等身大ぬいぐるみ ラブドール 6
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n−1
A (θ0,0, φ0,0)
A (θ1,0, φ1,0)
A (θ0,2, φ0,2)
A (θ1,2, φ1,2)
A (θ2,2, φ2,2)
A (θ0,1, φ0,1)
A (θ1,1, φ1,1)
A (θ2,1, φ2,1)
στj (5.23) とする. τj ∈ {0, 1} は, n−1 τj = m を満たす
Xn,m |0⟩⊗n は粒子数 m の量子状態
Xn,m =
j=0
となる An,L (θ, φ) Xn,m |0⟩⊗n は, 粒子数 m の
パラメータ付きの量子状態を表現できる.
さて, n サイト格子シュウィンガーモデルの
初期状態 |ψ (0)⟩ が, Q |ψ (0)⟩ = q |ψ (0)⟩ を満たすとすると,
初期状態は固有値 q の固有空間の元,
つまり |ψ (0)⟩ ∈ Hn, n2 −q 格子シュウィンガーモデルは電荷 Q を保存するので,
時刻 t > 0 の状態 |ψ(t)⟩ もまた固有値 q の固有ベクトルで,
|ψ (t)⟩ ∈ Hn, n2 −q を満た す. よって, |ψ(t)⟩ を, ある θˆ と φˆ を
用いて An,L(θˆ, φˆ)Xn, n2 −q |0⟩⊗n に近似 An,L(θ, φ)Xn, n2 −q を RQD に用いるアンザッツとすれば良い.
5.4.3 オプティマイザー: 逐次最小化アルゴリズム FISC のコスト関数の
最小化には逐次最小化アルゴリズムを用いた. 逐次最小化アルゴリズム は,
収束が早く, 統計誤差に対して剛健な最適化アルゴリズムである
また, 定理 4.1 で示したように, 逐 次最小化アルゴリズムは
雑音に対して剛健 j=0
A (θ2,0, φ2,0)
NISQ デバイスの制約を超えた長時間発展シミュレーション
本論文で用いた逐次最小化アルゴリズムの詳細について述べる.
初期状態 |ψ (0)⟩ が電荷 q の固有状態で ある, n サイトの
格子シュウィンガーモデルの時間発展を RQD によって
シミュレーションすること 時刻 sK∆T の状態 |ψ(sK∆T )⟩ は, 既に用意できているとする.
このとき, RQD によって, 時刻 (s + 1)K∆T の状態 |ψ((s + 1)K∆T )⟩ を
作り出すには,
An,L (θs+1, φs+1) Xn, n2 −q |0⟩⊗n = (Utrot (∆T ))K |ψ((sK∆T ))⟩
(5.24) を満たす (θs+1, φs+1) を求める必要がある 以下 θs+1, φs+1 をそれぞれ θ, φ と書きかえる
と, これは, FISC のコスト関数
2
第 t イテレーションにおけるパラメータの値を
(θ(t) = (θ(t))l,i, φ(t) = (φ(t))l,i) とする.
このとき, コスト l,i l,i
関数のパラメータ (θ, φ) のある 1 つのパラメータ
γl,i (γ ∈ {θ, φ}) に注目する γl,i 以外のパラ メータの値を γ(t) に
固定したコスト関数を
C (θ,φ) = Tr X† n An,L (θ,φ)† |ψ(sK∆T)⟩⟨ψ(sK∆T)|An,L (θ,φ)Xn,n −qO (5.25)
n, 2 −q
を最小化することで実現 O は Oglobal または Olocal とした.
C(t) (γl,i):= γ,l,i
(forall(l′,i′))
(forall(l′,i′)) (γ ) は, 5 つの実数 a(t), a(t), . . . , a(t) を用いて,
(5.26)
とする. このとき, C(t)
γ,l,i l,i
1 2
5
C(θ,φ)|θ′
l ,i
′=θ(t) l′,i′
(for(l′,i′)̸=(l,i)), φ′
l ,i
′=φ(t) l′,i′
(γ=θ) (γ=φ)
C(θ,φ)|φ′
l ,i
′=φ(t) l′,i′
(for(l′,i′)̸=(l,i)), θ′
l ,i
′=θ(t) l′,i′
C(t) (γ ) = a(t) sin2γ γ,l,i l,i 1
+ a(t) cos2γ l,i 2
+ a(t) sinγ + a(t) cosγ l,i 3 l,i 4
+ a(t) l,i 5
(5.27) と表せる 5 つの実数 a(t),a(t),...,a(t) は, C(t) (γ ) の
独立な 5 点 γ ,γ ,...,γ の値 C(t) (γ ),
C(t) γ ,l,i
(γ2) , . . . ,C(t) γ ,l,i
1 2 5 γ,l,i l,i 1 2 5 (γ5) を推定することで
求めることができる 実際, 連立方程式
γ,l,i 1
(5.28)
を解けば良い.
