「あんっ、あっ、マリン、どうしたのそのジョッキ?」
「釣具屋のおじさんにお酌したらね、ビールも飲めないだなんて可哀想だって言って出してもらったの」
「出してもらったって、ああんっ、それオシッコじゃない、んあっ、あっ、酔ってるのよあのオヤジ、あっ、」
「あいにくまだまだ潰れちゃいないよ。マリンちゃん、ほら、ママの前でぐいって呑んじゃえ」
「もう、ダメよマリン、あっ、あっ、いくっ、いっちゃうっ、」
「おおー良い呑みっぷりだマリンちゃん」
「なんだか甘くてしょっぱい」
「はぁ、はぁ、気持ち悪いっ、あっ、マリンがお腹壊しちゃったらどうすんのよ、はぁ、」
「どれマリンちゃん、そのジョッキ持ってあそこで乱交してる紹介所の孫娘のところへ行って挨拶してきな。お姉ちゃんのオシッコも飲ませてくださいってね。
 そうすりゃきっと笑ってくれるよ。来年からマリンちゃんも中学生だ、群がってる男たちの輪に入って一緒に腰を振ってきな、たぶんあそこがマリンちゃんの居場所になる」
「うん、お母さん、行ってくるね」
「はぁ、はぁ、ダメよマリン、行っちゃ、ダメ、」
「なあに大丈夫さ。もうマリンちゃんはこの町の女だよ。少しくらい無茶したってたくましく生きていけるのさ」
「もう、何言ってるのよ!マリン行っちゃったじゃない!」