ないところがあるから、しっかりと世話をしたし恋とは別にある精神的な面も学校のカウンセラーが優秀な人だったから、
 昔よりはよっぽどマシになったけれど……」
 たぶん別れる前に告白したところで彼女は理解できなかったと思う。それに理解したとしても、今までと同じように付き合うことはできなかった。
 複雑な形の交流になったかもしれない。
「……私も、今は恋人がいる。一番大切な女の子」
 だけど身体にはまだ男の子が残っている。
00461502014/01/30(木) 00:34:31.14ID:LN7cTWys
そっか……受け入れてくれる女の子がいたんだ……」
 少し寂しそうな顔をする。少し何かが違っていたら、そういう未来もあったかもしれない。
 そんな可能性のことを言われると自分が酷く間違っているような気がしてくる。やっぱり逃げなくちゃいけなかったんだ。
「正直、昔から男の子なのに身体つきも特に手なんか繊細で、未だに感触覚えていた。それで、よく顔を見たら懐かしさみたいなのがあって、
 疑問よりも先にあなただって気づいた……成人式で、あなたの友達に聞いたけど見ていないって言われて、真面目な人だから来ないはずがないし、
 わたしは今は元気だからって会って伝えようと思ってた。少しでも、今のあなたが幸せかどうかだけ確かめたかった。
 あの頃付き合っていたことが、わたしたちにとって嫌なことじゃないってこと確認したかった。
 わたしのひとり相撲みたいな形であっても……だけど、こんな形で再開するなんて思わなかった。勝手な気持ちぶつけるようだけど……」
 彼女は糾弾している訳じゃない。みんな成人式で二年くらいの歳月や高校では別れたけれど、再開しての交流といったことを確認している。
 だけど、私たちは違う。どこか普通とは明らかに違う道にいる。それがたまたま今、この時間に重なった。
「……今、こう質問するのは酷だと思う。未練がましいかもしれない。お互い、恋人がいるのにこんなこと聞いちゃいけない気がした。
 だけど、だけど……ねえ翼くん、わたしのこと好きだった? 無理して好きな振りをしていなかった? それだけは教えて」
「……好きだった。それだけは絶対に」
「ありがとう……」
 これであの複雑な別れ話から自分たちは一歩進むことができたのかな。それは分からない。

「ごめんね、時間取らせて」
「ううん……正直、会うなんて思わなかったし……それに気持ち悪いとか言われなくてうれしかったし」
「それは、お互い様。レズビアンなんて気持ち悪いなんていう人は普通にいる。
 正しくはバイセクシュアルなのかもしれないけどね。どちらにしても、わたしはそうは思わない」
 そしてふたりして店を出て、改札を抜けた。私は上りのホームへ。彼女は下りのホームへ。
「それじゃあ、またいつかね」
「翼くん……わたしのアドレス、まだ全部同じだから、何か相談会ったら連絡してね」
「……うん。私も、アドレスは変えていないから。連絡はしても良いから」
 そう言って別れた。後ろ髪は引かれなかった。彼女が不幸にならなければ良いとは思った。
 だけど、彼女が今、女の人と付き合っていることの一端は、私にも原因があるような気がした。
00471502014/01/30(木) 00:36:10.16ID:LN7cTWys
 長い電車の時間。自然と都内に入ってくると人は多くなってくる。ふと視線の先には母親に手を引かれた小さな女の子がいた。
「ねえ、ママ、まだつかないのー」
「次、止まった駅よ」
 今日は祝日だから親子連れが多い。出かけて帰路に着く頃。私も似たようなもの。
 だけど、なんだか当たり前のことなのに、今日ほど電車の中で孤独を感じることはなかったかもしれない。
 幼い子供の姿を見てると、小さな時を思い出して、今の私にたどり着く。そしてその先の未来に似たような光景を見ることは望めなかった。

 アパートに戻ると、優が身支度を終えて出勤までの時間を潰すように雑誌を読んでいた。
「お帰り、翼」
「うん。ただいま」
 そのまま私は、コタツに向かい合わせに座る。
「……成人式、どうだった?」
「お母さんが、振り袖着せてくれた……」
「いいなー、ボクのときはお姉ちゃんもボクも着てる暇無かったから……来年のお正月とか着ようかなぁ、
 平日だとお店の衣装、私服で良い日があるんだよね……振り袖とか着ちゃおうかな。帯ぐるぐるされたりして」
 楽しげに笑う。だけど私としてはとても浮かない気持ちをしている。そういうものは優にはすぐに分かる。
「……どうしたの? 楽しかったんじゃないの……」
「ううん……振り袖着れたのは嬉しかった」
 だけどお母さんを泣かせた。
「だけど、モトカノにばれちゃった……」
 あんまりこういう話はするつもりは無かった。優だって由香子さんとの関係は滅多にしない。
 お店のお客さんはあくまで割り切っている。私たちが出会う前の話。
「……私が女の子になりたいの、やっぱりどこかで気づいていたみたい。今は、私のせいかな……女の子とつきあっているって……」
「ふーん……」
「たまたま、転びそうになったのを助けただけなの、だけど、それで顔を合わせたら私だって……」
 話している側から言い訳がましく感じてきた。やましい気持ちは全くないのに。
 だけど、優の気のない声が罪悪感のようなものを刺激する、
「……時間だ……じゃあ、ボク言ってくるよ」
「あ、いってらっしゃい」
「後、翼、今日はボク泊まってくるから、ボクのベッドで眠らなくて良いから」
 そう言いきって、優は玄関のドアを閉めた。無言の部屋にはドアの閉まる音とコタツの熱源の微かな音しか残らなかった。
00481502014/01/30(木) 00:36:58.15ID:LN7cTWys
 翌日、言葉通りに優は帰ってこなかった。由香子さんは、遠出の取材が減って、最近は近場のお店などの記事を書いている。
 静さんに怒られるから要領良く取材対象を旅行記事から、新しいお店とかの特集に切り替えてもらったとか。
 そして今日は朝から、今度の週末の予定を聞かれた。
「グルメは、静さんに怒られちゃうから、新しくできた雑貨屋とか行かない?」
 取材先の写真を見せてくれる。カラフルなお店の中には文房具や食器類と様々なもの並んでいて、とても面白そうだ。
「きれい」
「でしょでしょ。わたしも、最近はこういうところに行ってなかったから、少し退屈してたのよ」
 こういう話をしていると女の子っぽい会話。楽しい。だけど、優は帰ってこない。
「……ところで、優は泊まりだって行った割に帰ってこないわね……翼ちゃん、今日の授業って午後からだっけ?」
「はい。だから、後、ちょっとで出ないと……」
「店に荷物持って行くわけないしね……」
 あのお店で働くときは、足が着くようなものは装着してはいけないし、持ち込んではいけないという規則がある。
 だから、私も優も基本的には財布を二つ持っている。仕事用の物と個人的な物。
 前者の必要性はチップを貰ったときとかに必要だったり、車の待ち合わせ場所などへ行くときのお金くらいは必要だから。
 いつもいつも家の前とかに止めてもらうわけにはいかない。怪しまれるから。
 それにお店用の携帯電話。基本的には連絡だけのやりとりしか行わない。体調が悪いから休みます、とか。
 中には身内の不幸で休む例や、プライベートでパートナーがいるにも関わらず浮気用の電話に使って、行方知れずになった人もいる。
 ただでさえ、危険な領域にいるのに火遊びをしたがるのが分からない。
「電話、してみる? 意外とお寝坊なところあるから」
「でも、そこまで長く私もいられませんよ」
 これも規則だけど、どんなに長くとも朝の九時には撤収をしないといけない。
 黒服の人が朝食のセットとかを用意してくれるから、そこまでお客さんと楽しんだなんてことはあったけど、それ以上は無い。
 お互いに身支度を調え、更衣室でメイクを落としたりして十時には泊まり込んだ女の子たちは帰路に着く。
 十一時だから、いつもは学食によってランチを食べてから授業に行くっていうのがいつもの感覚なのに。
「しょうがない。今日は授業が終わったら静さんのお店に来なさい。お姉さんがコーヒーくらいは奢ってあげよう」
 気を使ってくれている。ちょっどおどけるのが由香子さんらしい。
00491502014/01/30(木) 00:42:17.31ID:LN7cTWys
 もちろん授業に優は来なかった。知り合いに聞いてみたけど、優のことは見ていないと言った。
 さりげなく使ってるつけまつげのことを聞かれた。私のことは女としてみてくれているのがありがたい。ただ、事情を知っている男の人は奇異の目で見てはいる。
 ふたコマの授業を終えて、もう夕方になる。去年はこの長い時間が少々、辛い物があった。
 でも不思議と慣れれば大したことはない。あるとすれば、いつもと違うことで少しの疲労感があったりする。
 優が一緒にいるのといないのとでは安心感が違いすぎる。
 新宿駅を出ると空はもう暗い。遅い授業のときは優と手を繋いで歩いているのに。
 たまたま一緒じゃなくても、家に帰れば待ってくれている。いないときでも明日になれば、って気持ちの余裕はいつでもある。
 だから、だから。
 歩きながら泣けてきそうだった。一月はとても寒い。二月はもっと寒い。やっぱりカホの話なんかするんじゃないかった。
 あの日のことはそれだけじゃなかった。お母さんを泣かせたことも辛かったけど、優に嫌な気持ちをさせた私自身の気持ちが辛かった。
 Freeの中に入るとまだディナーという時間には早いからか、お客さんはまばらだった。
「いらっしゃい。由香子と優ちゃん、来てるわよ」
 静さんの言葉に少し驚く。優が来てるとは思わなかった。由香子さん、ワンクッションくらい挟んでくれるのかと思ったのに。
「優……」
「……翼も呼ばれたんだ……」
「ううん。翼ちゃんとは、朝から約束してたから。さあ、翼ちゃんも座って」
 丸テーブルを三人で囲った結果、トライアングルを作れるような形になる。それぞれが頂点になるように。
「優は……わたしの時は嫉妬しなかったくせに、翼ちゃんがたまたまモトカノに会ったからって、嫉妬しちゃうのは子供っぽいんじゃない?」
「分かってる……でも、翼ちゃんが就職して、大学もお店も関係なく彼女に戻っちゃうじゃないかって思って、
 何か顔を合わせられなかった……もしかしたら女の子になっても男の人に取られちゃうんじゃないかって。
 ただ好きでいても、ボクは翼ちゃんの子供産めないし、今まで自分らしく生きてこれたつもりなのに、失うことが怖くなったから……」
 ああ。優は私なんかより年上で、よっぽど大人で、とても自信がある人だと思っていた。
 だけど、優は優で色々悩んでいて、そう、子供を産みたいって思ってくれているだけで、もやもやと私も感じていたことがある。
 優の子供を私も産みたかった。そんなことは無理なのに。
「優……ごめんね、私、彼女とはもう何も無いから。お互いに、ちゃんと納得して別れたから。
 でも、まだ私の携帯に彼女のアドレスは残ってた……未練がましかったから。だけど、優が言うなら消すよ……」
「……消さないで良いよ。だって、翼の大事な人だったんでしょう?」
 そう言うと優が少し涙を受かべた。
「私は、優じゃないとヤダ……だから、不安にならないで……私は優が好きだから……」
「ありがとう……やっぱり、ボクも翼じゃないとやだ……」
 そう言うとふたりで手を取り合ってさめざめと泣いてしまう。これで良かった。こうやって、お互いの言えないことや不安を少しずつ話していこう。
 そうすれば、もっとずっと一緒にいられる。
 さすがにずっと泣き続けたりすると営業妨害になってしまうので、由香子さんが私たちにハンカチとティッシュを差し出した。
 ふたりとも鼻が出るまで涙ぐんでしまった。
00501502014/01/30(木) 00:45:38.31ID:LN7cTWys
 静さんは遠目で心配そうにしていたけど、落ち着いた私たちを見て安心したようで、由香子さんが適当に注文したメニューを運んできてくれる。
 その内にお店もディナータイムとなって、お客さんが大挙してくるようになった。
 ポテトフライやチョリソーみたいにあまりお腹を満たさないものを適当に注文していたのもあって、邪魔になるといけないということで場所を変えた。
 今度はレディースバーの方に移動した。春香さんは由香子さんが来ると、喜んでカウンターから出てきた。
「いつ見ても静の彼女にしておくには惜しいわね。今日は、妹さんに……翼ちゃんって言ったかしら? 楽しんでってね」と言われて席に通された。
「ふたりはいったいどうしたいと思っている? このまま、女の子になる。そして仕事は何をするか。戸籍の変更はするか。どういう家族関係になるか」
