そして何気ない瞳の一言。四月頃の話です。
「桜咲いたらお花見行こうね!」
「そうだな〜」
「真岡さんも彼女と行くんだろうね〜(笑)」
「……え……」
さらりと真岡さんの名前を出してケラケラ笑う瞳。それまで細心の注意を払っていた俺は一体……
その後も恐る恐る真岡さんの話題出しても、アッケラカンと答える瞳。かつてのお友達の一人に過ぎない、って感じでした。
「真岡さん彼女と上手く行ってるのかな〜、一年も待てるのかね〜」
「待てるだろ、そりゃ……」
「だといいんだけどね〜(笑)」
「?何笑ってんの?」
「だってあの人、性欲凄いしさ(笑)」
「…………………………」
あの瞳の発言ですよ?これが。ちょっと信じられないでしょ。
女は強いなと思いましたよ。私の心配は取り越し苦労だったんだなと。
それからです、左の道への葛藤で悩み始めたのは。