■「ジャニーさんのひざの上に乗って…」
これらの作品中にある「セクハラ行為」の記述は、ジャニー氏の「性加害」を追及した1999年の「週刊文春」のキャンペーン
報道をめぐり、ジャニーズ事務所が、発行元の文藝春秋を訴えた名誉毀損裁判でも注目を浴びた。
2003年7月15日の東京高裁判決は、セクハラに関する記事を指して「重要な部分について真実であることの証明があった」
として、文春の記事のジャニー氏の「セクハラ」に関する部分の真実相当性を認めた。と同時に、北と豊川それぞれの著書
での「セクハラ行為」の記述にジャニー氏側が抗議しなかった点を指摘している。

ジャニー氏が積極的な反論・反証を行わなかったことが判決に影響を及ぼしたのだ。とはいえ、当事者である豊川には
性被害者としての意識は薄い。「正直いって仕方ない面もあると思うんです。実際、プロモーターの人にも言われましたから。
『ジャニーさんのひざの上に乗って耳舐めなきゃだめだよ』って。僕はそこまでできなかったけど、スターになるためには
何でもしなきゃいけない。そういう世界なんですよ」