 由香子さんは一気に、方向性を迫ってきた。だけど、早いとか遅いとかの問題じゃなくて、私たちには今、ここで考える問題だった。
「……私は優と一緒に生きていきたい……家族になりたい……」
「ボクも……翼が……どっちか分からないけど、結婚したい……」
 もちろん結婚するにはどちらかが戸籍を変えないといけない。そうしたら、どっちにすれば良いのか。
「……ただ、一緒に暮らすだけなら、方法はあるわ……わたしと翼ちゃんが結婚すれば良いのよ」
「ええっ?!」
「あ、そっか」
 驚く私に対して優は普通に納得する。それはもちろん由香子さんの夫になれば、優は年下の義理の弟みたいなもので、同時に私の恋人でもある。
「良いんですか、由香子さん……静さんは二股は許さないって……戸籍上だけでも……」
「じゃあ、静さんとは優が結婚する」
「ええっ!?」
 今日二度目のリアクション。それどころか優は納得しきっているのかなにひとつ驚かない。
「正直、優と翼ちゃんが独立したら、私たちも一緒に暮らそうかって前は考えていたんだけど、
 昔はいっそ優に静さんと結婚してもらって三人名字を同じにしようか、ってところまで考えたことはあったの。
 ……これは静さんも良いよって言ったくらいで……それから前に静さんが冗談めいてたけど、四人で暮らさないって言ったけど、
 あれは半分本気よ。提案したら、すぐに乗りそう」
 気づいたときには軽く置いてけぼりになりそうだった。
「えっと……冗談ですよね……?」
「冗談でこんなことを言う性格じゃないわよ、わたしは」
 由香子さんは男っぽい通り越して豪快すぎた。
00511502014/01/30(木) 00:48:54.49ID:LN7cTWys
「賛成!」
 結局、状況は三対一のような結果になった。遅れて店に来た静さんに由香子さんの提案は魅力的に思えたようだった。
「あたしは、男は好きじゃないけど、優ちゃんとならセックスしても良いと思った位なのよ」
「そうね……わたしが浮気したら優をあげるくらいまで約束したから……」
「お姉ちゃんが、浮気しないで良かったよ……静さんは好きだけど、修羅場の流れから付き合いたくなかったし……」
 ああ、もう自由すぎるよ、この人たち。今日の夜までの悩み事が一気に流れちゃったみたい。
「どうせだから、翼ちゃんの子供も欲しいなぁ」
「……やっぱり」
「だって……翼ちゃんは可愛いし、きっと女の子だったら美少女になるわよ」
 静さんも冗談じゃなく本気だった。だけど、それを否定する理由はなかった。だから、私もその話に乗るしかなかった。
「……私も一緒に暮らすの賛成です」
 もう満場一致だった。

 結局、同居の話は春にすることにした。
 というのも、静さんはお店の借金が春で完済するらしい。
 そもそも居抜き物件だから内装とかにお金はあまり掛けなかっただけで、借金も少なかったらしい
 引っ越しもそれなりに掛かるから、と静さんは実際のところひとり暮らしを始めた小さい部屋でずっと質素に暮らしていたくらいだったとか。
 そこで、私と優は一応、自由に使えるお金があったから、無意味に高くなく四人で暮らせそうな手頃な物件を見つけて、すぐに入居できるだろうという算段になった。
 気分を良くした由香子さんと静さんは、そのまま静さんのマンションになだれ込むということを言ったので、私たちはその言葉を区切りにお店から出ることにした。
「ごめんね、翼……いじけちゃって」
「ううん……私だって……何も説明してなかったから……」

 部屋に戻って裸で抱き合いながら、私は優に話していなかったことをする。お母さんに泣かれてしまったこと。カホとちゃんと納得して別れたこと。振袖を着れたこと。
「やっぱり……家族は辛いよね……そうだね、元カノの話だけじゃあんなに落ち込まないね……ボクも考えなしだったかも……ごめんね……」
「……優は由香子さんと静さんなら、子供を作りたいって思う?」
「ふたりが望んでくれるなら……たぶん、お姉ちゃんはこの形ならボクの子供を産むのに障害が無くなると思っている。いつ決めるかは分からないけど……」
 私が戸籍上、由香子さんと結婚すれば優の子供は戸籍上は私の子供になるという話までした。
 由香子さんは昔からそういうことができれば良いな、とは思っていたらしい。まさか本当になるなんて夢にも思わなかったと言った。
 由香子さんにも静さんにも都合の良いゲイの友達とかはいないから偽装結婚もあまり考えていなかったって。
 だけど、私と由香子さんが結婚したら、それは偽装結婚って思わない。だって優が一番大好きだけど、私は由香子さんのことだって大好きだから。
「私は……優と由香子さんが私をのけ者にしないなら、絶対に嫉妬しないから安心してね。ふたりが離れたら、きっとおかしくなっちゃうから。
 私はひとつになって生まれたけど、ふたりは別れて生まれちゃったからなおさらだし。やっぱり離れたら淋しいよ……」
「ありがとう」
 強く抱きしめられた。痛いくらいに。だから私もお返しに抱きしめる。
――――――――――――――――――
色んな意味で急展開になりました。エンディングの方向性がこの辺で固まりました。
ということで自分で書いたキャラに対して末永く全員爆発しろ、と書いていて思いましたw
00531502014/01/31(金) 01:52:47.68ID:FELT0+m+
投下します。
―――――――――――――――――
 お互いのおっぱいを押しつけあうと、とてもエッチな気分。だけど、こういうとき優は決まって「翼はおっぱい大きくなりすぎ」と不満を表す。
 少し身体を離して、私は優にそっと口づけ、優は舌先で私の唇を刺激させ、私は舌を出して、強く舌を絡ませた。
「翼、シックスナインしよ」
「うん……」
 軽くシャワーは浴びていたけど、お腹をきれいにしていなかった。それが分かっていたから、今日はこのまま終わるつもりだった。
 優が上になって、私が下になる。抱き合って話している間に優の勃起したおちんちんは、私の太股に当たり、優の太股には私のクリトリスが当たっていた。
こういう言い換えはずるいと思うけど、優はあまり気にしないのでとりあえず言い直さない。
 上になっている優はいきなり私のをくわえ込む。もう口の中に涎を溜めていたのか、すぐに濡れていく感触に背筋が痺れた。
 悔しいから、私もくわえ込もうとするけれど、優は腰を浮かせるから、先端を舐める程度のことしかできない。
「……いじわる……」
 そう言うと、一気に降りてくるから慌てて口を開く。ちょっと苦しい。ディープスロートはあんまり好きじゃない。それでも喉の奥に、息できない。
 一秒、二秒、意識が持ってる内に引き抜かれ、思わず激しい咳をした。
「ゲホッ! ゲホゲホッ……」
 カエルみたいになってて凄い可愛くない。
「……ごめん……ちょっとやり過ぎたね……」
 申し訳なさそうにする。
 確かにやったことはあるけど、好きじゃないから好きなお客さんは最初に経験した後からマネージャーに外してもらってたけど、優にやられるなんて思っていなかった。
「優……悪いと思ったら……上下交換……」
「分かったよ……」
 今度は優がマットレスに寝転がり、私が優のおちんちんにしゃぶりついた。
 さっきのディープスロートでいつも以上に硬く勃起しているのに少しだけ良かったと、思いつつ包茎の皮を剥いた。
 そうして、引っ張って伸ばしてカリを露出させた。
「うっ……んっ……」
 不思議なのはセックスで挿入するのに慣れたのに、カリが敏感なのが分からない。包茎だからかな。普段は守られているから。
 私のクリトリスも包茎だけど。そういえば、愛理さんもクリトリスが包茎だって言ってた。
 それはそれで敏感な場所だから守られていて良いんじゃないかな。
「うー……焦らさないで……」
 カリや裏筋に鈴口を入念に責めるだけで優の私のクリトリスへの責めが弱くなってきた。
 だけど、私もあまり我慢できそうにない。優も少し限界かもしれない。何しろ、抱き合っている間、気持ちは充分なくらい高まっていたから。
「優……もう、ダメ……?」
「うん……翼は?」
「私も……一緒にイこう」
「うん……」
00541502014/01/31(金) 01:53:30.55ID:FELT0+m+
優の返事を待ってから私は激しく優のおちんちんを銜えた。優も私の腰を両手で押さえ込んで口から離れないようにして、クリトリスをしゃぶりだす。
 腰から快感が頭に繋がっていく。切れそうな意識のまま優のおちんちんをしゃぶりながら、口の中で震える感触を、優の中で震える私のクリトリスの感触を同時に意識できた。
「ううっ!! ああぁイクっ!」
 優が私のクリトリスを口から離した同時に愛液は優の顔に掛かったと思う。
 私は優のおちんちんを離さなかったから、熱い液体が口の中に放出され、磯臭さに顔はしかめたけど、ゆっくりと飲み干した。
 不味くはなかった。むしろ優のだから愛おしく思える。
 放出したばかりのおちんちんを舐めて、口に入りきらなかった精液を舐めまわす。
「あぁ……」
 絶頂の余韻に優が呻く。
 私は体制を入れ替えて優の上にマウントポジションになってそのまま胸を押しつけて、優が吐息を出したタイミングで私が放出して、優の顔を汚した愛液を舐め取る。
 自分のだけど、優を汚したという何ともいえないところが私の中を熱くさせる。
「翼……キスして……」
 殆ど舐め取った精液の味が残っているのに、優は欲しがり。
 でも、前に私の愛液を飲み干してくれたから平気だよね。
 誘いに乗って、ゆっくりと優の出す舌に私の舌を絡ませながら、唇と唇を押しつけあった。

 寒さの山を越えて三月も半ばになり、私たちは引っ越しの準備や新居の計画を立てていた。
 元々、引っ越しが面倒になるほどの荷物は三人とも持ち合わせていない。
 そして、いつもは土曜日には決まったように仕事に出る私と優だけど、その日だけは以前から休むことにしていた。
 三月中に由香子さんが週末を全て休みにできる唯一の土曜日だったから。
 ラブホテルに入るのは初めてだった。何しろ、いつもは寝室かお店だけだから。
 三人で暮らすようになったときは、部屋が防音タイプのをわざわざ選んで由香子さんに呆れられたのは言うまでもない。
 ラブホテルを選んだのは私たちの部屋にあるベッドだと三人でセックスをするには無理があるだろうという判断だったから。
 新宿にはたくさんラブホテルがあるけれど、由香子さんに連れられてチェックインしたホテルは予想していたのと全然違っていた。
「ライターするようになったから知ったけど……もうこれ、ラブホじゃないわよね……」
 入口から高級感が漂う趣で、ロビーもビジネスホテルよりは上等な雰囲気に仕上げられている。
 スパの施設とかまであったりする。素泊まりできればそれで良い、というホテルじゃないにしても、少し豪華すぎだ。普通、他のお客さんとすれ違いたくないのに。
00551502014/01/31(金) 01:54:02.12ID:FELT0+m+
とはいえ、部屋まで入ると雰囲気にも慣れて、キングサイズのベッドがふたつ並ぶという一番高い部屋にたどり着いた。
「一応、こういうところならケバケバしくなくて、女子会に使ったりするなんて女の子もいるみたいよ。中には、悪ふざけで乱交になっちゃったりするらしいけど」
 由香子さんが解説してくれるように、その大きなベッドなら女の子が五人か六人は寝られて、そのまま乱交になっても誰も転げ落ちそうにない。
「……ボクたちの仕事でもこんなベッドで寝たことないよ……寝心地は、あっちの方が良さそうだけど」
 優はスプリングの感触をお尻で確かめるように何度も上下に小さく跳ねている。
「さあ、感想はそこまでにしましょう。せっかく、きれいで大きなお風呂があるんだから、使わないわけにはいかないわ」
 優と私は身体は売っているくせに、こういう場所は逆に居心地が悪い。正直言えば、ショーを行う大広間も、お客さんに抱かれる個室も良く言えばシンプルだから。
 逆に嫌になるほどではないにしても、高級感が溢れる部屋には少し圧倒される。だけど、そういう部屋やホテルを選ばないと大きいベッドなんて置いていない。
 とはいっても、私と優にとっては大した額じゃない。ベッドに関しては静さんにある程度暮らしてから決めましょうと約束させられている。
 いきなりキングサイズのベッドを買うなんてバカみたいじゃない、なんて。
 三人で裸になると、少しだけギョッとした。由香子さんのおっぱいにたくさんの痣があるから。
「ごめんね……これ静さん。あの人、おっぱい星人だから吸い付くの大好きだから……一緒に暮らしたら、少し大変よ……」
 しっかりしているけど、やっぱりマニアだった。私と優も痣だらけになっちゃうのかな?
