ニューピンリレー小説「さらば。忌まわしき記憶と共に」
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「キムタクくん、やめなさい。考え直すんだ」
時空転送装置の中からオヂサンの声がする。この装置でキムタクとオヂサンは様々な世界を旅した。そして行く先々でキムタクは望まぬ肛門拡張を受けた。
「早くおじさんをここから出すんだ。行き先を入力せず装置を使えば、中の人間は時空の歪みに消える。前に説明したはずだよ?」
装置の外のキムタクは無言で電力を入れる。こんなことならもっと早くこうすれば良かった。
ーーいつかはおじさんにも情が通じ真人間になってくれるーー
そう思っていた時期が某にもありました。
「プリーズ…キムタクくん…。おじさんはもう二度と君を辱しめない。約束…大人の男は約束を守る…おじさんも三十路の立派な大人だ。…だから…お願い…」
安全装置を外す。行き先の指定、ブランクを入力。
「ふざけるなよ?ガキが。会社を辞めて惨めなリタイア組と化していたお前に、色んな意味で世界の広さを教えてやった恩を仇で返すんか。
お前の代わりなんて世の中にはいくらでもいるわボケ。にも関わらず、お前をケツアナ奴隷ペットに選んでやった俺を殺すのか。
とんだ恥知らずだな?おい」
装置の中から恫喝するオヂサン、その声はあきらかに震えていた。後は実行ボタンを押すだけ。
「イヤダアアアアア!!ジニタクナイ、ジニタクナイ!!!ウエアアアアアアアアアアアアア!!!!」
もはや人間離れした奇声を張り上げるオヂサン。一方、キムタクの動きも止まっていた。
ーーなぜ?このボタンさえ押せば、もう惨めな過去は永遠に封じ込められる。今更、何をためらっているのだ某はーー
…
……
オヂサンとの初めての出会いは、とある秋の夕暮れだった。
VIPQ2_EXTDAT: checked:none:1000:512:: EXT was configured キムタクは公園内の遊歩道を反時計回りに歩いている
なぜ反時計回りかというと、その前は時計回りに歩いていたからだ
そしてその前は反時計回り、さらにその前は時計回りだ
もう一時間近く歩いている
長くベンチに座っていたのだが、夕方が近づくにつれ秋の冷え込みが身に染みて、じっとしているのが辛くなったのだ
ふと、視線を感じたキムタクは顔の向きは変えないまま、帽子のツバの際から視線だけを動かし周りを見回した
どうせまたベビーカーを押した自意識過剰な奥様方が通報でもしたのだろう
もはや恒例行事となりつつある職務質問の返答内容を脳内でシミュレーションしながら制服警官の姿を視認しようと目を動かす
しかし彼の方を見ていたのは警官ではなかった 「ピ、ピンクちゃん!?」
「そうだ!ウチだ!」
「どうして!?この流れだとおじさんの登場シーンのはず・・・」
「過去が改編されたんだよ!ちなみにお前がリタイア組の事実は変わってないっ!だから元凶の時空犯罪者を頃しに行くぞ!」
「そんな!俺はこの過去がいいんだ!」
「バカヤローキムタク!それは後半の台詞だ!今は黙ってついて来い!」ドン!!
みぞおちにピンクちゃんの鉄拳が刺さり、
こうして某の奇妙な冒険ははじまったんだ BBSPINKの運営はプレミアム会員の皆さまに支えられています。
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https://login.bbspink.com/login.php そんなCMがラジオから聴こえてくる─
どうやらこの時空ではまだニュース速報ピンクは健在のようだ
おじさんが来た頃にはとっくにニューピンはおろかBBSPNKは滅んでいたはず…
「ピンクちゃん、おじさんが来なかったからこの世界線ではニューピンが滅んでないの?」
ピンクちゃんは少しコクッと頷いてから、こう説明した。
「貴方がニューピンを少しばかり離れてる間に、一人のおじさんが暴走していったの。最初はただの下ネタだ、いつものセクハラだと皆気にもしていなかったけど」
「おじさんが暴走して嫌気が差した住民が逃げ出していったってことっちゃ?」
ハァ…と大きく溜息をするピンクちゃん
「違うわ」
「みんな貴方と同じように、掘られていったのよ」 それを聞いた瞬間に沸き立った苛立ちが果たして誰に向けてのものなのか、彼は考えないようにしようと意識的に話題を変えた 「ところでなんで君は某を助けてくれるんだ?なんのメリットもないように思うんだけど」 「キムタク、あんたは他人によって改変された世界を認識できる。もし時空犯罪者にウチやニューピンの存在が無かったことにされても、少なくとも今この会話を記憶することはできる。どうしてあんたなのかはわからないけど、あんたは選ばれーー」
ピンクちゃんの輪郭が歪む、世界が回る、回る回るまわるマワ。。。
次に気付いた時に某は薄暗い屋内にいた
パッと見どこかの納屋のように思えた
窓には板きれが乱雑に貼り付けられ、隙間から鋭い光が漏れている
(まるでホラー映画に出てくる獲物の監禁部屋みたいちゃな…)
そんな印象でぐるりと室内を見回すと、一番大事なことに気付く、
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https://login.bbspink.com/login.php ラジオCMの声を聞きとりあえずは安堵した
時空の跳躍があったか無かったかはまだ判断できないがニューピンが存在することだけは確かなようだ と、とりあえず叫んでみた
特に意味はない
発声練習だ むむむ、今日は喉の調子があまりよくない様だ。
だが、その確認で今日のタスクは全て完了だ。
さぁ、後はもう寝るだけだ。
某はいつもの透け透けネグリジェに着替える事にした。 いや───某はネグリジェなんか着ない、来たことがない。
今どうして自分は一瞬でもそんなことを思ってしまったのだろう、まるで思考が誰かにハッキングされたような気がした。
そもそも、今某は手を縛られている。着替えることなど出来るはずがないのだ。 先に進まねぇ小説だなオイ
ガルシアは涙目のはっこちゃんからぶんどった黒いノートをそこら辺にポイした 「だって、このスレ立てたのオジサンちゃろ?」
某は両手の平を天に向けて"やれやれ"といったしぐさをすると、
そのままニューピンの隅から離れ、みんなのいる雑談スレへと帰っていった だがそこにはもう雑談スレは無かった
ただ一面の焼け野原だった
まだ燻り続ける煙が風にたなびいていた
「これが・・・これがお某のやり方か・・・オジサン・・・」
失望と絶望と憤怒の混じった薄く濁る目でかつてスレだった場所を見回しながらキムタクは抑揚なく呟く ニチャァ…
背後からジメジメとした中年特有の臭気と気配を感じた 「むっ!誰だ!某の背後を取ろうは、命知らずな奴め!!」 振り向きざまに袈裟に振るった剣先は空を切った
その紙一重のところに立った男は薄ら笑いを浮かべている
「おやおや…穏やかじゃないねえ…」 「あっ、パパ!おかえり!!今日は早かったんだね!!
ねぇ、今日はお土産無いの〜??」 何かコラぁ!きさん、くらさるぅけんな!!
博多ん土産もんば、何でわざわざ東京で買うて来たとや!?
こんっ、バカチンがぁ!! 「うるさい!チンコくわえろ!」
ジーパンを脱ぎ捨てるその時間わずか0.15秒
そ〜して魅せ付けるよ〜うにボクサーブリーフをゆ〜っくり降ろ〜す 惨めなポークビッツがあらわとなった
キムタク「正体表したね」 一陣の風が駆け抜ける
チンコとチンコが交差する時
それは銀河創世
ロマンチックだとは思いませんか
心の旅路 このままでは駄目だ
また同じことの繰り返しだ
キムタクは拾った黒いノートを内ポケットから静かに取り出した そこには四人の時空犯罪者たちの名前が書かれていた
このノートの元の持ち主の妄想かもしれない
しかし、このままシャワーを浴びてるおじを待つより
藁にもすがる思いでこのノートを信じる方がよほど建設的な行動に思えた
「お❤ま❤た❤」
おじがシャワーから上がってくると既にキムタクの姿は部屋に無かった
彼は今、中東行きの飛行機に乗っているのだ その頃アブダビの警察や軍関係者、
のみならず市内の託児施設や日用雑貨店は、
まるでキイロスズメバチの巣を突いた様な大騒ぎになっていた。
「き、キムタクが……!あのキムタクが……アブダビに来る!!」 時空犯罪者の一人、
ドバイ・ガンダムは、むしろ髭面に薄ら笑いを浮かべていた。
喧騒を尻目に自らキムタクを出迎えるため、人の流れを逆行し空港へ向かう。
闘いの始まりである 思い起こせば、今日の闘いの為にどれだけ研鑽を積んできただろう
毎日毎日、兄弟子達とぶつかり稽古を何百番とこなしてきたのだ
身体中が擦り傷だらけで立ち上がる事すらできない日もあった
極度の疲労でちゃんこが喉を通らない日だってあった
そう、全てはこの闘いの為だけに準備されてきたのだ
宿命のライバル・キムタクとの「イントロ当てクイズ」に臨む為に ドバイ空港に到着したドバイだがキムタクはアブダビ国際に降りると聞いたドバイはドバイからアブダビに向かったとばい 「ひぃぃ!ドバイまでこっちに来るて言いゆうがぜよ!!
……おい!おまんも早うアブダビから逃ぐるがじゃ!
キムタクにドバイにお相撲さんがここに集まるち言いよるがじゃき!