ここで, C(t) γ ,l,i
(γ ) 5
(γ1) , C(t) γ ,l,i
sin2γ5
(γ2) , . . . , C(t) (γ5) の推定には,
量子回路の測定回数が有限です (t)
Cγ ,l,i (γ1 ) sin 2γ1
(t)
Cγ ,l,i (γ2 ) sin 2γ2
C(t) (γ ) = sin 2γ γ,l,i 3 3
C (t) (γ4 ) sin 2γ4 γ,l,i
cos 2γ1 cos 2γ2
γ ,l,i
sin γ1 sin γ2
cos γ1 cos γ2
(t) 1a1
(t) 1 a2
1 a(t) 3 1 a(t)
5 C(t) γ,l,i
4 1 a(t)
cos 2γ cos 2γ4 cos 2γ5
sin γ sin γ4 sin γ5
cos γ cos γ4 cos γ5
とによる統計誤差や
外界からの雑音の影響が
あることを注意 C (t) (γl,i ) の関数形を定め γ ,l,i
ることができた. C(t) (γl,i) の
定義域は有限区間 [0, 2π) なので,
力任せ探索 (brute force)*3によって
その正確 γ ,l,iな最小点を効率的に
求めることができる. この力任せ探索による C(t) (γl,i) の
最小化の手続きを, 全てのパラ γ ,l,iメータに
注目して何度も繰り返すことで,
コスト関数 C (θ, φ) の最小点を
探索することができる ここで述べ た逐次最小化アルゴリズムの
疑似コードを図 5.4 に示した.
*3 力任せ探索とは, コスト関数の
定義域をグリッド上に分割し,
グリッドの各点における
コスト関数の値を全て計算することで,
コス ト関数の最小点を求める手法のこと.
3
3
3 NISQ デバイスの制約を超えた
長時間発展シミュレーション 56
Algorithm 3 粒子数保存アンザッツを用いた
RQD における逐次最小化アルゴリズム
Require: コスト関数 C (θ, φ) は
(5.25) で与えられたものとする 1: 2: 3: 4: 5: 6: 7: 8: 9:
10: 11: 12: 13: 14:
パラメータの初期値 (θ(0) = (θ(0))l,i, φ(0) = (φ(0))l,i) を定める. l,i l,i
while t < tmax do
for (γ,l,i) ∈ {θ,φ} × {0,1,...,L − 1} × {0,1,...,n − 2} do
for (γ′,l′,i′) ∈ {θ,φ} × {0,1,...,L − 1} × {0,1,...,n − 2} do if (γ,l,i) = (γ′,l′,i′) then
else
(t+1) γl′,i′
end if end for
t←t+1 end for
end while
← γl′,i′ 独立な 5 点における C(t) (γ γ,l,i l,i
) の値を推定し, (5.27) の a(t), a(t), . . . , a(t) を求める.
γ(t+1) ← arg min a(t) sin2γ
+ a(t) cos2γ l,i 2
+ a(t) sinγ l,i 3
+ a(t) cosγ l,i 4
l,i
γl,i (t)
1
1 2
5
+ a(t)
l,i 5 粒子数保存アンザッツを用いた RQD における逐次最小化
アルゴリズムの疑似コード.
