〜 選択形式で進めていくスレッドXXXVII 〜
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私はそれまで読んでいた本を閉じると、あらためて真琴の様子に目をやりました。 銀行で見たスーツ姿もなかなかどうしてきまっていたものですが、今は旅行中ということで真琴のOL姿はお預け。 クリーム色のセーター、黒のプリーツスカートに薄いカーキ色のカーディガンを羽織ったその姿は、真琴にも 少しずつ大人の女性らしさが現れ始めているのを実感させてくれます。 もっともこれを真琴に見立ててあげたとき、本人は 「ちょっとおばさん臭くないかなぁ」と渋っていましたが、それでも今では気に入っているようでなにより。 それでもかすかにウェーブのかかった狐の毛の色の長い神と、それをまとめた 二つの赤いリボンは私と初めて出会った頃のままで、何か真琴の深い思い入れが垣間見えます。 しかし、それにしても、です。 無防備です。あまりにも無防備すぎます。 特に頬にご飯粒をつけたまま少し涎をたらして「あぅ〜、もう食べられないよぅ〜……」と 寝言をつぶやいているのなんて破壊力高すぎです。反則です。一発退場ものです。 私の胸の奥に、これまで感じたことのなかったかすかな悪戯心が湧きあがるのが感じられました。 私は、 A 真琴の頬をつねってみました B 真琴に暗示をかけてみました C 真琴の胸を揉みしだきました D 真琴の額に油性マジックで文字を書きました(文字指定) E 真琴の髪形を変えてみました(髪型指定) 私はゆっくり席を立って、真琴の隣にすわりなおしました。 真琴は、そろえた膝を斜めに崩して、手を投げ出して、窓にもたれて眠っています。 「真琴……」 ささやいて、頬にかかる長い髪をそっと払って、真琴の寝顔に見入りました。 涼しげな額に、形の良い眉、透き通るような白い肌。頬は、ほんのり紅をさした ように、薄桃色に染まっています。うっすら開いた唇の間から、並びのいい白い歯が 覗いていて、甘やかな寝息が漏れています。 「真琴……」 もう一度ささやいて、真琴の手に手を重ねて、胸が合わさるほどに身を寄せました。 顔をうんと近づけて、息がかかるくらいに…… (ふふっ。ごはんつぶ……) ほっぺたのお弁当をそっと取って、口に含んで…… (ん……) 指先ごと舌でころがして、すりつぶしていきます。真琴の唇をみつめながら…… (やわらかそう……) 口からぬらぬらと濡れた指を出すと、そのまま、真琴の、 淡い色の口紅を引いた、つやつやした唇にはわせて、そっと形をなぞりました。 呼吸が次第に深くなって、レールの音が遠くなっていきます。 (ふふっ、こんな感じのキャンディ、あったよね……) 滑らせた指で真琴のあごを押さえて、 (ぷにぷにで、あまぁい……) 目を閉じて、真琴の唇をついばもうとして、 − ごとん! 客車が大きく揺れました。レールの隙間の広いところがあったのでしょうか。 はっと身を引いて、後ろを見遣ると、車掌さんは、あいかわらずぼんやりと窓の外を 眺めて、あくびをしています。 「んん……」 真琴はちいさく呻いただけでした。まだ眠り続けています。 (よかった……) 思わず、ほぅ、と息をつきました。人目もあるというのに、あやうく劣情の波に押し 流されるところでした。あぶない、あぶないw さぁ、気を取り直して…… A. 真琴を起こす B. 車掌さんと話す C. 美汐の話をする D. 本を見る E. ああ、でも、やっぱり…… いや明らかに選択無視じゃん。 胸もんだっていってんのにそんな描写欠片もないし これはリコールだな。つうか前のレス読む気さらさらねえだろ。 このいつもの週末オナニー作者。 んー、胸をもむ前に思いとどまった、ってことですが。なので、選択肢Eを残しました。 あと、私もひとつ抗議させてもらえば、秘湯、降雪、山中とあって真琴のこの薄着はなんでしょう。 もはやお呼びでないなら引っ込みます。では。 81 名前:名前を選択してください:2008/02/02(土) 20:31:54 ID:bTx27z0Q0 本スレのID:UOLIQNWm0、少しは落ち着け。 選択が反映されていないのが気に入らないのは分るがそこまで怒る事か? 例の陵辱厨による雪緒贔屓の為の選択無視なんかと違って、胸を揉む描写がないのが進行を妨害してる訳じゃないし、 前の話から四日も経ってるんだから……無闇に癇癪を起こさなくてもいいんじゃないか? うっせーよ!!いっとくが俺はあのときなんも選択無視なんざしてねえんだよ!そっちが勝手にファビョってフィガロ起しただけじゃねえかよ! まあいいさこんな糞スレもう死んでることだしな。ケケケ。また復活してもその度に潰してやるぜ。 ,,_ -' ̄  ̄``ヽ、 / 7 /77 / 八百屋 ヽ. /ニ ニ7 / ,/二`i l.| /_// / | ヒ二--'┴──----、.| | /_/ /77 / / ,彡ミ、 、__,=≡z|`ヾ、 y――ー┐ > 7 ./'Q)` `シ9``ヽ ) 丶  ̄  ̄/ / く / ー/ 丶 ミー´>,. ―-、> /_/ ,.-''" ̄~~"''':::::::::::::::-:イ_、._ .,,> へ::::::ヽ /// /:::::::::::::::::::::::::/ ̄~''''ー――‐''"~ _,.