魔法・超能力などの非現実的能力でエロ妄想その10 [無断転載禁止]©bbspink.com
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0001名無しさん@ピンキー2019/05/08(水) 20:04:15.21ID:QIDLUhbe
魔法・超能力・奇術・手品・超魔術・イリュージョnン・超科学・呪術・不思議アイテムなどといった
非現実的能力を使ってイタズラや陵辱をする、
そういったシチュエーションに萌えるスレです。
SSの投下は一次・二次を問わず大歓迎。

(過去スレ)
魔法・超能力でエロ妄想
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1083837007/
魔法・超能力でエロ妄想 その2
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1093667653/
魔法・超能力でエロ妄想 その3
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1145518730/
魔法・超能力などの非現実的能力でエロ妄想 その4
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1172923757/
魔法・超能力などの非現実的能力でエロ妄想 その5
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1187957540/
魔法・超能力などの非現実的能力でエロ妄想 その6
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1200565700/
魔法・超能力などの非現実的能力でエロ妄想 その7
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1220010667/
魔法・超能力などの非現実的能力でエロ妄想 その8
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1249035881/
魔法・超能力などの非現実的能力でエロ妄想 その9
http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1302006983/

(これまでに投下されたSSの保管場所)
2chエロパロ板SS保管庫
http://sslibrary.gozaru.jp/

(関連スレ?)
ドラ○もんの道具を悪用してエロ小説 11
http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1265796157/
【職人】MC・催眠系総合スレ その19【求む】 [無断転載禁止]cbbspink.com
http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1557153189
0014名無しさん@ピンキー2019/05/09(木) 00:21:33.84ID:UVulWNkw
「雪也!! 正直に白状しなさいっ! いまアンタなんかやったでしょ!」
「ち、ちがう! 僕じゃないって! ぐえぇ!」
「嘘! アンタいま、すんごい気持ちよさそうな顔してたじゃん!」
 幼馴染の天音に首を絞められ、半ば意識が朦朧としながらも必死で言い訳を考える。
 でもダメだ。故意ではないとはいえ、僕が天音に手を出したのは事実。昔から勘が良く、頭の上がらない天音を誤魔化すことなどできなかった。
 
 僕は一週間前に交通事故に遭い、今日までずっと生死の間をさまよって昏睡し続けていた。その間、全く意識はなかったけれど、どうやら僕は成功率2.3%の手術から生還することが出来たらしい。
 目覚めた今も両足と指先は満足に動かせず、身体を起こすことさえやっと。病院のベッドでずっと寝ているか、座ったっきりでいるしかない状態だ。それでも、意識ははっきりしているし、身体についてしんどいところも特にない。
 手足も数ヶ月でまともに動かせる程に回復できるとのこと。お医者さんからは奇跡と称賛された。
 それで今は、一日でも早く良くなるためにと、療養している最中だけど……

 生命の危機に陥ったためか、目を覚ました僕には超能力が宿っていた。

 その超能力は、なんと、離れた場所にいる相手と自由にエッチが出来るというもの。
 能力とその使い方については、昏睡している最中、僕の意識の中に悪魔的な人が現れて、いろいろ説明してくれた。

 僕はただ念じるだけで、狙いをつけた相手と自由にセックスができるようになった。
 具体的には、自分から遠く離れた相手の膣に僕のペニスを挿入されたかのような感覚を与えることが出来、そうすることで僕自身も、相手の膣の感触をペニスで味わえる。
 残念なことに中出しした精液は相手の膣には届かず、自分のズボンが汚れるだけだけど、鍛錬を詰めば遠隔的に相手に中出しもできるようになるらしい。