5.5 時間発展シミュレーションの結果
5.5.1 シミュレータを用いた 4 サイト
格子シュウィンガーモデルの時間発展シミュレーション 初期状態 |ψ(0)⟩ が真空 (全てのサイト上に電子, 陽電子が存在しない状態) の
4 サイトの格子シュウィン ガーモデルの時間発展シミュレーションを,
トロッター分解と RQD の 2 通りの方法 シュウィンガー モデルのモデルパラメータは, a = 0.5, g = 2, m = 0.5 とし,
1 トロッターステップの時間間隔 ∆T = π/30 とした. RQD において,
コスト関数は Cglobal あるいは Clocal を用いて, K = 1 トロッターステップの
時間発 展演算子をアンザッツ A4,2(θ, φ)(X ⊗ I)⊗2 (図 5.6a) 量子計算部分において,
(a) 1 量子回路あたりの測定回数 ∞ の雑音なし
量子コンピュータシミュレータ (b) 1 量子回路あたりの
測定回数 106 の雑音なし量子コンピュータシミュレータ (c)
1 量子回路あたりの測定回数 106 の雑音あり
量子コンピュータシミュレータ NISQ デバイスの制約を超えた
長時間発展シミュレーション 57
を用いて, 比較を行った. (c) で用いた
雑音のモデルについて
第 sK トロッターステップにおいて,
時間発展演算子を
どの程度近似できているかを示している トロッター分解の場合, 忠実度 F(e−iHspinsK∆T |ψ(0)⟩,
(Utrot (∆T))sK |ψ(0)⟩) を示している. RQD の場合,
量子計算部分に (a), (b), (c) を用いた際に得られた
(Utrot (∆T ))sK の近似 A4,2 (θˆs , φˆs )(X ⊗ I )⊗2 に 対して,
忠実度 F(e−HspinsK∆T |ψ(0)⟩,A4,2(θˆs,φˆs)(X ⊗ I)⊗2 |0⟩⊗4) 各手法 を用いた際に得られた系の数密度の時間発展
トロッター分解による時間発展演算子の近似の誤差は
高々 0.003 となっている. また, 雑音のない場合であれば,
1 量子回路あたりの測定回数が有限回であったとしても,
RQD による時間発展演算 子の近似の誤差は
高々 0.004 となっている 雑音のない場合であれば, RQD の (S1) における回路の
近似を精度良く行うことができていることを示している.
一方, 雑音の影響のもとで, 1 量子回路あたりの測定回数が
有限回であると, RQD による時間発展演算子の近似の誤差は
0.01 程度まで大き くなる. 雑音と統計誤差の影響で, 回路の近似の精度が
悪くなることを示している. さらに, 回路の近 似を
繰り返すごとに, その近似の精度が悪くなっていく
よれば, 雑音の影響がなければ, トロッター分解,
RQD ともに理論値に沿った時間発展を示し ている. しかしながら, 雑音の影響の下で, トロッター分解を
用いた時間発展は, 時刻 > π/5 の領域で理論値 から
大幅にずれていく. これは, 用いる量子ゲートの数が
シミュレーション時間に比例する分, 雑音の影響を
大 きく受けるからである 一方で, RQD の場合, 時刻 > π/5 の領域であっても,
定性的には理論値に沿った結果 を得られている.
5.5.2 実機を用いた 2 サイト格子シュウィンガーモデルの
時間発展シミュレーション初期状態 |ψ(0)⟩ が
真空 (全てのサイト上に電子, 陽電子が存在しない状態) の
2 サイトの格子シュウィン ガーモデルの時間発展シミュレーションを,
トロッター分解と RQD の 2 通りの方法で行った. シュウィ ンガーモデルのモデルパラメータは,
a = 0.5, g = 2, m = 0.5 とした. 1 トロッターステップの
時間間隔 ∆T = 3π/255 とした. RQD において,
コスト関数は Cglobal を用いて, K = 3 トロッターステップを
ア ンザッツ A2,1(θ, φ)(X ⊗ I) (図 5.6b) に近似した. 量子計算部分において, IBM Quantum Falcon Processor の
1 つである ibm lagos という量子コンピュータを用いた
ここで, 1 つの量子回路あたりの測 定回数は 819200
時刻 0.6π の時間発展をシミュレーションするのに用いた
量子回路の深さとゲート数を示した. 実際に用いた量子回路のトロッター分解による手法で用いた
715 個の 1 量子ビットゲー ト, 102 個の 2 量子ビットゲート
からなる量子回路を, RQD によって 11 個の 1 量子ビットゲート,
3 個の 2 量 子ビットゲートからなる量子回路に圧縮 格子シュウィンガーモデルの数密度の期待値の時間発展
シミュレーションの結果を示した. ト ロッター分解に依る
方法では, シミュレーション時間が長くなるにつれて
数密度が 0.5 に漸近 NISQ デバイスの制約を超えた長時間発展シミュレーション
(a) 1 量子回路あたりの測定回数 ∞ の雑 (b)
1 量子回路あたりの測定回数 106 の (c)
1 量子回路あたりの測定回数 106 の 音なし
量子コンピュータシミュレー 雑音なし
量子コンピュータシミュ 雑音あり
量子コンピュータシミュレー タを
用いた場合 レータを用いた場合
タを用いた場合 量子シミュレータを用いた 4 サイト格子
シュウィンガーモデルの時間発展.