ヘ::lヾ_i_/l --―--x, /^!__::::::::::::::::::::/`ー'ヽ__,、__,、__,.-‐' ,,,'´ ^ ̄^ヽ⌒ .゙li、 |/ ,.┴、:::::::::::::l――---、――-、 ,- '"゛i ノノリ从ソ ! .i_ / / /ヽ:::::::::::::\ /⌒'" ̄` /`,,/,,| (il゚ ヮ゚ノl| ,-゜ ,,‐` │ >>722 乙 .| /つ::::::::::::::::::`ー'----ノ / ,‐゙,/. r'⌒と、j ヽ | ヽ__(___.......... -―<__,,i´ |、 ゙'''ノ ,.ィ' `ヽ. / .l゙ \ `ー---‐'"ノ |, `^/ i!./ ,l゙  ̄ ̄ ̄ ̄ `≒---(_,. 創価 // 丿 A ナイトライター(with 雀鬼's) B Planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜 C 誰彼 D MOON. E Routes F White Album G 雫 H CLANNAD I フルアニ J テネレッツァ K うたわれるもの L To Heart M 天使のいない12月 N Kanon O 鎖 P Filsnown Q まじかる☆アンティーク R AIR S ToHeart2 T Tears to Tiara U ONE V 痕 W こみっくパーティー まぁ待て、今から俺が何とか上手い事続けてみるから。 というかさ、書く人いるの? このスレ 読み手ばかりがくれくれ言って話求めたって何もかわらんよ 私はとにかく気を紛らわそうと、もう一度本を開いて内容に集中しようとしました。したのですが…… 一度火のついた私の煩悩は、私をあらぬ妄想に駆り立てます。 ほら、今にもわずかな客車の揺れで、目の前の二つのふくらみがプルルン!と美味しそうなほどに大きく揺れて…… 「〜〜〜〜〜〜〜っ!」 駄目です、さっきはちゃんと理性で踏みとどまったんです! 頑張れ私、負けるな私。 え―と、早く次のページへ!81ページ、81…… そういえば真琴のバストはたしか81センチ。 数字の上では私と1センチしか違わないはずなのに、ずっと艶やかで美しく、張りも格段に良く見えるから不思議です。 いっそのことその秘密をこの手で調べて…… ぶんぶんぶんぶん! 何を考えてるんですか私は! いえ、そうじゃないんです。きっとこの本が悪いんです! こうも都合よく連想させるようなページ数になるなんて絶対何かの悪意です!陰謀です! 私はページが乱れるのも構わずにすごい勢いで本をカバンの中に突っ込むと、何か気を逸らせるものを探します。 そう、とにかく景色とかそういうものを見て気を紛らわせるんです!たとえばあの遠くにある二つの大きな山とか……やま……ふたつの……おっぱい型の…… んがーーーーーーー! 大体暑すぎるんですこの客車っ! いくら冬だからってこんなにガンガン暖房かけることもないでしょうに! きっとさっきから私が暴走してるのも周りが熱すぎてヒートアップしてるからなんです! その証拠に私たち二人ともコート脱ぎっぱなしで真琴なんか首筋にうっすらと汗までかいちゃって、首筋がその、色っぽいというか首筋が首筋でおっぱい…… そのとき、そうやって危ない橋を渡りながらも何とか最後の一線を死守していた私に対し、真琴からトドメの一撃となる寝言が発せられました。 「んん……がまん、できない……よう……」 ぷちっ。 私の中で今、何かが音を立てて切れるのを感じました。 我慢。真琴の発したそれが何を指したものなのかは私にはわかりませんが、「我慢」「出来ない」という二つのフレーズが、私の頭の中心をぐわんぐわんと打ち鳴らします。 我慢……ふふふ、そうですか。私は我慢していたのですね。我慢は体に悪いんです。やめちゃいましょう、そうしましょう。 そう、きっとこれは運命なのです。どこかの誰かが55でCを選んでしまったその時から、私が真琴の胸を揉むのは避けられ得ぬ運命だったのです。そうなのです。ふふふふふふ…… 私は両手のひらを開くと、そのまままっすぐに真琴の二つのふくらみに手を伸ばして…… むにっ。 ああ、やわらかい…… これこそが私の求めていた感触。弾力。そして手にジャストフィットする大きさ。まさしく至高です。 ああ、さようなら私の理性。 そのままむにむにと胸を揉んで…… A 「……あ、あうっ!? 何してるのよ美汐っ!?」はっ! 真琴が目を覚ましてしまいました! B 「……お客さん、何をなさってるんですか?」通りかかった車掌さん(人物指定)に冷静なツッコミを頂きました。 C そうこうしているうちに、なんと肝心の降りる駅を通り過ぎてしまいました……私としたことがっ!? >>71 A アロウン B リアンノン C アルサル D モルガン E オガム F リムリス G エルミン H エポナ I スィール J ラスティ K オクタヴィア L タリエシン M ドルウク N ガイウス O クレオン P レクトール Q ミルディン R プィル S プリムラ T まだ前のが続いてるのに邪魔するなよ・・・・・これだからTtT厨は ttp://farem.