ガンダムヒロインズMARK ]YI
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0001名無しさん@ピンキー2020/12/01(火) 01:32:40.07ID:P3dXRXkh
語るも良し!エロパロ書くも良し!
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0002フェニックステイル第31話(承前)2020/12/01(火) 01:34:00.27ID:P3dXRXkh
「P−04ってのは、プラント農業とジャンク漁業の町なんだよ――まあ私も、実際に行くのは初めてだけど」
 サラミス改級巡洋艦《トラキア》、MS格納庫――ルウム農協船団護衛MS隊との接触から、一時間前。
 この短期間に数度の実戦を潜り抜け、今また無事に帰還したばかりの艦載機RGM−79R《ジムU》への整備と補給に、整備兵たちが飛び交いながら奔走している。その壁際で、二人の少女兵が飲料を片手に話し込んでいた。
「ルウム戦役の時、ジオンは大量破壊兵器の無差別投入で徹底的にコロニーを破壊したけど、流石に細かいプラント全部までは潰しきれなかった。
 まあ核にも艦砲にも毒ガスにも弾数ってもんがあるし、連邦軍とも戦わなきゃいけなかったからね。
 だからコロニーの住民が全滅した後も、プラントの方には多少の生き残りがいたんだ。
 戦闘後に両軍が撤退してからの数か月後を生き残っていられた人たちを、同郷のルウム難民志願兵を中心に編成されていた、当時のトラキア隊がルナツーから来て助けて回ったらしい」
「ぜんぜん知らなかった……そういうところだったんだ」
「うん。まあこればっかりは、アイネが不勉強ってわけじゃない。私も今の部隊に来るまで、ほとんど知らなかった。このへんの情報、なぜだかほとんど外には出てないみたいだし。――もっと早く、知れていたらなあ」
 シエルが言葉を切ったその一瞬に、アイネは親友の横顔に過ぎる記憶の暗い影を見た。一息の間を見守られた少女はどこか遠くへ視線を投げて、何かを洗い流そうとするように続けた。
「――とにかく、戦中に始まったトラキア隊とプラント難民の協力関係は続いて、戦後には旧ルウム暗礁宙域に拠点を築いていった。
 暗礁宙域に潜伏したジオン残党と戦いながら、食糧難に陥った戦後地球圏への輸出を見越して、再生プラントでの農業を推進したの。そこへ83年の末に起こったのが、北米大陸へのコロニー落下事故。
 あのとき食料相場は狂乱したけど、ちょうど輸出態勢が立ち上がるのを待ってた大量の在庫で介入して、プラント難民組織――『ルウム農協』は財を成した。
 連邦政府の予算無しでも復興事業は軌道に乗るようになって、P−04が築かれた。そしてジオン残党どもが巣食う新サイド4に築かれた、連邦軍の橋頭堡になったってわけ」
「なるほど〜」
 眼鏡の小柄な少女パイロット、シエル・カディス伍長が淡々とMSパイロット候補生時代に同室だった同期生へ向かって語りかけると、相手は気抜けしたような調子で楽し気に頷く。
 シエルはトラキアではなく、第223戦隊の僚艦であるサラミス改級駆逐艦《アルマーズ》MS隊の所属である。
 だがシエル機は先の戦闘で頭部と脚部を失った満身創痍の機体で、戦域離脱時にかろうじてトラキアへ着艦したまま、今も艦外に繋留されている。
 本格的な修理に着手するのは、P−04への入港以降となるだろう。P−04への入港を控えて、パイロットのシエルもそのままトラキアに残されていた。
 そしてシエルの傍らには、そのかつての同期生――アイネ・クライネ伍長が、今は底抜けに幸せそうな――腑抜けたような、とも言えそうなほどに緩んだ表情で、彼女の話に聞き入っている。
 二人がMSパイロット訓練課程を修了してそれぞれの任地へと別れてから、まださほどの日数は経っていない。
 二人がその後のわずかな期間に経験した激しい実戦と、シエルが聞かされたアイネ戦死の「誤報」が心を揺らしても、互いの無事を認め合った後は、あの戦場で見せた互いの動きだけで、すべてを語るに事足りた。
 だから二人の話題は何事もなかったように自然と、世間話の方向へ流れていった。
 現在のトラキアMS格納庫では、アイネとマコト・ハヤカワ准尉のジムU2機、そしてサブリナ・ミケリヤ少尉のジムUキャノンの合わせて3機のMSに対する整備作業が進行している。