「それにしても、ふたりとも仲良くしている割にキスマークとか身体にあまりないわね……首とかはあるけど」
 思わず優と私は自分の首筋を見た。
「引っかかったー!」
 と由香子さんが大笑いをする。まあ、後で確認したら、鎖骨より上には結構、キスマークに見えなくもない痣がいくつもある。
 優のかもしれないけれど、お客さんの奴かもしれない。どっちにしても、その上に優が口づけてくれれば、それが優の口づけの跡。
 大きなバスタブはふたりで入るにはちょうど良いけど、さすがに三人だと難しい。
 だから、交代交代で身体を洗いつつ暖まる。エアコンもあるから洗い場でも少しも寒くないけど。
 私と優が交代で身体を洗って、今は由香子さんが身体を洗っている。それにしても、初めて見た彼女の身体はとても均整が取れていた。
 瑠璃さんみたいにモデル体型じゃないって謙遜していたけど、私はモデルさんを抱いたこともあるから分かっている。
 瑠璃さんが凄すぎるだけで、由香子さんはプロのモデル顔負けどころか同等の整った身体をしている。
 しかもEカップもある時点で、モデルとしてはどうなのかは分からないけれど私にとっては羨むくらいだ。不規則な生活しているのにおかしいな。
「翼のうなじきれいだね……」
 珍しく優は大人しくお風呂に入っている。温まることに集中していると思ったら。
「……優も髪を伸ばせばきれいに見えるかもよ……」
 裸になると見えにくいものが見えるから、少し恥ずかしくなる。というか、あまり髪の毛をまとめたりしないからだけど。
 今度、ポニーテイルにでもしようかな。
「うーん……翼ちゃん、あなた本当にEカップ? もう1カップ上がったんじゃない?」
「え、うそっ……」
「ずるい……」
 もうさすがに大きくならなくて良いよ。だって、本当に大きくなるに連れて、可愛いブラが減っていくんだもん。
 少し悲しい。牧村先生はある段階で胸の成長は止まるって言ってのにな。まあ、女の子らしい悩みができるのが嫌だとは思わないけど。複雑。
00561502014/01/31(金) 01:54:33.14ID:FELT0+m+
長風呂でさすがに少し逆上せたかもしれないので、用意しておいたスポーツドリンクを飲みながら休憩をしていた。
 身体にはバスローブ一枚でベッドの上に座るのは柔らかくて身体が溶けそうな気分になる。
 だけど三人ともこのまま寝るわけにはいかないから、たわいもないおしゃべりをしていた。由香子さんは優と私に店の客でどんな抱かれかたをしたのかを聞きたがった。
 守秘義務、というものはあるけれど由香子さんはそういうものを漏らすほどバカじゃない。そもそも、取材をした際に誓約書を書かされている。
 命は惜しくないし、そんなことをしてもらいたくはない。
「なるほどね、翼ちゃんはその大きなクリトリスで女の人とセックスするのねぇ……」
 由香子さんに股間を見せて欲しいと言われ、バスローブをはだけている。それだけで視姦されるような気分になる。
 そして少し話をしている内に少しだけ勃起しだしてきた。愛理さんにしても他のお客さんも、女性のお客さんは決まって私をペニスバンドなり女性用のバイブで犯すのが好きで、
 それを思い出して少し、お風呂の火照りとは違う身体の熱を感じた。
「……ボクも大きくなっちゃった……」
 優も少し勃ったおちんちんを見せつけるようにバスローブの前をはだけた。
「……じゃあ三人で一緒に気持ち良くなりましょう……こっちに来て、翼ちゃん、優」
 そう声を掛けられ、ゆっくりと私たちは引き寄せられるように由香子さんの側に膝立ちで向かう。三人の身体が向き合ったときには、
 バスローブはそこにはなく裸で向き合い、誰ともなくおっぱいを押しつけだしてきた。そして由香子さんが誘うように口を開き、舌を出した。
 私も優もそれに合わせるように、三人で舌を絡ませ唾液を交換するように、ぴちゃぴちゃと愛撫を始めた。
 裸の身体で触れあうのはとても好き。おっぱいなんか押しつけてたら、乳首が勃起してきて、擦れるたびに甘い感触が身体に溢れてくるのに、
 乳首同士がふれあったら電気のような快感が走る。似ているようで違うもの。
 優とのキスは慣れていたけど、これは優と由香子さんを同時のキスだったから、時折、由香子さんの舌も絡んだり舐め合ったりしているから、単調なキスにならない。
 優の目がとろんとしている。こんなに早く身体に快感が訪れているなんて、こんなに気持ち良いキスが初めてだから。たぶん、私も気が抜けた顔をしてる。
「……ふたりとも、可愛い……」
 三人でキスをしたのに主導権は由香子さんが握ったままだった。
「翼ちゃん……優、そのままふたりで向かい合って座りなさい。そう……脚は開いて、そのまま近づいて……」
 私と優は、お尻をついて脚は広げて股間が丸見えになっている体制になっている。そのまま近づくと、脚と脚がぶつかるけど、由香子さんはそのまま前に進ませる。
「……翼……兜合わせしたことある?」
 優の言葉にそうか、なんて納得するように私も少しずつ身体を前に出し、クリトリスを優のおちんちんに近づけるように腰を動かす。
 そういえば、私は女の人と私を女扱いする人に抱かれることが多かったから、そういうプレイみたいなことはあまりしたことがない。
「……可愛い女の子におちんちん生えているのを見るのも良いけど……絡み合っているのも見たかったから……
 あ、優のおちんちんが翼ちゃんのおちんちん……あ、そうか……クリトリスに当たるわよ……」
 言い直してくれたのが嬉しかった。私も本当にめんどくさい奴だと思われてもしょうがない。
 だけど、自分の股間にあるものをおちんちんと呼ぶのには、今の身体と心では抵抗するしかなかった。
 身体が反応するのはしょうがないとしても、意識的には女性器になる予定のものだってことにしている。
 竿も陰嚢を手術をするときの材料になるらしい。それなら、これから女性器になるものだから呼び方くらい変えたって良いでしょう?
00571502014/01/31(金) 01:56:18.96ID:FELT0+m+
「……うんっ……あっ……翼のクリ、もう濡れてる……」
「優のだって……」
 クリトリスの先端が濡れているから、優のおちんちんと擦り合うだけで、垂れている優の先走りと混ざって少しずつ全体的にヌルヌルとしてくる。
 量が増すだけで、私も優も無意識に吐息が多くなる。
「……わたしも入れて」
 突然由香子さんが、たまたま擦り合っていた先端同士の前に座り、両手で私のクリトリスと優のおちんちんを握る。
「ふたりともエッチね……」
 そんな言葉を小さな声で漏らした後、私と優のそれぞれの皮を剥いた。少し興奮して大きくなりすぎたから、勃起が治まるまではカリ以外は露出したまま。
 そして、そのままゆっくりと優のおちんちんをフェラしだした。
「……あっ……お姉ちゃん……」
「んっ……んんっ……」
 やっぱり肉体関係を持っていたから、由香子さんは的確に優の感じるところを知り尽くしていた。私がフェラしているときより、ちょっと反応が良いのが悔しいな。
 後で、教えてもらおう。
 ジュルッ! という音がとても卑猥な感じに響いて身体が震える。言うまでもなく、今度は私のクリトリスが舐められる番。
 ねっとりとした舌の動きに包まれ、目眩が起きそうだった。強く、今度は弱く、強弱を絶妙につけた吸い付きに腰が震える。
「あぁっ! ゆ、由香子さん……あ、あんまりぃ……強くしないで……」
 こんなに上手なフェラチオは初めてで、腰が溶けそうだった。クリトリスなんかおまんこに入れているみたいな気分になってくる。
 由香子さん女の人が好きなのに、上手すぎだよ。
「ああ……もう、イッちゃう……止めて……」
「……イキたくないの?」
「もったいないです……」
 あまりイキたくない。がっついているわけじゃないけど、なるべくなら由香子さんの中でイキたい気持ちがある。
「そうねー……じゃあ、ふたりでいっしょにイッちゃえば良いよね」
「あ、良いね」
00581502014/01/31(金) 01:56:53.42ID:FELT0+m+
向かい合わせの優が熱に浮かされたような顔をして賛成をした。その途端に優はおちんちんを私のクリトリスに押しつけ垂直に近い形に揃える。
 その時点で、由香子さんが何をしようとしたのか、すぐに分かった。今度は私と優のクリトリスとおちんちんを同時に銜え込んだ。
 もちろん口の中に入れられるほど由香子さんの口も大きくないので、一度にまとめてしゃぶられるようなもの。
「ああっ……優の汁と由香子さんの唾液が混ざってるっ……」
「翼のクリ……ぴくぴくしてるよ……イッちゃうの……」
「ふたりともエッチねえ……」
 ジュルビチャッ、という粘度の大きい音がする。慣れてきたのか由香子さんも段々と私と優の二本をさっきよりも深く口の中に少しだけ銜え込んだ。
 私たちはそれだけで頭が痺れるほどの快感を与えられた。
「……そろそろ、イキそうね……」
「ああっ……由香子さん……もっと、先っぽ……」
「お姉ちゃん、ボクも……カリ……」
 競い合うように懇願する。優も私も由香子さんの口だけでこんなに屈服するなんて、いつもされているフェラなんてただの前戯なんだと思い知らされている。
「……もうちょっと二人とも押し付け合って」
 さっきのようにもう一度、垂直に近い形で押し付け合う。
「……じゃあ、イカせちゃおう……」
 舌が触れると同時に口が亀頭を、そのまま銜え込む。その瞬間に何かが当たる。優の亀頭だ。もう先走りで私の先端も濡らしてくる。
「ああっ! 先っぽ……痺れる……」
「カリやめてぇ……ボク、イッちゃう!」
 由香子さんの容赦のない舌の動きは止まらず、私は亀頭を舐められたり、優はカリや亀頭の裏筋というように執拗に弱いポイントで刺激された。
 もう、腰は溶けそうなのに、ぴくぴくとした痺れががどんどん強まってくる。意識が飛びそうになってきた。
「……ゆ、由香子……さん……イッちゃう……ああっ! イッちゃうッ!」
「ボクも、ああ、由香子ッ! 好き! 飲んでッ!」
 絶叫するように私と優は叫んだ。同時に激しい射精が行われ、白濁した液体は由香子さんの顔を激しく汚した。
00591502014/01/31(金) 01:57:38.20ID:FELT0+m+
「……うん……久しぶりに優の味……翼ちゃんの愛液も……」
 とりあえずかなりの量を由香子さんの口の中に注ぎ、勢い余って飛び出した二本で由香子さんの顔まで汚したけど、恍惚とした彼女はその白濁とした液を指で舐め取り、
「おいしい……」と呟いた。
 その後も由香子さんは私たちの残った体液を舐め尽くしてきれいにした。だけどさすがにお互いの身体や由香子さんの顔に着いた精液や愛液を取りのぞかないといけない。
 そこまでしてやっと落ち着く。
 私も優も仰向けになって、浅い呼吸を繰り返していた。そして余裕な態度の由香子さんは、優の耳に口を当てるようにして語りかける。
「ねえ、優? 今日はわたしのおまんこは翼ちゃんに先を譲りなさい。その代わり……お尻、生でして良いから……わたしも今日はちゃんときれいにしたから……」
 今は、三人とも充分にお腹の中をきれいにしてきた。コンドームも邪魔なくらい、乱れ絡まり合いたかった。由香子さんはピルを飲んでいるから妊娠の心配もない。
「……翼ちゃん……実を言うと……わたし、さっきから濡れちゃってて……今すぐ、入れても大丈夫なんだけど……先に優のおちんちんをお尻に入れてからで良い?
 その代わり、同時にそのまま翼ちゃんがわたしの前に挿入するの」
 私が前になって、優が後ろになる。由香子さんをサンドイッチで責める。
 ホテルに入る前から、そんな体験をできるんじゃないか、そんな気持ちすら感じていたけど、こうして誘われるだけで鼓動が高鳴る。
 優と由香子さんと一緒に繋がることができるなんて。
「じゃあ、お姉ちゃんはどういう体制が良い……?」
 ゆっくりと起き上がる優。やっぱり、少し落ち着いてしまうと名前で呼べないみたい。私は、気にしないのに。もちろん少し切ないけど。
「優の好きな体制なら……なんでも良い……」
「じゃあ、バック。それで、そのまま翼は下になるの嫌?」
 意図が分かれば簡単な話。
「嫌じゃない……」
「じゃあごめんね。ボクが下になったら翼はおまんこに挿入しにくいもんね」
 そして、起き上がれないまま、私は由香子さんのお尻を責める優を見ていた。
「……ふふっ……お姉ちゃん、アナルまだ好きだったんだね。普通に柔らかい……静さんもアナル好きなの?」
 ローションで由香子さんのアナルを刺激しながら焦らす姿。それに耐えるように身体を震わせる由香子さん。
「……好き……だって、感じるところはみんな責めるから……あぁっ……」
 指が挿入されるだけで、喘ぐ姿はとても艶っぽくて、女性の艶めかしい表情は、私の体内が欲情するのを呼び起こすように視線を投げかけてくる。
 由香子さんが待っていて、と言っているみたいな顔をしている。
「……指、二本は余裕……じゃあ、三本はちょっと時間掛けようね……」
 指の挿入に「あぅ……」「ひゃぁぁ……」と由香子さんが感じる声。
「……ローション冷たいもんね……でも、ボクは温感ローションとか使ったことないからね……」
 確かにローションは冷たい。だけど、身体の熱と比例して、冷たい部分に熱い物が入ってくるから、私としては快感がはっきりしてて好きだけど。
 ああ、少し焦らされている気分。
00601502014/01/31(金) 01:58:21.37ID:FELT0+m+
「もう、四本入ってる……なんだ、てっきりきつくなってたと思ってたのに。ずるいな、静さん。お姉ちゃんのお尻はボクだけのものだったのに」
「……やめて……焦らさないで……うっ……」
「これだけ入れば、ちょっと解すだけでもおちんちん余裕だね……ねえ、静さんのペニバンとかディルドーとボクのおちんちんどっちが気持ち良いか教えてよ……」
 責められていないのに、私までドキドキしてくる。優と由香子さんが関係続けられなかったのが分かる気がしてきた。
 あんな台詞を毎晩のように言われたり、そして由香子さんが同じ感覚を持って責めてきてるとしたら、きっと持たなくなっちゃう。
「……どっちも好き……」
「じゃあ……試しちゃおうか……それに、今日は翼のクリトリスをおまんこに入れちゃうんだよ……静さんのこと好きだけど、最初は少し悔しかったんだよね……
 でも、ボクには翼がいるから一緒にお姉ちゃんを気持ち良くさせてあげるから」