トロッター分解による手法 と
RQD による手法を比較
時間発展演算子の近似誤差 オレンジ色の点は, (Utrot (∆T))sK |ψ(0)⟩ と
e−iHspinsK∆T |ψ(0)⟩ の忠実度を表している.
緑色, 紫色の点は, RQD によって 求めた
(Utrot (∆T))sK |ψ(0)⟩ の近似 A4,2(θˆ,φˆ)(X ⊗ I)
⊗2 |0⟩⊗4 と e−iHspinsK∆T |ψ(0)⟩ の忠実度
数密度の時間発展を示している. 青い線はハミルトニアン Hspin の厳密対角化により
求まる理論値を 示している. オレンジ色の点は
トロッター分解を用いた場合, 緑色, 紫色の点は
RQD を用いた場合に対応してい る シミュレーション時間に比例して量子ゲートの数が
多くなることにより, 雑音の影響が大きくなっていき,
量子ビットの状態がやがて完全混合状態 I⊗2/4 に
漸近していくためであると考えられる. 実際, 完全混合状態 の下測定した数密度の期待値は 0.5 である.
一方で, RQD に依る方法では, シミュレーション時間が長くなっ ても,
定性的には理論値に沿った結果を得られている これは, NISQ デバイスを用いた時間発展
シミュレー ションを実現する方法として,
RQD が有用であることを示唆する結果となっている.
5.6 Restarted Quantum Dynamics のスケーラビリティ
5.5 において, 実際の NISQ デバイス上でサイズの
小さな系の長時間発展シミュレーションを行ったところ,
RQD がトロッター分解に比べて有用であることを確かめた.
しかしながら, 古典コンピュータ上で時間発展 シミュレーション
できないほどにサイズの大きな系に対して, RQD が現実的な時間で
実行できることを実証 NISQ デバイスの制約を超えた長時間発展シミュレーション
X
X
(a) 4 サイト格子シュウィンガーモデルの RQD による
時間発展シミュレーションで用いたアンザッツ.
X
(b) 2 サイト格子シュウィンガーモデルの RQD による
時間発展シミュレーションで用いたアンザッツ A (θ0,0, φ0,0)
A (θ0,2, φ0,2)
A (θ1,2, φ1,2)
A (θ0,1, φ0,1)
A (θ1,1, φ1,1)
A (θ0,0, φ0,0)
ゲート数
手法 深さ√
X X RZ CNOT トロッター分解 563 306 0 409 102
RQD 15 4 1 6 3 (a) 時刻 0.6π のシミュレーションに用いた量子回路の深さと ゲート数.
number density
0.5 0.4 0.3
0.2 0.1 0.0
Exact Trotter
RQD (Cglobal)
0 /5 2/5 3/5 time
図 5.7: ibm lagos を用いた
2 サイト格子シュウィンガーモデルの時間発展.
トロッター分解に依る手法と RQD に依る 手法 A (θ1,0, φ1,0)
(b) 数密度の時間発展. 青い線はハミルトニアン Hspin の
厳密対 角化により求まる理論値を示している.
オレンジ色の点はト ロッター分解を用いた場合,
緑色の点は RQD を用いた場合 に対応している. NISQ デバイスの制約を超えた長時間発展シミュレーション
したわけではない. そこで, ここでは, 粒子数保存アンザッツを
用いた格子シュウィンガーモデルの RQD に注 目して,
系のサイズに関するスケーラビリティについて議論する. NISQ デバイスによる雑音の影 響はないとする.
RQD を含め, 変分量子アルゴリズムのボトルネックのひとつは,
コスト関数の最適化に要する時間計算量で
ある [12]. 4.3 で述べたように, コスト関数が
バレンプラトーとなるような変分量子アルゴリズムは
スケーラブルではない 関数の性質について考える. 本研究では, 電荷 q の初期状態を,
量子コンピュータ上の粒子数 m = n2 − q の状態にマッピングした.
