電車から出てほっとしたけど…それは一瞬、もう涙目で、必死過ぎて、そこからあんまり詳しいこと覚えてない。
 頭がおかしくなりそうなお腹の痛みは、全然マシにはなってくれなくて……
 ゴールはまだまだ先で、ホームから駅の階段をゆっくり上がって、そんなきれいじゃないトイレにやっとで駆け込んだ。
 おろした下着、少し茶色くなっただけで済んでた。

 うんちしていい!
 もう、我慢しなくていいっ!!


 ぶちゅびゅっ! べちょちょっ!!  ぶじゅ… どぷっ! ぶうりゅりゅりゅりゅりゅっ!!!


「は…あ、あっ、あ…!! ふ…あああっ!!  んあああああああぁっ!!!」


 ……すごい声が出ちゃった。
 洋式の水に跳ねる、アレの音もね。
 もうね、何て言うんだろ。
 そこからの何秒か、こんな気持ちのいい瞬間が人生であったっけ……て思うくらい、すごかった……。
 考えてみたら、それまで三日ほど私、うんち出てなかったんだよ。
 溜まってたの全部でた。
 ヤバいくらい出た。
 もりもり…とか、ドバドバとかじゃなく、ナイアガラ?
 私の身体がもう、うんちするためだけに存在するって感じになってた。
「勝手に声が出る」っていうの、ああいう事なんだね。
 悲鳴を上げる、ってのじゃなくて……。
 たぶん誰も聞いてなかったとは思うんだけど。
 いっぱいおなかに溜まってたのを、うんちしたくなっても我慢して我慢して、痛くて、ギリギリまで苦しんで、それから全部出し切って……。
 恥ずかしいけど……気持ちよかった。
 その一言だった。