友近「春希は父親という存在感を失い、母親の存在感を唾棄し、
   自分自身が自分の理想の父性の化身になると無自覚に希求し
   驚異的な意地を張って努力を惜しまず、皆の為の万能の委員長になったり、
   可愛い女の子に自分の全部を投入して必死にバンドやったりしていたが
   生まれ持った本性は所詮は秀才止まり。
   冬馬かずさの春希を見る目線には、永遠の愛情の中に、
   天才の領域に届かない春希への冷徹な諦めの感情も混じっている。
   かずさが自分と同じ天才の「母さん」と凡人の「春希」を区別する理由だ。
   言い換えればかずさは異種族、宇宙人、妖精の領域にあり、
   春希は妖精に愛された人間に過ぎない。
   俺が言いたいのはつまり、雪菜を本当の意味で幸せにできるのは俺だ、春希じゃない。
   今日はこれだけ覚えて帰ってくれ、学園諸君」