リトバス妄想スレPart11
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リトバス妄想スレPart10
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いちもつ
さて、一発目として盛大に沙耶ネタでも書くかね 案の定誰もいねーじゃねーか
ムダにスレ立てやがって
責任とって使えよクソが 本スレ(笑)の無駄遣いぶりに比べたらどうでもいいと思うよ。
っつーか過疎スレなんてそこら中に有るのに何でここに執着するんだかw ( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \ マジキューのリトバスEXの新作で、かなはるを匂わせる4コマがあった >>20
匂わせるってか、まんまはるかなだったなwww ひな祭りだったか。忘れてた
毎回季節もの書いてるからあと5時間以内に書けたら投稿するよ >>25
…あれか?釣りか?ワクワクしてた俺を釣ったのか? >>26
すまなんだ、3月3日に間に合わなかった・・・・・・
期限過ぎてるしもうちょいかかるけど完成したらひな祭りネタを投下してもいいかな? 此処迄一件の書き込みも無し
結局必要ねーじゃねーか
どうすんだよコノスレ 朝、急に放送が入ったと思ったらあーちゃん先輩に呼び出された。
「えー、二木佳奈多さん、二木佳奈多さん、至急寮長室まできてください。あーちゃん先輩が待ってまーす」
どうしてあんな恥ずかしい放送ができるのだろう。
思わず頭を抱えてしまったものの、呼び出された以上行ったほうがいいだろう。
もう風紀委員会はやめてしまったものの、寮会の手伝いだけは続けていた。
特別やることもないし。クドリャフカの持ってきてくれる料理やお茶もおいしいし。
そういえばあの子もまだ家庭科部を続けているみたいだ。今度様子を見に行こうかしら。
ぴーんぽーんぱーんぽーん。
「はやくしてねー」
ブツン。
…そんなこと言わなくてもいきますよ。
はあ、と軽くため息をついてわたしは席を立った。
「…あーちゃん先輩?これはどういうことですか?」
少しでも落ち着いているように見えせようと、にこにこと笑顔を作りながら言った。それでも雰囲気は伝わってしまうらしい。
「まあまあ、そんなに怒らなくてもいいじゃない。少しくらい手伝ってよ」
まったく悪びれた様子もなく、あーちゃん先輩は言った。
いつもと変わらない寮長室。ただ、違うのは今日が文化祭だということだ。
その類のものなのだろう、机には大量のプリントやら資料やらが散乱していた。
そしてなによりも不自然なのはあーちゃん先輩の格好だ。
「どうして体がパンダになってるんですか?」
もちろん本物ではない。ただの着ぐるみだ。
白黒の、ぽっちゃりとしたそれを身につけたあーちゃん先輩は、ゆっくりとこちらに近づいてくる。
…なんというか、すこし不気味だ。
「寮会の仕事。文化祭の間は一般の人も入ってくるからね。寮の見回り」
「寮母さんがいるでしょう?」
「午前中は用事でいないらしいの。だから、その時だけお願いって言われちゃって。かなちゃんも手伝って?」
あはは、と笑うあーちゃん先輩。頭にもパンダの被り物をつけているので声が聞き取りにくい。
なにより薄ら笑いしているパンダがかなり怖い。
「で、なんでそんなもの着てるんですか?」
「だって、文化祭だよ?」
「理由になってません」
「えー、直接楽しめない分、こうやって気分だけでも味わおうとしてるんじゃない。わからないかなあこの気持ちが」
少なくとも着ぐるみを着ただけで楽しめるのはあーちゃん先輩だけだと思う。
というか、話が進まない。
「手伝うのはいいですけど。ほかになにかあるんですか?」
「おーそれそれ。実はこの着ぐるみもう一着あるんだよねー」
パンダの丸い手が差したほうを見ると、そこには同じようなうさぎの着ぐるみがたたんでおいてある。
「…まさか、これを着ろと?」
「うん」