巻き込まれてしもうたら、ひとたまりも無いきに!!」
叔父上にそう促された某は、渋々立ち上がった。
「……あんな奴ら、某の能力(ちから)の敵じゃないのに……
キムタクやドバイくらい一瞬でねじ伏せてやれるのに……
…………いや、まだ能力を使うべき時でないのも事実か……
うむ、それじゃひとまず今はできるだけ遠くに逃げておこう……」
そう呟いてサイド3行きのシャトルに飛び乗った某だった。 クライマックスのパンティ投げ戦争が終わり、酒宴が催された
達成感と祭りの高揚ではしゃぎ気味の大人達とは正反対の、沈みきった表情の少年2人の姿がそこにあった 祭りのどさくさに紛れて現地のオジサンに悪戯されたのである
こんな光景は世界から無くさなくてはいけない
フリーのカメラマンななこは、決意と共に固く拳を握り締めた しかし、そんなななこの決意を嘲笑うかの様に、
次の惨劇が忍び寄っていようとは……。
ななこの恩師の包茎手術を執刀した高須院長ですら、
予想だにしていなかった。 その頃アブダビでは、血腐闇一刀流のキムタクと、アフガン航空相撲裏式のドバイの激闘がピークに達していた
航空機は墜落し、炎は黒煙を吐き散らし、空はこの世の終わりのように赤く爛れていた
血腐闇の奥義により超硬度の凶器と化したキムタクのポッキーが震える
「なぜちゃ!なぜ!それほどの力を持ちながら!過ぎ去った過去を!歴史を変えようとするちゃ!話聞こか」
「金だよ」
冷静冷徹だが激しい感情の起伏を圧し殺したドバイの応えが、即座に重く響く
「金さえあれば、小汚ない中年に、くだらない昔話を延々聞かされながら、男の尊厳を奪われる行為を強要されずに済む」
キムタクは心の臓に鉛が落ちたかのような激しい悲しさに襲われ、ポッキーを弛緩しそうになるも、堪える
その隙をドバイが狙ってこないのは、それ以上の一種暗澹とした自分語自嘲に、この男自身がうんざりしているからなのだ
「お某は終わりを待っていたのちゃなドバイ・ガンダム」
「さあなぁ!終わるのは案外お前の方かも知れんぞニューピンの民よ」
感情を交差させつつ、双方のジリジリと間合いをとる脚が、やがて止まった
戦術ではなく、これね闘争の本能
本能のまま二人の暴力が交差した ドバイの力任せのかち上げにキムタクは思わず踵を浮かせる
体勢を立て直す暇すらなく後ろ気味に重心のずれたキムタクの顔面にめがけて張り手が風きり音をたてながら迫っていた しかし、ドバイの張り手はキムタクに届かなかった。その掌には一本の超硬化したポッキーが貫通していたのだ。
キムタクは顔面への攻撃に備えて口にポッキーを咥え、インパクトの瞬間に含み針の要領で吹き飛ばし、ドバイの致命の一撃へのカウンターとしたのである。
「知ってるちゃ?最近のポッキーファミリーパックは、ひと袋七本入りなんちゃよ……」
ドバイが怯む隙を与えず、キムタクの両握りこぶしの指の間から、左右三本づつ、計六本の残りのポッキーが姿を現す。
「血腐闇六双穿」
次々と、まるで予定調和のように、ドバイの鍛えぬかれた体に屹立したポッキーが突き刺さっていく、そのどれもが人体の動きを止める急所を貫き、ドバイ・ガンダムは研ぎ澄まされた刹那で自分が殺されていくのを感じた。
これが死。
貧困の中で泣く泣く汚い中年たちに辱しめられた時よりだいぶマシな敗北。
これぞ死。
……
「なぜ、トドメを差さない」
キムタクは最後の一本のポッキーをドバイの眉間の手前で留め、自分の口に咥えこんだ。
「金のせいなら、経済的な事情なら、誰かを裁けるほど某は金銭に潔白ではないちゃ」
「哀れみか?同じ、肛虐の屈辱を知る俺に情けをかけたつもりか」
「ポッキーファミリーパックは二袋入りちゃ。今度お某と会うときはシェアして食べたいものちゃねぇ」
「後悔するぞ」
キムタクはそれに対する返事をしなかった。
ただメキシカンテコンドージェネレーターの鼻唄をうたい、アブダビの空港を後にする。
いつのまにか、赤く爛れていた空は、糞のような曇天に覆われていた。
すべてが灰色。
痛みの記憶は時間の無機質さが和らげてくれる。
なぜなら彼らももう大人なのだから。
ポキッ
ドバイはポッキーをかじった
ほどほどに甘く、意外とうまい 男は激怒した。
かの邪智暴虐のパン帝を除かなければならぬと決意した。
男の名は チュロスの心の中には激しい怒りと強い喪失感が混ざり合っていた。
パン帝のした事は決して許されるものではない。アイツを倒さねばこのロシア帝国におけるパンティ祭は………
そこまで考えた所でチュロスの体力は完全に消耗しきっていた。地面へと倒れ込むように寝そべる。湿った土の匂いで肺が満たされる感覚は嫌いではない。
シベリアの大地に寝転がり、冷たい風に身を委ねると少しだけ冷静でいられる様な気がした。
バイカル湖からは観光客の無邪気にはしゃぐ声が聞こえてくる。 突然視界に影が差し、チュロスは跳ね起きた
今の今まで人の気配など微塵もなかったのに、自分の傍らには今、男と少女が立っている
「あれがバイカル湖。座標は完璧だね」
「時代がおかしくないちゃ?岸にいる人たちのあの服装、なんか古めかしいっちゃね」
二人はチュロスには目もくれず、なにやらよく分からない会話をしている
困惑する彼を余所に、二人は湖の方へ歩きだした 「ああ、きっと入水自殺でもするんだな……
あんなダイオウホオズキイカの様な姿をした面妖な人達でも、
一緒に死んでくれる相手が居るのは幸せな事だ……」
チュロスは我が身の孤独を嘆いた。
大親友のセリ又ンティウスがここに居たら、
某と共に手を取り合って湖に身を投げてくれただろうに……。
だが、無いものねだりの妄想を続けるのも詮無い事であった。
とりあえず朝飯でも食いに行くか。
目の前に佇むヨネダ珈琲バイカル湖畔店に向かって歩き出した時、
チュロスはふとある事に思い至った。
「…………イカ?イカが……入水自殺だと!?」 チュロスは狂っていた。
が、そのことをまだ自身でも受容できていなかった。
ちなみにヨネダ珈琲バイカル湖畔店の入り口には、こんな張り紙が貼ってある。
『ホモとキチガイとチュロスお断り』 つまりチュロスは三項目に渡って断られているのであった
偉業である チュロスは張り紙を一瞥もせず驚くほどの自然体で入店
意識して無視したわけでもないのであるが、
こんなことでいちいち驚いていてはこの物語は一向に進まないので以降は割愛させてもらう ヨネダ珈琲店
全国展開をしている喫茶店ではあるがその実はフランチャイズという事業形態をとっている為店舗によって内装外装の他メニューの違いはあるが
毎朝本部から送られてくる厳選された豆を使用しているので全国どこでも飲み慣れたあの味を楽しむことが出来るようになっている
ここバイカル湖畔店ではオリジナルメニューのコーヒーをウォッカで水出ししたカクテルが人気商品
永久凍土から出土したマンモスの牙から研ぎ出したコーヒーカップは是非一度見ておきたい代物だ それらを一瞬で破壊せしめるのに、入口からとっさに投げ込まれた火炎瓶という凶器は十分な威力を持っていた。
チュロスはちょうど便所にいて、便所の窓から逃げたので残念ながら無事だったが。 業火の店から死人の形相で脱出したチュロスは、
野次馬の中に以前バイカル湖で見かけた白い饅頭頭が居るのを目にした
(なぜ、あの男がここに…?)
その直後、屈強な正義マンたちに取り押さえられ、
店員らに「いつかやると思ってたんだ!悪魔め!」などと罵られ、
善良な市民たちに警察に差し出された男チュロス
彼の伝説はまだ恥まったばかりだ そう、これから始まるのである。
「バイカルマダニ感染症」を克服するまでの、
チュロスの長く壮絶な闘病の日々と、
百花繚乱華やかに咲き誇る花々の如き魅惑のパンティ祭が。
言い換えれば、今の今まで何一つ始まってなどいないのだ。
パンティ祭を待ち侘びている読者諸君には大変申し訳ないが。 で、呑みすぎてトイレでゲーゲー吐いてたら
アーカムアサイラム的なヤベー精神病院に入院してるはずの
兄の竹輪の友(笑)セリ又ンティウスがトイレに押し入って来たからさあ大変
つーかここ女子トイレなんですけどー
なんか服脱ぎ出したし
いや、たしかに連続女子中学生暴行事件の罪を着せられたアンタもカワイソーだよ?
でもさ、そんな奴と知ってて、あの出来損ないの兄貴と聖人ロールプレイでダチやってたアンタにも非がないわけでもないジャン?言ってることわかる?
汚ないモン見せんなよ噛みきるぞコラ
あーめんどくさっもう叫ぼ
キャー誰かー女子トイレに裸の男がいるー
このままじゃケッコン式前日に犯されちゃうんですけどー
・・・・・・
いや、ちょっと、本当に誰か来て ミス・仙台ずんだ娘の最終選考に残った事もある程の、
地域でも評判の美少女だ。
兄のチュロスと妹のチョロス。
2人はオレゴン州屈指の美男美女兄妹として知られている。 しかしそれも大学時代・過去の話で、
いまや兄は放火の疑いで拘留されているキチガイナマポニート
妹は銀行員に結婚ドタキャンされたレイプ被害者
セリ又ンティウスの元弟子モブストラトスは時の流れの残酷さに胸を痛めつつ、
ネットに流出した妹チョロスのレイプ動画で愚息をしごいていた
「ここで顔面グーパンとかえぐいな!それでも挿入るとかこの娘、肉便器の才能あり杉でしょ…自業自得」 チョロスは絶望した
かの白痴暴漢セリ又ンティウスから受けた獣的行為により己をこの世から除かんと決意した
チョロスにはもはや他者の慰めの言葉がわからぬ
思ひ出のコマネチ山から身投げしようと柵を乗り越えると、
「お嬢さん、お待ちなさい」
背後から声がした
そこには立っていたのは 「そうだよオヂサンだよ」
オヂサンだった
これがオヂサンにとって最初の転送装置を使ったトリップだった チョロスはその声を聞くなり無言で飛んだが、オヂサンのサム・ライミ版スパイダーマンのような謎の粘着糸に脚を絡め取られ宙吊りとなってしまった。 「お、おやめください、オヂサン様!
どうしてこの様な非道をなさるのですか!?
オヂサン様には人の心というものが無いのですか!?」
チョロスの悲痛な叫びが洞窟内に谺する。 「女だがこの際贅沢は言ってられないしなぁグゲゲゲゲゲゲ」
「そこまでだ!やめたまえ!」
「!!?誰だ!」 「私はこの時間軸のおじさんだ。
上司には一目おかれ、同僚には頼られ、後輩には尊敬される、
お前が持っていないものを全て持ち合わせている、
言うなればFA-78-1フルアーマーおじさん」
「グギギギ、オレのクセに自分に酔ってて腹が立つな…、
邪魔するならお前から掘り殺してあげようねえ?!?」
ここで説明しよう!
キムタクは世界の改編を察知できると共に、トリップする度にその時間軸の自分と統合されるが、
オジサンは逆に増えていくのだ!