 由香子さんはいつ来るのか少しだけ目を泳がせている。さすがに後ろを向く気にはなれない。優はそれを分かっているのか、分かっていないのかいつも以上にゆっくりとした動きだった。
「じゃあ行くよ……」
 優が由香子さんにそおっと覆い被さる。
「……優……焦らさないで……」
「……ボクのおっぱいどう?」
 焦らしたあげく、背中に当たる感触を聞いている。あんなに焦らされると私も辛い。優だって、本当は早く挿入したいくせに。
「……気持ち良いわよ……男の子みたいな顔してる癖に、胸はいっちょまえに大きいんだから……ああっ!」
 返事することで気を取られ、由香子さんは優のおちんちんを一気に差し込まれた。
「……んっ……解したのに締め付け凄い……」
「ずるいわよ……焦らしておいて」
「……翼はもっと焦らされてるよ……」
 ふたりの視線が私に向かう。
「そうね……それに、いつのまにか準備は万全みたい……」
 気づけば私のクリトリスは充分な大きさに勃起していた。先端も濡れている。ふたりはアナルで繋がったまま、私に近づく。
 そして由香子さんは確認するようにクリトリスに口を近づけてチロチロと舐め出す。
「あっ! あっ!」
 ビクッ! ビクッ! と震える私に対して、
「良い反応」と満足げに言う。
 起き上がれない私を気にすることもなく、ふたりはひとつの生物になったような状態で覆い被さってくる。
 そして、少しずつ私のクリトリスが由香子さんのおまんこに挿入されていく。
 熱い、と思った瞬間には締め付けられる。
「んっ……締め付け……」
「ボクも……お姉ちゃん、締め付けるの好きだよね……」
「だって……ただ、挿入されてピストンされるのじゃつまらないじゃない……」
 どうやら由香子さんは締め付けをお尻でもおまんこでも自由自在にできるみたい。優も言ってくれれば良いのに。油断してたらイッちゃうくらい。
「……でも、これでサンドイッチ……優とも由香子さんとも繋がれた……嬉しいです……私はふたりとも大好きだから……」
 すると目の前の由香子さんとその上にある優の顔が視線を迷わせるように明後日の方向を向く。そうしてふたり揃って「ずるい……」と一言だけつぶやいた。
00611502014/01/31(金) 02:01:35.09ID:FELT0+m+
―――――――――――――
今日はここまでです。分かりにくいですけど、翼は一応、天然たらし設定です。
後、静さんとのエロは残念ながらありません……描写が由香子さんと被ったので、
残念ながら割愛です……。
00631502014/01/31(金) 23:54:46.22ID:FELT0+m+
続きですよー。
――――――――――――――――
 だから私はまだ到達し切れていない奥へクリトリスを突き上げる。
「んっ……あっ……もう……ふたりとも動き出すタイミングが一緒ね……んんっ!」
 優がゆっくりと動き出すのと私の動き出す動作が同時だった。さすがに同時では由香子さんでも呻いてしまう。
 だけど、こうして由香子さんとおっぱい押し付け合ってるだけでも気持ち良くて、動いていないのにイッてしまいそうそうになり、
 顔が下がったと同時にキスをねだったら、激しく舌を差し込んできたのでそのまま合わせて激しいディープキスになった。
「んっ……良いなぁ……んんっ!」
 羨ましそうな優の声。呻いたのは由香子さんがお尻で締め付けてたからだと思う。私のクリトリスも締め付けられて少し苦しい。
 動きは単調だった。優と私がぎこちない動きで上下から由香子さんを犯し、由香子さんは私たちの動きの途切れたタイミングを狙うように締め付ける。
 喘ぎ声よりも私たちは、甘い吐息だけを漏らしながらゆっくりと動いていた。
「……んっ……ボク……もう、ダメかも……」
「良いよ、優……わたしの中で出して……翼ちゃん……どう……イケる?」
「分からないです……後、ちょっと……強く……」
 さすがにゆっくりとしたセックスでも、動いていればピークは訪れる。みんな望んでいるのは一緒にイクことだけど、やっぱり難しいと思う。この体制だと難しい。
「じゃあ、優……動いて……私の中に出しなさい。わたしも、動くから……」
 ああ、由香子さんは両方を優に射精されているんだよね。そう思うと切なくなる。
「じゃあ、行くよ」
 そして優が激しくピストンを始めると由香子さんの重みが私に強くのしかかると思ったら、いきなり由香子さんは優の動きに合わせておまんこを前後に動かしてきた。
 上下の動きに慣れたところで横の動きになって、急に快感が強くなった。イケるかも。
「ああっ! これっいい!!」
 私も一気に追い詰められる。背筋が震える。
「ああ、由香子、ダメ出ちゃう! 出ちゃうよっ!」
「優、出して! 私の中に出してっ!!」
「ああ、置いてかないでっ! 出ちゃう!! イクっ!!!」
 絶叫するように叫んだと同時に由香子さんも悲鳴を上げる。ああ、一緒にイケたんだ。たぶん、そうだと思う。そうだったらとても素敵。
00641502014/01/31(金) 23:57:54.54ID:FELT0+m+
「……3P久しぶりだから、少し疲れたわ……」
 三人でしばらく折り重なっていたけど、ゆっくりと途切れ途切れの意識から、少しずつ覚醒に戻していった。
「両方中出しって……お姉ちゃんやったことあるの」
「初めてに決まってるでしょう……サンドイッチは静さんと友達でやったことあるけど」
 やったことあるんだ。さすがにちょっと驚く。いつも一緒に働いている人が積極的な人であったりとかする話を聞かされるだけで、ちょっとだけ怖い気もしてくる。
というか、最終的には私と優って静さんとセックスしないといけないんだよね。
ということは、次は4Pとかもあるのかな。想像するのが難しい。今はイッたばかりで、あまり期待とかそういう気持ちが起き上がる気にはならなかった。
「……由香子さん……お腹きれいにした方が……」
「そうね……せっかくの優の出してくれた奴だけど……」
「しょうがないね……」
「大丈夫よ、少し休憩したら、次は優と前でセックスしてあげるから。その代わり、今度は翼ちゃんが優のお尻……ううんおまんこを犯してあげるの」
 そう言われると少し期待の気持ちが起き上がる。正直だな、私の身体。
「じゃあ、ちょっとごめんね」
 そんなことを言ってお風呂に駆け込んでいく。
「……優って中出しされたことある?」
「……実は一回だけ……」
「やっぱり……」
「……慣れてなかったころだったから、コンドーム外されてたなんて気づけなくて、
身体押さえつけられて、中出しされてて次の日はお腹痛くなっちゃって、牧村先生にお世話になっちゃった。
その人は、しばらく出入り禁止になってボクの指名は禁止になっちゃった」
 ときどきお客さんの中には生でセックスをしたがる人がいる。
マネージャーとしては初期はやっていたこともあるので、ダメと言いたくはなかったけれどお腹の弱い子だと翌日に出勤できなかったこともよくあったので、
マイナーチェンジの際にコンドームが絶対という条件になった。
「ボクとお姉ちゃんは、片手で数えるくらいかな……生でしたの。やっぱり、お腹壊しちゃったりしたし……いつもはおまんこでやってたから、
 単調なところで変化つけてみたりして……でも、今はあの頃のこと考えると、ボクって男だったんだなぁ、って思う。
 抱かれるようになって気持ちは女の子になったけど、翼のことは抱きたいし、お客さんの中には抱いて欲しい人もいる。
 だけど、今ならそれでもボクの気持ちって女の子だって確信持てる。口癖は直らないけどね」
「じゃあ、優は今は妹だけど、由香子さんのことは心でも身体でも愛しているんだね」
「うん……だけどこれって浮気かな……」
「ううん……由香子さんも優も今は私の恋人だから 
「うー……お姉ちゃんがライバルかぁ……」
「優の考え方だと、静さんもライバルになっちゃうよ。安心して。私は、優が一番大好きだから」
「……分かってるよ……翼がいてくれなかったら、ボクは少し淋しかったかもしれないから。今は、もう淋しくないから」
 そう言って優は私に抱きついてくる。私は優の頭を撫でながら由香子さんがシャワーを浴び終えるのを待っていた。
 優がときどき脆いところがある。たぶん、静さんも由香子さんに対してこうして接したことはあるのかもしれない。
 弱い魂を持って生まれたふたりを守る意味では、私と静さんはパートナーみたいなものだ。
 あのときの約束とは別に何か根底で繋がるべくして繋がったようなものがあるのかもしれない。
 そう考えるだけで、静さんに対する気持ちが強くなれる。そこで、流れのようななし崩しとは別に静さんのことも愛することができそうな気がしてきた。
00651502014/02/01(土) 00:01:01.28ID:FELT0+m+
 由香子さんがシャワーを浴びてから、優と私も順番ずつにシャワーを浴びた。優の場合はさすがに生でアナルセックスをしちゃったのもあって、少し時間が長めだった。
 今度は優が由香子さんとセックスをする番。私は優のおまんこを責めさせて貰えるんだけど。
「優……私、見てるだけじゃダメ?」
「えっ……」
「優とするのが嫌とかじゃなくて……せっかくだから、ふたりだけでセックスしたいんじゃないかなって……」
「……お……由香子は良いの……」
「翼ちゃんって、器大きすぎない? わたしはさっきのだけで久しぶりに優とセックスできて、三人とか四人ならこれからも優と繋がれるって自分としては、
 こんなに幸せで良いのかなって思ったのに……」
「私は、優が一番好きだし、由香子さんもそれくらい好き。ふたりが好き合っていて、私を置いていくようなことさえなければ、
 ふたりが悲しくならなければ、私はそれを独占されたとも思わないし、裏切られたとも思わない。もちろん浮気だなんてことも思わない。
 それに、静さんもこれは同じ立場だと思っている。あんなことを言う人だから。今だって私は優に抱かれたいし、抱きたいけど、
 目の前にいる好きな人を抱けないふたりを見てるとやっぱり悲しいから……その代わり、後で……優か由香子さん……元気な人が私を抱いてくれればそれで嬉しいから……」
 双子は揃って俯いて、ほぼ同じタイミングで「ありがとう……」と呟いた。
 やっぱり、優も由香子さんもどこかで求め合っていたんだ。だから、ふたりは離しちゃうわけにはいかない。
 私が一番好きな人の好きな人を簡単に離すわけにはいかない。

 優と由香子さんのセックスはさっき見たときよりも、とても濃密だった。
 キスに掛ける時間はとても長くて、ディープキスから唾液交換まで行うところには、私の知らない優の顔が見えた。
 ふたりとも体制を艶めかしく動かし絡ませながら、上下を入れ替えている。時折、胸と胸同士、乳首が擦れる度に小さな吐息が漏れる。
 長い舌に溜めていたのかローションを思わせるくらいの唾液を優の伸ばした舌に伝わせるように吐き出し、伝わった舌で絡め取るように唾液を受け止め、ジュルルッ!
 と響くような音を立てて優は嚥下する。
「……優ったら、そんなに私の唾液好きなの……?」
「由香子のなら、どんなものも好き……」
「……じゃあ……わたしの舐めて……優の舐めてあげるから……」
 今度はシックスナイン。体格に少し差があるけれど、優が上になって由香子さんの股間に顔を近づけて、優のおちんちんが下がっている位置に由香子さんが顔を置いて、
 ゆっくりとお互いに舐めだしている。
 それにしても、ふたりともびっくりするほど唾液が多い。もしかしたら、濡らしフェチなのかも。あれも難しい。
 ウェット&メッシーの基本ともちょっと違うし、濡らしフェチのとも違うかも。ただ、お互いの唾液で濡らし合う好意はなんだか分かる気がする。
 だって、さっきから性器と関係なく太股とかも舐めている。もし人間が自由自在に融合できるとすれば、ふたりは融合したまま離れないかもしれない。
 それくらい解け合いたがっている。そして、私は融合したままのふたりでも愛せそうな気がした。
 ズズゥー! という激しく吸い付く音と同時に由香子さんが悲鳴のような喘ぎを発する。
「……由香子の愛液、飲んでも飲んでも溢れてくるから、ボクの顔がベトベト……」
「だって……優の舌、気持ち良いっ……」
00661502014/02/01(土) 00:03:05.53ID:48w1AdQw
もしかしたら見られていることにいつも以上に興奮しているかもしれない。
 でも、静さんと私以外には見せてあげない。ふたりは私たちのものだから。
 シックスナインがいつのまにか終わり、優が覆い被さりながら、由香子さんにキスをする。おっぱい押し付け合いながら顔をベタベタにしている。
 これくらいベタベタなセックスするときは、絶対すっぴんだな。あんなに顔舐められるなんて。私はキスはするけど、舐められたことがない。ちょっとだけ羨ましかった。
「優……もう、わたし我慢できない……」
「もう? 由香子も久しぶりだからってエッチだよね。翼としたときより余裕ないのずるいよ。翼が可愛そう……」
「嫌、言わないで……ごめんなさい……翼ちゃん……わたし、優のおちんちんの方が好き」
 それは身体の相性だと思うんだけど。あまり責任は感じないで欲しい。優ったら本当に変なところでイジワル。
 たぶん時と場合によるけど、由香子さんが責めになったりするときもあるんだろうな。きっと、こんなことを毎日やっていたらすり減る。
 どこかで決壊する。それがふたりの最初に別離だと思う。やっぱり、ふたりだけでさせて良かった。ふたりがボロボロにならないように見極められてきたから。
「……じゃあ、良いよね、行くから」
 優が体制を正常位にするために下がり、由香子さんの両脚をM字に開かせる。
 さすがに最初にアナルセックスをしたこともあって、念のため優はコンドームをしている。自分が多少、病気になってもその巻き添えにするようなことはしたくないから。
「さっきの翼以外は静さんとしかセックスしていないよね」
「うん……さっきのが久しぶり……」
「ごめんね、次は絶対に生でしてあげるから……」
 優は返事を満足したように頷いて、ゆっくりと由香子さんにおちんちんを挿入した。
 アナルでも反応は良かったけど、やっぱり普通におまんこでセックスする方が由香子っさんは気持ち良いみたい。
「んっ! あっ! ううんっ!!」
 やっぱり相性はある。さっきの折り重なってやったセックスより、こうやって単純に身体をぶつけ合うのが分かりやすくて、感じやすい。
 意外と単調な方が気持ち良いと思う。私も3Pは嫌じゃないけど、優と普通にやる方がどちらかというと好き。
「由香子……締め付けてる……」