その後, 時間発展演算子に対応するゲートを近似する際に,
(5.25) で定義された FISC のコスト関数 Cglobal (θ, φ) = Tr Xn†,mAn,L (θ, φ)† |ψ(sK∆T )⟩
⟨ψ(sK∆T )| An,L (θ, φ) Xn,mOglobal (5.29)
Clocal (θ, φ) = Tr Xn†,mAn,L (θ, φ)† |ψ(sK∆T )⟩
⟨ψ(sK∆T )| An,L (θ, φ) Xn,mOlocal (5.30) を最適化 時刻 (s + 1)K∆T における系の状態 |ψ((s + 1)K∆T )⟩ を,
電荷 q の固有状態からなる集合
{An,L(θ, φ)Xn,m |0⟩⊗n}θ,φ ⊂ Hn,m (5.31)
後に示す系 6.7 より, これらのコスト関数の
アンザッツのパラメータ γ ∈ {θ := θl,i, φ := φl,i} に
関する勾の中から探索した 配について, アンザッツがユニタリ 2 - デザインと
なるほどに深いという仮定の下,
Eθ,φ Eθ,φ
∂γ
∂Clocal(θ,φ) ∂γ
= 0, Vθ,φ
=0, Vθ,φ
∂γ
∂Clocal(θ,φ) ∂γ
= 4bγ dn−2,m−1 dn,m(dn,m+1)2
(5.32)
∂Cglobal(θ,φ) ∂Cglobal(θ,φ) 0
(m = 0, n)
(m=1, 2, ..., n−1)
0
=16bγd2n−2,m−1m(n−m) (m=1, 2, ..., n−1)
(dn,m +1)(d2n,m −1)n3
(5.33)
が成り立つ. bθ = 1, bφ = 0 とした. (5.32), (5.33) から,
コスト関数の勾配の性質は粒子数 m = n2 −q,
つまり初期状態の電荷 q に依存することがわかる.
例えば, 電荷 q = n2 − 2 の初期状態の時間発展に興味があ るとする.
このとき, コスト関数の勾配の分散は V[∂γCglobal] = O(n−5), V[∂γClocal] = O(n−6) に
スケール するので, バレンプラトーは起きない. 一方, 電荷 q = 0 の初期状態の時間発展に興味があるとする.
このと き, コスト関数の勾配の分散は V [∂γ Cglobal] = O(n4−n),
V [∂γ Clocal] = O(n−1/22−n) にスケールするので, バレンプラトーが起きる
したがって, 本論文で用いた RQD の系のサイズに関するスケーラビリティは,
初期 状態の電荷 q に依ることがわかる 電荷 Q の固有値 q の固有空間の次元 dn,m と合わせて理解することもできる. (5.32),
(5.33) よ り, コスト関数の勾配の分散は, おおよそ 1/poly(dn,m) でスケールする
d100,m とコスト関数の勾 配の分散との関係を示した.
すると, dn,m が大きくになるにつれて, コスト関数の勾配の分散は小さくなる
(m=0, n) NISQ デバイスの制約を超えた長時間発展シミュレーション n=100
61
Cglobal Clocal
V[ C]
10 7 10 16 10 25 10 34 10 43 10 52
105 1010
1015 1020 1025 dn, m
1030 n = 100 のとき, (5.32), (5.33) で述べたコスト関数の勾配の分散と
dn,m の関係. dn,m が大きくになるにつれ て, コスト関数の勾配の
分散ユニタリ 2 - デザインとなる粒子数保存アンザッツが作り出す
試行状態全体の空間 {An,L(θ, φ)Xn,m |0⟩⊗n}θ,φ を含む空間 Hn,m の
次元 dn,m が大きい程, コスト関数の勾配の分散は小さくな るので,
コスト関数の平坦な領域が大きくなり, その最適化が難しくなる 粒子数保存アンザッツがユニタリ 2 - デザインとなるほど
十分な表現能力を持つ仮定の下で議論 してきた.
より一般には, 後に示す系 6.8 にチェビシェフの不等式を
用いることで, アンザッツが豊かな表現能 力を持つほど,
コスト関数の平坦な領域が大きくなり, その最適化が
難しくなることが予想される. 実際の量子コンピュータ上において, NISQ デバイスの
制約を超えた長時間発展シミュレーショ ンを実現した.
そのために, RQD という変分量子アルゴリズムを用いた.
物理系としては, 格子シュウィン ガーモデルを用いた.
NISQ デバイスの雑音の下でも RQD が機能するように
主に以下の 2 点を工夫した. 第 1 に, 格子シュウィンガーモデルの電荷 Q の保存を保つように,
時間発展演算子を粒子数保存アンザッツに近 似をした.
第 2 に, FISC のコスト関数の最小化のためのオプティマイザーには,
雑音と統計誤差に対して剛健 な逐次最小化アルゴリズムを用いた.
こうして, サイズの小さな系に対して, RQD がトロッター分解による
長 時間発展シミュレーションに比べて有用であることを実機を用いて実証した. RQD による時間発展シミュレーションを NISQ デバイス上で
さらに精度良く行うためには, 更なる改善が 必要である.
第 1 に, トロッター分解の精度の改善である.
1 次のオーダーでのト ロッター分解を考えたが,
より高次のトロッター分解 [7, 78] を考えることもできる.
第 2 に, 時間発展演算子 を近似するアンザッツに関する改善である.
本論文では, 電荷の保存則を実現するアンザッツを用いたが,
系の 対称性に関する情報をさらに盛り込んだアンザッツを
用いることが望まれる. こうして, NISQ デバイス NISQ デバイスの制約を超えた長時間発展シミュレーション
音の影響を抑えるだけでなく, 後述するようにバレンプラトーの
影響を緩和することができる. 第 3 に, コス ト関数の
オプティマイザーの改善である統計誤差や単純な雑音な
モデルに対して剛健な逐次最 小化アルゴリズムを用いた. 雑音と統計誤差によって, 時間発展演算子の近似の誤差が
大きくな ることを観測した. したがって, より優れた
オプティマイザーが必要である.
第 4 に, ハードウエアレベルでの 量子ゲートの精度の改善である.
例えば, マイクロ波パルス制御 によって, より高精度な量子ゲートの
実 装が期待される. NISQ デバイスの雑音がないという仮定のもと, RQD の系のサイズに関する
スケーラビリティについて解析した. 時間発展演算子の近似に用いる
FISC のコスト関数 Cglobal, Clocal がバレンプラトーであるか否かは
系の初期状態の電荷 q に依存し, 電荷 q の固有空間の次元が大きくなるほどに
その最適化が難しくなりうることを導いた この主張は, 粒子数 保存アンザッツがユニタリ 2 - デザインとなる程に
深いという仮定のもとで導き出された. より一般には, 粒 子数保存
アンザッツの表現能力が豊かであるほど, コスト関数の最適化が
難しくなることが導かれた. RQD の系のサイズに関するスケーラビリティを改善する一つの方法は,
アンザッツの表現能力を抑えるこ とである. 例えば, 粒子数保存アンザッツの
層数を小さくすることでアンザッツの表現能力を抑えることはで きる
しかしながら, このように単にアンザッツの表現能力を抑えるだけでは,
目的の状態を完全に表現 できるとは限らない. 一方, 電荷 Q の保存則だけではなく,
更なる系の対称性を考慮したアンザッツを設計す ることで,
物理系の状態を表現するだけの表現能力を保ちつつアンザッツの
表現能力を抑えることができよう
バレンプラトーの影響を緩和することができる. 変分量子アルゴリズムのコスト関数の勾配性質 6.1 はじめに
4.3 で述べたように, 変分量子アルゴリズムには,
バレンプラトーと呼ばれる問題が起こりうるのであった.
バレンプラトーは, 次のように定義された.
定義 4.2 Γ-値確率変数 γ は一様分布に従うとする.
n 量子ビットの変分量子アルゴリズムのコスト関数を
C:Γ∋γ→C(γ)∈Rとし,コスト関数CはC1 級とする.
このとき,C(γ)がパラメータγj に関してバレ ンプラトーであるとは,
パラメータ γj に関するコスト関数の 1 階微分の ∂γj C (γ) の期待値が 0 で,
分散があ る b > 1 を用いて O (b−n) でスケールすること. つまり,
∂C (γ)∂C (γ) −n
Eγ ∂γ =0, Vγ ∂γ =O b (6.1)
jj
63 変分量子アルゴリズムのコスト関数がバレンプラトーであるか否かを
議論するには, コスト関 数の勾配の期待値や 2 次モーメントを評価すれば良い.
コスト関数が,
C(γ) = Tr OU(γ)ρU(γ)† (6.2)
と表せる変分量子アルゴリズムについて考える ρ は密度演算子, O はエルミート演算子, U(γ) はア ンザッツとした.