 いずれもシエル機と異なり、機体の損傷は小さい。艦外ではゲンナー・ウェズリー少尉のジム・ゲシュレイに率いられて、ロブ・サントス伍長とシュン・カーペンター伍長のジムUが対空警戒に当たっていた。
 アイネも自機の整備が完了し次第、次の指揮官となるサブリナとともに機体ごと出て、対空警戒を交代するになっている。シエルは引き続き待機だ。
0003フェニックステイル第31話(承前)2020/12/01(火) 01:35:38.24ID:P3dXRXkh
「そしてプラント農業とその輸出態勢が軌道に乗った頃には工業プラント群も整備されて、宙域のデブリやジャンクを回収して再利用する基盤も整っていた。
 連邦軍の第一線を退役したボールを大量に取得して、今は予備役登録を条件に業者へ積極的に貸し出したりする振興策をやってるみたい。
 何せここの暗礁宙域は地球圏最大だったうえ、長年残党軍の拠点にされてたから、今でも高額で捌けるジャンクがデブリになって、手つかずのまま大量に漂流してる。
 誰が呼んだかジャンク漁業――そのジャンク漁業に従事する民間船団の護衛は、今でもここの連邦軍の任務のひとつらしい」
「ジャンク漁業の護衛っ……!」
 シエルの言葉に、にわかにアイネの瞳が輝きを増す。姿勢が前のめりになり、巨大な胸元がシエルの眼前へ迫る。呆れたような半笑いを浮かべながら、シエルは親友の顔を見上げた。
「何。アイネ、そんな仕事やりたいの?」
「うんっ!」
 揶揄するような調子の問いにも、アイネは満面の笑みで即座に頷いてのける。
 ジャンク回収船に張り付いていつ来るかも分からない敵をひたすら待ち受ける受け身の任務など、シエルは積極的にやりたいとは思わない。むしろいかに危険であろうと、果敢に敵陣へ斬り込む威力偵察のような攻めの任務の方が好ましいと思っている。
「白兵大好き突撃バカのアイネがそれ言う……? 死ぬほど退屈でしょうよ。そんな待ちの仕事、私なら絶対イヤだけどな」
「やっとMSのパイロットになれたんだもん。あの凶悪なジオンの残党どもから、復興のために働く人たちの安全を最前線で守るんだ。これこそ地球連邦宇宙軍の、最高の存在意義だよ!」
「――そう」
 屈託のない笑みからの、まっすぐに理想を目指して言い切ってのける言動。互いにあれほどの激戦を経験してきたというのに、訓練隊から巣立ったあの日から、アイネは何も変わっていない。彼女は理想を捨てていない。
 同室の親友が見せるこの横顔が、シエルは決して嫌いではなかった。
「クライネ伍長!」
「はいっ!」
 そんな二人へ向かって、整備中だったアイネの乗機、ジムU25のコクピットハッチから声が掛けられる。幼くあどけない女児じみた声色のようでありながら、同時に凛とした気迫を備えたその呼びかけに、アイネが思わず背筋を伸ばして向かい合う。
「25とミケリヤ少尉機の整備、間もなく完了! コクピットに入って最終点検。良ければ庫内のエアを抜いて、そのまま対空監視に出てもらうけど。準備はいい?」
「万全です!」
 女性として小柄なシエルと比べてもなお二回りは小さく見える、いっそ童女のような整備兵が、整備作業の汗を帯びたボブカットの金髪を揺らしながらアイネを呼んでいた。
「よしっ。じゃあシエル、行ってくる!」
「おう、行ってこい」
 ノーマルスーツの拳と拳をカツンと合わせると、アイネは格納庫の床を蹴り、自機の機付長が待つコクピット目掛けて跳んだ。
 途中でノーマルスーツのスラスターを噴かすこともなく、跳躍のみで狙い過たず届いたコクピットハッチの縁を掴んで制動しながら、アイネはコクピット内を覗き込んでいるマリエル・エイムズ軍曹の真横で身体を止めた。
 思ったより距離が近い。
「…………」
 無言のまま、妙に心拍数が上がってしまう。
 会議室での初顔合わせ以来、アイネはマリエルに対してなぜか緊張感を持つようになってしまっていた。
 マリエルが自他ともに厳格な人物なのは動作と態度の端々からも感じられるのだが、どうもアイネに対してはそれ以外の「何か」があるようにも感じられるのだ。
 なんとなく、これは女社会における負の側面の片鱗めいた気配なのではないか、とすら思ってしまう。
 まだろくに話してもいないというのにこれというのは、自分たちは何か、よほど絶望的に相性が悪いのだろうか……?
