別居中だった親父が突然の事故で死んで早一ケ月。
せめて四十九日の間くらいはと、長い大学の夏休みの終わり、俺はかねてから予定していた
旅行を取りやめ、田舎にある親父の実家へと訪れた。
幼い頃に両親を亡くし、俺の親父に扶養されていた従姉妹の姉妹達も、悲しみに明け暮れて
いた日々に決別し、徐々に明るい笑顔を取り戻しつつあった。
心に深い痕(きずあと)を残したまま、俺を優しく迎え入れてくれる彼女たち。だが事件は、
そんな彼女たちの心を、冷たく非情に引き裂いていった…。
「耕ちゃんは? あとはバニラとチョコナッツがあるよ?」
「んじゃあ、おれ、グレープシャーベットにしよーっと!」
「チョコクッキーもおいしいよ」
「バナナプリン、おいしい!」
【前スレ】
「痕」総合 第二十夜
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