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/bbs/sentaku/index.html 久しぶりに旧支援板見たらなんじゃこりゃ wikiはエロが引っかかったのが誰かが悪さしたのかトップ消されてるしな。 最早何をどう支援してくれているのやら…… >最早何をどう支援してくれているのやら…… 何この殿様気分 おまいはこのスレに何を求めてるんよ 愚痴るだけならみなきゃいいやん 死因は何だろうね 一回ちゃんと反省しないと先に進めないぽ >>73-74 たいそうおもしろうございました。続けてくださってありがとうございます。 ですが、あのぅ、真琴は21〜22才に育っちゃってるんですが。 胸も、ぺったんこの美汐とは1cmどころの差ではないのですw それで、まだ温泉がどんなところかすら書いてないんですが、 なんか、大人になった真琴のイメージがうまく共有できてないので、 (私の筆がつたないせいですが)これ以上リレー形式で続けても、 まとまりのあるお話にはできそうにないです。ごめんなさい。 ネタは暖めておいて、また機会があったらということで、お許しください。 どうもスレ汚しですみませんでした。 ああ、そうか。 中断期間とかのせいで、新しく入ってくる人に選択スレの価値観がちゃんと伝わってなくて VIPの安価スレみたいにスレ主シアターが基本って価値観になってるのか。 だからすぐ頓挫するのか…… テレホタイムに4,5人くらいの書き手と選択肢狙いの住人が先を奪い合ってたなんて過去の話ですよ >>83 まさかこんな思考してる奴がいるとはさすがに想像もせなんだわ だから自意識過剰じゃなくて、昔の住人の「これが当然」が黙ってては通用しない状態なんだよ。 学校の先生とか会社の上司でひとりくらいいるでしょ? 事前に言ってなかった事で突然「こうするのが当然だから間違ってる」と 理不尽に怒鳴り出して皆に嫌われてる人。 そこで逐一説明するのは匿名板のノリじゃないって時代は終わったんだよ。 時代が変われば人も変わるし文化も変わる。 割り込んでリニューアルの可能性を潰した>>73-74 は反省して欲しい。 >>86 想像出来ないからこそ、乖離して実際にいる住人と かつていて、今は住人というよりご意見番になってる人たちが 乖離して上手く回らなくなったんだと思うよ。 避難所で過去作品の内輪ネタで揉めてた時期あったけどさ、 多分あの辺で新しい事をやろうとしてた人が見限っちゃったんだろうね。 病の根は深いよ。俺もどちらかというとその病が嫌いな性質だから アドバイス以上の介入はしたくないけどね。 また頑張ったところを見殺しにして、後から文句言われるんだろうしさ。 みんな、とりあえず助け合いの精神は忘れないようにしようぜ。 お前らせっかくのこのエネルギーをもうちょっと良い方向に使えんのか…… >>86 どう見てもそこはストーリー潰そうとした>>69 が反省すべきところだろ…荒らしに反省求めても無意味だろうが 荒らしにめげずに続けようとした>>73-74 はほめられたっていいぐらいだ なんでこんな歪んだ人間しか残らなくなってしまったんだろう 何かあるごとに責任の擦り付け合いしかできん糞どもが溜まってるんだもん。 こうなるのは必定。 下手打った奴が叩かれるのは黎明期からあっただろ。 別に雪緒に限ったことじゃないんだから意固地になるなよ。 自分では書きもしないくせにぶー垂れるしか脳の無い乞食どもが集えば 結果は自ずから明らかだわな。自分の気に入らない展開になりゃ無理矢理に打ち切って それで後作を盛り上げるかと思えば徹底放置。そんなこと繰り返せばいやでも廃れる。 バックアップいじりゃ誰でも直せるwikiを誰も直さない時点で 見放されてるんだよこのスレは。多少なりとも熱意のあった奴らは 支援板の糞どもにスッカリ愛想をつかしただろうからな。 単純に荒らしになって貼り付いてる例の雪緒の人がしんどい 過去何度もまずいって言ってきたけど そのたびに大丈夫だ大丈夫だ抜かして、結果この有様ですから アンチとしてスレがなくなるまで張り付きますよ。 ツンデレならぬデレツンですね。 昨日の「ジャンプ!○○中」見てたら、やっぱリレー小説って面白いなぁって思ったんよ。 藤森の「着替え」と「包丁で脅し」を後二人が受けて、しかもグダグダになるあたりとか(w ジュニアの展開も面白かったけど、アレは主役不在だよなぁ、とか。 まあとりあえず、ちょっと続けてみるよ。 >>73-74 受けて>>75 選択で。 そうこうしているうちに、なんと肝心の降りる駅を通り過ぎてしまいました……私としたことがっ!? ……いえ、ここは冷静に考えましょう。そう、逆に考えるんです。 「真琴の胸を揉む時間が無期延長された」と考えるんです。 そういうわけで私は真琴の胸を揉み続けています。 周りの人が見ても変に思われないように。真琴が目を覚まさないように。 友達同士がじゃれ合ってる感じで。ソフトに、デリケートに揉み続けます。 もう何というか、至福の時間です。鼻血が出そうですが、止める暇があるなら揉み続けるべきだと私は考えます。 ……そんなパラダイスタイム(顔を微妙に赤らめた真琴が目を覚まさないあたり、かなりのパラダイスです)も、終わりを告げる時はやってきます。 そう、電車が終点に差し掛かりつつあるのです。 耳に届く車内放送。揉む手を止めず、私は聞き、考えました。 A.「終点到着後、当電車は車両基地に入りま〜す」……でしたら一旦電車から降りる必要がありますね B.「終点到着後、当電車は車両基地に入りま〜す」……ということは、上手くやればエンドレス揉みingタイム!? C.「終点到着後、当電車は折り返しま〜す」……だったら当初の目的地に行けそうですね D.「終点到着後、当電車は折り返しま〜す」……ならばいっそ、この駅で降りて真琴とアドベンチャーしてみますか 「終点到着後、当電車は折り返しま〜す」 車内放送によると、どうやらこの電車は終点まで着いたら折り返すそうです。 ……そうだ、私は温泉に向かう途中でした。 放送を聴いてやっとというか、ようやくというか、私は本来の目的を思い出しました。 良かった、どうやら想定される最悪の事態だけは回避できたみたいですね。 時間を確認してみれば、今から向かっても旅館のチェックインには問題はありません。 私は内心ホッと胸を撫で下ろしました。 いくら真琴が可愛らしく美しいからとはいえ、まさか理性を手放しかけるなんて……。 まだまだ私も修行が足りません。反省しなければなりませんね。 さあ深呼吸、すー、はー、すー、はー。 素数です。素数を数えましょう。2,3,5,7,11,13,17,19…… ……大分、落ち着きました。 先ほどまで淫らな行為に耽ってはいましたが、当初の予定を忘れたわけじゃありませんよ。 えっ? 完全に忘れていたじゃないかって? そんなこと言う人嫌いですよ。 重ねて言いますけど、今私達は温泉街隆山に向かっています。 二十代女性では珍しいでしょうが、私は温泉が大好きです。 北は登別から南は別府まで、各地のありとあらゆる湯を堪能してきています。 職場の同僚からはよく婆臭い趣味だと笑われもしますが、好きなのですからどうしようもありません。 さて、目的地に戻るまで、今回私達が泊まる鶴来屋旅館について軽く説明いたしましょう。 鶴来屋旅館と言えば、隆山でも随一の高級旅館ですが、この旅館は…… A グループの会長が代替わりしたばかりだそうです B 血生臭い事件が起こったそうで、客足が遠のいてるそうです。……だから安くなったんですがね C 実は私の友人が経営者の親戚だそうで、そのコネで安く泊めてもらえるそうです つい半年ほど前に隆山一帯で猟奇殺人事件があったことを覚えているでしょうか。 まだ犯人が捕まっていないということもあって、今隆山に旅行に向かう人は殆どいません。 それは温泉街にとっては深刻な被害と言っていいでしょう。 隆山にある旅館はこぞって宿泊値段を下げたり、サービスを向上したりと必死です。 それは老舗といわれる鶴来屋でも例外ではありませんでした。 何と異例の半額サービスです。 これはもう泊まるしかないでしょう。 今現在の私の給料では、鶴来屋旅館など夢のまた夢でしたから、活用しない手はありません。 同僚の中には、隆山に行くのは危険だと言っていた方もいらっしゃいました。 ですが考えてみてください。もう半年も経っているんです。 そんな事件に出会う確率などほぼありません。 空からおかしが降ってくる確率と似たようなものです。 ですから危険はほぼありません。旅館の人もホームページでまず危険はないと仰ってました。 大体いちいちそんなことに怯えていたら外など歩けませんよ。 真琴の持っているマンガに出ていた方も仰ってました。命はもっと粗末に扱うべきだと。 『次は、隆山。次は、隆山』 気付いたら、もう隆山の手前まで来ていました。 そろそろ降りる準備をしないといけませんね。 「真琴。もうすぐ着きますよ、起きてください」 「ん……?」 私が声を掛けると、まだ眠たげに瞼をこすりながら、真琴が顔を上げます。 その動作の愛らしさに私の理性が飛びそうになりますが我慢です。 私は真琴にとって頼れる姉というポジションでいたいのです。 真琴の前で不用意な行動は出来ません。無理なんてしてません。きっとしてません。 さて、そういうわけで私達は隆山へとやって来ました。 この辺りでは雪はもう止んでいるようですね。晴れ間すら見えます。 さて、まずこの隆山でやることといえばなんでしょうか。 A 鶴来屋にチェックイン B 雨月山など有名な観光地めぐり C おいしい料理屋に足を運ぶしか 「ね、ね、美汐。おなか空いちゃった、ご飯食べよっ!」 「そうですね……長旅でしたし、お昼にしましょうか」 ちなみに予定よりもいくらか時間が掛かったことは真琴には内緒です。 隆山で有名なものは温泉だけじゃありません。 雨月山などの観光地の他、何よりも料理も美味しいと評判なのです。 LF97をプレイした方なら説明するまでも無くご存知だとは思いますが、 山にも海にも面していて、いつでも新鮮な山菜や魚を味わえるのです。 そういうわけで、私達はまず腹ごしらえをすることに決めました。 もちろん鶴来屋の料理も美味しいのですが、それは今夜の楽しみに取っておきましょう。 私達は駅からそう遠くない料理店に足を運びました。 ガイドブックにも載っている、ちょっとしたお店です。 地元の人に親しまれている、隠れた名店だとか。 本に載っている時点でちっとも隠れていないようにも感じますが、 所詮はガイドブックの謳い文句ですし、あまり気にしないことにしましょう。 