そして、
「誰が君の邪魔をすると言ったかね」
「何ィ!?」
フルおじは言うが早いか上等なベストを脱ぎ捨てた。
「俺も仲間に入れてくれよ〜」
「さすがオレ、話がわかる」 「醜いねえ…」
決して大声ではなかったが、洞窟内に響く湿った低音が、ランタンの光が届かぬ闇から発せられた。
「誰だっ!」
本能的に危機を察知した蜘蛛おじが股間から粘着糸を暗闇に向け発射。
だが、影はその下卑た攻撃を掻い潜ると蜘蛛おじの横を薙ぎ、フルおじの首に手を掛けた。
時間差でスローモーションのように地面に落ちる蜘蛛おじの首。
「ヒイイイ!」
年甲斐もなく絶叫するフルおじ。
「タスケテ!俺にはまだ犯してない監禁中のピクミンがいるんだあ!!」
「お某の家、どこ」
「お、お前!俺たちと同じ、オヂサンだろ?加齢臭と煙草の臭いですぐわかったぞ!どうやって三人目として生まれたかは知らんが、手を組まないか!?同じ人間同士でこんなの絶対間違ってーー」
「質問に答えようよ、お某の家の住所ね」
影の指がフルおじの首に食い込む。
必死で答えるフルおじ。
そして予定調和のように地面に転がるフルおじの首。
「お某が監禁してるピクミンは解放する。おじさんが犯すのはキムタク君ただひとり」
そして影は嗤う。
「三人目?おじさんはオリジナルだヨ」
ーー後に残されたチョロスは、無事山岳救助隊に助けられ、優しい男と結婚し、今では二児の母として慎ましく幸せに暮らしている。
ただ時々、あの日の洞窟の闇の中で起こった惨劇を思い出すと、身を震わす恐ろしさの中に、なぜか無性に侘しさをも感じるのだ。 「オヂサン様……今頃どうなさっているかしら」
兄のチュロスやその親友のセリ又ンティウスの事など
殆ど思い出す事は無いのに、
オヂサンの事だけはどうしても忘れられない。
それがチョロスという女の浅ましさなのかも知れない。 「そういえばあの住所…」
もう5年以上が経つがあのときの男たちの会話は一言一句覚えている
小綺麗な身なりの中年が最期に呟いた住所
そこはその後更地となりさらにそのあと大手映画製作会社運営のテーマパークが建設された
そのグランドオープンが昨日だったのだ
自分の息子と娘がそのテーマパークのアトラクションに登場する鉄のオッサンや海賊のオッサンの絵を描いているのをチョロスはよく見ている
明日は日曜日
彼女はもう頭の中で予定を立て始めていた 与野党の大物議員が昨日の選挙で次々と落選してしまったのだ。
生粋のニューピン党員である夫がショックで寝込んでしまう程に、
ゴリラ党とパンティ党は昨日の選挙でその勢いを増していた。
チョロスは決断を迫られる事になった。
夫を捨ててでも子供達とテーマパークへ行くべきか。
それともテーマパークへ行く為に夫を捨てるべきか。
テーマパーク行きを口実に夫と離婚する、
という道も一応残されてはいるのだろうが、
それをするくらいなら夫と別れてテーマパークへ行く方が
幾らかマシというものだろう。 チュロスはそんな妹のために今度こそパン帝を除くため、テロに走る 彼が向かった先は……かの因縁の地、バイカル湖畔だった。
考えてみれば、イカに遭遇したあの日から、数年経っている。
ヨネダ珈琲はあの後すぐに撤退してしまったと、風の便りで知った。
忌まわしいオヂサン事件の後、妹のチョロスは嫁に行き、
今は8歳を頭に18人の子宝にも恵まれた。
パンティ党員でアイコラ職人の義弟はやや頼りないが、
それでも根は大変善良な男だ。
義弟の将来の為にも、パン帝はこの手で打倒せねばならぬ。
そう心に誓い、愛馬・だいだい丸に颯爽と跨るチュロスであった。
だが、その行手に敢然と立ちはだかった者がある。 憤怒に駆られたチュロスはもはやセーラー服の小娘など、
一旦轢いてからお持ち帰りしてやろうなどと思ひて馬に鞭を振るいけり、
それが大きな間違いでヴェロキラプトルのサイドステップからの横蹴りをくらいダイナミック落馬した。 落馬したところにちょうどロシア・エキゾチックロング・サボテンが生えており
チュロスの肛門を激しく穿った そこにサボテンが育ち、引き抜き、窪地ができ、水がたまり池になり、のちに観光地となるのだが
それはまた、別のお話 チュロスはサボテンからケツを引き抜こうとし、勢い余って脱腸したところを、ガルシアにフル目撃された。
ガルシア「サボテンに、花が咲いておるわい」 この出来事を、チュロスは後にこう術回している。
「某も昔は、お某みたいな冒険者だったんだ。
だが、アナルにサボテンを受けてしまってな……」 「よせよチュロスに構うなよ」
という構文ができる程の有名人と化していた衛兵チュロス
チュロスマスクを被っていればホモに襲われないのは冒険者たちに重宝されたというが、
それはまた別のお話 だが、そんな致命傷とも言える深傷を負いながらも、
チュロスは一命を取り留めたのである。
埼玉県上尾市にある救急病院のベッドの上で目を覚ました彼は、
開口一番こう叫んだ。 「あの糞アマァ!ジュラシックパークに放牧してやる!」 下半身を駄目にしたチュロスはもう走れなかった。
精神的にも走れなくなってしまった。
ああ賢明なる読者諸兄、これが人間の終わりである。 それを聞いたナース達は震え上がった。
「ジュラシックパークに放牧されるなんて、
一体どんな酷い事をしたのかしらその人……。
某回転寿司チェーンの地下で働かされているという河童達の方が
ジュラシックパーク放牧よりはずっとマシよね、きっと」 「詳しく聞こうか、いやとりあえずその住所から聞こうか、というか住所だけ聞こうか」
ナースたちの動揺を尻目に一人盛り上がっている女医の姿がそこにあった
いや、そもそも彼女は医者なのか
白衣をきて院内を闊歩する様は堂々たるものだが、誰一人彼女が診察や回診、オペやブリーフィングをしている場面を見たことがない
「ガルチャンズパークとはどこにあるのかね。包み隠さず全部話しなさい、悪いようにはしないから。だいたい何匹のガルチャンが放牧されているのかね?永住権は取れるのかね?」
「落ち着いてください、はっこ先生。名前を勝手に変えないでください。そしてガルシアさんはそこにいません。そして場所は地球の真裏、コスタリカの沖合いです。気軽に行けるところではないのです」
制止するナースを物ともせずに、小さな暴君はもう玄関へ向かって走りながら電話の相手に吠えている
「コスタリカだ!チャーターで構わない、金に糸目はつけんぞ!コスタリカ沖合い、ガルチャンズハーレム行き一名!ASAP!死ぬ気で手配しろ!」
自動ドアが開くのも待たず正面玄関のガラスを突き破って、白衣の弾丸は埼玉から南米へと今、放たれた
病室の窓からその走りっぷりを見ていたチュロスは大粒の涙をこぼす
「間に合う間に合わぬは問題でないのだ!人の命も問題でないのだ!彼女はなんだかもっと恐ろしく大きいものの為に走っているのだ!」 チュロスは興奮に駆られ窓から飛んだ
そこは四階だった
バカッターでは重症とは言え精神疾患を持つ患者を一般病棟に入院させた病院の対応がこぞって避難されたが、
そんな話題も半日もすれば別の刺激的なニュースでかき消された
チュロスはパンティ祭りにさえ行かずして燃え尽きたのである 賢明な読者の諸君はもうお気づきだろう
「それではこの章のタイトルが指す『志を立てた者』は誰か。『パンティ祭で燃え尽きた男』とは誰か。」
そうなのである
この章の主役はチュロスではなかったのだ
話はチュロスが放火容疑で自警団に取り押さえられているシーンへと遡る 正義マンの群れの中で「左手は添えるだけ」とばかりにチュロスの背中に手のひらを優しく当てる男がいた 「やぁ、お某か、セリ又ンティウス」
いつもの様に親友の名を口にしようとしたチュロスだったが、
その時不意に違和感を覚えた。
この手は……セリ又ンティウスではない。
彼の手はもっと汗ばんで、いやむしろ脂ぎっていて、
学生服の更に上に着込んだコートの上からでも、
背中に脂が付着した事が判るほどの脂性だった。
セリ又ンティウスのオイリーな掌で股間のアレを握られた男性は、
あまりの快感に数秒で果ててしまい、腰砕けになってしまうほどだ。
チュロス自身もそれで何度イかされた事だろう。
だが、この手からは……脂分をまるで感じない。
それどころか、生物ではない無機質さを感じる。
「お某!何奴!!」
振り返ったチュロスが見た者は、 に偽装された
局地型試作ターミネーター
TーPANだった 自分は今、TーPANと真正面から対峙している。
経験豊富な一流の演歌歌手であるチュロスには、
その意味するところがハッキリと解った。
嗚呼、これで終わりか……
某はこの後、苦痛を感じる間も無く一瞬で消し飛んでしまうんだ……
ふん、何ともつまらない人生だったなぁ……
もし今度また人間に生まれ変われたら、
次こそは吉田沙保里と結ばれたいもんだぜ……
その時点でチュロスの運命は決まった……筈だった。
……
…………
……だが、意外にも、TーPANは攻撃をして来ないではないか。
一体どうした事だ? 「イグッ!」
チュロスはしつこく追ってくる正義マンたちをT-PANが頭部バルカンで駆逐してる様を視て、思わず絶頂に達してしまった。
自分は本質的に悪なのだろうか?もうそんなことに思い耽っていられる程チュロスは若くない。
ただ自分とその周囲だけを絶対的規範とする人間が屠られる様は、いつ観ても清々しいのであった。 チュロスが連れていかれたのは廃墟となったラブホテル 「山の上のお城にパパが知らない女の人と入っていったよ。パパは王様なの?」
幼い頃、母にそう尋ねてから数日後両親が離婚したことをふいに思い出し心が叫びたがったが、せっかくなので実際に叫んでみた
「エンダァァァアアアアアイャアアァァァァイヤアアァァァ」
絶叫は館内にむなしく響き渡る 突如、ターミネーターはシーツが変色し埃まみれのベッドの上にチュロスを突き飛ばした アナルにサボテンが刺さった時の、あの激痛がチュロスの脳裏に蘇る。
これ以上虐められたら、某のアナルはきっと……
そうなったら死ぬまでウンコ垂れ流しの身体になってしまう……
涙目で必死に許しを乞うチュロス。
自分がもうアナル処女ではない事。
初めての相手が凶暴なサボテンであった事。
中学生の頃に森口博子ファンクラブに入っていた事。
横浜フリューゲルスの熱狂的なサポーターでもあった事。
卒業文集の尊敬する人の欄に「ゲッベルス」と書いた事。
それら辛かった記憶の数々を、
こんな廃ホテルの汚いベッドの上で、
ターミネーター相手に告白しなければならぬとは。
何と不幸な身の上なのか。
某の人生は何故こうも上手くいかないのだ。
顔を涙と鼻水でぐしゃぐしゃに汚してアナルの命乞いをしつつも、
内心では、理不尽さと不運続きの人生に激しく憤慨し、
絶望すら覚えるチュロスであった。 ターミネーターはそんなチュロスの同情に値する人生の悲愴を一切スルーし、
襲撃者と銃撃戦を始めた。
チュロスを押し倒したのも非情なる銃弾から彼を守るためであった。 ここで読者諸君に思い出してほしいのは、このヨネダ珈琲店放火事件直後の時点では、まだチュロスはサボテンに尻を掘られていないというとこである。
それどころか、ターミネーターの出現により、その未来はこの時間軸では回避された可能性が高い。
なのに、チュロスはサボテンの記憶を持っている。
その答えは簡単だ。
それは、チュロスが無意識にタイムリープを引き起こす2人目の時空犯罪者だからである。
このままでは彼は逆恨みからパン帝暗殺に成功し、ニューピンの設立に関わる「最初の五人」の一人を除いてしまう運命にある。 そう、確かに……時々事実と異なる記憶に苛まれている……。
ひょっとして、某の知らぬ間に歴史が変わっているのか?