「ええっ? ああっ! し、してない……ぃんっ!」
 言葉にならない悲鳴。ああ、きっと自然に締め付けているんだ。精子を求めて。私も気持ち良いとそうなっちゃう。
 意図しなくてもおまんこの締め付けが勝手に強くなるの。
「……じゃあ……いっぱいだしちゃおう……」
「うん……ちょうだい……優の精子ちょうだい……」
 ふたりともコンドームしてるのに。少しだけ呆れちゃった。だけど、優はきっと由香子さんとの間の子供欲しいよね。
 私も由香子さんと子供作ったら、きっと優との間の子供だって思える気がする。
「ああっ! ゆ……ゆうっ!! もっとぉ!! もっとぉ!!!」
「由香子、由香子ぉ!!!」
 激しい動き。ああ、優が少しだけ残っている男の子の部分が由香子さんの女の子な部分を喜ばせている。
「も、もうダメ……イク、イッちゃう!!! ああぁぁっっ!!!!」
「ううっボクも、ああイクっ!!」
 由香子さんが身体を仰け反るようになり、優は恍惚とした射精と同時に由香子さんのしなやかな身体に倒れ込んだ。
 そして絶頂したふたりは少しとろんとした目をして、虚空を見つめている。優が少し意識が遠くて、なんとか意識を保った由香子さんが「おまたせ」と小さな声で囁く。
 だから私は「大丈夫です。もうちょっと待てますから」と言ったので、由香子さんはゆっくりと優の身体から離れて少しだけ身体を横たえた。
00671502014/02/01(土) 00:06:27.83ID:48w1AdQw
 あれから休み休み、優のことを私が抱いて、由香子さんが優のことを抱いた。
 どちらかというと、優が連続で受け身になってしまったのもあって、もう軽く寝入っちゃっている。
 というより、一番疲れていたのが優だったから、このまま寝かせてしまおうっていうのが由香子さんなりの理由だった。
「つまり、自分の限界まで、私で楽しみたいってことなんですね……」
「そういうこと。だって、女の子の優のことは抱いたけど、あなたのことを女の子として抱いてはいないでしょう」
 由香子さんに抱かれるということは、さっきまで優のことを犯していた赤いペニスバンドを使うんだと考えていたら、今度は別の双頭ディルドーを出してきた。
「凄いでしょ。これ、ハーネスがいらないから。片側をわたしのおまんこに入れて、そのままあなたのおまんこに挿入できるのよ」
「……本当は優にもこれ使ってあげたかったけど……ご覧の通り」
 もう優は疲れ切ってぐっすり眠ってしまっている。少し端っこでタオルケットにくるまっている。いつになく安心しきった寝顔だから、安心した。
「さあて……翼ちゃん……いいえ、翼……あなたのこと抱かせてね」
「はい……」
 潤んだ瞳にどこか怪しげな影が見えるような気がした。それに連れられて私の身体の中が熱くなってくる。
 ふたりで、脚を崩していた体勢から、ゆっくりと由香子さんが私の両肩に触れてくる。
 そしてそのままキスをしてくる。どちらからというと、少し軽めで拍子抜けする。期待し過ぎちゃったかも。
 それから、今度は重点的に首筋から鎖骨に掛けて舐めてくる。
「んんっ……んーっ!」
 舌が長いのは少し反則。感じ方が下手な人よりも強く、肌全体が敏感になってくるのが分かる。
 テクニックがある人は、触れたところ以外も感じやすくさせてくる。まるで身体をいつのまにか取り替えられたみたいに。
「良い声ね……」
 いつのまにか右手は私のおっぱいに。指先で触れるか触れないかの境目で私の反応を試している。
 感じるけれど、感じきれないもどかしさで吐息ばかり溢してしまう。喘ぐほどじゃない。でも全く何も感じていない訳じゃない。触られたら確実に声が出る。
「……でもね……生理前だと、わたしなんかこれくらい触られただけでもすぐに感じちゃうわ……
 翼の場合は下半身も女の子になったら、薬の影響で女性ホルモンが作られるでしょう……もしかしたら似た感じのことが起こるかもね」
 生理。今の技術だと絶対に私には訪れないもの。だけど、今私が選んでいる方法なら、少しだけ特殊な形で女性であり続けることができる。
 自分の身体の中で女性ホルモンが大量に作られるだけでも少し感謝したい。普通のやり方だったら、注射なり錠剤なり摂取を続けないといけない。
「ああっ……」
 今度は少しだけ触れる。しかも乳首の近く。焦らされている。簡単には挿入してこない。
 徹底的に愛撫して、優のように冷たいローションで私のおまんこを解す。だけどそれまでに、私の身体を徹底的に熱く火照らせてくる。
「……私より巨乳になっちゃって……初めて合ったときは、パット使ってたのもあってバランス良かったのに、
 そんなに大きくなっちゃって……まあ、翼は今も身体のラインは悪くないから」
「ううっ……」
 あんまり胸のことは言わなくても。Dカップで止まると思ったのに、これは本当に予定外。お店の人たちでも、こんなに大きいのは三人くらいしかいない。
 年が近い子なんか、何を食べているんですか? なんて聞かれた。
「じゃあ、揉んじゃおうかな」
 そっと触って敏感にさせておきながら、強弱を上手く使った手つきで胸を揉み出した。
「んんーっ!!」
「もっと大きくなっちゃうかもね」
 それは本当に勘弁してもらいたい。服とかサイズ合わなくなっちゃう。
「ああっ! やめてっ!」
 容赦なんかしてくれない。分かってるけど、由香子さんは執拗におっぱいを責めてくる。これ以上大きくなったら、由香子さんのせいなんだから。
 ブラのサイズ合わなくなったら買って貰わないと。下着の上下セット二つでも足りないくらい。ああ、本当にしつこくおっぱい揉まないで。
00681502014/02/01(土) 00:07:33.16ID:48w1AdQw
「……さっき、お風呂で言ったけど、翼はまだFカップじゃないわよ。今、少し困った顔してたから教えるけど」
「意地悪……」
「ごめんね……順調に育っちゃってたから意地悪しちゃった。そうね、わたしくらい身長あればサイズ合うけど、翼くらいだと服のサイズが大変だものね」
「だから気にしてるのに……」
 巨乳になって大きいおっぱいが大変なことがよく分かる。薄着のときも胸に視線が集まるのが恥ずかしい。
 優みたいに着やせする方法が分からない。私の場合は夏場はブラウスにプリーツスカートなんて格好してたこともあったけど、今じゃ恥ずかしくて無理。
 少しゆったりしたチュニックとかワンピースとか着るようにしてる。そうしないと胸が目立っちゃうから。
「でも、その分、ガーリッシュな翼と会えたから私としては嬉しい。優は、少しだけボーイッシュな嗜好だからパンツルック多くて、スカートは嫌いじゃないみたいだけど、
 あまり着てくれなかったわ……あなたとのデートの時以外は」
 優は本当に、たまにおめかしすると決まってスカートを履いてくる。無理をしているのかなって、最初は思ったけど、どうやら私にちょっと対抗しているみたいだった。
 気づいているけど、さすがに口にするほど野暮じゃない。素直に相談してくれれば、もっと可愛くコーディネートしてあげられるのに。
「嫌じゃなかったけど、少しお姉さんとしては残念だったわー……」
 少し休憩って感じになる。でも、由香子さんは一度、起き上がって私から離れる。
「ごめんね……ちょっと夢中で触ってたら、ちょっと濡れてきたみたいで……」
 由香子さんはいつのまにか準備ができていたみたい。私も、身体の方は充分に火照っていたから、本当におまんこをちゃんと解してもらえれば充分に受けいられる。
「……良いよ、由香子さん。我慢とかしないで」
 すると由香子さんは嬉しそうな顔をして、さっきのペニスバンドとローションのボトルをふたつ持って私の横に座る。
「……わたしよりは翼が先の方が良いわね……それに今日は翼はおまんこは使っていないのよね……」
「はい……」
「……一応、質問……あなたって女の人にも抱かれたって聞いたけど、ペニスバンドって使ったりした……?」
「……はい……三人のお客さんと……」
 嘘。本当は五人。そういう質問するとなると少し不安。
「……ちょっと悔しいわね。仕事とはいえ、優とは別に女性であなたのことを抱けるのが初めてじゃないのって、少し残念……」
 さすがに不満げな顔。だけど今日のこれは違うのに。
「由香子さん……優子ちゃんは三人の人に抱かれたかもしれないけれど、私はまだ誰にも抱かれていないし、初めてだから……」
 殆ど冗談みたいなもの。私は特に演技もキャラクターもなく優子としてあのお店にいるから、別人だなんて主張しても意味がないし、
 由香子さんもそんなこと分かっている。だけど、そっと右の手の平を私の左頬に添えて「ありがと」と微笑んだ。
00691502014/02/01(土) 00:09:41.88ID:48w1AdQw
 女の子になりたいからって、お尻を弄ってみようという考えにいくのはおかしい気がした。
 だけど、それらしいものがそれしかなかったからぼくは――私はそこで快感を得て、少しでも女の子に近づこうと思っていた。
「……じゃあ、行くわね」
「はい……」
 今の私が確信していることは、もしもあの頃の私が女装をして、由香子さんみたいな人に犯されていたら満足していたかっていえば、
 違う気がする。普通に女性になろうとしていたはずだ。その人が望もうとも望まなくとも。
 きっと過程がどうあれ、私は女性になろうとしたし、その中でも今が一番の幸福な道筋なのかもしれない。
「ふふっ……ちょっとローションでマッサージするだけでヒクヒクしてる……」
 由香子さんのおまんこの解し方は優と同じ。入口と周辺にローションをたっぷり塗ってくる。
「……ふっ……ん……」
 段階的に指を入れながら、入った場所にローションを塗っては指を抜いての繰り返し。由香子さんの指は優より細く長いけれど、違いがあるとすれば慎重さだった。
「……女は指でセックスをするからね……」
 指を少しずつ入れては出して、指一本が余裕で入ったのを確認して、指二本に切り替え、その指をローション塗れにして、ゆっくりと差し込んでくる。
 少しだけ圧迫感が強くなるけれど、それはそれで気持ち良かった。ただ、もう少し強くと求めてしまいそうになるのが恥ずかしい気分だけど、
 もうお互いに痴態を晒していて、何を恐れているんだろうなんて笑った。
「なーに笑ってるの?」
 少し由香子さんが呆れる。私は自分の体制で由香子さんに愛撫されている状況に遂、笑いがこみ上げてきた。
 何しろ正常位のM字開脚どころか、両脚を自分で持ちあげて少し腰を浮かせているから。
「ちょっと、改めて考えたら、私、凄い格好してるなって……」
「良いじゃない。私はおかげで愛撫しやすいわよ……」
「んっ……あっ……」
 返事と同時に二本の指が私の中で開いたり閉じたりしながら、ローションを広げ、同時のおまんこの中も解している。
 そして、指が抜かれたと思ったらすぐに由香子さんは三本に切り替える。ローションは出し入れしている脇からドロドロと浴びせられている。
 すぐに指がローションを巻き込んで、動きがスムーズになってくる。
「ああっ! んあっ! んんっ!」
 まさか手マンみたいなのされるのなんて初めてだった。由香子さんは丁寧だけど、ときどき激しくしてくるのが嫌じゃない。
 そうしている内に指が引き抜かれ、今度は四本の指がおまんこに入ってくる。中指がGスポットを責めてくる。あまり押されるとイッちゃう。
「……由香子さん……もう……そこ……」
「もっと強くして欲しいの?」
「違うの……イッちゃうから……由香子さんのおちんちんちょうだい……」
00701502014/02/01(土) 00:16:06.53ID:48w1AdQw
「ふぅ……」
 ため息の音。由香子さんが手を止めるときの癖。大儀そうな態度にはなるけれど、それは絶対にやり遂げる彼女なりの律儀さに対するちょっとした皮肉でもある。
「……焦らさないで……」
「がっつかないの」
 それでも、やっぱりいじわる。
「翼、どうせだからフェラしなさい……」
 期待しているのに、ちょっと間を置かれるだけで焦ってしまう。身体が由香子さんが欲しくてしょうがない。
 優は寝ている。ごめんね、浮気みたいで。もちろん優の方がちょっと強い本気。由香子さんはその次。ごめんね、欲張りで。
「ふみゅ……んじゅ……」
 樹脂でできた素材のペニスバンドはゴムの膜で覆われている。あまり好きじゃない。熱も感じられない。なのに、なんだか愛おしい。
「……翼……もう、良い……わたしも我慢できない……」
 凄い。ペニスバンドがハーネスの無いタイプだからって、由香子さんは愛液で太股を濡らしている。
「来てっ! 私を抱いて!」
 もう懇願みたいな気持ちだった。何度もイって上り詰めて、分かったことは私はこのふたりを愛している。
 だから人工物なはずの物を口に銜えるだけで欲情できる。
 そのまま私はM字開脚の姿勢になった。ペニスバンドを使う人はバックで犯すのが好きな人が多い。
 でも、私は正常位が好き。向かい合ってするセックスが好き。だから、由香子さんはその赤いペニスバンドを私のおまんこに一気に挿入した。
「ああっ……んんー……」
 本物のおちんちんと感触は違う。だけどお腹の奥、有りもしない子宮を責められているような気分になってくる。
 それも由香子さんだからなおさらで心臓の鼓動がいつも以上。身体が、喜んでいる。
「……んっ……あぁっ……」
 由香子さんが喘ぐ声が私に降りかかる。欲しいものを我慢していたのを貪るような艶めかしさ。その表情に私の身体が震える。
「ああっ!」
 思わずおまんこが由香子さんのおちんちんを締め付けた。その抵抗の勢いで由香子さんの方に反動で強い刺激が遅う。
「……もう……ちょっと激しくするわよ!」
 少し緩んだと思ったら、いきなり由香子さんは激しくピストンを始める。さすがに今度は余裕なんてない。
「はぁぁっっ!! やあっ! ああぁんっ!! あぁー!!!」
「翼っ! 翼っ!!」
 ピストンの勢いが私を責めると同時に由香子さんも責める。これなら一緒にいけるかもしれない。お腹の奥が熱くなってくる。
 由香子さんのペニスバンドが的確に私のGスポットを擦ってくる。
「やはぁっ!! ダメかも……由香子さん、ああんっ!……イっちゃうかも……トコロテンしちゃう、んんっ!」
「イキなさい! わたしも、もうすぐ、あぁっ! もう、イクからっ!!」
 ダメ。置いてかない。おまんこの中を擦られるだけで甘い目眩が駆け抜ける。私は自分だけイってしまう危険も顧みず、由香子さんに合わせて腰を動かす。
「ああぁぁっつ!!!! いっちゃうっ!!!」