ですが、ここで大きな障害にぶつかりました。それは…… A 真琴が読んでいたマンガの影響で「このアライを作ったのは誰だぁっ!!」と厨房に怒鳴り込み…… B 店の前に行き倒れが一人……見捨てるのは人として不出来なのでしょうか? C 見知らぬ男性に声を掛けられました。……所謂ナンパというものでしょうか そう、それは発端は些細なことでした。 私と真琴は料理店に足を運び、料理に舌鼓を打っていました。 運ばれてくる料理は申し分なく、殆どの人間が満足できる程の料理でしょう。 事実私も真琴も、途中までは何の不満もなく料理を楽しんでいました。そう、途中までは。 とある料理に箸をつけた途端、真琴の目がくわっと開かれました。 その恐ろしい憤怒の形相に、長年の付き合いである私も思わず度肝を抜かれてしまいました。 そして、何を思ったのか、真琴はドスドスとけたたましい足音を立てて厨房の方に入って行ったのです。 「あ、いけません! 真琴!!」 私が声を掛けたときにはもう手遅れでした。 私は慌てて真琴を追いかけます。 「このアライを作ったのは誰だぁっ!!」 厨房には真琴の怒鳴り声が響きました。 ですが……想像してください。 海原先生ならいざ知らず、真琴が怒鳴ったところで怖いですか? 私は怖くありません。寧ろ可愛らしくて悶えてしまいます。 そういうわけで、急に怒鳴られた厨房の方々は皆ぽかんと口をあけたままです。 ……真琴、マンガの読みすぎですよ。 いくら料理に不満があるとはいえ、あのマンガのように直接言い過ぎるのは良くないことです。 とはいえ……今の状況は非常に不味いです。 このままでは最悪真琴は逆上した店の方に袋叩きにされる可能性すらあります。 というかあのマンガで山岡さんはそうなりそうになったことが何度もあります。 ……いけません、私もマンガの読みすぎですね。 とにかく、ここはフォローしなければ。何か上手いフォローを……。 A 「す、すいませんでした!」と言って逃げるように去る B 「真琴はとても感激しているんですよ!」と、うまく言い訳する C 「ネタは最高、シャリも最高。だがオヤジ、お前の腕が最低だ」……口が滑りました 「真琴はとても感激しているんです。 このお店の料理がとても素晴らしいものですから……どうもお騒がせしました」 咄嗟に口から出たのは、そんなでまかせでした。 見る人が見れば私の口は曲がってるのがはっきりと見て取れるでしょう。 私のような凡人なら問題なくここの料理には満足できました。 ですが真琴は違います。 ああ見えても真琴は非常に愛らしい狐です。嗅覚がまず人と違います。 そして美味しん○と鉄○のジャンとクッキング○パと焼きたて○ャパン以下省略を読んで 料理に対する知識と、味覚を極限にまで鍛えてます。 マンガを読んだだけで味覚まで鍛えられるのかという疑問を抱く方もいらっしゃるかと思いますが、 そこはそれ、真琴は人間じゃないですからなんでもありなんです。 おそらく展開から考えてアライからタバコの臭いを感じ取ったのでしょう。 真琴は正直な子ですから、思ったことはつい口に出しちゃうタイプなんです。 決して場の空気が読めない子じゃないんです。ほんのちょっと自分に正直なだけです。 だから真琴にはフォローが必要なんです。そう、私のような……。 ……あっと、話が脱線してしまいましたね。申し訳ありません。 とにかく、私のフォローでこの場は事なきを得ました。得たことにしました。 私は真琴の口を必死に押さえています。お店の方は乾いた笑みを浮かべてらっしゃいます。 焼け石に水という言葉が頭に浮かびましたが、それは意図的に無視することにしましょう。 とにかくこの場を収めれば何でもいいです。 真琴はまだ何か言いたそうですが、お願いですから自重してください。 これ以上ボロが出ないうちに、私達は早々に退散することにしましょう。 そう思って私が真琴を連れて厨房を出ようとした、その時…… A 「ちょっと待ちな、お客さん」と引きつった笑みでお店の方が。……やはり、怒ってらっしゃる? B 「待ってください。その方の仰る通りです」と真琴を支持する新たな乱入者が C 店の外から大きな悲鳴が。ま、まさか……起こる筈もない確率の事件が起こってしまった!? 「ちょっと待ちなよ、お客さん」 ぎくり。 上手く誤魔化せたと思っていたのですが、やはり世の中はそう甘くないみたいです。 ゆっくりと振り返ると、引きつった笑みを浮かべたお店の方が。 やはりというかなんというか、相当怒っていらっしゃるようで。 「厨房に乗り込んだ挙句に言いたい放題なんて、いい度胸してるじゃないか」 「い、いえ、ですから、そういうつもりでは……」 「じゃあ、どういうつもりだったんだい?」 もはや店の方は聞く耳を持たずといった感じです。 まあそうでしょう。いきなり仕事の邪魔されてかつ言いたい放題言われたら大抵の人は怒ります。 「あ、あの……では、私達はどうすれば?」 「……形のあるもので謝罪して誠意を示せ! もしくは、声が枯れるまで謝り続けろーーっ!!」 「…………」 こうなってはもう、相手の気が済むまで謝るしかないですね。 ……そこ、情けないなどとは言わないでください。 人間関係に要らぬ波風を立てぬための基礎技術ですよ、平謝りというのは。 結局、声が枯れるまで謝り続けることで何とか事なきを得ることが出来ました。 