「!!!!?」
 にゅるり、と口の中に侵入してくる異物の感触で一気に意識が引き戻された。
 (こ、この子……いきなり舌を……!)
 朝の更衣室で朱音を助けてから早一ヶ月あまり。
 童顔で色白。
 背丈の伸びと不釣り合いなバストサイズ。
 そして奥手で未経験で彼氏も無し。
 報復を阻止する、と言う名目で頻繁に呼び出して生徒会の仕事を手伝わせ、常に一緒に
居ても誰も不審に思わないよう地固めを済ませ、満を持して放課後の生徒会室に催眠暗示で
呼び出していよいよ試食……と思ったのだが、これでは立場が逆である。
 (ま、まぁ……そういう暗示を掛けたのは私の方ですし、仕方ないですわね)
 お互いに初めての口づけ。
 あくまでも軽く、唇同士で甘噛みし合う程度の甘いキスを想像していたというのに、朱音の
方は中々に情熱的な物を秘めていたようだ。
 「ふぁ……ふ……」
 (それに、これはこれで……)
 たっぷりの唾液を纏った小さな舌で口の中を蹂躙されるのも、意外と悪くない。
 というか予想外に気持ちが良い。
 全てを任せるように力を抜くと、積極的すぎる朱音に物理的に押され、たちまち背中が
生徒会室の壁に当たってしまう。
 「せんふぁい……せんふぁい……っ!」
 のみならず、背伸びをした朱音の詩織の胸に自分の胸をグイグイ押しつけてくる。
 もちろん舌を使い、トロトロの唾液を詩織の口の中に流し込みながらだ。
 (やだ、朱音さんの唾が甘いですわ。それに胸同士が擦れ合って……)
 単純なバストサイズなら二人は互角である。
 が、まだ成長の余地を残しているらしい朱音の胸の方が僅かに固く、上向きに張っている
ので押し合いになると詩織の胸の方が負けて形が崩れる。
 (……これ、良いですわ! すごく良いですわ! 感じてしまいます! やっぱり私の目に
狂いは無かったんですのね!!)
 この女の子同士でしか味わえない変則的な愛撫。
 しかも絶妙な固さを残した下級生の胸で乳房を好き勝手に弄ばれる快感に、早くも
詩織は酔い始めていた。