某それとも某が単に悪い夢を見ていて、
その記憶と事実を混同しているに過ぎぬのか?
チュロスには、前者ではないかという気がしてならなかった。
彼には多少ながら心当たり、いや確信めいた考えがあった。
「誰かが歴史に介入し続けている」
考えてみれば、色々と腑に落ちない事が多いのだ。
ターミネーターは何故自分を守ってくれるのか。
序盤に登場した2杯のイカは何者だったのか。
名前だけは何度も出たのにこれまで一度も登場していない
親友のセリ又ンティウスとは、果たして実在する人物なのか。
そしてヨネダ珈琲バイカル湖畔店閉店までの経緯とは。
ヨネダ珈琲店員の東北訛りの少女は何処へ消えたのだろうか。
チュロスが物語の核心部分に触れそうになる度に、
何か大きな意思の様なものが作用して邪魔をし続けている。
そう言えば昔、江戸でコレラを予防し、ペニシリンを作り、
暗殺されかけた坂本龍馬を一度は死の淵から救ったという、
奇跡の町医者が存在した様な気もする。 T-PANの亡骸に腰をかけ、チュロスは頭の中を整理しようとした
ノイズが走る
ジャミングだ
思考盗聴されているに違いない
アルミホイル巻かなくちゃ
何か腕カユイ チュロスは学校でいじめられていた
いじめていたのはクラスの池沼グループ
主犯のAはチュロスをいじめることに自身のクラスでのロールを見出だし、保健室登校から教室へ帰ってきたギリ健だった チュロスは元々金持ちグループの一員だった
だが温和なボンボンの仲間たちはクラスで影響力が無く
その点、チュロスをいじめることでウェイ系グループの仲間入りができると信じ、手段を選ばないAには何の抑止力もなかった チュロスの成績は良かった
そのことを日がな一日彼のことを観察しているAも知っていた
だからチュロスがそこそこクラスでの影響力のある、インテリグループと接近しないよう
特に、インテリグループのメンバーの前では念入りにチュロスを辱しめ
「こんな奴と接点を持っても学園生活でマイナスしかない」という印象を植え付けたかったのだ 実はチュロスがいじめられていたのを担任は知っていた
だが、苛められても苛められなくても学校に来て成績優秀なチュロス
かたや、チュロスを苛めるまでクラスに居場所の無かったA
担任は時々チュロスに「お前はよく頑張ってるよな」と声をかけた
それが、この担任にできるすべてだったのかもしれない アイダホ州だかワイオミング州だかで評判の美男美女兄妹、
という設定にも関わらず虐められていたという悲しい過去。
だがチュロスはこう思うのだ。
虐める側に立たなくて本当に良かった。
他人を傷付けるくらいなら、虐められる方がずっといい。
某は卑怯者にはならぬ。絶対にならぬ。
それがチュロスの誇りでもあったのだ。 チュロスは卑怯者にはならなかったかもしれないが、いじめの末の受験失敗のひずみからキチガイになってしまった
少なくともチュロスは自身がキチガイとなった要因として、そういう結論を出している
今でもあの頃に受けた屈辱を夢に見ることがある
そんな日は洗面所まで這って行き、抗不安薬をがぶ飲みしなければ立ち上がることすらできなかった
ある時、池沼グループのBが補導された
Bは今で言うところの発達障がいでAの一番の親友だった
公園で女子小学生の体を触ったのだという
そしてBは学校に来なくなった
それからだったAのチュロスいじめが肉体的なもの中心となり、より過激になったのは
チュロスたちの通っていた学校のテニスコートの金網が一部歪んでいるところがある
チュロスがAに何度も蹴りをいれられ、金網に打ち付けられた痕である ( ^ϖ^)「興味ないね」
アルミホイル野郎が何やらブツブツ言ってるのを某は一言のもと切り捨てた。
こういう輩がニューピンをつまらなくする。 ニューピン?ニューピンとはなんだ?
なぜだか懐かしい気持ちになる響き
なにか思いだせそうな気がする
チュロスは有線の防電波ヘッドギアを装着すると過去の仮想時間軸へダイヴを開始した ちょっと待ってね
モチベアップのためにファンのコメント拾ってやるから
・結局、パンティ祭りで燃え尽きたのは誰なんだよ
うーんこれはアンチ
・金と時間返せ
はい論外
人気作家は辛いね
この未来の直木賞作家の某に対して、偉そうなことをどの口がほざくのかな?(爆) バーチャルランディングしたチュロスの目の前にあるPCのディスプレイにはおそらく彼自身がたった今打ち込んだであろう八行の文が、エンターキーを押されるのを今か今かと待ち構えていた
彼はしばらく思案したあとバックスペースで全文を消し大きなため息をついた
過去の自分の思考言動をそのままなぞる必要はないのだ
だが同時に、この決断の変化は進歩なのか劣化なのか、どちらとも確信できずになんとも消化不良の気持ちにもなるのであった チュロスはダイヴ前に一発ヌいておいたので、これは少なくとも賢者的決断だった はぁ……どうすれば某はこの無為無策な人生から脱却できるのか……
【無為無策】
その起源は古く、去年の今頃まで遡る
タイ国内で屈指の人気を誇るムエタイ選手であり
不動産王としてアジア全域の政財界に影響を及ぼす存在でもあった
ムイムサク・ナガッサ・キチャンポーンは
自らの持つ連勝記録更新を賭けてリングに上がった
観客の多くはムイムサクの記録更新を信じて疑わなかったが
この試合で彼は無名の北マケドニア人選手相手に防戦一方となり
ムエタイ史に残る程の屈辱的な惨敗を喫してしまうのである
この意外な結果に人々は大いに悲しみ落胆し
「神聖なリングを汚い血で汚した」「タイ一番の恥晒し」
「アレキサンダー大王の末裔に征服を許した国賊」
「ムイムサクを思うと微笑んでなどいられぬ」
「タイの長い歴史に泥を塗ったゴキブリ野郎」
「生きる価値の無い守銭奴」「ピクミン級の穀潰し」
と口々に彼を罵る様になったという
余談ではあるが何の対処もできず解決策を見出せない様を指して
「無為無策」と表すのはこの故事に由来する
━民明書房刊「黒柳徹子写真集2021 すっぴんのトットちゃん」より━ そこに現れたのが頼りになる親友セリ又ンティウス
あの茂みのガルシアを見るがいい
無防備にケツを丸出しにして排便してるように見えて、
俺たちのような善良な小市民が襲い掛かろうものなら、あの体勢のままズタズタに引き裂かれるであろう、本能的な恐怖をクソと一緒に放っている
お前に足りないのは単純な強さ
町中で「あっ、あの女レ✕プしたいな」と思ったら数時間後には多目的トイレで願望を達成している男としてのいや人間としての強さ
力がほしいかならばくれてやろう
明日の13時からカレーの試食付きセミナーがあるんで参加ヨロ
これパンフレットねTwitterもやってるからフォローしてね
そう一方的に捲し立てると友は駅の改札口へと消えていった そうだった、こんな出会いだったなあ、と懐かしく思う
そして直ぐ様強烈な違和感に襲われた
なぜこんなに鮮明な記憶なのか?
自分の記憶を基に再構築された仮想空間だ
思い出すことすらなかった友との初対面がこうもはっきりと再現されるとは一体?しかもこれは実際にあったやり取りだ
なんとも不気味な感覚に戸惑いながら、特に意味もなくパラパラとパンフレットのページをめくると一枚の紙が間から足元に落ちた
チュロスは膝を曲げしゃがみこんで紙を拾うとその体勢のまま何気なく文面を見た
「慌てるな。おかしな動きをするな。お前は見張られている。私はお前の親友ではない。そもそもここはお前の記憶ではない。アーバンビルにあるイコールinc.に行き『時空を駆ける冒険の記憶を買いたい』と言え。全てが分かるはずだ。」 チュロスは激怒しなかったが、
未来の邪智暴虐となるパン帝の過去が気になり、ここ赤羽に来た
チュロスにはパン帝の生家がわかるん いや、落ち着け。落ち着くのだチュロスよ。
そんな馬鹿げた言葉が頭に浮かぶ事自体、どうかしている。
昔ニューピンで「レイプで得られるものとは」との問いかけに
「快楽!」
「悦楽!」
「かに道楽!!」
と立て続けに書き込まれた事が脳裏を過ったが、
どうやら今回も似た様な事が起こっているらしい。
ここは気を引き締めてかからねば、パン帝国打倒は果たせぬ。 そもそもパン帝て悪いことしたっけ?
具体的に何をしたんだっけ?
