>>885 >>887 に参考になるいいお話がある
ーーーある日、村の農夫が大あわてで彼のところにやってきた。
賢者さんよ、大変だ、助けてくれ。
うちの雄牛が死んじまって、畑を耕す手助けがなくなっちまった。
こんな最悪な事がほかにあるかい?」
賢者は答えた。
「そうかもしれない、そうじゃないかもしれない」
こんな最悪なことなのに、なんで賢者はわかってくれないんだろう。
その翌日、農夫の畑のそばに1頭の若くてたくましい野生の馬が現れた。
農夫はその馬を捕まえてお牛のかわりにしようと思いついた。
馬を捕まえた農夫は有頂天になった。
「賢者さんよ、あんたは正しかった。雄牛が死んだのは最悪のことじゃなかった。
あれは天の恵みが姿を変えただけだったんだ。
雄牛が死んだからこそ新しい馬が手に入ったんだからな」
賢者は、また言った。
「そうかもしれない、そうじゃないかもしれない」
またかよ、と農夫は思った。
だが数日後、農夫の息子がその馬に乗っていて振り落とされた。
息子は足を骨折して畑仕事が手伝えなくなった。
農夫はまた賢者のところに行った。
「あの馬を捕まえたのは最高のことじゃないって、なぜわかってたんだい?
あんたの言ったとおりだったよ。
わしの息子はケガをして畑仕事を手伝えなくなっちまった。
今度こそ最悪な事が起きたんだよ。
あんたもそうだと認めないわけにはいかんだろう」
賢者は彼を穏やかな顔で見つめ、同情のこもった口調で答えた。
「そうかもしれない、そうじゃないかもしれない。」
賢者の対応に腹を立てた農夫は、地団駄を踏んで村に引き返した。
翌日、ふいに火ぶたが切られた戦争のために健康な男を一人残らず徴兵しようと、軍隊が村にやってきた。
農夫の息子だけが徴兵を免れた。
他の若者はみんな戦死する運命なのに彼だけは命が助かった・・・
人はつい大げさに騒ぎ立てられることに感情的になり意識が集中してしまい
頭の中で悪い事ばかり起きるシナリオを書きあげて一人で結論を出して格闘します。
「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない」
心にとめておきたい言葉です。−−−−