一律な禁止ならば、その撮影の意図を確認するという最も困難を極めるプロセスを省略することができる
加害的な意図をもっていない関係者にとっても、事情に鑑みて受け入れ可能なラインだろうと思われる
ルールの強制力に関しても、競技会場内では主催者の求めに応じてこの手のルール適用は法に適ったもので、タクシーでの乗車拒否や商店での販売拒否と同様に普遍的で理解しやすい
そしてトラブルが起きた際にも“一律禁止”という解釈に揺らぎの無い規則であれば運用もしやすい

“一律の禁止”というのは確かに今までより踏み込んだ強い対応ではあるものの、選手の私生活や競技環境の保全といったものを現状の問題点と対照したとき、致し方ない面があり、やりすぎ感は無いのかな、とも考える
陸連としても必要以上に強い対応は採りたくない、という意図も感じる
というのも、やろうと思えば持ち物検査等による撮影機器の持ち込み禁止や一時預かり、或いは会場入場時の身分照会や個人情報の取得等のより強い選択肢もあるわけで、その中でも客席や敷地周辺からの撮影禁止というのは最も軽いものだろうと考えられるからだ

何れにせよ、競技環境および練習環境や選手の生活環境の保全という事を考えたとき、撮影によって生まれる画像や動画が加害の温床になっているという構造は明らかであるのだから、被害を減らすために撮影を制限するという考え方も間違っていないと考える