一般に, コスト関数の性質は ρ, O, アンザッツ U(γ) の構造に依存するが,
ここでは特にアン ザッツの構造に注目して考える
Random parametrized quantum circuit (RPQC) や
Hamiltonian Variational Ansatz (HVA) と
呼ばれる構造を持つアンザッツを用いた
変分量子アルゴリズムのコスト関数の 勾配の
性質haアンザッツの構造に依存しない 変分量子アルゴリズムのコスト関数の勾配の性質
コスト関数の勾配の普遍的な性質を導いた
新たに導かれた普遍的な性質をもとに,
粒子数保存アン ザッツを用いたコスト関数の性質を導いた.
本章の構成は以下の通りである. 6.2 では,
変分量子アルゴリズムのコスト関数の勾配の満たす
普遍的な性質 を述べる. 6.3 では, 6.2 で導いた普遍的な性質が,
従来の研究で知られていた RPQC を用いたコスト関数に関 する性質を
再現することを確かめる 6.4 では, 6.2 で導いた普遍的な性質をもとに導かれた,
粒子数保存アン ザッツを用いたコスト関数の解析的な
性質を述べる. 6.5 では, 粒子数保存アンザッツを用いた
変分量子アルゴ リズムに関する種々の数値計算の結果を示し,
6.4 で述べた解析的な結果と絡めて数値計算の結果を議論する.
6.6 では, 本章で得られた結果について議論 6.2 主結果 6.2.1 問題設定
Hをd次元複素内積空間とし,Γ⊂RNp とする.
ここでは,コスト関数C:Γ→Rとして,
C γ = (γ1,γ2,...,γNp) = Tr OU (γ)ρU (γ) (6.3)
を考える. ここで,ρ∈S(H)は密度演算子,
O∈L(H)はエルミートとし,U:Γ→U(d)は
アンザッツとした γ := γi に関する勾配 ∂γC (γ) について
そのために, アンザッツ U (γ) を
U (γ) = UL (γL) UM (γM ) UR (γR) のように,
3 つのユニタリ UR (γR), UM (γM ), UL (γL) に
分解することを考える γR , γM , γL は同じ添字のパラメータを
持たないように分解を行った.
γM は γ に依存するが, UR (γR) と UL (γL) は
γ に依存しないように分解を行った.
このとき, コスト関数 C (γ) は,
C (γ) = Tr UL (γL)† OUL (γL)UM
(γM)UR (γR)ρUR (γR)† UM (γM)† と
表せるから, γ に関する勾配は,
∂C(γ)† † † ∂γ =Tr UL (γL) OUL (γL)UM,γ (γM)UR (γR)ρUR (γR) UM (γM)
(6.4)
(6.5) (6.6)
(6.7)
+ Tr UL (γL)† OUL (γL) UM (γM ) UR (γR) ρUR (γR)† UM,γ (γM )†
UM,γ (γM ) := ∂UM (γM ) ∂γ
UM (γM ), UM (γM )† などを UM , UM† バレンプラトーに関する議論をするには,
コスト関数の勾配 ∂γC(γ = (γR,γM,γL)) の
期待値や 2 次モーメントを評価する必要があった.
そこで, γR, γM , γL を, それぞれ分布 νR, νM , νL に従う
確率変数として, コスト関数の勾配の期待値や
2 次モーメントを評価していけばよい. 変分量子アルゴリズムのコスト関数の勾配の性質
複素内積空間 H は, 必ずしも n 量子ビット (C2)⊗n で
ある必要はなく, その部分空間でも良い
アンザッツの作用が影響する空間は必ずしも
n 量子ビット全体とは限らないからである
粒子数保存アンザッツは, n 量子ビットの
部分空間にだけ影響を及ぼす 確率変数 UR (γR), UL (γL) がユニタリ 2 - デザインとなる程に
十分な表現能力を持つとき, コスト関数の勾配 ∂γC (γ) の
期待値と分散は, 次の定理 6.1 のように計算できる.
証明は付録 H.2 に述べた定理 6.1 (6.4) で定義された
コスト関数 C (γ) を考える. このとき,
確率変数 UR (γR), UL (γL) がユニタリ 2
- デザインであるならば,
コスト関数の勾配の期待値は, ∂C (γ)
算子 A(t)
UR (γR ),νR
A(t)
UR (γR ),νR
: L(H⊗t) → L(H⊗t), A(t) : L(H⊗t) → L(H⊗t) を UL (γL )† ,νL
Eγ ∂γ =0
(6.8)
(6.9)
(6.10)
となり, 分散は,
∂C (γ) ∂γ
2d∆(2) (ρ)∆(2) (O) d d
Tr
UM,γUM d
Vγ
となる. X ∈ L (H) に対して,
とした.