 自機の整備という命運を預ける存在から人間的に嫌われてしまうなど、MSパイロットにとっては完全な悪夢以外の何者でもない。
0004フェニックステイル第31話(承前)2020/12/01(火) 01:35:48.68ID:P3dXRXkh
 とはいえ比較対象として、現在この場に不在の整備班長ウェンディ・アーデル曹長の想像を遙かに上回る奔放さを思い出してしまうと、自機の機付長としてどちらが良い、と言えるものでもなくなってくるのだが。
 だが同時に、こうして間近で見るマリエルの横顔はまさしく人形のように整っていて、こんなに可愛い女の子は見たことがない、とすら思ってしまう。
 ――ハヤカワ准尉やシエルみたいな凛とした女性も素敵だけど、エイムズ軍曹みたいな美少女も、最高だなあ。
 エイムズ軍曹を隠し撮りした高解像度の大判写真を額縁に入れて飾りたい。というか無骨な整備兵用ノーマルスーツなんかじゃなくて、フリルのたくさん付いた可愛いドレスを着せてみたい。
 いや。そこまでやるならもう、その状態でさらに手足を縛ってベッドの白いシーツの上に転がし、涙目でキッとこちらを睨み返してくるところを――
「――クライネ伍長?」
「はいっ!?」
 妙な緊張を伴う沈黙の中、危うくおかしな方向へ跳びかけたアイネの思考を、マリエルの言葉が矯正した。
「最新の戦闘データ、見せてもらった。ずいぶん突っ込んだ戦い方が好きみたいね」
「は、はい」
「カーペンター伍長の機体をそのまま使って、ルスランのザクUF3にエゥーゴのジム改もどきとビームサーベルでやり合った。
 それで今度は乱戦の中、あの大ジオン仏道のゲルググ相手にも斬り込んでみせた。無茶をするのね――大した度胸だこと」
「……はい」
 マリエルの意図が読めず、アイネの返答は萎む。関節部を酷使する格闘戦という機体への負荷を省みない無茶な戦い方をした、として叱責されるのだろうか。不意にマリエルが金髪を揺らし、アイネの瞳をじっと見つめた。
「――それがあなたのやり方だというなら、こちらも全力で整備するまでのこと。クライネ伍長。だから今後、整備への変な遠慮で自分に枷を填めて、言い訳するのは許さない。全力で、やりなさい」
「は、はいっ!」
 結局アイネは徹頭徹尾はいとしか答えられないまま、マリエルはそこで会話を打ち切った。アイネはリニアシートへ飛び込み、次々と機能点検を掛けていく。全項目異常なし。マリエルはそれを無感情に見届けると、コクピットから跳び去った。
「な、なんだろ。よく分かんない……よく分かんないけど……可愛くて、怖いひとだなぁ……」
『アイネ、もう良いの? 良いんなら、さっさと行くよー』
「だ、大丈夫です。今行きます、ミケリヤ少尉!」
 慌ててコクピットハッチを閉めながら全天周モニターを完全に起動させると、すでにサブリナのジムUキャノンはBR−S85ビームライフルを手に昇降機へ向かうところだった。マリエル、シエルもエアロック外へ退避している。
「ま、いいか……。考えていたって仕方ない。私は私の、出来ることをやっていくんだ」
 艦外ではあの戦闘後からそのまま、ロブ・サントス伍長やシュン・カーペンター伍長らが警戒を継続している。早く休みたいであろう戦友たちと早く交代してやろうと、アイネも昇降機へと自機の歩を進めさせた。
 しかし、とアイネは再び別のことを思う。トラキアから最大の危機はすでに去ったとはいえ――
「ハヤカワ准尉とアーデル曹長、どこにいるんだろ。……トラキアMS隊トップの二人が揃って見当たらないなんて、いったい何をしてるんだろう……?」
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