「はぁぁぁあああっ!! つばさぁっ!!」
 激しい勢いで私は全身に快感が駆け巡って、そのまま身体を仰け反らしていく一瞬の間、
 由香子さんも同じように上り詰め背中を仰け反らしながら激しく喘いでいる姿に気づいて、安心して私は意識を投げ出した。

 目を覚ますと、少し頭の位置が高かった。
「起きた?」
 優が私の頭を両膝に乗せていた。
「起きるかなって思ったけど、起きなかったね。ボク、さっきまで腰が抜けてて起き上がれなかったもん……翼、お姉ちゃんのペニバンのテクニック凄いでしょう?」
「うん……とても」
 羨ましい、って優が抱かれている姿を見てたときに思ったこと。それをいざ体験してみて、優がしばらく寝入ってしまったのも分かる気がした。
 隣で寝ている由香子さんはペニスバンドは外していたけれど、そのままの勢いで眠ってしまったらしい。そして私もだんだんと眠くなってきた。
「優……このまま寝て良いかな……」
「良いよ……お疲れ様……それから、ありがとう……」
 最後の言葉には色んな意味があるような気がした。それをひとことで表すことはできない。だけど、それだけで私たちは幸せなんだって確信だけはできた。
―――――――――――――――――
今日はここまで。ラブラブな乱交は好きです。
00721502014/02/02(日) 00:48:50.39ID:+fHm22Wg
さらに続きます。次で終わりそうです……。
―――――――――――――――――
春になり私たちは無事に進級することができた。三年生になったからもう就職活動のことを考えなくちゃいけない。ただ、春になって生活は大きく変った。
 私たちは四人暮らしになった。一応、世帯主は法律的に一番収入の多い静さんになっている。
私と優の貯金も結構な額だけど、レーザー脱毛とかエステとか学費とかでバカにならない。気軽に使うわけにはいかない。
 もちろん、私たちは睾丸切除すれば楽なんだけど、ちゃんと仕事に就いてから子供を授かるまでは手術はしない。
 男性機能が残っていて形もそのままだから、手術ではきれいに処置してもらえるらしい。それは嬉しいことだ。
 お店に関しては資格を取るまでは少なめにして、資格を取得したら多めに出勤するということをマネージャーと約束した。
 これでも私たちは指名されたり、キャンセル待ちの割合が多いことで人気者だったりする。あんまり出勤していないのもあるけれど。
 学校でも私たちは女の子として扱われる。新入生とかは後で知って仰天したりする。
 去年はサークルとか入っていないのに、学園祭でミスコンに出場して欲しいとお願いされたけど、まだ性別適合手術をしていないから出られないと断った。
 都内だと街中でも女の子同士が手を繋いで歩いている姿は、ほんのたまにだけど見かける。それに気づくと優も気づいていてふたりで笑ったりする。
 私も優も保健師や助産師の授業も履修しているので、最終的には学校の養護教諭になったりすることもできる。
 ただ、今のところは卒業したら国家試験を受けて看護士になることだけが決まっている。
 就職に関しては、牧村先生が協力してくれる。
 私たちのように看護士を目指している堅実なタイプはお店では少なくて、先生のお兄さんが関わっている大学病院に手を回してもらえるそうだ。
 だから、私たちはまずは勉強をしっかりと行わなくちゃいけない。
00731502014/02/02(日) 00:49:29.21ID:+fHm22Wg
新生活で変ったことがあるとすれば、住んでいる場所が広くなったことと、静さんがいるかいないか。
 部屋が広くなった代わりに共有するものが多くなったので、個室が大きくなったし、
 基本的にはパソコンとかで色々と音楽とか本とか取り込んでいるから、基本的にこじんまりとしている。
 と言っても、自慢じゃないけどやっぱり服は多かったりする。そして、ベッドが大きいから、基本的にはお互いのパートナー同士で寝ている。
 ただ、何回目かの静さんがお休みの日に、由香子さんもお休みだったから、普段のふたりのセックスを見せつけられた。
 まだ、一緒に住んでいる期間が短いから、どうしても嫉妬心のようなものを静さんからは感じさせる。
 由香子さんは基本的にタチの人なんだけど、静さんは誘い受けが得意で、キスも自分からさせないで、由香子さんにさせつつ、自分もしてくるという形。
 愛撫も由香子さんが執拗にやってから、静さんもお返しをするけれど、お腹やおっぱいに脇腹と久しぶりなのか、キスマークだらけにしていた。
 最後は双頭ディルドーで激しい嬌声を上げている。楽器も大丈夫な防音の部屋にしたからこれくらいなら大丈夫。
 だけど、優も私も純女のレズビアンセックスを見たのは初めてで、その次のお店のショーで瑠璃さんと双頭ディルドーで繋がるプレイをしたら、反響が大きかった。
 お店に出勤する回数は、少なくなった。
「優は、いつ子供が欲しい?」
 ベッドで一緒に寝ながら、将来のことをたくさん話し合うようになった。
「……三年、何事もなく働けたらかな。それなら、まだ二十代だからふたりは子供が作れるし……」
「静さんに抱かれるのはどう?」
「……底なし……」
「そうだね……」
 静さんいわく、客商売は体力勝負だから柔な体力じゃやっていけないって。確かに説得力がある。
 私だってそこまで多く出勤しているわけじゃないけど、お客さんは本当に多いから大変。
 後、何年か順調にやってけたら二号店かお店を大きくするかで悩みどころだって言っているくらい。
 そうして、資格まで取得すれば後は普通に働くまで。そうなれば、あの仕事とはお別れをしないといけない。
00741502014/02/02(日) 00:50:26.54ID:+fHm22Wg
「ふたりとも、今までお疲れ様でした……それじゃー、ふたりは最後のお客さんを一緒に相手してあげてね」
 最後の週の前に優と私がこの仕事から引退する発表が行われた。そこで、引退記念にステージの上にベッドが持ち込まれ、ごく普通のセックスを行うショーが行われた。
 あまりに普通すぎて、大丈夫かなって思っていたけど、普通に気持ち良くて何も自分たちは不満が無かった。そして、逆にそういう普段着のような姿が逆に歓声が上がった。
『ふたりは今後、普通の仕事で働くことが決まっています。。それ故に、今回は趣向を凝らず普段着の彼女たちの姿を見せることにしました。
 それでは、由香と優子のふたりに盛大な拍手を!』
 歓声の中、裸の私たちは服で少しだけ前を隠した形で退場していくことになった。
 そして誰もいない更衣室で仮面を外して抱き合った。もうすぐ由香も優子もいなくなっちゃうんだ。そう思うと、どこか淋しくなってきた。
 もうひとりの自分が今の自分にしてくれたようなものだから。
 黒服に連れて行かれることにもなれきっている。ただ、今日は私と優のふたり。お店では、3Pを行うことは少ない訳じゃない。
 といっても、大抵の女の子は指名が入っているので、意外と都合良くそういう指名がされることはなかったりする。
 ただ、今日はそういうわけでもなかった。
「失礼します」
 黒服が去り、私が先導でドアを開けて数歩歩けば、待っていたのは戸田キリヤと芹沢愛理のふたりだった。
「あれっ……」
 優が驚くのも無理はない。私だって、キリヤさんに指名されることは何となく予感がしたけど、愛理さんまで一緒にいるのは驚きだった。
「……お前らが引退するって聞いて、急いで呼んだんだ。こいつバラエティ番組を体調不良で休んだ振りしてんだぞ。笑わせやがる」
「キリヤさんの連絡が遅いのが悪いんです。マネージャーだって、基本的に安売りはしたくないから上手く断ってくれましたけど」
「……ったく。上手く飼い慣らされてるな」
 ふたりのやりとりを見て少し笑ってしまう。
「……へぇ……由香ちゃんて、何度かショーで見てはいたけど、近くで見れば男の子にも見えなくはないわね。だけど……意外に胸あるわね……」
 実は愛理さんは普段はBカップの胸のサイズでスレンダーだったけど、必要以上に巨乳になっていく私のおっぱいをいじめてきたのは今更な話。
「……もしかして……今日は4Pってことですか?」
「俺が提案したんじゃねえぞ。愛理が、あたしも入れてとか言いやがった。店側は別に問題はないってことでオッケー出しやがった。全く、独り占めにしたかったのによ……」
「何よ。キリヤさんが3Pなんかしようとするなんて上客だからってずるいわよ。家の事務所は給料制なんだから……使い切れる額じゃないとしてもね」
「わーった、わーった。しかし、お前、昔より根性着いてきたよな……」
 どうやらキリヤさんと愛理さんの愛人関係は長いようだ。
「……とりあえず、積もる話は後でしましょう。せっかく四人で集まったんだし……」
 ふたりはバスローブの紐を解き半裸になる。そして、私たちに近づき、私はキリヤさん、優は愛理さんにベッドの近くまで手を取って引き連れる。
 初めての部屋だったからベッドの縮尺が変な感じになる。これってキングサイズだから。
「……愛理はどっちとしたい……」
「あたしは由香ちゃんと。どうせならやったことない子とエッチしたいし」
「なら、俺は翼とか」
 どうする気なんだろう。私たちは四人暮らしになったけど、さすがに4Pは滅多にしたことがない。
 同じベッドで私が静さんを抱いて、優が由香子さんを抱くことが4Pだとしたら含まれるけど。
00751502014/02/02(日) 00:52:22.21ID:+fHm22Wg
今日の衣装はシンプルなキャミソールワンピース。私は赤。優は青の。キリヤさんたちは慣れた手つきで、肩紐を肩から外す。
 抵抗はしないものの、されるがままなのは嫌だったので、少しだけ抱きつくようにして、脱がされるのを手伝う。
 少しだけ横目で優たちを見やれば、優と愛理さんは同じ身長で、それぞれがお互いを脱がし合うような形になっているから、
 愛理さんは殆ど全裸になっていて、優は胸は晒していたまま愛理さんのおっぱいを愛撫していた。思った以上に激しい動きになっている。
「おい、今は俺が相手だろう」
 顔を無理矢理、キリヤさんの正面に向けられそのままキスを受ける。ただ、口と口だけですぐさま手つきは私を脱がす準備に入る。
「しかし、前抱いたときよりもでかくなってないか……」
 ストンとキャミソールワンピースが脱げたら、私は上下の下着だけになる。そして目線は胸に集まる。
 分かっているけど、胸ばっかり見られるのって実際、嫌かも。ショーの時だって胸ばっかり見られるし。
「気にしてるのか? それくらいでかけりゃ、男も女も食いつくぞ」
 流れるようにブラのホックを外す。動きが速い。いつのまにかショーツに手がいってる。
「ぁぁあ……」
 優が何をされているのか気になる。だけど、ちゃんと集中しないと。ああ、もうおちんちん掴まれてる。
 気づいたときにはショーツも降ろされていて、膝よりも下に来たので、流れで左足を引き抜いた。
「んっ……」
「……立ったまましてみるっていうのはどうだ?」
 両手を前に出され、そのままベッドに手を突く姿勢になる。そしてキリヤさんが私の持ってきたものじゃないローションをおまんこの表面に塗ってくる。
「媚薬入りとかって聞いたが……試させてもらおうか……」
 心臓が鷲掴みにされる。媚薬なんてあるわけがない。あるとすれば、普通に麻薬の類。
「やぁっ!」
「おいっ……」
 そういうのは嫌だ。これで最後なのに、後に何かが残るようなことだけは。
「……悪かったよ……冗談だ……ったく……優子は真面目すぎる……」
「そうよ、キリヤさん。優子は優しいんだから、そういう意地悪はダメよ」
「あぁぁ……」
 後ろを振り返ると困った顔のキリヤさんと、カーペットに押し倒された優がおまんこに指を突っ込まれながら、胸を愛撫されている。
 愛理さん、やられる前にやっちゃっている。優、頑張れ。
「……キリヤさん……私も由香も普通の仕事をする予定ですし、結婚してくれる人もいます……だから、冗談でもそういうこと言うのはやめてください」
「参ったよ……その代わり、最後何だから普通に抱かれるのは嫌じゃないだろう?」
「ええ……」
「由香の前でもか?」
「それくらいの覚悟、とっくにできています」
 さっきの続きで、表面に塗ったのから、今度は少しずつ中に塗り込むように指を入れてくる。
 そしてすぐに二本と指を増やして、もう大量のローションがわたしのおまんこに塗り込められる。
 キリヤさんの無骨な指が四本も入ったら、もう準備は万全。ちょっと広げられすぎたくらい。
00761502014/02/02(日) 00:56:00.72ID:+fHm22Wg
「こういうバックは初めてだな……」
「……来て……」
 間を取らずにキリヤさんのおちんちんは一気に私の中に入ってくる。
 ただ、今日は少し違うのは生で挿入されていること。トラブルを避けるためにコンドームが必須だけど、
 引退する女の子に関してはお互いの体調を精密検査した上で、対応することが可能だということ。
 もちろん、私も優も引退を決めた日からずっと検査を受けて、優とはもちろん由香子さんと静さんともセックスをしない日が続いていた。
 それはもちろん優も。一週間じゃ利かない期間の我慢は、今の身体でも少し辛いくらい。
「あぁぁっ!!!」
 熱い。身体の中は沸騰しているのに、その熱を更に高められるような気分。熱量に浮かされ意識が薄くなる。
「相変わらず……締め付けやがって、欲しがりがっ!」
「んんっ!! 大きいぃ……」
 生でセックスしたのは優とだけ。仕事を辞める相談をしたとき、
 マネージャーから最後だからってことで、そういうサービスをすることはできないかって話があった。
 私は、嫌じゃないけど優の気持ちの方が大事だった。
「ボクは翼が構わないなら、それで良いよ。知っている人なら、せめてお世話になったお礼みたいなものだし」
 それがこうして身体の中を圧迫するように満たされることに、
 自分が巨大な筒になったようにしてキリヤさんを迎え入れている感覚に支配されている感じがとても良い。
 とても太くて長いおちんちんは、Gスポットを抉ったり、お腹の奥を抉ったりして、
 いつのまにかおまんこが自然な収縮じゃなく、快感に反応しておちんちんを締め付けている感覚が続く。
「ふえっ!」
 急に身体が起こされたと思った。違う、キリヤさんは腰を掴んでいた両手を私の両腕に回し、そのまま腰を打ち付けてくる。
 腕の支えが無くなって、立ちバックの姿勢のままピストンされる。感覚が腕とかに分散していたのに、こんな風に一点集中されたらおかしくなる。
「はぁぁあああっっ!!」
 勢いはそのまま、身体全体を仰け反らせながら悲鳴のような嬌声を上げる。
「ああんっ!!」
 あ、誰かが喘いでいると一瞬だけ、自分の快感以外に意識を向けると、優はいつのまにかベッドで愛理さんに騎乗位で犯されていた。
 激しく腰を振りながら優の乳首を嬲っている。その光景を見るだけで、一緒に犯されているという感覚に私は激しく被虐心を煽られてきた。
「あっあっ……んっ……ああぁっ!!」
 何度目か仰け反ったとき、今度はそのままの姿勢で硬直が治まらない。ずっとそのまま、腰からの快感が頭の奥から突き破りそうなまま声にならない声を上げていた。
 いつのまにか涎が顎を伝ってたけど、もう拭ってられない。毛穴という毛穴から体液がこぼれ落ちそう。
「もう限界か? ならイケよ、イッちまえこの淫乱!!」
 腰の動きをより激しくされ、最後の一押しをされた衝撃で白目を向くくらいの衝撃と意識のブラックアウトとクリトリスからの激しい愛液の放出を感じ取った。
00771502014/02/02(日) 00:56:43.50ID:+fHm22Wg
「おーい……生きてる?」
 意識が混濁している中、やっと意識が少し回復した際、私のことを確認していたのは愛理さんだった。
「あ、大丈夫ね……しかし……股間以外は女の子ね……あたし映画でレズビアンの役をやったときでも、
 相手の子、そんなに肌つやとか綺麗じゃなかったもの……惚れ惚れするわね……」
 改めてまじまじと見られるのは、もはや同姓みたいなものでも恥ずかしい。何度かセックスをした相手でも。
「ああっ! やあっ!」
 後ろから嬌声。
「由香ちゃんよ。キリヤさんが対面座位でやってる。キスで口塞いじゃうから、由香ちゃん喘げなくて、たまに呼吸するときだけああして」
 還暦過ぎてもあの精力を保てるのが凄い。正直、私もさっきので相当、腰に来ている。私たちと訳が違う。
「イッっちゃう!! イッチャウ! いっちゃあうー!!!」
 言葉にならない悲鳴を上げて優がキリヤさんに抱きつく。
「おい……溜めてたのか……こんなにぶっかけやがって……」
 キリヤさんはゆっくりと優を寝かせ、お腹に掛かった白濁した液体を指先で弄んでいた。
「優子ちゃんと由香ちゃんはまだ立てそうにない? 悪いけど、ちょっとシャワー浴びちゃうわね」
 愛理さんはまるで確認をするように言ってから、ベッドから降りたキリヤさんと一緒にバスルームに向かっていった。
「優……大丈夫?」
 小声で呼びかけると
「うん……大丈夫」
 お互いに小声で、芋虫みたいに這いつくばりながらそっとキスをした。こんなに近くて遠い感覚が怖くて、なんとなく早く身体を寄せ合いたかった。

 そして、シャワーから帰ってきたふたりがこんなことを言ってきた。
「実は、あたしね、未婚の母になることを決めたの」
「……ということは」
「まだ、妊娠は確認できてねえが、一応は俺の子ってことになるな。愛理は一応物好きだからな。
 俺の子を産むと決めたらピルを飲むの止めて、ちゃんと記録着けてやがる。お前がビッチじゃねーのくらい知ってるっつの」
 キリヤさんは苦々しく呟いた。
「一応ね、マスコミには絶対バレたくないし、認知はしてもらうけどそれすらも知られたくないの。で、まー密会場所としては、このお店は絶好の場所なの」
「俺は見せつける趣味は無いんだがな……」
 つまりはふたりしてお店を利用して妊娠を目論んでいるということ。
 一応、鑑賞するという意味で女の子を指名して個室に呼ぶことはできるけど、個室に呼んだ女の子に見せつける目的なんて。
「……一応、お前らは、正直俺たちも気に入っているから、今日だけは普通に抱いたが……これから俺と愛理がやるのを見てくれれば良い。店は知ってるだろうがな……」
 ふたりのセックスは普通に行われた。特に変った動きでもなく、正常位から対面座位に変って、激しい声を上げて。
 ただ、私とセックスしたのに生で普通にやって大丈夫なのかな、ってちょっどけ心配した。
 そんなふたりの姿を見ていたら、優が左手を握ってきたので、私はそれを握り替えした。
 この日で仕事は終わり、朝になってキリヤさんと愛理さんが先に部屋を出た後に、私たちはマネージャーと少しだけ話をした。
「お疲れ様……明日からは、ここのことは忘れなさい。そして、あなたたちはずっと昔から女の子だった。それだけ。分かった?」
「「はい」」
 私たちは、家に送り届けられるまでの間、これまでの長い間のことを思い出す。辛いこともあったけど、今の私たちになるためには必要なことだった。
 そういう気持ちになれるだけでも充分だった。
00781502014/02/02(日) 00:57:25.05ID:+fHm22Wg
 大学を卒業して優と私はある大学病院で看護士として働いている。事務的な面で女性として扱ってもらっている。
 牧村先生の計らいもあるけれど、医療機関だからということで理解もあるみたい。
 戸籍を変えると由香子さんと結婚することができない。だから、私の翼という名前であることがとても嬉しかった。
 看護士になるまでに大変だったことは、やっぱり家族へのカミングアウト。
 お父さんが驚いたあげく、私が結婚相手まで連れてきたのにはパニックになりかかった。危うく救急車まで呼びそうになった。
 だけど、由香子さんは最近では有名な女性誌の記事を書いたりしていているところから、今ではネットでエッセイストとしても活動している。
 大学卒業してからの活躍が色々なところで評価されていたらしい。最近では小説を書いてみるように薦められて、
 遠出をしない代わりに部屋にこもって執筆しては出版社を往復することも多い。
 結局、見送りに来てくれたのはお母さんだけだった。
「たぶん……お父さんが納得するまでは掛かりそうね……」
 お母さんはとても複雑な顔をしている。ただ、前よりも暗い気持ちではないみたい。
「由香子さん……あなたの仕事の話を聞いてみたら、思った以上にちゃんとしているみたいで良かったわ。翼もしっかりとしているみたいで。
 だから……何かあったら連絡しても良いからね……由香子さん、娘を、翼をお願いします」
 見送ってもらって特急電車に乗るまで、私は無言だった。
「どうしたの? 翼……」
「本当は、優のことも紹介したかったな……」
「……もう少し、私がお母さんと仲良くなってからね……でも、私だってあなたの恋人なんだからね」
 ちょっと卑屈かもしれない。ただ、これで一生会えなくなるとか考えなくて済みそうで。いつかまた姿形は変っても帰ってこれそうで。
「後、これは静さんにも優にもまだ教えていないことなんだけど……」
「なに?」
「再来月に、わたし、作家デビューする」
「本当に?」
「ええ。結果如何では、ベストセラー作家になるかもね」
「凄いな……」
「たまたまよ。結果出せなきゃ、ライターの仕事は続くわけだし、身体動く間は小説専業ってわけにはいかないんだから。
 ただ、これで私が小説でいっぱい収入を得られたら、家も買えるかもね。いつまでも賃貸暮らしっていうのも気分的にね」
 由香子さんの中では明るい未来しか考えられていないみたい。
00791502014/02/02(日) 01:01:21.28ID:+fHm22Wg
 三年、看護士として仕事をした。そして優が三十歳になる前に子供を作ろうという話になった。
 最初は優が悩みに悩んで、由香子さんとの間に子供を作ることにした。これは、私にも配慮したことだった。
「お姉ちゃんの子供なら、ボクの子供みたいなものだもんね」
「じゃあ、代わりにあたしは翼ちゃんの子供が欲しい」
 静さんはどうせなら一緒に産んだ方がまとめて済むだろうという意見。そしてふたりとも簡単に妊娠したので、結局、私たちの職場で産むことになる予定。
 だけどその前に。
 私たちは入籍をして、ささやかな結婚式をした。全員でウエディングドレスを着て、数少ない呼べる知り合いを集めて、立食パーティーのようなものをした。
 私たちは複雑な関係性だけど、パートナーっていうよりも共犯者。
 妻であり恋人であり、姉妹であり家族であり、私たちは私たちのためだけに結ばれた関係性をこうして形にした。誰もこれを邪魔なんてさせるわけにはいかない。

 妊娠した時期が同じだったので、生まれる予定日もほとんど同じだった。由香子さんが産んだ二日後に静さんも出産した。
 だから出生届は同日に出した。双子みたいに育てちゃおうということにした。
 静さんは名字が優と結婚した扱いだから遠藤になったし、由香子さんは私と同じ名字になった。
 由香子さんの小説は賞こそ受賞しないけれど、結構な売上を記録していて、インタビュー取材やテレビ出演も何度かしている。
 やっぱり美人だと得だったりする。私たちの存在は少しも触れられないのが少し驚いた。どうやら小説家のスキャンダルは週刊誌とかは滅多に触れないらしい。
 何よりも出版社が出しているから、由香子さんに小説を書いてもらえなくなるとかで触れられないとか。
 そうして由香子さんが在宅で仕事ができる上に、静さんは信頼おけるスタッフをお店に増やして、
 基本的にはオーナーという扱いで店の管理的なことしかしないようになった。
 だから年子で二人目を産むのは何ら問題は無かった。そうして産まれたのが女の子だった。やっぱり時期が被っているから双子扱いで育てることにした。
 由香子さんと静さんが授乳が大変だから私たちも育児にてんやわんやだった。
 家族が増えている間は性的欲求不満とかそんなことを考えている余裕なんてなかった。家族が増えるのって大変だ。
 だけど、それでもこの忙しさを得られるということは、私たちは幸せなんだって確信めいたものを感じた。
――――――――――
次で最終回です。設定とか質問とか聞いてみたことがあれば、ある程度受け付けます。
もうネタ切れですので……。
00801502014/02/03(月) 00:51:53.69ID:Iimt/m+d
これで最後です。数ヶ月おつきあいありがとうございました!
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そして優が30歳の誕生日を迎える半年前に、私も一緒に睾丸の摘出手術をした。
 それほど感慨も無い。余分な物が取れた感じ。それは優も同じみたいで、「後、ちょっとだね」と言ってくれた。
 そしてそのまま優秀な性別適合手術ができる医者を紹介してもらった。これも牧村先生の人脈が生きた。
 タイまで行く必要はなかった。実を言うと技術もタイの医者以上の技術がある人だけど、ある特殊な事情で日本では執刀をやっていないそうだ。
 理由は例の如く知ってはいけない話になるから私たちは興味を持つことはしなかった。
 それでもタイで10年は執刀してきた人なので技術が粗悪というわけではないそうだ。
 私も優も念のために、三十歳になるまでに摂取する分の薬の料金と性別適合手術のお金は充分に確保している。
 それどころか余ってしまうくらいのお金は充分に持っている。無駄遣いするつもりは全然無いけれど。
 だから手術費用に関しては問題が無かった。しかも事情によって安くしてもらった。モルモット的な感じ。
 そうして同じ日のほぼ同じ時間に手術が行われた。もちろん最悪の場合は今生の別れになるかもしれないから、手術の前日は深く深くキスをした。
 そして、長いブラックアウトの後に、目覚めたときには隣のベッドで優が目覚めていて、荒い呼吸をしながらも微笑んでくれた。
 良かった、一緒に生きていたんだって安心した。
 入院とかで長い期間休むことになったことで、しばらく私たちは休職という扱いにはなっている。
 ただ、あまり長期間休むのも悩みどころ。由香子さんと静さんは最悪、主婦になれば良いとは言ってくれているけど、
 せっかくここまで来たんだから、ちゃんと女性として生きていきたい。
 身体が動かせるようになっても、大変なのはダイレーションの作業。私にできたちゃんとしたおまんこに樹脂製の器具を挿入する作業。
 これを毎日ちゃんと決まり通りやらないと塞がってしまう。
 無事に退院した後も、優と私は基本的にその作業ばかり行わざるを得なかった。そのため、牧村先生とは長い付き合いになりそうだった。
 彼女曰く、私たちのデータは相当な資料として生かされているらしい。
00811502014/02/03(月) 00:52:31.16ID:Iimt/m+d
「「退院おめでとう!」」
 一緒に家に帰って、リビングのテーブルに座ったら、いきなり退院おめでとう! の声と同時にケーキが運ばれてきた。
「子供たちは……?」
「みんなお昼寝中。翼ママと優ママが帰ってくるのを楽しみにし過ぎちゃって疲れたみたいよ」
 ママが四人いるっていうのも少しどころじゃなく、とても変だと思う。由香子さんは大らかなので気にしないけど、色々と今後のことは考えておかないと。
「隼人と鷹斗は元気にしてる?」
「ふたりとも元気よ。でも、隼人ったら食いしん坊だから、ご飯作ってるときのつまみ食いだけは止めないのよねぇ……誰に似たんだか……」
 静さんの視線は由香子さんに向かう。
「お姉ちゃん……」
「優だって、小さい頃は結構、食いしん坊だったわよ……」
「そんなー……」
 男の子はふたりとも言葉も覚えて、少し腕白なのが隼人。由香子さんと優の間に産まれた子供。弟の鷹斗はどちらかというと大人しい。
 よく寝ているけれど、隼人と一緒にいるときに、兄の暴走を止めたりするので不思議な力関係が働いている。
 妹ふたりに関しては、まだ特徴というのが出ていないけれど、優衣と楓という名前をつけている。
 私と由香子さんの間に生まれた子が優衣で、優と静さんの間の子が楓だ。
「……話には聞いていたけど……ダイレーションって大変なのね……」
 当然、手術の後は生活が元に戻すまでは大変だった。まずしばらくは絶対安静だし、仕事に戻れるかという不安もあった。
「安心しなさい。ベストセラー作家が着いているんだから」
「由香子……調子に乗らないの」
 静さんは家族の窘め役として存在してくれるので、私も優も少し安心してしまう。やっぱり三人じゃこうして生きていくのが難しかったかもしれないね。
00821502014/02/03(月) 00:53:56.75ID:Iimt/m+d
 数ヶ月に渉る期間を経て、牧村先生からセックスをしても大丈夫と告げられた。
「あまり……無茶な器具挿入とかはしないようにして下さいね」
 やっぱり事故とかそういうのはあるらしい。