νM (dγM)Tr UM,γU
(·) :=
μH (dV ) V ⊗t (·) (V †)⊗t −
νR (dγR) (UR (γR))⊗t (·) (UR (γR)†)⊗t
(6.11)
=
(d2 − 1)2
M,γ
2 Tr[X]2 ∆d (X):=Tr X − d
(2) (真磔本人=初コメ2)ケモナー封印貼り付けレスは無言の量子力学磔が信条。抗議は無言でするものです。みなさんを挑発する独善的な下劣なレスは全て成りすましの愉快犯の別人の荒らしです。釣られて相手にしないで下さい。 今日も頑張って貼ったよ!
まだまだこれからも続けるから応援してね! スレ分けてもだめなんか
何が目的で続けてるんだこれ
基地外のように汚い言葉で煽ってた異常者もわいてないし
何が気に入らないんだよ
ただ荒らしたいだけ? 身体は大人、頭脳は子どものやる荒らしなんてこんなもんだよ >>704
なかなか大変なんだよ
夜勤明けで帰宅したらまずPC立ち上げてさ
発泡酒飲みながら起動待ち
起動したらブラウザ立ち上げてコピペコピペ!エクセル使ってセルごとに管理するとやりやすい
苦労するけど、これだけが生き甲斐だからね
俺のコピペでみんなが悔しがるところを想像するともうバッキバキになるね
だからやめないよ
これからもよろしくね! 食事はしません。食事の時間が無駄ですし噛むのが面倒です。普段は処方された命の錠剤とミネラルウォーターだけです。
歩けなくなったら病院で点滴を打ってもらいます。点滴を体に注入されるととても元気になります。
食事の必要はありません。点滴とクスリだけで人間は生きていけます。ボクの体重は40キロです。
ドールと体型が似ています。とてもスリムなので洋服も130cmのドールと兼用しています。
疲れるので散歩はしません。階段の登り降りが苦手です。直ぐに骨折します。 サラッと読んだけどかまいたちのよる2の文章のパクリじゃん
こんなの↓
血を吐きます。頭が割れます。脳が出るのがつらいです。舌を切られます。 はにーどーるもこを渋々抱いてるんだが顔が交通事故で縫ったみたいでツキハギでキモいんだよな。俺的にはケモナーよりグロいんだ!誰が買ってんだ?
俺は貰ったんだよ!クソ!もっとかわいいぬいぐるみをくれよな! 等身大ホール穴ぬいぐるみを所有もしていないし抱いてもいない人でもこのスレに来てる人はぬいぐるみに構って欲しいからなの? ケモナーを嫌悪する人は孤独なアニヲタのオナニストだよね。女の子と話した事も触れた事も無いんだろうな。ぬいぐるみだけが友達。かわいそう。同情する。 こんなに荒れてるのに未だにアクセスしてる野郎は
相当にぬい性人形板に執着した依存者なんだな。迷惑野郎以上に無能で愚かだな。
無料なんだからぬいドールの板を10でも20でも無数に立てればいいだろうよ。
乱立して多数あれば全部を荒らせねえさ。
別にお前ら荒らしと違って1行コメなんだから複数あっても全部にレスしてればいいだろう。
その内、何処かに安住のスレが残るもんだ。過疎でもいいだろう。この際、無数に乱立させるべきだ!
1つの板に荒らしといつまでもダラダラと共存してる野郎は馬鹿丸出しだぞ!早く移動しろよ!アホども! >>710
確かに縫い目気になる
マスク被せてしまえばいいんだろうけど >>708
>>709
コイツらが一番マヌケだな。分かってるつもりで自慢げに語ってるが何も分かってねえ!もっとマメに真面目にアクセスしろやw ニセモノは出てくるな!
せっかくボクが頑張ってるのに! まともなやつはみんな逃げたから荒らされてももうそんな困らんぞ 別に対して荒れてないけどな
なんなら前より平和という ケモナーのいけるいけないの境目ってどのくらいなのかねえ? ATRIが寝る時に着てるようなのってどこで手に入るのかねぇ
ぬいに着せたい ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています