夢と現実、欲望と理性、そして、癒やされぬ痕…。

 別居中だった親父が突然の事故で死んで早一ケ月。
 せめて四十九日の間くらいはと、長い大学の夏休みの終わり、俺はかねてから予定していた
旅行を取りやめ、田舎にある親父の実家へと訪れた。
 幼い頃に両親を亡くし、俺の親父に扶養されていた従姉妹の姉妹達も、悲しみに明け暮れて
いた日々に決別し、徐々に明るい笑顔を取り戻しつつあった。
 心に深い痕(きずあと)を残したまま、俺を優しく迎え入れてくれる彼女たち。だが事件は、
そんな彼女たちの心を、冷たく非情に引き裂いていった…。


「耕ちゃんは? あとはバニラとチョコナッツがあるよ?」
「んじゃあ、おれ、グレープシャーベットにしよーっと!」
「チョコクッキーもおいしいよ」
「バナナプリン、おいしい!」


【前スレ】
「痕」総合 第二十夜
ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1285519666/
過去スレ、関連スレ、各バージョンの違いは>2-15あたり