0333名無しさんだよもん2019/06/20(木) 16:24:48.33ID:F2BQbuTY0 職場に着いて、自分の席に鞄を置いて…。 そして、昨日交わした言葉の通り、笑顔の久弥が後ろを振り向く。 「おはよう、麻枝さん。」 それが、日常。 ずっと繰り返されてきた、舞台の始まり。 だけど…。 次の日の朝。 俺の席の前には、誰の姿もなかった。 そこに、ぽっかりと隙間があった。 日常に割りこんだ、小さな空間。 それは、ほんの些細な違和感。 時間と共に修復される、微かな傷…。 明日からは、また元通りになる。 そんな傷、最初からなかったかのように、何気ない日常が、また戻ってくる。 その時の俺は、そう信じて疑わなかった。