 相手に気づかれずにセックスし放題なんて、まずありえないし、とんでもない能力だ。
 目が覚めた時には、おかしな夢を見たと思って、決して真に受けずにいたけれど……

 まさかと思って半信半疑で試した相手がまずかった。
 それが、目覚めたばかりの僕のもとへお見舞いに来てくれた、幼馴染でクラスメートの天音。根は悪い奴じゃないんだけど、僕に対してはいつも高圧的で意地悪で、あんまり気が強い方じゃない僕はいつもからかわれてばかりいる。
 今日も「これ以上アンタの頭がパーになったら困るから」なんて憎まれ口をたたきながら、僕が入院している間の授業のノートを持ってきてくれたところだった。

 ベッドに腰掛け、天音と他愛のない話をしている間に、僕はふと、夢の話を思い出していた。
 いや、まさか。きっとただの夢だろう、と思いつつ、僕はどうしても気になって……物は試しと、彼女のことを念じ、腰を思いきり突き上げてみた。すると
「いっ……たっ!?」
 天音は急にお腹を押さえて痛がった。それと同時に、僕はペニスにきついなにかが巻き付くかのような感触を覚え、膜のようなものを突き破った引っ掛かりを感じた。
「えっ! こ、これ、天音の……」

 まさか、あの夢は本当だったのか。
 僕にこんな夢のような能力が備わったなんて、信じられない!
 急なこと過ぎて、どうすればいいか分からないけど……
0015名無しさん@ピンキー2019/05/09(木) 00:21:54.44ID:UVulWNkw
「ちょっと」
 と、僕が一瞬悦に入っていると、天音の声が耳に突き刺さった。恐る恐る彼女のほうを向くと、股を抑えながらも怪訝全開といった顔で僕を睨んでいる。
「えっ、あ、天音」
 天音は股間に直な違和感を感じたのか、僕がいるのも気にせず自分のスカートの中に手を入れており……そこから出した彼女の手には、赤と透明が混じって薄まった色の血がついていた。
「な、なにしたの雪也!」
 そうして僕が何か言いだす前に彼女の両手が僕の首を掴み……冒頭の彼女の暴力行為につながるわけだ。

 普通に考えれば、こんな超万能な能力は隠して使うのが定石だろう。
 でも、僕は昔から気の強い天音には勝てず、今回の件についても、彼女の威圧に負けて洗いざらい吐かされることになった。
 もちろん「昏睡中に夢に悪魔が出てきて、こんな能力が身についた」なんて滑稽にもほどがある話だけど、本当のことだし、僕は自分が見聞きしたすべてを彼女に伝えた。

 正直に言えば、こんな話をしたところで「あんた頭おかしいんじゃないの死ね」と言われるのがオチだと思っていたし、実際、それでもかまわないと思っていた。
 当然、こんなこと信じろなんていうほうが無理だし、僕もいま初めてこの能力を行使して、未だに信じられない。
「僕だってまさかと思ったよ。天音にやったのも、その、どうせ夢だろうと思ってダメもとで」
「はぁ……」
 意外にも、天音は僕の話を真面目に聞き、全てを呑み込んだうえで腕を組んで唸っていた。
 まぁ、実際に体験してしまった側であるし、偏に嘘だなんて決めつけられないでいるのかもしれない。
 ……でも、そもそも天音は昔から、意地悪なりにも面倒見が良くて、僕の話には乗ってくれる節があったというのもあるけど。

「いや、まぁ、私だって信じられないっていうのはあるよ。うん……でも、いくらアホでもアンタがそんな嘘ついたって何だって話になるし」
「そりゃ信じられないのは無理ないよ。自分でも信じられないんだから」
 天音は困惑しつつも、僕の話に取り合ってくれる様子だった。
「で? 要するに、アンタが思うが儘に誰が相手でも、その……できるようになったってことなんでしょう?」
「うーん、たぶん。まだ天音にしか試してないけど、そうなのかな」
「なんでよりによって私に試したんだか」
「ご、ごめん。本当になるだなんて思わなくて」
 しかし、そういわれてみると、犯せる相手の条件は聞いていない。天音は目の前にいたからともかく、本当に、誰でもできるんだろうか。

 僕は試しに、一人の女性を思い浮かべて、また、ぐいっと腰を突き出してみた。
「んっ! ……あっ!」
「え? ちょ、ちょっと」
 また、ペニスが何かに包まれる感触が。天音に目をやると、彼女はびっくりした顔をしているが、さっきみたいに痛がっている様子はない。それに、いま挿入している感覚はさっきの天音とは全く別のもの。つまり、いま犯しているのは天音ではない。
「うっ、あ、やっぱりそうだ! 近くにいない相手でもできる! な、なんか天音より緩いな……」
「ちょ! なにやってんの! アンタ、いま誰を相手にやったわけ!?」
「瑠奈ちゃん」
「いや、誰」
「知らないの? 藍堂瑠奈ちゃん」
「あぁ、なんだっけ。あの、洋楽のカバーとかやってる」
 僕が思い浮かべたのは、いま大流行のアーティスト、藍堂瑠奈ちゃん。
 別に本当に犯してやろうと思ったのではなく、パッと浮かんだ女性っていうことで、ダメ元で試してみただけだけど。
 いまちょうど音楽番組の生中継ライブをやっているということで、天音がスマートフォンで動画配信サイトを見てみたら、ライブは中止状態になっていて放送が止まっていた。
 SNSで検索してもらったところ、瑠奈ちゃんはたった今、急な体調不良でステージ上から退場してしまったらしい。
0016名無しさん@ピンキー2019/05/09(木) 00:22:40.12ID:UVulWNkw
「雪也ぃぃぃぃぃッ!!!」
 天音が再び僕の首を絞めあげる。
「ぐぇ……あ、天音、僕いま手足動かない重体なんだけど……」
「んなこと知るか! なんってことしてんの!? 明日すぐ謝りに行きなさい!!」
「い、いや、そんな、だってまさか本当にできるなんて思ってなかったから! 第一、謝るってどうやって謝りに行くの! 『遠くからチンチン入れてすみません』なんて言える!?」
 正直、瑠奈ちゃんには悪いことをしてしまった。でもまさか本当に、この場にいないし知り合いでもない、居場所さえもはっきりしていなかった相手を犯せるなんて思っていなかった。

 この能力があれば、僕はあらゆることが思うのままなのでは……?
 
 と思った矢先だけど、僕には超えられないストッパーが存在する。
「とにかくっ! その能力はいますぐに封印しなさい! じゃなきゃ殺す」
「そ、そんな!」
「そんなじゃないわよ! 女の子が知らない間にレイプされるってどんだけショックなことか分かってるの!? ただでさえ私の処女奪った時点で死罪に値するってのに!」
「まさか処女膜を破れるなんて思わなくて……っていうか、そもそも本当にできると思わなかったんだよ!」
 天音がこんな能力を許すはずがなかった。もちろん、天音を犯してしまったこともそうだけど、僕がこれからあらゆる女の人に対して能力を行使することは許せないらしい。
 しまったなぁ、天音にこの能力のことを知られてしまうなんて。

――でも、後から思えば、当たり前とはいえ天音の言うことが正しかった。
 僕は本当に軽い気持ちだったけれど、こんなあり得ない能力で倫理を破壊していったら、きっと取返しのつかないことになる。
 たとえ僕のせいだと絶対に気づかれないとしても、人を傷つける悪事であることには何ら変わりないのだから。
 誰とも知れない相手に強姦された女の子の気持ちはどうなる? 相手がショックで自殺なんかしてしまったら? 考えれば考えるほど、僕自身の人生や性格をどんどん歪める原因になりえる恐ろしい能力だ。

「げほっ……天音、その、本当に、なんて詫びたらいいか……」
「もういいよ。特別に、と〜く〜べ〜つ〜に! 私のことは、許す」
 天音の暴力のおかげで常識的な思考を取り戻した僕は、改めて天音に謝ることにした。絶対にあり得ないと思って冗談半分でやったとはいえ、天音に挿入して処女を奪ってしまったことについては、本当に申し訳ないと思っている。
 幸いにも、そのへんの気持ちは天音も汲みとってくれたらしい。彼女の膣に挿入してしまったことについては、特別に、顔面に拳一発でチャラということにしてもらえた。
「それから、藍堂瑠奈さんについては……悪いことしちゃったけど、これはもう埋め合わせのしようがないでしょう。仮に謝罪しようとしたところで、許されるどころか、信用してもらえるわけないし、頭のおかしいファンだと思われるだけ。
 ……このことは私とアンタだけの秘密にしておこう? アンタだって、瑠奈さんを傷つけようとおもってやったわけじゃないんだし。悪いのはアンタじゃなくてその能力よ」
 僕の中で罪悪感が膨れ上がりそうになったところ、天音がそう言い聞かせてくれて、少し気持ちが楽になった。本当に申し訳ない、これからは瑠奈ちゃんのことをいっぱい応援しないと。
0017名無しさん@ピンキー2019/05/09(木) 00:23:04.72ID:UVulWNkw
「それで、これからどうするの?」
「どうする、って? あ、鼻血について? あぁ、もう止まったから平気。入院中の人間にあんな本気で顔面パンチするなんて思わなかったけど」
「そうじゃなくて、アンタ自身についてよ」
「え、僕自身……って、なんのこと?」
「決まってるでしょ。いつ去勢するのかについて」
「は?」
「それとも、二度と女の子を見られないように目を潰す? それならたぶん今すぐできると思うけど」
「御冗談を!」
 こういう趣味の悪い冗談を言うのは昔からだけど、本当にやめてほしい。
「冗談はさておき、これからどうするのよ? ほら、その能力のこと。私のことはもういいけど、これからその能力をどうするかについて考える必要があるでしょ」
 そうだ。過ぎてしまったことは十分反省するとして、僕はこれからこの能力とどうつきあっていけばいいだろう?

「その能力、自分の意志で捨てることはできないの?」
「えっ、どうだろう?」
 さっきしたことを顧みると、正直、この能力を捨ててしまうというのも選択肢として十分あり得た。この能力は、間違った使い方をすればとんでもないことになる。そして、僕はその間違いを犯さないとは言い切れない。
 でも、肝心の能力を捨てる方法が分からなかった。能力を捨てると念じれば捨てることが出来るのかと思って、試しに捨てると念じてみて……
「どうなの、雪也。何か変わった?」
「うーん、よくわからない。捨てられたかな? ちゃんと捨てられたか、試してみないとわからない……」
「……試す……」
 試しに誰かを犯そうなんていうわけにもいかないし、かといって、試さなければ能力が消えたかどうかはわからない。
 申し訳ないけれど、本当に申し訳ないけれど、とれる手段は一つしかなかった。それは、僕も天音も分かっている。
「……天音、あの、ごめん……」
「……いいよ、そっとやって」
 天音はやむを得ないと承知してくれたうえで、ちゃんと能力が捨てられたかどうかを確認するために、もう一度だけ能力を試すことを許可してくれた。
 
「それじゃ、いくよ」
「願わくば、いかないでほしいけど」
 僕は天音のことを十分に念じた後、腰をぐいっと押し上げてみた。
「うっ!」
「いぃっ! な、なくなってないじゃない、能力!」
「ご、ごめん! ぐはっ!」
 三度、ペニスにまとわりつく感覚。体を強張らせる天音。腹に飛んでくる拳。だめだ、能力は消えていない。
 どうやら、故意に能力を捨てることはできないらしい。僕の念じ方が足りなかったわけではないはずだ。僕は確かに、この能力に本気で消えてほしいと念じた。だって、能力を捨てられなかったら……
「なに思いっきり奥まで突っ込んでんのよ! そっとって言ったでしょうが、このスケベ野郎! ってか早く抜けっ!」
「加減の仕方も分からなくて……がっ、や、やめて、死んじゃう!」
 能力を捨てられなかったら、天音にボコボコにされるのは目に見えていたから。
 
 ひとしきり殴られ終えたところで、天音が改めて腕を組んで考え込む。
「こうなったら、もう能力を使うのを我慢するしかないってことね」
「うぅ……」
 でも、そうはいっても、だ。
 偶然とはいえこんな能力を手に入れてしまった以上、据え膳食うなというのは酷い話だ。
 ただでさえ、さっきは天音の膣と瑠奈ちゃんの膣を味わってしまい、ペニスはビンビン。
 僕は決して意志が強い方じゃない。このままじゃ、美人な看護婦さんにうっかり魔が差して、なんてこともしかねない。
0018名無しさん@ピンキー2019/05/09(木) 00:23:34.79ID:UVulWNkw
 僕は再三天音に殴られる覚悟で、自分の意志では悲劇を防ぎきれる保証がないということを告げた。だからどうしたいというのは何もないけど、とにかくそう白状するしかない。
 はっきりいって、男として情けないとは思うけど、だって仕方ないじゃないか。男なんだから!!
「女の子に触ることも出来ないヘタレだと思ってたけど、あんたも相当な性欲の塊ね」
「返す言葉もございません……だって、こんな能力あったら誰だって……」
「返してんじゃねーか」
 いつもながら情けない僕に、天音はため息をついた。
「まぁ、そうやって、嘘をつかないで助けを求めるのは、シラを切って悪事を続けるのよりはよっぽどマシだと思うけど。実際、どうしたらいいんだろ。
 雪也のせいで他の女の人が傷つくのはあんまりだし……アンタ自身がこの能力のせいで罪悪感なくしたり、罪悪感で潰れるのも見るに堪えないし」
 相談を受けた天音も、どうしたものかと頭を捻っている様子だった。

 それにしても、なんだか変な気分だ。僕が能力に負けて凶行を働いてしまいかねないのを止めようと、真剣に悩んでくれる天音。
 普通なら、僕の意志の弱さを責めて二度とこんな力を使う気が起きないほどに叩きのめすとか、あきれ果てて見捨てて二度と関わらないようにするとか、するんじゃないんだろうか。
 借りはチャラになったとはいえ、2回も天音に挿入してしまっているわけだし……もっと僕のことを怒って当然じゃないか? なんでこんなに、一緒になって真面目に悩んでくれるんだろう。

 思えば、僕が困ったときはいつもこうだったっけ。いつもは意地悪なのにいざという時に本当に親身になってくれる天音には、甘えてばかり。
……なにかこう、エッチなものを見たときに生じるムラムラとは別な、胸の奥がむずむずするのを感じる。この感じは、昔からずーっと感じてはいた。
 いや、まさか。幼いころからずっと一緒の天音に、そんなことはないつもりだけど。

「ちょっと、雪也! ゆーきーなーりッ! なにをボケっとしてんのよ。まさかこの期に及んでエッチなこと考えてたわけ? やっぱ去勢すりゃいいのに」
「ちっ、違うよ! 僕も、どうすればいいか考えただけ」
 本当はいまぼんやりしてたのは違う理由だけど、それはそれとして。
「分かってるよ、僕が我慢さえすればすべて済むってことくらい。でも、それが出来るか不安だから困ってるんだ」
「アンタは意志薄弱だからね、しょうがない」
 天音は棘のある言葉で着実にダメージを与えて来ながらも、僕の肩にがしっと手を置いて、僕の目をじっと見つめながら
「雪也、アンタがこれからどうしていくかは時間をかけて考える必要があると思う。……ダルいけど私も、悩むのにつきあってあげなくはないから。だから他の女の人には絶対に迷惑をかけない気持ちは絶対に忘れないこと。誓える?」
 僕にとって一番効果があるブレーキをかけてくれた。
 僕はその言葉に、素直に頷いた。
「分かった。誓う!」
「よし、その誓い、忘れないこと。忘れたらその瞬間クビ折るからそのつもりで」
 恐ろしい脅迫と共に、僕はこの能力に飽くまで紳士的に付き合っていく決意を固めた。
0019名無しさん@ピンキー2019/05/09(木) 00:23:51.27ID:UVulWNkw
「で」
「で?」
「いや、とぼけないでよ。どーすんのよ、ソレ」
「ソレって……あっ……」
 天音に指を差されて、慌てて隠そうとしたけど手遅れだった。僕のペニスは既に怒張しきっていて、入院着の上からでも限界なのが丸わかりだ。
「そのみっともないの、なんとかしなさいよ。さっそく誓いを破りかねないじゃない」
「いっ、いや、なんとかしろっていったって……」
 男がみんな自分の意志で勃起を収められたら誰も苦労しないよ。
 かといって、入院中の身で自由にオナニーなんてできやしない。いまは手さえも自由が効かないんだし、トイレにしたって看護師さんを呼ぶしかない有様だ。我慢するしかない。
 ……そう、せっかくあらゆる女性を犯せる能力があるのに、僕はムラムラを解消するためのオナニーさえも我慢しなきゃならない。
「雪也、なにムクレてんのよ」
「ムクレてないよ」
「嘘。雪也、顔に不機嫌って書いてある」
「……だって、どうすりゃいいのさ」
「やっぱ死ぬしかないんじゃない?」
「天音〜! もう、本当に死にかけた僕に対してなんて冗談言うんだ! 僕だって本気で困ってるんだよ! だって手も満足に使えないんだよ。それでおあつらえ向きの能力があるのを我慢するなんて、あんまりだ!」
 天音は何にも悪くないのに、つい駄々をこねてしまう。実のところ、僕は性欲が高まってきて、それに伴ってイラついていた。
 もう僕にどうしろって言うんだ。手足が使えずオナニーが出来ない。でも、あらゆる女性を犯せる能力が僕にはある。でも、それは使っちゃいけないなんて、考えれば考えるほど、こんなひどい話があるか!
 どうするのが正しいかなんてわかっている。僕だって正しいことをしようって決めた。でも、考えれば考えるほどムラムラして、理不尽だという気がしてきてしまう。
 
「雪也、ちょっと、大丈夫なの?」
「大丈夫じゃないよ!」
 つい天音に怒鳴り散らした後、はっとして
「ご、ごめん」
 やっと身勝手なことを言っていることに気づいて、天音に謝った。天音は、困ったような顔をしている。

 天音にはまた悪いことをしちゃったな。
 思えば、せっかくお見舞いにきてくれたっていうのに、意味の分からない能力で処女を奪われて、宥め賺そうとした僕に逆ギレされて、理不尽を感じているのは天音のほうだろう。
 僕は天音から顔をそらし、ベッドに横になって、天音に背を向けた。出来ることなら布団をかぶってしまいたい。
「天音、ごめん。もう大丈夫。これ以上天音がそばにいてくれると、余計天音に甘えそうだ。もう十分。ここからは一人で、何とかするよ。だから、天音は気にしないで。もう帰ってくれても大丈夫だよ」
 天音を突き放したくなって、天音とは目を合わせないようにする。
 なんとかできる保証はないけれど、結局間違いを犯す結果になるかもしれないけれど……でも、やっぱり、これ以上天音に迷惑なんてかけられない。
0020名無しさん@ピンキー2019/05/09(木) 00:24:11.28ID:UVulWNkw
「雪也」
 僕は天音に身体を掴まれ、強引に寝返りを打たされて天音と向き合わされた。あぁ、いよいよ首を折られるのか、と思ったけれど、どうも様子が違う。
 天音が僕をじっと見つめる。目を反らしたくても、天音は、僕の頬をぐいっとつまんで無理矢理に顔を前に向かせてきた。本当は顔を合わせたくないけど、こうなると嫌でも天音と目を合わせるしかない。
 怒られるくらいならまだマシだった。でも、天音は真剣に、いつにないくらいに優しい目で、僕の目をしっかりと見ながら
「分かってるよ、アンタが本当に困ってることくらい。茶化して悪かった。でも、だからってそんな言い方ないでしょ。せっかくこの私がわざわざアンタの力になりたいって言ってんだから」
「天音……」
「ただでさえ交通事故で死にかけて大変なのに、そんな意味わかんない能力が備わっちゃって。こんな時に限って、アンタ一人で抱え込まなくていいって。私に甘えたり八つ当たりして済むならいくらでもすればいいじゃない」
 天音が本音でそう言ってくれているのはわかっている。僕は今までも、なんだかんだ天音に甘えてばかりだったから。
 でも、今回はそうもいかない。
「天音の気持ちは本当に嬉しいよ。でも、ダメだ。だって、このままじゃ……」
「我慢できない?」
「…………」
 その通りだ。このままじゃ、イライラとムラムラで、うっかりカッとなって、天音に手を出しかねない。今の僕は文字通り手も足も出ないけど、この能力がある。
 べつに報復に殴られるなんてかまわない。そんなことじゃなくて、これ以上天音を傷つけるなんて自分を許せなかった。
0021名無しさん@ピンキー2019/05/09(木) 00:24:32.29ID:UVulWNkw
 天音は深くため息をついた。そしてまた、こっちが申し訳なく思えるほどに優しく、少しいたずらっぽく笑って見せ
「全く、今更放っておいてなんて言いっこなしでしょ、水臭い。私たち、ちっちゃいときからずっと一緒に、うまいことやってきたじゃない」
 天音は僕に背を向けるようにベッドに腰掛け、ちょっとだけ躊躇う素振りを見せてから
「放っておけるわけないでしょ。何とかする」
「何とか、って?」
「聞いてなかったの? 私に八つ当たりくらいしたって怒ったりしないって」
「うん??」
「鈍い!」
 僕の頭をぽかんと殴る天音。
「ど、ど、どうしたの、そんな顔赤くして!」
「だ・か・ら!」
 天音は怒った顔をして、しかも顔を赤らめて、恥ずかしさを無理矢理押し込めるようにして僕に怒鳴りつける。

「私が八つ当たり、受けてやるって、言ってんの! 1回、1回くらいなら!」
「……え?」
「我慢できなくて爆発しそうなんでしょ!? 1回だけ! ほんとーに1回だけなら、最後までつきあってやるから! それで爆発しないで済むんなら!」

 天音が言ってくれている意味がやっと分かった。
 分かったけど、信じられない。
 
 そんな、それが決して軽い話じゃないことくらい、天音だってわかっているはずだ。
 いくら精液が絶対相手に届かないって言ったって、セックスだ。処女はもう奪っちゃったけど、天音だって、大切な人としたいんじゃないんだろうか。僕の性欲を解消するためだけに相手をしてくれるだなんて。
「だ、ダメだよ! い、いくらなんでもそこまで天音に甘えるなんて」
「だからって、他に方法、ないんでしょ。アンタ馬鹿だから、放っておいたらどうせ間違い犯すだろうし。しょうがない、アンタのために、一肌脱いでやるから」
「あ、天音、そんな軽率な!」
「いきなり突っ込んだアンタが言うか。いいから黙って従っとけ! 首折られたいか!」
 また、頭をぽかんと殴られる。
 ……おかしいな。僕は僕なりに、天音のことを想って止めてるのに、なんで尻に敷かれてるんだろ。

 僕は大きく深呼吸して、覚悟を決めた。
 天音と……幼いころからずっと一緒だった天音と、男女として、本格的にしてしまう覚悟だ。もちろん、この特殊能力を使って、だけど。
「雪也、緊張してんの? 童貞だから無理ないか」
「するよ! っていうか、天音だって処女だったでしょう」
 天音は緊張感もなくケラケラ笑っているけど、さすがに、これだけ長い付き合いなら僕にもわかる。彼女だって少なからず緊張しているはずだ。
 こんなおかしな形でも、初めてのセックスの前なのだから当然のことだけど……。
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