もしかして全て某のーー
チュロスは急に自分が無価値な存在のように思えてしまった
自己愛とそこから生まれる承認欲のために今まで散々馬鹿なことばかりしてきたことを悟ってしまった
チュロスにはもはや哀しみの感情すら湧かぬ これではまるきり五月病である。
目的を見失い子供部屋に引きこもってしまったチュロスを、
部屋から引っ張り出そうとする者がいた。
かつての担任教師、辻先生である。 固く閉ざされた子供部屋のドアを激しく叩く音。
そしてそれと同等か、或いはそれ以上に大きな金切り声の怒号。
「やいやいチュロス!お母さんに迷惑かけんじゃねぇよ!
おめぇみたいなクズの為にわざわざ来てやったんぞゴルァ!!
さっさと出て来いかいボケぇ!オラぁ!グズグズすんなや!!」
今にも叩き壊されそうな勢いでドアを叩き、
教え子を教育者と思えない程口汚い罵る辻先生。
そのあまりに粗暴な言動に、チュロスは驚きを隠せなかった。
「お寿司が食べたいよぉ!」と泣いていた幼き日の自分を、
ニューピン随一の名店と名高い“活宅”に連れて行ってくれた辻先生。
「お絵描きできる様になりたいよぉ!と泣いた日は、
ピンクちゃんの絵師と引き合わせてもくれた辻先生。
「先生のおっぱいが見たいよぉ!」と泣き喚いた時は、
優しく微笑みながら惜しげもなくおっぱいを見せてくれ……
……たりは流石にしなかったが、
あの優しかった辻先生と、今部屋の外でドアを叩いている女性が、
同一人物だとはチュロスにはとても思えなかった。
両者のイメージが全く重ならないのだ。
結婚を機に教職を退いて、今では旦那さんの実家のある北九州市で
暗殺者集団の幹部として慎ましく幸せに暮らしていると聞いていたのに。
先生の身に一体何があったというのだろう。 その時、ニューピンを見ていたパソコンの画面が突如ブラックアウトし、代わりに文字が映った
「窓から逃げろ!下にトラックが止まっている」 たしかに停まっているがここは15階
一体どうしろというのか
「ええい!ままよ!」
チュロスは翔んだ 中途で他人のベランダに懸垂状態で一時的に掴まりつつ、ゆっくり一階まで降りていく
高層マンション下着ハンティングで習得したスキルである そうしてようやっとたどり着いた地上には数台のトラックが停まっていた
しかしながら一眼見てこのトラックが指定されたものだと確信した
「日野の2トンだ!いすゞの方が好きなんだけどなぁ!」
いすゞのトラックの方が好きなのはチュロスが大友康平のファンだからなのは言うまでも無い 覚悟を決めて荷台に乗り込む
いまさら失うものなどなにもない ぅはぁぁしぃるぇ はしぃるぇぇぇ!!
ぅうぃすゞぅぅのトラッ クフゥォゥォゥゥゥゥ!!
気持ちの昂揚を抑える事ができず、
荷台の上で大友康平ばりに熱唱してしまうチュロスであった。 さながらハーメルンの笛吹男のように、歌声に導かれた子供たちの行列を後ろに従えトラックは、特撮のロケでよく見る玉砂利採石場へと入っていき停車した 採石場で最も高い丘の上に人影が見えた。
こちらに背を向けている。
あぁ、よくある奴だこれ。
で、ギターか?トランペットか?
そんなチュロスの考えを嘲笑うかの様に、
男が取り出した楽器は、何とも意外なものだった。 高い丘の上でバグパイプを演奏する謎の男。
本場の伝統的なスタイルでは男でもスカート履きが普通らしく、
しかも下着は身に着けないのだという。
つまり、チュロスの居る場所から、
その男のスカートの奥、イチモツとお稲荷さんが丸見えなのである。 そのブナシメジの如き可愛らしいイチモツ、
いやイチモツと呼ぶにはあまりに幼く役に立ちそうもない、
未成長気味の“おちんちん”と呼ぶに相応しいモノ見たチュロスは、
耐えきれずついつい吹き出してしまった。 そこで漸く気が付いた。
男が一心不乱にバグパイプで吹いている曲が、
ドブロックのネタの、あのメロディであることに。 のちに武装ゲリラ『ビッグオーガスト(大きな八月)』の創始者となる男の朗々たる歌声ははるかエーゲ海まで届いたという その歌声はエーゲ海の離宮に居たパン帝の耳にも届いていた。
「ふっ……余に挑んで来るか……それもよかろう」
ヨネダ珈琲エーゲ海店から取り寄せた極上の梅昆布茶を啜りながら
パン帝は独り呟くのであった。 賢明な読者諸君はもうお気付きの事と思うが、
このパン帝、妙に爺くさい喋り方や好みをしてはいるが、
実際は小学3年生の女児なのである。
先週、図画工作の授業で描いた交通安全のポスターが先生に褒められて、
少々上機嫌な週末を迎えている次第である。 「お母さん、もうすぐ友達が二人遊びに来るからアルフォート買っておいてね!二人ともおっさんだけど片方はスカート履いてるから!変な目で見ないでね!それともう一人の方は社会不適合者だから!石とかぶつけないでね!」 パン帝の母はサニーの特売日にアルフォートとジャイアントカプリコを大量に買い込むと、愛車のタフトのラゲッジボックスにダンクして帰路へついた
途中海岸線を走る国道から何気なくエーゲ海を見やると、一艘の小舟が所在なげに波間を漂っている
船底でうごめく、遠目にも不潔さの伝わってくる二つの影はなにやら羽根の生えた食糧(カモメだろうか)の所有権を巡って小競り合いの最中のようだ
ああ、あのような輩はあのような輩の界隈で、私たちのような身分の者はその界隈で、一生交わることなく生きてゆくのだろう
タフトはまたゆっくりと国道に沿って海岸線から離れていく
そして小舟もまたゆっくりと、港へと近づきつつあった 別荘のバルコニーからオペラグラスで小舟を眺めていたパン帝は
「嗚呼、彼の輩は彼の様な輩の界隈で、
余のような身分の者はその界隈で、
一生交わることなく生きてゆくのであろうのぅ……」
と、奇しくも母と全く同じ事を考えていた。 「すれ違う見ず知らずの人よ
事情は知らなくてもいいんだ
少しだけこの痛みを感じてくれないか?
信号を待つ間にちょっとだけ時間をいいかい?
この気持ちがわかるはずだシンクロニシティ」 某はこの結末を知っている
なぜなら
このあと2人は宮殿でパン帝と対峙し
そして
某はこの結末を一度見ている
それは
これは過去だ
懐かしき過去の記憶だ
でも某はどこからこれを見ていた?
誰かが某の体を揺さぶっている
強制的な覚醒は危ないんだぞ
あと少しで思いだせそうなのに セカイガマワルまわる廻る回ってぼんやりと、やがてはっきりと輪郭を現したのはピンクちゃんだった
「どうしてあんたなのかはわからないけど、あんたは選ばれたんだよ」 何だと?某が?選ばれただと??
そうか、選ばれたのか某は……。
とりあえず某は風呂を沸かす事にした。
今夜の入浴剤は羽合温泉の湯の花だ。
アゴまで湯船にどっぷりと浸かって全身温まりながら、
選ばれていなかった昨日までの自分を振り返ってみた。
……昨日の某は選ばれていなかったのだ。
そこら辺に居る凡百なピクミン共と何ら変わらない、
取るに足らぬ、誰からも意識されない存在だった。
それがどうだ。今や某は選ばれた者なのだ。
一体何に選ばれて何を為すべきかは知らぬ。
だが、選ばれた事だけは間違いが無い。
そうだ、選ばれし某はニューピンでもとりわけ特別な存在なのだ。
だったら今日くらいは晩御飯に贅沢をしても罰は当たるまい。
そう考えた某は湯船を出ると、夜の闇に向かってそのまま走り出した。
「活宅だ!今夜は活宅で腹一杯寿司を食うんだ!!」
某の脳内にはもはやその野望しか無かった。 お腹いっぱいになって活宅から戻った某は、眠る事にした。
Youtubeで怪談を聴きながら眠るのが最近の日課となっている。
いつもの様に怪談を流しながら、目を閉じていると、
急激な眠気が襲ってきた。 「……タク……キムタク……」
微かに誰かが呼ぶ声が聴こえる… だが……某はキムタクじゃない。
某がキムタクでなどある筈がない。 そんな事を考えている間にも、
チュロスと粗チンGUYはパン帝の別荘に迫りつつあった。
道中すれ違った1台のタフトにパン帝一家が乗っていて、
あと一歩のところで逃げられたとも知らずに。
逆にパン帝は彼らの接近を認識しており、
車窓から彼らの姿を、不敵な笑みを浮かべながら眺めていたのである。
パン帝と彼らとでは、やはり役者が違うと言ったところか。
パン帝一家を載せた車は、
港に停泊中の豪華客船「プリンセス・オタサー号」の
一般車用デッキへと滑る様に入っていった。 プリンセスオタサーは日没前にはエーゲ海を離れ地中海を西へ順調な航海を続けた
目指すはモロッコ
モロッコにてプリンセスはプリンスとなりキングはクイーンとなるのだ 2022年 新章開幕
プリンセスオタサー号の悲劇から三年
闇に葬られた事件の真相を明らかにすべく、フリーのジャーナリストななこは、とある人物の家を訪ねた
家と呼ぶにはあまりにも貧相な崖の上のバラック小屋
そこに住む者とは _人人人人人人人人_
> 暇してるジョニー <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
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⊂|__⊆⊇|
彡茴 っ茴 何か用かい?
彡* ∇ /
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L二)_) ジョニーはあまりにも暇していたために、家族から絶縁され、一人息子の座を聡明な犬に乗っ取られ、住所不特定の民と化していたのだ。
今はオレオレ詐偽の受け子をして日銭を稼ぐ日々。
諭吉三枚を見せるとあっさりと取材に応じた。
ジョニーはあの日、ポーカーに偶然勝ち、プリンセスオタサー号の切符を手にした。 船内カジノでバカラに興じているときに異変は起こったと彼は言う
「なんかスタッフとディーラー全員にインカムで連絡が来たみたいでさ。ほぼ一斉にそいつらが落ち着きなくしてキョロキョロしだして。とにかく良い知らせじゃないことだけは分かったね」 ジョニーが異変の正体に気付くまでに、時間はかからなかった。
「一等客室からペットが逃げ出したらしい」
だが、犬猫が逃げたくらいの事で、
乗務員がこうも浮き足立つものだろうか? ついでにジョニーのアレもムクムクと屹立してきた。
高級カジノで薄汚い街の酒場にはいないバニーガールのおねーさんばかり見ていたらムラムラしてきたのである。
とりあえずソレを処理するためにトイレへと向かった。
船内のトイレはまさに静寂の洞窟。
ちょうどジョニーの他に誰もいなかった。
なんだか気温まで5度くらい下がったような気がする。
ホラー映画だったら、こういうシーンでまず犠牲者が出るんだろうな、
などという冗談が頭をよぎりつつ、スマホでFANZAのアプリを開く。
今日は城ヶ崎ピン子の痴漢モノでぶっこくか。 廊下の遥か先で悲鳴のような声が聞こえた気がした
顔を上げ耳をすます
いや、気のせいだったか、とスマホに視線を戻した時、トイレのタイルを硬質の何かが叩くような引っ掻くような
ジャラッッッと、聞き慣れない音が響いた
ジョニーは本能的に息を潜め体を極端にゆっくりと起こした
くるぶしまで下ろしたハーフカーゴパンツとブリーフを引き上げる余裕はなかった
全身を耳にして扉の向こうに集中する
ジャッッ、ジャッッ、とその音は不規則ながら入り口から徐々に近づいてくる
彼はなぜ自分がこんなにも緊張しているのか、ようやく理解した
この音の主は人間ではないのだ
彼が今までに出会ったことのない、未知の生物の足音なのだ これは……何かマズイ事が起こってるらしい。
もはや城ヶ崎ピン子どころではない。
全身が粟立つほどの寒さと恐怖心に苛まれ、
寒さと恐怖心からジョニーは強い尿意に襲われていた。 チンコの先端を便器の中に定め、勢いよく放尿する。
身に迫りつつある危険から早急に逃れる為にも、
意識して勢いよく放尿する必要があるのだ。
こういう時は自慢の22cmの砲身がやけに煩わしく感じられる。
下腹部にやや力を入れながら、放尿し続けていると、
腸内の奥底から湧き上がって来る何かを感じる。
ガスだろうか?それとも大便だろうか?
いずれにせよ、早急に出してしまう必要があるとジョニーは判断し、
下腹部により一層力を込めた。 「うっ…産まれりゅ……!」
その言葉はジョニーがそういう性癖を持つ人種だからではなく、本能的に口から出た言葉だった。
次の瞬間、 ボフッ!という快音に続き、
まるでシャンパンのコルク栓を抜いたかの様に固形の
(中略)
更にはそれだけにとどまらず、強烈な匂いを放つ軟便が大量に
(中略)
最後の仕上げは大量のガスの噴出であった。
これもまた大気中に強烈な異臭を
(中略)
温水によるアナル洗浄を済ませ、その後紙でも入念に拭き取り、
いざブリーフを上げようとしたジョニーは、ある事に気が付いた。
……辺りの異様な静けさに。
つい先程まで、正体不明の生物が徘徊しているかの様な、
おぞましい足音と気配がトイレ全体を支配していた筈。
それなのに今は、自分以外の生命の気配をまるで感じないのだ。 ブリーフもズボンも足首まで下ろしたままドアを蹴破った為、
それらの布地が思い切り引き裂かれてしまった。
上半身は燕尾服、下半身は全裸になった。
自慢の22cm砲が丸見えだったが、そんな事は気にならなかった。
そればかりか、たった今大量に出産した大便は、
まだ便器の中に残っていた。
だがそれすらも気にはならなかった。
アナルが綺麗に拭かれていた事だけが数少ない救いだった。 下半身丸出しで個室を飛び出したジャニーが見たもの、それは 「よう、放蕩息子。万が一にもお前が帰ってくるようなことがないように引導渡しに来てやったぜ」
口の周りを鮮血で染めた近所の聡明な犬が、今まで一度も見せたことの無い狂気の笑みを浮かべ、ジョニーに近づいてくる。 ジョニーは思わず呻いた。
「ラ、ライデン……何故お前が……」
ライデンの聡明さは、まさに奇跡と呼ぶに相応しいものだった。
肉ばかりでなく野菜もきちんと摂る。
食後には必ず歯を磨く。
抜け毛が多い季節は毎日掃除を欠かさない。
複数居る愛人とのSEXの際は忘れずに避妊する。
そんな聡明なライデンと対峙する事になろうとは……。
ジョニーは下半身の22cm砲が縮みあがるのを自覚した。 ジェニーが死を覚悟したその時、
「お待ちなさい」
凛とした声がトイレに轟いた
また新キャラか、そうやって風呂敷広げるから収拾がつかなくなるんだ、
という読者の心の声を嘲笑うかの様に、
大柄で屈強な26人の男女が隣の個室から現れた 26人からなんとなく想像がついた方もいるだろうが、彼らはA〜Zのアルファベットの頭文字を持つ名前をそれぞれ名乗り始めた
とりあえずジョニーはジャーメインと名乗った青年をボコることにした
欠員が出れば後釜に収まることができるかもしれないと考えたのである 聡明な犬のライデンもジニーと同じ事を考えていた
ローランドと名乗った初老の男を亡き者にして後釜に収まろうと
牙を剥いて襲いかかったのである 「ぐっ!ぬぅ、やりおるな貴様……」
「ライデン!大丈夫か!?」
「小僧、他人の心配なぞしておる場合か?我を誰だと思うておる?」
……いつしか共闘関係に発展していた2人だった。
上半身燕尾服のフリチン男と聡明な犬。
この奇妙な凹凸コンビが、
後に「赤い稲妻・ジョニー&ライデン」として
山陰地方のパティシエ業界に名を馳せる事になる。 「もう良い、双方とも争いをやめよ」
トイレ内に明朗な声が響いた。 さらに隣の個室から現れたのは、鞣した革製のブーツやマントを身につけたモヒカン白髪の髭ジジイだった 「そこで気を失ってさ。どれぐらい時間がたったのかはわからないね。次に目を覚ました時はトイレは静まりかえってたよ。」
もう飽きてきたらしい。
インタビュアーの私の目も憚ること無くジョニーは大きなあくびをする。
「一旦休憩にしますか」
「おっ良いね。ちょっと一服してくる」
私の提案を待ち構えていたかのように彼は廊下へ飛び出していった。 残された私は、椅子の傍に寝そべっているライデンに声をかけた。
「彼、いつもああなんですか?」
閉じていた瞼を片方だけ開けて、ライデンは短くこう答えた。 「でもねぇ、彼、言ってる事が支離滅裂で、要領を得ないんですよね……
トイレから26人とか白髭の爺さんとか、何とも荒唐無稽で……
それに彼、本職はツチノコとかカッパとかのUMAハンターですよね?
何でパティシエって設定をあんなに熱く語ってるのかも解んなくて」 これじゃ埒が明かない、私は急いでいるのに。
この事件を調べているのは、"自分のためだけではない"のだ。
ななこは大きなため息漏らすと、この場から去ろうとバラック小屋の戸に手をかけた。
……戸は開かない。
裏口にジョニーの影。
西日が逆光を作り顔色は伺えないが、その口からは一種優越感を醸す芝居掛かった声色が響く。
「知ってるよ?あの船に乗ってた妹さんを探してるんだろ?もちろん知ってるさ」 「!…っ!?」
彼女はFBIの基本姿勢でコートの裾を後ろに払い退けるとその払った手をそのまま腰のホルスターに添わせて中指と薬指でカバーベルトを外す
しかしその指先に伝わる感触は彼女の長年の相棒、シグP224SASのそれとは明らかに違っていた
ホルスターから引き抜くと、ななこはそのベージュ色の不恰好な棒をまじまじと眺めた
「…これは…ほねっこ?」
ほねっこだった
「言ったろ……」
「!?」
全く気配を感じさせないままに、今は背を向けていた正面ドアの前にライデンが立っていた
その口にはヨダレでべちゃべちゃになったななこのシグが
「俺のギャラは高いぜ、ってね」 「……なるほど、“装っていた”、という事なのね、
精神分裂気味の半狂人と、怠惰な老犬の役を……」
“赤い稲妻”の両名に完全に出し抜かれた態のななこは、
ほねっこを床に放り投げ、両手を挙げて降参の意志を示した。 「やけに物分かりがいいじゃないか…気味が悪いぜ…」
ライデンは警戒を解かずゆっくりとしつ動作でほねっこに近づいた
視線をななこに向けたままほねっこを咥え上げようとしたときジョニーが叫んだ
「やめろライデン!そいつは罠だ!」 時すでにお寿司
ほねっこには猛毒物質オヂサンの膿栓が仕掛けられていたのだ
ライデンは激しい痙攣を起こし毛を逆立てたまま白目を剥いて倒れた
あとは雑魚のジョニーだけである
「さあ、休憩時間は終わり。ゆっくり話を聞かせてもらいましょうか」 狼狽して後退りでもするのかと思いきや、
意外にもジョニーは余裕綽々といった態度を見せている。
FBIの極秘資料に
「中山道第三中学校の卒業生の中でも屈指のヘタレ」
とまで明記された男。
そのジョニーがこの状況で、何故平然としていられるのか。
脳内の警戒シグナルがけたたましく鳴り始めるのを、
ななこは感じていた。 「話の続きが聞きたいかい?まあいいけどさ、とりあえずそこの駄犬を庭に埋めさせてくれよ。長い付き合いだったんだ。それぐらい許されるだろ?」 「ゲホッ!……おい小僧、勝手に殺すんじゃねぇよ……
あれしきの毒で某が死ぬ訳がねぇ……知ってんだろ?」
骸に成り果てたと思われた聡明な犬が、
よろめきながらも立ち上がる。 「な、何なのコイツら……FBI特捜エージェントの私をここまで手こずらせる奴がいるなんて!」
ななこは驚愕し狼狽すると同時に、
身体の奥底にある芯部から湧き上がって来る衝動に震えた。
「この人達になら抱かれても……いいかも❤」 「何言ってんのしっかりしなよー」
室内に声が響いたかと思うと何もない空間が歪みピンクちゃんが現れた キムタクも同時に現れたが壁の中にめり込み絶命していた 見ると、赤い稲妻の両名が床に平伏している。
「斯様な場所においであそばすとは恐悦至極、マイマスター」
どうやらピンクちゃんを崇めている様だ。 「えっ誰あんたたち」
ピンクちゃんは知らないようだ 数分後、チェーンソーの錆と化した一人と一匹。
あと、はっこの居場所はキムタクが所持している黒いノートに、SNSのハンドルネームと住所が書いてあった。
ただの家出だったようだ。 ( ^ϖ^)「しかし、三年間も家出してたらぶっちゃけもう孕まされてるよね・・・」
キムタクがニチャアとした声色で要らんことを言う 「生きていたのキムタク?」
ピンクちゃんは壁にめり込んだキムタクに駆け寄ったが動かない
やはりただの屍のようだ
「こっちちゃよピンクちゃん」
声のする方へ顔を向けると、ドアにもたれかかり腕組みをするもう一人のキムタクがそこに立っていた しかし、その饅頭頭は…
まるで黒人AV男優のアレのように、
黒光りしていたのじゃ…… 「誰?お某」
ピンクちゃんの誰何の声に、その人物は答えなかった……言葉では。 キムタクBLACKは気絶したピンクちゃんを簀巻きにして肩に担ぐと、壁にめり込んだオリジナルキムタクを一瞥し、
「お某は何も守れない、自分自身さえもな」
そうして時空の歪みに消えていった。
ななこはその顛末を見ていることしかできなかったが、我に返るとキムタクを蘇生しようと壁から引きずり出す。
「こんなところで死んでる場合じゃないわ!キムタクくん!」
ななこの厚ぼったい唇がキムタクにあてがわれた。 彼女は回想している
時代の波から外れた、愚かで軽率な行動だったと
事実として玄関を出て10メートルほど先にある自動販売機にはAEDが備え付けられていて、そのキットの中には逆止弁付き使い捨てキューマスクも同梱されていたのだ
しかし人命救助という稀有な状況において他者が対岸から当事者の判断を非難するのは愚劣であろう
とにもかくにも、前代未聞の、時空を越えたペイシェントゼロ
決してたどり着くことのできない発生起点はこのようにして作られた
TL(タイムループ)ウイルスと呼ばれる所以である 珍しく困惑するピンクちゃんに、背後から問い掛ける声が。
「お某の落としたAEDは、この菌のAEDかえ?
それともこっちの訡のAEDかえ?
そうか、お某は正直者よの……しからば全てくれてやろう。
元々お某が持っておった普通のAEDも返してやろう。
これで全部合わせて3つじゃ。良かったの……喜ぶが良いぞ。
使い切るまでは3つとも肌身離さず持ち歩く事じゃ、ホホ……」
一方的にそう言われて3機のAEDを押し付けられ、
より一層戸惑う彼女の目に、2つの物が映る。
……フリチン燕尾服の男と賢明な犬が、床に横たわっている。 さらにそこにチュロスも駆け付けた
「許さんぞ!マッハバッハローニ首相!
オクラホマ自動車学校を爆撃されたこの俺と、
チンポを失った闘牛士の正義の鉄槌をくらえ!」
何を言ってるのだろうか チュロスは懸命に自分とジョニー&ライデンとの因縁について説明したがななこお姉さんには上手く伝わらなかった
本人たちの口から説明させようと彼は菌のAEDを受け取り二人の救命蘇生を始める
電源を入れると音声ガイダンスが流れはじめたが、その第一声はこのようなものだった
「おはようフェルプス君。今回の任務は君のような優秀なスパイには少々退屈に感じるかもしれない」 任務?また任務なの?いつになったら休暇をもらえるのかしら?
アイガー北壁を単独踏破するという長年の目標はいつ叶うのかしら?
変態と駄犬の凸凹コンビを蘇生させてAEDを手放すべきか、
それともAEDを3つも抱えたままこの場を離れるべきか……
迷った挙句、彼女はある決断をした。
中島みゆきの「わかれうた」を小声で涙ながらに口ずさみながら
狂った様にモンキーダンスを踊っているチュロスに向き合い、
こう言い放ったのである。 「行きなさいチュロス!誰のためでもない!自分自身のために!」
チュロスの顔がみるみる紅潮し、キチガイ的な興奮しているのが誰の目にも見て取れた
そして、菌のAEDを悠然と手に取ると、気取られぬようこの破廉恥空間から脱出しようとゆっくりと匍匐前進をしていた
キムタクのケツ穴に、まるで小鳥の巣を潰すかのごとく、菌のAEDをぶちこんだ
「ちゃあああああああっっっ!?!!?!」 薄れ逝く意識の中、そう囁かれた様な気がした。
優しげな微笑みを浮かべながら、チュロスはその声にこう答えた。
嗚呼、某も……愛しているちゃよ……セリ又ンティウス ここは埼玉県上尾市
チュロスを病院送りにしたあとも何のお咎めもなくガルシアは平穏に暮らしている
だが彼女は自分の身に迫りつつある白衣の変態ストーキングナイトメアの存在を本能で感じていた 「よぉガルシア!今日も精が出るねぇ!」
「あらガルシア、おはよう!瓦職人の仕事はもう慣れたかい?」
「やぁガルシア、チョロマコフスキー親方に虐められてない?」
道行く人々が次々に、彼女に声を掛けて来る。
彼女がご町内でどれだけ慕われているかがよく判る。 もちろんガルシアにも、
ヴェロキラプトルの獣人とかいう竜娘なんだかよくわからない種族ゆえに、
奇異の眼差しを向けられ、時には無碍にされる時代もあった
特にサイタマは迫害の多い土地である
その中で彼女は黙々と自身の家計と、治安向上ボランティアのみを不言実行で行ってきた
彼女に最初に正面から突っ掛かったチンピラのエマニムニエル坊の
「埼玉はベッドタウン。ジュラシックパークに帰れや」
という心無い言葉も今ではいい思い出で、
今では坊はガルシアの一番の子分を自称しているほどだ
とくに大きな転機は三年ほど前の、あの凶悪なヨネダ珈琲店支店連続放火事件
あの時、犯人であるキチガイのCを警察に付き出したガルシアは一躍時の人となったが
とくにこれといって印象深い言葉は残さず、スポットライトの下から去った
しかし、サイタマの民が彼女を認めるには十分な出来事であった 「へっへっへ、ガルシアの姐御!
今日はどげなパンツば履いとるとでごわすか?」
坊がガルシアの短いスカートの裾を指でつまんで持ち上げると…… 坊はその場所から数kmほど吹き飛ばされ、
首から上は跡形も無く消し飛んでしまっていた。
今や両肩とほぼ同じ高さになった首の付け根付近からは
真っ赤な鮮血が噴き出して辺りに大きな池を作っている。
坊の手足は通常ではあり得ない方向に折れ曲がっているにも関わらず、
何かを求めるかの様に虚空を掴んだり、何処かへ行こうと動いている。
そんな坊の軀、いやもう既に亡骸と呼ぶべき肉片に、
無情にもカラスの群れが舞い降りて来て、
全身のあちこちを一斉についばみ始めてさえいる。
嫌悪感も剥き出しに、ガルシアはこう呟いた。 「ちあきはムニエルもレアも好かんのじゃ」
ガルシアはファミリーマート前でレッドブルを飲みながら親方のトラックが迎えに来るのを待っていたが一向に現れない
今日の現場は小さな居宅に過ぎないが、それでも今日中に瓦を葺き終えなければ明日は雨の予報となっている
スマホを取り出し『チョロさん』に「いまどこ?」とLINEしたが返信がないままさらに20分が過ぎた 「おい!そこのお前!今LINEを使っていなかったか!?」
警官が近付いて来るのが見えた。
だがその制服はいつもの見窄らしい埼玉県警のものではなく、
如何にも威厳漂う東京警視庁の制服だった。
「貴様ぁ!LINEは我々東京都民だけが使えるツールだ!
サイタマ人に使用許可など与えられていない!
貴様らサイタマ人は糸電話でも使ってろ!!」
右手に握った警棒の先端で左の掌をペチペチと打って威嚇しながら、
ガルシアに向かってゆっくりと、高圧的に近寄ってくる警官。
警棒が届きそうな距離まで近付くと、警官は立ち止まった。
下卑た笑みを浮かべた警官は
「ウヒヒ、サイタマ人の娘はどがぁなパンティを履いとるがかえ?
