ぐるりゅりゅりゅりゅっ……

「痛っ……!…っ、はぁっ、ふぅーっ…!」

声を噛み殺し、堪える。
直腸が、うなりを上げる。
早くこのうんこを出せ、と。
だが、ギリギリの所でなんとか持ちこたえる。
そして一旦息を整え――

グギュルルルルッ………!!

一瞬油断した瞬間に突き刺さる、さっきより、鋭い痛み。
その直腸の運動は、彼女にトドメを刺すには十分だった。

「―――――――!!」

体が、びくんと大きく、一度だけ痙攣する。
彼女の中で、"音"が消えたような感覚。
羞恥心か、プライドか。
女として、便意をせき止める最後の防波堤は、完全に砕けてしまった。

ぷつり、と。我慢の糸が切れる。
ドクン、ドクン、と。自分の心音だけが大きく聞こえる。

「あぁ……ゃ………ああぁぁぁっ…………!」

もう駄目。無理。最初から、無理だった。わかってた。仕方ない。出る。出す。出したい。うんこが出る。

一色に染まる思考。
繰り返す、浅い呼吸。
頬を伝う、一滴の汗。
じっとりと蒸れる下着。
肛門を突破せんとする大便。

我慢の限界を超え、肛門から、体から、力が抜けていく。
大便、否、爆弾を抱え、必死に耐えたこの時間は完全に無駄に終わる。
だけど、完全に便意に屈した彼女にとって、そんな事などもうどうでもいい。

(うんこ、したいっ…!うんこしたい、うんこしたいうんこしたいっ……!!)

極限まで高まった便意から開放されたい。
…便意に塗りつぶされたその一心でバケツを手に取り、慌てて下着を脱ぎ捨て、壁を背もたれに、バケツに座り込む。

(もう、いいっ…!見られても聞かれてもいいから、ウンコがしたいっ……!!)

自分の経験則だが…いつもは普通なのだが時折、物凄いのが出る事がある。今日のソレはまさしく…

(出るっ………ぁ…もう駄目…!)

もう力を入れる必要すら無く、うんこが降りてくる。だが。