「どうしてですか?」
着たくない、といっても無駄だろうから、とりあえず理由だけきいておくことにする。
「だって、文化祭だよ?もう午前中参加できないだけでもかなりの損失になると思わない?」
「それはそうですけど。でも、着ぐるみを着る理由にはなってません」
「いや、だから雰囲気だけでも味わっておきたいじゃない?」
この着ぐるみが文化祭らしいだろうか…
「まあ、とりあえず着てみようよ、ね?」
結局着ることに。
十月だから熱くないけど、これが夏だったら大変でしょうね。どちらにしても、わたしは長袖なのだけど。
「いやー、いいね、似合ってる似合ってる」
着ぐるみに似合ってるも何もないだろう。中は見えないんだから。
ここには鏡がないから、今自分がどういう姿をしているのかさっぱりわからない。
ただ、あーちゃん先輩がかわいい、かわいいと繰り返すだけ。
…なんというか、やっぱりやめたくなってきた。
「あーちゃん先輩」
「あ、しゃべっちゃダメだよ?」
「…はあ?」
「いや、だって普通うさぎは話さないでしょ?だからその着ぐるみを着ている以上、なにも話してはいけません」
「そんなこと言ったって」
「だからしゃべっちゃだめだって」
口を押さえられる。
いや、あくまでうさぎのだから、わたしの声は聞こえるんだけど。
「どうせ見回りだけだし、緊急時以外は特に指示することもないしね。基本二手にわかれてやるから話す機会もないだろうし」
そう言って、自分もパンダの被り物をつけて、なにか妙な動きを始める。 「…なんですか、それは?」
「ジェスチャー。話せないから、こうして意思を伝えること。わかった?」
どうやら疲れる仕事になりそうね…
そんな風に思いながら、わたしは寮のほうへ向かった。
手洗い場の鏡の前に立つ。
わたしはなにをしているのだろう。
鏡を見ると、うさぎの着ぐるみがこちらを見ている。つまり、わたしがうさぎになってる。
いまさらだけど、虚しくなるわね…
外からはずいぶんと賑やかな声が聞こえてくる。きっと、一般客の入場が始まったのだろう。
その中を歩いているならともかく、一人でこんな格好してるなんて…いや、ばれないだけましかもしれない。
葉留佳やクドリャフカたちに知られたら恥ずかしすぎる。
どちらにしても、特に予定もなかったし。風紀委員会を辞めてなければ、そっちの仕事がはいっていただろうけど。
せっかく予定がないんだから、葉留佳とでもまわる約束をすればよかったかな。仲直りしたんだし。
それとも、直枝たちといっしょにまわるのだろうか?
いや、そういえば教室にいなかったような気がする。確かに起こしたはずなんだけど…部屋に行ってみようかしら。
もう一度自分の格好を見る。
…これじゃ、行きたくても行けないわね。
というわけで、再び見回りを再開する。
そういえば、さっきからあーちゃん先輩を見ないわね。あまり広くないのだから、階段あたりですれ違ってもいいのだけれど。
耳をすましても、足音すら聞こえない。ああ、着ぐるみきてるからどちらにしてもあまり音は出ないか。
ちょっと探してみようかしら…と思っていると、なぜかどこかの部屋からあーちゃん先輩が。
「あーちゃんせんぱ…」 あ、話してはダメだった。なんとかジェスチャーで伝えるしかない。
とりあえず、頭の上で大きく手を振ってみると、あーちゃん先輩も手を振り返してきた。
走って近づく。…うさぎが2足歩行で走るのもおかしいが。
あーちゃん先輩が出てきたのはどうやら葉留佳たちの部屋のようだった。
中に誰かいるんですか?
ドアのほうをうさぎの丸い手でさす。ああ、なんで律儀に言われたことを守ってるんだろ。
あーちゃん先輩のほうも、わたしのジェスチャーの意味が伝わったのか、こくん、と頷いた。
本当にしゃべらないつもりらしい。
まあそれはともかく、やっぱり葉留佳は部屋にいるみたいだ。
どうしたんだろう。やっぱり確認しておこうかしら。
そう思ってドアノブに手を伸ばすと、あーちゃん先輩にそれを遮られた。
どうしたんですか?