ワシがいっちょ見てやるがじゃき」
と、警棒の先でガルシアの短いスカートの裾をめくり上げ…… 警官の膝上に、強烈な尻尾の一撃が直撃した。
警官は坊の様に遠くへ吹き飛ばされたりはしなかったが、
その場で宙を舞い、空中を猛烈な勢いで横回転にスピンした。
その勢いは凄まじく、1秒間に数百回転にも達したであろうか。
「まるでガルシアの前に大きな円盤が出現したかの様だった」
と目撃者が証言する程に、激しい回転だったと見られている。
横回転しながらも地面に叩きつけられた警官だったが、
昏倒する事もなく、その場ですぐに起きあがろうとした。
……だが、身体が思う様に動かず、立ち上がる事ができない。
両脚の感覚が無い。一体どういう訳だ。
何とか上体を起こして、脚を見た……いや、見る事ができなかった。
何故なら、本来両脚が在るべき場所には、何も無かったからだ。
代わりに切断面から流れ出る鮮血が、大きな池を造りつつあった。
尻尾ビンタで無惨にも切断された彼の両脚はこの時、
彼の背中の下に転がっていたのであった。
「このアマ!サイタマ人の分際でよくも!貴様は裁判なしで死刑だ!!」
などと威勢の良い言葉は、警官の口から出て来なかった。
代わりに「あぁ!あぁぁぁ!!うわぁぁぁぁぁぁ!!!」という
絶望に満ちた悲鳴がその場に轟いた。
その時不意に、警官は頭部、それも右目の辺りを踏みつけられ、
後頭部を強打しつつ、地面に寝そべる格好になった。
彼の左目の視界に入るもの、それは自分を踏みつける女の脚と、
その付け根の付近を覆う、艶かしい逆三角形の布地……。
「ウフフ、見たかったんですよね?特別に見せて差し上げます。
貴方が人生の最期に見たこの景色、忘れないで下さいね?」
優しく語りかけた直後、ガルシアは右脚を思い切り踏み抜いた。
顔半分を踏み潰され、両脚を切断された無惨な肉塊を一瞥し、
ガルシアはまたも嫌悪感たっぷりに呟いた。 「ちあきは国家権力も好かんのじゃ」
これ以上は待っていられない
ガルシアが把握している範囲でチョロマコフスキーの知り合いに情報の提供を呼び掛けると、とりあえず徒歩で今日の現場へと歩き出した チョロマコフスキー親方は何処で道草を食っているのだろうか。
いつもは時間にうるさいあの親方が連絡も無しに遅れるなど、
これまで一度も無かった事だ。
親方のみならず、サイタマ人は基本的に規律正しい。
他者に対しては常に礼儀を重んじる傾向にある。
外国人が思い描くステレオタイプな日本人像そのままな人が多い。
その中でも特に顕著なサイタマ人気質と周囲から評される親方が、
今朝に限って約束の時間に姿を現さなかった。
ガルシアは一抹の不安を感じつつも、現場への道を急いだ。 現場ではチョロマコフスキーが待っていた
すでに事切れ死体となった状態で ガルちゃんは親方のそばに膝から崩れおちた
「奴じゃ…奴がついにこの街に来たのじゃ…もうおしまいじゃ…」 白衣なびかせ
奴が来る
腰に手拭い
ぶら下げて
ミニチュアサイズに
詰め込んだ
サイコストーカーが
やって来る そんな古臭い歌を口ずさみながら現れたのは、
ムッシュかまy…………ではなく、 誰も居ない虚空を切り裂く鋭い一撃。
誰も居ない。そこには何も居ない。……その筈だった。
だが、ガルシアは確かに感じていた。
チョロ親方が丹精込めて焼き上げたオリハルコン瓦。
アレをぶった斬った時によく似た、独特の感触を。 「お前じゃったかオスオラ・・・いつもお前は一足遅い・・」
ガルシアが振り返るとそこには彼女の兄弟子が前髪に櫛を入れながら立っていた
「やれやれオラのリーゼントが乱れるとこだったぜてやんでい」 「チョロ親方が……客先で事切れておるのじゃ……」
「Oh!Holy shit!!なんてこった……」
何を今更、といった感のある会話を交わす2人。 「とりあえず溶かすか」
雄男裸は内ポケットから酸の小瓶を取り出した 小瓶を取り出した途端、チョロ親方の遺体がピクリと動いたのを、
ガルシアは見逃さなかった。
見ると、親方の身体からは、尋常じゃないほど大量の汗が噴き出ている。
全てを悟ったガルシアは、 家に帰って配信を始めた
「がるがるがるーん♪ジュラシックパークから逃げ出してきた恐竜セーラー小娘ガルシアじゃぞ♪今日は昔の嫌な知人に会ったからちとヘラっとるんじゃが気を取り直してエルデンするかの♪」 『おはがるーん』5000円
『おはがるーん』800円
『がるーんかわいい』2000円
『気を取り直せて偉い』1000円
『ヘラガル助かる』2000円
今日も絶好調の滑り出しである
しかし配信開始から30分ほどが経過した辺りで突然投げ込まれた赤スパチャにガルシアは眉をひそめた 『エルデンピンクはスパチャ禁止のはずでは?』10000円 駄目だ
こんなことでは自分を満たせない
そう決断したガルシアは旅に出た とにかく埼玉から離れなければ
この街はちあきを甘やかす
ガルシアの決意は固かった
紆余曲折の長い旅路の末、たどり着いたのは栃木だった
「思えば遠くへきたものじゃ…」 ガルシアは村の入り口付近に居る人々に話しかけてみた。
「ここは ウツノミヤの むらです。」
「ウツノミヤは ギョウザが ゆうめいだよ!」
「つめたい ビールと あつあつの ギョウザ!
これが さいこうの くみあわせ じゃよ!」
確かに村のあちらこちらでギョウザを焼いているらしく、
辺りに香ばしい香りが漂っている。 しかしそのギョウザには段ボール片が混入していたのだ
ガルシアがそのことに気付いたのは3皿目だった 店長からは逃げられない!
店長はスラックスを脱ぎ捨てると
女物の赤いパンティを着用していた
パンティをゆっくり10分以上かけて下ろすと
そこはもうドロドロいきっぱなし 店長の性器腹話術!
「やあ、ぼくはバットマン、悪い子なんだ
でも君の子供を産むためだけに空いている穴に白濁遺伝子を放出すればいい子に戻れるかもしれないなぁ
ぼくを改心させてみたまえ」 男根の付け根付近に痛烈な痛みを感じたバットマンは、
思わず自分の腰の辺りに視線を落とした。
そこにはまるで、天をも衝かんと言わんばかりにそそり立った、
誰よりも太く逞しい男根が在った……筈だった。
つい先刻までは、確かに在った筈なのだ。
だが、今やそこには、何も無かった。イチモツなど何処にも無い。
それなのに、まるで寝起きの小便を絞り出しているかの様に、
真っ赤な鮮血が勢いよく噴き出しているのだった。
状況を理解したバットマンは、自らの口から
「あぁぁ!あぁぁぁぁぁ!!!うぁぁぁぁぉぉ!!!!!」と、
絶望と恐怖と憤怒に満ちた嗚咽が無意識に漏れ出るのを自覚した。
鮮血噴き出す股間を手で押さえながら、膝から崩れ落ちるバットマン。
そんな彼にガルシアは冷たく言い放つ。 しかしその言葉は掻き消された
そこにゴッサムシティの怪人
のコスプレをした中年外国人たちが次々と駆けつけたからだ
しかもことごとく股間の部分を露出したフルチンなのである 人は努力をしなければ坂の上の石のように下へ下へと転がり落ちていくもの
旅先の破廉恥騒ぎで流石に少しトラウマを植え付けられたガルシアは
また引きこもりがちな配信者生活に戻ってしまった
「がるがるがるおはがるーん♪
いや…ひさがるーんじゃな…(苦笑)
しばらく沈黙しててごめんな?
詳しくは言えんが、ちあきは少し人生に迷ってしまったのじゃ…
でも、そこで思い出したのが皆の存在…
ガル民こそがちあきの誇り…
一度離れてしまって人と人の繋がりの大切さを身をもって理解したんじゃ…
帰ってこれる場所を守ってくれてありがとうガ
ル民
ちあきよりガル民の方がずっと立派なのじゃ
ガル民しか勝たん!
これからもこんなちあきで良かったら配信を観て行ってほしいのじゃ
……つーわけでエルデンの続きやるぞ〜♪」 「おかえり」
上限5万円のスーパーチャットに付けられたコメントはその一言のみの淡泊なものだった
しかしガルシアの視線はそのスパチャに釘付けになる
アイコンにはシワ一つない白衣
そしてハンネは・・・85
そうさ
まぎれもなく奴さ
はっこがガルシアを射程圏内に捉えたのである しかしガルシアには己の身の安全より先にやるべきことがあった
エルデンピンクのクリアである
配信者としての虚勢がガルシアを熱くさせるのだ
その選択の誤りこそが後の「ヴェロキラプトル拉致監禁生配信事件」に繋がるとも知らず エルデンピンクをプレイしつつ、配信画面外でガルシアはスマホを操作し、自身の所属するYouTuber事務所OOOMのホットラインへ救難メールを送信した
「身に危険が迫ることがあればこの番号へ連絡しろ、『クリーナー』が全て上手く片付けてくれる」
事務所社長から常々そう聞かされていたガルシアは、迷うことなく「ストーカーに特定されたっぽい」とそのホットラインに連絡を入れる
5分ほどしてガルシアの電話が鳴った
彼女はリスナーに「ちょっとトイレタイムじゃ」と断り、待機画面に切り替えてから、電話に出る
「ちあきじゃ」
「あーガルシア君?オレは『クリーナー』と呼ばれてる者だがね、なにやらストーカーに住所が割れたとか?」
電話の相手はネチャネチャした中年の男の声だ
何をやっているのか知らないがガタガタと背後で雑音がする
「そうじゃ。証拠はないが、そいつの今までの捜査力から考えて、確実に身バレしておるとの確信がある」
ガルシアは早口で言った
「あっそう。とにかくオヂサンに任せといてくれたら大丈夫だから。君は安心して…」
その時、ガシャン!と電話の向こうで何かが倒れるような音が大きく響き、続いて
「逃げろ!そのオレはオレじゃない!オレだけどオレじゃない!時空をこ」
と『クリーナー』と同じ声だが、全く余裕のない必死な叫びが受話器を通して聞こえてきた
「な、な、なんじゃ今の!?誰じゃ?どうなっとる!?」
状況が掴めずガルシアは混乱した
だが『クリーナー』は相変わらずのんびりとした口調で答える
「ああ何でもないから。あのーあれだ、オレの、そう、オレのオーディション用の録音だよ。オレもYouTuber目指しててね。うん」
「とにかくこっちのことは気にしないで。ガルシア君は今まで通りやっててくれたらいいから。あとは全部こっちで片付けるから」 だが、困った事が一つだけあった。
筆者はエルデンピンクを知らないのである。 しかしあまりリスナーを待たせる訳にもいかず、彼女はとりあえず配信画面に戻る
「よく出た?」「おっきいの出た?」「いっぱい出た?」等々の下衆いコメントをスルーして
「お待たせしたのじゃ、では焼き肉シミュレーションの続きをやっていくぞ」と5分前までの流れなどなかったかのようにYakiniku Simulationを始めた ガルちゃんうんち焼いて食ったら旨そう
30000円
どうして自分にはこんな糞みたいな固定客しか着かないのか
永年自分を騙し騙しやってきたがもう配信者としても限界だった 「すまんが今日は体調が悪い。この辺にしておく…それと次回の配信は大事な告知があるのでぜひ来てほしいのじゃ。それじゃ、おつがるーん♪」
次の配信を引退宣言&大集金回にしようと決めてガルシアはそそくさと枠を閉じた
と、ほぼ同時にエントランスのチャイムが鳴った
クリーナーだ、もう来たのか、なんと迅速な対応ではないか
チャイムの主を先程連絡したクリーナーだと信じて疑わないガルシアはカメラも確認せずにエントランスのオートロックを解除する
そして、一分もしないうちに玄関のチャイムが鳴った ガルシアは玄関へ向かった
そして己の軽率さを呪った
ドアノブがガチャガチャと激しく狂ったように動いている
もはや逃げ場はなかった キィと音を立ててドアポストが開く
トスッと何かが投入された音がした
そして声が聞こえた
「…わたしはっこちゃん、今、あなたのポストの中にいるの!」 ガルシア「なんじゃこの可愛い生き物は」
それからガルシアの人生は一変した
彼女は配信者を引退し地方で農家の手伝いを始めた
大抵の人間は元気で逞しいガルシアのことを応援してくれた
その肩には、いつも白衣の小さな小人が乗っていて、いつも彼女のことを叱咤激励していたと言う
第四章
ポケットモンスター・クレイジーサイコエメラルド
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