DVD化も再放送もない作品だけど、1994年テレビ東京の2時間ドラマ「古都」。
当時20歳の中江有里が双子の1人2役。大勢の人に大事にされるお嬢様役の方はいつも良い着物。凛とした姿勢で屋敷の階段を上る後ろ姿からは、ちら見せの足首と黒く汚れている足袋の裏。
貧しい村娘役の方は、最後にお嬢様の屋敷で姉妹で一緒に寝ることになる。布団の横の火鉢には白い足袋が2本の火箸に片足ずつ掛けられている。翌朝は庭で小雪が舞う中「足袋まだ乾いてない」と言われながらも気にせず、そのまま履く。
足形に汚れた足袋の裏をカメラに向けて差し出し、おもむろにその中に足を入れていく。その何秒間、中江有里が履いていた足袋の裏、指跡がきれいに出たこげ茶色の汚れがテレビ画面に映り続ける。
という、若手清純派女優が汚した足袋の裏をカメラに正面から向けるという、珍しい、最後まで見た人にはいいことあるよというエンディング。