そう思ってあーちゃん先輩のほうを見ると、パンダの顔が今度は横に振られる。
どうやらはいってはいけないらしい。
おとなしく手を引く。そのかわりにドアをノックすると、向こうからもコンコン、と叩く音が聞こえた。
問題はないらしい。なにをしているか気にはなるけど、あーちゃん先輩が中を確認したのだから悪いことはしていないだろう。
具合が悪いわけでもなさそうだし。
そう思っていると、トントン、とあーちゃん先輩に肩を叩かれた。
なんですか? 見ると、外にのほうを手でさしている。何かあるのだろうか?窓から見てみるが、特別変わったものがあるわけではない。
まあ、いつもと違って出店とかがあるのだけれど。…あ、外に出ようってことかもしれない。
見回りはもういいんですか?
これもジェスチャー。さっきからよく会話がつながっているものだ。いや、どこかで勘違いしているのかもしれないけど。
あーちゃん先輩はそれに頷くと、わたしの手をとって歩き出す。
ああ、やっぱり外に出るらしい。しかもこの格好のまま。
もう抵抗するのも面倒になったわたしは、そのままあーちゃん先輩に引っ張られていく。
引っ張られながらも、葉留佳のことを考えていた。
やっぱり直枝たちとまわるのかな?少しでも時間が空いていたら、わたしとまわってくれるだろうか?
そもそも、本当に部屋においてきて大丈夫だったのだろうか…?
…ああ、少し考えすぎかもしれない。葉留佳と仲直りしたばかりだからかな。
今でも、わからないことがある。
いや、そのわからないこと自体に靄がかかっているのだろうか。でも、そのわからないことがあったからこそ、葉留佳と仲直りできたのだ。 唯一覚えていることと言えば。
わたしと葉留佳が、お互いに仲直りすることを願ったということ。
「ありがとうございましたー」
ふいに聞こえてきた男子の声に、はっとなって見ると、あーちゃん先輩がくじ引きをしていた。
なにをしてるんだか。学生が用意したものなんて、大したものはないでしょうに。
実際、あーちゃん先輩がもらったのはなんだかよくわからないキーホルダーで、どう見ても手作りのものだった。
まあ、それがくだらないものだとはいえないんだけど。あーちゃん先輩はそれを受取ってこちらを向く。
パンダがカエルになっていた。
いや、ただカエルのお面をかぶってるだけなんだけど。なんというか、さらに不気味になった。
よく見ると、あーちゃん先輩の手にはほかにもいろいろと握られている。わたしが考え事をしている間に大量に買いこんだらしい。
でも、なぜかあーちゃん先輩の手にはお面やくじ引きでもらったキーホルダーなどがあるだけで、食べ物はいっさいない。
あーちゃん先輩にしては珍しいわね。焼きそばとか、食べられないほど買いそうなのに。
あ、着ぐるみを着ているからだろうか。食べる時ぐらい脱げばいいのに。
まあどちらにしても、お昼の分はなにか買っておいたほうがよさそうだ。そう思って、近くにあった焼きそばを買うことにする。
うさぎの被り物をとって、焼きそばをひとつ注文する。せっかくだし、ほかのもどうせ買うのだから、とりあえずはこれひとつでいいだろう。
そうして、焼きそばをつめてもらっているのだが…なにか、視線を感じるわね。なぜかしら?
それを少し気にしていると、向こうのほうからクドリャフカが走ってくるのが見えた。 「佳奈多さーん!」
あんなに走って転ばないかしら?