 そして、私たちはさすがに由香子さんと静さんが使っているものをそのまま使うのも何だか違うと思ったので、自分たち用の双頭ディルドーとペニスバンドを買った。
 昔はそれぞれ個室を持っていたけど、将来的なことを考えて、お互いのパートナーと一緒に寝ることが多くなった。
 子供も小さい子が由香子さんと静さんと寝かせて、大きい方といっても一歳差だけど、男の子たちは私たちと一緒に眠る。
 だけど、今日は特別だから子供たちは全員、隣の部屋で寝ている。もちろん防音だから、私たちが何をしているかなんて知るよしもない。
 夏が目前の少しだけ汗ばむ夜だった。だけど、その分、簡単に裸になることができた。膝立ちのまま見つめ合った。
 優の方が年上で三十歳を目前にしていても肌はとてもきれい。私たちの身体は勝手に女性ホルモンが生成されるから、食生活さえ気をつけていれば充分に肌や体調は安定する。
「女の人になって初めて優の身体見るね……」
「うん……翼は、もっときれいになってる」
 いつも忙しく働いていたのもあって、時々は肌荒れになったり、少しストレスで体調不良にもなったりするけど、
 手術の後はしばらく安静にして、少しずつ無理なく仕事に復帰していった。だからふたりとも体調は今が一番順調。
「……やっぱり、翼のおっぱい大きいね……」
「優だって、Eカップになったじゃない……」
 そっと優の手が私のFカップのおっぱいに触れる。さすがにもう安定したからこれ以上大きくなくて済みそう。後は垂れるのだけが心配。
「優……」
 私も優のおっぱいに触れる。そっとお互いをまさぐるような動き。自然と吐息が漏れてきている。
 自然と抱き合う姿勢になったころには指で乳首を摘み、手の平で転がしていた。
 裸になったときには、お互いに気づいていたけど乳首が立っていた。早く素肌同士を触れあわせたかった。
「翼、キスして……」
 愛撫に翻弄され潤んだ瞳で優が私を求めてくる。愛撫の手を止め、身体を抱くように唇を重ねた。
 そして自然に唇を濡らすようにお互いが舌先で唇に触れ甘噛みするように唇と舌先を舐め回す。
 ピチャピチャという微かな破裂音が響き出す。キスが激しくなるとこうして舌を絡ませながら唾液を分け合う。
 性器が重なり合うのとは別でひとつになっている感触がたまらない。お互いに解け合いそうになってくる。
「んっ……優……舌出して……」
 甘えてくる優の舌が少しずつ伸びてくるので、キスの流れから口の中に入れ、甘噛みしつつ舌先で触れる。
 呼吸困難になりそうだけど、少しだけ我慢。そのまま優の舌を口全体で味わう。
00831502014/02/03(月) 01:00:06.06ID:Iimt/m+d
「……はぁっ……もう、翼の欲しがり……」
「だって、優が私のこと誘うから……」
 息が続かなかったから優は荒い呼吸をしてるけど、また唇と近づけても嫌がる素振りを見せない。
 優が求めるように舌を出してくるので、今度はキスをしながら舌と舌で舐め合う。
 私が何度も優の舌と唇を舐め回したら、今度は優が私の顔を舐め回す。頬や鼻の頂点とか。
 すっぴんだけど優は顔まで舐めてくるから、こうやって長いセックスのときはスキンケアが疎かになる。化粧水とか乳液とかは毒だから。
「ぅふんっ……優……顔、舐めちゃダメ……」
「ヤダ……翼のきれいな顔舐めさせて……」
 されるがままにしつつ、両手でおっぱいを揉んだら、少しだけ動きが遅くなったので、そのまま繰り替えす。
 優だって結構な巨乳だし、弾力はちょっと私よりあるから感触もたまらない。
「ひゃんっ!」
 夢中でおっぱいを揉んでいたら、首筋に舌を這わせてきたから、びっくりする。おまけに思った以上に感じる。
 そしてそのまま顔を舐めながら、優は私のおっぱいを揉んでくる。
「最初は……ぅんっ……ボクが責めるの多かったのに……どんどんエッチに……んんっ……なっちゃったよね……」
 少し不満の色を込めて言ってくるから、
「だって……優にぃ……いつも、されてて……嬉しいけど、あっ……悪いなぁって……思っていたのと……んっ……」
「されるがままなのが……やなんで……しょう」
 手術をする前から、愛撫の執拗さはお互いに増したと思う。無くなる物を頼るようなセックスを終える準備はいつもしていた。
「そうだよ……」
 返事と同時に両手で、顔を舐め回す優の身体を少しだけ離し、気を緩めた優のおっぱいの乳頭を銜える……。
「んんっ……翼……赤ちゃんじゃないんだからぁ……」
「うぅーん……んっんっ……」
「ボク……あぁ……おっぱいでないよぉ……」
 知ってる。だけど乳首を吸い付くのが好きだからしょうがない。
 静さんが妊娠したときは、DカップがHカップまで成長しちゃったから、
 優と私で母乳を吸いながら、妊婦の由香子さんがペニスバンドで静さんのアナルを犯すなんて倒錯的な4Pまでした。
 妊婦さんは便秘しやすいから浣腸したついでだってことで。
「……おいしいよ、優のおっぱい……んっ……」
「……じゃあ……翼、おまんこ慣れた?」
 胸ばかりやられてたから、優は私の新しいおまんこに触ってくる。
 睾丸摘出から性別適合手術まで一気にやった関係で、私たちの女性器は形状も感覚も一般の性別適合手術以上の結果をもたらしている。
 だから、触られるだけで思ったよりも感じることができた。
「……優……早い……」
「遅いよぉ……早く、翼と繋がりたい……」
00841502014/02/03(月) 01:00:33.44ID:Iimt/m+d
優と私でお互いに徳用ローションをお互いの手の平に垂らしながら、指先でおまんこを濡らし合う。
 ダイレーションで太いダイレーターを差し込んでいたから、指ぐらいなら余裕で二本、三本は大丈夫だった。
「……双頭ディルドーで良いよね……」
「翼が良いなら……」
 選んだのは長めの双頭ディルドー。もっと短いのやバイブ機能があるのもあったけど、最初は慣れる意味もあって単純な物にした。
 優を寝かせる体制にさせて、私は片側のディルドーをおまんこに挿入した。
「……うんっ……」
 ダイレーター入れるときは普通にしているからだけど、こうやって挿入するだけで快感を意識する。
 やっぱりセックスって感情を伴うものなんだなって嬉しくなる。
「優……左脚あげて」
 松葉崩しの体位になるから、私が腕で優の左足を抱えるように持ち、右脚というか太股に跨る体制になる。
「翼……入れて……」
「うん……行くよ、優……」
 優の中にディルドーの反対側を挿入する。自分の身体の一部じゃないから入っているのか不安になる。
「あぁ……入ってるぅ……」
 甘えるような声で優が言う。その言葉に私の身体が震える。
「……優……ごめん……我慢できない……」
「良いよ、動いて……翼に気持ち良くなってもらいたい……」
 緩慢な動きになるのはしょうがない。あんまりしたことがない体位だし、私も自分の側のディルドーが抜けない位置と動きを確かめながら動いている。
「……ぅん……はぁ……」
「優……きもち……んっ……いい?」
「……うん……なんとか……ぁぁあ……」
 優の左脚を抱くよう腰を動かしている。やっぱり不思議とおまんこの感触よりも、身体の中や触れあう肌の方が感じる。優の身体がとても気持ち良い。
「翼……つばさはぁ……」
 何とか声を出してくる優。ああ、私はもう充分気持ち良いのに。もった感じて欲しいから、私のことなんて気にしなくても良いのに。
「気持ち良い! 優、もっと感じて!」
 思わず大きな声を出して、私はもっと激しく腰を振る。勢いを強くすれば私も深く突き刺さり、大きな声で喘ぐ。
「翼……なんか……もう……ダメかも」
「あぁっ、嬉しい! 感じてっ! もっとっ!」
 ありえないくらい気持ち良い。私たちなら、ずっとこうしていける気がした。優が感じるように、私もありえないくらい気持ち良かった。
 運命が残酷だなんて思えない。こうなるために私は男の子に産まれたんだ。優と出会うために男に産まれて女になったんだ。
「ああぁぁぁっっっ!!!!」
「優っ!! 私もぉぉっっ!!!!」
 お互いを貫く快感の勢いに意識が飛ばされ、私は優の左脚を抱えたまま、マットレスに倒れ込んだ。
00851502014/02/03(月) 01:03:12.75ID:Iimt/m+d
「起きなさい……翼ちゃん……」
 意識が戻ったのは呼びかけられたから。
「あれ……静さん……」
「ごめんね……トイレに起きたら、ちょうどあなたたちがイっちゃった声が聞こえて……
 もちろん遂、聞き耳を立てただけなんだけどね。大丈夫、子供たちは気づいてないから……」
 様子を見に来た、という野暮なことは静さんはしない。理由は見れば分かった。静さんは全裸でペニスバンドを装着していた。
「私もいるわよ」
 よく見れば暗がりで由香子さんも全裸でペニスバンドを装着している。
「翼……」
 顔を起こすと身体を起こした優が、苦笑いしながら、
「お姉ちゃんたちも入れて欲しいって……」
「明日は日曜日でしょう……それに、もう一回戦くらいはできるでしょう……」
 優は苦笑いのまま首を振った。そして私は、分かりましたという言葉を返す。後戯ができなかったのは残念だけど、
 四人で暮らすと決めたから、こういうことになるのはしょうがないと思った。今の生活だけでも充分幸せなのに、不平不満を口にする気はなかった。
 とりあえず、私は起き上がって優にキスをした。これだけは確かなんだから。

 その後。

 隼人と鷹斗が三歳になったので、それぞれの実家で七五三のお祝いをした。そこで優と由香子の両親と初めて会った。
 さすがに孫の顔を見たら、反対気味だった父親も顔が緩んで、ちゃんと生きるように由香子さんと優には強く言われ、
 私と静さんにはよろしくお願いしますと頭を下げられた。ただ、さすがに子供たちの両親が違うとは言えなかった。
 そして、私の実家に関してはこれまた孫が産まれてその報告を遅ればせながらした。結局、お父さんは由香子さんが嫌でも有名になって、
 子供まで産まれてしまったということで、しょうがなく認めてくれた。性別適合手術に関してはお母さんと兄さんたちに報告していて、
 全て終わってしまったこととしてお父さんも反対しようがなかった。だから正直、死ななくて本当に良かったとは今なら思える。
00861502014/02/03(月) 01:16:52.08ID:Iimt/m+d
仕事復帰をしても問題は無く生活が安定して、子育てをしながら、大学時代の同級生とも同窓会で再開した。
 やっぱり私の生活が特殊なので少し興味を持たれたりした。だけど、みんな私と優を普通に女子として扱ってくれるし、年賀状のやりとりもするようになった。
 そんな年賀状の中で、カホから年賀状が届いていた。いつもはイラスト入りの年賀状だったけど、今年は写真が使われているものだった。
 海外で同性婚が可能な国で結婚式を挙げたとのこと。今はカナダで暮らしていることの報告だった。
 年賀状をより分けていたら、由香子さんがその年賀状をまじまじと見て、涙を流した。どうしたのかと驚いたら、
 カホの隣にいた女性が由香子さんの元彼女の緑さんという人だということが分かった。
 酷い別れ方をしたから、今、幸せに暮らせているとは思いもよらなかったって。だけど、それなら私だって驚いている。まさか、過去がこういう形で繋がるなんて。

 全員が三十代になったとき、もう子供たちのことが中心になって、あまり個人的なものから性的な悩みは考えないようになった。
 それよりも子供たちがどう幸せになっていくかという考えに四人の気持ちは一致している。
 ただ、とりあえず懸念があるとすれば、同性愛者や性同一性障害じゃなければ良いんだけど、ということ。
 だって、子供たちは悩み苦しまないで普通に生活してもらいたいと思うのが自然だったりするから。
 そんなことを考えて少し憂鬱な気分になると、決まって優が私の手を握る。だから私は優のために笑顔になった。これからも同じことが繰り返されることを確信しながら。
 私は、男の子で産まれて良かった。苦しんだけど、今よりも幸せな人生を送る自信なんてない。だから、今の私は何も悩まず何も苦しまず、ただ幸せ。
――――――――――――――――――――――
ということで、以上終了です。もう余力は少しもありません……
暫定的な設定として、それぞれの外見として翼は堀北真希が男装してるのがガチの男で、最終的に今になったと思ってください。ただし巨乳で。
優は、少し前にラストフレンズで上野樹里がしてた外見に近いです。女→男の性同一性障害って設定だったけどその逆。穏やかな印象で。
由香子はモデルの田中美保みたいな感じで。サッカーの稲本の奥さんですね。
静は、女優の水川あさみってところ。
身長とかの設定はさすがに分からないのでそこまでは決めてません。
とりあえず、おつきあいありがとうございました。エロ小説を書くのは初めてなので、ここまで書いた自分に逆に引きますw
ということで、こんどこそ本当にさようならです。
0088名無しさん@ピンキー2014/02/03(月) 02:16:04.58ID:q9FdPhlu
GJ!
お疲れさまでした。
そして、ありがとうございました。
0089名無しさん@ピンキー2014/02/07(金) 15:27:21.07ID:is5jDbH3
エロくて最高っす
前半も読みたいんですが、どうすればいいでしょう
0091名無しさん@ピンキー2014/02/19(水) 20:12:00.06ID:NuNWWtVY
BLUEさんって半年以上みないけど忙しいんだろうか・・・・
0097名無しさん@ピンキー2014/08/13(水) 23:49:16.53ID:dcqHjUy8
高宮アスカとかツボ
ご主人様調が堂に入ってて掘ってほしいキャラ
0100名無しさん@ピンキー2014/12/02(火) 16:00:37.90ID:M9twu8Qz
新作こないかな
0101名無しさん@ピンキー2014/12/22(月) 18:35:26.41ID:cqREIJcq
男の娘じゃなくて、ショタをじっくりメス化調教して、
最終的にシーメールにするようなゲームないかなあ……
同人によくある着せ替えRPGみたいな感じで、
あるいは戦乙女ヴァルキリーみたいな感じで、
性器の形まで変わるような安易な女体化じゃなくて、
メス化が進行していって、不可逆なラインを越えてしまって、
いつの間にか取り返しのつかない体になっていた、ってのがエロいと思うんだ

まあ、そんな話を書こうと思って挫折したんですがね
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