ただ昼食をとっただけだというのに、なんだかどっと疲れたような気がします。 ああ、早く温泉につかってこの疲れを落としたいものです。 とはいえ……チェックインには些か早すぎる時間帯ですね。 それまでは真琴と二人でのんびり観光でも楽しむことにしましょう。 さて、何処へ行きましょうか? A 観光といえば歴史資料館でしょう B アーケード街で買い物でも楽しみましょう C お寺で精神修養をするのが吉です というわけで、アーケード街へとやってきました。 隆山では一番賑わっている場所らしく、中々人の数の多い場所です。 「真琴、迷子にならないように気をつけてくださいね」 「分かってるわよ、子供じゃないのよ!」 真琴に注意を促したら怒られてしまいました。 ああ、でも怒った真琴も可愛い……。 さて、どこから見て回りましょうか。……そう思ったその時でした。 「…………!」 「どうしたの、美汐?」 前から向かってくる方に、私は只ならぬ気配を感じました。 私はこう見えても、物や人を見る目には自信があるつもりです。 初めて真琴と会った時にも、真琴が人ではないことを一目で見抜くことが出来ました。 その私の目が言っているのです。……そこの人は人間ではない、と。 「……いえ、ただあの店のお人形など素敵ではないかって」 「え? どれ、どれ?」 私は真琴の注意を横に逸らし、自分は前に向き直りました。 ……これでいい。向かってくる相手に敵意が存在するか否かは読めませんが、 人外は人外を惹きつけるともいいます。真琴を狙ってるのかもしれません。 来るなら来ればいいです……真琴だけは、私が命に換えても守ります! 人ごみの中、目が合ったその人は…… A ごく普通の大学生みたいな男性。あまり敵意は感じませんが…… B スーツに眼鏡の男性。……何か、悪寒を感じます C おかっぱ頭のセーラー服。考えてることは……読めません D アホ毛の目立つ女の子。ひょ、拍子抜けしました…… その姿はごく普通の女の子でした。 セーラー服姿で、おかっぱ頭。ややつり目の無表情。 ですけど、どこか常人と違う。 変わった人という意味ではなく、人間とは何かが違う……そんな気配。 真琴の時もそうでしたけれど、どうして他の人たちは彼女の正体に気付かないのか疑問に思います。 人か人でないか、種族的に自分達の仲間であるか否か、他の人はどうして見極められない? こんなにも……私たちと違うというのに。 「…………何か?」 私と目が合ったこの女の子は、少し怪訝な目で私を見ました。 なるほど、確かに急に睨まれてはそう反応するのも無理からぬこと。 その自然な反応に、私の早とちりであった可能性も頭をよぎりました。 ですが……私は彼女が恐ろしい。 彼女は人ではない、それは分かります。 ですが……考えてることが全く読めない。 敵意や殺意といった感情を抱いているのかや、好意や悪意といった感情すら見せない。 どう動いていいのか……分からない。 A 何でもありません、とその場を取り繕う B 敢えて直球を投げてみる C 真琴を連れて逃げるように去る なんでこの書き手はバトル前提なんだ? 明らかに無理矢理敵を作ろうと作ろうとしているようなんだが。 「……あなた、人間ではありませんね?」 「…………」 「こんな街中に人の姿を模して現れるなんて……目的は何ですか?」 「…………」 私の問いかけに、この女の子は眉をピクリとも動かしません。 ……読めない。本当に、読めない。 時間にして十秒ほど経ったころでしょうか。 「……ああ、病院の場所が聞きたかったのですね。それならその道のすぐ先です」 女の子はそれだけ言うと、くるりと向きを変えて去っていきました。 私はおろか真琴にも目もくれません。 …………あれ? これはどういうことでしょうか。 まさか私の早とちり……いやいや、見間違えるわけは無い。 おそらくは図星を突かれたので話をはぐらかしたというところでしょう。 だったら何であんな人外が、どうして正体を隠してこんな街中に……。 いやいや、そんなことはどうだっていい。 今あの子何て言いました? 事もあろうに私をまるで○○○○みたいに扱いませんでした? そっちの方が許せません。万死に値します。 「行きますよ、真琴」 「ど、どうしたの美汐、買い物は?」 「お土産の購入は帰りにするものですよ。それにもう一つ用事が出来ました」 私は真琴を引っ張りつつ、さっきの女の子の後を追いかけます。 ……絶対に、正体を暴いてやる。私を○○○○扱いしたことを後悔させてやりましょう。 私が女の子の後をつけてみると…… A 民家の中に入っていくのが見えました。彼女の家……なのでしょうか? B 偶然? 私の宿泊予定の旅館、鶴来屋に入っていきますが…… C 急に振り向かれてバレました。す、鋭い…… とある民家の中に入っていくのが見えました。 立派な門に大きな敷地、かなり裕福な家です。 表札を確認してみますと、柏木と書かれていました。 「ここが彼女の家なのか、それとも……」 「……ねえ、美汐。もういいでしょ、早く旅館に行きましょうよ」 「まあ待ちなさい、真琴。真琴は今まで追いかけていた人に何か感じなかった?」 「え? う〜ん……そりゃ、何かおかしいような気はしたわよ」 グッドです。 流石真琴、野生の勘は冴え渡っています。 「先ほどの少女、明らかに人間ではありませんでした。 なのにどうして人の姿を模し、家を持ち、人間社会の中に紛れているのでしょうか」 「な、何が言いたいのよ?」 「つまりはあの少女が……」 A 人に危害を加える可能性があるかもしれないということです B 真琴の仲間みたいなものである可能性があるかもしれないということです C この家を乗っ取った化生の者である、ということです 「この家を乗っ取った化生の者である、ということです」 「えっ……」 人でない者が人里にいる理由など、それ以外に思いつきません。 昔話などでもよく聞く話でしょう。 長年飼っていた飼い猫が妖猫となり家人を食い殺して取って代わったり、 山姥などが人に化けて、嫁として家に入り込んだり。 それらの存在は災いをもたらすことが殆どです。 真琴のような、愛を求めて私たちの前に姿を現す人外の者は非常に稀有な例でしょう。 「それって、つまり……この家の人たちが危ないってこと?」 「断定は出来ませんが、おそらく。 もしかしたら、もうあの者に食べられたり殺されたりしてるかもしれない。 妖怪の類が相手では、警察などの国家権力も全く役に立ちません」 「それなら早く助けないとこの家の人が死んじゃうかもしれないじゃない!!」 「……そう言うと思ってましたよ」 ああ、やはり真琴。あなたは最高です。 自分の身にも危険が及ぶかもしれないのに、 見ず知らずの者を助けようというその気高き精神、気品、美しさ……。 無論私だって真琴の意見には賛成です。 人の命がかかっているこの状況で、見て見ぬ振りは人として不出来でしょう。 それに放っておいたら犠牲者が増えないとも限りません。 私たちだけで退治は出来なくとも、せめてこれ以上の被害を阻止したい。 一番の早道は正体をどうにかして周囲に悟らせること。 難しいことですが、それさえ出来れば彼女は人里に居られなくなるでしょう。 その為には…… A 手っ取り早く尻尾を掴むのが吉。家の中に侵入する B 敵を知り己を知れば百戦危うからず。過去に似た事例がないか、この地方の伝承などを調べる C 付近の住民にこの家について聞き込む そもそもこの家が一体どのような家なのか、私は知りません。 物の怪の類に付きまとわれる理由や、近所での風評など、 正体を探る前に抑えておきたい情報はいくつかあります。 「真琴。逸る気持ちは分かりますが、私たちには情報がありません。 物の怪の正体を暴くというのは存外難しいことです。まずはこの家を知ることから始めましょう」 「う、うん……それぐらい、分かってるわよ」 というわけで、私たちは近所の住民に聞き込みをすることにしました。 もちろん怪しまれない程度にですので、大したことが聞けるわけではありません。 ですがこの家について軽く知るぐらいなら十分でしょう。 数十分後、私と真琴はお互い得た情報の交換を行いました。 まず第一に、この家はなんと今回私たちが泊まるあの鶴来屋のオーナーなのだそうです。 四人家族で長女、次女、三女、四女と住んでいる者は女性だけ。 両親は以前に不幸な事故で亡くしたのだとか。 代わりに面倒を見てくれていたという叔父も夏に事故で亡くなったそうです。 そして私が見た人外の者はこの家の三女、柏木楓。 ……これ以上は聞けませんでしたが、 近所のおばさん方の話しぶりから察するに、評判は悪くないようですね。 両親や叔父の事故についても、近所では同情的。 不幸があっても姉妹力を合わせて健気に生きる良い家族。 概ね近所ではそのように見られているようです。 なるほど、相当な社会的立場があり、加えて親戚を亡くしている。 他の姉妹さえどうにか出来れば比較的乗っ取りやすく、そしてメリットもある。 襲われる条件としては十分ですね。 では…… A 家の中を気取られぬように調べてみましょう B 少し家の前を張り込んでみましょう C 今日のところはもう鶴来屋に向かいましょう さて、私が柏木家前に張り込んでから、既に2時間が経過しています。 何故このようなことになったかというと、真琴の思い付きからでした。 私たちはあの女性……柏木楓、 もしくは柏木楓に化けている物の怪(ややこしいのでそれでも柏木楓と呼ぶことにします) の正体を暴くべく、聞き込みを行いました。 そして真琴には聞き込みの後には張り込みという固定観念があるようです。 ……ああ、真琴。刑事ドラマの見過ぎです。 でも意味が無いわけじゃないので、結局張り込みを行っている私も私でしょうか。 で、当の真琴は…… 「ヤス、コーヒーがないわよ」 「誰がヤスですか。普段コーヒーなどそんなに飲まないでしょう?」 「こういうのは雰囲気が大切なのよ」 成り切ってます。完璧に。 しかも私は部下役らしいです。ですがその名前だと犯人が私になってしまうじゃないですか。 ……すみません、話が逸れましたね。 とにかく、今の私たちは人の出入りを調べるために柏木家前で張り込んでます。 近所で妙な噂が立ってない以上、この家は表向きは何の変化もないということ。 つまり少なくとも柏木楓以外の家族は無事に日常生活を送っているわけです。 家族の顔ぐらい覚えておいて損はありません。また、どんな来客があったかも判断材料になります。 そう思いつつ張り込みを続けたところ…… A 柏木楓の妹と思しき子が帰宅したのを確認した B 柏木楓を超える人外の気配に、私は思わず後ろを振り向いた C ……家人に気付かれた。撤退です D 何も起こらずに夜になってしまいました。これはひどい空振り 少女が一人、柏木家の門をくぐる所を確認した。 明るい声で「ただいま」と言葉を発し、家の中へと消えていく。 おそらくは話に聞いた柏木楓の妹、柏木初音だろう。 「あの子も可愛そうよね、いつの間にかお姉ちゃんが別の何かと摩り替わってるなんて」 「ええ。でも……」 「どうしたの、美汐?」 「いえ、何でもありません」 けれど、今あの子……柏木初音にも、まるで柏木楓と同じような気配を感じたような。 遠目だから良く分からないのが悔しいです。 化生の者に接したからそんな雰囲気を醸し出すようになったのかも知れないし、 おそらくは私の思い過ごしだと思います。 何故なら、人に成り代わる化物というのはその殆どが単独で行動します。 理由は単純、近くで何人も入れ替わると違和感が増し、鋭い人間に悟られる恐れがあるからです。 柏木楓は今のところ、家族に手を出すつもりはないようですが、 これからどうなることやら……早急な対策を考えねばなりません。 日も落ちたので、私たちはひとまず旅館でチェックインを済ませました。 この鶴来屋の会長をしてらっしゃる柏木千鶴さんと会って、 それとなく注意を促したりしたかったのですが、流石に個人がそう簡単に会える人じゃないみたいです。 とにかく今は柏木楓の正体を暴くことに集中しましょう。 そもそも柏木楓とは何者なのか。 人間ではない。 私の見たところ、あれは…… A 鬼……ですね。確かそんな伝承がこの地域にあったことを覚えてます B 化け猫でしょう。どう見ても猫っぽいです C 死人、でしょうか。まるで生気が感じられませんし D 天狗じゃ、天狗の仕業じゃ! 「天狗じゃ、天狗の仕業じゃ!(AA略)」 「ど、どうしたの急に?」 私の涙ながらの力説に驚いたのか、真琴が面食らって聞き返してきました。 柏木楓の正体、それは天狗に間違いありません。 分からないから適当に詭弁で誤魔化してるわけじゃありませんよ。 私の第六感が働いたんです。セブンセンシズです。 「いいですか真琴、柏木楓の正体は天狗に他ならないんです」 「お、落ち着きなさいよ美汐。天狗なんて出ない……」 「何故そう言い切れるのです? あの子が天狗でない証拠があるのですか!?」 私の仮説に否定的な真琴に私はそう言い返しました。 重ねて言いますがこれは詭弁じゃありません。全ては天狗の仕業です。 私の熱意のこもった言葉に真琴も心打たれたのか、 「……あーもう分かったわよ。はいはい、天狗のせい天狗のせい」 と最後には私の仮説に納得してくれました。 「で、あの人が天狗なのは良いとして、これからどうするの? どうやって正体を暴くの? どうやってあの家の人たちを助けるの?」 「良い質問です。いいですか、それにはまず……」 A 本物の柏木楓を助け出せば万事解決です B 鶴来屋グループの会長にして柏木家の長、柏木千鶴に会う必要があります C 天狗は山に住むものです。雨月山に行けば何かが分かります 「本物の柏木楓さえ助け出すことが出来れば、全て解決するでしょう」 「……無事でいるの?」 「今はそう信じるしかありません」 昔話などでは、立場を乗っ取られた家人の多くは食べられたりしていることが多いです。 なるべく考えないようにはしていますが、私の勘ではおそらく楓さんは……。 いえ、ここで多くを語るのは止めておきましょう。 楓さんが私の想像通りの状態であっても、 骨の一本や二本でも見つけることが出来れば化けの皮をはがすことは出来ましょう。 どちらにせよ、怪しいのは柏木家内部です。 証拠などは自分の手の届く範囲で常に見張っておきたいのが黒幕の性というものでしょうから。 つまり柏木家内部を探索すれば自ずと相手の尻尾はつかめるということです。 ……今、私の論理が破綻していると思った方、少し表に出てください。そうでない方はこのままお聞きください。 敵の正体を掴むためにも、私は柏木家の中を調べたい。調べたいのですが……ご存知日本は法治国家です。 私達がこっそり他所の家に忍び込めば、めでたく住居不法侵入罪という前科が頂けるでしょう。 それが問題なのですが…… A そんなの関係ありません。こっそり入ればバレずに済むでしょう B 人の良さそうな柏木楓の妹さん……柏木初音を上手く騙せばどうにかなるでしょう C 真琴、あなたの出番です。狐の姿に戻ればいくらでも侵入し放題です 深い設定も無し、その場のノリと勢い重視でネタっぽくやってみるか。 一度ならず数度は死んでるスレだ、楽しめればラッキーくらいで。 とりあえずアンカー置いておくんで、レスよろしく。 >>151 主人公は?(葉ならこみパ以前、鍵ならAIR以前) >>153 設定は?(学園ラブコメとか能力バトルとか。書けんなら無視するでな) >>155 好きな漫画をいくつか並べて。知ってたらその流れを取るかも。 ホワルバのリメイクにあたって出演者(?)にスキャンダルとかないか素性調査 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
read.cgi ver 09.0h [pink] - 2025/10/27 Walang Kapalit ★ | uplift ★ 5ちゃんねる