でも、その心配は無用だったらしい。クドリャフカはわたしの前にくると、にっこりと笑いながら言った。
「こんにちはです」
「こんにちはクドリャフカ。でも、あまり走ると危ないわよ?今日はこの人ごみだし」
「あ、すみません。佳奈多さんが見えたのでつい。それにしてもすごい人ですね、話には聞いてましたがびっくりしました」
「クドリャフカはこういうお祭りごとは初めてなの?」
「はい。だから今日はとても楽しみにしていたのですが…」
「面白くないの?」
「あ、いえ楽しいですよ。ただ、文化祭といっていたので、もっと日本らしいのかと」
「着物とか?」
「そうですね、日本のお祭りは着物や浴衣を着ていくとおじい様から聞いていましたから」
「確かに夏祭りや初詣とか、そういった時には着ていくかもしれないけど、こういう学園でのお祭りに着てくる人はいないと思うわよ」
「わふー、せっかくもらった着物を着れると思ったのですが…」
「あら、別にそういった場所だけで着るものではないでしょう?」
「でも、着付け方もよくわからなくて」
「わたしが教えてあげるから、今度着てみましょう。クドリャフカの着物姿も見てみたいわ」
「わふー!いいんですか!」
「はいはい、嬉しいのはわかったから、あまり騒がないの」
まあ、そういっても回りもずいぶん騒がしいから、誰も気にはしていないようだけど。
どうぞ、という声に振り向くと、どうやら焼きそばが詰め終わったらしい。代金を払い、うけとる。 「わふー、焼きそばですか?」
「ええ、そろそろお昼だしね。せっかく学園祭だから、学食じゃつまらないでしょう?どちらにしても、そんなことあーちゃん先輩が許さないだろうから」
「寮長さんと回ってるんですか?」
きょとん、というか、少し驚いたような表情でクドリャフカは言った。
「なに?そんなにおかしいかしら?」
「あ、いえ、ただ…」
クドリャフカがあーちゃん先輩のほうを見ると、先輩は手を振ってこたえた。
それを見たクドリャフカもにっこりと笑い、佳奈多さん、と声をかけてきた。
「なに、クドリャフカ」
「楽しいですか?」
楽しいですか、か。
どうなんだろう。わたしは楽しんでいるのだろうか。
そう言えば、わたしもあまりこういうものにはいったことがなかったっけ。せいぜい今日みたいに学校の行事ぐらいだろう。
「…そうね。こういう雰囲気は苦手だけど、嫌いではないわよ」
「そーですか。ならよかったです」
「ところでクドリャフカ。あなたは誰と回ってたのかしら」
「え…ああー!みなさんがいません!完全に迷子です!」
「…なにやってるの。みんな探してるわよきっと」
「す、すみません、ちょっと探してきます!」 止める間もなく、クドリャフカは人ごみの中に紛れていった。
携帯で呼べばいいと思うのだけど。そう思ったが、もう遅い。
まったく、そういうところがあるから、なかなか放ってはおけないんだけど。
と思ったら、今度は向こうから直枝が走ってきた。
「二木さん、クドを見なかった?」
「あっちに行ったわよ?」
「ありがとう」
そのまま通り過ぎようとする直枝の肩を掴んで止める。
「え、なに?」
「あなたたちは本当に…」
こんなことを言うのは失礼かもしれないけど、どこか抜けているというか。
寮会の仕事を手伝ってくれるときはちゃんとこなせるのに、どうしてこういうところで頭が回らないのだろうか。
「携帯で連絡すればいいでしょう?」
「ああ、そうか」
本当に思いつかなかったらしい。なるほど、という顔をして、メールを出した。
「うん、これで大丈夫かな。クドは小さいから、人ごみに流されないといいけど…」
「まあ、そういうときはストレルカ達が助けてくれるわよ」 「そうだね…ところで二木さん」
「なに?そんなにあらたまって」
そうきくと、直枝は答えにくそうにこちらをチラチラ見ながら言った。
「えっと…に、似合ってるね」
「はあ?」
「はあって…そのウサギの着ぐるみ、自分で着てたんじゃないの?」
直枝の指が、わたしを指す。
自分の姿を見ると、なるほど、確かにウサギだ。
…って、そうだった、わたし着ぐるみを着たままじゃない!
さっきから視線を受けていたと思ったらこれか。耳を澄ませばひそひそと話し声も聞こえてくる。
あああ、なんで忘れてたのかしら。
慌ててウサギの顔を被る。
「いや、何やってるの二木さん」
違う、わたしは二木佳奈多ではありません。ウサギです。
そういう意味を込めて首を横に振る。
「いやいやいや、そんな首振られても…ほ、ほら、似合ってたんだから別にいいじゃない。二木さん、可愛かったよ?」
「な!?い、行きますよあーちゃん先輩!」
「あ、ちょっと二木さん!」
直枝の声を背中に受けながら、わたしはあーちゃん先輩の手を引いてその場を走り去った。 はあ…なんでこんなに走ってるんだろう。
結局寮長室まで戻ってきてしまった。秋といっても、こんなに走ったら暑くなってしまった。
もう見回りも終わったし、これは脱いでいいわよね。そう思って着ぐるみを脱ぎ、たたんで元の場所に戻しておく。
何をやっているんだか。もうこんなものは着ない。そう思った。
きっと顔が熱くなってるのは暑いからだけではない。鏡があれば、真っ赤に染まっていることだろう。
もう一度ため息をついて、ひとつしか買えなかった焼きそばのふたを開ける。
これを食べて、すこし落ち着こう。
「これしかないですけど、あーちゃん先輩も食べましょう?」
ふるふる。首が横に振られる。
「確かに物足りないかもしれませんけど、これ食べてもう一度買いに行けばいいじゃないですか。温かいうちに食べちゃいましょう?」
ふるふる。やっぱり首は横に振られる。どうしても食べないつもりらしい。
「…なら、わたしひとりで食べちゃいますよ?」
こくん。今度は縦に振られた。
まったく、いつまで話さないつもりかしら。
焼きそばを口に運びながらあーちゃん先輩のほうを見ていると、なにかそわそわした様子で、こちらを見ている。
…ほんと、さっきから何を考えているのかしら。
聞こえないふりをしてはいるが、さっきからおなかの音がずっと鳴っている。
あーちゃん先輩は焼きそば嫌いだっけ?いや、それはないか。
おそらく10回目であろうその音で、さすがに我慢できなくなった。
「あーちゃん先輩、見回りは終わったんですからもう脱ぎますよ」
半分食べ終わった焼きそばを置いて、あーちゃん先輩のほうへ行くと、また首を横に振って後ずさる。
どうしても脱がない気らしい。
端のほうに追い詰めて、問答無用でパンダの頭に手をかける。 「はいはい、もういい加減にしてください。取りますよ」
抵抗してくる手を払いのけ、パンダの被り物をとった。それと同時にぴょん、と何かが飛び出してくる。
ふたつのおさげ。
そして、ふたつの髪飾り。
間違えようもない、わたしの妹だった。
「やはは、実ははるちんなのだー!」
「…え、葉留佳?いつの間に入れ替わったの?」
「いやー、寮の部屋でちょっと野暮用を片付けてたら寮長さんに見つかってしまいましてネ。なんか面白いもの着てたから借りてみたわけですヨ。
そしたら罰として寮の見回りよろしくーとかなんとか言われて押し付けられて、せっかくの文化祭なのにこんなところで見回りなんてしてられるかー!と思ってたら
お姉ちゃんも見回りをしていたようなのでこうしていっしょに遊びに出てみたわけですよ。二人でサボれば怖くないしね」
やはは、とすこし困ったように笑う葉留佳。
あーちゃん先輩は、まあ、確かに面倒くさがりだけど、仕事を途中でやめたりはしない。きっと葉留佳が貸してくれるように頼んだのだろう。
それはなぜ?わたしと、回りたかったからなの?その答えにいきついて、ため息が出る。
本当に、葉留佳は不器用なんだから。
「馬鹿ね、ちゃんと言えばいっしょに回ってあげるわよ」
「…え?」
「ほら、行きましょう?」
手を取る。
その行為に葉留佳は驚いたようだけど、すぐに笑ってくれた。
子供の頃とは違うんだ。
こうして、葉留佳の手を引いて歩ける。二人で出かけることも。笑いあうことも。もう迷うこともない。
「来週、誕生日だね」
「そうね。いっしょに買い物にでも行く?」
「うん、行きたいな。二人でプレゼント交換でもしよっか。あ、夜はみんなでお祝いしてくれるから、お姉ちゃんもいこう?」
「…それは、わたしもでていいのかしら?」
「うん、みんなきっとお祝いしてくれるよ?」
楽しそうにいう葉留佳の笑顔を見ながら、わたしも小さく笑う。
少しだけ、恥ずかしい思いもあるけど、葉留佳がそういうなら行ってもいいかもしれない。
妹の頼みだ。断るはずがないじゃない。
だってわたしは、葉留佳のお姉ちゃんなのだから。
二人で誕生日の計画を話しながら、文化祭のにぎわいの中に戻った。
以上です。
支援どもでした。 いきなり伸びていたと思ったら長編投下があったか
乙! >>52
乙、と言いたいんだけど一つだけ聞きたいことがある。
これどっかで読んだことがあるような気がするんだがコピペか? ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています